(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0032】
<第1実施形態>
図1〜
図17を用いて本発明の第1実施形態について説明する。
【0033】
図1は、本発明の第1実施形態にかかる実装構造を示す平面図である。
図2は、
図1のII−II線に沿う断面図である。
図3は、
図1のIII−III線に沿う断面図である。
【0034】
同図に示された実装構造801は、半導体装置101と、配線基板106と、ハンダ層881〜885とを備える。
【0035】
配線基板106は、たとえばプリント配線基板である。配線基板106は、たとえば、絶縁基板と、当該絶縁基板に形成されたパターン電極(図示略)とを含む。半導体装置101は配線基板106に搭載されている。半導体装置101と、配線基板106との間には、ハンダ層881〜885が介在している。ハンダ層881〜885は、半導体装置101と配線基板106とを接合している。
【0036】
図4は、半導体装置101の底面図である。
図5は、
図4から樹脂部7を省略した図である。
図6は、
図5から導電板23を省略した図である。
図7は、
図6から導電板22と半導体チップ32とワイヤ47とを省略した図である。
図8は、半導体装置101が構成する回路の回路図である。
【0037】
これらの図に示す半導体装置101は、DC/DCコンバータである。半導体装置101は、導電板21〜23と、半導体チップ31,32と、導電性接合部411〜414と、2本のワイヤ46,47と、ワイヤボンディング用リード51,52と、樹脂部7(
図5〜
図7では想像線で示す)とを備える。
【0038】
図1〜
図7に示す樹脂部7は、導電板21〜23と、半導体チップ31,32と、導電性接合部411〜414と、2本のワイヤ46,47と、ワイヤボンディング用リード51,52と、を覆っている。樹脂部7は、たとえば、黒色のエポキシ樹脂よりなる。樹脂部7は、樹脂底面71と、樹脂側面72と、樹脂主面73とを有する。
【0039】
樹脂底面71は、XY平面に広がる平面状であり、且つ、方向Zの一方向(方向Za)を向く。
図2、
図3に示す樹脂側面72は、方向Z視において、半導体チップ31,32を囲む形状である。樹脂側面72は、第1部分721と、第2部分722とを有する。第1部分721は樹脂底面71とつながる。第2部分722は第1部分721とつながる。第2部分722は、樹脂底面71と鋭角をなすように、方向Zに対し傾斜している。樹脂主面73は、XY平面に広がる平面状であり、且つ、方向Zの他方向(方向Zb)を向く。樹脂主面73は第2部分722につながる。
【0040】
図2、
図3、
図7に示す半導体チップ31は、半導体からなる素子である。半導体チップ31は、機能素子チップもしくは第1半導体チップの一例に相当する。半導体チップ31としては、たとえば、ダイオード、トランジスタ、もしくは、ICが挙げられる。
図8に示すように、本実施形態では半導体チップ31は、DC/DCコンバータにおけるハイサイド用のトランジスタである。
図7に示すように、半導体チップ31は平面視矩形状である。半導体チップ31の厚さ(方向Zにおける寸法)は、たとえば、200μmである。半導体チップ31の方向Xにおける寸法は、たとえば、1600μmであり、半導体チップ31の方向Yにおける寸法は、たとえば、2200μmである。
【0041】
図2、
図3、
図7に示すように、半導体チップ31は、主面電極311(第1主面電極)と、主面電極312(第2主面電極)と、裏面電極313(第1裏面電極)とを含む。主面電極311,312は互いに同一方向を向く。本実施形態において主面電極311,312はいずれも、半導体チップ31の厚さ方向Zのうちの一方向(方向Za)を向く。裏面電極313は、主面電極311,312の各々が向く方向とは反対の方向を向く。本実施形態において裏面電極313は、半導体チップ31の厚さ方向Zのうちの他方向(方向Zb)を向く。
【0042】
本実施形態においては、主面電極311はソース電極であり、主面電極312はゲート電極であり、裏面電極313はドレイン電極である。なお、
図8にてソース電極をSとして示し、ゲート電極をGとして示し、ドレイン電極をDとして示している。他の実施形態の回路図においても同様の表記をしている。本実施形態と異なり、半導体チップは、主面電極311がドレイン電極であるものなどであってもよい。半導体チップがICである場合には、半導体チップは2つの主面電極のみを含むのではなく、さらに多くの主面電極を含んでいても良い。
【0043】
図2、
図3、
図6に示す半導体チップ32は、半導体チップ31に対し平面視のサイズが異なる点を除き、半導体チップ31と略同様の構成を有する。半導体チップ32は、半導体からなる素子である。半導体チップ32は、機能素子チップもしくは第2半導体チップの一例に相当する。半導体チップ32としては、たとえば、ダイオード、トランジスタ、もしくは、ICが挙げられる。
図8に示すように、本実施形態では半導体チップ32は、DC/DCコンバータにおけるローサイド用のトランジスタである。
図6に示すように
、半導体チップ32は平面視矩形状である。半導体チップ32の厚さ(方向Zにおける寸法)は、たとえば、200μmである。半導体チップ32の方向Xにおける寸法は、たとえば、2800μmであり、半導体チップ32の方向Yにおける寸法は、たとえば、4000μmである。
【0044】
図2、
図3、
図6に示すように、半導体チップ32は、主面電極321(第3主面電極)と、主面電極322(第4主面電極)と、裏面電極323(第2裏面電極)とを含む。主面電極321,322は互いに同一方向を向く(
図2、
図6参照)。本実施形態において主面電極321,312はいずれも方向Zaを向く。裏面電極323は、主面電極321,322の各々が向く方向とは反対の方向を向く。本実施形態において裏面電極323は方向Zbを向く。
【0045】
本実施形態においては、
図8に示すように、主面電極321はソース電極であり、主面電極322はゲート電極であり、裏面電極323はドレイン電極である。本実施形態と異なり、半導体チップは、主面電極321がドレイン電極であるものなどであってもよい。半導体チップがICである場合には、半導体チップは2つの主面電極のみを含むのではなく、さらに多くの主面電極を含んでいても良い。
【0046】
図1〜
図3、
図7に示す導電板21はたとえばCuなどの導体よりなる。導電板21には、後述の導電性接合部411を介して半導体チップ31が接合されている。導電板21は、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。導電板21は、パッド部211と、中間部212と、実装部213と、を含む。
【0047】
パッド部211はXY平面に沿って広がる平板状である。パッド部211は、導電性接合部411を介して半導体チップ31に接合されており、半導体チップ31と導通している。より具体的には、パッド部211は、導電性接合部411を介して、半導体チップ31の裏面電極313に接合されている。これにより、パッド部211は半導体チップ31の裏面電極313と導通している。
【0048】
中間部212は、パッド部211および実装部213の間に位置する。中間部212は、パッド部211および実装部213のいずれにもつながる。中間部212は板状を呈している。本実施形態において中間部212は、パッド部211に対し傾斜している。更に、中間部212は樹脂底面71に対し傾斜している。中間部212は、XY平面視においてパッド部211から遠ざかるほど方向Zaに向かう形状である。
図5に示すように、本実施形態においては、中間部212には複数の穴216が形成されている。各穴216には、樹脂部7の一部が充填されている。穴216が形成されているのは、樹脂部7と中間部212(導電板21)とをより強く接合するためである。樹脂部7と中間部212(導電板21)とがより強く接合すると、樹脂部7と中間部212とが剥離しにくくなり、耐湿性の向上を図ることができる。
【0049】
実装部213は、樹脂部7から露出する部位を有する。より具体的には、実装部213は、樹脂側面72における第1部分721と、樹脂底面71と、から露出している。
図1、
図3に示すように、実装部213は、第1部分721から方向Yの一方に突出している。本実施形態と異なり、実装部213が第1部分721から突出しておらず、実装部213が、樹脂側面72と面一の側面を有していても良い。
図3〜
図5に示すように、実装部213は実装面219を有する。実装面219は、樹脂底面71から露出し且つ樹脂底面71と面一である。
図3に示すように、実装面219は、ハンダ層881を介して、配線基板106に接合されている。導電板21はハンダ層881を経由して配線基板106の配線層と導通している。上述のように導電板21は、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。そのため、実装部213の厚さ(方向Zにおける寸法)は、パッ
ド部211の厚さ(方向Zにおける寸法)と同一である。
【0050】
図1〜
図3、
図6に示す導電板22は、導電板21と略同様の構成を有する。導電板22は、たとえばCuなどの導体よりなる。導電板22は、導通部材もしくは第1導電板の一例に相当する。導電板22には、後述の導電性接合部413を介して半導体チップ32が接合されている。導電板22は、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。導電板22は、パッド部221と、中間部222と、実装部223と、を含む。
【0051】
パッド部221はXY平面に沿って広がる平板状である。
図3または
図6に示すように、パッド部221は、XY平面視において、パッド部211と重なる。パッド部221とパッド部211との間には、半導体チップ31が位置している。パッド部221は、導電性接合部412を介して半導体チップ31に接合されており、半導体チップ31と導通している。より具体的には、パッド部221は、導電性接合部412を介して半導体チップ31の主面電極311に接合されている。これにより、パッド部221は半導体チップ31の主面電極311と導通している。一方、パッド部221は、半導体チップ31と半導体チップ32との間に位置している。パッド部221は、導電性接合部413を介して半導体チップ32に接合されており、半導体チップ32と導通している。より具体的には、パッド部221は、導電性接合部413を介して半導体チップ32の裏面電極323に接合されている。これにより、パッド部221は半導体チップ32の裏面電極323と導通している。
図6に示すように、パッド部221には、凹部227が形成されている。凹部227は、XY平面視において、パッド部221の外側から内側に凹む形状である。凹部227は、XY平面視において、主面電極312に重なる。
【0052】
中間部222は、パッド部221および実装部223の間に位置する。中間部222は、パッド部221および実装部223のいずれにもつながる。中間部222は板状を呈している。本実施形態において中間部222は、パッド部221に対し傾斜している。更に、中間部222は樹脂底面71に対し傾斜している。中間部222は、XY平面視においてパッド部221から遠ざかるほど方向Zaに向かう形状である。
図5に示すように、本実施形態においては、中間部222には複数の穴226が形成されている。各穴226には、樹脂部7の一部が充填されている。穴226が形成されているのは、樹脂部7と中間部222(導電板22)とをより強く接合するためである。樹脂部7と中間部222(導電板22)とがより強く接合すると、樹脂部7と中間部222とが剥離しにくくなり、耐湿性の向上を図ることができる。
【0053】
実装部223は、樹脂部7から露出する部位を有する。より具体的には、実装部223は、樹脂側面72における第1部分721と、樹脂底面71と、から露出している。
図1、
図3に示すように、実装部223は、第1部分721から方向Yのいずれか一方に突出している。本実施形態と異なり、実装部223が第1部分721から突出しておらず、実装部223が、樹脂側面72と面一の側面を有していても良い。実装部223は実装面229を有する。実装面229は、樹脂底面71から露出し且つ樹脂底面71と面一である。実装面229は、ハンダ層882を介して、配線基板106に接合されている。導電板22はハンダ層882を経由して配線基板106の配線層と導通している。上述のように導電板22は、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。そのため、実装部223の厚さ(方向Zにおける寸法)は、パッド部221の厚さ(方向Zにおける寸法)と同一である。
【0054】
図1〜
図5に示す導電板23は、たとえばCuなどの導体よりなる。導電板23は第2導電板の一例に相当する。導電板23は、後述の導電性接合部414を介して半導体チップ32が接合されている。導電板23は、XY平面に沿って広がる平板状である。導電板23は、XY平面視において、パッド部221と重なる。導電板23とパッド部221と
の間には、半導体チップ32が位置している。導電板23は、導電性接合部414を介して半導体チップ32に接合されており、半導体チップ32と導通している。
図2〜
図4に示すように、導電板23は、樹脂部7から露出する部位を有する。より具体的には、導電板23は、樹脂側面72における第1部分721と、樹脂底面71と、から露出している。
図1、
図4に示すように、導電板23は、第1部分721から方向Xに突出している。本実施形態と異なり、導電板23が第1部分721から突出しておらず、導電板23が、樹脂側面72と面一の側面を有していても良い。
【0055】
図2、
図3に示すように、導電板23は、導電面231(第1導電面)と導電面232(第2導電面)とを有する。導電面231および導電面232はいずれも、XY平面に広がる平面状である。導電面231は方向Zbを向き、導電面232は、方向Zaを向く。すなわち、導電面231および導電面232は、互いに反対方向を向く。導電面231は、導電性接合部414を介して半導体チップ32の主面電極321に接合されている。これにより、導電板23は、半導体チップ32の主面電極321と導通している。一方、導電面232は、樹脂底面71から露出している。そして導電面232は樹脂底面71と面一である。導電面232は、ハンダ層883を介して、配線基板106に接合されている。導電面232は、ハンダ層883を経由して配線基板106の配線層と導通している。
図5に示すように、導電板23には凹部237が形成されている。凹部237は、XY平面視において、導電板23の外側から内側に凹む形状である。凹部237は、XY平面視において、主面電極322に重なる。
【0056】
図3に示すように、導電板23は、方向Yにおける端において、導電面232から導電面231側に凹む段差部233を有する。そのため、導電面231は、方向Z視において、導電面232よりも方向Y側にはみ出る部位を有する。これにより、導電板23が樹脂部7から脱落するのを防止できる。
【0057】
図2、
図3、
図5〜
図7に示す各導電性接合部411〜414は導体よりなる。各導電性接合部411〜414を構成する導体としては、ハンダもしくは銀などが挙げられる。本実施形態において、導電性接合部411,413を構成する導体は銀であり、導電性接合部412,414を構成する導体はハンダである。
【0058】
導電性接合部411は、半導体チップ31における裏面電極313と、導電板21におけるパッド部211との間に介在している。導電性接合部411は、半導体チップ31と導電板21とを接合するためのものである。これにより、半導体チップ31の裏面電極313と導電板21とが導通している。
【0059】
同様に、導電性接合部412は、半導体チップ31における主面電極311と、導電板22におけるパッド部221との間に介在している(
図7には5個示す)。導電性接合部412は、半導体チップ31と導電板22とを接合するためのものである。これにより、半導体チップ31の主面電極311と導電板22とが導通している。
【0060】
同様に、導電性接合部413は、半導体チップ32における裏面電極323と、導電板22におけるパッド部221との間に介在している。導電性接合部413は、半導体チップ32と導電板22とを接合するためのものである。これにより、半導体チップ32の裏面電極323と導電板22とが導通している。そのため、
図8にも示すように、半導体チップ32の裏面電極323(本実施形態ではローサイド用の素子のドレイン電極)と、半導体チップ31の主面電極311(本実施形態ではハイサイド用の素子のソース電極)と、が導電性接合部412,413と導電板22とを経由して、導通している。なお、
図8では、導電性接合部412,413は図示していない。
【0061】
同様に、導電性接合部414は、半導体チップ32における主面電極321と、導電板23における導電面231との間に介在している(
図5、
図6には14個示す)。導電性接合部414は、半導体チップ32と導電板23とを接合するためのものである。これにより、半導体チップ32の主面電極321と導電板23とが導通している。
【0062】
図1、
図2、
図5〜
図7に示すワイヤボンディング用リード51は、たとえばCuなどの導体よりなる。ワイヤボンディング用リード51は、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。本実施形態では特に、ワイヤボンディング用リード51は導電板21とともに、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。ワイヤボンディング用リード51は、パッド部511と、中間部512と、実装部513と、を含む。
【0063】
パッド部511は、パッド主面515およびパッド裏面516を有する。パッド主面515は樹脂底面71の位置する側(方向Za側)を向く。
図2に示すように、パッド主面515は、方向Zにおいて、裏面電極313よりも主面電極311の配置された側(方向Za側)に位置している。一方、パッド裏面516はパッド主面515の向く方向と反対方向を向く。
【0064】
中間部512は、パッド部511および実装部513の間に位置する。中間部512は、パッド部511および実装部513のいずれにもつながる。本実施形態において中間部512は、パッド部511に対し傾斜している。更に、中間部512は樹脂底面71に対し傾斜している。中間部512は、XY平面視においてパッド部511から遠ざかるほど方向Zaに向かう形状である。
【0065】
実装部513は、樹脂部7から露出する部位を有する。より具体的には、実装部513は、樹脂側面72における第1部分721と、樹脂底面71と、から露出している。実装部513は、第1部分721から方向Yの一方に突出している。
図1、
図2に示すように、実装部513は、実装部213と同一方向に、第1部分721から突出している。本実施形態と異なり、実装部513が第1部分721から突出しておらず、実装部513が、樹脂側面72と面一の側面を有していても良い。実装部513は実装面519を有する。実装面519は、樹脂底面71から露出し且つ樹脂底面71と面一である。実装面519は、ハンダ層884を介して、配線基板106に接合されている。ワイヤボンディング用リード51はハンダ層884を経由して配線基板106の配線層と導通している。上述のようにワイヤボンディング用リード51は、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。そのため、実装部513の厚さ(方向Zにおける寸法)は、パッド部511の厚さ(方向Zにおける寸法)と同一である。本実施形態では更に、ワイヤボンディング用リード51は導電板21とともに、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。そのため、実装部513の厚さ(方向Zにおける寸法)は、導電板21における実装部213の厚さと同一である。以上より、本実施形態においては、パッド部511、実装部513、パッド部211、および実装部213の各厚さは、互いに同一である。
【0066】
図1、
図2、
図5〜
図7に示すワイヤボンディング用リード52は、ワイヤボンディング用リード51と略同様の構成を有する。ワイヤボンディング用リード52は、たとえばCuなどの導体よりなる。ワイヤボンディング用リード52は、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。本実施形態では特に、ワイヤボンディング用リード52は導電板22とともに、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。ワイヤボンディング用リード52は、パッド部521と、中間部522と、実装部523と、を含む。
【0067】
パッド部521は、パッド主面525およびパッド裏面526を有する。パッド主面5
25は樹脂底面71の位置する側(方向Za側)を向く。
図2に示すように、パッド主面525は、方向Zにおいて、裏面電極323よりも主面電極321の配置された側(方向Za側)に位置している。一方、パッド裏面526はパッド主面525の向く方向と反対方向を向く。
【0068】
中間部522は、パッド部521および実装部523の間に位置する。中間部522は、パッド部521および実装部523のいずれにもつながる。本実施形態において中間部522は、パッド部521に対し傾斜している。更に、中間部522は樹脂底面71に対し傾斜している。中間部522は、XY平面視においてパッド部521から遠ざかるほど方向Zaに向かう形状である。
【0069】
実装部523は、樹脂部7から露出する部位を有する。より具体的には、実装部523は、樹脂側面72における第1部分721と、樹脂底面71と、から露出している。
図2に示すように、実装部523は、第1部分721から方向Yの一方に突出している。実装部523は、実装部223と同一方向に、第1部分721から突出している。本実施形態と異なり、実装部523が第1部分721から突出しておらず、実装部523が、樹脂側面72と面一の側面を有していても良い。実装部523は実装面529を有する。実装面529は、樹脂底面71から露出し且つ樹脂底面71と面一である。実装面529は、ハンダ層885を介して、配線基板106に接合されている。ワイヤボンディング用リード52はハンダ層885を経由して配線基板106の配線層と導通している。上述のようにワイヤボンディング用リード52は、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。そのため、実装部523の厚さ(方向Zにおける寸法)は、パッド部521の厚さ(方向Zにおける寸法)と同一である。本実施形態では更に、ワイヤボンディング用リード52は導電板22とともに、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。そのため、実装部523の厚さ(方向Zにおける寸法)は、導電板22における実装部223の厚さと同一である。以上より、本実施形態においては、パッド部521、実装部523、パッド部221、実装部223の各厚さは、互いに同一である。
【0070】
ワイヤ46,47はいずれも、AuもしくはCuなどの導体よりなる。ワイヤ46は、第1ワイヤであり、半導体チップ31の主面電極312と、パッド部511のパッド主面515と、に接合されている。これにより、ワイヤ46を経由して、半導体チップ31の主面電極312は、ワイヤボンディング用リード51に導通している。
図2に示すように、ワイヤ46は、方向Zにおいて導電板22に重なる部位を有する。
図5に示すように、本実施形態では、ワイヤ46の一部は、導電板22に形成された凹部227に配置されている。このようにして、ワイヤ46は、方向Z視において、導電板22と異なる位置に配置されている。
【0071】
ワイヤ47は、第2ワイヤであり、半導体チップ32の主面電極322と、パッド部521のパッド主面525と、に接合されている。これにより、ワイヤ47を経由して、半導体チップ32の主面電極322は、ワイヤボンディング用リード52に導通している。
図2に示すように、ワイヤ47は、方向Zにおいて導電板23に重なる部位を有する。
図5に示すように、本実施形態では、ワイヤ47の一部は、導電板23に形成された凹部237に配置されている。このようにして、ワイヤ47は、方向Z視において、導電板23と異なる位置に配置されている。
【0072】
次に、半導体装置101の製造方法の一例について簡単に説明する。
【0073】
半導体装置101を製造するには、第1中間品851(
図9、
図10参照)と、第2中間品852(
図11、
図12参照)と、リードフレーム843(
図13、
図14参照)と、を製造する。
【0074】
第1中間品851を製造するには、まず、
図9、
図10に示すリードフレーム841を一枚の導電板から形成する。リードフレーム841は、のちに、導電板21、ワイヤボンディング用リード51になるものである。次に、リードフレーム841に、導電性接合部411を介して、半導体チップ31における裏面電極313を接合する。次に、半導体チップ31における主面電極312と、リードフレーム841とに、ワイヤ46を接合する。これにより、同図に示す第1中間品851が製造される。ワイヤ46を接合する工程は、主面電極312が重力方向における上方を向いている状態で行われる。
【0075】
同様に第2中間品852を製造するには、
図11、
図12に示すリードフレーム842を一枚の導電板から形成する。リードフレーム842は、のちに、導電板22、ワイヤボンディング用リード52になるものである。次に、リードフレーム842に、導電性接合部413を介して、半導体チップ32における裏面電極323を接合する。次に、半導体チップ32における主面電極322と、リードフレーム842とに、ワイヤ47を接合する。これにより、同図に示す第2中間品852が製造される。ワイヤ47を接合する工程は、主面電極322が重力方向における上方を向いている状態で行われる。
【0076】
図13、
図14に示すリードフレーム843は、一枚の導電板から形成する。リードフレーム843は、のちに、導電板23になるものである。
【0077】
次に、
図15に示すように、リードフレーム843に第2中間品852を接合する。本実施形態において、リードフレーム843と第2中間品852とを接合する工程においては、第2中間品852を
図12に示す状態から裏返す。そして、半導体チップ32の主面電極321とリードフレーム843とを、導電性接合部414を介して接合する。
【0078】
次に、
図16に示すように、リードフレーム842に第1中間品851を接合する。本実施形態において、リードフレーム842と第1中間品851とを接合する工程においては、第1中間品851を
図10に示す状態から裏返す。そして、半導体チップ31の主面電極311とリードフレーム842とを、導電性接合部412を介して接合する。
【0079】
次に、
図17に示すように、樹脂部7を形成する。次に、同図に示す線L1に沿って、リードフレーム841〜843をそれぞれ切断することにより(一部図示略)、
図2等に示した半導体装置101が製造される。
【0080】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0081】
図2に示したように、半導体装置101においては、半導体チップ31の主面電極311、および、半導体チップ32は、いずれも、導電板22に接合している。このような構成によると、半導体チップ31および半導体チップ32は、導電板22を経由して互いに導通している。よって、半導体チップ31および半導体チップ32を、半導体装置101の外部の配線等を経由して導通させる必要がない。半導体装置101の外部の配線等を用いる必要がないと、半導体チップ31と半導体チップ32とを導通させる経路の配線抵抗および配線インダクタンスは、主に、導電板22の抵抗およびインダクタンスのみとなる。これは、半導体装置101が構成する回路における配線抵抗や配線インダクタンスの低減を図るのに適する。したがって、半導体装置101は、低消費電力化および高性能化を図るのに適する。
【0082】
図2に示したように、半導体装置101においては、主面電極312に接合されたワイヤ46は、方向Zにおいて、主面電極311に接合された導電板22に重なる部位を有する。このような構成によるとワイヤ46と導電板22との接触を防止できる。よって、ワ
イヤ46と導電板22との接触を防止すべく主面電極311から方向Zにおいて離間した位置に、導電板22を配置する必要がない。これにより、導電板22と主面電極311との間に無駄なスペースを形成する必要がない。その結果、半導体装置101の薄型化を図ることができる。同様に、半導体装置101においては、主面電極322に接合されたワイヤ47は、方向Zにおいて、主面電極321に接合された導電板23に重なる部位を有する。このような構成によっても、同様の理由により、半導体装置101の小型化を図ることができる。
【0083】
図2に示したように、半導体装置101においては、パッド主面515は、方向Zにおいて、裏面電極313よりも主面電極311の配置された側(方向Za側)に位置する。パッド主面515が方向Za側にあればあるほど、パッド主面515に接合されたワイヤ46が半導体チップ31に接触しにくくなる。よって、本実施形態にかかる構成は、ワイヤ46が半導体チップ31に接触することを防止するのに適する。同様に、半導体装置101においては、パッド主面525は、方向Zにおいて、裏面電極323よりも主面電極321の配置された側(方向Za側)に位置する。このような構成も、ワイヤ47が半導体チップ32に接触するのを防止するのに適する。
【0084】
半導体装置101においては、ワイヤボンディング用リード51は、パッド部511と実装部513との間に位置する中間部512を含む。中間部512は、樹脂底面71に対し傾斜している。このような構成によると、ワイヤ46をパッド部511に接合する際に用いるキャピラリ(図示略)が中間部512に接触することを、防止できる。同様に、半導体装置101においては、ワイヤボンディング用リード52は、パッド部521と実装部523との間に位置する中間部522を含む。中間部522は樹脂底面71に対し傾斜している。このような構成によると、ワイヤ47をパッド部521に接合する際に用いるキャピラリ(図示略)が中間部522に接触することを、防止できる。
【0085】
以下に、
図18〜
図44を用いて、本発明の他の実施形態について説明する。以下の実施形態において第1実施形態で述べた構成と同一もしくは類似の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0086】
<第2実施形態>
図18〜
図34を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。
【0087】
図18は、本発明の第2実施形態にかかる実装構造を示す平面図である。
図19は、
図18のXIX−XIX線に沿う断面図である。
図20は、
図18のXX−XX線に沿う断面図である。
図21は、
図18のXXI−XXI線に沿う断面図である。
図22は、
図18のXXII−XXII線に沿う断面図である。
【0088】
本実施形態は、半導体装置102における半導体チップ32が、半導体チップ31に対し、方向Z視においてずれた位置に配置されている点において、第1実施形態と相違する。同図に示された実装構造802は、半導体装置102と、配線基板106と、ハンダ層881,884,886〜888とを備える。
【0089】
半導体装置102は配線基板106に搭載されている。半導体装置102と、配線基板106との間には、ハンダ層881,884,886〜888が介在している。ハンダ層881,884,886〜888は、半導体装置102と配線基板106とを接合している。
【0090】
図23は、
図18に示した半導体装置102から、導電板25を省略した図である。
図24は、半導体装置102の底面図である。
図25は、
図24から樹脂部7を省略した図
である。
図26は、
図25から導電板24を省略した図である。
【0091】
これらの図に示す半導体装置102は、半導体装置101と同様に、DC/DCコンバータである。半導体装置102は、
図8に示す回路と同一の回路を構成する。半導体装置102は、導電板21,24,25、半導体チップ31,32、導電性接合部411〜414、2本のワイヤ46,47、ワイヤボンディング用リード51,53、および、樹脂部7を備える。本実施形態においては、導電板21、半導体チップ31,32、導電性接合部411〜414、2本のワイヤ46,47、およびワイヤボンディング用リード51は、第1実施形態における構成と同様であるから、説明を省略し、導電板24,25と、ワイヤボンディング用リード53と、について主に説明する。
【0092】
ただし、本実施形態では、主面電極321,322はいずれも方向Zbを向く。裏面電極323は、主面電極321,322の各々が向く方向とは反対の方向を向く。すなわち、本実施形態において裏面電極323は方向Zaを向く。
【0093】
図18〜
図24に示す導電板24は、たとえばCuなどの導体よりなる。導電板24は、導通部材もしくは第1導電板の一例に相当する。導電板24は、XY平面に沿って広がる平板状である。
図18に示すように、導電板24は、XY平面視において、パッド部212と重なる。導電板24とパッド部212との間には、半導体チップ31が位置している。導電板24は、導電性接合部412を介して半導体チップ31に接合されており、半導体チップ31と導通している。
図19〜
図22に示すように、導電板24は、樹脂部7から露出する部位を有する。より具体的には、導電板24は、樹脂側面72における第1部分721と、樹脂底面71と、から露出している。導電板24は、第1部分721から突出している。本実施形態と異なり、導電板24が第1部分721から突出しておらず、導電板24が、樹脂側面72と面一の側面を有していても良い。
【0094】
導電板24は、導電面241(第1導電面)と導電面242(第2導電面)とを有する。導電面241および導電面242はいずれも、XY平面に広がる平面状である。導電面241は方向Zbを向き、導電面242は、方向Zaを向く。すなわち、導電面241および導電面242は、互いに反対方向を向く。導電面241は、導電性接合部412を介して半導体チップ31の主面電極311に接合されている。これにより、導電板24は、半導体チップ31の主面電極311と導通している。一方、導電面242は、樹脂底面71から露出している。そして導電面242は樹脂底面71と面一である。導電面242は、ハンダ層886を介して、配線基板106に接合されている。導電面242は、ハンダ層886を経由して配線基板106の配線層と導通している。
図24、
図25に示すように、導電板24には、凹部247が形成されている。凹部247は、XY平面視において、導電板24の外側から内側に凹む形状である。凹部247は、XY平面視において、主面電極312に重なる。導電板24には、穴248が形成されている。穴248は、第1実施形態における穴216と同様に、耐湿性の向上を図るために設けられている。
【0095】
導電板25は、第2導電板の一例に相当し、たとえばCuなどの導体よりなる。導電板25には、導電性接合部414を介して半導体チップ32が接合されている。導電板25は、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。本実施形態においては、導電板25は導電板21とともに、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。導電板25は、パッド部251と、中間部252と、実装部253と、を含む。
【0096】
パッド部251はXY平面に沿って広がる平板状である。パッド部251は、XY平面視において、導電板24と重なる。パッド部251と導電板24との間には、半導体チップ32が位置している。パッド部251は、導電性接合部414を介して半導体チップ32に接合されており、半導体チップ32と導通している。より具体的には、パッド部25
1は、導電性接合部414を介して半導体チップ32の主面電極321に接合されている。これにより、パッド部251は半導体チップ32の主面電極321と導通している。パッド部251には、凹部257が形成されている。凹部257は、XY平面視において、パッド部251の外側から内側に凹む形状である。凹部257は、XY平面視において、主面電極322に重なる。
【0097】
図21に示すように、中間部252は、パッド部251および実装部253の間に位置する。中間部252は、パッド部251および実装部253のいずれにもつながる。中間部252は板状を呈している。本実施形態において中間部252は、パッド部251に対し傾斜している。更に、中間部252は樹脂底面71に対し傾斜している。中間部252は、XY平面視においてパッド部251から遠ざかるほど方向Zaに向かう形状である。
【0098】
実装部253は、樹脂部7から露出する部位を有する。より具体的には、実装部253は、樹脂側面72における第1部分721と、樹脂底面71と、から露出している。
図21に示すように、実装部253は、第1部分721から方向Yの一方に突出している。本実施形態と異なり、実装部253が第1部分721から突出しておらず、実装部253が、樹脂側面72と面一の側面を有していても良い。実装部253は実装面259を有する。実装面259は、樹脂底面71から露出し且つ樹脂底面71と面一である。実装面259は、ハンダ層887を介して、配線基板106に接合されている。導電板25はハンダ層887を経由して配線基板106の配線層と導通している。上述のように導電板25は、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。そのため、実装部253の厚さ(方向Zにおける寸法)は、パッド部251の厚さ(方向Zにおける寸法)と同一である。本実施形態では更に、導電板25は導電板21とともに、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。そのため、実装部253の厚さ(方向Zにおける寸法)は、実装部213の厚さ(方向Zにおける)と同一である。
【0099】
図22に示すワイヤボンディング用リード53は、ワイヤボンディング用リード51と略同様の構成を有するが、ワイヤがボンディングされるパッド主面の向く方向が、ワイヤボンディング用リード51と異なる。以下、具体的に説明する。
【0100】
ワイヤボンディング用リード53は、たとえばCuなどの導体よりなる。ワイヤボンディング用リード53は、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。本実施形態では特に、ワイヤボンディング用リード53は導電板24とともに、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。ワイヤボンディング用リード53は、パッド部531と、中間部532と、実装部533と、を含む。
【0101】
パッド部531は、パッド主面535およびパッド裏面536を有する。パッド主面535にはワイヤ47がボンディングされている。
図22に示すように、パッド主面535は、方向Zにおいて、裏面電極323よりも主面電極321の配置された側(方向Zb側)に位置している。一方、パッド裏面536はパッド主面535の向く方向と反対方向を向く。パッド裏面536は、樹脂底面71の位置する側を向いている。本実施形態においては、
図22に示すように、パッド裏面536は、導電板24に形成された段差部243における段差面249よりも、樹脂底面71の位置する側に配置されている。これにより、パッド主面535にワイヤ47をボンディングする際に用いるヒータ(使用時にはパッド裏面536の
図22における下側に配置される)が、導電板24に接近したとしても、当該ヒータが導電板24に接触することを防止できる。
【0102】
中間部532は、パッド部531および実装部533の間に位置する。中間部532は、パッド部531および実装部533のいずれにもつながる。本実施形態において中間部532は、パッド部531に対し傾斜している。更に、中間部532は樹脂底面71に対
し傾斜している。中間部532は、XY平面視においてパッド部531から遠ざかるほど方向Zaに向かう形状である。
【0103】
実装部533は、樹脂部7から露出する部位を有する。より具体的には、実装部533は、樹脂側面72における第1部分721と、樹脂底面71と、から露出している。
図18、
図22に示すように、実装部533は、第1部分721から方向Yの一方に突出している。実装部533は、実装部253と同一方向に、第1部分721から突出している。本実施形態と異なり、実装部533が第1部分721から突出しておらず、実装部533が、樹脂側面72と面一の側面を有していても良い。実装部533は実装面539を有する。実装面539は、樹脂底面71から露出し且つ樹脂底面71と面一である。実装面539は、ハンダ層888を介して、配線基板106に接合されている。ワイヤボンディング用リード53はハンダ層888を経由して配線基板106の配線層と導通している。上述のようにワイヤボンディング用リード53は、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。そのため、実装部533の厚さ(方向Zにおける寸法)は、パッド部531の厚さ(方向Zにおける寸法)と同一である。本実施形態では更に、ワイヤボンディング用リード53は、導電板24とともに、一つの平らな板を折り曲げ成型することにより形成される。そのため、実装部533の厚さ(方向Zにおける寸法)は、導電板24の厚さと同一である。
【0104】
次に、半導体装置102の製造方法の一例について簡単に説明する。
【0105】
半導体装置102を製造するには、第1中間品851(
図27、
図28参照)と、第2中間品853(
図29、
図30参照)と、リードフレーム845(
図31、
図32参照)と、を製造する。
【0106】
第1中間品851は、第1実施形態で述べたように製造する。
【0107】
第2中間品853を製造するには、まず、
図29、
図30に示すリードフレーム844を一枚の導電板から形成する。リードフレーム844は、のちに、導電板24、ワイヤボンディング用リード53になるものである。次に、リードフレーム844に、導電性接合部413を介して、半導体チップ32における裏面電極323を接合する。次に、半導体チップ32における主面電極322と、リードフレーム844とに、ワイヤ47を接合する。これにより、同図に示す第2中間品853が製造される。ワイヤ47を接合する工程は、主面電極321が重力方向における上方を向いている状態で行われる。
【0108】
リードフレーム845は、一枚の導電板から折り曲げ成型することにより形成する。リードフレーム845は、のちに、導電板25になるものである。
【0109】
次に、
図33、
図34に示すように、導電性接合部412を介して、第2中間品853におけるリードフレーム844に、半導体チップ31における主面電極311を接合する。同様に、
図33に示すように、導電性接合部414を介して、半導体チップ32の主面電極321に、リードフレーム845を接合する。
【0110】
次に、上述の樹脂部7(製造方法の説明では図示略)を形成したのちに、線L2に沿って、リードフレーム841,844,845をそれぞれ切断することにより、
図19等に示した半導体装置102が製造される。
【0111】
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
【0112】
半導体装置102においては、半導体チップ31の主面電極311、および、半導体チ
ップ32は、いずれも、導電板24に接合している。このような構成によると、半導体チップ31および半導体チップ32は、導電板24を経由して互いに導通している。よって、半導体チップ31および半導体チップ32を、半導体装置102の外部の配線等を経由して導通させる必要がない。半導体装置102の外部の配線等を用いる必要がないと、半導体チップ31と半導体チップ32とを導通させる経路の配線抵抗および配線インダクタンスは、主に、導電板24の抵抗およびインダクタンスのみとなる。これは、半導体装置102が構成する回路における配線抵抗や配線インダクタンスの低減を図るのに適する。したがって、半導体装置102は、低消費電力化および高性能化を図るのに適する。
【0113】
図19に示すように、半導体装置102においては、主面電極312に接合されたワイヤ46は、方向Zにおいて、主面電極311に接合された導電板24に重なる部位を有する。このような構成によると、第1実施形態で述べたのと同様の理由により、半導体装置102の薄型化を図ることができる。同様に、半導体装置102においては、主面電極322に接合されたワイヤ47は、方向Zにおいて、主面電極321に接合された導電板25に重なる部位を有する。このような構成によっても、同様の理由により、半導体装置102の小型化を図ることができる。
【0114】
図19に示すように、半導体装置102においては、パッド主面515は、方向Zにおいて、裏面電極313よりも主面電極311の配置された側(方向Za側)に位置する。このような構成によると、第1実施形態で述べたのと同様の理由により、ワイヤ46が半導体チップ31に接触することを防止するのに適する。同様に、
図22に示すように、半導体装置102においては、パッド主面535は、方向Zにおいて、裏面電極323よりも主面電極321の配置された側(方向Zb側)に位置する。このような構成も、ワイヤ47が半導体チップ32に接触するのを防止するのに適する。
【0115】
半導体装置102によると、第1実施形態で述べたのと同様の理由により、ワイヤ46をパッド部511に接合する際に用いるキャピラリ(図示略)が中間部512に接触することを、防止できる。同様に、半導体装置102においては、ワイヤボンディング用リード53は、パッド部531と実装部533との間に位置する中間部532を含む。中間部532は樹脂底面71に対し傾斜している。このような構成によると、ワイヤ47をパッド部531に接合する際に用いるキャピラリ(図示略)が中間部532に接触することを、防止できる。
【0116】
図22に示すように、半導体装置102においては、パッド裏面536はパッド主面535の向く方向と反対方向を向く。パッド裏面536は、樹脂底面71の位置する側を向いている。このような構成によると、パッド裏面536は樹脂底面71から方向Zにおいて離間しており、樹脂底面71から露出していない。そのため、ハンダ層888はパッド裏面536には接合せず、パッド裏面536よりも導電板24から離間した実装面539に接合することとなる。そのため、ハンダ層888と、導電板24に接合するハンダ層886との離間距離を大きくすることができる。ハンダ層888およびハンダ層886の離間距離を大きくできると、ハンダ層888およびハンダ層886の意図しない接触を防止することができる。これにより、ハンダ層888とハンダ層886とがショートすることを防止できる。
【0117】
<第3実施形態>
図35〜
図38を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。
【0118】
図35は、本発明の第3実施形態にかかる半導体装置の平面図である。
図36は、
図35のXXXVI−XXXVI線に沿う断面図である。
図37は、
図35のXXXVII−XXXVII線に沿う断面図である。
図38は、本発明の第3実施形態にかかる半導体装
置が構成する回路の回路図である。
【0119】
これらの図に示す半導体装置103は、半導体チップ31,32、導電板22、および、ワイヤボンディング用リード51,52をそれぞれ2つずつ備える点において、上述の半導体装置101と異なる。
図38に示すように、半導体装置103は、フルブリッジ回路を構成している。本実施形態において、2つの半導体チップ31のうち一方を半導体チップ31aとし、2つの半導体チップ31のうち他方を半導体チップ31bとする。同様に、2つの半導体チップ32のうち一方を半導体チップ32aとし、2つの半導体チップ32のうち他方を半導体チップ32bとする。
【0120】
半導体装置103においては、導電板21は、半導体チップ31a,31bのいずれにも接合している。これにより
図38に示すように、半導体チップ31a,31bの裏面電極313(ドレイン電極)どうしが互いに導通している。導電板23は、半導体チップ32a,32bのいずれにも接合している。これにより
図38に示すように、半導体チップ32a,32bの主面電極321(ソース電極)どうしが互いに導通している。また
図38に示すように、半導体チップ31aの主面電極311(ソース電極)と、半導体チップ32aの裏面電極323(ドレイン電極)とは、互いに導通している。同様に、半導体チップ31bの主面電極311と、半導体チップ32bの裏面電極323とは、互いに導通している。
【0121】
本実施形態によっても、半導体装置103が構成する回路における配線抵抗や配線インダクタンスの低減を図ることができる。したがって、半導体装置103は、低消費電力化および高性能化を図るのに適する。さらに、第1実施形態で述べたのと同様の利点を得ることができる。
【0122】
<第4実施形態>
図39〜
図42を用いて、本発明の第4実施形態について説明する。
【0123】
図39は、本発明の第4実施形態にかかる半導体装置の平面図である。
図40は、
図39のXL−XL線に沿う断面図である。
図41は、
図39のXLI−XLI線に沿う断面図である。
図42は、本発明の第4実施形態にかかる半導体装置が構成する回路の回路図である。
【0124】
これらの図に示す半導体装置104は、導電板26と、半導体チップ33,34と、ワイヤ48,49と、ワイヤボンディング用リード58と、を更に備える点において、上述の半導体装置102と異なる。
図42に示すように、半導体装置104は、フルブリッジ回路を構成している。
図41に示すように、本実施形態においては、第2実施形態と異なり、半導体チップ31の主面電極311、および、半導体チップ32の主面電極321は、互いに同一方向(方向Za)を向いている。
【0125】
半導体チップ33,34は、トランジスタである。半導体チップ33の裏面電極333と、半導体チップ34の裏面電極343とは導電性接合部を介して導電板26に接合している(一部図示略)。これにより
図42に示すように、裏面電極333,334(ドレイン電極)どうしが互いに導通している。半導体チップ33の主面電極331は導電板21に接合されている。これにより
図42に示すように、半導体チップ33の主面電極331(ソース電極)は、半導体チップ31の裏面電極313(ドレイン電極)と導通している。半導体チップ34の主面電極341は導電板25に接合されている。これにより
図42に示すように、半導体チップ34の主面電極341(ソース電極)は、半導体チップ32の裏面電極323(ドレイン電極)と導通している。ワイヤ48は、半導体チップ33の主面電極332とワイヤボンディング用リード58とを接続しており、ワイヤ49は、半
導体チップ34の主面電極342とワイヤボンディング用リード58とを接続している。
【0126】
本実施形態によっても、半導体装置104が構成する回路における配線抵抗や配線インダクタンスの低減を図ることができる。したがって、半導体装置104は、低消費電力化および高性能化を図るのに適する。さらに、第2実施形態で述べたのと同様の利点を得ることができる。
【0127】
<第5実施形態>
図43,
図44を用いて、本発明の第5実施形態について説明する。
【0128】
図43は、本発明の第5実施形態にかかる半導体装置の断面図である。
図44は、本発明の第5実施形態にかかる半導体装置が構成する回路の回路図である。
【0129】
半導体装置105は、導電板21,28,29と、半導体チップ31と、ダイオード38と、抵抗39と、導電性接合部411,421,422と、ワイヤ46,461と、導通部材462と、ワイヤボンディング用リード51,59と、樹脂部7と、を備える。導電板21、半導体チップ31、導電性接合部411、ワイヤ46、ワイヤボンディング用リード59、および、樹脂部7は、第1実施形態における構成と同様であるから、説明を省略する。半導体装置105は過電流保護回路であり、DC/DCコントローラ周辺に配置されることが多い。
【0130】
導電板28,29はCuなどの導体よりなる。導電板28および導電板29はいずれも、樹脂底面71から露出している。ダイオード38は、導電性接合部421を介して導電板21に接合されている。これにより
図44に示すように、ダイオード38は、半導体チップ31の裏面電極313(本実施形態ではドレイン電極)と互いに導通している。抵抗39は導電性接合部422を介して、導電板28,29に接合されている。これにより、抵抗39は導電板28,29に導通している。導通部材462は、半導体チップ31の主面電極311と抵抗39の一端とに接合している。これにより
図44に示すように、導通部材462を経由して、半導体チップ31の主面電極311(本実施形態ではソース電極)は、抵抗39と導通している。導通部材462はCuなどの導体よりなる。ワイヤ46は、方向Zにおいて、導通部材462に重なる部位、および、抵抗39に重なる部位を有する。ダイオード38および抵抗39は、機能素子チップの一例である。
【0131】
ワイヤボンディング用リード59は、ワイヤボンディング用リード51と同様の構成であるから、説明を省略する。ワイヤボンディング用リード59とダイオード38とに、ワイヤ461が接合されている。
【0132】
半導体装置105においては、半導体チップ31の主面電極311、および、抵抗39は、いずれも、導通部材462に接合している。このような構成によると、半導体チップ31および抵抗39は、導通部材462を経由して互いに導通している。よって、半導体チップ31および抵抗39を、半導体装置105の外部の配線等を経由して導通させる必要がない。半導体装置105の外部の配線等を用いる必要がないと、半導体チップ31と、抵抗39とを導通させる経路の配線抵抗および配線インダクタンスは、主に、導通部材462の抵抗およびインダクタンスのみとなる。これは、半導体装置105が構成する回路における配線抵抗や配線インダクタンスの低減を図るのに適する。したがって、半導体装置105は、低消費電力化および高性能化を図るのに適する。
【0133】
半導体装置105においては、主面電極312に接合されたワイヤ46は、方向Zにおいて、主面電極311に接合された導通部材462に重なる部位を有する。このような構成によると、上述の実施形態で述べたのと同様の理由により、半導体装置105の薄型化
を図ることができる。同様に、ワイヤ46は、方向Zにおいて抵抗39と重なる部位を有する。このような構成によっても、半導体装置105の薄型化を図ることができる。
【0134】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。半導体装置が構成する回路は、上述のものに限られない。当該回路は、たとえば、バッファ回路や3層モータであってもよい。本発明の機能素子チップは、トランジスタやダイオードや抵抗の他に、コンデンサであってもよい。