特許第6162842号(P6162842)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6162842
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】密封容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/40 20060101AFI20170703BHJP
   B65D 43/06 20060101ALI20170703BHJP
   B65D 55/02 20060101ALI20170703BHJP
   B65D 77/20 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   B65D77/40
   B65D43/06
   B65D55/02
   B65D77/20 B
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-58463(P2016-58463)
(22)【出願日】2016年3月23日
【審査請求日】2016年5月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】508127074
【氏名又は名称】信和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100069062
【弁理士】
【氏名又は名称】田代 和夫
(72)【発明者】
【氏名】横尾 信一郎
【審査官】 二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−202208(JP,A)
【文献】 特開2005−047511(JP,A)
【文献】 特開2006−306475(JP,A)
【文献】 特開2010−132302(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/093458(WO,A1)
【文献】 米国特許第03753512(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/40
B65D 43/06
B65D 55/02
B65D 77/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口部(5)を有した容器本体(3)と、該容器本体の開口部(5)に着脱可能に嵌合する蓋体(30)とからなる密閉容器(1)において、前記容器本体(3)は、開口部(5)の外周縁に前記蓋体(30)を着脱可能に嵌合する係止爪部(6)と蓋体(30)の周縁に設けた係止鍔部(33)を支持する環状溝部(8)を一体に形成し、該環状溝部の一部に設けた開口凹部(13)に、前記蓋体(30)の無断開封を防止する開閉操作片(14)を前記開口凹部(13)から剥離可能で一体に設けてなり、前記蓋体(30)は、容器本体(3)の開口部(5)を閉口する蓋部(31)の内周縁に前記容器本体(3)の開口部(5)に設けた係止爪部(6)と嵌合する係合部(32)と、前記容器本体(3)の環状溝部(8)に嵌る平坦な係止鍔部(33)を一体に設けてなり、前記開口凹部(13)に収容した開閉操作片(14)は、環状溝部(8)の外周面と一体に連接する外壁部(15)の両端垂直方向に薄肉厚に形成した破砕溝部(21)を設け、前記外壁部(15)の内側に前記環状溝部(8)の鍔部(10)及び平坦部(11)と同形の鍔部(16)と平坦部(17)を一体に形成し、該平坦部の内縁(17a)に設けた少なくとも1以上の支持部(18)の先端を前記開口凹部(13)の内縁(13a)と破砕可能で一体に形成してなり、前記容器本体(3)の開口部に設けた環状溝部(8)に嵌合した蓋体(30)の開封は、前記開閉操作片(14)を外方向に引っ張って破砕溝部(21)の一方を破断させると同時に、支持部(18)の先端を開口凹部(13)の内縁(13a)から破断させて離脱させることにより、開閉操作片(14)を片開きさせて開口凹部(13)内に位置した蓋体(30)の係止鍔部(33)の一部を露出させ、露出した係止鍔部(33)を上方に押し上げて係止爪部(6)から蓋体(30)の係合部(32)を離脱させることにより容器本体(3)から蓋体(30)を取り外し可能に形成してなることを特徴とする密封容器。
【請求項2】
前記開閉操作片(14)は、平坦部(17)の内縁(17a)で水平方向に三角形状をした少なくとも1以上の支持部(18)設け、該支持部の先端を前記開口凹部(13)の内縁(13a)と破砕可能な一体に形成し、前記支持部(18)の裏面垂直方向にそれぞれ補強リブ部(19)を一体に設けてなり、環状溝部(8)の外周面と一体に連接する外壁部(15)の両端垂直方向に薄肉厚に形成した破砕溝部(21)を設け、前記外壁部(15)の内側に前記環状溝部(8)の鍔部(10)及び平坦部(11)と同形の鍔部(16)と平坦部(17)を一体に形成し、該平坦部の内縁(17a)に設けた少なくとも1以上の支持部(18)の先端を前記開口凹部(13)の内縁(13a)と破砕可能で一体に形成してなり、前記開閉操作片(14)を外方向に引っ張って破砕溝部(21)の一方を破断させると同時に、支持部(18)の先端を開口凹部(13)の内縁(13a)から破断させて離脱させることにより、開閉操作片(14)を片開きさせて開口凹部(13)内に位置した蓋体(30)の係止鍔部(33)の一部を露出させ、露出した係止鍔部(33)を上方に押し上げて係止爪部(6)から蓋体(30)の係合部(32)を離脱させることにより容器本体(3)から蓋体(30)を取り外し可能に形成してなることを特徴とする請求項1記載の密封容器。
【請求項3】
前記開閉操作片(14)は、外壁部(15)の下端水平方向に保持部(20)を設け、該保持部の両側で前記環状溝部(8)の下端水平方向に保持部(20)を保護する保護鍔部(25)をそれぞれ設けてなり、環状溝部(8)の外周面と一体に連接する外壁部(15)の両端垂直方向に薄肉厚に形成した破砕溝部(21)を設け、前記外壁部(15)の内側に前記環状溝部(8)の鍔部(10)及び平坦部(11)と同形の鍔部(16)と平坦部(17)を一体に形成し、該平坦部の内縁(17a)に設けた少なくとも1以上の支持部(18)の先端を前記開口凹部(13)の内縁(13a)と破砕可能で一体に形成してなり、前記開閉操作片(14)を外方向に引っ張って破砕溝部(21)の一方を破断させると同時に、支持部(18)の先端を開口凹部(13)の内縁(13a)から破断させて離脱させることにより、開閉操作片(14)を片開きさせて開口凹部(13)内に位置した蓋体(30)の係止鍔部(33)の一部を露出させ、露出した係止鍔部(33)を上方に押し上げて係止爪部(6)から蓋体(30)の係合部(32)を離脱させることにより容器本体(3)から蓋体(30)を取り外し可能に形成してなることを特徴とする請求項1記載の密封容器。
【請求項4】
前記開閉操作片(14)は、外壁部(15)の両端に設けた破砕溝部(21)の上下両端に切欠部(22、23)を設けてなり、環状溝部(8)の外周面と一体に連接する外壁部(15)の両端垂直方向に薄肉厚に形成した破砕溝部(21)を設け、前記外壁部(15)の内側に前記環状溝部(8)の鍔部(10)及び平坦部(11)と同形の鍔部(16)と平坦部(17)を一体に形成し、該平坦部の内縁(17a)に設けた少なくとも1以上の支持部(18)の先端を前記開口凹部(13)の内縁(13a)と破砕可能で一体に形成してなり、前記開閉操作片(14)を外方向に引っ張って破砕溝部(21)の一方を破断させると同時に、支持部(18)の先端を開口凹部(13)の内縁(13a)から破断させて離脱させることにより、開閉操作片(14)を片開きさせて開口凹部(13)内に位置した蓋体(30)の係止鍔部(33)の一部を露出させ、露出した係止鍔部(33)を上方に押し上げて係止爪部(6)から蓋体(30)の係合部(32)を離脱させることにより容器本体(3)から蓋体(30)を取り外し可能に形成してなることを特徴とする請求項1記載の密封容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャム、アイスクリームなどの食品を収納する密封容器で、合成樹脂材により形成した容器本体と蓋体とからなり、密封状態を維持した状態で無断開封防止機能を有する容器の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、合成樹脂材により形成したジャム、マーガリン、アイスクリームなどの食品を収納する密封容器は多種多様で、その容器と蓋板との嵌合方法も多様である。特に、食品容器は異物の混入や不正開封を防止するため、蓋板を閉じた状態での無断開封を防止する封印を設けた容器が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第3753512号
【特許文献2】特開平10−250754号
【0004】
しかし、前者の発明は、容器本体の開口部周縁に係止爪部を設け、下端に嵌合溝部を有した本体チャネルを形成してなり、蓋板は、周縁内部に前記係止爪部に係止する係合部と、下端に前記嵌合溝部に嵌る嵌合壁部を有し、容器本体に被せた蓋板の嵌合壁部が嵌合溝部に嵌って外部から外せない構造になっている。さらに、本体チャネルの一部に蓋板の嵌合壁部を開封するためのタブ手段を設けてあるが、該タブ手段は、嵌合壁部の外縁の延長上に形成した縁部を上方側から外側に広げて蓋体の嵌合壁部を露出させ、該露出部分から蓋体の嵌合壁部を持ち上げて外す構造になっている。したがって、タブ手段が上方から外側に押し下げる操作であるため簡単に開いてしまう。そのため、容器の搬送中や容器の積み変え中に誤ってタブ手段を引掛けて外側に押し下げて開封するおそれがあり、誤って開封すると商品として販売することができないので、大変不経済である。
【0005】
また後者の容器は、前記容器と同様に容器本体の開口部周縁に係止爪部を設け、下端に嵌合溝部を設けてある。蓋板は、周縁内部に前記係止爪部に係止する係合部と、下端に前記嵌合溝部に嵌る嵌合壁部を有し、容器本体に被せた蓋板の嵌合壁部が嵌合溝部に嵌り外部から外せない構造になっている。容器を開封する場合、容器本体の嵌合溝部を構成する外周立ち上がり片の一端に設けた摘み片を引っ張ることにより、外周立ち上がり片が内周立ち上がり片から剥離して蓋板の嵌合壁部を露出させ、該嵌合壁部の下端を上方に押し上げることにより、蓋板を外すことができる。しかし、摘み片を設けた外周立ち上がり片全体を剥がさなければならず、操作が面倒である。また、切り離された外周立ち上がり片はごみとなるため、処分しなければならず面倒であるなど多くの問題点を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、搬送中の商品や商品陳列の際に誤って開封されるのを防止し、また、容器を開封するときに開封片を本体から切り離すことなく、容器に接続させた状態で開封させることにより不要なごみの発生を防止し、且つ、効率的に蓋体を開封可能に形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明は、上方に開口部5を有した容器本体3と、該容器本体の開口部5に着脱可能に嵌合する蓋体30とからなる密閉容器1において、前記容器本体3は、開口部5の外周縁に前記蓋体30を着脱可能に嵌合する係止爪部6と蓋体30の周縁に設けた係止鍔部33を支持する環状溝部8を一体に形成し、該環状溝部の一部に設けた開口凹部13に、前記蓋体30の無断開封を防止する開閉操作片14を一体に設けてなり、前記蓋体30は、容器本体3の開口部5を閉口する蓋部31の内周縁に前記容器本体3の開口部5に設けた係止爪部6と嵌合する係合部32と、前記容器本体3の環状溝部8に嵌る平坦な係止鍔部33を一体に設けてなり、前記容器本体3の開口部5に設けた環状溝部8に嵌合した蓋体30の開封は、環状溝部8の開口凹部13に設けた開閉操作片14の一端を破断し、開口凹部13を開封して蓋体30の係止鍔部33の一部を露出させ、該露出部分の係止鍔部33を上方に押し上げることにより、蓋体30を容器本体3から取り外し可能に形成してなることを特徴とする。また、前記環状溝部8は、水平な平坦部11の内縁に補強段部9を形成し、外側に蓋体30の係止鍔部33の無断開口を防止する鍔部10を一体に設けてなることを特徴とする。さらに、前記開口凹部13に収容した開閉操作片14は、環状溝部8の外周面と一体に連接する外壁部15の両端垂直方向に薄肉厚に形成した破砕溝部21を設け、前記外壁部15の内側に前記環状溝部8の鍔部10及び平坦部11と同形の鍔部16と平坦部17を一体に形成し、該平坦部の内縁17aに設けた少なくとも1以上の支持部18の先端を前記開口凹部13の内縁13aと破砕可能で一体に形成してなり、前記開閉操作片14を外方向に引っ張って破砕溝部21の一方を破断させると同時に、支持部18の先端を開口凹部13の内縁13aから破断させて離脱させることにより、開閉操作片14を片開きさせて開口凹部13内に位置した蓋体30の係止鍔部33の一部を露出させ、露出した係止鍔部33を上方に押し上げて係止爪部6から蓋体30の係合部32を離脱させることにより容器本体3から蓋体30を取り外し可能に形成してなることを特徴とする。さらにはまた、前記開閉操作片14は、平坦部17の内縁17aで水平方向に三角形状をした少なくとも1以上の支持部18設け、該支持部の先端を前記開口凹部13の内縁14aと破砕可能な一体に形成し、前記支持部18の裏面垂直方向にそれぞれ補強リブ部19を一体に設けてなることを特徴とする。また、前記開閉操作片14は、外壁部15の下端水平方向に保持部20を設け、該保持部の両側で前記環状溝部8の下端水平方向に保持部20を保護する保護鍔部25をそれぞれ設けてなることを特徴とする。さらに、前記開閉操作片14は、外壁部15の両端に設けた破砕溝部21の上下両端に切欠部22、23を設けてなることを特徴とする。
【0008】
したがって、密封容器1の容器本体3は、開口部5の外周縁に蓋体30を着脱可能に係止する係止爪部6と、蓋体30の係止鍔部33を収容する環状溝部8を設け、該環状溝部の一部に設けた開口凹部13に開閉可能な開閉操作片14を環状溝部8と一体に形成してなり、蓋体30は、前記容器本体3の係止爪部6に嵌合する係合部32と環状溝部8に収容する係止鍔部33を一体に形成したことにより、容器本体3に蓋体30を嵌合させたとき、通常の手段(手)では開封することができない無断開封を防止する封印機能を持たせることができる。開封は、環状溝部8の一部に設けた開口凹部13を閉口してある開閉操作片14を破断して左右いずれかの方向に開口凹部13を開封し、該開口凹部に位置した蓋体30の係止鍔部33の一部を押し上げることにより、容易に蓋体30を取り外すことができる。また、前記開閉操作片14は、環状溝部8の外壁面と開閉操作片14の外壁部15とを同一面に形成してあるため、搬送中や商品の出し入れのときに引っ掛かる虞がないため、誤って開封するのを防止することができる。さらに、開閉操作片14の開封は、薄厚に形成した左右いずれかの破砕溝部21から破断するため、残りの破砕溝部21が環状溝部8と連結した状態になることから開閉操作片14がゴミとなる虞がないなど有益なる効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る密封容器の正面図である。
図2】本発明に係る密封容器の平面図である。
図3図2のA―A線断面図である。
図4】容器本体に設けた環状溝部の要部拡大断面図である。
図5】蓋体の係止鍔部を示す要部拡大断面図である。
図6図2のB―B線拡大断面図である。
図7】容器本体の環状溝部に設けた開閉操作片の要部拡大正面図である。
図8】容器本体の環状溝部に設けた開閉操作片の要部拡大平面図である。
図9】容器本体の環状溝部に設けた開閉操作片の要部拡大底面図である。
図10図7のC―C線拡大断面図である。
図11】環状溝部に設けた開口凹部を開封した状態の要部拡大断面図である。
図12】開口凹部内の係止鍔部を押し上げる状態の要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態を図面により説明すると、図1は本発明に係る密封容器の正面図、図2は本発明に係る密封容器の平面図、図3図2のA―A線断面図、図4は容器本体に設けた環状溝部の要部拡大断面図、図5は蓋体の係止鍔部を示す要部拡大断面図、図6図2のB―B線要部拡大断面図、図7は容器本体の環状溝部に設けた開閉操作片の要部拡大正面図、図8は容器本体の環状溝部に設けた開閉操作片の要部拡大平面図、図9は容器本体の環状溝部に設けた開閉操作片の要部拡大底面図である。密封容器1は、合成樹脂シート材を押し出し成形により形成した上方に開口部5を有する容器本体3と、前記容器本体3の開口部5に着脱可能に嵌合する蓋体30とからなる。
【0011】
前記容器本体3は、図1から4に示すごとく、上方開口部5の外周縁に係止爪部6を形成し、該係止爪部の下方に前記蓋体30の係止鍔部33を収容する環状溝部8を一体に形成してある。
【0012】
また、前記環状溝部8は、図4に示すごとく、水平な平坦部11の内縁に補強段部9を形成し、外側には環状溝部8に収容した蓋体30の係止鍔部33を無断開封されるのを防止する高さを有した鍔部10を一体に形成してある。
【0013】
前記環状溝部8は、図8に示すごとく、平坦部11の一部を開口した開口凹部13を形成し、該開口凹部内に前記蓋体30の無断開封を防止する開閉可能な開閉操作片14を一体に収容してある。
【0014】
前記開閉操作片14は、図7〜9に示すごとく、環状溝部8の外周面と同一面で一体に形成した外壁部15の内側に、前記環状溝部8の鍔部10及び平坦部11と同一形状の鍔部16と平坦部17を一体に形成し、外壁部15の両端に前記開口凹部13の端部と環状溝部8とが接合する部分の垂直方向に薄肉厚に形成した破断可能な破砕溝部21を一体に設けてある。
【0015】
前記開閉操作片14の平坦部17は、内縁17aの水平方向にそれぞれ三角形状をした3本の支持部18を設け、該各支持部の先端を前記開口凹部13の内縁13aと破断可能で一体に形成してある。この開閉操作片14の内側に設けた支持部18は、先端を開口凹部13の内縁13aと一体に形成したことにより、開口凹部13内に位置した開閉操作片14の強度を維持することができる。
【0016】
また、前記支持部18は、図9に示すごとく、各支持部18の裏面で垂直方向に補強リブ部19を一体に設けて支持部18が外圧で変形するのを防止している。
【0017】
さらに、前記開閉操作片14は、外壁部15の下端水平方向に開閉操作片14を引き出すための保持部20を一体に形成し、該保持部の両側で環状溝部8の下端水平方向に、前記保持部20を保護するための保護鍔部25をそれぞれ設けてある。
【0018】
開閉操作片14は、外壁部15の両端に設けた破砕溝部21の上端に、上部切欠部22を設け、下端保持部20には、下部切欠部23をそれぞれ設けてある。この破砕溝部21の上下両端に切欠部22,23を設けたことにより、開閉操作片14を外方向に引っ張ったとき、接合面積を少なくすることができるので左右いずれかの破砕溝部21を容易に破断させることができる。
【0019】
前記開口凹部13の開封は、開閉操作片14の保持部20を外方向に引っ張って左右に設けたいずれか一方の破砕溝部21を破断すると同時に、支持部18の先端を開口凹部13の内縁13aから破断させて開封する。
【0020】
前記蓋体30は、図5に示すごとく、蓋部31に内周縁に前記容器本体3の開口部5に設けた係止爪部6と嵌合する係合部32を形成し、下端周縁に前記容器本体3の環状溝部8に嵌る平坦な係止鍔部33を一体に設けてなり、前記容器本体3の開口部5に設けた環状溝部8に係止鍔部33を嵌合した蓋体30は、環状溝部8の鍔部10で囲まれて収容されているため、通常の手段(手)では蓋体30を外すことは困難であることから、無断開封を防止することができる。
【0021】
前記容器本体3に嵌合した蓋体30の開封は、図8に示すごとく、封印機能を有する開閉操作片14の下端に設けた保持部20を持って、または、該保持部と外壁部15の上端を持って外方向に引っ張ることにより、左右いずれかの破砕溝部21が破断すると同時に、支持部18の先端接合部が開口凹部13の内縁13aから破断し、開閉操作片14の残った破砕溝部21を中心に枢動させて開口凹部13を開封することができる。
【0022】
前記開閉操作部14は、一度破断すると切断部分を二度と元の形状に戻すことができないので、容器を購入した者以外が不正に開口したことが一目でわかるため、無断開封を防止することができる。
【0023】
開口凹部13を開封すると、環状溝部8に収容されていた蓋体30の係止鍔部33の一部が露出する(図11)。次いで、図12に示すごとく、露出部分の係止鍔部33の下側に指先Xをかけて上方に押し上げることにより、蓋体30の係合部32が容器本体3の係止爪部6から離脱して簡単に取り外すことができる。
【0024】
以下、本発明の実施の形態の作用について説明すると、密閉容器1は、用途によってその形状を自由に形成することはできるが、上方を開口した開口部5を有する容器本体3と、前記容器本体3の開口部5に着脱可能に嵌合する蓋体30とからなり、容器本体3の開口部5の外周面に設けた環状溝部8に蓋体30の係止鍔部33を収容することにより、係止鍔部33は、外部から人の手を引掛かけることができないので無断開口を防止する封印機能を持たせることができる。
【0025】
容器本体3の環状溝部8の一部に設けた開口凹部13に収容した開閉操作片14は、外壁部15を前記環状溝部8の外周面とほぼ同一面で一体に形成され、内側の支持部18の一端を開口凹部13の内縁と一体に連結してあるため、外部からの不用意な衝撃や引っ掛かりで開口したり変形する恐れがない。
【0026】
さらには、開閉操作片14の下部で外側に突出させた保持部20は、該保持部の両側に環状鍔部8の外壁面の下端に保護鍔部19を設けてガードしてあるため、外部からの不用意な引っ掛かりで開口する恐れがなく安全である。
【0027】
また、開口凹部13内に位置した開閉操作片14は、外部からの不用意な外圧による衝撃に対しても、外壁部15の左右に設けた破砕溝部21を介して環状溝部8と一体に連結し、前後方向は支持部18を介して開口凹部13の内縁部13aと一体に形成してあるため、外部からの衝撃により変形したり破断する恐れがなく安全である。
【0028】
蓋体30の開封は、容器本体3の環状溝部8に設けた開閉操作片14により行う。開閉操作片14の下端に設けた保持部20を持って外方向に引っ張ることにより、左右いずれかの破砕溝部21が破断すると同時に、支持部18の先端接合部分が開口凹部13の内縁から破断して開閉操作片14の残った破砕溝部21を中心に枢動して開口凹部13を開口する。
【0029】
開口凹部13が開封されると、環状溝部8に収容されていた蓋体30の係止鍔部33の一部が露出する(図11)。次いで、図12に示すごとく、露出部分の係止鍔部33の下側から指先をかけて上方に押し上げることにより、蓋体30の係止部32が容器本体3の係止爪部6から外れて簡単に取り外すことができる。
【0030】
したがって、密封容器1は搬送中の不用意な衝撃やはずみで開閉操作片14が開口したり変形するのを防止することができ、また、開閉操作片14の開封は容器本体3から開閉操作片14を分離するのではなく、両側に設けた破砕溝部21の一方がつながったままであるため、ごみとならず仮蓋として一度開口した開口凹部13を閉じることができる。さらに、開閉操作部14は、一度破断すると切断部分を二度と元の形状に戻すことができないので、消費者以外のものが不正に開口したことが一目でわかるため、無断開封を防止することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 密封容器
3 容器本体
5 開口部
6 係止爪部
8 環状溝部
9 段部
10 鍔部
11 平坦部
13 開口凹部
14 開閉操作片
15 外壁部
16 鍔部
17 平坦部
18 支持部
19 補強リブ部
20 保持部
21 破砕溝部
22 上部切欠部
23 下部切欠部
25 保護鍔部
30 蓋体
31 蓋部
32 係合部
33 係止鍔部
【要約】      (修正有)
【課題】合成樹脂材で形成した食品用密封容器の不正開封を防止する。
【解決手段】上方に開口部5を有した容器本体3と、該容器本体の開口部5に着脱可能に嵌合する蓋体30とからなる密閉容器1において、前記容器本体3は、開口部5の外周縁に前記蓋体30を着脱可能に嵌合する係止爪部6と蓋体30の周縁に設けた係止鍔部33を支持する環状溝部8を一体に形成し、該環状溝部の一部に設けた開口凹部に前記蓋体30の無断開封を防止する開閉操作片を一体に設けてなり、前記蓋体30は、容器本体3の開口部5を閉口する蓋部31の内周縁に前記容器本体3の開口部5に設けた係止爪部6と嵌合する係合部32と、前記容器本体3の環状溝部8に嵌る平坦な係止鍔部33を一体に設けてなることを特徴とする。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12