【文献】
JOURNAL OF MEDICINAL CHEMISTRY,2011年 9月,vol.54,no.23,pp.7943-7961
【文献】
Genes,Brain and Behavior,2011年 4月,vol.10,no.5,pp.530-535
【文献】
Novel single nucleotide polymorphisms of α7 nicotinic receptor gene in Japanese schizophrenic patients,J Pharmacol Sci,2005年,Vol.97,No.Supplement 1,Page.283P
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニストによる、認知技能を増大させるための処置、ならびに/または認知障害、精神障害、および/もしくは神経変性障害の処置に対する、個体または個体群の治療応答性を予測するための方法であって、
CHRNA3遺伝子の遺伝子座における個体の遺伝子型を得るステップと、
CHRNA3 SNP rs6495308(配列番号3/4)およびSNP
rs1051730(配列番号35/36)のうちの1つ以上を保有する個体を同定するステップと
を含み、
ホモ接合性のSNP rs6495308−C/C(配列番号3)遺伝子型の存在、ヘテロ接合性のSNP rs6495308−C/T遺伝子型の存在、またはホモ接合性のSNP rs1051730−C(配列番号35)遺伝子型の存在が、個体がアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニストによる処置に応答する可能性が高いことを指示し、
前記アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニストが、遊離塩基形態または酸付加塩形態の(R)−3−(6−p−トリル−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンである、方法。
前記個体の生物学的試料を得るステップであり、前記試料が、血液、血液由来生成物(血液由来生成物としては、軟膜、血清または血漿が挙げられる)、リンパ、尿、涙液、唾液、脳脊髄液、口腔内スワブ、痰、毛根、白血球試料、もしくは組織試料、またはこれらの任意の組合せからなる群から選択されるステップと、
生物学的試料を、
(i)CHRNA5 SNP rs55853698−T(配列番号1)、または
(ii)CHRNA3 SNP rs6495308(配列番号3/4)、または
(iii)CHRNA3 SNP rs1051730(配列番号35/36)、または
(iv)前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNP
を検出することが可能な試薬と接触させるステップと
のさらなるステップを含む、請求項9または10に記載の方法。
前記SNPの存在が、配列特異的プライマー(SSP)タイピング、配列特異的オリゴヌクレオチド(SSO)タイピング、配列ベースのタイピング(SBT)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などのDNA増幅、マイクロアレイ解析、ノーザンブロット解析、または逆転写PCRにより検出される、請求項13に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0028】
一般的定義
本発明がより容易に理解されうるように、まずいくつかの用語について定義する。さらなる定義は、詳細な説明全体で示される。
【0029】
「〜を含む」という用語は、「〜を包含する」を意味する。例えば、X「を含む」組成物は、もっぱらXからなる場合もあり、さらなる何かを包含する場合、例えば、X+Yの場合もある。
【0030】
数値xとの関連における「約」という用語は、例えば、x±10%を意味する。
【0031】
本開示の文脈における「認知増強剤」という用語は、認知、記憶、知能、意欲、注意、および集中力などの精神機能を改善すると言われている任意の薬物、栄養補給物質、栄養補助食品、または機能食品を指す。
【0032】
本明細書で用いられる認知増強剤には、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤および/またはブチリルエステラーゼ阻害剤(リバスチグミン、ドネゼピル、ガランタミン、フペルジン)などのコリン作動性化合物、アンパキン(例えば、CX614、CX516)、ムスカリン性調節剤(例えば、ムスカリン性受容体アゴニスト)、NMDA受容体の調節剤(例えば、正の調節剤、アンタゴニスト、メマンチン)、ホスホジエステラーゼ阻害剤(例えば、PDE4阻害剤)、ヒデルギンなどの向知性化合物、オキシラセタム、アニラセタム、アセチル−L−カルニチン、ギンコ由来化合物、p−アミノ安息香酸、ならびにジメチルアミノエタノールおよびその誘導体など、老化防止薬中に含有される化合物、メチルフェニデート、トモキセチン、およびモダフィニルなどの注意調節化合物が含まれるがこれらに限定されない。
【0033】
「従来の抗精神病薬」という用語は、主にドパミン受容体D2のアンタゴニズムを介して精神病を処置するのに有効な化合物を指し示す。本明細書で用いられる「従来の抗精神病薬」には、ハロペリドール、ドロペリドール、モリンドン、フルフェナジン、チオチキセン、フルペンチキソール、プロマジン、ピモジド、クロルプロマジン、メトトリメプラジン、ピポチアジン、トリフロペラジン、チオリダジン、アセトフェナジン、クロルプロチキセン、およびメソリダジンが含まれるがこれらに限定されない。
【0034】
「非定型抗精神病薬」という用語は、ドパミン受容体2のアンタゴニズムに加えた機構および/またはこれとは異なる機構を介して精神病を処置するのに有効な化合物を指し示す。本明細書で用いられる「非定型抗精神病薬」には、クロラジル、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、ジプラシドン、アリピプラゾール、セルチンドール、ペルフェナジン、メソリダジン、プロクロルペラジン、ナプロキセン、およびロキサピンが含まれるがこれらに限定されない。
【0035】
本明細書で用いられる、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤(α7−nAChR活性化剤)という用語は、α7−nAChRアゴニストおよびα7−nAChRの正のアロステリック調節剤、特に、本明細書で開示される低分子量(LMW)化合物を指す。
【0036】
本開示の文脈における「SNP」という用語は、「一塩基多型」を指す。「SNP」とは、個体間の遺伝子変異であり、例えば、生物のDNA内の単一の塩基位置であって、可変的な塩基位置である。SNPは、所与の遺伝子の特定の対立遺伝子を規定する。本明細書で用いられる「複数のSNP」とは、SNPの複数形である。SNPは、対立遺伝子の配列の間の変異部位である、単一のヌクレオチドにより占有される多型部位において生じる。この部位には通常、対立遺伝子(例えば、集団のメンバー100例中1例または1000例中1例未満において変異する配列)の高度に保存的な配列が先行または後続する。SNPは、二対立遺伝子(diallelic)である頻度が極めて高い。一塩基多型は通常、多型部位におけるヌクレオチドの別のヌクレオチドへの置換に起因して生じる。転移とは、1つのプリンの別のプリンによる置きかえ、または1つのピリミジンの別のピリミジンによる置きかえである。転換とは、プリンのピリミジンによる置きかえまたはこの逆である。一塩基多型はまた、基準と比べたヌクレオチドの欠失またはヌクレオチドの挿入からも生じうる。SNPはまた、単一の染色体上または単一の染色体の領域内の多型部位も指す場合があり、この場合、SNPは、複数の塩基対の挿入または欠失を指す場合がある(例えば、本明細書で開示されるSNP rs3841325とは、ヒトCHRNA5遺伝子の転写開始部位の上流の−71位における22塩基対の挿入/欠失を指す)。よって、「SNP」という用語はまた、集団内の異なる個体における遺伝子領域内で見出される複数のヌクレオチド配列のうちの1つを有する遺伝子の領域も指す。大半のSNPは希少であるが、各々の頻度が10〜50%である、5300万の一般的なSNPが存在することが推定されており、ヒトの間におけるDNA配列の差違の大半を占める。このようなSNPは、ヒトゲノムにおいて、600塩基対ごとに1回生じる(KruglyakおよびNickerson、Nature、Genet.、27: 235(2001))。このようなSNPの構成要素をなす対立遺伝子(変異体)であって、物理的に極めて近接する対立遺伝子(変異体)が相関する結果として、遺伝子の可変性の低減がもたらされ、限定されたの数の「SNPのハプロタイプ」が規定されることが多い(Fullertonら、Am. J. Hum. Genet.、67: 881(2000))。
【0037】
「遺伝子」という用語は、ポリペプチドの発現を何らかの形で調節することが可能な、適切な調節配列に作動可能に連結されたコード領域を指す。遺伝子は、コード領域(オープンリーディングフレーム;ORF)に先行(上流)および後続(下流)する、DNAの非翻訳調節領域(例えば、プロモーター、エンハンサー、リプレッサーなど)のほか、適切な場合は、個別のコード領域(すなわち、エクソン)の間の介在配列(すなわち、イントロン)を包含する。遺伝子はまた、配列の5’端および3’端の両方に位置する配列であって、RNA転写物上に存在する配列も包含する。これらの配列を、「フランキング」配列または「フランキング」領域(これらのフランキング配列は、mRNA転写物上に存在する非翻訳配列の5’側または3’側に位置する)と称する。5’側フランキング領域は、遺伝子の転写を制御するかまたはこれに影響を及ぼす、プロモーターおよびエンハンサーなどの調節配列を含有しうる。3’側フランキング領域は、転写、転写後切断、およびポリアデニル化の終結を方向付ける配列を含有しうる。
【0038】
本開示の文脈における「軽度の認知障害」(MCI)という用語は、特定の年齢および教育の個体について予測される認知障害より重度であるが、このような個体の毎日の活動をそれほどは妨げない認知障害を指す(Petersen RC、Smith GE、Waring SC、Ivnik RJ、Tangalos EG、Kokmen E(1999)、「Mild cognitive impairment: clinical characterization and outcome」、Arch. Neurol.、56(3): 303〜8)。
【0039】
本開示の文脈における「ハプロタイプ」という用語は、独立に組み換えられるとは考えられないSNPの群であって、SNPの構成要素に併せて群分けされうるSNPの群を指す。よって、ハプロタイプを構成するSNPは、連鎖不均衡にあり、したがって、併せて遺伝する傾向がある。好ましい実施形態では、SNPのハプロタイプとは、ヒトCHRNA5遺伝子(配列番号39)および/またはCHRNA3遺伝子(配列番号40)に存在するSNPの組合せであって、前記ハプロタイプを形成するSNPが、ゲノム内の所与のSNPの位置の約100000、または約50000、または約30000、または約20000、または約10000塩基対上流および/または下流の領域に位置するSNPの組合せを指す。「ハプロタイプ」とはまた、単一の染色体上または単一の染色体の領域内の多型部位の集団内で観察される多型変異体(SNPおよび/または対立遺伝子)の特定の組合せも指す。本明細書で記載される「ハプロタイプ」とは、任意のSNPまたは多型部位の組合せを指す。ハプロタイプは、2つ以上のSNP/対立遺伝子を含む可能性があり、変異しうるハプロタイプを含むゲノム領域の全長は、数百塩基〜数百キロ塩基にわたる。ハプロタイプを規定する対立遺伝子を異なる核酸鎖から決定することにより、同じハプロタイプを異なる形で記載しうることが、当業者により認識されている。例えば、本発明のSNP rs3841324−Del(配列番号6)、SNP rs503464−T(配列番号10)、SNP rs55853698−T(配列番号1)、およびSNP rs55781567−C(配列番号7)により定義されるハプロタイプdelTTCは、同じSNPにより定義されるGAAdelであって、対立遺伝子が他の鎖から決定されるGAAdel、または第2のSNPが他の鎖から決定されるdelATCと同じハプロタイプである。本明細書で記載されるSNPは、ヒト個体に示差的に存在し、それらの特定の配列が、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に対する応答性の徴候である。したがって、これらのSNPおよび前記SNPを含むハプロタイプは、個体における危険性の評価および処置の有効性についての診断的価値を有する。ハプロタイプを形成するSNPまたは多型領域の検出は、多型部位におけるヌクレオチドを検出するための、当技術分野で知られる方法により達成することができる(また、下記の連鎖不均衡の定義も参照されたい)。
【0040】
「連鎖不均衡」または「LD」とは、2つ以上の対立遺伝子の変異体が連関する状況、すなわち、集団内の個体の2つ以上の多型部位における対立遺伝子の変異体の間にランダムでない相関が認められる状況を指す。LDは一般に、大文字のDで指し示される。Dを、観察される対立遺伝子の頻度の理論的最大値で除することにより標準化する結果としてD’が得られる。D’の値が0であれば、検討された遺伝子座が、実際は互いに依存しないことが示されるのに対し、値が1であれば、完全な依存が裏付けられる。連関する2つ以上の対立遺伝子の変異体/SNPを、連鎖不均衡にあるという。一般に、ハプロタイプの一部またはハプロタイプの構成要素である対立遺伝子の変異体は、連鎖不均衡にある。当技術分野では、任意の2つの多型変異体(対立遺伝子)またはSNPがLDにある程度を評価するための多様な方法/評価基準が知られている。適切な評価基準には、D’、r2、および他の評価基準が包含される。(例えば、Hedrick, P. W.、Genetics、117(2):331〜41、1987を参照されたい)。本明細書で用いられる多型変異体またはSNPは、「強いLD」にあり、D’>0.8であれば、ハプロタイプを形成する。
【0041】
本明細書で用いられる「対象」という用語は、記憶機能、問題解決、方向付け、および/または抽象化のうちの1または複数における後天的欠損であって、独立に機能する個体の能力を侵す欠損である、認知障害、統合失調症、または別の精神疾患を伴うと診断されたヒト、とりわけ、患者を指すことが好ましい。
【0042】
「認知障害(cognitive disorder)/認知障害(cognitive impairment)」ならびに「精神障害および/または神経変性障害」という用語は、記憶機能、問題解決、方向付け、および/または抽象化のうちの1または複数における後天的欠損であって、独立に機能する個体の能力を侵す欠損である精神疾患を指す。前記障害の例は、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、筋萎縮性側索硬化症、記憶障害、記憶喪失、認知欠損、注意欠損、多動性障害、統合失調症、パーキンソン病型認知症、および血管性認知症である。
【0043】
発明の詳細な説明
ヒトアセチルコリン受容体サブユニットアルファ5(CHRNA5)遺伝子(配列番号39)またはヒトニューロンアセチルコリン受容体サブユニットアルファ3(CHRNA3)遺伝子(配列番号40)上に存在する遺伝子変異体は、認知障害もしくは認知機能障害、精神障害および/または神経変性障害を患う対象における、α7−nAChR活性化剤療法に対する治療応答性を予測するためのマーカーであることが発見された。CHRNA5またはCHRNA3などのニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)は、シナプスにおける迅速なシグナル伝達を媒介するリガンド開口型イオンチャネルスーパーファミリーのメンバーである。本明細書で開示される教示は、ヒトCHRNA5遺伝子および/またはCHRNA3遺伝子における特定の指示SNPの存在に基づき、α7−nAChR活性化剤により、認知障害もしくは認知機能障害、精神障害および/または神経変性障害を処置するための方法を提示する。
【0044】
したがって、本発明の方法、組成物、およびキットは、α7−nAChR活性化剤療法に応答する可能性が高い認知障害もしくは認知機能障害、精神障害および/または神経変性障害を患う患者を選択し、これにより、このような処置の治療有効性を増強するための手段を提供する。
【0045】
したがって、一態様では、本発明は、選択された患者集団における認知障害、精神障害、および/または神経変性障害を処置するための、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤を含む組成物であって、患者集団が、ヒトアセチルコリン受容体サブユニットアルファ5(CHRNA5)遺伝子またはヒトニューロンアセチルコリン受容体サブユニットアルファ3(CHRNA3)遺伝子における患者の遺伝子型に基づき選択され、前記遺伝子型が、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置の有効性の徴候である組成物を提供する。α7−nAChR活性化剤療法に対する治療応答性を予測するための特定のマーカーは、SNPおよび/または多型領域でありうる。当業者は、CHRNA5遺伝子(ヒト第15染色体(NC_000015.9(78857862〜78887611))に位置する)およびCHRNA3遺伝子(ヒト第15染色体(NC_000015.9(78885394〜78913637、相補体))に位置する)の核酸配列および核酸の配置について承知している。
【0046】
本発明がより容易に理解されうるように、本明細書で開示されるSNPを以下の通りに定義する。
【表1】
【0047】
前述の組成物を、本明細書で記載される通りに用いて、個体の認知技能を増大させることにより、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体の活性化が役割を果たすかまたは関与する認知障害、精神障害、および/または神経変性障害を処置することが好ましい。一実施形態では、認知障害、精神障害、および/または神経変性障害が、軽度の認知障害、アルツハイマー病、パーキンソン病型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症、AIDS−認知症、老年性認知症、軽度の加齢関連認知障害(MCI)、加齢関連記憶障害、自閉症、前頭葉変性による認知症、脳卒中、大脳基底核変性障害、多発性硬化症、外傷、脳腫瘍、脳感染症、水頭症、うつ病、毒性障害または代謝性障害、および薬物誘導型認知症からなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、前述の組成物を、本明細書で記載される通りに用いて、統合失調症を患う患者を処置する。
【0048】
α7−nAChR活性化剤による、ヒトCHRNA5遺伝子および/またはCHRNA3遺伝子における特定の指示SNPの存在に基づく、選択された患者集団の処置は、指示SNPを保有しない個体と比較して統計学的に有意な視覚的学習能力および記憶能力の改善、認知機能の改善、推理能力および問題解決能力の改善、ならびに注意および警戒の改善をもたらすが、実施例節で記載される効果量として測定される改善は、少なくとも0.1、もしくは0.2、もしくは0.3、もしくは0.4、または0.5を上回る。効果量の値は、適用される検査および処置条件に応じて異なる。
【0049】
「個体の認知技能を増大させる」という語句は、(i)個体の認知技能もしくは認知能力、生理状態、および/または精神状態が、当業者により、健康な個体の正常な範囲外にあると考えられる状況、および(ii)本発明の組成物による処置または本発明の方法に従う処置が、対照群の個体(例えば、指示マーカーSNPを保有しない個体)またはプラセボ群の個体と比較して著明な改善をもたらす状況を指す。改善は、完全な場合(例えば、当業者により、患者が正常な範囲内にあると考えられる場合)もあり、対象における上述の状態の異常が、本発明に従う組成物または処置を施されなかった対象ほど著明に明白ではない程度に部分的な場合もある。部分的処置の結果は、上述の状態または疾患の症状の重症度の軽減、無疾患症状期間の頻度および持続期間の増大、または疾患の罹患に起因する障害もしくは身体障害の防止をもたらしうる。この文脈では、「著明に明白ではない」という用語は、患者の状態または状況であって、関与性のパラメータの測定に基づき、本発明の組成物による処置または本発明の方法に従う処置の後、当業者により、完全に健康であるとは考えられない(パラメータはやはり、正常な範囲外にありうる)が、関与性のパラメータの著明な改善(特定のパラメータの上昇または低下でありうる)が観察されている状態または状況を指す。著明な改善または軽減は、例えば、個別の患者の処置結果を、対照群の個体(例えば、指示マーカーSNPを保有しない個体)またはプラセボ群と比較することにより同定することができる。当業者は、個体の認知技能もしくは認知能力、生理状態、および/または精神状態に関与性のパラメータについて十分に承知しており、それらをどのように決定するのかについても十分に承知している。前記パラメータは、当業者(例えば、医師)により、探索される加齢関連状態に基づき選択されうる。「個体の認知技能を増大させる」という語句はまた、当業者により健康な個体の正常な範囲内にある(認知技能または認知能力に関して)と考えられる個体が、その認知技能または認知能力を増大させたいと欲する状況も指す。
【0050】
一実施形態では、組成物を、配列番号1に開示されるヒトCHRNA5 SNP rs55853698−Tの保有に基づき選択された患者集団において用いる。SNP rs55853698とは、ヒト第15染色体(配列番号1および2)の78,857,939位に位置する、塩基対の長さが1のG/T対立遺伝子である。別の実施形態では、組成物を、配列番号37に開示されるヒトCHRNA5 SNP rs16969968−Gの保有に基づき選択された患者集団において用いる。SNP rs16969968とは、ヒト第15染色体(配列番号37および38)の49673482位に位置する、塩基対の長さが1のG/A対立遺伝子である。
【0051】
当業者は、ヒトCHRNA5遺伝子内またはヒト第15染色体のゲノム領域内には、SNP rs55853698−T(配列番号1)またはSNP rs16969968−G(配列番号37)を伴うハプロタイプを形成する、複数のSNPまたは多型領域が存在するという事実について承知している。前記SNPまたは多型領域は、SNP rs55853698−T(配列番号1)またはSNP rs16969968−G(配列番号37)の位置の約100000、または約50000、または約30000、または約20000、または約10000塩基対上流および下流の領域に位置しうる。SNP rs55853698−T(配列番号1)またはSNP rs16969968−G(配列番号37)を伴うハプロタイプを形成するSNPまたは多型領域も同様に、α7−nAChR活性化剤に対する治療応答性を予測するためのマーカーとして用いるのに適する。当業者は、SNP rs55853698−Tを伴う他のハプロタイプを形成するSNPまたは多型領域(配列番号1)を同定するための方法について承知している(例えば、Hedrick, P. W.、Genetics、117(2): 331〜41、1987および上記の定義節を参照されたい)。したがって、別の態様では、本発明は、認知障害、精神障害、および/または神経変性障害を患う患者を、前記患者の認知技能を増大させることを目的として処置するためのアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤を含む組成物であって、患者集団が、SNP rs55853698−T(配列番号1)またはSNP rs16969968−G(配列番号37)を伴うハプロタイプを形成するSNPまたは多型領域の存在に基づき選択される組成物を提供する。さらに別の実施形態では、本発明はまた、認知障害、精神障害、および/または神経変性障害を患う患者を、前記患者の認知技能を増大させることを目的として処置するためのアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤を含む組成物であって、患者集団が、SNP rs55853698−T(配列番号1)および/またはSNP rs16969968−G(配列番号37)を伴うハプロタイプを形成する以下のSNP:rs3841324(配列番号5または6)、rs503464(配列番号9または10)、rs55781567−C(配列番号7)、rs56182392(配列番号11または12)、rs77293642(配列番号13または14)、rs67624739(配列番号15または16)、rs142774214(配列番号17または18)、rs60182379(配列番号19または20)、rs77541452(配列番号21または22)、rs72648882(配列番号23または24)、rs144334096(配列番号25または26)、rs114037126(配列番号27または28)、rs140280786(配列番号29または30)、rs147565924(配列番号31または32)および/またはrs115662711(配列番号33または34)のうちの少なくとも1つの存在に基づき選択される組成物も提供する。上記に基づくと、前記SNPは、SNP rs55853698−T(配列番号1)を伴うハプロタイプdelTTCを形成するために、認知障害、精神障害、および/または神経変性障害を処置するためのアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤を含む組成物を、SNP rs3841324−del(配列番号6)、SNP rs503464−T(配列番号10)、および/またはSNP rs55781567−C(配列番号7)の保有に基づき選択された患者集団において用いることができる。代替的に、前記SNPは、rs55853698−T(配列番号1)を伴うハプロタイプinsATCを形成するために、患者集団を、SNP rs3841324−ins(配列番号5)、またはrs503464−A(配列番号9)、およびrs55781567−C(配列番号7)の保有に基づき選択することもできる。
【0052】
本発明の別の態様ではまた、患者集団を、ヒトニューロンアセチルコリン受容体サブユニットアルファ3(CHRNA3)における患者の遺伝子型に基づき選択することもできる。一実施形態では、認知障害、精神障害、および/または神経変性障害を患う患者を、前記患者の認知技能を増大させることを目的として処置するための組成物を、配列番号3/4に開示されるヒトCHRNA3 SNP rs6495308の保有に基づき選択された患者集団において用いる。SNP rs6495308とは、ヒト第15染色体(配列番号3および4)の78,907,656位に位置する、塩基対の長さが1のC/T対立遺伝子変異体である。さらに別の実施形態では、本発明はまた、認知障害、精神障害、および/または神経変性障害を患う患者を、前記患者の認知技能を増大させることを目的として処置するための、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤を含む組成物であって、患者集団が、SNP rs1051730(配列番号35)の存在に基づき選択される組成物も提供する。SNP rs1051730とは、ヒト第15染色体の78,894,339位に位置する、塩基対の長さが1のC/T対立遺伝子変異体である。
【0053】
ヒトCHRNA3遺伝子には、複数のSNPまたは多型領域(例えば、SNP rs6495308(配列番号3または4)またはSNP rs1051730(配列番号35または36))が存在する。前記SNPまたは多型領域は、SNP rs6495308(配列番号3/4)またはSNP rs1051730(配列番号35/36)の位置の約100000、または約50000、または約30000、または約20000、または約10000塩基対上流および下流の領域に位置しうる。SNP rs6495308(配列番号3/4)またはSNP rs1051730−C(配列番号35/36)を伴うハプロタイプを形成するSNPまたは多型領域も同様に、α7−nAChR活性化剤に対する治療応答性を予測するためのマーカーとして用いるのに適する。したがって、別の態様では、本発明は、選択された患者集団における認知障害、精神障害、および/または神経変性障害を処置するための、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤を含む組成物であって、患者集団が、SNP rs6495308(配列番号3/4)またはSNP rs1051730−C(配列番号35/36)を伴うハプロタイプを形成するSNPまたは多型領域の存在に基づき選択される組成物を提供する。ホモ接合性のSNP rs6495308−T/T(配列番号4)の存在は、個体がアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に応答しない可能性が高いことを指示する。ホモ接合性のSNP rs6495308−C/C(配列番号3)遺伝子型の存在またはヘテロ接合性のSNP rs6495308−C/T遺伝子型の存在は、個体がアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に応答する可能性が高いことを指示する。ホモ接合性のSNP rs1051730−C/C(配列番号35)の存在は、個体がアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に応答する可能性が高いことを指示する。
【0054】
本発明の別の実施形態では、認知障害、精神障害、および/または神経変性障害を患う患者を処置するための組成物を、上述の指示CHRNA5もしくはCHRNA3 SNPまたは指示CHRNA5もしくはCHRNA3 SNPのハプロタイプについてホモ接合性/ヘテロ接合性であること、特に、SNP rs55853698−T/T(配列番号1)、もしくはSNP rs16969968−G/G(配列番号37)、SNP rs1051730−C/C(配列番号35)についてホモ接合性であること、および/あるいはSNP rs6495308−C/CもしくはSNP rs6495308−C/T(配列番号3/4)、または前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPもしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPについてホモ接合性/ヘテロ接合性であることに基づき選択された患者において用いる。
【0055】
LMWであるα7−nAChR活性化剤:
LMWであるα7−nAChRアゴニスト:
一実施形態では、用いられるα7−nAChR活性化剤が、α7−nAChRアゴニストである。
【0056】
α7−nAChRアゴニストとは、in vivoおよびin vitroにおいてα7−nAChRサブユニットを含む受容体に結合し、受容体を活性化する化合物である。活性化は、WO2001/85727において開示されている方法、すなわち、ホモマーのα7−nAChRにおいて、α7−nAChRを安定的に発現させるラット下垂体細胞系により実行される機能的アフィニティーアッセイにより測定することができる。読取りとして、受容体を刺激したときの、エピバチジンと比較したカルシウムの流入を用いる。本発明に従う「α7−nAChRアゴニスト」は、エピバチジンにより引き起こされる最大の流入の少なくとも50%のカルシウムの流入を、少なくとも1μMのEC
50値で誘導することが典型的であり、好ましいアゴニストは、エピバチジンにより引き起こされる最大の流入の少なくとも75%のカルシウムの流入を、少なくとも400nMのEC
50値で誘導し、より好ましいアゴニストは、エピバチジンにより引き起こされる最大の流入の少なくとも85%のカルシウムの流入を、少なくとも50nMのEC
50値で誘導する。
【0057】
好ましいα7−nAChRアゴニストは、消化管から十分に吸収されるものとし、代謝的に十分に安定であり、好適な薬物動態特性を保有するものとする。さらに好ましいα7−nAChRアゴニストは、in vivoにおいて、α7−nAChRに強力に結合する一方、他の受容体、とりわけ、他のnAChR、例えば、α4β2 nAChRに対してはアフィニティーをほとんど示さず、ムスカリン性アセチルコリン受容体、例えば、M1受容体および/または5−HT
3受容体に対してもアフィニティーをほとんど示さない。さらに好ましいα7−nAChRアゴニストは、血液脳関門を効果的に越える。好ましいα7−nAChRアゴニストは、非毒性であり、副作用をほとんど顕示しないものとする。さらに、好ましいα7−nAChRアゴニストは、安定であり、非吸湿性であり、容易に調合される物理的形態で存在することが可能である。
【0058】
一実施形態では、α7−nAChRアゴニストが、処置される対象に対してこのようなアゴニストが引き起こす副作用は非選択的なアゴニストより少ないと予測されるので、α7−nAChRアゴニストは、選択的なα7−nAChRアゴニストである、すなわち、α7−nAChRアゴニストは、α7−nAChRサブユニットを含む受容体について選択的である。α7−nAChRサブユニットを含む受容体について選択的なアゴニストは、このような受容体に対する機能的アフィニティーがはるかに高度であり、例えば、他の任意のニコチン性アセチルコリン受容体と比較したアフィニティー差が、EC
50値で少なくとも10倍、好ましくは少なくとも20倍、より好ましくは少なくとも50倍である。本発明のα7−nAChRアゴニストの、他のニコチン性アセチルコリン受容体に対するアフィニティーを評価するために、WO2001/85727において開示されている方法を用いることができる、すなわち、ヒトα4β nAChRに対するアフィニティーを評価するために、ヒト胎児由来腎臓細胞系によるヒトα4β亜型の安定的な発現を用いて、同様の機能的アッセイを実行し、本発明の化合物の、ニコチン性受容体の「神経節亜型」および「筋肉型」に対する活性を評価するために、ニコチン性受容体のヒト「神経節亜型」を安定的に発現させるヒト胎児由来腎臓細胞系またはニコチン性受容体のヒト「筋肉型」を内因的に発現させる細胞系により、同様の機能的アッセイを実行する。
【0059】
最近の15年間には、選択的なα7 nAChRアゴニストの開発に多大な努力が集約され、前記選択的な活性を提示する多くの異なる化学型の発見がなされた。これらの努力は、Horensteinら(Mol Pharmacol、2008、74、1496〜1511;これは、α7 nAChRアゴニストの9つ以上の異なるファミリーであって、その大半において選択的なアゴニストが見出されているファミリーについて記載している)による総説にまとめられている。実際に、α7 nAChRアゴニストの作用方式を有する複数の薬物候補物質が、前臨床試験にかけられるか、なおまたは臨床試験にかけられた(総説については、Broadら、Drugs of the Future、2007、32(2)、161〜170; Romanelliら、Expert Opin Ther Patents、2007、17(11)、1365〜1377)。このような化合物の例(これもまた多様な化学型に属する)は、MEM3454、MEM63908、SSR180711、GTS21、EVP6124、ABT107、ABT126、TC−5619、AZD−6319、およびSAR−130479である。さらなるα7 nAChRアゴニストおよび医薬としてのそれらの使用は、例えば、WO2001/85727、WO2004/022556、WO2005/123732、WO2006/005608、WO2007/045478、WO2007/068476、およびWO2007/068475から知られる。
【0060】
一実施形態では、α7−nAChRアゴニストの分子量の最大値が、1500ドルトンである。一実施形態では、α7−nAChRアゴニストの分子量の最大値が、1000ドルトンである。一実施形態では、α7−nAChRアゴニストの分子量の最大値が、800ドルトンである。一実施形態では、α7−nAChRアゴニストの分子量の最大値が、500ドルトンである。
【0061】
一実施形態では、α7−nAChRアゴニストが、式(I)の化合物であって、遊離塩基形態または酸添加塩形態にある化合物である。
【化4】
[式中、
L
1が−CH
2−であり、L
2が−CH
2−もしくは−CH
2−CH
2−であり、L
3が−CH
2−もしくは−CH(CH
3)−であるか、または
L
1が−CH
2−CH
2−であり、L
2が−CH
2−であり、L
3が−CH
2−CH
2−であり、
L
4が
【化5】
から選択される基であり、
星印で印をつけた結合は、アザビシクロアルキル部分に付いており、
R
1は、水素またはC
1〜4アルキルであり、
X
1は、−O−または−NH−であり、
A
2は、
【化6】
から選択され、
星印で印をつけた結合は、X
1に付いており、
A
1は、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しうる、5〜10員の単環式芳香族環系または融合型多環式芳香族環系であって、2つ以下の酸素原子および2つ以下の硫黄原子を含有しうる環系であり、R
2で1または複数回にわたり置換されうる環系であり、複素環式環系内窒素上の置換基はハロゲンでない場合もある環系であり、
各R
2は、独立にC
1〜6アルキル、C
1〜6ハロゲンアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロゲンアルコキシ、ハロゲン、シアノ、もしくは3〜6員の単環式環系であって、飽和芳香族の場合もあり、部分飽和芳香族の場合もあり、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しうる環系であり、各環系は、2つ以下の酸素原子および2つ以下の硫黄原子を含有することが可能であり、各環系は、C
1〜6アルキル、C
1〜6ハロゲンアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロゲンアルコキシ、ハロゲンもしくはシアノで1もしくは複数回にわたり置換することが可能であり、複素環式環系内窒素上の置換基はハロゲンでない場合もある環系であるか、
または隣接する環原子の2つのR
2は、C
3〜4アルキレン基を形成し、1〜2個の炭素原子を、X
2で置きかえることができ、C
3〜4アルキレン基を、R
3で1または複数回にわたり置換することができ、
各X
2は、独立に−O−または−N(R
4)−であり、
各R
4は、独立に水素またはC
1〜6アルキルであり、
各R
3は、独立にハロゲンまたはC
1〜6アルキルである]
【0062】
別段に示されない限り、本明細書で用いられる表現は、以下の意味を有する。
【0063】
「アルキル」とは、直鎖または分枝鎖のアルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピルまたはイソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルを表し、C
1〜6アルキルとは、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、およびtert−ブチルに特別な優先性が与えられる、直鎖または分枝鎖のC
1〜4アルキルを表すことが好ましい。
【0064】
「アルコキシ」、「ハロゲンアルキル」などの各アルキル部分は、とりわけ、直鎖性および優先的なサイズに関する上述の「アルキル」の定義で記載される意味と同じ意味を有するものとする。
【0065】
例えば、A
1について定義される通り、「1または複数回にわたり」置換される置換基は、1つ〜3つの置換基で置換されることが好ましい。
【0066】
ハロゲンとは一般に、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であり、フッ素、塩素、または臭素であることが好ましい。ハロゲンアルキル基は、鎖の長さが炭素原子1〜4個であることが好ましく、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、ペンタフルオロエチル、1,1−ジフルオロ−2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、または2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルであり、−CF3、−CHF2、−CH2F、−CHF−CH3、−CF2CH3、または−CH2CF3であることが好ましい。
【0067】
本発明の文脈では、「隣接する環原子の2つのR2は、C3〜4アルキレン基を形成し、1〜2個の炭素原子を、X2で置きかえることができる」または「隣接する環原子の2つのR5は、C3〜4アルキレン基を形成し、1〜2個の炭素原子を、X3で置きかえることができる」ことの定義が、−CH
2−CH
2−CH
2−、−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2−、−O−CH
2−O−、−O−CH
2−CH
2−O−、および−CH
2−CH
2−NH−を包含する。置換される基の例は、−CH
2−CH
2−N(CH
3)−である。
【0068】
本発明の文脈では、A
1またはA
3の「5〜10員の単環式芳香族環系または融合型多環式芳香族環系」という定義が、C
6芳香族炭化水素基もしくはC
10芳香族炭化水素基、または5〜10員の複素環式芳香族環系を包含する。「多環式」とは、二環式を意味することが好ましい。
【0069】
本発明の文脈では、「3〜6員の単環式環系」というR
2の定義が、C
6芳香族炭化水素基、5〜6員の複素環式芳香族環系、および3〜6員の単環式脂肪族環系または複素環式環系を包含する。
【0070】
C
6芳香族炭化水素基またはC
10芳香族炭化水素基は、フェニルまたはナフチルであることが典型的であり、とりわけ、フェニルである。
【0071】
「5〜10員の複素環式芳香族環系」は、そのうちの1〜3個の環原子がヘテロ原子である、5〜10個の環原子からなることが好ましいが、また、置換基の定義にもよる。このような複素環式芳香族環系は、単環系として存在する場合もあり、二環式環系または三環式環系として存在する場合もあるが、単環系またはベンズ縮環型環系として存在することが好ましい。二環式環系または三環式環系は、2つ以上の環の縮環により形成することもでき、原子、例えば、酸素、硫黄、窒素を架橋することにより形成することもできる。複素環式環系の例は、イミダゾ[2,1−b]チアゾール、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾール、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾール、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、フラザン(オキサジアゾール)、ジオキソラン、チオフェン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、オキサゾール、オキサゾリン、オキサゾリジン、イソキサゾール、イソキサゾリン、イソキサゾリジン、チアゾール、チアゾリン、チアゾリジン、イソチアゾール、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、チアジアゾール、チアジアゾリン、チアジアゾリジン、ピリジン、ピペリジン、ピリダジン、ピラジン、ピペラジン、トリアジン、ピラン、テトラヒドロピラン、チオピラン、テトラヒドロチオピラン、オキサジン、チアジン、ジオキシン、モルホリン、プリン、プテリジン、および対応するベンズ縮環型ヘテロ環、例えば、インドール、イソインドール、クマリン、イソキノリン、キノリンなどである。好ましいヘテロ環は、イミダゾ[2,1−b]チアゾール、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾール、ピロール、フラン、テトラヒドロフラン、ピリジン、ピリミジン、イミダゾール、またはピラゾールである。
【0072】
本発明の文脈では、3〜6員の単環式脂肪族環系が、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルであることが典型的である。
【0073】
式(I)の化合物および式(II)の化合物に存在しうる(1または複数の)不斉炭素原子のために、化合物は、光学的活性形態で存在する場合もあり、光学異性体の混合物の形態で、例えば、ラセミ混合物またはジアステレオマー混合物の形態で存在する場合もある。ラセミ混合物を含めた、全ての光学異性体およびそれらの混合物は、本発明の一部である。
【0074】
一実施形態では、α7−nAChRアゴニストが、式(I)の化合物である。
【化7】
[式中、
L
1が−CH
2−であり、L
2が−CH
2−CH
2−であり、L
3が−CH
2−または−CH(CH
3)−であり、
L
4が
【化8】
から選択される基であり、
星印で印をつけた結合は、アザビシクロアルキル部分に付いており、
R
1は、水素またはC
1〜4アルキルであり、
X
1は、−O−または−NH−であり、
A
2は、
【化9】
から選択され、
星印で印をつけた結合は、X
1に付いており、
A
1は、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しうる、5〜10員の単環式芳香族環系または融合型多環式芳香族環系であって、2つ以下の酸素原子および2つ以下の硫黄原子を含有しうる環系であり、R
2で1または複数回にわたり置換されうる環系であり、複素環式環系内窒素上の置換基はハロゲンでない場合もある環系であり、
各R
2は、独立にC
1〜6アルキル、C
1〜6ハロゲンアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロゲンアルコキシ、またはハロゲンである]
【0075】
一実施形態では、α7−nAChRアゴニストが、式(I)の化合物である。
【化10】
[式中、
L
1が−CH
2−であり、L
2が−CH
2−CH
2−であり、L
3が−CH
2−であり、
L
4が
【化11】
であり、
星印で印をつけた結合は、アザビシクロアルキル部分に付いており、
R
1は、水素またはC
1〜4アルキルであり、
A
1は、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しうる、5〜10員の単環式芳香族環系または融合型多環式芳香族環系であって、2つ以下の酸素原子および2つ以下の硫黄原子を含有しうる環系であり、R
2で1または複数回にわたり置換されうる環系であり、複素環式環系内窒素上の置換基はハロゲンでない場合もある環系であり、
各R
2は、独立にC
1〜6アルキル、C
1〜6ハロゲンアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロゲンアルコキシ、またはハロゲンである]
【0076】
一実施形態では、α7−nAChRアゴニストが、式(I)
の化合物である。
【化12】
[式中、
L
1が−CH
2−であり、L
2が−CH
2−CH
2−であり、L
3が−CH
2−または−CH(CH
3)−であり、
L
4が
【化13】
であり、
星印で印をつけた結合は、アザビシクロアルキル部分に付いており、
X
1は、−O−または−NH−であり、
A
2は、
【化14】
から選択され、
星印で印をつけた結合は、X
1に付いており、
A
1は、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しうる、5〜10員の単環式芳香族環系または融合型多環式芳香族環系であって、2つ以下の酸素原子および2つ以下の硫黄原子を含有しうる環系であり、R
2で1または複数回にわたり置換されうる環系であり、複素環式環系内窒素上の置換基はハロゲンでない場合もある環系であり、
各R
2は、独立にC
1〜6アルキル、C
1〜6ハロゲンアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロゲンアルコキシ、またはハロゲンである]
【0077】
一実施形態では、α7−nAChRアゴニストが、式(I)
の化合物である。
【化15】
[式中、
L
1が−CH
2−CH
2−であり、L
2が−CH
2−であり、L
3が−CH
2−CH
2−であり、
L
4が
【化16】
であり、
星印で印をつけた結合は、アザビシクロアルキル部分に付いており、
X
1は、−O−または−NH−であり、
A
2は、
【化17】
から選択され、
星印で印をつけた結合は、X
1に付いており、
A
1は、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しうる、5〜10員の単環式芳香族環系または融合型多環式芳香族環系であって、2つ以下の酸素原子および2つ以下の硫黄原子を含有しうる環系であり、R
2で1または複数回にわたり置換されうる環系であり、複素環式環系内窒素上の置換基はハロゲンでない場合もある環系であり、
各R
2は、独立にC
1〜6アルキル、C
1〜6ハロゲンアルキル、C
1〜6アルコキシ、C
1〜6ハロゲンアルコキシ、またはハロゲンである]
【0078】
一実施形態では、α7−nAChRアゴニストが、群P1から選択される化合物であり、群P1が、以下からなる群である。
A−1:(S)−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−カルバミン酸(S)−1−(2−フルオロ−フェニル)−エチルエステル;
A−2:(R)−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−カルバミン酸(R)−1−(2−クロロ−フェニル)−エチルエステル;
A−3:(S)−(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−カルバミン酸(S)−1−フェニル−エチルエステル;
B−1:(R)−3−(5−フェニル−ピリミジン−2−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−2:(R)−3−(5−p−トリル−ピリミジン−2−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−3:(R)−3−(5−(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリミジン−2−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−4:(R)−3−(5−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリミジン−2−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−5:(R)−3−(6−p−トリル−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−6:(R)−3−(6−フェニル−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−7:(R)−3−(6−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−8:(R)−3−[6−(2−フルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−9:(R)−3−[6−(4,5−ジメチル−2−フルオロ−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−10:(R)−3−[6−(3,4−ジメチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−11:(R)−3−[6−(4−メチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−12:(R)−3−[6−(2,5−ジフルオロ−4−メチル−フェニル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−13:(2S,3R)−3−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−14:(2R,3S)−3−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−15:(2S,3R)−3−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−2−イルオキシ]−2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−16:(2R,3S)−3−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−2−イルオキシ]−2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−17:3−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−3−イルオキシ]−2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−18:(2S,3R)−2−メチル−3−[6−(5−メチル−チオフェン−2−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−19:3−[6−(2,3−ジメチル−1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン;
B−20:trans−2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−(6−フェニル−ピリジン−3−イル)−アミン;
B−21:trans−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−3−イル]−(2−メチル−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−アミン;
C−1:(4S,5R)−4−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
C−2:5−{2−[(4S,5R)−(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナ−4−イル)オキシ]−ピリミジン−5−イル}−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
C−3:(4S,5R)−4−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
C−4:(4S,5R)−4−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−2−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
C−5:(4S,5R)−4−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ]−1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナン;
C−6:5−{6−[(4S,5R)−(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナ−4−イル)オキシ]−ピリダジン−3−イル}−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
C−7:(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナ−4−イル)−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−2−イル]−アミン;
C−8:(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナ−4−イル)−[5−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミン;
C−9:(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナ−4−イル)−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン;
C−10:(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナ−4−イル)−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−3−イル]−アミン;
C−11:(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナ−4−イル)−[5−(1H−インドール−4−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミン;
C−12:(1−アザ−ビシクロ[3.3.1]ノナ−4−イル)−[6−(1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イル]−アミン;
D−1:次式を有する4−(5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルオキシ)−1アザトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン
【化18】
D−1a:(4S)−4−(5−フェニル−1,3,4−チアジアゾール−2−イルオキシ)−1アザトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン;
D−1b:4−(6−(1H−インドール−5−イル)−ピリダジン−3−イルオキシ)−1アザトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン;
D−1c:4−(6−(1H−インドール−5−イル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1アザトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン;
D−1d:4−(5−(1H−インドール−5−イル)−ピリミジン−2−イルオキシ)−1アザトリシクロ[3.3.1.1
3,7]デカン;
D−2:次式を有する2−(6−フェニルピリダジン−3−イル)オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロール
【化19】
D−3:次式を有する5−[6−(5−メチル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル−ピリダジン−3−イル1H−インドール
【化20】
D−3a:5−[6−(cis−5−メチル−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール−2−イル−ピリダジン−3−イル1H−インドール;
D−4:次式を有する5−[5−{6−メチル−3,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−イル}−ピリジン−2−イル]−1H−インドール
【化21】
D−4a:5−[5−{(1R,5R)−6−メチル−3,6−ジアザ−ビシクロ[3.2.0]ヘプタ−3−イル}−ピリジン−2−イル]−1H−インドール
D−5:次式を有する2−メチル−5−(6−フェニル−ピリダジン−3−イル)−オクタヒドロ−ピロロ[3,4−c]ピロール
【化22】
D−6:5−{6−[1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]ピリダジン−3−イル}−1H−インドール;
D−6a:5−{6−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]ピリダジン−3−イル}−1H−インドール;
D−7:5−{6−[1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]ピリダジン−3−イル}−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
D−7a:5−{6−[(3R)1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルオキシ]ピリダジン−3−イル}−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン;
D−8:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
D−8a:N−((3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
D−8b:N−((3S)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド
D−9:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−5−(トリフルオロメトキシ)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
D−9a:N−((3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−5−(トリフルオロメトキシ)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
D−9b:N−((3S)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−5−(トリフルオロメトキシ)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド;
D−10:N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド;
D−10a:(2S,3R)−N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)ベンゾフラン−2−カルボキサミド;
D−11:N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−3,5−ジフルオロベンズアミド;
D−11a:(2S,3R)−N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−3,5−ジフルオロベンズアミド;
D−11b:N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−5−メチルチオフェン−2−カルボキサミド;
D−11c:(2S,3R)−N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−5−メチルチオフェン−2−カルボキサミド;
D−11d:N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−5−(2−ピリジニル)チオフェン−2−カルボキサミド;
D−11e:(2S,3R)−N−(2−((3−ピリジニル)メチル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−5−(2−ピリジニル)チオフェン−2−カルボキサミド;
D−12:4−(5−メチルオキサゾロ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−1,4−ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン;
D−13:[N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−4−クロロベンズアミド;
D−14:フロ[2,3−c]ピリジン−5−カルボン酸(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−アミド;
D−15:2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−カルボン酸(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−アミド;
D−16:5−モルホリン−4−イル−ペンタン酸(4−ピリジン−3−イル−フェニル)−アミド;
D−17:N−{4−[4−(2,4−ジメトキシ−フェニル)−ピペラジン−1−イル]−ブチル}−4−ピリジン−2−イル−ベンズアミド;
D−18:1−[6−(4−フルオロフェニル)ピリジン−3−イル]−3−(4−ピペリジン−1−イルブチル)−尿素;
D−19:7,8,9,10−テトラヒドロ−6,10−メタノ−6H−ピラジノ−(2,3−h)(3)−ベンゾアゼピン;
D−20:(2’R)−スピロ−[1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3,2’(3’H)−フロ[2,3−b]ピリジン];
D−21:1,4−ジアザ−ビシクロ[3.2.2]ノナン−4−カルボン酸4−ブロモ−フェニルエステル;
D−22:3−[1−(2,4−ジメトキシ−フェニル)−メタ−(E)−イリデン]−3,4,5,6−テトラヒドロ−[2,3’]ビピリジニル;
D−23:7−(2−メトキシ−フェニル)−ベンゾフラン−2−カルボン酸(1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−アミド;
D−24:次式を有するN−メチル−1−{5−[3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−フロ[2,3−b]ピリジン]−5’−イル]−2−チエニル}メタンアミン
【化23】
D−24a:N−メチル−1−{5−[(2R)−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−フロ[2,3−b]ピリジン]−5’−イル]−2−チエニル}メタンアミン;
D−24b:N−メチル−1−{5−[(2S)−3’H−スピロ[4−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,2’−フロ[2,3−b]ピリジン]−5’−イル]−2−チエニル}メタンアミン;
D−25a:6−[(アニリノカルボニル)アミノ]−N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25b:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−({[(4−クロロフェニル)アミノ]カルボニル}アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25c:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−({[(2−メトキシフェニル)アミノ]カルボニル}−アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25d:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−({[(4−メトキシフェニル)アミノ]カルボニル}−アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25e:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−({[(2−フェニルエチル)アミノ]カルボニル}アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25f:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−({[(3−シアノフェニル)アミノ]カルボニル}アミノ)−1−ベンジオフェン−2−カルボキサミド;
D−25g:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−({[(3−ブロモフェニル)アミノ]カルボニル}アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25h:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−({[(2−エルホキシフェニル(elhoxyphenyl))アミノ]カルボニル)アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25i:N−[(3R)−1−アズビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−({[(4−(ジメチルアミノ)フェニル)アミノ]−カルボニル)アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25j:N−(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−({[(2−ニトロフェニル)アミノ]カルボニル}アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25k:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−({[(2,6−ジフルオロフェニル)アミノ]カルボニル}−アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25l:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−({[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]カルボニル}−アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25m:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−[({[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ]−カルボニル)アミノ]−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25n:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−({[(3,4,5−トリメトキシフェニル)アミノ]−カルボニル}アミノ)−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25o:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−[({[4−メトキシ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−アミノ}カルボニル)アミノ]−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25p:N−{(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−[({[3−メトキシフェニル]アミノ}カルボニル)−アミノ]−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25q:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−[({[3−トリフルオロメトキシフェニル]アミノ}−カルボニル)−アミノ]−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25r:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−{[(tert−ブチルアミノ)カルボニル]アミノ}−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25s:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−{[(シクロヘキシルアミノ)カルボニル]アミノ}−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25t:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−[({[(1S)−1−フェニルエチル]アミノ}カルボニル−アミノ]−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25u:7−[(アニリノカルボニル)アミノ]−N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−1−ベンゾチオフェン−2−カルボキサミド;
D−25v:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−({[(4−メトキシフェニル)アミノ]カルボニル}−アミノ)−1−ベンゾフラン−2−カルボキサミド;
D−26a:N−[4−(2−チエニル)フェニル]−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
D−26b:N−[4’−(ヒドロキシメチル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
D−26c:N−(4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−4−イル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
D−26d:N−(4’−メチルスルファニル−1,1’−ビフェニル−4−イル)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
D−26e:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−N−(4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−4−イル)アセトアミド;
D−26f:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−N−(4’−メトキシ−1,1’−ビフェニル−4−イル)アセトアミド;
D−26g:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−N−(4’−フルオロ−1,1’−ビフェニル−3−イル)アセトアミド;
D−26h:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−N−(3’−ニトロ−1,1’−ビフェニル−4−イル)アセトアミド;
D−26i:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−N−[4’−(ヒドロキシメチル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]アセトアミド;
D−26j:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−N−[4’−(ブロモメチル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]アセトアミド;
D−26k:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−N−[2’−(ヒドロキシメチル)−1,1’−ビフェニル−3−イル]アセトアミド;
D−26l:N−[3’(アセチルアミノ)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)アセトアミド;
D−26m:(3R)−N−[2’−(ヒドロキシメチル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
D−26n:(3R)−N−[4’−(ヒドロキシメチル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
D−26o:(3S)−N−[4’(ヒドロキシメチル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
D−26p:(3R)−N−[4’−(4−モルホリニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
D−26q:(3R)−N−[4’−(ヒドロキシメチル)−3’−(メトキシ)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]−オクタン−3−カルボキサミド;
D−26r:メチル4’−{[(3S)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルカルボニル]アミノ}−1,1’−ビフェニル−4−カルボキシレート;
D−26s:4’−{[(3S)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルカルボニル]アミノ}−1,1’−ビフェニル−4−カルボン酸;
D−26t:(3R)−N−[4’−(ヒドロキシ−1−メチルエチル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]−オクタン−3−カルボキサミド;
D−26u:(3R)−N−[4’−(アミノカルボニル)−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
D−26v:(3R)−N−[4’−(ヒドロキシメチル)−3−フルオロ−1,1’−ビフェニル−4−イル]−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキサミド;
D−26w:(4’−{[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルカルボニル]アミノ}−1,1’−ビフェニル−4−イル)メチルメチルカルバメート;
D−26x:(4’−{[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルカルボニル]アミノ}−1,1’−ビフェニル−4−イル)メチルイソプロピルカルバメート;
D−26y:(4’−{[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イルカルボニル]アミノ}−1,1’−ビフェニル−4−イル)メチルエチルカルバメート;
D−26z:WO2003/078431の実施例番号26、27、28、29、30、31、32、33、34、および35から選択される化合物の遊離塩基形態;
D−27a:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−N−(7−ブロモ−1−ベンゾチエン−2−イル)アセトアミド;
D−27b:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−N−(6−ブロモ−1−ベンゾチエン−2−イル)アセトアミド;
D−27c:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−N−(7−キノリニル)アセトアミド;
D−27d:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−N−(2−ナフチル)アセトアミド;
D−27e:2−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−N−(8−ニトロ−2−ナフチル)アセトアミド;
D−28a:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−6−キノリンカルボキサミド;
D−28b:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−2−フェナジンカルボキサミド;
D−28c:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−7−キノリンカルボキサミド;
D−28d:N−[(3R)−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル]−6−キノリンカルボキサミド;
D−28e:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−2−エチル−7−キノリンカルボキサミド;
D−28f:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−2−エチル−6−キノリンカルボキサミド;
D−28g:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−2−メチル−7−キノリンカルボキサミド;
D−28h:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−2−メチル−6−キノリカルボキサミド;
D−28i:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−4−メチル−6−キノリンカルボキサミド;
D−28j:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−2−プロピル−6−キノリンカルボキサミド;
D−28k:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−2−エチル−4−メチル−6−キノリンカルボキサミド;
D−28l:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−2−プロピル−7−キノリンカルボキサミド;
D−28m:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−2−エチル−4−メチル−7−キノリンカルボキサミド;
D−28n:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−6−キノリン−カルボキサミド;
D−28o:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−4−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−7−キノリン−カルボキサミド;
D−28p:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−2−フェニル−6−キノリンカルボキサミド;
D−28q:N−(1−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−3−イル)−2−フェニル−7−キノリンカルボキサミド;
D−29:(R)−7−クロロ−N−(キヌクリジン−3−イル)ベンゾ[b]チオフェン−2−カルボキサミド;
D−30a:5−{5−[(endo)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]ピリジン−2−イル}−1H−インドール;
D−30b:5−{5−[(exo)−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イルオキシ]ピリジン−2−イル}−1H−インドール;
D−30c:5−{5−[(endo)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ]ピリジン−2−イル}−1H−インドール;
D−30d:5−{5−[(exo)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ]ピリジン−2−イル}−1H−インドール;D−30e:4−{5−[(exo)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ]ピリジン−2−イル}−1H−インドール;および
D−30f:5−{6−[(exo)−8−メチル−8−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イルオキシ]ピリジン−3−イル}−1H−インドール
[群中、前記化合物の各々は、遊離塩基形態または酸添加塩形態にある化合物である]
【0079】
一実施形態では、α7−nAChRアゴニストが、化合物A−1、A−2、およびA−3からなる群[群中、前記化合物の各々は、遊離塩基形態または酸添加塩形態にある化合物である]から選択される化合物である。
【0080】
一実施形態では、α7−nAChRアゴニストが、化合物B−1、B−2、B−3、B−4、B−5、B−6、B−7、B−8、B−9、B−10、B−11、B−12、B−13、B−14、B−15、B−16、B−17、B−18、B−19、B−20、およびB−21からなる群[群中、前記化合物の各々は、遊離塩基形態または酸添加塩形態にある化合物である]から選択される化合物である。
【0081】
一実施形態では、α7−nAChRアゴニストが、化合物C−1、C−2、C−3、C−4、C−5、C−6、C−7、C−8、C−9、C−10、C−11、およびC−12からなる群[群中、前記化合物の各々は、遊離塩基形態または酸添加塩形態にある化合物である]から選択される化合物である。
【0082】
一実施形態では、α7−nAChRアゴニストが、群P2から選択される化合物であり、群P2が、化合物A−1、A−2、A−3、B−1、B−2、B−3、B−4、B−5、B−6、B−7、B−8、B−9、B−10、B−11、B−12、B−13、B−14、B−15、B−16、B−17、B−18、B−19、B−20、B−21、C−1、C−2、C−3、C−4、C−5、C−6、C−7、C−8、C−9、C−10、C−11、C−12、D−1、D−1a、D−1b、D−1c、D−1d、D−2、D−3、D−3a、D−4、D−4a、D−8、D−8a、D−8b、D−9、D−9a、D−9b、D−10、D−10a、D−11、D−11a、D−11b、D−11c、D−11d、D−11e、D−12、D−19、D−22、D−24、D−24a、D−24b、D−25a、D−25b、D−25c、D−25d、D−25e、D−25f、D−25g、D−25h、D−25i、D−25j、D−25k、D−25l、D−25m、D−25n、D−25o、D−25p、D−25q、D−25r、D−25s、D−25t、D−25u、D−25v、D−28a、D−28b、D−28c、D−28d、D−28e、D−28f、D−28g、D−28h、D−28i、D−28j、D−28k、D−28l、D−28m、D−28n、D−28o、D−28p、D−28q D−29、D−30a、D−30b、D−30c、D−30d、D−30eおよびD−30fからなる群[群中、前記化合物の各々は、遊離塩基形態または酸添加塩形態にある化合物である]である。
【0083】
一実施形態では、α7−nAChRアゴニストが、群P3から選択される化合物であり、群P3が、化合物A−1、A−2、A−3、B−1、B−2、B−3、B−4、B−5、B−6、B−7、B−8、B−9、B−10、B−11、B−12、B−13、B−14、B−15、B−16、B−17、B−18、B−19、B−20、B−21、C−1、C−2、C−3、C−4、C−5、C−6、C−7、C−8、C−9、C−10、C−11、C−12、D−1、D−1a、D−1b、D−1c、D−1d、D−2、D−3、D−3a、D−4、D−4a、D−8、D−8a、D−8b、D−9、D−9a、D−9b、D−10、D−10a、D−11、D−11a、D−12、D−19、D−22、D−24、D−24a、D−24b D−29、D−30a、D−30b、D−30c、D−30d、D−30eおよびD−30fからなる群[群中、前記化合物の各々は、遊離塩基形態または酸添加塩形態にある化合物である]である。
【0084】
一実施形態では、α7−nAChRアゴニストが、群P4から選択される化合物であり、群P4が、化合物A−1、B−5、B−8、B−12、B−13、C−5、C−6、およびC−8からなる群[群中、前記化合物の各々は、遊離塩基形態または酸添加塩形態にある化合物である]である。
【0085】
式(I)の化合物(例えば、化合物A−1〜A−3、B−1〜B−21、およびC−1〜C−12)およびそれらの製造については、WO2001/85727、WO2004/022556、WO2005/123732、WO2006/005608、WO2007/045478、WO2007/068476、およびWO2007/068475から知られるか、または前記参考文献と同様に調製することができる。
【0086】
化合物D−1およびD−1aは、WO2008/058096に従い調製することができる。
【0087】
化合物D−2、D−3、D−3a、D−4、D−4a、およびD−5(A−582941)は、WO2005/028477に従い調製することができる。化合物D−6、D−6a、D−7、およびE7aは、WO2006/065233および/またはWO2007/018738に従い調製することができる。化合物D−8、D−8a、D−8b、D−9、D−9a、およびD−9bは、WO2004/029050および/またはWO2010/043515に従い調製することができる。
【0088】
化合物D−10およびD−10aは、WO2004/076449および/またはWO2009/018505に従い調製することができる。化合物D−11、D−11a〜D−11eは、WO2004/076449および/またはWO2010/085724および/またはWO2010/056622に従い調製することができる。化合物D−12(CP−810123)および化合物D−19(バレニクリン)は、O’Donnellら、J Med Chem、2010、53、1222〜1237において記載されている。化合物D−13(PNU−282987)、D−14(PHA543613)、D−21(SSR−180771)およびD−23(ABBF)は、Horensteinら、Mol Pharmacol、2008、74、1496〜1511において記載されている。化合物D−15(PHA568487)、D−16(WAY−317538)、D−17(WAY−264620)、D−20(AZD−0328)およびD−22(GTS−21)は、Haydarら、Current Topics in Medicinal Chemistry、2010、10、144〜152において記載されている。化合物D−18(WYE−103914)は、Ghironら、J Med Chem、2010、53、4379〜4389において記載されている。化合物D−24、D−24aおよびD−24bは、WO2007/133155および/またはWO2009/066107において記載されている。化合物D−25a〜D−25vは、WO2004/013136において記載されている。化合物D−26a〜D−26zは、WO2003/078431において記載されている。化合物D−27a〜D−27eは、WO2003/078430において記載されている。化合物D−28a〜D−28qは、WO2003/043991において記載されている。
【0089】
化合物D−29は、WO2003/055878において記載されている。化合物D−30a〜D−30fは、WO2007/137030において記載されている。
【0090】
LMWであるα7−nAChRの正のアロステリック調節剤:
一実施形態では、用いられるα7−nAChR活性化剤が、α7−nAChRの正のアロステリック調節剤である。
【0091】
本明細書で用いられる「α7−nAChRの正のアロステリック調節剤」とは、in vivoおよびin vitroにおいて、α7−nAChRサブユニットを含む受容体に結合し、その生理学的リガンド(すなわち、アセチルコリン)が結合するときの受容体の活性化を強化する化合物である。強化は、WO2001/85727において開示されている方法、すなわち、ホモマーのα7−nAChRにおいて、α7−nAChRを安定的に発現させるラット下垂体細胞系により実行される機能的アフィニティーアッセイにより測定することができる。読取りとして、受容体を刺激したときの、アセチルコリンの結合単独と比較したカルシウムの流入を用いる。本発明に従う「α7−nAChRの正のアロステリック調節剤」は、アセチルコリンにより引き起こされる最大の流入の少なくとも200%のカルシウムの流入を、少なくとも5000nMのEC
50値で誘導することが典型的であり、好ましいα7−nAChRの正のアロステリック調節剤は、アセチルコリンにより引き起こされる最大の流入の少なくとも300%のカルシウムの流入を、少なくとも1000nMのEC
50値で誘導し、より好ましいアゴニストは、エピバチジンにより引き起こされる最大の流入の少なくとも400%のカルシウムの流入を、少なくとも500nMのEC
50値で誘導する。
【0092】
特に、好ましいα7−nAChRの正のアロステリック調節剤は、消化管から十分に吸収されるものとし、代謝的に十分に安定であり、好適な薬物動態特性を保有するものとする。
【0093】
さらに好ましいα7−nAChRの正のアロステリック調節剤は、in vivoにおいて、α7−nAChRに強力に結合する一方、他の受容体、とりわけ、他のnAChR、例えば、α4β2 nAChRに対してはアフィニティーをほとんど示さず、ムスカリン性アセチルコリン受容体、例えば、M1受容体および/または5−HT
3受容体に対してもアフィニティーをほとんど示さない。
【0094】
さらに好ましいα7−nAChRの正のアロステリック調節剤は、血液脳関門を効果的に越える。
【0095】
好ましいα7−nAChRの正のアロステリック調節剤は、非毒性であり、副作用をほとんど顕示しないものとする。
【0096】
さらに、好ましいα7−nAChRの正のアロステリック調節剤は、安定であり、非吸湿性であり、容易に調合される物理的形態で存在することが可能である。
【0097】
一実施形態では、処置される対象に対してこのような正のアロステリック調節剤が引き起こす副作用は非選択的な正のアロステリック調節剤より少ないと予測されるので、α7−nAChRの正のアロステリック調節剤は、選択的なα7−nAChRの正のアロステリック調節剤である、すなわち、α7−nAChRの正のアロステリック調節剤は、α7−nAChRサブユニットを含む受容体について選択的である。α7−nAChRサブユニットを含む受容体について選択的な正のアロステリック調節剤は、このような受容体に対する機能的アフィニティーがはるかに高度であり、例えば、他の任意のニコチン性アセチルコリン受容体と比較したアフィニティー差が、EC
50値で少なくとも10倍、好ましくは少なくとも20倍、より好ましくは少なくとも50倍である。本発明のα7−nAChRの正のアロステリックの調節剤の、他のニコチン性アセチルコリン受容体に対するアフィニティーを評価するために、WO2001/85727において開示されている方法を用いることができる、すなわち、ヒトニューロンα4β2 nAChRに対するアフィニティーを評価するために、ヒト胎児由来腎臓細胞系によるヒトα4β亜型の安定的な発現を用いて、同様の機能的アッセイを実行し、本発明の化合物の、ニコチン性受容体の「神経節亜型」および「筋肉型」に対する活性を評価するために、ニコチン性受容体のヒト「神経節亜型」を安定的に発現させるヒト胎児由来腎臓細胞系またはニコチン性受容体のヒト「筋肉型」を内因的に発現させる細胞系により、同様の機能的アッセイを実行する。
【0098】
最近の12年間には、選択的なα7 nAChRの正のアロステリック調節剤の開発に多大な努力が集約され、前記選択的な活性を提示する多くの異なる化学型の発見がなされた。これらの努力は、7つの異なる化学ファミリーに属する、α7 nAChRの正のアロステリック調節剤として作用する11の化合物、すなわち、XY−4083;PNU−120596、PHA−758454、およびNS−1738;PHA−709829;SB−206553;LY−2087101、LY−1078733、およびLY−2087133;化合物26;ならびにA−867744(化合物の呼称は、Haydarらによる)について記載している、Haydarら(Current Topics in Medicinal Chemistry、2010、10、144〜152)による総説にまとめられている。Haydarらにおいて記載されている前記11の化合物は全て、参照により本明細書に組み込まれる。実際に、α7 nAChRの正のアロステリック調節剤の作用方式を有する少なくとも1つの薬物候補物質が、米国食品医薬品局から認可を得て、臨床試験(すなわち、XY−4083)を行った。
【0099】
一実施形態では、α7−nAChRの正のアロステリック調節剤の分子量の最大値が、1500ドルトンである。一実施形態では、α7−nAChRの正のアロステリック調節剤の分子量の最大値が、1000ドルトンである。一実施形態では、α7−nAChRの正のアロステリック調節剤の分子量の最大値が、800ドルトンである。
【0100】
一実施形態では、α7−nAChRの正のアロステリック調節剤の分子量の最大値が、500ドルトンである。
【0101】
一実施形態では、α7−nAChRの正のアロステリック調節剤が、群P5から選択される化合物であり、群P5が、化合物
E−1:(Z)−N−(4−クロロ−フェニル)−3−(4−クロロ−フェニルアミノ)−2−(3−メチル−イソオキサゾール−5−イル)−アクリルアミド(XY−4083);
E−2:1−(5−クロロ−2,4−ジメトキシ−フェニル)−3−(5−メチル−イソオキサゾール−3−イル)−尿素(PNU−120596);
E−3:1−(5−フルオロ−2,4−ジメトキシ−フェニル)−3−(5−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−3−イル)−尿素(PHA−758454);
E−4:1−(5−クロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)−3−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニル)−尿素(NS−1738);
E−5:4−(4−クロロ−フェニル)−2−(4−メトキシ−フェニル)−5−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(PHA−709829);
E−6:5−メチル−3,5−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−f]インドール−1−カルボン酸ピリジン−3−イルアミド(SB−206553);
E−7:[2−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−4−メチル−チアゾール−5−イル]−チオフェン−3−イル−メタノン(LY−2087101);
E−8:[2−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−4−メチル−チアゾール−5−イル]−p−トリル−メタノン(LY−1078733);
E−9:ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−[2−(4−フルオロ−フェニルアミノ)−4−メチル−チアゾール−5−イル]−メタノン(LY−2087133);
E−10:4−ナフタレン−1−イル−3a,4,5,9b−テトラヒドロ−3H−シクロペンタ[c]キノリン−8−スルホン酸アミド;および
E−11:4−[5−(4−クロロ−フェニル)−2−メチル−3−プロピオニル−ピロール−1−イル]−ベンゼンスルホンアミド(A−867744)からなる群[群中、前記化合物は、遊離塩基形態または酸添加塩形態にある化合物である]である。
【0102】
さらに別の実施形態では、上記で開示した組成物であって、本明細書で開示される方法に従い選択された患者群における、認知障害、精神障害、および/または神経変性障害を処置するためのアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤を含む組成物が、従来の抗精神病薬または非定型抗精神病薬など、第2の認知増強剤または治療用化合物を含む。
【0103】
一実施形態では、本発明は、対象、例えば、ヒト対象の、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に対する治療応答性を、処置される対象における特定の遺伝子マーカーの存在または非存在に基づき予測するための方法を提供する。本明細書で用いられる「アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に対する治療応答性を予測すること」という用語は、対象の、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置が、対象において臨床的に有効である(例えば、測定可能な利益を対象にもたらす)のか否かの可能性を評価する能力を指すことを意図する。特に、処置が臨床的に有効であるのか否かの可能性を評価するこのような能力は、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置を対象において開始する前に働かせることが典型的である。しかし、また、処置が臨床的に有効であるのか否かの可能性を評価するこのような能力は、処置を開始した後であるが、臨床的有効性の指標(例えば、測定可能な利益の指標)が対象において観察される前に働かせることもできることも可能である。
【0104】
方法は、I)CHRNA5遺伝子および/またはCHRNA3遺伝子の遺伝子座における個体の遺伝子型を得るステップと、II)ステップI)の個体であり、CHRNA5 SNP rs55853698−T(配列番号1)もしくはSNP rs16969968−G(配列番号37)、または前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNP、および/あるいはCHRNA3 SNP rs6495308(配列番号3/4)もしくはSNP rs1051730(配列番号35/36)、または前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPもしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPを保有する個体を同定するステップとを含み、前記CHRNA5 SNPまたはSNPのハプロタイプのうちの少なくとも1つがホモ接合性で存在すれば、個体がアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に応答する可能性が高いことを指示し、ホモ接合性のSNP rs6495308−T/T(配列番号4)の存在は、個体がアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に応答しない可能性が高いことを指示する。ホモ接合性のSNP rs6495308−C/C(配列番号3)遺伝子型の存在またはヘテロ接合性のSNP rs6495308−C/T遺伝子型の存在は、個体がアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に応答する可能性が高いことを指示する。ホモ接合性のSNP rs1051730−C/C(配列番号35)の存在は、個体がアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に応答する可能性が高いことを指示する。
【0105】
CHRNA5および/もしくはCHRNA3 SNPの特徴付け、または前記遺伝子座において個体の遺伝子型情報を得ることは、当技術分野でよく知られた技法のうちのいずれかを用いることにより達成することができる。例えば、遺伝子領域のうちのいずれかを配列決定することができる。本発明の方法では、例えば、米国特許第5,075,216、Engelkeら(1988)、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、85、544〜548、およびWongら(1987)、Nature、330、384〜386; MaximおよびGilbert(1977)、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、74: 560;またはSanger(1977)、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、74: 5463において記載されている方法など、CHRNA5遺伝子および/またはCHRNA3遺伝子の一方または両方の鎖を配列決定するためのよく知られた方法のうちのいずれかを用いることができる。加えて、質量分析による配列決定(例えば、PCT国際特許出願公開第WO94/16101号;Cohenら(1996)、Adv. Chromatogr.、36: 127〜162;およびGriffinら(1993)、Appl. Biochem. Biotechnol.、38: 147〜159を参照されたい)を含め、多様な自動式配列決定手順のうちのいずれか(例えば、Naeve, C.Wら(1995)、Biotechniques、19: 448を参照されたい)を使用することができる。
【0106】
生物学的試料中のCHRNA5および/またはCHRNA3 SNPの存在または非存在の決定は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅反応、逆転写酵素によるPCR解析、一本鎖コンフォメーション多型解析(SSCP)、ミスマッチ切断検出、ヘテロ二重鎖解析、サザンブロット解析、ウェスタンブロット解析、デオキシリボ核酸による配列決定、制限断片長多型解析、ハプロタイプ解析、血清型決定、およびこれらの組合せまたは部分的組合せなど、任意のよく知られた技法を用いて達成することができる。
【0107】
例えば、mRNA試料は、対象から得ることができ、mRNA試料中のCHRNA5対立遺伝子および/またはCHRNA3対立遺伝子によりコードされる(1または複数の)mRNAの発現は、PCR解析などの標準的な分子生物学法を用いて検出することができる。PCR解析の好ましい方法は、逆転写酵素によるポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)である。mRNA試料の解析に適する他の系には、マイクロアレイ解析(例えば、Affymetrix製のマイクロアレイシステムまたはIllumina製のBeadArray Technologyを用いる)が含まれる。
【0108】
特定の状況では、指示マーカーであるCHRNA5遺伝子またはCHRNA3遺伝子の対立遺伝子のタンパク質レベルでの発現について、バイオマーカーのmRNAによりコードされるタンパク質産物を検出する検出用試薬を用いてアッセイすることが可能でありうる。例えば、CHRNA5またはCHRNA3のマーカータンパク質に特異的に結合するが、他のタンパク質には結合しない抗体試薬が利用可能である場合は、FACS解析、ELISAなど、当技術分野で知られた標準的な抗体ベースの技法を用いて、対象に由来する細胞試料中または細胞試料に由来する調製物中のCHRNA5またはCHRNA3のマーカータンパク質の発現を検出するのに、このような抗体を用いることができる。
【0109】
上記で示した通り、指示マーカーであるCHRNA5遺伝子またはCHRNA3遺伝子の対立遺伝子の存在または非存在の決定には、例えば、制限断片長多型解析が含まれる。制限断片長多型解析(RFLPS)は、制限酵素部位における変化に基づく。さらに、配列特異的リボザイム(例えば、米国特許第5,498,531を参照されたい)を用いて、特異的なリボザイム切断部位の存在について評価することもできる。
【0110】
指示マーカーであるCHRNA5遺伝子もしくはCHRNA3遺伝子の対立遺伝子またはこのような指示対立遺伝子を伴うハプロタイプを形成するSNPの存在または非存在を決定するための別の技法は、解析されるDNAセグメント(標的DNA)を、例えば、Wallaceら(1981)、Nucl. Acids Res.、9、879〜894において記載されている、相補的な標識オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズさせるステップを伴う。塩基対のミスマッチを1つでも含有するDNA二重鎖は、高度な熱不安定性を呈示するので、示差的な溶融温度を用いて、プローブと完全に相補的な標的DNAを、ヌクレオチド1つだけ異なる標的DNAから識別することができる。例えば、米国特許第4,683,194において記載されている通り、この方法を適合させて特異的な制限部位の存在または非存在の検出することがなされている。方法は、末端標識された、制限部位にわたるオリゴヌクレオチドプローブであって、標的DNAとハイブリダイズさせるプローブを用いることを伴う。次いで、ハイブリダイズさせたDNA二重鎖を、その部位に適する制限酵素と共にインキュベートする。再形成された制限部位は、制限エンドヌクレアーゼを用いることを介する、プローブと標的との二重鎖対の消化により切断される。短縮されたプローブ分子を検出する場合、特異的制限部位は、標的DNA内に存在する。
【0111】
指示マーカーであるCHRNA5遺伝子もしくはCHRNA3遺伝子の対立遺伝子またはこのような指示対立遺伝子を伴うハプロタイプを形成するSNPの存在または非存在を決定するための他の方法には、切断剤からの保護を用いて、RNA/RNA二重鎖またはRNA/DNAヘテロ二重鎖内のミスマッチした塩基を検出する方法(例えば、Myersら(1985)、Science、230:1242において記載されている)が含まれる。一般に、当技術分野における「ミスマッチ切断」法は、多型配列を含有する(標識された)RNAまたはDNAを、試料から得られる、多型の可能性があるRNAまたはDNAとハイブリダイズさせることにより形成されるヘテロ二重鎖を用意することで開始される。二本鎖の二重鎖を、対照鎖と試料鎖との塩基対のミスマッチに起因して存在する二重鎖の一本鎖領域など、二重鎖の一本鎖領域を切断する薬剤で処理する。例えば、RNA/DNA二重鎖は、RNアーゼで処置し、DNA/DNAハイブリッド体は、S1ヌクレアーゼで処置して、ミスマッチ領域を酵素的に消化させることができる。他の実施形態では、ミスマッチ領域を消化するために、DNA/DNA二重鎖またはRNA/DNA二重鎖を、ヒドロキシルアミンまたは四酸化オスミウムおよびピペリジンで処置することができる。ミスマッチ領域を消化した後、次いで、結果として得られる物質を、変性ポリアクリルアミドゲル上でサイズにより分離する。例えば、Cottonら(1988)、Proc. Natl Acad Sci USA、85: 4397; Saleebaら(1992)、Methods Enzymol.、217: 286〜295を参照されたい。好ましい実施形態では、対照DNAまたはRNAを、検出用に標識することができる。
【0112】
別の実施形態では、電気泳動における可動性の変化を用いて、指示マーカーであるCHRNA5遺伝子もしくはCHRNA3遺伝子の対立遺伝子またはこのような指示対立遺伝子を伴うハプロタイプを形成するSNPの存在または非存在を決定することができる。例えば、一本鎖コンフォメーション多型(SSCP)を用いて、多様な指示マーカーであるCHRNA5遺伝子もしくはCHRNA3遺伝子の対立遺伝子またはこのような指示対立遺伝子を伴うハプロタイプを形成するSNPの間の電気泳動における可動性における差違を検出することができる(例えば、Oritaら(1989)、Proc Natl. Acad. Sci. USA: 86:276; Cotton(1993)、Mutat Res、285:125〜144;およびHayashi(1992)、Genet Anal Tech Appl、9:73〜79において記載されている)。試料核酸および対照核酸の一本鎖DNA断片を変性させ、復元させることができる。一本鎖核酸の二次構造は、配列に従い変化し、結果として得られる電気泳動における可動性の変化により、1つの塩基変化の検出までもが可能となる。DNA断片は、標識されたプローブで標識または検出することができる。アッセイの感受性は、配列の変化に対する二次構造の感受性が大きいRNA(DNAではなく)を用いることにより増強することができる。好ましい実施形態では、対象の方法が、電気泳動における可動性の変化に基づき、二本鎖のヘテロ二重鎖分子を分離するのに、ヘテロ二重鎖解析を使用する(Keenら(1991)、Trends Genet.、7: 5)。
【0113】
さらに別の実施形態では、ある勾配の変性剤を含有するポリアクリルアミドゲル中の核酸分子の運動を、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)(例えば、Myersら(1985)、Nature、313: 495において記載されている)を用いてアッセイする。DGGEを解析方法として用いる場合、例えば、PCRを介して、融点の高いGCに富むDNAによる、約40bpのGCクランプを付加することによりDNAを修飾して、DNAが完全に変性しないことを確保することができる。さらなる実施形態では、変性勾配の代わりに温度勾配を用いて、対照DNAと試料DNAとの運動の差違を同定する(RosenbaumおよびReissner(1987)、Biophys Chem、265: 12753)。
【0114】
指示マーカーであるCHRNA5遺伝子もしくはCHRNA3遺伝子の対立遺伝子またはこのような指示対立遺伝子を伴うハプロタイプを形成するSNPの存在または非存在を決定するための他の技法の例には、選択的なオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的な増幅、または選択的なプライマー伸長が含まれるがこれらに限定されない。例えば、多型領域が中央部に配置されたオリゴヌクレオチドプライマーを調製し、次いで、完全なマッチが見出されるハイブリダイゼーションだけを可能とする条件下で標的DNAとハイブリダイズさせることができる(Saikiら(1986)、Nature、324:163; Saikiら(1989)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、86:6230)。オリゴヌクレオチドをハイブリダイズ用の膜へと付着させ、標識された標的DNAとハイブリダイズさせる場合は、このような対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドを、PCR増幅された標的DNAまたは多数の異なる多型とハイブリダイズさせる。
【0115】
指示マーカーであるCHRNA5遺伝子もしくはCHRNA3遺伝子の対立遺伝子またはこのような指示対立遺伝子を伴うハプロタイプを形成するSNPの存在または非存在を決定するための別の工程は、標識されたオリゴヌクレオチドプライマーを、鋳型のRNAまたはDNAとハイブリダイズさせ、次いで、DNAポリメラーゼおよびデオキシヌクレオシド三リン酸を用いて、プライマーを鋳型の5’端へと伸長させるステップからなるプライマー伸長工程である。次いで、サイズに基づく画分化、例えば、変性ポリアクリルアミドゲルを介する電気泳動により、標識されたプライマー伸長産物の分離を行う。この工程は、相同なDNAセグメントを比較し、ヌクレオチドの挿入または欠失により差違を検出するのに用いられることが多い。ヌクレオチドの置換に起因する差違は、サイズが、プライマー伸長産物を特徴付けるのに用いられる唯一の基準であるので、検出されない。SNPの遺伝子型決定のためのさらによく知られた方法は、動的対立遺伝子特異的ハイブリダイゼーション(DASH)による遺伝子型決定(Howell W.、Jobs M.、Gyllensten U.、Brookes A.(1999)、「Dynamic allele-specific hybridization. A new method for scoring single nucleotide polymorphisms」、Nat Biotechnol.、17(1): 87〜8);分子ビーコンを介するSNPの検出(Abravaya K.、Huff J.、Marshall R.、Merchant B.、Mullen C.、Schneider G.、およびRobinson J.(2003)、「Molecular beacons as diagnostic tools: technology and applications」、Clin Chem Lab Med.、41: 468〜474);高密度オリゴヌクレオチドSNPマイクロアレイ(Rapley R.、Harbron S.(編)(2004)、「Molecular Analysis and Genome Discovery」、Chichester、John Wiley & Sons Ltd.);フラップエンドヌクレアーゼ(「The Invader assay for SNP genotyping」、Mutat Res.、573(1〜2): 103〜10)である。
【0116】
SNPが、前記SNPを保有する遺伝子の発現率に影響を及ぼすプロモーター領域または別の非コード領域に位置する場合は、mRNAレベルまたはタンパク質レベルが影響を受ける可能性がある。このような状況では、SNPの存在を、前記各遺伝子のmRNA配列またはタンパク質配列に基づき決定することができない。しかし、このような指示SNPの存在は、mRNAレベルまたはタンパク質レベルの測定値を介して間接的に決定しうる。よって、本発明の別の実施形態では、本明細書で開示される方法が、特定の遺伝子のmRNAレベルまたはタンパク質レベルを決定するさらなるステップまたは代替的なステップを、CHRNA5遺伝子またはCHRNA3遺伝子における指示SNPの存在についての間接的な決定法として含みうる。Falvellaおよび共同研究者らは、CHRNA5遺伝子のプロモーター多型および転写物レベルを同定した(J. Natl. Cancer Inst、2010; 102: 1366〜1370、102巻、17号、2010年9月8日)。前記の刊行物では、ハプロタイプdelTTC(SNP rs3841324−Del(配列番号6)、SNP rs503464−T(配列番号10)、SNP rs55853698−T(配列番号1)、およびSNP rs55781567−C(配列番号7)により形成される)を保有する患者のmRNAレベルとして表されるCHRNA5遺伝子の発現率は、InsTGGハプロタイプおよびInsATCハプロタイプのそれぞれを保有する患者についての0.88および1.06と比較して1.82であったことを示すことが可能であった。結果として、mRNAレベルの解析を、間接的アッセイとして用いて、前記患者におけるdelTTCハプロタイプの存在を決定することができた。
【0117】
指示マーカーであるCHRNA5遺伝子またはCHRNA3遺伝子の対立遺伝子またはSNPの近傍の1または複数の多型部位についてのハプロタイプ解析はまた、さらなる指示SNPの存在または非存在を決定するためにも用いることができ、例えば、家系図、分子法、および/または統計学的推論の使用が含まれうる。
【0118】
さらに、当技術分野では、このようなSNPを遺伝子型決定するためのよく知られた方法のうちのいずれか(例えば、DNA配列決定、ハイブリダイゼーション法、PCRベースのアッセイ、蛍光色素および消光剤ベースのPCRアッセイ(Taqman PCR検出システム)、RFLPベースの技法、一本鎖コンフォメーション多型(SSCP)、変成勾配ゲル電気泳動(DGGE)、温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)、化学ミスマッチ切断(CMC)、ヘテロ二重鎖解析ベースの系、質量分析に基づく技法、侵襲性切断アッセイ、多型比配列決定(PRS)、マイクロアレイ、ローリングサークル伸長アッセイ、HPLCベースの技法、DHPLCベースの技法、オリゴヌクレオチド伸長アッセイ(OLA)、伸長ベースのアッセイ、アーム(増幅不応性突然変異系)、ALEX(増幅不応性突然変異による直鎖伸長)、SBCE(単一の塩基による鎖伸長)、分子ビーコンアッセイ、インベーダー法(第3の波の技法)、リガーゼ連鎖反応アッセイ、5’−ヌクレアーゼアッセイベースの技法、キャピラリーアレイ電気泳動(CAE)、パイロシーケンス、タンパク質切断アッセイ(PTT)、イムノアッセイ、ハプロタイプ解析、および固相ハイブリダイゼーション(ドットブロット、リバースドットブロット、チップ)が、極めてよく知られており、例えば、Siitari、Nucleic acid diagnostics market、Technology Review、125/2002、ISDN 1239-758; Caplin(1999)、Biochemica 1:5〜8; Neville、(2002)、Biotechniques、32:34〜43; Underhill(197)、Genome Res 7:996〜1005; Oefner(2000)、J Chromatogr B Biomed Sci Appl 739:345〜55、および米国特許出願公開第20010049586号において記載され、本発明の方法においても用いることができる。
【0119】
認知障害、精神障害、および/または神経変性障害に罹患する対象から、生検または他の手段により得られた任意の適する組織試料を用いて、指示マーカーであるCHRNA5遺伝子もしくはCHRNA3遺伝子の対立遺伝子またはこのような指示対立遺伝子を伴うハプロタイプを形成するSNPの存在または非存在を決定することができる。当技術分野では、対象に由来する生検を得るための技法または方法がよく知られている。組織試料の部分成分(例えば、細胞またはRNAもしくはDNA)の単離は、当技術分野でよく知られた技法および下記の実施例節において記載される技法を用いて達成することができる。
【0120】
特に、ホモ接合性のCHRNA5 SNP rs55853698−T/T(配列番号1)もしくはSNP rs16969968−G/G(配列番号37)、または前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPの存在は、個体が、本明細書で記載されるアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に応答する可能性が高いことを指示する。ホモ接合性のSNP rs6495308−T/T(配列番号4)の存在は、個体がアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に応答しない可能性が高いことを指示する。ホモ接合性のSNP rs6495308−C/C(配列番号3)遺伝子型の存在またはヘテロ接合性のSNP rs6495308−C/T遺伝子型の存在は、個体がアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に応答する可能性が高いことを指示する。ホモ接合性のSNP rs1051730−C/C(配列番号35)の存在は、個体がアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に応答する可能性が高いことを指示する。
【0121】
よって、本開示はまた、個体の認知技能を増大させ、ならびに/または認知障害、精神障害、および/もしくは神経変性障害を患う個体を処置する治療方法であって、III)上記のCHRNA5遺伝子の遺伝子座における個体の遺伝子型を得るステップと、IV)ステップIII)の個体であり、CHRNA5 SNP rs55853698−T(配列番号1)もしくはSNP rs16969968−G(配列番号37)、特に、前述のSNP変異体、または前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNP、もしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPについてホモ接合性である個体、および/あるいはCHRNA3 SNP rs6495308−C/CもしくはSNP rs6495308−T/C(配列番号3/4)遺伝子型もしくはSNP rs1051730−C/C(配列番号35)遺伝子型、または前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPを保有する個体を同定するステップと、V)治療有効量のアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤を、ステップIV)で同定された対象に投与するステップとを含む方法にも関する。
【0122】
さらなる実施形態では、上記で記載したステップI)およびIII)が、VI)前記個体の生物学的試料を得るステップであり、前記試料が、血液、血液由来生成物(軟膜、血清、および血漿など)、リンパ、尿、涙液、唾液、脳脊髄液、口腔内スワブ、痰、毛根、白血球試料、もしくは組織試料、またはこれらの任意の組合せからなる群から選択されるステップと、VII)ステップVI)の生物学的試料を、(i)CHRNA5 SNP rs55853698−T(配列番号1)、もしくは(ii)SNP rs16969968−G(配列番号37)、もしくは(iii)CHRNA3 SNP rs6495308−C/CもしくはSNP rs6495308−T/C(配列番号3/4)、もしくは(iv)SNP rs1051730(配列番号35)、または(v)前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPもしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPを検出することが可能な試薬または薬剤(上記で詳細に記載した)と接触させるステップとをさらに含む。
【0123】
生物学的試料を接触させる試薬、薬剤、またはデバイスは、例えば、試料中に存在するCHRNA5 SNP rs55853698−T(配列番号1)もしくはSNP rs16969968−G(配列番号37)、または前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNP、および/あるいはCHRNA3 SNP rs6495308−C/CもしくはSNP rs6495308−T/C(配列番号3/4)もしくはSNP rs1051730(配列番号35)、または前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPもしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPを増幅し、かつ/またはこれを配列決定し、かつ/またはこれを標識するのに適する(1または複数の)PCR/配列決定プライマー、ヌクレオチド、および酵素、試料中の上述のSNP、または前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPもしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPのうちの1つを検出することが可能な抗体、制限酵素、ならびに/あるいはマイクロアレイでありうる。
【0124】
本明細書で用いられる治療有効量を投与するステップの文脈における「治療有効量」という用語は、対象に投与されると、治療的利益をもたらすのに十分である、例えば、認知障害もしくは認知機能障害、精神障害および/または神経変性障害を処置するために、特に、個体の認知技能を増大させるために十分な量の有効成分(例えば、本明細書で記載されるアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤および/または第2の認知増強剤)を指すことが典型的である。本発明の別の態様では、認知障害もしくは認知機能障害、精神障害および/または神経変性障害が、精神疾患、または、記憶機能、問題解決、方向付け、および/もしくは抽象化のうちの1または複数における後天的欠損であって、特に、言語的記憶、実行機能、注意および警戒、言語的流暢さ、ならびに運動速度において明白な欠損である。さらなる実施形態では、認知障害もしくは認知機能障害、精神障害および/または神経変性障害が、軽度の認知障害、アルツハイマー病、パーキンソン病型認知症、レビー小体型認知症、統合失調症、血管性認知症、AIDS−認知症、老年性認知症、軽度の加齢関連認知障害(MCI)、加齢関連記憶障害、自閉症、前頭葉変性による認知症、脳卒中、大脳基底核変性障害、多発性硬化症、外傷、脳腫瘍、脳感染症、水頭症、うつ病、毒性障害または代謝性障害、および薬物誘導型認知症である。
【0125】
アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤の投与とは、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニストまたはアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体の正のアロステリック調節剤の投与、特に、群P1から選択される低分子量化合物の投与を指す。代替的に、個体の認知技能を増大させ、ならびに/または認知障害、精神障害、および/もしくは神経変性障害を患う個体を処置する治療方法は、式(I)に開示されるアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニストまたは群P1から選択される化合物を投与するステップを含む。
【0126】
当技術分野では、「医薬として許容される塩」が知られている(例えば、S.M. Bergeら、「Pharmaceutical Salts」、J. Pharm. Sd.、1977、66: 1〜19;および「Handbook of Pharmaceutical Salts, Properties, Selection, and Use」、Stahl, RH.、Wermuth, C.G.編、Wiley-VCH and VHCA: Zurich、2002)。医薬として許容される塩とは、毒性であるか、生物学的に忍容不可能であるか、または他の形で生物学的に有害であることがない遊離形態の塩を意味することを意図する。医薬として許容される好ましい塩とは、薬理学的に有効であり、不要な毒性、刺激、またはアレルギー反応なしに患者の組織と接触させるのに適する塩である。
【0127】
開示される処置法のさらに別の実施形態では、従来の抗精神病薬または非定型抗精神病薬など、認知障害、精神障害、および/または神経変性障害を処置するのに有用な第2の認知増強剤または治療用化合物を投与することができる。医薬組成物である組合せまたは医薬調製物の組合せを用いることが好ましい。このような医薬組成物は、併せて投与することもでき、逐次的に投与することもでき、1つの単位用量の組合せにより別個に投与することもできる。
【0128】
開示される方法の別の態様では、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤の投与される用量が、1日当たり約1mg〜約100mgである。代替的に、投与される用量は、1日当たり約2mg〜約100mg、もしくは約3mg〜約90mg、もしくは約4mg〜約80mg、もしくは約5mg〜約70mg、もしくは約6mg〜約60mg、もしくは約7mg〜約50mg、もしくは約8mg〜約40mg、もしくは約9mg〜約35mg、もしくは約10mg〜約30mg、または1日当たり約5mg〜約10mg、もしくは約10mg〜約15mg、もしくは約15mg〜約20mg、もしくは約20mg〜約25mgである。前記態様の一実施形態では、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤が、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニストである。
【0129】
本開示の別の実施形態は、認知障害、精神障害、および/もしくは神経変性障害、またはアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体の活性化が役割を果たすかまたは関与する状態を伴う患者を処置するための、上記のアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤の使用であって、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に対して感受性の患者が、上記で記載した方法に従い選択された使用に関する。
【0130】
さらに、本開示は、個体が、(a)認知障害、精神障害、および/もしくは神経変性障害、またはアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体の活性化が役割を果たすかまたは関与する状態の処置、あるいは(b)アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による認知技能の増大に対して応答性であるかどうかを決定するために、(i)CHRNA5 SNP rs55853698−T(配列番号1)、または(ii)SNP rs16969968−G(配列番号37)、または(iii)CHRNA3 SNP rs6495308−C/CもしくはSNP rs6495308−T/C(配列番号3/4)、または(iv)SNP rs1051730−C(配列番号35)、または(v)前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPもしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPを検出するための少なくとも1つのプローブの使用にも関する。当業者は、使用可能なプローブをどのようにして設計するかについての方法および技法について承知している。
【0131】
別の態様では、本開示は、(i)CHRNA5 SNP rs55853698−T(配列番号1)、または(ii)SNP rs16969968−G(配列番号37)、または(iii)CHRNA3 SNP rs6495308−C/CもしくはSNP rs6495308−T/C(配列番号3/4)、または(iv)SNP rs1051730(配列番号35)、または(v)前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPもしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPを検出するための少なくとも1つのプローブを含むキットに関する。前記キットは、個体の、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による、認知障害、精神障害、および/もしくは神経変性障害、またはアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体の活性化が役割を果たすかまたは関与する状態の処置に対する応答性を診断するためのキットであって、VIII)(i)CHRNA5 SNP rs55853698−T(配列番号1)、および/または(ii)SNP rs16969968−G(配列番号37)、および/または(iii)CHRNA3 SNP rs6495308−C/CもしくはSNP rs6495308−T/C(配列番号3/4)、および/または(iv)SNP rs1051730−C(配列番号35)、および/または(v)前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPもしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPを検出するための手段と、IX)前記キットをどのようにして使うのかについての指示書とを含むキットであることが好ましい。
【0132】
本開示のさらなる対象物は、上記で記載した方法または使用のうちのいずれかに適するキット、好ましくは上記で開示したキットであって、(i)CHRNA5 SNP rs55853698−T(配列番号1)、または(ii)SNP rs16969968−G(配列番号37)、または(iii)CHRNA3 SNP rs6495308−C/CもしくはSNP rs6495308−T/C(配列番号3/4)、または(iv)SNP rs1051730−C(配列番号35)、または(v)前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPもしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPを検出するための少なくとも1つのプローブを含むキットの使用に関する。関連する実施形態では、上記で記載した通りに用いられるキットが、オリゴヌクレオチドプローブを含む。
【0133】
上記で記載した方法または使用の別の実施形態では、CHRNA5/CHRNA3 SNPのハプロタイプが、rs3841324(配列番号5または6)、rs503464(配列番号9または10)、rs55853698−T(配列番号1)、rs55781567−C(配列番号7)、rs56182392(配列番号11または12)、rs77293642(配列番号13または14)、rs67624739(配列番号15または16)、rs142774214(配列番号17または18)、rs60182379(配列番号19または20)、rs77541452(配列番号21または22)、rs72648882(配列番号23または24)、rs144334096(配列番号25または26)、rs114037126(配列番号27または28)、rs140280786(配列番号29または30)、rs147565924(配列番号31または32)、rs16969968−G(配列番号37)、rs6495308(配列番号3または4)、rs1051730(配列番号35または36)およびrs115662711(配列番号33または34)を含む群から選択される少なくとも2つのSNPからなる。上記で記載した方法または使用の別の実施形態では、CHRNA5 SNPのハプロタイプが、指示SNP rs55853698−T(配列番号1)と、rs3841324(配列番号5または6)、rs503464(配列番号9または10)、rs55781567−C(配列番号7)、rs56182392(配列番号11または12)、rs77293642(配列番号13または14)、rs67624739(配列番号15または16)、rs142774214(配列番号17または18)、rs60182379(配列番号19または20)、rs77541452(配列番号21または22)、rs72648882(配列番号23または24)、rs144334096(配列番号25または26)、rs114037126(配列番号27または28)、rs140280786(配列番号29または30)、rs147565924(配列番号31または32)、rs16969968−G(配列番号37)、rs6495308(配列番号3または4)、rs1051730(配列番号35または36)およびrs115662711(配列番号33または34)からなる群から選択される少なくとも1つのさらなるSNPからなる。関連する実施形態では、SNPのハプロタイプが、SNP rs3841324(配列番号5および6)、SNP rs503464(配列番号9または10)、SNP rs55853698−T(配列番号1)、およびSNP rs55781567−C(配列番号7)により形成されるハプロタイプdelTTCおよびinsATCから選択される。
【0134】
本発明の医薬組成物における活性薬剤の実際の用量レベルは、患者に対して毒性とならずに、特定の患者、組成物、および投与方式に所望される治療的応答を達成するのに有効な活性薬剤の量を得るように変化させることができる。選択された用量レベルは、使用される本発明の特定の組成物、またはそのエステル、塩、もしくはアミドの活性、投与経路、投与回数、使用される特定の化合物の排出速度、処置の持続期間、使用される特定の組成物と組み合わせて用いられる他の薬物、化合物、および/または物質、年齢、性別、体重、状態、全般的健康、および処置される患者の医学的既往歴、ならびに医療技術分野でよく知られた同様の因子を含めた多様な薬物動態因子に依存する。
【0135】
本発明の組成物中に含まれる「治療有効用量」のアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤の投与は、疾患症状の重症度の軽減、無疾患症状期間の頻度および持続期間の増大および延長、または疾患の罹患に起因する障害もしくは身体障害の防止、すなわち、認知技能の改善を結果としてもたらしうる。
【0136】
本発明の組成物は、当技術分野で知られた多様な方法のうちの1または複数を用いる1または複数の投与経路により投与することができる。当業者により察知される通り、投与経路および/または投与方式は、所望される結果に応じて変化する。投与経路には、例えば、注射または注入による、静脈内投与経路、筋内投与経路、皮内投与経路、腹腔内投与経路、皮下投与経路、脊髄内投与経路、または他の非経口投与経路が含まれうる。本明細書で用いられる「非経口投与」という語句は、通常は注射による、腸内投与および局所投与以外の投与方式を意味し、限定せずに述べると、静脈内注射および静脈内注入、筋内注射および筋内注入、動脈内注射および動脈内注入、くも膜下腔内注射およびくも膜下腔内注入、関節包内注射および関節包内注入、眼窩内注射および眼窩内注入、心内注射および心内注入、皮内注射および皮内注入、腹腔内注射および腹腔内注入、経気管注射および経気管注入、皮下注射および皮下注入、表皮下注射および表皮下注入、関節内注射および関節内注入、被膜下注射および被膜下注入、くも膜下注射およびくも膜下注入、髄腔内注射および髄腔内注入、硬膜外注射および硬膜外注入、ならびに胸骨内注射および胸骨内注入が含まれる。代替的に、組成物は、局所投与経路、表皮投与経路、または経粘膜投与経路、例えば、鼻腔内投与経路、経口投与経路、膣内投与経路、直腸内投与経路、舌下投与経路、または局所投与経路など、非経口経路以外の経路により投与することもできる。
【0137】
活性化合物は、インプラント、経皮パッチ、およびマイクロカプセル化された送達系を含めた制御放出処方物など、化合物を急速な放出に対して保護する担体と共に調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸など、生体分解性の生体適合性ポリマーを用いることができる。このような処方物を調製するための多くの方法が、特許化されるか、または当業者に一般に知られている。例えば、「Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems」、J.R. Robinson編、Marcel Dekker, Inc.、New York、1978を参照されたい。
【0138】
好ましい治療的組成物は、経口投与用または経皮投与用の組成物である。
【0139】
腸内投与用または非経口投与用の組成物は、例えば、糖衣錠、錠剤、カプセル、坐剤、またはアンプルなどの単位剤形である。
【0140】
このような量は複数の用量単位を投与することにより達せられうるので、個別の用量における有効成分の単位含量自体が、治療有効量を構成する必要はない。本発明に従う組成物は、有効成分のうちの、例えば、約10%〜約100%、好ましくは約20%〜約60%を含有しうる。
【0141】
別段に示さない限り、本発明に従う医薬組成物は、それ自体が知られた方式で、例えば、従来の混合工程、造粒工程、糖衣化工程、溶解工程、または乾燥凍結工程により調製される。経口剤形のための組成物の調製では、通常の医薬媒体、例えば、水、グリコール、油、アルコール、デンプン、糖、または微晶質セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などの担体のうちのいずれかを使用することができる。それらの投与しやすさのために、錠剤、およびカプセルは、大半の有利な経口用量単位形態を表し、この場合は、固体の医薬担体を使用することが明らかである。
【実施例】
【0143】
一般的方法
アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置の、統合失調症患者の認知技能に対する効果を測定するために、短時間の適切な認知検査バッテリー(CogState(商標))(下記で詳細に記載される)を適用し、処置期間内の複数の時点における測定を可能とした(Pietrzakら、2009; Maruffら、2009)。
【0144】
CPAL(持続的対連合学習)検査
CPAL課題とは、視覚的エピソード記憶(連合学習)を評価する、妥当性が確認された検査である。この検査は、統合失調症において既に用いられている。この課題を開始する前に、検査監督者は、患者に対する指示の全体を、検査監督者による草稿から読み上げる。CPAL検査において、参加者は、言語化するのが困難なパターンおよび配置のセットの間の一連の連合を学習しなければならない。課題の提示相では、パターンが所定の位置に現れ、対象は、パターンが現れる位置に触れることにより、パターンを見たことを認めるように要請される。課題のこの段階では、患者はまた、標的が現れない2つの位置(不正解の位置)があることも認める。パターンは、ランダムな順序で提示される。しかし、一度提示されたパターンは、課題の間中同じ位置にとどまる。課題の学習相では、患者は、8つのパターンの各々を、それらの正しい位置に配置しなければならない。彼らは、これを6ラウンドで行わなければならない。第1ラウンドでは、パターンのうちの1つが、中央位置に提示され、対象は、それが示された位置を記憶するように要請される。対象は、それに触れることにより、この位置を指し示す。対象が正しい位置に触れると、視覚的シグナルおよび聴覚的シグナルが生じる(その位置の上に赤色の×印が現れ、ブザー音が鳴る)。次いで、患者は、第2の位置を選択するように要請される。この工程は、患者が、4つの標的全てを、それらの正しい位置に正しく配置するまで持続される。8つのパターン全てが正しく配置されたら、第2ラウンドが開始される。第2ラウンドにおいて、パターンは、同じ位置にとどまるが、スクリーンの中央におけるそれらの提示の順序は、第1ラウンドの順序と異なる(ランダム化される)。各標的を正しい位置に配置する工程は、第1ラウンドの場合と同様に進行する。ラウンドが進むにつれ、それらの正しい位置へのパターンの配置における過誤の数が低減されるので、第2ラウンドが完了したら、同じ工程を繰り返す。健康なボランティアでは、実施時間が約5分間である。統合失調症を伴う患者は、課題を約12分間以内に完了すると予測される。
【0145】
NAB迷路検査
神経精神評価バッテリー(NAB(登録商標))迷路検査では、計画および予知(前頭葉の機能障害を伴う患者において高頻度で損なわれる実行機能の側面)を測定する。この測定では、従来前頭葉の病変に対して感受性であることが見出されている、迷路踏査課題を介して計画能力および組織化能力を手早く評価する。NAB迷路検査は、徐々に困難さを増す7つの迷路からなり、検査監督者が、網羅性および完了時間に基づき迷路を評価することを可能とする(「NAB Neuropsychological Assessment Battery Mazes Test Kit」、2009、Robert A SternおよびTravis White)。
【0146】
MCCB(MATRICSコンセンサス認知バッテリー)(Matrics Assessment Inc.)
MATRICS(統合失調症における認知を改善するための測定および処置についての研究)構想により、認知機能の特定の領域または領野を探索して、統合失調症における処置効果の存在を決定すべきことが決定されている。認知機能の7つの領野は、それらが慢性統合失調症を伴う患者において確かに損なわれたことに基づき同定された。これらの領野は、処理速度、注意/警戒、作業記憶、言語的学習、視覚的学習、推論、および問題解決、ならびに社会的認知を包含した。
【0147】
CPT−IP(持続的作業検査:同一対)
課題の前のスクリーン上の指示は「カードは赤色であるか」と問う。検査監督者は、患者に対する指示の全体を、検査監督者による草稿から読み上げる。課題を開始するために、検査監督者または対象は、「入力」キーを押さなければならない。スクリーンの中央に、ゲーム用のカードが提示される。カードがめくられて、表に向けられる。表に向けられるとすぐに、対象は、カードが赤色であるか否かを決定しなければならない。赤色である場合は、「はい」を押し、赤色でない場合は、「いいえ」を押す。要請される数の応答に到達するか、または実行時間が尽きるまで、対象は実行する。次いで、スクリーン上に、本検査のための指示が提示される。検査監督者または対象は、「入力」キーを押して本検査を開始しなければならない。対象は、できるだけ手早く、かつ、できるだけ正確に作業するように促されるものとする。例えば、対象は、カードがめくられる前に「はい」キーまたは「いいえ」キーを押そうとしないものとする。間違えると、エラー音が聞こえることになる。
【0148】
薬力学的解析のための統計学的方法
活性の評価は、以下の通りに、CPALにおける投与後の効果曲線下面積(AUEC)4〜10についての統計学的解析から得た。変数は、尺度、処置群、期間、ならびに母数効果としての配列および患者にとっては変量効果としての配列の期間特異的ベースライン値について補正された直線混合効果モデルにより個別に解析した。尺度の期間特異的ベースライン値は、−1日目の期間特異値の平均および投与前値から得た。各B−5投与群とプラセボとの処置間の平均差違(およびその95%のCI)は、モデルから得た。効果量は、処置間の平均差違(およびその95%のCI)を、残差の分散の推定値の2倍の平方根で除することにより得た。上記の段落で定義した活性を、CPALの効果量から評価した。
【0149】
実施例1 B−5による処置に応答する患者のサブセットが存在するかどうかを同定するための研究準備
B−5による処置に応答する患者のサブセットを同定しようと試みる中で、CHRNA5遺伝子内の遺伝子変異体rs55853698(配列番号1および2)と、研究におけるB−5の有効性との間の関係を探索するための研究を行った。研究では、B−5モノフマレートを、実施例Eで記載される硬質ゼラチンカプセルの形態で用いた。
【0150】
臨床試料:29例の個体に由来するゲノムDNAを、Gentra Systems,Inc.(Minneapolis、MN)による指示書に従い、全血液から抽出した。
【0151】
遺伝子型決定アッセイ:全29例のDNA試料を、CHRNA5遺伝子内のrs55853698(配列番号1および2)について遺伝子型決定した。遺伝子型決定は、ABI 7900シーケンサー上でTaqMan Assays−by−Design and Assays−on−Demand(Applied Biosystems、Foster City、CA)を用いて実施した。遺伝子型決定では、製造元の指示書に従い、1ngのゲノムDNAを用いた。
【0152】
統計学的解析:母数効果としての配列、期間、および処置、共変量としてのベースライン値、ならびに変量効果としての対象を包含する混合効果モデルを用いた。効果量は、B−5による処置−プラセボによる処置間の差違の推定値の平均を、残差の分散の推定値の2倍の平方根で除することにより決定した。ベースラインの疾患重症度は、年齢、性別、教育年数、および喫煙歴について補正されたANCOVA(共分散分析)で解析した。
【0153】
結果:CHRNA5 SNP rs55853698−T/T(配列番号1)の「T」変異体についてホモ接合性である患者は、「視覚的学習および記憶」(CPAL)において、B−5に対して、プラセボと比較して有意な応答を示した(2mg:p=0.015、15mg:p=0.003、および100mg:p=0.024)。3つの処置アームにおける効果量は、それぞれ、0.63、0.80、および0.58であった。これに対し、CHRNA5 SNP rs55853698の「T」変異体についてホモ接合性でない(G/T)か、またはCHRNA5 SNP rs55853698の「G」変異体についてホモ接合性である(G/G)患者は、認知機能における任意の有意な改善を示さなかった(表1)。結果は、CHRNA5 SNP rs55853698−T(配列番号1)の「TT」遺伝子型が、統合失調症を伴う患者におけるB−5に対する臨床応答の予測マーカーであることを示す。
【0154】
【表3】
【0155】
鍵となる副次的臨床評価項目であるMCCB(MATRICSコンセンサス認知バッテリー)を、CHRNA5変異体(rs55853698)により決定される部分集団におけるB−5の有効性に関して評価した。表2にまとめる通り、CHRNA5 SNP rs55853698−T(配列番号1)の「T」変異体についてホモ接合性である患者は、「推論および問題解決」(NAB迷路)において、プラセボと比較して大きな改善を示した。効果量は、2mgコホート、15mgコホート、および100mgコホートにおいて、それぞれ、0.40、0.50、および0.32であった。加えてまた、CHRNA5 SNP rs55853698−T(配列番号1)の「T」変異体についてホモ接合性である患者も、「注意および警戒」(CPT−IP)において大きな改善を示した。効果量は、2mgコホート、15mgコホート、および100mgコホートにおいて、それぞれ、0.47、0.40、および0.39であった。これに対し、「T」変異体についてホモ接合性でない(G/T)か、またはCHRNA5 SNP rs55853698の「G」変異体についてホモ接合性(G/G)である患者は、認知機能における任意の有意な改善を示さなかった。結果は、CHRNA5 SNP rs55853698−T(配列番号1)の「TT」遺伝子型が、統合失調症を伴う患者におけるB−5に対する臨床応答の予測マーカーであることを示す。
【0156】
【表4】
【0157】
【表5】
【0158】
【表6】
【0159】
以下の節は、この技法に関するさらなる態様について開示する。
【0160】
実施例A: 5−クロロ−2−(4−メチルフェニル)ピリジンの調製:
窒素下で、2,5−ジクロロピリジン(40g、270ミリモル)、4−メチルフェニルボロン酸(39g、289ミリモル)、およびビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)ジクロリド(1.14g;1.6ミリモル)を、35〜55℃で約30分間にわたり、水(258g)/THF(117g)中に懸濁させた。水(143g)中のリン酸三カリウム(143.4g、676ミリモル)溶液を、35〜55℃で約60〜120分間にわたり添加し、さらに約30〜45分間にわたり、55℃を維持した。約30分間にわたり、水(22.9g)中にさらなるリン酸三カリウム(22.9g、108ミリモル)を添加し、温度を、55〜60℃へと上げて、さらなる約2時間以内に反応を完了させた。
【0161】
抽出剤であるパラジウムを除去するため、水(115g)中のシステイン(約16g)溶液を、60〜55℃の反応混合物へと添加した。55℃で約1時間後、Cellflock濾過助剤(2〜5g)のパッドによる濾過を介して二相性の反応混合物を清明化させた。THF/水混合物(110g/75g)をすすぎに用いた。濾過物の組合せの層を、25℃で分離し、THF(57gで1回)により、塩を含有する水層を抽出した。THF層の組合せを、94%のエタノール(195g)で希釈し、THFの大半(175〜250g)を除去するために、ジャケット温度45℃の減圧下(300〜200ミリバール)で蒸留することにより濃縮した。残留生成物溶液に、さらなるエタノール(97g)を添加し、45〜55℃で約60分間にわたり、水(565g)を徐々に添加して、結晶化を誘導および維持した。30分間後、温度を、約90〜120分間で約20℃へと下げ、この温度でさらに1時間後、固体を濾過により回収し、1:2のエタノール/水で洗浄し、減圧下で乾燥させて、5−クロロ−2−(4−メチルフェニル)ピリジン(52.5g;理論収量の95%;純度>95%;Pd<25ppm)をもたらした。
【0162】
実施例B: 遊離形態およびフマル酸塩形態における(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンの調製
実施例B1: 遊離形態の形成
窒素下、DMSO(792g)中の3R−キヌクリジノール(43.8g;0.34モル)に、カリウムtert−ブトキシド(210g;0.375モル)の約20%のTHF溶液を添加し、減圧下、約40〜45℃で、THF溶媒を蒸散させた。反応混合物の温度を、90℃へと上げて、固体の5−クロロ−2−(4−メチルフェニル)ピリジン(61.2g;0.30モル)を、少なくとも4回に分けて徐々に添加した。温度を、約100〜105℃へとさらに上げ、この温度で少なくともさらなる3時間後、(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンへの反応を完了させた。
【0163】
水(150g)を、60〜25℃の反応混合物へと添加し、温度を、約60分間で約20℃へと徐々に下げ、さらなる水(210g)を添加した。この温度で少なくともさらなる2時間後、濾過により微細固体を回収し、DMSO/水(約322g;2:1の混合物)、水(500g)、および水/エタノール(約500g;9:1の混合物)で逐次的に洗浄し、減圧下、60℃で乾燥させて、(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン(56.3g;理論収量の63%)をもたらした。
【0164】
実施例B2: フマル酸塩形態の形成:
65℃のエタノール(330g)/水(21g)中の(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン(39.6g;0.135モル)およびフマル酸(16.4g;0.141モル)の清明な溶液に、tert−ブチルメチルエーテル(142.5g)を添加し、反応混合物を、約60分間で23℃へと冷却した。さらなるtert−ブチルメチルエーテル(170.6g)を添加した。少なくともさらなる2時間後、濾過により固体を回収し、エタノール/tert−ブチルメチルエーテル(153g;1:1の混合物)で洗浄し、減圧下、55〜60℃で乾燥させて、(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン水素フマレート(43.8g;理論収量の79%)をもたらした。
【0165】
実施例C: 遊離形態およびフマル酸塩形態における(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンの調製
実施例C1: 遊離形態の形成:
窒素下で、DMSO(320g)溶液中の3R−キヌクリジノール(41.4g;0.325モル)に、トルエン(201g)中の5−クロロ−2−(4−メチルフェニル)ピリジン(51g;0.250モル)を添加した。温度を、約100〜105℃へと徐々に上げながら、存在する場合は残留水を、排水器の減圧下で約45分間にわたり還流させることにより除去した。約90分間にわたり、約20%THFによるカリウムtert−ブトキシド溶液(158.8g;0.283モル)を持続的に添加しながら、THF溶媒を徐々に蒸散させた。約100〜105℃でさらなる2〜5時間後、(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンへの反応を完了させた。
【0166】
水(293g)を、60〜25℃の反応混合物へと添加した。層を分離し、トルエン層を、水(42gずつを2回)で洗浄した。トルエン溶液を、排水器の減圧下で約45〜60分間にわたり還流させることにより、約60℃で乾燥させた。
【0167】
実施例C2: フマル酸塩形態の形成:
約50〜55℃の実施例C1のトルエン溶液に、94%のEtOH(22g)およびトルエン(97g)中のフマル酸(26.1g;0.9等量)のスラリーを徐々に添加した。すすぎのためにさらなるトルエン(97g)を添加し、55℃でさらなる約30〜60分間後、約120〜180分間で、温度を約20℃へと徐々に下げた。少なくともさらなる1時間後、濾過により、固体を回収し、水飽和トルエン(104gずつ2回)で洗浄し、減圧下、60℃で乾燥させて、(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン水素フマレートをもたらした(84.8g;実施例C1において用いた5−クロロ−2−(4−メチルフェニル)ピリジンの量に基づく理論収量の82%)。
【0168】
実施例D: 結晶形態の(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンのモノフマレート塩の調製
遊離塩基形態の(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン500mgを、20mlのイソプロピルアルコール中に懸濁させた。化学量論量のフマル酸を添加した。結果として得られる溶液を、雰囲気温度で14時間にわたり撹拌した。沈殿物を、濾過により回収した。
【0169】
実施例D1: 種晶化による結晶形態の(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンのモノフマレート塩の調製
(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンのモノフマレート7.3g(純度>98%;例えば、実施例C2で記載される通りに調製される)を、エタノール(42.9g)/イソプロパノール(8.5g)/水(7.2g)中、約50℃で溶解させ、濾過により清明化させ、この温度で約8時間にわたり、温度約50℃の濾過された三級ブチルメチルエーテル(118.4g)に徐々に添加した。約25%の濾過物を添加した後、イソプロパノール(0.1ml)中の、(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンのモノフマレートの種晶の超音波処理された懸濁液(6mg;例えば、実施例C2で記載される通りに調製される)を添加し、結晶化を誘導した。生成物である懸濁液を、50℃でさらに1時間にわたり維持し、8時間以内に0℃へと冷却した。この温度でさらなる1時間後、固体を濾過により単離し、イソプロパノール/三級ブチルメチルエーテル(40ml;1:1の混合物)で洗浄し、減圧下、約50℃で乾燥させて、(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンのモノフマレートをもたらした(5.85g;理論収量の81%;純度>99.5%)。
【0170】
実施例E: 硬質カプセル
各々が、(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンのモノフマレート0.5、5、または25mgを有効成分として含む硬質ゼラチンカプセルを、以下の通りに調製することができる。
【0171】
【表7】
【0172】
調製工程:(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンのモノフマレート、ラクトース一水和物、微晶質セルロース、少量のクロスカルメロースナトリウム、およびヒプロメロースを、高せん断ミキサーボール内で乾燥混合させ、造粒流体(純水)添加した。造粒が完了したら、湿潤した顆粒を、流動床型乾燥機内で乾燥させ、乾燥した顆粒を、粉砕した。残留クロスカルメロースナトリウム、およびコロイド状の二酸化ケイ素を、適切な篩にかけ、乾燥させた顆粒状材料へと添加し、適切なブレンド用シェル内でブレンドした。これは、クロスカルメロースナトリウムとコロイド状二酸化ケイ素とを、少量の粉砕された顆粒と共に、ブレンド用のシェルへと同時に適切な篩にかけることにより達成した。同様に、要請される量の篩にかけられたステアリン酸マグネシウムを、バルクの顆粒へと添加し、次いで、同じブレンド用のシェル内で混合した。この最終ブレンドを、自動式装置を用いてカプセルへと封入した。空のカプセルシェルに対するカプセル1個分の充填量の重量比は、2:1であった。
【0173】
実施例F: 錠剤
実施例F1: 薄膜コーティングされた錠剤
例えば、(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンのモノフマレート0.5mgを含有する、薄膜コーティングされた錠剤を、以下の通りに調製することができる。
【0174】
プレミックスの調製:
(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンのモノフマレート(例えば、約0.7%)およびトウモロコシデンプン(例えば、約13%)を秤量し、タンブルブレンダー内で混合し(約100〜300回の回転)、メッシュサイズ約0.25〜1.0mmの篩にかける。タンブルブレンダー内で混合する(約100〜300回の回転)。
【0175】
最終ブレンドの調製:
上記のプレミックスに、微晶質セルロース(例えば、約25%)、噴霧乾燥乳糖(例えば、約68%)、ナトリウムカルボキシメチルセルロースXL(例えば、約2%)およびAerosil(例えば、約0.5%)を添加し、タンブルブレンダー内で混合する(約100〜300回の回転)。この混合物を、メッシュサイズ約0.5〜1.0mmの篩にかけ、再度混合する(約100〜300回の回転)。
【0176】
フマル酸ステアリルナトリウム(例えば、約1.5%)を、メッシュサイズ約0.5〜1.0mmの手動篩を介して添加し、タンブルブレンダー内で混合する(約30〜150回の回転)。
【0177】
圧縮:
回転式圧縮機上で、用量に特化した加工具(例えば、約6mm、丸型、曲面型)を用いて、上記の最終ブレンドを約100mgのコアに圧縮する。
【0178】
コーティング:
黒色、赤色、黄色、および/または白色の必要最小限のコーティング用プレミックスを伴う水中の懸濁液を調製する。上記で得られたコアを、穴開き型コーティング用パン内でコーティングし、乾燥させた。
【0179】
実施例F2: 二重層薄膜コーティング錠剤
例えば、2.5mgの(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンのモノフマレートを含有する二重層薄膜コーティング錠剤は、以下の通りに調製することができる。
【0180】
最終活性ブレンド:
(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンのモノフマレートの粗剤(例えば、約15.5%)、微晶質セルロース(例えば、約25%)、噴霧乾燥乳糖(例えば、約53%)、ナトリウムカルボキシメチルセルロースXL(例えば、約3%)およびAerosil(例えば、約0.5%)を秤量し、タンブルブレンダー内で混合する(約100〜300回の回転)。この混合物を、メッシュサイズ約0.5〜1.0mmの篩にかけ、再度混合する(約100〜300回の回転)。
【0181】
フマル酸ステアリルNa(例えば、約3%)を、約0.5〜10mmの手動篩を介して添加し、タンブルブレンダー内で混合する(約30〜150回の回転)。
【0182】
最終プラセボブレンド:
微晶質セルロース(例えば、約26%)、噴霧乾燥乳糖(例えば、約69%)、ナトリウムカルボキシメチルセルロースXL(例えば、約1.9%)およびAerosil(例えば、約0.5%)を秤量し、タンブルブレンダー内で混合する(約100〜300回の回転)。この混合物を、メッシュサイズ約0.5〜1.0mmの篩にかけ、再度混合する(約100〜300回の回転)。
【0183】
フマル酸ステアリルナトリウム(例えば、約3%)を、約0.5〜1.0mmの手動篩を介して添加し、タンブルブレンダー内で混合する(約30〜150回の回転)。
【0184】
圧縮:
回転式圧縮機上で、用量に特化した加工具(例えば、約6mm、丸型、曲面型)を用いて、上記の最終ブレンドを、1つのプラセボ層(約77.5mg)と1つの活性層(約22.5mg)とを伴う約100mgの二重層錠剤コアに圧縮する。
【0185】
コーティング:
黒色、赤色、黄色、および/または白色の必要最小限のコーティング用プレミックスを伴う水中の懸濁液を調製する。上記で得られたコアを、穴開き型コーティング用パン内でコーティングし、乾燥させた。
【0186】
実施例F3: 薄膜コーティング錠剤
例えば、50mgの(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンのモノフマレートを含有する薄膜コーティング錠剤を、以下の通りに調製することができる。
【0187】
最終ブレンド:
(R)−3−(6−(4−メチルフェニル)−ピリジン−3−イルオキシ)−1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンのモノフマレートの粗剤(例えば、約15.5%)、微晶質セルロース(例えば、約25%)、噴霧乾燥乳糖(例えば、約53%)、ナトリウムカルボキシメチルセルロースXL(例えば、約3%)およびAerosil(例えば、約0.5%)を秤量し、タンブルブレンダー内で混合する(約100〜300回の回転)。この混合物を、メッシュサイズ約0.5〜1.0mmの篩にかけ、再度混合する(約100〜300回の回転)。
【0188】
フマル酸ステアリルナトリウム(例えば、約3%)を、約0.5〜10mmの手動篩を介して添加し、タンブルブレンダー内で混合する(約30〜150回の回転)。
【0189】
圧縮:
上記の最終ブレンドを、回転式圧縮機上で、用量に特化した加工具(例えば、約約15×5.9mm、丸型、曲面型)を用いて、コアに圧縮する。
【0190】
コーティング:
黒色、赤色、黄色、および/または白色の必要最小限のコーティング用プレミックスを伴う水中の懸濁液を調製する。上記で得られたコアを、穴開き型コーティング用パン内でコーティングし、乾燥させた。
本発明は、以下の態様を包含する。
[1]
選択された患者集団における認知障害、精神障害、および/または神経変性障害の処置において用いるためのアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤を含む組成物であって、患者集団が、ヒトアセチルコリン受容体サブユニットアルファ5(CHRNA5)遺伝子またはヒトアセチルコリン受容体サブユニットアルファ3(CHRNA3)遺伝子のうちの少なくとも1つの指示SNPを有することに基づいて選択される、組成物。
[2]
認知障害、精神障害、および/または神経変性障害が、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体の活性化が役割を果たすかまたは関与する状態である、上記[1]に記載の組成物。
[3]
認知障害、精神障害、および/または神経変性障害が、軽度の認知障害、アルツハイマー病、パーキンソン病型認知症、レビー小体型認知症、統合失調症、血管性認知症、AIDS−認知症、老年性認知症、軽度の加齢関連認知障害(MCI)、加齢関連記憶障害、自閉症、前頭葉変性による認知症、脳卒中、大脳基底核変性障害、多発性硬化症、外傷、脳腫瘍、脳感染症、水頭症、うつ病、毒性障害または代謝性障害、および薬物誘導型認知症からなる群から選択される、上記[1]および[2]に記載の組成物。
[4]
指示ヒトCHRNA5 SNPが、SNP rs55853698−T(配列番号1)もしくはSNP rs16969968−G(配列番号37)、または前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPもしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPである、上記[1]から[3]に記載の組成物。
[5]
SNPのハプロタイプが、SNP rs3841324(配列番号5または6)、SNP rs503464(配列番号9または10)、SNP rs55853698−T(配列番号1)、およびSNP rs55781567−C(配列番号7)を含み、前記SNPが、ハプロタイプdelTTCまたはinsATCを形成する、上記[4]に記載の組成物。
[6]
選択された患者が、指示CHRNA5 SNPまたは指示CHRNA5 SNPのハプロタイプについてホモ接合性である、上記[1]から[5]のいずれか一項に記載の組成物。
[7]
指示ヒトCHRNA3 SNPが、SNP rs6495308(配列番号3/4)遺伝子型もしくはSNP rs1051730(配列番号35/36)遺伝子型、または前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPもしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPである、上記[1]から[3]に記載の組成物。
[8]
処置のために選択される患者が、指示CHRNA3 SNP rs1051730−C/C(配列番号35)遺伝子型についてホモ接合性である、上記[7]に記載の組成物。
[9]
処置のために選択される患者が、SNP rs6495308−C/C(配列番号3)遺伝子型についてホモ接合性であるか、またはSNP rs6495308−C/T(配列番号3/4)遺伝子型についてヘテロ接合性である、上記[7]に記載の組成物。
[10]
SNPのハプロタイプが、rs3841324(配列番号5または6)、rs503464(配列番号9または10)、rs55853698−T(配列番号1)、rs55781567−C(配列番号7)、rs56182392(配列番号11または12)、rs77293642(配列番号13または14)、rs67624739(配列番号15または16)、rs142774214(配列番号17または18)、rs60182379(配列番号19または20)、rs77541452(配列番号21または22)、rs72648882(配列番号23または24)、rs144334096(配列番号25または26)、rs114037126(配列番号27または28)、rs140280786(配列番号29または30)、rs147565924(配列番号31または32)、rs115662711(配列番号33または34)、rs1051730(配列番号35または36)、rs6495308(配列番号3または4)およびrs16969968−G(配列番号37)からなる群から選択されるSNPのうちの少なくとも2つを含む、上記[1]から[9]に記載の組成物。
[11]
アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤が、式(I)
【化24】
の化合物であって、遊離塩基形態または酸添加塩形態にある化合物である、上記[1]から[10]に記載の組成物。
[式中、
L1が−CH2−であり、L2が−CH2−もしくは−CH2−CH2−であり、L3が−CH2−もしくは−CH(CH3)−であるか、または
L1が−CH2−CH2−であり、L2が−CH2−であり、L3が−CH2−CH2−であり、
L4が
【化25】
からから選択される基であり、
星印で印をつけた結合は、アザビシクロアルキル部分に付いており、
R1は、水素またはC1〜4アルキルであり、
X1は、−O−または−NH−であり、
A2は、
【化26】
から選択され、
星印で印をつけた結合は、X1に付いており、
A1は、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しうる、5〜10員の単環式芳香族環系または融合型多環式芳香族環系であって、2つ以下の酸素原子および2つ以下の硫黄原子を含有しうる環系であり、R2で1または複数回にわたり置換されうる環系であり、複素環式環系内窒素上の置換基はハロゲンでない場合もある環系であり、
各R2は、独立にC1〜6アルキル、C1〜6ハロゲンアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロゲンアルコキシ、ハロゲン、シアノ、もしくは3〜6員の単環式環系であって、飽和芳香族の場合もあり、部分飽和芳香族の場合もあり、窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しうる環系であり、各環系は、2つ以下の酸素原子および2つ以下の硫黄原子を含有することが可能であり、各環系は、次いで、C1〜6アルキル、C1〜6ハロゲンアルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6ハロゲンアルコキシ、ハロゲンもしくはシアノで1もしくは複数回にわたり置換することが可能であり、複素環式環系内窒素上の置換基はハロゲンでない場合もある環系であるか、
または、隣接する環原子の2つのR2は、C3〜4アルキレン基を形成し、1〜2個の炭素原子を、X2で置きかえることができ、C3〜4アルキレン基を、R3で1または複数回にわたり置換することができ、
各X2は、独立に−O−または−N(R4)−であり、
各R4は、独立に水素またはC1〜6アルキルであり、
各R3は、独立にハロゲンまたはC1〜6アルキルである]
[13]
アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤が、遊離塩基または医薬として許容される酸添加塩形態として使用される、上記[11]に記載の組成物。
[14]
アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤を、医薬用の担体または希釈剤と共在する、その遊離塩基または医薬として許容される酸添加塩形態で含む、上記[12]に記載の組成物。
[15]
認知障害、精神障害、および/または神経変性障害を処置するのに有用な第2の認知増強剤または治療用化合物をさらに含む、上記[1]から[13]に記載の組成物。
[16]
認知障害、精神障害、および/または神経変性障害を処置するのに有用な第2の認知増強剤または治療用化合物が、従来の抗精神病薬または非定型抗精神病薬である、上記[14]に記載の組成物。
[17]
アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による、認知技能を増大させるための処置、ならびに/または認知障害、精神障害、および/もしくは神経変性障害の処置に対する、個体または個体群の治療応答性を予測するための方法であって、
I.CHRNA5遺伝子の遺伝子座における個体の遺伝子型を得るステップと、
II.ステップI.の個体であり、CHRNA5 SNP rs55853698−T(配列番号1)もしくはSNP rs16969968−G(配列番号37)、または前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPを保有する個体を同定するステップと
を含み、
上記のステップII)で列挙したSNPまたはSNPのハプロタイプのうちの少なくとも1つの存在が、個体がアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に応答する可能性が高いことを指示する、方法。
[18]
アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による、認知技能を増大させるための処置、ならびに/または認知障害、精神障害、および/もしくは神経変性障害の処置に対する、個体または個体群の治療応答性を予測するための方法であって、
I.CHRNA3遺伝子の遺伝子座における個体の遺伝子型を得るステップと、
II.ステップI)の個体であり、CHRNA3 SNP rs6495308(配列番号3/4)および/またはSNP rs1051730(配列番号35/36)を保有する個体を同定するステップと
を含み、
ホモ接合性のSNP rs6495308−C/C(配列番号3)遺伝子型の存在、ヘテロ接合性のSNP rs6495308−C/T遺伝子型の存在、またはホモ接合性のSNP rs1051730−C(配列番号35)遺伝子型の存在が、個体がアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に応答する可能性が高いことを指示する、方法。
[19]
個体の認知技能を増大させ、ならびに/または認知障害、精神障害、および/もしくは神経変性障害を処置する治療方法であって、
III.CHRNA5遺伝子の遺伝子座における個体の遺伝子型を得るステップと、
IV.ステップIII.の個体であり、CHRNA5 SNP rs55853698−T(配列番号1)もしくはSNP rs16969968−G(配列番号37)、または前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPもしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPを保有する個体を同定するステップであり、SNPまたはSNPのハプロタイプのうちの少なくとも1つの存在が、個体がアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による処置に応答する可能性が高いことを指示する、ステップと
V.治療有効量のアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤を、ステップIV.で同定された対象に投与するステップと
を含む、方法。
[20]
個体の認知技能を増大させ、ならびに/または認知障害、精神障害、および/もしくは神経変性障害を処置する治療方法であって、
III.CHRNA3遺伝子の遺伝子座における個体の遺伝子型を得るステップと、
IV.ステップIII.の個体であり、CHRNA3 SNP rs6495308(配列番号3または4)および/またはSNP rs1051730(配列番号35/36)を保有する個体を同定するステップと、
V.治療有効量のアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤を、SNP rs6495308−C/C(配列番号3)遺伝子型についてホモ接合性であるか、またはSNP rs6495308−C/T遺伝子型についてヘテロ接合性であるか、またはSNP rs1051730−C/C(配列番号35)遺伝子型についてホモ接合性であることがステップIV.で同定された対象に投与するステップと
を含む、方法。
[21]
ステップI.およびIII.が、
VI.前記個体の生物学的試料を得るステップであり、前記試料が、血液、血液由来生成物(軟膜、血清、および血漿など)、リンパ、尿、涙液、唾液、脳脊髄液、口腔内スワブ、痰、毛根、白血球試料、もしくは組織試料、またはこれらの任意の組合せからなる群から選択されるステップと、
VII.ステップVI.の生物学的試料を、(i)CHRNA5 SNP rs55853698−T(配列番号1)、または(ii)CHRNA5 SNP rs16969968−G(配列番号37)、または(iii)CHRNA3 SNP rs6495308(配列番号3/4)、または(iv)SNP rs1051730(配列番号35/36)、または(v)前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPもしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPを検出することが可能な試薬と接触させるステップと
のさらなるステップを含む、上記[16]から[19]に記載の方法。
[22]
認知障害、精神障害、および/または神経変性障害を患う患者の選択を第1のステップとしてさらに含む、上記[16]から[20]に記載の方法。
[23]
認知障害、精神障害、および/または神経変性障害が、軽度の認知障害、アルツハイマー病、パーキンソン病型認知症、レビー小体型認知症、統合失調症、血管性認知症、AIDS−認知症、老年性認知症、軽度の加齢関連認知障害(MCI)、加齢関連記憶障害、自閉症、前頭葉変性による認知症、脳卒中、大脳基底核変性障害、多発性硬化症、外傷、脳腫瘍、脳感染症、水頭症、うつ病、毒性障害または代謝性障害、および薬物誘導型認知症からなる群から選択される、上記[21]に記載の方法。
[24]
(i)CHRNA5 SNP rs55853698−T(配列番号1)、または(ii)CHRNA5 SNP rs16969968−G(配列番号37)、または(iii)CHRNA3 SNP rs6495308(配列番号4)、または(iv)SNP rs1051730(配列番号35)、または(v)前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPもしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPの存在が、前記1または複数のSNPを保有する核酸分子における特定の領域と特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを用いることにより決定される、上記[16]から[22]に記載の方法。
[25]
前記SNPの存在が、配列特異的プライマー(SSP)タイピング、配列特異的オリゴヌクレオチド(SSO)タイピング、配列ベースのタイピング(SBT)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などのDNA増幅、マイクロアレイ解析、ノーザンブロット解析、または逆転写PCRにより検出される、上記[23]に記載の方法。
[26]
アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤が、上記[11]に記載のアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤である、上記[18]から[24]に記載の方法。
[27]
認知障害、精神障害、および/または神経変性障害を処置するのに有用な第2の認知増強剤または治療用化合物が投与される、上記[18]から[25]のいずれか一項に記載の方法。
[28]
認知障害、精神障害、および/または神経変性障害を処置するのに有用な第2の認知増強剤または治療用化合物が、上記[15]において列挙した化合物の群から選択される、上記[26]に記載の方法。
[29]
アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤の投与される用量が、1日当たり約2mg〜約100mgである、上記[18]から[27]のいずれか一項に記載の方法。
[30]
認知障害、精神障害、および/もしくは神経変性障害、またはアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体の活性化が役割を果たすかまたは関与する状態を伴う患者を処置するための、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤の使用であって、患者が、上記[16]から[24]に記載の方法に従い、このような活性化剤による処置に対して応答性であるものとして選択されている、使用。
[31]
個体が、(a)認知障害、精神障害、および/もしくは神経変性障害、またはアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体の活性化が役割を果たすかまたは関与する状態の処置、あるいは(b)アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による認知技能の増大に対して応答性であるかどうかを決定するために、SNP rs55853698−T(配列番号1)、または(ii)SNP rs16969968−G(配列番号37)、または(iii)SNP rs6495308(配列番号3/4)、または(iv)SNP rs1051730(配列番号35/36)、または(v)前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPもしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPを検出するための、少なくとも1つのプローブの使用。
[32]
個体の、アルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体活性化剤による認知障害、精神障害、および/もしくは神経変性障害、またはアルファ7ニコチン性アセチルコリン受容体の活性化が役割を果たすかまたは関与する状態の処置に対する応答性を診断するためのキットであって、
VIII.SNP rs55853698−T(配列番号1)、または(ii)SNP
rs16969968−G(配列番号37)、または(iii)SNP rs6495308(配列番号4)、または(iv)SNP rs1051730(配列番号35)、または(v)前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPもしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPを検出するための手段と
IX.前記キットをどのようにして使うのかについての指示書と
を含む、キット。
[33]
上記[16]から[30]に記載の方法または使用のうちのいずれかに適するキットの使用であって、前記キットが、SNP rs55853698−T(配列番号1)、または(ii)SNP rs16969968−G(配列番号37)、または(iii)SNP rs6495308(配列番号3/4)、または(iv)SNP rs1051730(配列番号35/36)、または(v)前記SNPを伴うハプロタイプを形成するSNPもしくは前記SNPを伴う同じ連鎖不均衡にあるSNPを検出するための少なくとも1つのプローブを含む、使用。
[34]
各プローブがオリゴヌクレオチドである、上記[29]、[30]、および[32]のいずれか一項に記載の使用、または上記[31]に記載のキット。
[35]
上記[31]に記載のキットを用いる、上記[29]、[30]、および[32]に記載の使用。
[36]
SNPのハプロタイプが、rs3841324(配列番号5または6)、rs503464(配列番号9または10)、rs55781567−C(配列番号7)、rs56182392(配列番号11または12)、rs77293642(配列番号13または14)、rs67624739(配列番号15または16)、rs142774214(配列番号17または18)、rs60182379(配列番号19または20)、rs77541452(配列番号21または22)、rs72648882(配列番号23または24)、rs144334096(配列番号25または26)、rs114037126(配列番号27または28)、rs140280786(配列番号29または30)、rs147565924(配列番号31または32) rs16969968−G(配列番号37)、rs115662711(配列番号33または34)、rs1051730(配列番号35または36)、rs6495308(配列番号3または4)およびrs55853698−T(配列番号1)からなる群から選択される少なくとも2つのSNPを含む、上記[16]から[28]に記載の方法、上記[29]、[30]、[32]から[34]に記載の使用。
[37]
SNPまたはSNPのハプロタイプが、SNP rs3841324(配列番号5または6)、SNP rs503464(配列番号9または10)、SNP rs55853698−T(配列番号1)、およびSNP rs55781567−C(配列番号7)により形成されるハプロタイプdelTTCおよびinsATCから選択される、上記[35]に記載の方法または使用。
【0191】
参考文献
【表8】