特許第6162804号(P6162804)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6162804リスト提示装置、リスト提示方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6162804
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】リスト提示装置、リスト提示方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20170703BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20170703BHJP
   G06F 17/30 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   G06Q30/02
   G06Q50/10
   G06F17/30 340A
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-523691(P2015-523691)
(86)(22)【出願日】2013年6月24日
(86)【国際出願番号】JP2013067295
(87)【国際公開番号】WO2014207813
(87)【国際公開日】20141231
【審査請求日】2016年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】望月 大輔
【審査官】 田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−309484(JP,A)
【文献】 特開2007−156788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザに向けて送信されるリスト情報であって、それぞれ取引対象を示す複数の項目を含むリスト情報を生成するリスト生成手段と、
前記リスト情報に含まれる複数の項目のうち前記第1のユーザが選択した項目を取得する選択項目取得手段と、
前記リスト情報に含まれる項目のいずれかである第1の項目が前記第1のユーザに選択される場合に、該リスト情報に含まれる項目のうち該第1のユーザに既に選択された第2の項目が示す取引対象に関連づけて記憶手段に記憶される表示優先度を下げる表示優先度変更手段と、
を含み、
前記リスト生成手段は、第2のユーザによる送信要求と、前記記憶手段に記憶される表示優先度とに基づいて、前記第2のユーザに向けて送信される新たなリスト情報を生成する、
ことを特徴とするリスト提示装置。
【請求項2】
前記リスト生成手段は、前記第1のユーザからの検索条件に応じて前記複数の項目を含み前記第1のユーザに向けて送信される前記リスト情報を生成し、
前記表示優先度変更手段は、前記リスト情報に含まれる項目のいずれかである第1の項目が前記第1のユーザに選択される場合に、前記検索条件と該リスト情報に含まれる項目のうち該第1のユーザに既に選択された第2の項目が示す取引対象とに関連づけて記憶手段に記憶される表示優先度を下げ、
前記リスト生成手段は、前記第2のユーザによる送信要求に含まれる検索条件と、当該検索条件および取引対象に関連づけて記憶手段に記憶された表示優先度とに基づいて、前記第2のユーザに向けて送信される新たなリスト情報を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のリスト提示装置。
【請求項3】
前記リスト情報に含まれる複数の項目のうち前記第1のユーザが選択した項目および前記項目を選択した時刻は、前記第1のユーザおよび前記リスト情報と関連づけて該項目および該時刻を記憶する記憶手段に記憶され、
前記表示優先度変更手段は、前記第1のユーザが前記リスト情報から前記第1の項目を選択した時刻と、前記第1のユーザが当該リスト情報から前記第2の項目を選択した時刻との間隔が所与の範囲にある場合に、前記第2の項目の表示優先度を下げる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のリスト提示装置。
【請求項4】
前記表示優先度変更手段は、前記リスト情報に含まれる複数の項目のいずれかである第1の項目を選択する前に当該複数の項目のいずれかである第2の項目を選択するユーザの多さに基づいて前記第2の項目の表示優先度を下げる、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のリスト提示装置。
【請求項5】
前記表示優先度変更手段は、前記リスト情報に含まれる項目のいずれかである第1の項目が前記第1のユーザに選択される場合に、前記第1の項目が示す取引対象に関連づけられた属性と、前記第2の項目が示す取引対象に関連づけられた属性とに基づいて、前記第2の項目の表示優先度を下げる、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のリスト提示装置。
【請求項6】
前記表示優先度変更手段は、前記リスト情報に含まれる項目のいずれかである前記第1の項目が前記第1のユーザに選択される場合に、前記第1の項目が示す取引対象の価格と、前記第2の項目が示す取引対象の価格とに基づいて、前記第2の項目の表示優先度を下げる、
ことを特徴とする請求項5に記載のリスト提示装置。
【請求項7】
前記表示優先度変更手段は、前記リスト情報に含まれる項目のいずれかである前記第1の項目が前記第1のユーザに選択される場合に、前記第1の項目が示す取引対象の位置情報と、前記第2の項目が示す取引対象の位置情報とに基づいて、前記第2の項目の表示優先度を下げる、
ことを特徴とする請求項5に記載のリスト提示装置。
【請求項8】
前記表示優先度変更手段は、前記リスト情報に含まれる項目のいずれかである前記第1の項目が前記第1のユーザに選択される場合に、前記第1の項目が示す取引対象が属するカテゴリと、前記第2の項目が示す取引対象が属するカテゴリとに基づいて、前記第2の項目の表示優先度を下げる、
ことを特徴とする請求項5に記載のリスト提示装置。
【請求項9】
前記リスト生成手段は、前記記憶手段に記憶される表示優先度に基づいて、前記第2のユーザによる送信要求に含まれる検索条件を満たす複数の取引対象のうち一部をリスト生成対象として決定し、前記決定された取引対象の数が閾値より小さい場合に、前記複数の取引対象の情報のうち前記決定された一部と、前記検索条件の一部が変更された条件を満たす複数の取引対象とをそれぞれ示す複数の項目を含む新たなリスト情報を生成する、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のリスト提示装置。
【請求項10】
前記リスト生成手段は、前記決定された取引対象の数が閾値より小さい場合に、前記複数の取引対象の情報のうち前記決定された一部と、前記検索条件のうち取引対象が属する領域が隣接または近接する領域に変更された条件を満たす複数の取引対象とをそれぞれ示す複数の項目を含む新たなリスト情報を生成する、
ことを特徴とする請求項9に記載のリスト提示装置。
【請求項11】
前記リスト生成手段は、前記決定された取引対象の数が閾値より小さい場合に、前記複数の取引対象の情報のうち前記決定された一部と、前記検索条件のうち取引対象が属する領域が前記第2のユーザの移動方向にある領域に変更された条件を満たす複数の取引対象とをそれぞれ示す複数の項目を含む新たなリスト情報を生成する、
ことを特徴とする請求項9に記載のリスト提示装置。
【請求項12】
前記表示優先度変更手段は、時間の経過に基づいて、下げられた表示優先度を初期値に戻す、
ことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のリスト提示装置。
【請求項13】
第1のユーザに向けて送信されるリスト情報であって、それぞれ取引対象を示す複数の項目を含むリスト情報を生成し、
前記リスト情報に含まれる複数の項目のうち前記第1のユーザが選択した項目を取得し、
前記リスト情報に含まれる項目のいずれかである第1の項目が前記第1のユーザに選択される場合に、該リスト情報に含まれる項目のうち該第1のユーザに既に選択された第2の項目が示す取引対象に関連づけて記憶手段に記憶される表示優先度を下げ、
第2のユーザによる送信要求と、前記記憶手段に記憶される表示優先度とに基づいて、前記第2のユーザに向けて送信される新たなリスト情報を生成する、
ことを特徴とするリスト提示方法。
【請求項14】
第1のユーザに向けて送信されるリスト情報であって、それぞれ取引対象を示す複数の項目を含むリスト情報を生成し、
前記リスト情報に含まれる複数の項目のうち前記第1のユーザが選択した項目を取得し、
前記リスト情報に含まれる項目のいずれかである第1の項目が前記第1のユーザに選択される場合に、該リスト情報に含まれる項目のうち該第1のユーザに既に選択された第2の項目が示す取引対象に関連づけて記憶手段に記憶される表示優先度を下げ、
第2のユーザによる送信要求と、前記記憶手段に記憶される表示優先度とに基づいて、前記第2のユーザに向けて送信される新たなリスト情報を生成する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリスト提示装置、リスト提示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食サービスおよびそれを提供する飲食店を紹介するサイト(グルメ情報サイト)や物品を販売するサイト(物販サイト)のように、検索結果等として複数の商品やサービスをリストにしてユーザに提示するサービスがある。グルメ情報サイトでは、飲食店が満席となるかどうかをシステム側で管理するケースは多くない。そのためグルメ情報サイトを利用するユーザの多くは、リストに含まれる飲食サービスの情報からサービスを受けたい飲食店を決め、その飲食店に電話等を用いて自ら利用可能か否か問い合せる。また物販サイトのサービスを利用するユーザは、リストとして提示される商品の情報をいくつか閲覧し、購入商品を決定する。
【0003】
また、表示されたリストに含まれる複数の情報のうち、アクセスが多い情報をリストの上位にし、そのリストを提示する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−16349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
あるユーザがリスト中の商品やサービスについて検討や購入などをする際に、サービスを提供する施設が満席であったり、商品の在庫がなかったり、リストに提示された商品やサービスの種類がリストを取得するための条件と整合していなかったり、というケースがある。このようなケースでは、そのユーザにとってそのサービスや商品を購入することは難しく、その他のユーザにとってもその購入が難しい可能性がある。一方、サイト側で商品やサービスの在庫を管理していない場合などでは、サイト側はそのケースを直接的に検出できないため、他のユーザへその商品やサービスの情報を提示する態様を変化させることはなかった。言い換えれば、他のユーザに対して、満席であったり、在庫がなかったり、リストを取得するための条件と整合していない可能性のある商品やサービスに関する情報が提示され、それによりユーザには満席の施設に問合せをしたり、そのサービスや商品の情報を閲覧するという手間をかけさせていた。
【0006】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであって、その目的は、商品やサービスの在庫を管理していないような場合において、例えばサービスを提供する施設が満席であった、在庫がなかったなどの理由によりユーザに提供することが難しい商品やサービスの情報をユーザに提供する可能性を抑えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかるリスト提示装置は、第1のユーザに向けて送信されるリスト情報であって、それぞれ取引対象を示す複数の項目を含むリスト情報を生成するリスト生成手段と、前記リスト情報に含まれる複数の項目のうち前記第1のユーザが選択した項目を取得する選択項目取得手段と、前記リスト情報に含まれる項目のいずれかである第1の項目が前記第1のユーザに選択される場合に、該リスト情報に含まれる項目のうち該第1のユーザに既に選択された第2の項目が示す取引対象に関連づけて記憶手段に記憶される表示優先度を下げる表示優先度変更手段と、を含み、前記リスト生成手段は、第2のユーザによる送信要求と、前記記憶手段に記憶される表示優先度とに基づいて、前記第2のユーザに向けて送信される新たなリスト情報を生成する、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかるリスト提示方法は、第1のユーザに向けて送信されるリスト情報であって、それぞれ取引対象を示す複数の項目を含むリスト情報を生成し、前記リスト情報に含まれる複数の項目のうち前記第1のユーザが選択した項目を取得し、前記リスト情報に含まれる項目のいずれかである第1の項目が前記第1のユーザに選択される場合に、該リスト情報に含まれる項目のうち該第1のユーザに既に選択された第2の項目が示す取引対象に関連づけて記憶手段に記憶される表示優先度を下げ、第2のユーザによる送信要求と、前記記憶手段に記憶される表示優先度とに基づいて、前記第2のユーザに向けて送信される新たなリスト情報を生成する、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかるプログラムは、第1のユーザに向けて送信されるリスト情報であって、それぞれ取引対象を示す複数の項目を含むリスト情報を生成し、前記リスト情報に含まれる複数の項目のうち前記第1のユーザが選択した項目を取得し、前記リスト情報に含まれる項目のいずれかである第1の項目が前記第1のユーザに選択される場合に、該リスト情報に含まれる項目のうち該第1のユーザに既に選択された第2の項目が示す取引対象に関連づけて記憶手段に記憶される表示優先度を下げ、第2のユーザによる送信要求と、前記記憶手段に記憶される表示優先度とに基づいて、前記第2のユーザに向けて送信される新たなリスト情報を生成する、処理をコンピュータに実行させる。
【0010】
また、本発明にかかるコンピュータ読取り可能な記憶媒体は、上記プログラムを格納する。
【0011】
本発明によれば、商品やサービスの在庫を管理していないような場合において、例えば満席であったなどの理由でユーザに提供することが難しい取引対象の情報をユーザに提供する可能性を抑えることができる。
【0012】
本発明の一態様では、前記リスト生成手段は、前記第1のユーザからの検索条件に応じて前記複数の項目を含み前記第1のユーザに向けて送信される前記リスト情報を生成し、前記表示優先度変更手段は、前記リスト情報に含まれる項目のいずれかである第1の項目が前記第1のユーザに選択される場合に、前記検索条件と該リスト情報に含まれる項目のうち該第1のユーザに既に選択された第2の項目が示す取引対象とに関連づけて記憶手段に記憶される表示優先度を下げ、前記リスト生成手段は、前記第2のユーザによる送信要求に含まれる検索条件と、当該検索条件および取引対象に関連づけて記憶手段に記憶された表示優先度とに基づいて、前記第2のユーザに向けて送信される新たなリスト情報を生成してもよい。
【0013】
この態様によれば、検索条件に対して表示されることが適切でない商品やサービスの情報をユーザに提供する可能性を抑えることができる。
【0014】
本発明の一態様では、前記リスト情報に含まれる複数の項目のうち前記第1のユーザが選択した項目および前記項目を選択した時刻は、前記第1のユーザおよび前記リスト情報と関連づけて該項目および該時刻を記憶する記憶手段に記憶され、前記表示優先度変更手段は、前記第1のユーザが前記リスト情報から前記第1の項目を選択した時刻と、前記第1のユーザが当該リスト情報から前記第2の項目を選択した時刻との間隔が所与の範囲にある場合に、前記第2の項目の表示優先度を下げてもよい。
【0015】
本発明の一態様では、前記表示優先度変更手段は、前記リスト情報に含まれる複数の項目のいずれかである第1の項目を選択する前に当該複数の項目のいずれかである第2の項目を選択するユーザの多さに基づいて前記第2の項目の表示優先度を下げてもよい。
【0016】
本発明の一態様では、前記表示優先度変更手段は、前記リスト情報に含まれる項目のいずれかである第1の項目が前記第1のユーザに選択される場合に、前記第1の項目が示す取引対象に関連づけられた属性と、前記第2の項目が示す取引対象に関連づけられた属性とに基づいて、前記第2の項目の表示優先度を下げてもよい。
【0017】
本発明の一態様では、前記表示優先度変更手段は、前記リスト情報に含まれる項目のいずれかである前記第1の項目が前記第1のユーザに選択される場合に、前記第1の項目が示す取引対象の価格と、前記第2の項目が示す取引対象の価格とに基づいて、前記第2の項目の表示優先度を下げてもよい。
【0018】
本発明の一態様では、前記表示優先度変更手段は、前記リスト情報に含まれる項目のいずれかである前記第1の項目が前記第1のユーザに選択される場合に、前記第1の項目が示す取引対象の位置情報と、前記第2の項目が示す取引対象の位置情報とに基づいて、前記第2の項目の表示優先度を下げてもよい。
【0019】
本発明の一態様では、前記表示優先度変更手段は、前記リスト情報に含まれる項目のいずれかである前記第1の項目が前記第1のユーザに選択される場合に、前記第1の項目が示す取引対象が属するカテゴリと、前記第2の項目が示す取引対象が属するカテゴリとに基づいて、前記第2の項目の表示優先度を下げてもよい。
【0020】
本発明の一態様では、前記リスト生成手段は、前記記憶手段に記憶される表示優先度に基づいて、前記第2のユーザによる送信要求に含まれる検索条件を満たす複数の取引対象のうち一部をリスト生成対象として決定し、前記決定された取引対象の数が閾値より小さい場合に、前記複数の取引対象の情報のうち前記決定された一部と、前記検索条件の一部が変更された条件を満たす複数の取引対象とをそれぞれ示す複数の項目を含む新たなリスト情報を生成してもよい。
【0021】
本発明の一態様では、前記リスト生成手段は、前記決定された取引対象の数が閾値より小さい場合に、前記複数の取引対象の情報のうち前記決定された一部と、前記検索条件のうち取引対象が属する領域が隣接または近接する領域に変更された条件を満たす複数の取引対象とをそれぞれ示す複数の項目を含む新たなリスト情報を生成してもよい。
【0022】
本発明の一態様では、前記リスト生成手段は、前記決定された取引対象の数が閾値より小さい場合に、前記複数の取引対象の情報のうち前記決定された一部と、前記検索条件のうち取引対象が属する領域が前記第2のユーザの移動方向にある領域に変更された条件を満たす複数の取引対象とをそれぞれ示す複数の項目を含む新たなリスト情報を生成してもよい。
【0023】
本発明の一態様では、前記表示優先度変更手段は、時間の経過に基づいて、下げられた表示優先度を初期値に戻してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態にかかる情報提示システムの構成の一例を示す図である。
図2】情報提示サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】情報提示サーバが実現する機能を示す機能ブロック図である。
図4】情報提示システムにおける動作の概要を示すシーケンス図である。
図5】検索条件入力画面の一例を示す図である。
図6】リスト画面の一例を示す図である。
図7】詳細画面の一例を示す図である。
図8】検索条件取得部およびリスト情報送信部の処理フローの一例を示す図である。
図9】商品サービス情報の一例を示す図である。
図10】優先度情報の一例を示す図である。
図11】選択項目取得部、詳細情報送信部および表示優先度変更部の処理フローの一例を示す図である。
図12】選択履歴の一例を示す図である。
図13】判定カウント情報の一例を示す図である。
図14図10からある時間が経過した後の優先度情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。同じ符号を付された構成については、重複する説明を省略する。以下では特に断りのない部分ではグルメ情報サイトの例に焦点をあてて説明する。ここで、商品やサービスのように商取引の対象となるものを「取引対象」と記載する。本実施形態の構成は飲食サービスを扱うグルメ情報サイトだけでなく様々な種類の取引対象を扱うサイトにも適用できる。
【0026】
図1は、本発明の実施形態にかかる情報提示システムの構成の一例を示す図である。この情報提示システムは、情報提示サーバ1と、クライアント装置2とを含む。これらは、ネットワーク3を介して接続されている。ネットワーク3は、例えばローカルエリアネットワークやインターネットといったものである。
【0027】
情報提示サーバ1は、サーバコンピュータである。情報提示サーバ1は、クライアント装置2からの要求に応じてデータベース等から情報を取得し、取得した情報をクライアント装置2に向けて送信する。クライアント装置2は、例えばスマートフォンやパーソナルコンピュータのようなコンピュータである。ここでは、情報提示サーバ1はウェブサーバプログラム(httpdなど)を実行し、ブラウザプログラムを実行するクライアント装置2によってユーザが入力した要求が情報提示サーバ1に送信され、情報提示サーバ1から送信された情報に応じた画面がユーザに提示される。
【0028】
図2は情報提示サーバ1のハードウェア構成の一例を示す図である。情報提示サーバ1は、プロセッサ11、記憶部12、通信部13、入出力部14を含む。
【0029】
プロセッサ11は、記憶部12に格納されているプログラムに従って動作する。またプロセッサ11は通信部13、入出力部14を制御する。なお、上記プログラムは、インターネット等を介して提供されるものであってもよいし、フラッシュメモリやDVD−ROM等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されるものであってもよい。
【0030】
記憶部12は、RAMやフラッシュメモリ等のメモリ素子やハードディスクドライブによって構成されている。記憶部12は、上記プログラムを格納する。また、記憶部12は、各部から入力される情報や演算結果を格納する。
【0031】
通信部13は、他の装置と通信する機能を実現するものであり、例えば無線LANの集積回路やアンテナなどにより構成されている。通信部13は、プロセッサ11の制御に基づいて、他の装置から受信した情報をプロセッサ11や記憶部12に入力し、他の装置に情報を送信する。
【0032】
入出力部14は、表示出力手段をコントロールするビデオコントローラや、入力デバイスからのデータを取得するコントローラなどにより構成される。入力デバイスとしては、キーボード、マウス、タッチパネルなどがある。入出力部14は、プロセッサ11の制御に基づいて、表示出力デバイスに表示データを出力し、入力デバイスをユーザが操作することにより入力されるデータを取得する。表示出力デバイスは例えば外部に接続されるディスプレイ装置である。なお、クライアント装置2も情報提示サーバ1と同様にプロセッサ11、記憶部12、通信部13、入出力部14を含む。クライアント装置2に含まれる入出力部は例えばスマートフォンに内蔵されるディスプレイに表示データを出力する。
【0033】
図3は、情報提示サーバ1が実現する機能を示す機能ブロック図である。情報提示サーバは、機能的に、条件入力画面送信部51と、検索条件取得部52と、リスト情報送信部53と、選択項目取得部54と、詳細情報送信部55と、表示優先度変更部56と、商品サービス情報格納部61と、選択履歴格納部62と、優先度情報格納部63と、を含む。これらの機能は、情報提示サーバ1に含まれるプロセッサ11が、記憶部12に格納されたプログラムを実行し通信部13等を制御することにより実現される。また、商品サービス情報格納部61は、情報提示サーバ1が提示する商品やサービス(取引対象の一種)に関する情報を格納するデータベースであり、選択履歴格納部62および優先度情報格納部63は、それぞれ後述する選択履歴および表示優先度に関する情報を格納する。商品サービス情報格納部61、選択履歴格納部62、および優先度情報格納部63は情報提示サーバ1の記憶部12を中心として実現されるが、情報提示サーバ1から独立しかつデータベースプログラムが実行される他のサーバコンピュータにより実現されてもよい。
【0034】
なお、クライアント装置2はブラウザプログラムを実行しており、情報提示サーバ1から受信したデータに基づいて表示出力デバイスへの画像の出力等によりユーザへ情報を提示し、ユーザからタッチパネルやキーボードなどを介して入力された情報を情報提示サーバ1へ送信する。
【0035】
図4は、情報提示システムにおける動作の概要を示すシーケンス図である。本シーケンス図は、あるユーザ(第1のユーザ)が操作する第1のクライアント装置2、他のユーザ(第2のユーザ)が操作する第2のクライアント装置2、および情報提示サーバ1の間での通信内容について時系列で示している。まず、機能ブロックと、クライアント装置2と情報提示サーバ1との間でやりとりされるデータとの関係を説明する。
【0036】
情報提示サーバ1の条件入力画面送信部51は、プロセッサ11、記憶部12および通信部13を中心として実現される。条件入力画面送信部51は、クライアント装置2に向けて検索条件入力画面データを送信する。検索条件入力画面データは、商品やサービスを検索するための検索条件を入力させる画面の情報である。これにより、クライアント装置2は検索条件入力画面をユーザが閲覧する表示出力デバイスに表示させ、ユーザが検索条件を入力することを可能にする。
【0037】
図5は、検索条件入力画面の一例を示す図である。図5に示す画面は、特定のURLを入力することによりクライアント装置2側の画面に表示されるグルメ情報サイトのトップページであり、検索用のキーワードを入力する領域と飲食サービスのジャンルを選択する領域とを含む検索条件入力領域70を有している。以下では、情報提示サーバ1がグルメ情報サイトを実現している場合を中心に説明する。ユーザが検索条件入力領域70にキーワードやジャンルといった検索条件を入力し「検索」ボタンを押下すると、クライアント装置2はそれらの検索条件を含む検索指示データを情報提示サーバ1に向けて送信する。
【0038】
情報提示サーバ1の検索条件取得部52は、プロセッサ11、記憶部12および通信部13を中心として実現される。検索条件取得部52は、クライアント装置2から検索指示データを受信し、ユーザが入力した検索条件を取得する。
【0039】
リスト情報送信部53は、プロセッサ11、記憶部12および通信部13を中心として実現される。リスト情報送信部53は、取得された検索条件に基づいて商品サービス情報格納部61を検索し、それぞれ取引対象を示す複数の項目のリストを示す情報であるリストデータを生成し、その生成されたリストデータをユーザが操作するクライアント装置2に向けて送信する。これにより、クライアント装置2はリスト画面を表示出力デバイスに表示させる。なお、リスト情報送信部53は、検索条件による検索を行わずに、既成の複数の項目のリストを示すリストデータを送信してもよい。
【0040】
図6は、リスト画面の一例を示す図である。本図に示すリストは、検索条件として、キーワードが「銀座」、ジャンルが「和食」で検索された場合に表示される飲食店(飲食サービス)のリストである。以下では、このリストに含まれる飲食サービスの一つ一つをリストの「項目」と記載する。図6の画面には、項目71から73の情報が表示されているが、実際にはより多くの項目の情報が表示されている。リスト画面では、各項目について、商品やサービスの概要を示す情報、例えば飲食サービス施設の店名や写真、サービスを受ける際の予算の目安、その施設へのアクセス方法といった情報が配置されている。ユーザがリンクのクリックなどにより、これらの項目のうちいずれかを選択すると、クライアント装置2は、その選択された項目を特定する情報(サービスID)とリストを特定する情報(リストID、検索条件)を含む選択項目データを情報提示サーバ1に送信する。なお、リストの項目は他の種類(商品など)の取引対象を示すものであってもよい。
【0041】
図6の例ではリストの項目は検索条件により検索された飲食店の情報であるが、予めサイト運営者が選んだ飲食店の情報であってもよい。また、ここではグルメ情報サイトの例を説明しているためリスト画面にはサービス(飲食店)の情報が配置されているが、例えば商品を販売するサイトであれば飲食サービス施設の代わりに商品の情報が配置されていてもよい。
【0042】
また、1つのリスト画面に表示される項目の数の上限(最大表示数)は決まっていてもよい。例えば、リスト情報送信部53は、はじめに検索結果のうち最大表示数の項目を含む画面のデータをクライアント装置2に送信し、次にリスト情報送信部53は、クライアント装置2からユーザが次のページを表示させるボタンを押下したことを示すデータを送信した場合に、次の最大表示数の項目を含む画面のデータをクライアント装置2に送信するようにしてよい。また、クライアント装置2が最大表示数の項目が表示されるリスト画面の下端までスクロールするユーザの操作を取得して送信し、リスト情報送信部53がその操作を示す情報を取得した場合に、リスト情報送信部53がそのリストの下に表示する複数の項目の情報をクライアント装置2に送信してもよい。
【0043】
選択項目取得部54は、クライアント装置2から選択項目データを受信し、リストのうちユーザにより選択された項目を取得する。そして、選択項目取得部54は、その項目のサービスIDを、リストIDや検索条件、ユーザと関連づけて選択履歴格納部62に記憶させる。
【0044】
そして、詳細情報送信部55は、選択された項目に相当する商品やサービスの情報である項目詳細データをクライアント装置2に送信する。これにより、クライアント装置2は詳細画面を表示出力デバイスに表示させる。
【0045】
図7は、詳細画面の一例を示す図である。図7に示す詳細画面には、リスト画面に表示されている内容に加え、飲食店の説明文やその飲食店が提供するメニュー、また飲食店に行くための地図、連絡先の電話番号といった情報が配置されている。
【0046】
表示優先度変更部56は、リストに表示される項目の順位やリストに表示されるか否かを制御するための表示優先度の情報を変更する処理(図4の「表示優先度変更処理」)を行う。処理の詳細については後述する。
【0047】
次に、図4を用いて代表的なケースにおける処理の流れについて説明する。はじめに、第1のクライアント装置2を操作する第1のユーザがブラウザで情報提示サーバ1の検索条件入力画面にアクセスすると、情報提示サーバ1の条件入力画面送信部51は第1のクライアント装置2に検索条件入力画面データを送信し、クライアント装置2は検索条件入力画面を表示させる。そして、第1のユーザが検索条件入力画面において検索を指示すると、第1のクライアント装置2は検索指示データが送信する。情報提示サーバ1の検索条件取得部52がその検索指示データを取得すると、リスト情報送信部53が商品サービス情報格納部61に格納されたサービスの情報を検索し、検索された複数のサービスを含むリストの情報であるリストデータを生成し、生成されたリストデータを送信する。
【0048】
第1のクライアント装置2がリストデータを受信すると、リスト画面を表示出力デバイスに表示させる。第1のユーザは、リストをみて提供を希望するサービスの候補を決め、リスト中にあるその候補の項目を選択する。例えば図6では飲食店「富士」を選択したとする。すると、第1のクライアント装置2は選択項目データを送信し、それに応じて情報提示サーバ1の詳細情報送信部55は項目詳細データを送信する。クライアント装置2は例えば図7に示すような詳細画面を表示出力デバイスに表示させる。
【0049】
すると、第1のユーザはこの詳細画面をみてこの飲食店を利用するか(このサービスの提供を受けるか)否かを決定する。そして、ユーザは、サービスの提供を受けようとする場合には、この画面に表示される飲食店の電話番号に電話して空き席があり予約可能か問い合せる。そして、予約可能であれば第1のユーザはグルメ情報サイトの利用を終了し、リスト中の他の項目を選択することはない。なお、第1のユーザが電話の代わりに予約用の画面を用いて予約するような場合も、予約が完了すればリスト中の他の項目を選択することはない。また、もし物販サイトで商品の詳細が表示される場合には、ユーザがその商品を購入するか判断し、購入する場合にはその商品を買い物カゴにいれるなどの購入操作を続ける。この場合にも第1のユーザは通常はリスト中の他の項目を選択することはない。
【0050】
一方、空き席がなく予約ができなかった場合には第1のユーザはブラウザの「戻る」ボタン等を押下してリスト画面に戻り、次の候補となる項目(例えば図6における「あい」)を押下する。すると、第1のクライアント装置2は選択項目データを情報提示サーバ1に送信し、情報提示サーバ1は新たな項目についての項目詳細データをクライアント装置2に送信する。また、第1のユーザが詳細画面をみて何らかの問題を発見し候補から外す場合にも、一般的には第1のユーザは次の候補となる項目を選択し、第1のクライアント装置2は選択項目データを情報提示サーバ1に送信する。ここで、時間間隔t1は前回の選択項目データの受信時刻と今回の選択項目データの受信時刻との間隔である。時間間隔t1の利用については後述する。
【0051】
このように、第1のユーザによってリスト画面においてリストからある項目(第1の項目)を選択する前に、同じリストの他の項目(第2の項目)を選択している場合には、前に選択された第2の項目の商品やサービスの提供を受けることが第1のユーザにとって難しいことが考えられる。これは他のユーザにとってもこの商品やサービスを受けることが難しい可能性がある。表示優先度変更処理は、このことを利用してリストに属する項目の表示優先度を変更する処理である。ここでは、表示優先度変更処理により第2の項目について表示優先度が下がったものとする。
【0052】
表示優先度変更処理が行われた後に、第2のクライアント装置2を操作する第2のユーザ(第1のユーザと異なるユーザとする)が第1のユーザが選択した第2の項目が含まれうるリストを出力させるための検索条件を入力すると、第2のクライアント装置2は検索指示データを情報提示サーバ1に送信する。そして情報提示サーバ1のリスト情報送信部53は、第2の項目の表示順位が繰り下げられたか、あるいは第2の項目が含まれないリストを示すリストデータを生成し、生成されたリストデータを第2のクライアント装置2に向けて送信する。例えば図6の例で第1のユーザがはじめに「富士」の項目71を選択し、次に「あい」の項目72を選択することで「富士」の項目71の表示優先度が下がった場合には、リスト情報送信部53は「富士」の項目71がリスト画面の下側に表示されたり、「富士」の項目71が含まれないリスト画面のリスト情報を送信する。
【0053】
このように第1のユーザが第2の項目の後に第1の項目を選択することにより第2の項目の表示優先度が下がり、後からアクセスする第2のユーザに提示するリスト画面における第2の項目の順位が低下したりその第2の項目の提示そのものが抑止されると、第2のユーザに対して問題が起きやすい情報の提供を実質的に抑えることができ、ユーザが無駄な作業をするケースの発生を抑えることができ、それに伴うユーザからのリクエストの量の低減により、サーバの負荷も軽減することができる。
【0054】
次に、検索条件が送信されてからこのリスト情報を送信する際の処理の詳細について説明する。図8は、検索条件取得部52およびリスト情報送信部53の処理フローの一例を示す図である。
【0055】
クライアント装置2が検索指示データを送信すると、検索条件取得部52はその検索指示データを取得し、検索指示データからサービス(取引対象の一例)の検索条件を取得する(ステップS101)。検索条件は、図5の例であれば検索キーワードや検索ジャンルである。以下では単に「検索条件」と記す場合は商品サービス情報を検索する際の検索条件を指すものとする。
【0056】
次に、リスト情報送信部53は、取得された検索条件を用いて商品サービス情報格納部61に格納されている商品サービス情報を検索し、検索された商品サービス情報を取得する(ステップS102)。この際、検索された商品サービス情報と検索条件との適合の度合いを示す検索スコアを合わせて取得してもよい。
【0057】
図9は、商品サービス情報の一例を示す図である。図9はグルメ情報サイトにおける飲食サービスの情報の例であり、1行が1つの商品サービス情報に対応している。図9の例では、各商品サービス情報は、サービスを特定するためのサービスID、名称、飲食サービスのジャンル、飲食サービス施設が存在するエリア、施設の紹介文、予算の目安、アクセス、そして飲食サービス施設の人気度といった要素を含んでいる。1つの商品サービス情報に含まれる各要素は、例えばグルメ情報サイトにおける詳細画面に表示する内容であり、実際には図9に記載されている以外の情報の要素も1つの商品サービス情報に含まれている。図5図9の例では、検索条件は、商品サービス情報のうち詳細画面に表示される要素の文字列等が検索キーワードを含み、かつ商品サービス情報のジャンルが検索ジャンルと同じであることである。なお、商品を販売するサイトでは、商品サービス情報は、その商品を特定するための商品ID(実質的にサービスIDと同じものである)や、名称、カテゴリ(ジャンル)、価格などを含んでよい。また、商品サービス情報は、人気度だけでなく、満足度のような他の指標も用いて算出された評価スコアを含んでいてもよい。
【0058】
次に、リスト情報送信部53は、優先度情報格納部63から、検索された各商品サービス情報の表示優先度を取得する(ステップS103)。表示優先度は表示優先度変更部56の表示優先度変更処理によって、サービスIDと検索条件との組み合わせに関連付けられた優先度情報として優先度情報格納部63に記憶されている。
【0059】
図10は、優先度情報の一例を示す図である。図10の1行は1つの優先度情報に相当し、各優先度情報は、サービスID、検索条件を示す検索キーワード及び検索ジャンル、表示優先度、また表示優先度の更新時刻といった要素を有する。リスト情報送信部53は、検索条件である検索キーワードおよび検索ジャンルと、検索された商品サービス情報(取引対象)のサービスIDとをキーとして優先度情報を検索し、検索された優先度情報に含まれる表示優先度を、その商品サービス情報に対する表示優先度として取得する。なお、図10の例では、表示優先度が高いほど表示優先度の値が大きいとする。また優先度情報が優先度情報格納部63に格納されていない場合には、そのサービスIDおよび検索条件における表示優先度はデフォルトの値(たとえば0)であるとする。なお、表示優先度の値と表示優先度との関係は後述の表示用スコアとの整合性が確保される限りは任意に定めることができ、表示優先度が高いほど表示優先度の値を小さくしてもよい。
【0060】
表示優先度が取得されると、リスト情報送信部53は、人気度や表示優先度、そして検索条件との類似度(検索スコア)などに基づいて検索された商品サービス情報の表示用スコアを算出する(ステップS104)。ここでは表示用スコアは、表示優先度の値や人気度の値が高いほど、そして検索条件と商品サービス情報との類似度が大きいほど大きくなる。また、表示用スコアが大きいほどリスト中で表示される順位が前になるものとする。なお、リスト情報送信部53は、表示用スコアの算出に、前述の評価スコアも用いてよい。
【0061】
各項目の表示用スコアが計算されると、リスト情報送信部53は各商品サービス情報をその表示用スコアの降順でソートし(ステップS105)、ソートされた商品サービス情報をソートされた順番で格納するリストデータを生成する(ステップS106)。ここで、リストデータに格納される商品サービス情報のそれぞれがそのリストデータの項目である。すると、表示用スコアが高いものほど上位になるリストを示すリストデータが送信される。また、リスト情報送信部53は表示用スコアが閾値より低い一部の商品サービス情報についてはリストの生成対象から除外し(他の商品サービス情報をリスト生成対象とする)、その一部の商品サービス情報を格納しないリストデータを生成してもよい。なお、リストデータに含まれる各項目は、サービスIDや名称、予算、アクセスといった情報を含んでおり、またリストデータは検索条件や一意に生成されたリストIDを含んでいる。また、検索条件をリストを特定するために使用してもよく、その場合はリストデータがリストIDを含まなくてもよい。
【0062】
ここで、リスト情報送信部53は、一部の商品サービス情報がリストの生成対象から除外されたなどの理由により、リストデータに格納すべき商品サービス情報の数が、最低件数より小さい場合には、検索条件の一部を変更し、その変更された検索条件により検索された商品サービス情報もリストの生成対象に加えてもよい。より具体的には、検索条件を解析し、サービスを提供する飲食店が存在するエリアの条件を取得する。そして、そのエリアの条件を、そのエリアに隣接または近接するエリア(隣の駅周辺のエリアなど)の条件に変更し、その変更された検索条件を満たす商品サービス情報を検索する。そして見つけられた商品サービス情報について人気度等に基づいてソートし、ソートされた商品サービス情報をリストデータのこれまでに格納された項目の次の項目から追加して格納する。こうすることでリスト情報送信部53は、当初の検索条件で検索されリスト生成対象とされた商品サービス情報と、変更された検索条件により検索された商品サービス情報とをそれぞれ示す複数の項目を含むリスト情報を生成する。また、単に隣接または近接するエリアでなく、ユーザの移動方向や現在位置から一定時間後に到達する可能性の高いエリアを推定し、そのエリアで検索条件を変更してもよい。
【0063】
そして、リストデータが生成されると、リスト情報送信部53は生成されたリストデータをユーザに向けて送信する(ステップS107)。
【0064】
次に、表示優先度の変更に関する処理について説明する。図11は、選択項目取得部54、詳細情報送信部55および表示優先度変更部56の処理フローの一例を示す図である。ここでは、情報提示サーバ1が、選択項目データを受信することをトリガとして表示優先度を変更する処理を実行する場合の例について説明するが、処理を実行するタイミングは異なっていてもよい。たとえば表示優先度を変更する処理をバックグラウンドで周期的に実行してもよい。以下では図11の処理フローにしたがって選択項目取得部54、詳細情報送信部55および表示優先度変更部56の処理の詳細を説明する。図11は飲食サービスについての処理を記載しているが、サービスの情報(サービスIDなど)の代わりに商品の情報(商品IDなど)を用いれば、商品についても同じ処理を適用できる。
【0065】
選択項目取得部54は、ユーザが操作するクライアント装置2から選択項目データを受信すると、その選択項目データから選択された項目(受信された項目)を特定するサービスID、そのユーザを特定するユーザID、検索条件、リストIDを取得する(ステップS201)。このサービスIDはリストに含まれる複数の項目のうちユーザが選択した項目を示すものである。
【0066】
次に、詳細情報送信部55は、受信された項目についてより詳細な情報(電話番号、写真、地図、メニューなど)を商品サービス情報格納部61から取得し、受信された項目に応じた詳細画面を表示するための項目詳細データを生成し、その生成された項目詳細データを送信する(ステップS202)。
【0067】
そして、詳細情報送信部55が項目詳細データを送信した後に、表示優先度変更部56は、あるユーザにより選択された第1の項目であってステップS201で受信された選択項目データに含まれる第1の項目と、この第1の項目より前に同じユーザにより同じリストについて選択された第2の項目とを比較する。そして詳細情報送信部55は第1の項目と第2の項目が異なる場合に第2の項目の表示優先度を下げる処理を行う。なお、第1の項目と第2の項目を比較しその比較結果に応じて表示優先度を下げる処理は、ステップS202の処理と並行して行ってもよい。
【0068】
より詳細には、表示優先度変更部56は、はじめに、選択履歴格納部62に格納される複数の選択履歴から、ステップS201で受信された項目(第1の項目)と同じユーザにより前回選択された項目(第2の項目)であって同じリストについて選択された項目についての選択履歴を取得する(ステップS203)。ステップS203では、表示優先度変更部56は受信された選択項目データに含まれるユーザIDとリストIDとをキーとして選択履歴を検索する。
【0069】
図12は、選択履歴の一例を示す図である。選択履歴は、ユーザIDごとに生成されており、各選択履歴は、ユーザID、選択時刻、サービスID、リストID、リストの検索条件(検索キーワードおよび検索ジャンル)を含んでいる。選択履歴に含まれる情報は、そのユーザIDのユーザにより選択された項目についてのものであり、選択項目データを受信した際に格納される情報である。選択時刻はその項目をユーザが選択した(あるいは選択項目データを受信した)時刻であり、リストIDは選択された項目が含まれるリストを特定する情報である。例えば、図12は、ユーザIDが「userZ」であるユーザは、リストID「5011」のリストに対して、17時48分にサービスIDが「r3001」である項目を選択し、17時50分にサービスIDが「r3002」である項目を選択していることを示している。なお、ステップS203の時点では図12に示す選択履歴にはステップS201で取得されユーザが選択した項目についての情報は記憶されていない。
【0070】
表示優先度変更部56は、ステップS203において選択履歴が検索された場合(ステップS204のY)には、受信された項目(第1の項目)のサービスIDと、選択履歴のサービスID(第2の項目)とを比較する(ステップS205)。そして、比較された2つの項目(サービスID)が互いに異なっており(ステップS205のY)、かつ第1の項目についての選択時刻と、第2の項目の選択履歴の選択時刻との時間間隔t1が予め定められた範囲内(例えば5分位内や1分以上10分以内など)にある場合(ステップS206のN)には、第2の項目のサービスIDおよびリストの検索条件に関連づけられて記憶部12に記憶されたユーザの多さを示す判定カウントを増減させる(ステップS207)。
【0071】
図13は、判定カウント情報の一例を示す図である。判定カウント情報はサービスや商品とリストの検索条件の組合せにより一意となる情報であり、記憶部12に記憶される判定カウント情報のそれぞれは、サービスID、リストの検索条件(検索キーワード、検索ジャンル)、判定カウント、更新時刻を含む。判定カウント情報は、情報提示サーバ1の記憶部12に格納されているが、他のサーバに格納されていてもよい。
【0072】
ステップS207では、表示優先度変更部56はユーザの多さを示す判定カウントを1増やし、さらに時間経過を考慮して判定カウントを減少させてもよい。例えば、前回の判定カウントの更新から時間が経過するほど、判定カウント情報の判定カウントを小さくしてもよい。表示優先度変更部56はこの判定カウントを所定の時間が経つ毎に1ずつ減らしてもよいし、0.1ずつ減らしてもよい。表示優先度変更部56は、例えば、判定カウント情報の更新時刻と現在時刻との差が大きくなるほどより大きい値を判定カウントから減算してもよいし、判定カウント情報の更新時刻と現在時刻との差がある閾値より大きい場合に判定カウントを0に設定し直してもよい。また、表示優先度変更部56はステップS207の処理のタイミングでさらにその判定カウントを減少させる処理を行ってもよい。これらの処理により、判定カウントは互いに異なる第1の項目と第2の項目とを選択するユーザの多さを示し、判定カウントの増減は過去の一定期間におけるそのユーザの数の増減の傾向を示している。なお、ステップS207の処理のような記憶部12に判定カウントを記憶させる処理を行わずに、毎回判定カウントを計算してもよい。表示優先度変更部56は現在から一定時間前までの間に第2の項目が選択されたことを示す選択履歴のうち、さらにその前の予め定められた範囲内の時刻(時間間隔t1に対応)に他の項目が選択されている選択履歴の数(ユーザの数)をユーザの多さを示す判定カウントとして取得してもよい。この場合、判定カウントがユーザの数を示すようになる。
【0073】
そして、表示優先度変更部56は、ステップS207で判定カウントが変更されかつ第2の項目およびリストの検索条件についての判定カウントの値が予め定められた判定閾値より大きい場合には(ステップS208のY)、このサービスについての表示優先度を下げる(ステップS209)。より具体的には、表示優先度変更部56は、優先度情報格納部63にこのサービスIDおよび検索条件の組合せについて優先度情報が格納されている場合には、当該サービスIDに対応する優先度情報に含まれる表示優先度の値から予め定められた値を減少させ、その減少した値で優先度情報格納部63に格納された当該サービスIDに対応する優先度情報の表示優先度を更新し、また現在時刻で更新時刻を更新する。一方、このサービスIDおよび検索条件の組合せについて優先度情報が格納されていない場合には、予め定められた初期値(例えば0)から予め定められた値を減少させ、その減少した表示優先度の値と、サービスID、検索条件、現在時刻(更新時刻)を有する優先度情報を優先度情報格納部63に新規に格納する。また、優先度情報はさらに初回更新時刻を含んでもよい。この場合、表示優先度変更部56は、更新前の表示優先度が予め定められた初期値である場合に初回更新時刻を現在時刻で更新し、優先度情報が格納されていない場合に初回更新時刻を含む優先度情報を優先度情報格納部63に格納する。更新時刻および初回更新時刻は、後述の処理で利用されてもよい。なお表示優先度変更部56は、このサービスIDおよび検索条件の組合せについて判定カウントが0になった場合には、その組合せについての表示優先度を初期値に戻してもよい。
【0074】
このようにして表示優先度が設定された後に、検索条件取得部52が、ユーザからこの優先度情報と同じ検索条件で検索することを指示する検索指示データを受信すると、その検索条件について図8に示すような処理が行われる。これにより、表示優先度の値が小さくなったサービスや商品は、表示優先度が下げられた後に新たに生成されたリストにおいて表示順位が下がったり、当該新たに生成されたリストから外されたりする。
【0075】
ユーザがリストの第1の項目を選択した後にそのリストの他の項目である第2の項目を選択する原因としては、飲食サービスの場合には第1の項目の飲食店に電話したものの満席で断られたり、第1の項目のサービス(や商品)が検索条件との関係で適切でない場合など、サービスや商品に何らかの問題があるケースが一定以上の割合で含まれると考えられる。
【0076】
一方、表示優先度変更部56は、優先度情報を検索条件と関連付けず、サービスID(または商品ID)のみと関連づけて優先度情報格納部63に格納してもよい。この場合、ステップS207における判定カウントの情報についても検索条件と関連づけずに格納する。この場合、検索条件と項目との関係が適切かどうかを反映できないため精度が落ちる可能性はあるものの、飲食店が満席になって予約できなくなるケースは検出でき、また他の検索条件で検索されたリストにおいて提供されることが難しいサービスや商品が上位に提示されてしまう恐れを軽減することが可能になる。
【0077】
ここで、表示優先度変更部56は、第1の項目における属性と、第2の項目における属性とが等しいか否かにも基づいて第2の項目の表示優先度を下げる処理を行ってもよい。例えば、ステップS207の判定カウントを増加させる処理において、例えば以下のいずれかの条件を満たす場合に、判定カウントを増加させたり、この場合における判定カウントの増加量を他の場合より大きくしてもよい。この条件の1つは、第1の項目のサービスにおけるジャンル(カテゴリ)と第2の項目のジャンルが同一または同一の親カテゴリを有する兄弟関係にあることである。他の1つの条件は、第1の項目と第2の項目における予算(標準的な価格)が、どちらも同一または近い価格帯にある、または予算の差が閾値より小さいことである。他の1つの条件は、第1の項目および第2の項目における飲食店の間の距離が所定の距離より小さい、またはエリアが一致するという条件である。他にも第1の項目における紹介文中のキーワードのいずれかが第2の項目のものと一致することを条件としてもよい。
【0078】
ユーザがわざわざ同じ属性を有し互いに共通点のあるサービスの項目を順に選んでいる場合には、その種類のサービスを受けようとする(商品を購入しようとする)意思が共通点のないサービスを順に選ぶ場合より大きいと考えられる。したがって、ある項目の次に別の項目が選択される操作が、ユーザの気まぐれではなく前の項目について何らかの問題があることを示す可能性がより高いと考えられる。したがって、サービスの属性を考慮することで、サービスや商品の提供に何らかの問題があるか否かを表示優先度により精密に反映することが可能になる。
【0079】
そして、ステップS204からS209の処理が行われた後に、選択項目取得部54は、その項目を特定するサービスIDを、ユーザID、検索条件、リストID、およびこの項目が選択された選択時刻と関連づけて選択履歴格納部62に記憶させる(ステップS210)。ここで、選択履歴はユーザIDにより一意となる情報であり、選択履歴格納部62に現在のユーザIDにおける選択履歴が格納されている場合にはその選択履歴の選択時刻と検索条件とを更新し、選択履歴が格納されていない場合には選択履歴格納部62に新たな選択履歴を追加する。記憶された選択履歴は、次回以降に同じユーザがリストの項目を選択することにより、図11に示すような処理が実行される際に用いられる。
【0080】
なお、表示優先度変更部56は、取引対象の表示優先度が下げられてから一定時間経過した場合に該取引対象の表示優先度の値を初期値にリセットしてもよい。例えば表示優先度変更部56は優先度情報格納部63に格納された優先度情報のうち更新時刻(代わりに初回更新時刻でもよい)と現在時刻との間隔が一定(例えば3時間)以上のものを定期的に検索し、検索された優先度情報の表示優先度を初期値にリセットしてよい。こうすることで、時間の経過により空席ができるなどのケースを考慮することも可能になる。なお、商品やサービスごとにその定期的な検索に用いる間隔を異ならせて設定できるようにしてもよい。
【0081】
図14は、図10からある時間が経過した後の優先度情報の一例を示す図である。例えば、サービスID「r0001」の表示優先度は、図10の状態から3時間経って図14では初期値である0にリセットされている。
【0082】
ある取引対象について一度下がった表示優先度が、時間が経過することで元に戻ることにより、在庫管理がされていない取引対象のように、満席や在庫切れといった時間により解決しうる一時的な理由でユーザに提供できなくなるものについてより現実に即した表示優先度の制御が可能になる。こうすることで、本来なら上位に見えるべき取引対象であって一時的な問題で表示優先度が下がった取引対象について、その一時的な問題が解消する可能性が高いタイミングで再び元の表示優先度にしたがったリストを表示させることが可能となる。
【符号の説明】
【0083】
1 情報提示サーバ、2 クライアント装置、3 ネットワーク、11 プロセッサ、12 記憶部、13 通信部、14 入出力部、51 条件入力画面送信部、52 検索条件取得部、53 リスト情報送信部、54 選択項目取得部、55 詳細情報送信部、56 表示優先度変更部、61 商品サービス情報格納部、62 選択履歴格納部、63 優先度情報格納部、70 検索条件入力領域、71,72,73 項目、t1 時間間隔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14