(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シール部材は、前記現像剤担持体の回転方向における、前記第1の当接部より下流側で、かつ、前記第2の当接部より上流側で前記現像剤担持体と当接させられる請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の画像形成ユニットにおいては、トナー収容部内においてトナーが滞留しやすく、トナーの滞留によって画像品位が低下することがある。
【0008】
本発明は、現像剤収容部内において現像剤が滞留するのを防止することができ、画像品位を向上させることができる画像形成ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の画像形成ユニットにおいては、像担持体と、現像剤を収容する現像剤収容部内に配設され、前記像担持体の表面上の静電潜像に現像剤を付着させて現像剤像を形成する現像剤担持体と、前記現像剤収容部内に配設され、現像剤担持体に現像剤を供給する第1の現像剤供給部材と、固定端及び自由端を備え、前記現像剤収容部内の現像剤が漏れるのを防止するシール部材とを有する。
【0010】
そして、該シール部材は、固定端が、現像剤収容部を形成する筐体に固定され、自由端が、前記現像剤担持体の回転方向における、前記像担持体と現像剤担持体とが当接する第1の当接部と、前記現像剤担持体と第1の現像剤供給部材とが当接する第2の当接部との間において、前記現像剤担持体と当接させられる。
【0011】
また、前記筐体は、前記シール部材の固定端から鉛直方向における斜め下方に向けて延在させられる第1の壁部、及び該第1の壁部に対して連続して、前記第1の現像剤供給部材の外周面に沿って延在させられる第2の壁部を備える。
【0012】
そして、前記第1の壁部と第1の現像剤供給部材の外周面との間の第1の距離は、前記シール部材の固定端から離れるほど小さくされる。
また、前記第1の壁部とほぼ平行で、かつ、前記第2の壁部と接する面を仮想面としたとき、前記第1の壁部は、前記仮想面より前記第2の当接部側に形成される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像形成ユニットにおいては、像担持体と、現像剤を収容する現像剤収容部内に配設され、前記像担持体の表面上の静電潜像に現像剤を付着させて現像剤像を形成する現像剤担持体と、前記現像剤収容部内に配設され、現像剤担持体に現像剤を供給する第1の現像剤供給部材と、固定端及び自由端を備え、前記現像剤収容部内の現像剤が漏れるのを防止するシール部材とを有する。
【0014】
そして、該シール部材は、固定端が、現像剤収容部を形成する筐体に固定され、自由端が、前記現像剤担持体の回転方向における、前記像担持体と現像剤担持体とが当接する第1の当接部と、前記現像剤担持体と第1の現像剤供給部材とが当接する第2の当接部との間において、前記現像剤担持体と当接させられる。
【0015】
また、前記筐体は、前記シール部材の固定端から鉛直方向における斜め下方に向けて延在させられる第1の壁部、及び該第1の壁部に対して連続して、前記第1の現像剤供給部材の外周面に沿って延在させられる第2の壁部を備える。
【0016】
そして、前記第1の壁部と第1の現像剤供給部材の外周面との間の第1の距離は、前記シール部材の固定端から離れるほど小さくされる。
また、前記第1の壁部とほぼ平行で、かつ、前記第2の壁部と接する面を仮想面としたとき、前記第1の壁部は、前記仮想面より前記第2の当接部側に形成される。
【0017】
この場合、筐体は、シール部材の固定端から鉛直方向における斜め下方に向けて延在させられる第1の壁部、及び該第1の壁部に対して連続して、第1の現像剤供給部材の外周面に沿って延在させられる第2の壁部を備え、第1の壁部の内周面と第1の現像剤供給部材の外周面との間の第1の距離が、前記シール部材の固定端から離れるほど小さくされるので、第1の現像剤供給部材によって現像剤担持体から掻き取られた現像剤は、第1の現像剤供給部材の回転方向における下流側に送られるほど第1の現像剤供給部材に押し付けられる。
【0018】
したがって、第1の現像剤供給部材上の現像剤の現像剤担持体への充填率が高くなるので、単位体積当たりの現像剤の搬送量が増加し、現像剤収容部内において現像剤が滞留するのを防止することができる。その結果、画像品位を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0021】
図2は本発明の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0022】
図において、Prはプリンタ、Cs1は該プリンタPrの筐体、10Bk、10Y、10M、10Cは該筐体Cs1内における上方に配設されたブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の現像剤像としてのトナー像を形成する画像形成ユニット、u1は各画像形成ユニット10Bk、10Y、10M、10Cより下方に配設され、各画像形成ユニット10Bk、10Y、10M、10Cによって形成された各色のトナー像を媒体としての用紙Pに順次転写し、カラーのトナー像を形成する転写ユニット、11は該転写ユニットu1より下方に配設され、前記用紙Pを収容する媒体収容部としての用紙カセット、15は用紙Pに転写されたカラーのトナー像を定着させてカラー画像を形成する定着装置としての定着器、24は前記用紙カセット11に収容された用紙Pを一枚ずつ分離させて媒体搬送路Rt1に繰り出す繰出ローラ、25は該繰出ローラ24によって繰り出された用紙Pの斜行を矯正するレジストローラ対、26はカラー画像が形成された用紙Pを、プリンタPrの本体、すなわち、装置本体外に排出する排出ローラ対、30は筐体Cs1の頂壁に形成され、排出ローラ対26によって排出された用紙Pを積載する媒体積載部としてのスタッカである。
【0023】
また、31は各画像形成ユニット10Bk、10Y、10M、10Cに配設された像担持体としての感光体ドラム、Hdは、各画像形成ユニット10Bk、10Y、10M、10Cの感光体ドラム31より上方において、感光体ドラム31と対向させて配設された露光装置としてのLEDヘッドである。
【0024】
前記転写ユニットu1は、用紙Pの搬送方向における下流側において回転自在に配設され、走行用の駆動部としての図示されないベルトモータから送られた回転を受けて回転させられる第1のローラとしてのドライブローラ21、用紙Pの搬送方向における上流側において回転自在に配設され、ドライブローラ21の回転に伴って回転させられる第2のローラとしてのアイドルローラ22、前記ドライブローラ21及びアイドルローラ22によって張設され、ドライブローラ21の回転に伴って矢印A方向に走行させられ、用紙Pを搬送する転写ベルト13、該転写ベルト13を介して前記感光体ドラム31と対向させて回転自在に配設され、各感光体ドラム31の表面上に形成されたトナー像を用紙Pに転写する転写部材としての転写ローラ12、前記転写ベルト13に付着したトナーを除去するクリーニング装置14等を備える。前記転写ローラ12は導電性を有する発泡性弾性体から成る。なお、各感光体ドラム31と転写ローラ12との間に転写部が形成される。
【0025】
前記クリーニング装置14は、先端を転写べルト13の走行方向に対して逆方向に向けて当接させて配設されたクリーニング部材としてのクリーニングブレード14aを備える。
【0026】
前記定着器15は、第1の定着部材としての加熱ローラR1、及び第2の定着部材としての加圧ローラR2を備え、前記加熱ローラR1内に図示されない加熱体が配設される。カラーのトナー像は、加熱ローラR1によって加熱され、加圧ローラR2によって加圧されて用紙Pに定着させられる。
【0027】
次に、画像形成ユニット10Bk、10Y、10M、10Cについて説明する。この場合、各画像形成ユニット10Bk、10Y、10M、10Cは同じ構造を有するので、画像形成ユニット10Cについて説明する。
【0028】
図3は本発明の実施の形態における画像形成ユニットの概略図である。
【0029】
図において、10Cは画像形成ユニット、Cs2は該画像形成ユニット10Cの筐体、h1は該筐体Cs2に形成された開口、HdはLEDヘッドであり、該LEDヘッドHdは、画像形成ユニット10Cと隣接させて、かつ、感光体ドラム31の上方において、前記開口h1を介して感光体ドラム31と対向させて配設される。そして、前記LEDヘッドHdは、発光要素としての図示されないLED素子、各LED素子を駆動して光を発生させる図示されない駆動素子、LED素子によって発生させられる光を集め、感光体ドラム31の表面に結像させる図示されないレンズアレイ等を備える。
【0030】
また、32は前記感光体ドラム31と当接させて回転自在に配設された帯電装置としての帯電ローラ、34は前記感光体ドラム31と当接させて回転自在に配設された現像剤担持体としての現像ローラ、35は該現像ローラ34と当接させて回転自在に配設された第1の現像剤供給部材としての、かつ、第1の現像剤供給ローラとしての第1のトナー供給ローラ、36は前記現像ローラ34と当接させて回転自在に配設された第2の現像剤供給部材としての、かつ、第2の現像剤供給ローラとしての第2のトナー供給ローラ、37は前記筐体Cs2の所定の箇所に取り付けられ、先端を現像ローラ34と当接させて配設された現像剤規制部材としての現像ブレード、38は画像形成ユニット10Cの高さ方向における第1、第2のトナー供給ローラ35、36間において、第1、第2のトナー供給ローラ35、36と対向させて回転自在に配設された攪拌部材、39は前記筐体Cs2内に形成され、現像剤としてのトナーを収容する現像剤収容部としてのトナー収容部、40は前記筐体Cs2の所定の箇所に取り付けられ、先端を現像ローラ34の回転方向に対して順方向に向けて当接させて配設され、トナー収容部39内のトナーが筐体Cs2外に漏れるのを防止するシール部材としてのトナー漏れ防止フィルム、41はトナー像の転写後に感光体ドラム31上に残留したトナーを除去するクリーニング装置である。該クリーニング装置41は、先端を感光体ドラム31の回転方向に対して逆方向に向けて当接させて配設されたクリーニング部材としてのクリーニングブレード41aを備える。
【0031】
なお、前記トナー収容部39は、前記筐体Cs2、現像ブレード37、現像ローラ34及びトナー漏れ防止フィルム40によって包囲される。
【0032】
前記感光体ドラム31は矢印B方向に、帯電ローラ32は矢印C方向(感光体ドラム31と逆方向)に、現像ローラ34は矢印D方向(感光体ドラム31と逆方向)に、第1、第2のトナー供給ローラ35、36は矢印E、F方向(現像ローラ34と同方向)に、攪拌部材38は矢印G方向(第1、第2のトナー供給ローラ35、36と逆方向)に回転させられる。
【0033】
そのために、前記感光体ドラム31の一端に、図示されないドラム駆動ギヤが取り付けられ、該ドラム駆動ギヤと駆動部としての図示されないドラムモータとがギヤ列を介して連結される。そして、前記ドラムモータを駆動することによって発生させられた回転がギヤ列を介してドラム駆動ギヤに伝達され、感光体ドラム31が回転させられる。
【0034】
また、帯電ローラ32は感光体ドラム31の表面との摩擦によって回転させられ、現像ローラ34は、現像ローラ34の一端に取り付けられた図示されない現像ローラギヤと前記ドラム駆動ギヤとを噛合させることによって回転させられ、第1のトナー供給ローラ35は、第1のトナー供給ローラ35の一端に取り付けられた図示されない第1のトナー供給ローラギヤと前記ドラム駆動ギヤとを図示されないアイドルギヤを介して噛合させることによって回転させられ、第2のトナー供給ローラ36は、第2のトナー供給ローラ36の一端に取り付けられた図示されない第2のトナー供給ローラギヤと前記現像ローラギヤとを図示されないアイドルギヤを介して噛合させることによって回転させられる。
【0035】
前記感光体ドラム31は、厚さが0.75〔mm〕、外径が30〔mm〕のアルミ素管、並びに該アルミ素管上に形成された、膜厚が0.5〔μm〕の電荷発生層及び膜厚が20〔μm〕の電荷輸送層を備える。
【0036】
また、前記帯電ローラ32は、例えば、SUS(ステンレス鋼)材から成る導体の軸、及び該軸に被覆されたエピクロルヒドリン等の導電性を有する弾性体を備え、感光体ドラム31の表面を一様に帯電させる。なお、前記LEDヘッドHdは、一様に帯電させられた感光体ドラム31の表面を露光し、潜像としての静電潜像を形成する。
【0037】
そして、前記現像ローラ34は、SUS材から成る導電性シャフト(芯金)、該導電性シャフト上に配設されたロール状の弾性層、及び該弾性層に被覆された表面層を備え、感光体ドラム31の表面上の静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成する。前記弾性層は、ウレタンゴム、シリコーンゴム等によって形成され、表面層は、ウレタンゴムに対して、ウレタン溶液によって処理を行ったり、弾性層にアクリル樹脂、アクリル−フッ素共重合樹脂等の樹脂を塗布したりすることによって形成される。なお、表面層に導電性を付与するために、アクリル樹脂、アクリル−フッ素共重合樹脂等の樹脂にカーボンブラックが添加される。
【0038】
また、前記第1、第2のトナー供給ローラ35、36は、それぞれSUS材から成る導電性シャフト(芯金)、及び該導電性シャフト上に配設された弾性層を備え、トナーを摩擦によって帯電させながら、現像ローラ34に供給する。前記弾性層は、半導電性を有するシリコーンゴム発泡体、半導電性を有するウレタンゴム発泡体等によって形成される。なお、前記弾性層に半導電性を付与するために、シリコーンゴム発泡体、ウレタンゴム発泡体等にアセチレンブラック、カーボンブラック等が添加される。
【0039】
前記現像ブレード37は、板厚が0.08〔mm〕のSUS材から成るプレートによって形成され、現像ローラ34と当接する部分に曲げ加工が施され、曲率半径Rが0.2〔mm〕の曲げ部が形成される。そして、前記現像ブレード37は、30〔gf/cm〕の線圧で現像ローラ34に当接させられて現像ローラ34上のトナーを薄層化し、現像ローラ34にトナーの薄層を形成する。なお、前記曲げ部の曲率半径R及び線圧は、現像ローラ34上のトナーの量、トナーの帯電量等に応じて調整される。
【0040】
前記攪拌部材38は、直径が1.5〔mm〕のSUS材から成る棒材によって形成される。
【0041】
この場合、現像ローラ34に第1、第2のトナー供給ローラ35、36が当接させられるので、現像ローラ34における、現像が行われることによってトナーが少なくなった部分が、後述される、現像ローラ34と第1のトナー供給ローラ35との間のニップ部Np1(
図1)に到達しても、現像ローラ34と第2のトナー供給ローラ36との間のニップ部Np2において、更に第2のトナー供給ローラ36から現像ローラ34にトナーが供給されるので、用紙Pの搬送方向における用紙Pの前半の領域と後半の領域とで濃度段差が発生するのを防止することができる。
【0042】
次に、前記構成のプリンタPrの動作について説明する。
【0043】
まず、印刷の指令を受けると、図示されない制御部は、帯電ローラ32に帯電電圧を印加して感光体ドラム31の表面を一様に帯電させた後、画像データに従ってLEDヘッドHdを駆動し、感光体ドラム31の表面に所定のパターンの静電潜像を形成する。
【0044】
そして、前記制御部は、第1、第2のトナー供給ローラ35、36に供給電圧を、現像ブレード37にブレード電圧を印加し、現像ローラ34にトナーの薄層を均一に形成し、該トナーの薄層の帯電量を所定の値にする。続いて、制御部は、表面にトナーの薄層が形成された現像ローラ34に現像電圧を印加して、感光体ドラム31の表面上の静電潜像にトナーを付着させ、静電潜像を現像する。
【0045】
次に、制御部は、繰出ローラ24(
図2)を回転させ、用紙カセット11に収容された用紙Pを一枚ずつ分離させて媒体搬送路Rt1に送り、レジストローラ対25によって斜行を矯正し、各感光体ドラム31と転写ローラ12との間の転写部に送る。
【0046】
また、制御部は、転写ローラ12に転写電圧を印加し、ベルトモータを駆動してドライブローラ21を回転させ、転写ベルト13を走行させて用紙Pを搬送し、各転写部において感光体ドラム31の表面上のトナー像を順次重ねて用紙Pに転写し、カラーのトナー像を形成する。なお、転写後に感光体ドラム31上に残留したトナーは、クリーニング装置41によって除去される。
【0047】
続いて、制御部は、カラーのトナー像が形成された用紙Pを定着器15に送り、該定着器15においてカラーのトナー像を用紙Pに定着させ、カラー画像を形成する。そして、制御部は、排出ローラ対26を回転させることによって用紙Pを装置本体外に排出し、スタッカ30に積載する。
【0048】
なお、負帯電性のトナーを使用してプリンタPrを常温常湿の環境下で動作させる場合、例えば、帯電ローラ32に印加される帯電電圧は−1050〔V〕にされ、現像ローラ34に印加される現像電圧は−200〔V〕にされ、第1、第2のトナー供給ローラ35、36に印加される供給電圧は−300〔V〕にされ、現像ブレード37に印加されるブレード電圧は−300〔V〕にされる。
【0049】
前記感光体ドラム31の表面は、所定の値以上の帯電電圧が帯電ローラ32に印加されると帯電させられ、帯電ローラ32に印加される帯電電圧に比例して感光体ドラム31の表面電位が変化する。本実施の形態においては、帯電ローラ32に印加される帯電電圧が−1050〔V〕にされるので、感光体ドラム31の表面電位が−500〔V〕になる。そして、LEDヘッドHdの駆動によって形成される静電潜像の潜像電位は−50〔V〕になり、現像ローラ34上のトナーが静電潜像に付着させられ、反転現像が行われる。なお、正帯電性のトナーを使用する場合は、各電圧の正負が逆になる。
【0050】
ところで、トナー収容部39内においてトナーが滞留し、トナー収容部39内における第1、第2のトナー供給ローラ35、36間の空間にトナーを十分に供給することができなくなると、現像ローラ34に安定させてトナーの薄層を形成することができなくなり、画像にかすれ等が発生し、画像品位が低下してしまう。
【0051】
そこで、本実施の形態においては、トナー収容部39内の所定の位置に第1、第2のトナー供給ローラ35、36及び攪拌部材38を配設し、トナー収容部39内でトナーが滞留するのを防止するようにしている。
【0052】
図1は本発明の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す第1の図、
図4は本発明の実施の形態における画像形成ユニットの要部を示す第2の図である。この場合も、画像形成ユニット10Bk、10Y、10M、10Cのうちの画像形成ユニット10Cについて説明する。
【0053】
図において、Cs2は画像形成ユニット10Cの筐体、31は感光体ドラム、34は現像ローラ、35は第1のトナー供給ローラ、36は第2のトナー供給ローラ、37は現像ブレード、38は攪拌部材、39はトナー収容部、40はトナー漏れ防止フィルムである。前記感光体ドラム31と現像ローラ34とは第1の当接部としての接触部X1で、現像ローラ34と第1のトナー供給ローラ35とは第2の当接部としてのニップ部Np1で、現像ローラ34と第2のトナー供給ローラ36とは第3の当接部としてのニップ部Np2で、現像ブレード37と現像ローラ34とは第4の当接部としての押当部Tpで当接させられる。また、sh1〜sh4は現像ローラ34、第1、第2のトナー供給ローラ35、36及び攪拌部材38の回転中心である。
【0054】
前記トナー収容部39を形成するために、筐体Cs2は壁部WA〜WEを備える。なお、本実施の形態においては、壁部WBによって第1の壁部が、壁部WCによって第2の壁部が、壁部WDによって第3の壁部が、壁部WAによって第4の壁部が構成される。
【0055】
壁部WAは、現像ローラ34の回転中心sh1を挟んで押当部Tpと反対側で、かつ、現像ローラ34の鉛直方向における下方に形成され、前記壁部WAにトナー漏れ防止フィルム40が取り付けられる。該トナー漏れ防止フィルム40は、壁部WAに取り付けられた部分、すなわち、取付部を固定端40aとし、先端を自由端40bとして、現像ローラ34と第1のトナー供給ローラ35との間のニップ部Np1に向けて延在させられる。そして、自由端40bは、前記現像ローラ34の回転方向における、接触部X1とニップ部Np1との間において、前記現像ローラ34と当接させられる。すなわち、トナー漏れ防止フィルム40の当接面40Sと現像ローラ34の外周面34Sとが当接させられる。
【0056】
壁部WBは、壁部WAと連続させて形成され、壁部WAに対して所定の角度を成す方向、本実施の形態においては、壁部WAに対してほぼ直交する方向(互いに80〜100〔°〕を成す方向)にほぼ直線状に延在させられる。そして、現像ローラ34の回転中心sh1と第1のトナー供給ローラ35の回転中心sh2とを結ぶ線をL1とし、該線L1と直交する線をL2としたとき、壁部WBは、固定端40aから前記線L2と筐体Cs2とが交差する点Q1より固定端40a側の点Q2まで、下方に向けて傾斜させて(固定端40aから離れるほど鉛直方向下方になるように)、かつ、第1のトナー供給ローラ35の所定の点における外周接線と平行に延在させられる。なお、第1のトナー供給ローラ35の回転中心sh2と点Q2とを結ぶ線をL3としたとき、線L2上の回転中心sh2と点Q1との間の距離と、線L3上の回転中心sh2と点Q2との間の距離とは等しくされる。
【0057】
そして、壁部WBの内周面Bfと直交する方向における、壁部WBの内周面Bfと第1のトナー供給ローラ35の外周面35Sとの間の第1の距離dは、固定端40aから離れるほど小さくされる。なお、前記壁部WBによって前記第1の距離dが規定される。
【0058】
本実施の形態において、壁部WBは、ほぼ直線状に延在させられるようになっているが、わずかに湾曲させて延在させることができる。その場合、壁部WBは、第1のトナー供給ローラ35の外周面35Sの曲率半径より大きい曲率半径で湾曲させられ、壁部WBの内周面Bfと第1のトナー供給ローラ35の外周面35Sとの間の第1の距離dは、固定端40aから離れるほど小さくされる。
【0059】
また、壁部WCは、壁部WBと連続させて形成され、前記線L1を斜め下方に延長させた線L4と筐体Cs2とが交差する点をQ3としたとき、前記点Q2から点Q3まで、第1のトナー供給ローラ35の鉛直方向における下方に延在させられる。前記壁部WCは、第1のトナー供給ローラ35の外周面35Sに沿って、所定の間隙、本実施の形態においては、0.5〔mm〕を維持するように、かつ、一定の曲率半径を有するように円弧状に延在させて形成され、壁部WCの内周面Cfと第1のトナー供給ローラ35の外周面35Sとの間の第2の距離δは、前記壁部WBと第1のトナー供給ローラ35の外周面35Sとの間の第1の距離d以下にされる。なお、前記壁部WCによって前記第2の距離δが規定される。
【0060】
この場合、前記壁部WBは、前記固定端40aから点Q2まで直線状に延在させられ、壁部WCは、点Q2から点Q3まで円弧状に延在させられ、前記点Q2は点Q1より固定端40a側に位置させられる。したがって、壁部WBとほぼ平行で、かつ、壁部WCと接する面を仮想面Aとしたとき、前記壁部WBは、前記仮想面Aよりニップ部Np1側において延在させて形成される。そして、点Q2において壁部WB、WCは、所定の角度で交差し、第1のトナー供給ローラ35に向けてわずかに突き出す突出し部を形成する。また、壁部WCにおける点Q2の部分の鉛直方向に対する傾きは前記壁部WBの傾きより大きくされ、壁部WBと壁部WCとの間にスロープ形状が形成される。
【0061】
そして、壁部WDは、前記壁部WCにおける壁部WBが形成される側と反対側の点Q3から、壁部WCと連続させて形成され、前記線L4と第1のトナー供給ローラ35の外周面35Sとの交点(点Q4)における外周接線とほぼ平行に、かつ、ほぼ直線状に延在させられる。そして、壁部WDの内周面Dfと直交する方向における、壁部WDの内周面Dfと第1のトナー供給ローラ35の外周面35Sとの間の第3の距離eは、点Q3から離れるほど大きくされる。また、前記壁部WDは、前記点Q3から、上方に向けて傾斜させて(点Q3から離れるほど鉛直方向上方になるように)延在させられる。なお、前記壁部WDによって前記第3の距離eが規定される。また、壁部WDの内周面Dfは、壁部WCの内周面Cfの接線を含む面を形成する。
【0062】
壁部WEは、壁部WDと連続させて、壁部WDの上端から鉛直方向上方に向けて形成される。
【0063】
前記構成の画像形成ユニット10Cにおいて、現像に使用されなかった現像ローラ34上のトナーは、まず、第1のトナー供給ローラ35によって掻き取られる。そして、掻き取られたトナーは、第1のトナー供給ローラ35の回転に伴って、第1のトナー供給ローラ35の外周面35Sと前記壁部WA〜WCとの間を通り、点Q3に送られる。
【0064】
ここで、前述されたように、本実施の形態においては、壁部WCと第1のトナー供給ローラ35の外周面35Sとの間の第2の距離δが、前記壁部WBと第1のトナー供給ローラ35の外周面35Sとの間の第1の距離dより小さくされ、前記第1の距離dが、固定端40aから離れるほど小さくされるので、前記第1のトナー供給ローラ35によって掻き取られたトナーは、第1のトナー供給ローラ35の回転方向における下流側に送られるほど第1のトナー供給ローラ35に押し付けられる。
【0065】
したがって、第1のトナー供給ローラ35上のトナーの現像ローラ34への充填率が高くなるので、単位体積当たりのトナーの搬送量を増加させることができる。
【0066】
また、壁部WCにおける点Q2の部分の鉛直方向に対する傾きが前記壁部WBの傾きより大きくされるので、前記壁部WBと第1のトナー供給ローラ35との間に搬送されたトナーを、壁部WCと第1のトナー供給ローラ35との間に円滑に送ることができる。
【0067】
そして、前記壁部WDは、点Q3において壁部WCと連続させて形成され、壁部WDの内周面Dfは、壁部WCの内周面Cfの接線を含む面を形成するので、壁部WCと第1のトナー供給ローラ35との間に搬送されたトナーを攪拌部材38に向けて送り出すことができる。
【0068】
ところで、トナー収容部39内における壁部WEの近傍においては、上方から下方に向けてトナーが供給されるとともに、第1のトナー供給ローラ35によって現像ローラ34から掻き取られたトナーが、下方から上方に向けて供給され、第1、第2のトナー供給ローラ35、36間の空間に送られる。
【0069】
そこで、本実施の形態においては、
図4に示されるように、攪拌部材38を、鉛直方向において、第1のトナー供給ローラ35の回転中心sh2より上方で、かつ、第2のトナー供給ローラ36の回転中心sh3より下方であり、水平方向において、前記回転中心sh2、sh3を結ぶ直線L5より壁部WE側、すなわち、現像ローラ34と反対側に形成される領域Ar1に配設するようにしている。本実施の形態においては、攪拌部材38の回転中心sh4が、第1、第2のトナー供給ローラ35、36の共通の外周接線上における、現像ローラ34の回転中心sh1とほぼ同じ高さの位置に配設される。
【0070】
前記領域Ar1より下方においては、前述されたように、壁部WCと第1のトナー供給ローラ35の外周面35Sとの間の第2の距離δが、前記壁部WBと第1のトナー供給ローラ35の外周面35Sとの間の第1の距離dより小さくされるので、トナーは下方に送られることはなく、第1のトナー供給ローラ35の回転に伴って、攪拌部材38に向かって移動させられる。また、前記領域Ar1より上方において、トナー収容部39内のトナーは自重によって攪拌部材38に向かって移動する。
【0071】
本実施の形態において、攪拌部材38は、第1、第2のトナー供給ローラ35、36と逆方向に回転させられるので、第1、第2のトナー供給ローラ35、36によって形成されるトナーの流れを補助するようにトナーを攪拌し、第1のトナー供給ローラ35によって掻き取られたトナーを第1、第2のトナー供給ローラ35、36間の空間に送り込むとともに、第2のトナー供給ローラ36の近傍のトナーと、トナー収容部39内を自重で移動するトナーとの入れ替わりを促進する。
【0072】
このように、本実施の形態においては、筐体Cs2が、シール部材40の固定端40aから第1のトナー供給ローラ35の外周接線とほぼ平行に延在させられる壁部WB、及び該壁部WBに対して連続して、第1のトナー供給ローラ35の外周面35Sに沿って延在させられる壁部WCを備え、該壁部WCの内周面Cfと第1のトナー供給ローラ35の外周面35Sとの間の第1の距離dが、固定端40aから離れるほど小さくされるので、第1のトナー供給ローラ35によって現像ローラ34から掻き取られたトナーは、第1のトナー供給ローラ35の回転方向における下流側に送られるほど第1のトナー供給ローラ35に押し付けられる。
【0073】
したがって、第1のトナー供給ローラ35上のトナーの現像ローラ34への充填率が高くなるので、単位体積当たりのトナーの搬送量が増加し、第1のトナー供給ローラ35側から攪拌部材38に向けてトナーが移動しやすくなる。
【0074】
そして、トナー収容部39内においてトナーが滞留するのを防止することができるだけでなく、第1、第2のトナー供給ローラ35、36間の空間にトナーを十分に供給することができるので、現像ローラ34上に安定させてトナーの薄層を形成することができる。その結果、画像にかすれ等が発生するのを防止することができるとともに、画像品位を向上させることができる。
【0075】
前記実施の形態においては、プリンタPrについて説明しているが、本発明を複写機、ファクシミリ、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0076】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。