特許第6162806号(P6162806)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6162806移動端末及び無線周波数信号の送受信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6162806
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】移動端末及び無線周波数信号の送受信方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/525 20150101AFI20170703BHJP
   H04B 1/52 20150101ALI20170703BHJP
   H04B 1/56 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   H04B1/525
   H04B1/52
   H04B1/56
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-527767(P2015-527767)
(86)(22)【出願日】2013年7月23日
(65)【公表番号】特表2015-532042(P2015-532042A)
(43)【公表日】2015年11月5日
(86)【国際出願番号】CN2013079865
(87)【国際公開番号】WO2013178159
(87)【国際公開日】20131205
【審査請求日】2015年2月20日
(31)【優先権主張番号】201210298725.4
(32)【優先日】2012年8月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509024525
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100105463
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100101063
【弁理士】
【氏名又は名称】松丸 秀和
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジャンチャン
(72)【発明者】
【氏名】トン,シャンジー
【審査官】 石田 昌敏
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−091349(JP,U)
【文献】 特開2005−354407(JP,A)
【文献】 特開平10−200442(JP,A)
【文献】 特表2007−504776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38− 1/58
H04B 1/10− 1/14
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動端末であって、アンテナ、及び前記アンテナと接続された無線通信送信モジュールと移動マルチメディア放送受信モジュールを含み、前記無線通信送信モジュールと前記アンテナの間に第1フィルタが接続され、前記移動マルチメディア放送受信モジュールと前記アンテナの間には第2フィルタが接続され、
前記第1フィルタと第2フィルタは、前記無線通信送信モジュールが信号を送信する際、前記移動マルチメディア放送受信モジュールに対する側波帯ノイズを抑制するように設定され
前記無線通信送信モジュールは、第1無線通信送信モジュールと第2無線通信送信モジュールを含み、前記第1無線通信送信モジュールがグローバル移動通信システム(GSM)900の無線通信送信モジュールであり、前記第2無線通信送信モジュールがパーソナル通信サービス(PCS)1900の無線通信送信モジュールであり、
前記移動マルチメディア放送受信モジュールは、第1移動マルチメディア放送受信モジュールと第2移動マルチメディア放送受信モジュールを含み、前記第1移動マルチメディア放送受信モジュールが中国モバイルマルチメディア放送(CMMB)のU周波数帯受信モジュールであり、前記第2移動マルチメディア放送受信モジュールがCMMBのS周波数帯受信モジュールであり、
前記第1フィルタは、前記GSM900とPCS1900の無線通信送信モジュールが送信した信号を通過させるが、前記CMMBのU周波数帯とS周波数帯受信モジュールの側波帯ノイズを減衰させるように設定された移動端末。
【請求項2】
切り替えスイッチを更に含み、前記第1無線通信送信モジュールと前記第2無線通信送信モジュールは前記切り替えスイッチを介して前記アンテナと接続され、
前記切り替えスイッチは、前記第1無線通信送信モジュール又は前記第2無線通信送信モジュールの信号を前記アンテナに送信するように制御するように設定された請求項1に記載の移動端末。
【請求項3】
前記第1フィルタがバンドパスフィルタであり、前記切り替えスイッチは前記バンドパスフィルタを介して前記アンテナと接続された請求項2に記載の移動端末。
【請求項4】
前記第1フィルタは、第1ハイパスフィルタと第1ローパスフィルタを含み、前記第1無線通信送信モジュールは前記第1ハイパスフィルタを介して前記切り替えスイッチと接続され、前記第2無線通信送信モジュールは前記第1ローパスフィルタを介して前記切り替えスイッチと接続された請求項2に記載の移動端末。
【請求項5】
記第2フィルタがバンドストップフィルタであり、前記第1移動マルチメディア放送受信モジュールと前記第2移動マルチメディア放送受信モジュールはそれぞれ前記バンドストップフィルタを介して前記アンテナと接続された請求項3又は4に記載の移動端末。
【請求項6】
記第2フィルタは、第2ローパスフィルタと第2ハイパスフィルタを含み、前記第1移動マルチメディア放送受信モジュールは前記第2ローパスフィルタを介して前記アンテナと接続され、前記第2移動マルチメディア放送受信モジュールは前記第2ハイパスフィルタを介して前記アンテナと接続された請求項3又は4に記載の移動端末。
【請求項7】
無線周波数信号の送受信方法であって、
移動端末は、無線通信サービスと移動マルチメディア放送サービスが並行する場合、送信しようとする無線通信サービスの信号をフィルタリングし、無線通信サービスの信号を送信することによる移動マルチメディア放送サービスの信号に対する側波帯ノイズを抑制し、アンテナを介して無線通信サービスの信号を送信することと、
前記移動端末は、同時に前記アンテナを介して移動マルチメディア放送サービスの信号を受信し、前記移動マルチメディア放送サービスの信号をフィルタリングし、無線通信サービスの信号を送信することによる移動マルチメディア放送サービスの信号に対する側波帯ノイズを抑制することと、を含み、
送信しようとする無線通信サービスの信号は、第1無線通信送信モジュールと第2無線通信送信モジュールが送信した信号を含み、前記第1無線通信送信モジュールがグローバル移動通信システム(GSM)900の無線通信送信モジュールであり、前記第2無線通信送信モジュールがパーソナル通信サービス(PCS)1900の無線通信送信モジュールであり、
前記移動マルチメディア放送サービスの信号は、第1移動マルチメディア放送受信モジュールと第2移動マルチメディア放送受信モジュールが受信した移動マルチメディア放送サービスの信号を含み、前記第1移動マルチメディア放送受信モジュールが中国モバイルマルチメディア放送(CMMB)のU周波数帯受信モジュールであり、前記第2移動マルチメディア放送受信モジュールがCMMBのS周波数帯受信モジュールであり、
前記第1無線通信送信モジュールと前記第2無線通信送信モジュールが送信した無線通信サービスの信号に対してフィルタを使用して、前記GSM900とPCS1900の無線通信送信モジュールが送信した信号を通過させるが、前記CMMBのU周波数帯とS周波数帯受信モジュールの側波帯ノイズを減衰させる無線周波数信号の送受信方法。
【請求項8】
記第1無線通信送信モジュールと前記第2無線通信送信モジュールが送信した無線通信サービスの信号は何れもバンドパスフィルタでフィルタリングされ、又は、前記第1無線通信送信モジュールが送信した無線通信サービスの信号は第1ハイパスフィルタでフィルタリングされ、前記第2無線通信送信モジュールが送信した無線通信サービスの信号は第1ローパスフィルタでフィルタリングされる請求項に記載の方法。
【請求項9】
記第1移動マルチメディア放送受信モジュールと前記第2移動マルチメディア放送受信モジュールが受信した移動マルチメディア放送サービスの信号は何れもバンドストップフィルタでフィルタリングされ、又は、前記第1移動マルチメディア放送受信モジュールが受信した移動マルチメディア放送サービスの信号は第2ローパスフィルタでフィルタリングされ、前記第2移動マルチメディア放送受信モジュールが受信した移動マルチメディア放送サービスの信号は第2ハイパスフィルタでフィルタリングされる請求項に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信及び移動マルチメディア放送の技術分野に関し、特に移動端末及び無線周波数信号の送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中国モバイルマルチメディア放送(China Mobile Multimedia Broadcasting,CMMB)は、モバイルテレビ受信標準STiMiを採用し、該標準は30MHz〜3000MHzの周波数範囲内の放送サービス周波数に適用され、CMMBは、衛星と地上によりテレビ、放送、データ情報などのマルチメディア信号を無線送信する放送システムであり、国内ローミングを実現することができる。CMMBは、2セットの受信システムを採用して、同時にU周波数帯(470MHz〜798MHz)とS周波数帯(2635〜2660MHz)をサポートし、U周波数帯は、地上中継ネットワークからの信号を受信し、S周波数帯は、衛星からのテレビ放送信号を受信する。
【0003】
現在、全てのCMMB端末手段は、全て独立的なアンテナを採用してCMMBの受信を実現しており、これは、携帯電話端末の通信周波数帯域がCMMBの周波数帯域と非常に近接し、携帯電話通信モジュールの側波帯ノイズがCMMBの受信周波数帯域内にあるためで、CMMBの受信に干渉を発生し、受信感度に影響し、受信した番組にエラーコードが出現することを引き起こし、特にグローバル移動通信システム(GSM)900の送信周波数帯域(880MHz〜915MHz)とCMMBのU受信周波数帯域(470MHz〜798MHz)とは非常に近接し、CMMBの受信に対する影響がより大きく、3GPPプロトコルにおけるストレイに対する試験標準によると、GSM900は、U周波数帯でストレイに対する最小要求が−36dBm@3MHzであり、CMMBのU周波数帯の受信感度は−95dBm@8MHzよりも高いと要求され、同じ周波数干渉は9.2dBよりも低いと要求され、同じ周波数干渉は−85.8dBm@8MHzよりも大きくすることができないと推定される。最悪の場合には、GSM900送信による側波帯ノイズのU周波数帯が−36dBm@3MHzであり、CMMBが受けられる同じ周波数干渉を大幅に超えると考えられるからである。
【0004】
また、パーソナル通信サービス(PCS)1900の送信周波数帯域(1850MHz〜1910MHz)とCMMBのS受信周波数帯域も非常に近接し、CMMBのS周波数帯受信にも影響するが、影響はGSM900と比べてわずかに小さくなり、これらの周波数帯域の干渉を低減するために、現在の一般的な手段は、CMMBと通信モジュールがそれぞれアンテナを個別に設置する方式を採用して空間で分離され、空間での分離度を向上させることによって、CMMBが同じ周波数干渉を受けることを避ける。しかし、このような方式は、構造設計の難しさが増加するとともに、ハードウェアのコストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例が解決しようとする技術的課題は、同一のアンテナを採用して無線通信と移動マルチメディア放送を実現することができる移動端末及び無線周波数信号の送受信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するために、本発明の実施例の移動端末は、アンテナ、及び前記アンテナと接続された無線通信送信モジュールと移動マルチメディア放送受信モジュールを含み、前記無線通信送信モジュールと前記アンテナの間に第1フィルタが接続され、前記移動マルチメディア放送受信モジュールと前記アンテナの間には第2フィルタが接続され、
前記第1フィルタと第2フィルタは、前記無線通信送信モジュールが信号を送信する際、前記移動マルチメディア放送受信モジュールに対する側波帯ノイズを抑制するように設定されている。
【0007】
選択的に、前記移動端末は切り替えスイッチを更に含み、前記無線通信送信モジュールは第1無線通信送信モジュールと第2無線通信送信モジュールを含み、前記第1無線通信送信モジュールと前記第2無線通信送信モジュールは切り替えスイッチを介して前記アンテナと接続され、
前記切り替えスイッチは、前記第1無線通信送信モジュール又は前記第2無線通信送信モジュールの信号を前記アンテナに送信するように制御するように設定されている。
【0008】
選択的に、前記第1フィルタがバンドパスフィルタであり、前記切り替えスイッチは前記バンドパスフィルタを介して前記アンテナと接続されている。
【0009】
選択的に、前記第1フィルタは、第1ハイパスフィルタと第1ローパスフィルタを含み、前記第1無線通信送信モジュールは前記第1ハイパスフィルタを介して前記切り替えスイッチと接続され、前記第2無線通信送信モジュールは前記第1ローパスフィルタを介して前記切り替えスイッチと接続されている。
【0010】
選択的に、前記移動マルチメディア放送受信モジュールは、第1移動マルチメディア放送受信モジュールと第2移動マルチメディア放送受信モジュールを含み、前記第2フィルタがバンドストップフィルタであり、前記第1移動マルチメディア放送受信モジュールと前記第2移動マルチメディア放送受信モジュールはそれぞれ前記バンドストップフィルタを介して前記アンテナと接続されている。
【0011】
選択的に、前記移動マルチメディア放送受信モジュールは、第1移動マルチメディア放送受信モジュールと第2移動マルチメディア放送受信モジュールを含み、前記第2フィルタは、第2ローパスフィルタと第2ハイパスフィルタを含み、前記第1移動マルチメディア放送受信モジュールは前記第2ローパスフィルタを介して前記アンテナと接続され、前記第2移動マルチメディア放送受信モジュールは前記第2ハイパスフィルタを介して前記アンテナと接続されている。
【0012】
選択的に、前記第1無線通信送信モジュールがグローバル移動通信システム(GSM)900の無線通信送信モジュールであり、前記第2無線通信送信モジュールがパーソナル通信サービス(PCS)1900の無線通信送信モジュールであり、前記第1移動マルチメディア放送受信モジュールが中国モバイルマルチメディア放送(CMMB)のU周波数帯受信モジュールであり、前記第2移動マルチメディア放送受信モジュールがCMMBのS周波数帯受信モジュールである。
【0013】
本発明の実施例の無線周波数信号の送受信方法であって、
移動端末は、無線通信サービスと移動マルチメディア放送サービスが並行する場合、送信しようとする無線通信サービスの信号をフィルタリングし、無線通信サービスの信号を送信することによる移動マルチメディア放送サービスの信号に対する側波帯ノイズを抑制し、アンテナを介して無線通信サービスの信号を送信することと、
前記移動端末は、同時に前記アンテナを介して移動マルチメディア放送サービスの信号を受信し、前記移動マルチメディア放送サービスの信号をフィルタリングし、無線通信サービスの信号を送信することによる移動マルチメディア放送サービスの信号に対する側波帯ノイズを抑制することと、を含む。
【0014】
選択的に、前記移動端末は、第1無線通信送信モジュールと第2無線通信送信モジュールを含み、前記第1無線通信送信モジュールと前記第2無線通信送信モジュールが送信した無線通信サービスの信号は何れもバンドパスフィルタでフィルタリングされ、又は、前記第1無線通信送信モジュールが送信した無線通信サービスの信号は第1ハイパスフィルタでフィルタリングされ、前記第2無線通信送信モジュールが送信した無線通信サービスの信号は第1ローパスフィルタでフィルタリングされる。
【0015】
選択的に、前記移動端末は、第1移動マルチメディア放送受信モジュールと第2移動マルチメディア放送受信モジュールを含み、前記第1移動マルチメディア放送受信モジュールと前記第2移動マルチメディア放送受信モジュールが受信した移動マルチメディア放送サービスの信号は何れもバンドストップフィルタでフィルタリングされ、又は、前記第1移動マルチメディア放送受信モジュールが受信した移動マルチメディア放送サービスの信号は第2ローパスフィルタでフィルタリングされ、前記第2移動マルチメディア放送受信モジュールが受信した移動マルチメディア放送サービスの信号は第2ハイパスフィルタでフィルタリングされる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明の実施例は無線通信リンクとCMMB受信通路にフィルタを増設する方法により、無線通信送信モジュールの送信周波数帯域の側波帯ノイズを抑制し、無線通信送信モジュールとCMMBのアンテナ共用を実現することができ、端末における無線通信送信モジュールの無線周波数信号がCMMBに対して干渉するのを防止し、本発明の実施例における無線通信送信モジュールGSM900/PCS1900の周波数帯域とCMMBのU/S周波数帯は1つのアンテナを共用することができ、構造設計の難しさとハードウェアのコストを低減し、同時に2つの無線周波数システムは一緒に作動することができ、無線通信送信モジュールがCMMBの受信性能に干渉しない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の実施例の移動端末のシステムブロック図である。
図2図2は、本発明の実施例の移動端末のシステムブロック図である。
図3図3は、本発明の実施例の移動端末のシステムブロック図である。
図4図4は、本発明の実施例の移動端末のシステムブロック図である。
図5図5は、本発明の実施例に採用するバンドパスフィルタが達成しようとする「振幅の幅〜周波数」特性の模式図である。
図6図6は、本発明の実施例に採用するバンドストップフィルタが達成しようとする「振幅の幅〜周波数」特性の模式図である。
図7図7は、本発明の実施例に採用する第1ハイパスフィルタが達成しようとする「振幅の幅〜周波数」特性の模式図である。
図8図8は、本発明の実施例に採用する第1ローパスフィルタが達成しようとする「振幅の幅〜周波数」特性の模式図である
図9図9は、本発明の実施例に採用する第2ハイパスフィルタが達成しようとする「振幅の幅〜周波数」特性の模式図である。
図10図10は、本発明の実施例に採用する第2ローパスフィルタが達成しようとする「振幅の幅〜周波数」特性の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例を詳しく説明する。なお、矛盾が生じない場合に、本出願における実施例及び実施例における特徴を互いに任意に組み合わせることができる。
【0019】
本発明の実施例は、それぞれ無線通信送信モジュールのブランチにフィルタを増設する方法とCMMBの受信ブランチにフィルタを増設する方法により、アンテナを共用する際、CMMBのU周波数帯とS周波数帯が同じ周波数干渉を受信する技術的問題を解決する。
【0020】
本実施形態の移動端末は、アンテナと、無線通信送信モジュールと、移動マルチメディア放送受信モジュールと、第1フィルタ及び第2フィルタとを含み、アンテナは、それぞれ無線通信送信モジュールと移動マルチメディア放送受信モジュールに接続され、第1フィルタは、無線通信送信モジュールとアンテナの間に接続され、第2フィルタは、移動マルチメディア放送受信モジュールとアンテナの間に接続され、第1フィルタと第2フィルタは、無線通信送信モジュールが信号を送信する際、移動マルチメディア放送受信モジュールに対する側波帯ノイズを抑制するように設定されている。
【0021】
以下、図面を参照しながら、本実施形態の移動端末を説明する。
【0022】
図1に示すように、無線通信送信モジュールは、第1無線通信送信モジュールと第2無線通信送信モジュールを含み、移動マルチメディア放送受信モジュールは、第1移動マルチメディア放送受信モジュールと第2移動マルチメディア放送受信モジュールを含み、第1無線通信送信モジュールと第2無線通信送信モジュールは、切り替えスイッチを介してアンテナと接続され、切り替えスイッチは、第1無線通信送信モジュールの信号をアンテナに送信するか、又は第2無線通信送信モジュールの信号をアンテナに送信するかを制御する。
【0023】
図1において、第1フィルタはバンドパスフィルタであり、第1無線通信送信モジュールと第2無線通信送信モジュールは、それぞれ切り替えスイッチと接続され、切り替えスイッチは、更にバンドパスフィルタと接続され、バンドパスフィルタは、アンテナに接続されている。第2フィルタはバンドストップフィルタであり、第1移動マルチメディア放送受信モジュールと第2移動マルチメディア放送受信モジュールは、それぞれバンドストップフィルタと接続され、バンドストップフィルタは、更にアンテナに接続されている。
【0024】
第1無線通信送信モジュールはGSM900無線通信送信モジュールであり、第2無線通信送信モジュールはPCS1900無線通信送信モジュールであり、第1移動マルチメディア放送受信モジュールはCMMBのU周波数帯受信モジュールであり、第2移動マルチメディア放送受信モジュールはCMMBのS周波数帯受信モジュールである。
【0025】
アンテナと無線通信送信モジュールの間にバンドパスフィルタを増設し、このフィルタは、GSM900とPCS1900の送信周波数帯域の信号を順調に通過させることができるが、CMMBのU周波数帯とS周波数帯の側波帯ノイズは大幅に減衰させ、GSM900の送信がU周波数帯で発生する側波帯干渉を効果的に抑制することができ、PCS1900の送信がS周波数帯で発生する側波帯干渉を効果的に抑制することができ、CMMBが受信した同じ周波数干渉を減少する。
【0026】
アンテナと、CMMBのU周波数帯とS周波数帯の受信通路との間に、バンドストップフィルタを増設し、GSM900とPCS1900の送信周波数帯域の側波帯信号を再度効果的に抑制するが、CMMBの信号に対して何れの減衰がない。
【0027】
図2に示すように、本実施形態においては、第1フィルタは、第1ハイパスフィルタと第1ローパスフィルタを含み、第1ハイパスフィルタは、第1無線通信送信モジュールと切り替えスイッチと接続され、第1ローパスフィルタは、第2無線通信送信モジュールと切り替えスイッチと接続され、切り替えスイッチは、更にアンテナと接続されている。第2フィルタは、第2ローパスフィルタと第2ハイパスフィルタを含み、第2ローパスフィルタは、それぞれ第1移動マルチメディア放送受信モジュールとアンテナと接続され、第2ハイパスフィルタは、それぞれ第2移動マルチメディア放送受信モジュールとアンテナとに接続されている。
【0028】
図3に示すように、本実施形態においては、第1フィルタは、バンドパスフィルタであり、第1無線通信送信モジュールと第2無線通信送信モジュールは、それぞれ切り替えスイッチと接続され、切り替えスイッチは、更にバンドパスフィルタと接続され、バンドパスフィルタは、アンテナと接続されている。第2フィルタは、第2ローパスフィルタと第2ハイパスフィルタを含み、第2ローパスフィルタは、それぞれ第1移動マルチメディア放送受信モジュールとアンテナと接続され、第2ハイパスフィルタは、それぞれ第2移動マルチメディア放送受信モジュールとアンテナと接続されている。
【0029】
図4に示すように、本実施形態においては、第1フィルタは、第1ハイパスフィルタと第1ローパスフィルタを含み、第1ハイパスフィルタは、第1無線通信送信モジュールと切り替えスイッチと接続され、第1ローパスフィルタは、第2無線通信送信モジュールと切り替えスイッチと接続され、切り替えスイッチは、更にアンテナと接続されている。第2フィルタは、バンドストップフィルタであり、第1移動マルチメディア放送受信モジュールと第2移動マルチメディア放送受信モジュールは、それぞれバンドストップフィルタと接続され、バンドストップフィルタは、更にアンテナと接続されている。
【0030】
以下、それぞれ本実施形態が、どのようにアンテナ共用手段において、GSM900送信周波数帯域がCMMBのU周波数帯受信に対する同じ周波数干渉を、及びPCS1900送信周波数帯域がCMMBのS周波数帯受信に対する同じ周波数干渉を除去するかを説明する。
【0031】
図1を参照して、通常の待機状態の下では、通信モジュールとCMMBモジュールはそれぞれ無線周波数の受信状態にあり、通信モジュールにおけるGSM900の送信周波数帯域がCMMBを干渉しない。起動する際、GSM900がネットワークを検索し始め、登録が成功した後、待機のアイコンが見え、CMMBモジュールも信号を受信した後、待機状態にある。CMMB放送を起動した後、CMMBは通常の受信状態にある。GSM900が着信を有する際、ユーザが応答した後、通信モジュールは通話状態にあり、GSM900無線通信送信モジュールの最大電力が33dBmであり、U周波数帯で側波帯ノイズが−36dBm@3MHzであり、図5に示すバンドパスフィルタの23dBの減衰を経た後、GSM900の側波帯ノイズが−64dBm@1MHzに低減され、CMMBのチャネル帯域幅が8MHzであるので、更に図6に示すバンドストップフィルタの35dBの減衰を経た後、CMMBのU周波数帯受信モジュールの同じ周波数干渉信号である−99dBm@1MHzに達する。また、CMMBプロトコルから、U周波数帯は受信感度が−99dBm@1MHzである場合、耐えられる最大の同じ周波数干渉が−89.8dBmであることを検出することができ、前の計算結果から、GSM900 の側波帯による干渉がCMMBの耐えられる限界状況よりも小さく、U周波数帯のCMMB受信機を干渉しなく、CMMBのテレビ番組信号が正常に復調されることができることを保証し、ユーザの視聴に影響しないことが見出せる。
【0032】
以下、本実施形態は、どのようにして、アンテナを共用する際、PCS1900周波数帯域がCMMBのS周波数帯受信に対する同じ周波数干渉を除去することを説明する。通常の待機状態の下では、通信モジュールとCMMBモジュールは、それぞれ無線周波数受信状態にあり、通信モジュールにおけるPCS1900無線通信送信モジュールがCMMBを干渉しない。起動する際、PCS1900がネットワークを検索し始め、登録が成功した後、待機のアイコンが見え、CMMBモジュールも信号を受信した後、待機状態にある。CMMB放送を起動した後、CMMBは通常の受信状態にある。PCS1900が着信を有する際、ユーザが応答した後、通信モジュールが通話状態にあり、PCS1900無線通信送信モジュールの最大電力が30dBmであり、S周波数帯で側波帯ノイズが−30dBm@3MHzであり、図5に示すバンドパスフィルタの30dBの減衰を経た後、PCS1900の側波帯のノイズ信号が−65dBm@1MHzに低減され、CMMBのチャネル帯域幅が8MHzであるので、更に図6に示すバンドストップフィルタの34dBの減衰を経た後、CMMBのS周波数帯受信チップの同じ周波数干渉信号である−99dBm@1MHzに達する。S周波数帯は受信感度が−99dBmである場合、耐えられる最大の同じ周波数干渉が−89.8dBmであり、前の計算結果から、PCS1900の側波帯による干渉がCMMBの耐えられる限界状況よりも小さく、S周波数帯のCMMB受信機を干渉しなく、CMMBのテレビ番組信号が正常に復調されることができることを保証し、ユーザの視聴に影響しないことが見出せる。
【0033】
図2図4の手段において、バンドパスフィルタは、第1ハイパスフィルタと第1ローパスフィルタで代替してもよく、「振幅の幅〜周波数」特性はそれぞれ図7図8に示すようであり、バンドストップフィルタは、第2ハイパスフィルタと第2ローパスフィルタで代替してもよく、「振幅の幅〜周波数」特性はそれぞれ図9図10に示すようである。非一体型切り替えスイッチとCMMBモジュールに対して、図2図4の手段はより柔軟で、フィルタの実現もより簡単で、キャパシタンスとインダクタンスを採用してフィルタリングを完全に実現することができ、コストもより低い。
【0034】
本実施形態は、更に無線周波数信号の送受信方法を提供し、移動端末は無線通信サービスと移動マルチメディア放送サービスが並行する際、送信しようとする無線通信サービスの信号をフィルタリングし、無線通信サービスの信号を送信することによる移動マルチメディア放送サービスの信号に対する側波帯ノイズを抑制し、アンテナを介して無線通信サービスの信号を送信すること、及び同時にアンテナを介して移動マルチメディア放送サービスの信号を受信し、移動マルチメディア放送サービスの信号をフィルタリングし、無線通信サービスの信号を送信することによる移動マルチメディア放送サービスの信号に対する側波帯ノイズを抑制すること、を含む。
【0035】
第1無線通信送信モジュールと第2無線通信送信モジュールが送信した無線通信サービスの信号は、何れもバンドパスフィルタでフィルタリングされ、又は、第1無線通信送信モジュールが送信した無線通信サービスの信号は、第1ハイパスフィルタでフィルタリングされ、第2無線通信送信モジュールが送信した無線通信サービスの信号は、第1ローパスフィルタでフィルタリングされる。
【0036】
第1移動マルチメディア放送受信モジュールと第2移動マルチメディア放送受信モジュールが受信した移動マルチメディア放送サービスの信号は、何れもバンドストップフィルタでフィルタリングされ、又は、第1移動マルチメディア放送受信モジュールが受信した移動マルチメディア放送サービスの信号は、第2ローパスフィルタでフィルタリングされ、第2移動マルチメディア放送受信モジュールが受信した移動マルチメディア放送サービスの信号は、第2ハイパスフィルタでフィルタリングされる。
【0037】
明らかなように、当業者は、上記の本発明の実施例の各モジュール又は各ステップは汎用の計算装置によって実現することができ、それらは単一の計算装置に集積してよいし、又は複数の計算装置からなるネットワークに分布されてもよく、選択的に、それらは、計算装置が実行可能なプログラムコードで実現してよく、それにより、それらを記憶装置に記憶して計算装置で実行してよく、又は、それらをそれぞれ各集積回路モジュールに製造して、又は、それらにおける複数のモジュール又はステップを単一の集積回路モジュールに製造して実現してよいことを、了解すべきである。このように、本発明の実施例は、如何なる特定なハードウェアとソフトウェアの組み合わせに限定されるものではない。
【0038】
前記のものは単に本発明の好ましい実施例であるだけに過ぎず、本発明を限定するためのものではない。当業者にとっては、本発明の実施例は各種の変更や変形が可能である。本発明の実施例の主旨と理念にある限り、行った何れの修正、等価置き換え、改善などは、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の実施例は、無線通信リンクとCMMB受信通路にフィルタを増設する方法により、無線通信送信モジュールの送信周波数帯域の側波帯ノイズを抑制し、無線通信送信モジュールとCMMBのアンテナ共用を実現することができ、端末における無線通信送信モジュールの無線周波数信号がCMMBに対して干渉するのを防止し、本発明の実施例における無線通信送信モジュールGSM900/PCS1900の周波数帯域とCMMBのU/S周波数帯は1つのアンテナを共用することができ、構造設計の難しさとハードウェアのコストを低減し、同時に2つの無線周波数システムは一緒に作動することができ、無線通信送信モジュールがCMMBの受信性能に干渉しない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10