(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6162786
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】インバータを用いた系統連系システム
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20170703BHJP
【FI】
H02M7/48 R
H02M7/48 M
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-255851(P2015-255851)
(22)【出願日】2015年12月28日
(65)【公開番号】特開2017-11985(P2017-11985A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2015年12月28日
(31)【優先権主張番号】104119508
(32)【優先日】2015年6月17日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】510002442
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Delta Electronics,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 至章
(72)【発明者】
【氏名】辛 偉綸
(72)【発明者】
【氏名】林 信晃
【審査官】
北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】
特表2006−518581(JP,A)
【文献】
特開2002−260476(JP,A)
【文献】
特開2010−213565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源を三相交流電力網に併合させるインバータを用いた系統連系システムであって、
直流電源を前記交流電源に変換するインバータモジュールと、
前記インバータモジュールと前記三相交流電力網との間に接続されるスイッチモジュールと、
前記スイッチモジュールに電気的に接続され、前記スイッチモジュールを制御して前記交流電源を前記三相交流電力網に併合させるコントローラと、を備え、
前記スイッチモジュールは、
互いに直列に接続されて第1経路を形成する第1スイッチと、第2スイッチと、
互いに直列に接続されて第2経路を形成する第3スイッチと、第4スイッチと、
互いに直列に接続されて第3経路を形成する第5スイッチと、第6スイッチと、を有し、
前記コントローラは、
前記第1経路を導通した後、前記第2経路における各スイッチが第1の所定条件を満たす場合、前記第2経路を導通し、
その後、前記第3経路における各スイッチが第2の所定条件を満たす場合、前記第3経路を導通し、
前記第1スイッチ及び前記第3スイッチは、第1継電器を構成し、前記第1継電器が導通されると、同時に導通する、
ことを特徴とするインバータを用いた系統連系システム。
【請求項2】
前記第1の所定条件は、前記第2経路において前記インバータモジュール及び前記三相交流電力網に接続される端子の電圧がそれぞれ同一の電圧レベルとなった場合である、
ことを特徴とする請求項1に記載のインバータを用いた系統連系システム。
【請求項3】
前記第2の所定条件は、前記第3経路において前記インバータモジュール及び前記三相交流電力網に接続される端子の電圧がそれぞれ同一の電圧レベルとなった場合である、
ことを特徴とする請求項1に記載のインバータを用いた系統連系システム。
【請求項4】
前記第2スイッチ及び前記第6スイッチは、第2継電器を構成し、前記第2継電器が導通されると、同時に導通する、
ことを特徴とする請求項1に記載のインバータを用いた系統連系システム。
【請求項5】
前記第1継電器は、前記第2継電器よりも優先して導通される、
ことを特徴とする請求項4に記載のインバータを用いた系統連系システム。
【請求項6】
前記第1継電器及び前記第2継電器は、同時に導通される、
ことを特徴とする請求項4に記載のインバータを用いた系統連系システム。
【請求項7】
前記第1の所定条件は、前記第4スイッチの両端の電圧がそれぞれ同一の電圧レベルとなった場合である、
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のインバータを用いた系統連系システム。
【請求項8】
前記第2の所定条件は、前記第5スイッチの両端の電圧がそれぞれ同一の電圧レベルとなった場合である、
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のインバータを用いた系統連系システム。
【請求項9】
前記インバータモジュールに電気的に接続され、前記インバータモジュールに直流入力電圧を供給する電圧レベル調整装置と、
前記インバータモジュール及び前記スイッチモジュールに電気的に接続され、前記交流電源をフィルタリングするフィルタと、をさらに備えた、
ことを特徴とする請求項1に記載のインバータを用いた系統連系システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、系統連系システム及び系統連系方法に関し、特に、インバータを用いた系統連系システム及び三相電力の系統連系方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1を参照しつつ、従来の太陽光(太陽光発電)インバータを用いた系統連系システム(以下、「系統連系システム」と称す)を説明する。
図1に示すように、系統連系システム1は、直流電圧源Vinと交流電力網2との間に設けられ、直流電圧源Vinを交流電源に変換して交流電力網2に併合(供給)することに用いられる。この系統連系システム1は、昇圧モジュール10と、インバータモジュール12と、フィルタ14と、スイッチモジュール16とを備えている。昇圧モジュール10は直流電圧源Vinに電気的に接続され、インバータモジュール12は昇圧モジュール10に電気的に接続される。また、フィルタ14はインバータモジュール12に電気的に接続され、スイッチモジュール16はフィルタ14と交流電力網2との間に接続される。
【0003】
スイッチモジュール16は、第1スイッチS1と、第2スイッチS2と、第3スイッチS3と、第4スイッチS4と、第5スイッチS5と、第6スイッチS6とを有している。第1スイッチS1及び第5スイッチS5と、第2スイッチS2及び第3スイッチS3と、第6スイッチS6及び第4スイッチS4とは、それぞれ、フィルタ14と交流電力網2との間に直列に接続される。
スイッチモジュール16は、3つの二極双投式の継電器から構成される。
図1に示す系統連系システム1では、継電器160が第1スイッチS1及び第2スイッチS2によって、継電器162が第3スイッチS3及び第4スイッチS4によって、また、継電器164が第5スイッチS5及び第6スイッチS6によって、それぞれ構成されている。また、各継電器を構成する2つのスイッチは、同時に導通されるか、または、同時に遮断されるようになっている。
【0004】
次に、
図2を参照しつつ説明する。
図2は、従来のスイッチモジュールにおける接続方法を示すフローチャートである。系統連系システム1及び交流電力網2が系統連系を実際に行う際に実行される接続方法(スイッチモジュール16の第1スイッチS1〜第6スイッチS6の接続方法)は、以下に示すステップの順に行われる。
具体的に、スイッチモジュール16における接続方法は、まず、第1スイッチS1及び第2スイッチS2を導通する(第1スイッチS1及び第2スイッチS2を閉路状態にする、ステップS101)。次に、第1スイッチS1及び第2スイッチS2を遮断する(第1スイッチS1及び第2スイッチS2を開放状態にする)とともに第3スイッチS3及び第4スイッチS4を導通する(ステップS103)。そして、第3スイッチS3及び第4スイッチS4を遮断するとともに第5スイッチS5及び第6スイッチS6を導通する(ステップS105)。その後、第5スイッチS5及び第6スイッチS6を遮断し(ステップS106)、第1スイッチS1〜第6スイッチS6が異常であるか否かを判定する(ステップS107)。ステップS107において、第1スイッチS1〜第6スイッチS6がいずれも異常でないと判定されると(誤動作しないと判定されると)、第1スイッチS1〜第6スイッチS6を同時に導通して系統連系を行う(ステップS109)。一方、ステップS107において、第1スイッチS1〜第6スイッチS6のうち、1つのスイッチが異常であると判定されると(誤動作していると判定されると)、系統連系を停止する(ステップS110)。
【0005】
次に、
図3を参照しつつ説明する。
図3は、従来の系統連系システムが交流電力網と系統連系を行った場合の電流の状態を示す図である。ここで、高レベル信号は第1スイッチS1〜第6スイッチS6のうち、少なくとも1つのスイッチが操作されて導通状態にすることを示し、低レベル信号は第1スイッチS1〜第6スイッチS6のうち、少なくとも1つのスイッチが操作されて遮断状態にすることを示す。
【0006】
図3に示すように、時間t1において、第1スイッチS1及び第2スイッチS2を導通する。そして、時間t2において、第1スイッチS1及び第2スイッチS2を遮断するとともに第3スイッチS3及び第4スイッチS4を導通する。次に、時間t3において、第3スイッチS3及び第4スイッチS4を遮断するとともに第5スイッチS5及び第6スイッチS6を導通する。そして、時間t4において、第5スイッチS5及び第6スイッチS6を遮断する。その後、時間t5において、第1スイッチS1〜第6スイッチS6を同時に導通する。
【0007】
上記系統連系システム1では、まず、第1スイッチS1〜第6スイッチS6の切替機能が正常であるか否かを判定(検出)し、第1スイッチS1〜第6スイッチS6の切替機能がいずれも正常である(誤動作がない)と判定すると、第1スイッチS1〜第6スイッチS6を同時に導通する。このため、従来の系統連系システム1によれば、操作(制御)が簡単であるといった利点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、第1スイッチS1〜第6スイッチS6を同時に導通するようにしているため、非常に大きな(過大な)突入電流(inrush current)が発生する。かかる場合、
図3に示すように、第1スイッチS1〜第6スイッチS6の(使用)寿命が短くなるばかりか、第1スイッチS1〜第6スイッチS6のうち、少なくとも1つのスイッチ(例えば、
図3に示す第1スイッチS1)が系統連系を行った際に破壊されてしまい、交流電力網2と系統連系を行うことができない、といった問題があった。
【0009】
本発明は、インバータを用いた系統連系システムが交流電力網と系統連系を行う際に生じる、突入電流の発生を防止することが可能なインバータを用いた系統連系システム及び三相電力の系統連系方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、インバータを用いた系統連系システムに係り、交流電源を三相交流の電力網に併合させることに用いられる。
本発明に係るインバータを用いた系統連系システムは、インバータモジュールと、スイッチモジュールと、コントローラとを備えている。インバータモジュールは、直流電源を交流電源に変換する。スイッチモジュールは、インバータモジュールと三相交流電力網との間に接続され、所定の条件を満たす場合、インバータモジュールにより変換された変換後の交流電源を三相交流電力網に併合させる。スイッチモジュールは、第1スイッチ〜第6スイッチを有する。第1スイッチは、第2スイッチに直列に接続されて第1経路を形成する。第3スイッチは、第4スイッチに直列に接続されて第2経路を形成する。第5スイッチは、第6スイッチに直列に接続されて第3経路を形成する。コントローラは、スイッチモジュールに電気的に接続され、当該スイッチモジュールを制御して交流電源を三相交流電力網に併合させる。コントローラは、第1経路を導通した後、第2経路における各スイッチが第1の所定条件を満たす場合、第2経路を導通する。その後、第3経路における各スイッチが第2の所定条件を満たす場合、第3経路を導通する。
第1スイッチ及び第3スイッチは、第1継電器を構成し、第1継電器が導通されると、同時に導通する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るインバータを用いた系統連系システム及び三相電力の系統連系方法によれば、(インバータを用いた)系統連系システムが交流電力網と系統連系を行う際に生じる突入電流を効果的に防止することができるとともに、スイッチモジュールの破損確率の低減化及び使用寿命の延長化を図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】従来の太陽光インバータを用いた系統連系システムを示すブロック図である。
【
図2】従来のスイッチモジュールにおける接続方法を示すフローチャートである。
【
図3】従来の太陽光インバータを用いた系統連系システムが交流電力網と系統連系を行った場合を示す図であって、電流の状態及び第1スイッチ〜第6スイッチの切替状態を時系列的に示した図である。
【
図4】本発明に係る太陽光インバータを用いた系統連系システムを示すブロック図である。
【
図5】本発明の他の例に係る太陽光インバータを用いた系統連系システムを示すブロック図である。
【
図6】本発明の他の例に係る太陽光インバータを用いた系統連系システムのブロック図である。
【
図7】本発明に係る太陽光インバータを用いた系統連系システムのブロック図である。
【
図8】本発明に係るスイッチモジュールの接続方法を示すフローチャートである。
【
図9】本発明に係る太陽光インバータを用いた系統連系システムが交流電力網と系統連系を行った場合を示す図であって、電流の状態及び第1スイッチ〜第6スイッチの切替状態を時系列的に示した図である。
【
図10】本発明の他の例に係る太陽光インバータを用いた系統連系システムが交流電力網と系統連系を行った場合を示す図であって、電流の状態及び第1スイッチ〜第6スイッチの切替状態を時系列的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。以下に示す好ましい実施形態によって、本発明の内容、他の目的、特徴及びメリットがさらに明瞭になるが、本発明はこれに限定されない。
【0015】
本発明は、インバータを用いた系統連系システム及びそのスイッチモジュールの接合(接続)方法を提供するものである。本発明によれば、(インバータを用いた)系統連系システムが交流電力網と系統連系を行う際に生じる突入電流を効果的に防止することができるとともに、スイッチモジュールも破損確率の低減化及び使用寿命の延長化を図ることが可能である。
インバータを用いた系統連系システムは、直流電源を交流電源に変換するとともに、交流電源を三相交流電力網に併合させるために用いられる。直流電源は、太陽ボルタ又は電池により供給されてもよい。以下の実施形態において、インバータは、太陽ボルタにより供給される直流電源を交流電源に変換する太陽光インバータを例として説明する。
【0016】
図4に示すように、太陽光インバータを用いた系統連系システム(以下、「系統連系システム」と称す)3は、直流源(例えば、直流電圧源Vin)と交流電力網2との間に設けられている。交流電力網2は、三相交流電力網であり、第1相端子(または「R相端子」と称す)と、第2相端子(または「S相端子」と称す)と、第3相端子(または「T相端子」と称す)とを有している。ここで、第1相端子の電圧をV
R、第2相端子の電圧をV
S、第3相端子の電圧をV
Tとする。
【0017】
系統連系システム3は、電圧レベル調整モジュール30と、インバータモジュール32と、フィルタ34と、スイッチモジュール36とを備えている。
【0018】
電圧レベル調整モジュール30は、直流電圧源Vinに電気的に接続される。
図4に示すように、電圧レベル調整モジュール30は、昇圧回路であり、インダクタL、切替素子Q、ダイオードD及びコンデンサCを有している。なお、切替素子Qは両極性トランジスターであってもよい。インダクタLは、一端が直流電圧源Vinの高圧端に接続され、他端がダイオードDの陽極及び切替素子Qのコレクタに接続される。また、コンデンサCの一端は、ダイオードDの陰極、切替素子Qのエミッタ、及び直流電圧源Vinの低圧端に接続される。切替素子Qは、コントローラ(図示せず)によって導通及び開閉の制御が行われ、直流電圧源Vinの直流電圧を昇圧させる。なお、電圧レベル調整モジュール30は、降圧回路であってもよく、また、切替素子Qは、小駆動電流及び低導通抵抗をともに備える絶縁ゲートバイポーラトランジスター(Insulated Gate Bipolar Transistor,IGBT)であってもよい。
【0019】
インバータモジュール32は、電圧レベル調整モジュール30に電気的に接続される。このインバータモジュール32は、直流電圧源Vinを交流電源に変換することに用いられ、系統連系に成功すると、交流電力網2へ電気エネルギを転送するようになっている。フィルタ34は、インバータモジュール32に電気的に接続され、交流電圧源におけるノイズを取り除くことに用いられる。
【0020】
スイッチモジュール36は、フィルタ34と交流電力網2との間に結合(接続)される。このスイッチモジュール36は、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3、第4スイッチS4、第5スイッチS5及び第6スイッチS6を有している。スイッチモジュール36の第1スイッチS1〜第6スイッチS6は、2つが組になってフィルタ34と交流電力網2との間に直列に接続される。これらスイッチは、単一故障(single fault)における保護機能を有し、単一故障が生じた状態で、交流電力網2及び操作者に対する危害を避けるようになっている。
図4に示すように、第1スイッチS1及び第2スイッチS2は、直列に接続され、第1経路を形成する。第3スイッチS3及び第4スイッチS4は、直列に接続され、第2経路を形成する。第5スイッチS5及び第6スイッチS6は、直列に接続され、第3経路を形成する。
【0021】
一実施形態において、第1スイッチS1及び第3スイッチS3は、第1継電器360を構成するものであり、当該第1継電器360が導通状態になると、同時に導通されるようになっている。第2スイッチS2及び第6スイッチS6は、第2継電器362を構成するものであり、第2継電器362が導通状態となると、同時に導通されるようになっている。
【0022】
次に、
図8を同時に参照して、本発明のスイッチモジュールの接続方法を説明する。本発明に係る系統連系システム3が交流電力網2と系統連系を行う際に実行する、スイッチモジュール36の接続方法(ステップ)の詳細は以下のとおりである。
【0023】
まず、第1経路を導通する(ステップS301)。
図5に示すように、コントローラ38は、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3及び第6スイッチS6を閉状態にして第1経路を導通する。
【0024】
すなわち、コントローラ38は、まず、第1スイッチS1及び第3スイッチS3を閉状態にし、そして、第2スイッチS2及び第6スイッチS6を閉状態にする。換言すれば、コントローラ38は、まず、第1継電器360を導通し、そして、第2継電器362を導通する。
図9に示すように、時間t11において、第1スイッチS1及び第3スイッチS3は閉状態となる。また、時間t12において、第2スイッチS2及び第6スイッチS6は閉状態となり、第1経路が導通されるようになっている。なお、
図9において、第1スイッチS1〜第6スイッチS6は、高レベル信号によって閉状態にされる一方、低レベル信号によって開状態にされることを示している。
【0025】
なお、本発明の他の実施形態において、コントローラ38は、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3及び第6スイッチS6を同時に閉状態にすることも可能である。この場合、第1継電器360及び第2継電器362を同時に導通すればよい。これにより、
図10に示すように、時間t1において、第1スイッチS1、第2スイッチS2、第3スイッチS3及び第6スイッチS6が閉状態となり、第1経路が導通されることとなる。なお、
図10において、第1スイッチS1〜第6スイッチS6は、高レベル信号によって閉状態にされる一方、低レベル信号によって閉除隊にされることを示している。
【0026】
本発明では、
図5に示すように、第3スイッチS3が既に閉じられている状態で、第4スイッチS4の両端の瞬時電圧(交流電力網2の第1相端子と第2相端子との電圧差に相当)を検出するようにしている。この場合、本発明では、第4スイッチS4の両端の瞬時電圧が同一(V
R−V
S=0)といった第1の所定条件を満たすと、第4スイッチS4を閉状態にして第2経路を導通するようにしている。つまり、本発明では、第3スイッチS3の両端の電圧及び第4スイッチS4の両端の電圧がいずれも同一の電圧レベルになると、第2経路が導通されるようになっている(ステップS305)。なお、
図9及び
図10に示す例では、第4スイッチS4は、時間t2において閉状態となる。
【0027】
また、本発明では、
図5に示すように、第6スイッチS6が既に閉じられている状態で、第5スイッチS5の両端の瞬時電圧(交流電力網2の第1相端子、第2相端子及び第3相端子の電圧差に相当)を検出するようにしている。この場合、本発明では第5スイッチS5の両端の瞬時電圧が同一(V
R+V
S−V
T=0)といった第2の所定条件を満たすと、コントローラ38は、第5スイッチS5を閉状態にして第3経路を導通するようにしている。つまり、本発明では、第5スイッチS5の両端の電圧及び第6スイッチS6の両端の電圧がいずれも同一電圧レベルになると、第3経路が導通されるようになっている(ステップS307)。なお、
図9及び
図10に示す例では、第5スイッチS5は、時間t3において閉状態となる。
【0028】
なお、本発明のもう1つの実施形態において、スイッチモジュール36は、6つの独立なスイッチであってもよい。この場合、コントローラ38は、まず、第1スイッチS1、第2スイッチS2を閉状態にして第1経路を形成(導通)するとともに、交流電力網2の第1相端子と第2相端子との電圧差がVR−VS=0といった第1の所定条件を満たす場合、第3スイッチS3及び第4スイッチS4を同時に閉状態にして第2経路を導通すればよい。なお、本発明の精神(ポイント)は、経路を導通する順序及びタイミング(時刻)にあるため、スイッチを閉状態にする順序については限定されない点を付け加えておく。
【0029】
以上、本発明に係る実施形態を示したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲を基準とするものであり、当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、様々な変更や潤飾を行うことができる。
【符号の説明】
【0030】
1、3 系統連系システム
10 昇圧モジュール
12、32 インバータモジュール
14、34 フィルタ
16、36 スイッチモジュール
160、162、164 継電器
2 交流電力網
30 電圧レベル調整モジュール
360 第1継電器
362 第2継電器
38 コントローラ
C コンデンサ
D ダイオード
L インダクタ
Q 切替素子
S1 第1スイッチ
S2 第2スイッチ
S3 第3スイッチ
S4 第4スイッチ
S5 第5スイッチ
S6 第6スイッチ
Vin 直流電圧源
VR 第1相端子の電圧
VS 第2相端子の電圧
VT 第3相端子の電圧