特許第6162779号(P6162779)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6162779船舶バラスト水処理システムの設置のための3次元計測用ターゲット構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6162779
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】船舶バラスト水処理システムの設置のための3次元計測用ターゲット構造
(51)【国際特許分類】
   G01C 15/06 20060101AFI20170703BHJP
   C02F 1/00 20060101ALI20170703BHJP
   B63B 13/00 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   G01C15/06 T
   C02F1/00 V
   C02F1/00 A
   B63B13/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-224941(P2015-224941)
(22)【出願日】2015年11月17日
(65)【公開番号】特開2016-218037(P2016-218037A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2015年11月17日
(31)【優先権主張番号】20-2015-0003169
(32)【優先日】2015年5月18日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517030387
【氏名又は名称】レトロフィット コリア、インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン,ビョン ソ
(72)【発明者】
【氏名】キム,クワング ソク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジ ウォン
【審査官】 岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−087319(JP,A)
【文献】 特開2014−052212(JP,A)
【文献】 特開2012−068047(JP,A)
【文献】 特開2003−323461(JP,A)
【文献】 渡辺祐輔,山鹿伸幸,3次元レーザ計測導入による環境規制対応船舶の改修迅速化,三菱重工技報,日本,2013年,第50巻,第2号,第91-94頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
21/00−21/32
G01C 1/00−15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バラスト水処理システム(BWTS)設備のために3Dレーザースキャナが利用される3次元計測用ターゲット構造において、
フレキシブルな材質の磁力手段101の上側面にバラスト水の流れ方向及び基準座標の認識のためのパターン105が示されたパターンシート103が付着され;
上記パターン105は、バラスト水の流れ方向を図式化した方向表示部113と、上記方向表示部113の終端に印刷され、基準座標を定義するために相互対向するように対比されるカラーで構成された格子模様の格子パターン111と、上記方向表示部113の任意の空間を割いて管理者によって任意表示または内容が記載される案内記載部115とが設けられることを特徴とするバラスト水処理システムの設備のための3次元計測用ターゲット構造。
【請求項2】
バラスト水処理システム(BWTS)設備のために3Dレーザースキャナが利用される3次元計測用ターゲット構造において、
フレキシブルな材質を有する磁力手段101の一側面に陰刻を形成してバラスト水の流れ方向及び基準座標に対するグラフィックを図式化したパターン溝201が設けられ;
上記パターン溝201は、バラスト水の流れ方向を陰刻で表現する方向表示溝203と、上記方向表示溝203の終端に陰刻による格子模様の格子パターン溝205を形成し、上記格子パターン溝205は相互対向するように対比されるカラーが塗布され、上記パターン溝201の任意の空間を割いて任意表示または内容が記載されるように案内記載部207が設けられることを特徴とするバラスト水処理システムの設備のための3次元計測用ターゲット構造。
【請求項3】
上記磁力手段101は、フェライト粉末にNBR:Nitrile-Budadiene Rubber或はCEを混合して製造されるゴム磁石であり;
上記ゴム磁石101の磁力は、2700G(ガウス)以上3000G(ガウス)未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載のバラスト水処理システムの3次元計測用ターゲット構造。
【請求項4】
バラスト水処理システム(BWTS)設備のために3Dレーザースキャナが利用される3次元計測用ターゲット構造において、
バラスト水の流れ方向を図式化した方向表示部113と、上記方向表示部113の終端に印刷され、基準座標を定義するために相互対向するように対比されるカラーで構成された格子模様の格子パターン111と、上記方向表示部113の任意の空間を割いて管理者によって任意表示または内容が記載される案内記載部115とが設けられたペーパー材質のパターンシート103;及び
上記パターンシート103の下部に磁力を発生する磁力塗布手段301が備えられることを特徴とするバラスト水処理システムの設備のための3次元計測用ターゲット構造。
【請求項5】
上記磁力塗布手段301は、液体状態の磁石をパターンシート103に塗布するもので、パターンシート103と磁力塗布手段301は一体化された構造を維持するために所定厚さのコーティングがなされることを特徴とする請求項4に記載のバラスト水処理システムの設備のための3次元計測用ターゲット構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測用ターゲット構造に関し、より詳しくは、3次元計測のための光波器または3次元レーザースキャナの運用過程で空間上の基準点を生成し、バラスト水処理システム(BWTS:Ballast Water Treatment System)でのバラスト水排出配管の流れを視覚的に認知することができるバラスト水処理システムの設置のための3次元計測用ターゲット構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、国際海事機関(IMO)で2004年に採択されたバラスト水管理条約の発効を前に、韓国内で開発されたバラスト水処理システム(BWTS)の処理効率を極大化し既存船に対する適用が可能な多様な製品デザインが要求されている。
【0003】
新造船分野のバラスト水処理システム(BWTS)は、設計段階で設置空間及び配管が決定されるため設置に問題がないが、義務的にBWTSを装着することになった既存の運航船の場合、BWTSを設置するために既存の配管配線及び空間区画に対して3Dモデリングを通した合理的シミュレーション分析が必須である。
【0004】
このような、3Dモデリングを利用したシミュレーションに関連して、既存の運航船に対するバラスト水処理システムの設置、また、必要に応じて既存配管の変更及び新規配管の開設などの変更事項のために既存の運航船の内部構造に対する精密なシミュレーションが必要である。この時、シミュレーション装置として3Dレーザースキャナが使用される。3Dレーザースキャニング技術は、オブジェクトや環境の3次元形状を取得する技術である。大部分の場合、オブジェクトの表面から形状情報を測定して点群(point cloud)データを生成し、同時に表面のカラー情報も共に取得する。
【0005】
また、一般的に3次元形状を取得するためには、一回のスキャンでは対象物を完全にスキャンすることができず、相異なる方向から何回かスキャンし、得られた各データを共通の座標系に整列した後、一つのデータとして併合する。3次元スキャナは、スキャン方式によっていくつかに区分でき、一般的に接触式と非接触式の二つの方式に分類できる。
【0006】
上記の3Dレーザースキャナは最近、建築、土木の業務において徐々によく活用されている。3Dレーザースキャナは、構造物表面にある無数の座標情報を自動で測量する機械であり、古くなった橋や崩壊地などの現況図面の作成の他、遺跡、プラント設備の現況測量などに幅広く使用されている。レーザースキャン技術は、航空機搭載用の長距離用、リバースエンジニアリング用の短距離用、高精度用まで実用化されて幅広く産業現場で利用されている。最近は、数十から数百Mの距離でも測定が可能な地上型レーザースキャンが拡散しており、既存の社会インフラ、産業インフラなどの大型構造物における適用が注目されている。
【0007】
最近日本ではBWTSの運航船設置に関連して、新しい機器を設置する場合、狭小な機関室内部に対して3Dレーザースキャナを活用して設置に必要な情報を獲得する一連の研究活動が進められているのが実情である。
【0008】
しかし、上述の3Dレーザースキャナを通して3次元的構造物を計測するにあたり、従来はトランジット(transit)や巻き尺、おもりなどを用いた2次元的な測定装置が主に利用されているのが実情である。これに対して、最近、測量分野で発展してきた三角測量や、光波距離計を用いた距離測定、角度測定法による測量機を用いた3次元的な測定装置による計測もなされている。
【0009】
例えば、一台の計測機で計測対象物(測定対象物体)上の任意の点に対する3次元座標を計測することができる3次元座標計測システムが3Dレーザースキャナと連動するプログラムによって具現されており、このシステムは、予め任意の2点を計測して3次元座標系を設定した後、各測定点に設けられた反射ターゲットを視準して水平角、鉛直角、距離測定の3要素を同時に計測し、座標変換の解析、演算を行って3次元座標を求めるもので、100m離れた距離で±1mm以下の高い精度が得られる。
【0010】
ここで、反射ターゲットは、ある程度の大きさを有する反射面を備えた部材であり、また計測点であるターゲット点は、その反射面上に設けられた、3次元座標計測用計測点である。また反射ターゲットは、一定の厚さを有するため、計測対象物表面の厳密な3次元座標を得るために、計測値及び反射ターゲットの大きさ・形状に基づいた所定の演算を行うことになる。
【0011】
従って、上記3Dレーザースキャナは、大部分、対象オブジェクトの表面から形状情報を測定して点群(point cloud)データを生成し、3次元空間計測時、物体裏面に隠れた部分は一回のスキャンで対象物を完全にスキャンすることができず、相異なる方向から何回かスキャンし、得られた各々のデータを共通の座標系に整列した後、一つのデータとして併合する作業が必ず必要である。このような併合作業のためには、各々のスキャンデータに対する基準座標が常に準備されていなければならない。
【0012】
結局、基準座標を設定するためのターゲットの必要性が十分に求められるが、現在、運航船においてBWTSの設置のための3次元空間計測に使用される基準ターゲット構造は、球(sphere)形状のターゲット及び船舶内に設置された形状物をターゲットとして設定するか、構造物を利用しているため、狭小な空間及び配管が重なっている部分において基準座標の設定が難解である。よって、作業者の業務量の増加及び精度の低下に大きな影響を及ぼすため、システムの改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】韓国公開実用新案第20−2014−0006107号、公開日:2014年12月5日、考案の名称「位置測定用反射ターゲット」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、このような問題点を解決するために創案されたもので、本発明の目的は、運航船においてBWTS設備のための船舶内部3次元空間計測時に使用される基準座標設定用ターゲットの構造を単純化して、既存の配管、配線及び空間区画に対する3Dモデリングが安定的で且つ効率的に行われることができるバラスト水処理システムの設置のための3次元計測用ターゲット構造を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、多量の配管のうち任意の場所にターゲットが容易に設けられるように磁力手段を備え、バラスト水の流れ方向を指し示し、基準座標を認知できるように磁力手段の一側面にグラフィック化されたパターンを図式することにより、設置の利便性及び座標識別の容易性を付与することができるバラスト水処理システムの設置のための3次元計測用ターゲット構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するための本発明によるバラスト水処理システムの設置のための3次元計測用ターゲット構造は、フレキシブルな材質の磁力手段の上側面にはバラスト水の流れ方向及び基準座標の認識のためのパターンが示されたパターンシートが付着され;上記パターンは、バラスト水の流れ方向を図式化した方向表示部と、上記方向表示部の終端に印刷され、基準座標を定義するために相互対向するように対比されるカラーで構成された格子模様の格子パターンと、上記方向表示部の任意の空間を割いて管理者によって任意表示または内容が記載される案内記載部とが設けられることを特徴とする。
【0017】
本発明の望ましい実施例によるバラスト水処理システムの設置のための3次元計測用ターゲット構造は、バラスト水処理システム(BWTS)設備のために3Dレーザースキャナが利用される3次元空間計測用ターゲット構造において、フレキシブルな材質を有する磁力手段の一側面に陰刻を形成してバラスト水の流れ方向及び基準座標に対するグラフィックを図式化したパターン溝が設けられ;上記パターン溝は、バラスト水の流れ方向を陰刻で表現する方向表示溝と、上記方向表示溝の終端に陰刻による格子模様の格子パターン溝を形成し、相互対向するように対比されるカラーが塗布され、上記パターン溝の任意の空間を割いて任意表示または内容が記載されるように案内記載部が設けられることを特徴とする。
【0018】
本発明の望ましい実施例によるバラスト水処理システムの設置のための3次元空間計測用ターゲット構造は、バラスト水処理システム(BWTS)設備のための船舶内部の3次元空間計測用ターゲット構造において、バラスト水の流れ方向を図式化した方向表示部と、上記方向表示部の終端に印刷され、基準座標を定義するために相互対向するように対比されるカラーで構成された格子模様の格子パターンと、上記方向表示部の任意の空間を割いて管理者によって任意表示または内容が記載される案内記載部とが設けられたペーパー材質のパターンシート;及び、上記パターンシートの下部に磁力を発生する磁力塗布手段が備えられることを特徴とする。
【0019】
一方、本発明の実施例による上記磁力塗布手段は、液体状態の磁石をパターンシートに塗布するものであり、パターンシートと磁力塗布手段を一体化された構造として維持するために所定厚さのコーティングがなされることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明で提示するバラスト水処理システムの設備のための3次元計測用ターゲット構造は、運航船にBWTSを設備する際、船舶内部の空間を測定するために使用される3Dスキャナの基準座標設定用ターゲットの構造を単純化して、既存の配管、配線及び空間区画に対する3Dモデリングが安定的で且つ効率的に行われることができる効果を有する。また、狭小な空間でターゲットが容易に設けられるように磁力手段を備え、バラスト水の流れ方向を指し示し、基準座標を認知できるように磁力手段の一側面にグラフィック化されたパターンを図式することにより、設置の利便性、及びバラスト水の流れ方向、基準座標の識別の容易性を付与することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明による3次元計測用ターゲット構造の第1実施例を示した斜視図である。
図2】本発明による3次元計測用ターゲット構造の第2実施例を示した斜視図である。
図3】本発明による3次元計測用ターゲット構造の第3実施例を示した斜視図である。
図4】本発明によるターゲットの使用状態を示した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の望ましい実施例を添付の例示図面に基づいて詳しく説明すると、次の通りである。
【0023】
先ず、本発明で提示するターゲット構造は、磁力に影響を受ける金属材質の配管特性上容易に付着可能な磁力手段を備え、磁力手段の一側面にバラスト水の流れ方向及び基準座標を図式するためのグラフィックパターンが印刷される。
【0024】
上記グラフィックパターンは、磁力手段の一側面に印刷されるか、グラフィックパターンが印刷されたペーパーが磁力手段の一側面上に接合される構造が可能である。また、上記磁力手段は、フレキシブルな構造を有するゴム磁石が望ましい。
【0025】
図1は、本発明の第1実施例による3次元計測用ターゲット構造を示した斜視図である。
【0026】
図示されているように、フレキシブルな材質の磁力手段101の上側面にバラスト水の流れ方向及び基準座標の認識のためのパターン105が示されたパターンシート103が付着される。上記パターンシート103及び磁力手段101は、任意のボンディング過程を通して相互付着するもので、BW(バラスト水)配管の震動や強風による毀損または設置位置の変更などがないようにする。
【0027】
本発明で上述した磁力手段101はゴム磁石が望ましく、フェライト粉末にゴム(NBR:Nitrile-Budadiene Rubber)或いはプラスチック(CPE)を混合して製造され、これから製造された等方性のゴム磁石または異方性のゴム磁石が適用され得る。
【0028】
勿論、本発明で適用される磁力手段101として、パターンシート103の下部にゴム磁石ではない一般磁石またはフェライト、ネオジム磁石などを少数個分散付着することができるが、これは、磁力が強くて配管上に強く付着するため基準座標の変動がないとの長所がある反面、基準座標の位置を変更したり、回収する過程で作業の効率性が低下する。
【0029】
よって、本発明ではゴム磁石の適用が望ましいが、ゴム磁石の磁力の強度が弱い場合には基準座標の変動の恐れがある。すなわち、バラスト水の流出入がなされる配管上にゴム磁石が付着される場合、配管の震動または風力によって移動または離脱されて基準座標の設定が難しくなる。
【0030】
本発明では、ゴム磁石101の磁力を2700G(ガウス)以上3000G未満に設定する。磁力が2700G未満の場合は、配管に塗布された強力ペイントの厚さによって付着力が低下する。一般的に船舶に使用される強力ペイントは海風による腐食を防止するために専用ペイントが使用され、その厚さも非常に厚く一般的なゴム磁石の磁力では正確な計測が不可能である。その反面、ゴム磁石101の磁力が3000G以上の場合は、ゴム磁石を製造するための表面多極着磁が非常に稠密になされなければならないため、製造の困難が伴われるとの問題がある。
【0031】
一方、上記パターン105は3Dレーザースキャナによって認識される多数のカラーが使用され得るが、黒色及び白色を用いて対比が明確になるようにすることが望ましい。更に、上記パターン105は、バラスト水の流れ方向を図式化した方向表示部113と、上記方向表示部113の終端に印刷され、基準座標を定義するために相互対向するように対比されるカラーで構成された格子模様の格子パターン111と、上記方向表示部113の任意の空間を割いて管理者によって任意表示または内容が記載される案内記載部115とが設けられる。
【0032】
このように上記パターンシート103上にパターン105が印刷されると、上記磁力手段101をパターンシート103の下部に接着することにより、3次元空間計測用ターゲットが完成される。上記ターゲットの大きさは、3Dレーザースキャナによって座標認識が容易であり、管理者がバラスト水の流れ方向を容易に認知できるように、上記方向表示部113は最小150mmの長軸と80mmの短軸を有し、上記格子パターン111は横縦各40mm以上に設計されることが望ましい。
【0033】
図2は、本発明による3次元計測用ターゲット構造の他の実施例を示した斜視図である。
【0034】
図示されているように、磁力手段101の一側面に陰刻を形成してバラスト水の流れ方向及び基準座標に対するグラフィックを図式化したパターン溝201が設けられ、上記パターン溝201は、バラスト水の流れ方向を陰刻で表現する方向表示溝203と、上記方向表示溝203の終端に陰刻による格子模様の格子パターン溝205を形成し、相互対向するように対比されるカラーが塗布され、上記パターン溝201の任意の空間を割いて任意表示または内容が記載されるように案内記載部207が突出される。
【0035】
よって、本実施例では磁力手段101の一側面に上記パターン溝201を加圧して陰刻を形成し、パターン溝201を構成する方向表示溝203及び格子パターン溝205、案内記載部207上に任意のカラーを塗布する。
【0036】
これは、ペーパー材質のパターンシート103を使用しないもので、湿度に脆弱なペーパーの物理的毀損を防止するためである。
【0037】
上記磁力手段101は異方性構造を有するようにして上記パターン溝201の対向面に磁力が発生するようにする。勿論、上記磁力手段101は等方性構造にして二つの面上に磁力が発生するように設計されることができるが、上記パターン溝201を加圧成形する過程で磁力毀損の恐れがあるため、上記磁力手段101は異方性構造が望ましい。
【0038】
図3は、本発明のまた他の実施例を示した斜視図である。
【0039】
図示されているように、バラスト水の流れ方向を図式化した方向表示部113と、上記方向表示部113の終端に印刷され、基準座標を定義するために相互対向するように対比されるカラーで構成された格子模様の格子パターン111と、上記方向表示部113の任意の空間を割いて管理者によって任意表示または内容が記載される案内記載部115とが設けられたペーパー材質のパターンシート103を形成し、上記パターンシート103の下部に磁力を発生する磁力塗布手段301が備えられる。
【0040】
上記磁力塗布手段301は、液体状態の磁石をパターンシート103に塗布するものであり、パターンシート103と磁力塗布手段301は一体化された構造を維持するために所定厚さのコーティングがなされることが望ましい。
【0041】
すなわち、上記磁力塗布手段301として適用される液体磁石は、ペーパー上に吸着または蒸着される構造を形成することができないため、ペーパー材質のパターンシート103の下部に液体磁石を塗布した後、ビニール材質でコーティングする。コーティングがなされると、液体磁石間の引力または斥力による凝集または移動などがなされず、磁力の強度を分散させる効果を有する。
【0042】
図4は、本発明によるターゲットの設置状態を示した写真である。これは、認知されるように、配管上に付着されたターゲットを3Dレーザースキャナで取得したグラフィックで、ターゲットを構成するパターンの一部(頂点または格子の境界線など)を認識することにより該当位置での基準座標として活用する。
【0043】
このように、ターゲットを用いた基準座標が明確に設定されれば、3D計測データ間の基準ポイントを中心とした構造物の位置、大きさ、方向などを認識することができるようになる。すなわち、3Dスキャナから獲得したデジタル空間情報は、デジタルデザインを通して3DモデリングされたBWTS装置及び新規で設置された配管と結合してコンピューター上でシミュレーションを進行するにあたって、シミュレーションを通した実測データを生成するために本発明のターゲットが基準座標として使用されるのである。従って、船舶内の複雑な構造物に対する正確な3Dモデリングを行うことにより、BWTSに対する設置可否及び最適のモデルを連結する。
【符号の説明】
【0044】
101:磁力手段
103:パターンシート
105:パターン
111:格子パターン
113:方向表示部
115、207:案内記載部
201:パターン溝
203:方向表示溝
205:格子パターン溝
301:磁力塗布手段
図1
図2
図3
図4