特許第6162857号(P6162857)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6162857
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】シート巻取装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 18/04 20060101AFI20170703BHJP
   B65H 18/10 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   B65H18/04
   B65H18/10
【請求項の数】5
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-110720(P2016-110720)
(22)【出願日】2016年6月2日
【審査請求日】2016年6月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000154130
【氏名又は名称】株式会社不二鉄工所
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】特許業務法人あーく特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高木 匡勇
【審査官】 冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第3391876(US,A)
【文献】 特公昭48−40184(JP,B1)
【文献】 特開昭47−43763(JP,A)
【文献】 特開昭48−27164(JP,A)
【文献】 特表2016−533310(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H18/00−18/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分割された3つのシートを同軸上に配置される3つの巻芯に巻き取り可能な巻取機構部を備え、
前記巻取機構部は、前記3つのシートの幅方向において前記3つのシートを挟んで対向するように配置される第1スライド部材および第2スライド部材を含み、
前記第1スライド部材は、第1本体部と、前記第1本体部から前記第2スライド部材側に延びる第1円筒状部とを有し、
前記第1円筒状部の外側に第1チャックが回転可能に設けられるとともに、前記第1円筒状部の内側に第1シャフトが回転可能に設けられ、
前記第2スライド部材は、第2本体部と、前記第2本体部から前記第1スライド部材側に延びる第2円筒状部とを有し、
前記第2円筒状部の外側に第2チャックが回転可能に設けられるとともに、前記第2円筒状部の内側に第2シャフトが回転可能に設けられ、
前記第1シャフトの前記第2スライド部材側の端部には、第3チャックが設けられるとともに、前記第2シャフトの前記第1スライド部材側の端部には、第4チャックが設けられ、
前記第1チャックは、前記3つの巻芯のうち前記第1スライド部材側の巻芯を保持し、第1モータによって駆動されるように構成され、
前記第2チャックは、前記3つの巻芯のうち前記第2スライド部材側の巻芯を保持し、第2モータによって駆動されるように構成され、
前記第3チャックおよび前記第4チャックは、前記3つの巻芯のうち真ん中の巻芯を保持し、第3モータによって駆動されるように構成されていることを特徴とするシート巻取装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート巻取装置において、
前記巻取機構部は、分割された2つのシートを同軸上に配置される2つの巻芯に巻き取る場合に、前記2つの巻芯の一方を前記第1チャックにより保持するとともに、前記2つの巻芯の他方を前記第2チャックにより保持するように構成されていることを特徴とするシート巻取装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のシート巻取装置において、
前記巻取機構部は、分割されていない1つのシートを1つの巻芯に巻き取る場合に、前記第1チャック、前記第2チャック、前記第3チャックおよび前記第4チャックにより前記巻芯を保持するように構成されていることを特徴とするシート巻取装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載のシート巻取装置において、
前記巻取機構部が複数設けられ、回動可能に構成されたターレット機構を備えることを特徴とするシート巻取装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載のシート巻取装置において、
前記第1スライド部材および前記第2スライド部材は、シートの幅方向に移動可能に構成されていることを特徴とするシート巻取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート巻取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分割された2つのシートを同軸上に配置される2つの巻芯に巻き取るシート巻取装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のシート巻取装置は、巻芯が装着される2つの巻取軸が同軸上に配置され、その2つの巻取軸がベアリングを介して連結されている。そして、2つの巻取軸は、2つのモータによって個別に駆動される。これにより、分割された2つのシートを2つの巻芯に巻き取る際の張力をそれぞれ適切に調整することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−85651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来のシート巻取装置では、2つの巻芯を個別に駆動することが可能であるが、分割された3つのシートを同軸上で巻き取ることができないという問題点がある。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、分割された3つのシートを同軸上で巻き取るとともに、その3つのシートを巻き取る3つの巻芯を個別に駆動することが可能なシート巻取装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるシート巻取装置は、分割された3つのシートを同軸上に配置される3つの巻芯に巻き取り可能な巻取機構部を備える。巻取機構部は、3つのシートの幅方向において3つのシートを挟んで対向するように配置される第1スライド部材および第2スライド部材を含む。第1スライド部材は、第1本体部と、第1本体部から第2スライド部材側に延びる第1円筒状部とを有する。第1円筒状部の外側に第1チャックが回転可能に設けられるとともに、第1円筒状部の内側に第1シャフトが回転可能に設けられている。第2スライド部材は、第2本体部と、第2本体部から第1スライド部材側に延びる第2円筒状部とを有する。第2円筒状部の外側に第2チャックが回転可能に設けられるとともに、第2円筒状部の内側に第2シャフトが回転可能に設けられている。第1シャフトの第2スライド部材側の端部には、第3チャックが設けられるとともに、第2シャフトの第1スライド部材側の端部には、第4チャックが設けられている。第1チャックは、3つの巻芯のうち第1スライド部材側の巻芯を保持し、第1モータによって駆動されるように構成されている。第2チャックは、3つの巻芯のうち第2スライド部材側の巻芯を保持し、第2モータによって駆動されるように構成されている。第3チャックおよび第4チャックは、3つの巻芯のうち真ん中の巻芯を保持し、第3モータによって駆動されるように構成されている。
【0008】
このように構成することによって、3つの巻芯のうちの1つを第1チャックで保持して第1モータで駆動し、3つの巻芯のうちの1つを第2チャックで保持して第2モータで駆動し、3つの巻芯のうちの1つを第3チャックおよび第4チャックで保持して第3モータで駆動することができる。
【0009】
上記シート巻取装置において、好ましくは、巻取機構部は、分割された2つのシートを同軸上に配置される2つの巻芯に巻き取る場合に、2つの巻芯の一方を第1チャックにより保持するとともに、2つの巻芯の他方を第2チャックにより保持するように構成されている。
【0010】
上記シート巻取装置において、好ましくは、巻取機構部は、分割されていない1つのシートを1つの巻芯に巻き取る場合に、第1チャック、第2チャック、第3チャックおよび第4チャックにより巻芯を保持するように構成されている。
【0011】
上記シート巻取装置において、好ましくは、巻取機構部が複数設けられ、回動可能に構成されたターレット機構を備える。
【0012】
上記シート巻取装置において、好ましくは、第1スライド部材および第2スライド部材は、シートの幅方向に移動可能に構成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明のシート巻取装置によれば、分割された3つのシートを同軸上で巻き取るとともに、その3つのシートを巻き取る3つの巻芯を個別に駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態によるシート巻取装置の概略を示した模式図である。
図2】シート巻取装置の巻取機構部を説明するための図である。
図3】シート巻取装置において巻き径が増大した状態を示した図である。
図4】シート巻取装置においてターレット機構が回動された状態を示した図である。
図5】シート巻取装置において巻き上がったロールを取り出す際にスライド部材が外側に移動された状態を示した図である。
図6】シート巻取装置が幅の狭いシートを3条取りするときの状態を示した図である。
図7】シート巻取装置が幅の広いシートを2条取りするときの状態を示した図である。
図8】シート巻取装置が幅の狭いシートを2条取りするときの状態を示した図である。
図9】シート巻取装置が幅の広いシートを1条取りするときの状態を示した図である。
図10】シート巻取装置が幅の狭いシートを1条取りするときの状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
−構成−
まず、図1図10を参照して、本実施形態によるシート巻取装置100の構成について説明する。なお、図1等において、Y1方向側が下流側であり、Y2方向側が上流側である。
【0017】
シート巻取装置100には、上流側からシート150および151の一方が選択的に供給され、シート巻取装置100は、その供給されるシート150(151)を巻き取るように構成されている。シート150および151は、たとえば樹脂製の帯状シートであり、幅の長さが異なっている。シート150は、たとえば1775mm程度の幅を有する幅広シートであり、シート151は、たとえば1275mm程度の幅を有する幅狭シートである。
【0018】
このシート巻取装置100は、シート150(151)を3つに分割するとともに、その分割された3つのシート150a(151a)を同軸上に配置される3つの巻芯160a(161a)に巻き取り可能に構成されている。また、シート巻取装置100は、シート150(151)を2つに分割するとともに、その分割された2つのシート150b(151b)を同軸上に配置される2つの巻芯160b(161b)に巻き取り可能に構成されている。また、シート巻取装置100は、シート150(151)を分割することなく、その分割されていないシート150(151)を1つの巻芯160(161)に巻き取り可能に構成されている。
【0019】
すなわち、シート巻取装置100は、幅の広いシート150および幅の狭いシート151に対して、いわゆる1条取り、2条取りおよび3条取りを行うことが可能である。
【0020】
具体的には、図1に示すように、シート巻取装置100は、シート搬送経路に配置された複数のガイドローラ1aおよび1bと、シート150(151)を分割するスリット部2と、複数の巻取機構部3と、複数の巻取機構部3が設けられたターレット機構4と、タッチローラ機構5とを備えている。
【0021】
[ガイドローラ]
ガイドローラ1aは、上流側から供給されるシート150(151)をスリット部2にガイドするために設けられている。ガイドローラ1bは、スリット部2を通過したシート150、150a、150b(151、151a、151b)を巻取位置P1の巻取機構部3とタッチローラ機構5との間にガイドするために設けられている。
【0022】
[スリット部]
スリット部2は、シート150(151)に搬送方向に沿って連続的に切れ目を入れ、複数のシート150a、150b(151a、151b)に分割可能に構成されている。このスリット部2は、たとえば、回転する上刃および下刃からなるシェアカッターを2組有する。そして、シート150(151)の幅方向にシェアカッターが2組設置されることにより、スリット部2を通過するシート150(151)が3つのシート150a(151a)に分割される。また、シート150(151)の幅方向にシェアカッターが1組設置されることにより、スリット部2を通過するシート150(151)が2つのシート150b(151b)に分割される。なお、シート搬送経路からシェアカッターが退避されることにより、シート150(151)が分割されることなくスリット部2を通過する。
【0023】
[巻取機構部]
巻取機構部3は、図2図6)に示すように、分割された3つのシート150a(151a)を同軸上に配置される3つの巻芯160a(161a)に巻き取り可能に構成されている。また、巻取機構部3は、図7図8)に示すように、分割された2つのシート150b(151b)を同軸上に配置される2つの巻芯160b(161b)に巻き取り可能に構成されている。また、巻取機構部3は、図9図10)に示すように、分割されていない1つのシート150(151)を1つの巻芯160(161)に巻き取り可能に構成されている。
【0024】
具体的には、巻取機構部3は、図2に示すように、3つのシート150aの幅方向(X1およびX2方向)において3つのシート150aを挟んで対向するように配置されるスライド部材31および32を含んでいる。なお、スライド部材31および32は、それぞれ、本発明の「第1スライド部材」および「第2スライド部材」の一例である。
【0025】
スライド部材31は、本体部31aと、本体部31aからスライド部材32側(X1方向側)に延びる円筒状部31bとを有する。なお、本体部31aおよび円筒状部31bは、それぞれ、本発明の「第1本体部」および「第1円筒状部」の一例である。
【0026】
本体部31aは、ターレット機構4の回動中心に配置される角パイプ41に設けられ、その角パイプ41の延びる方向(X1およびX2方向)に沿ってスライド移動可能に構成されている。具体的に、本体部31aにはスライド係合部(ガイドシュー)31cが設けられ、そのスライド係合部31cが角パイプ41のガイドレール41aに係合されている。また、本体部31aには、エアシリンダ31dのピストン311dが連結され、エアシリンダ31dのシリンダ本体312dには、エアシリンダ31eのシリンダ本体312eが連結され、エアシリンダ31eのピストン311eは、角パイプ41に連結されている。このため、エアシリンダ31dおよび31eの作動により、スライド部材31がガイドレール41aに沿って移動されるようになっている。
【0027】
円筒状部31bの外側には、チャック33がベアリングを介して回転可能に設けられている。このチャック33は、3つの巻芯160aのうちスライド部材31側(X2方向側)の巻芯160aを保持するように構成されている。チャック33は、回転可能な円筒状のケーシングと、そのケーシングの外周面から径方向に突出可能なラグとを有する。なお、ラグはケーシングの一方端部側(X1方向側)に設けられている。そして、チャック33では、エアシリンダ(図示省略)によってラグがケーシングから突出されて巻芯160aの内周面を押圧することにより、巻芯160aを保持するようになっている。なお、チャック33は、本発明の「第1チャック」の一例である。
【0028】
また、チャック33のケーシングの他方端部(X2方向側の端部)には、プーリ36dが形成されている。このプーリ36dは、図示省略したベルトおよびプーリを介してプーリ36cに連結されている。プーリ36cは、本体部31aにベアリングを介して回転可能に設けられている。このプーリ36cは貫通孔を有し、その貫通孔の内周面には内歯が形成されている。また、プーリ36cの貫通孔にはスプラインシャフト36bの一方端部側(X1方向側)が挿入され、スプラインシャフト36bの外歯とプーリ36cの内歯とが嵌合している。スプラインシャフト36bは、ターレット機構4のフレーム42にベアリングを介して回転可能に設けられている。なお、フレーム42は、スライド部材31の外側(X2方向側)に配置されている。また、スプラインシャフト36bの他方端部(X2方向側の端部)にはプーリ36aが設けられ、そのプーリ36aにはモータ36が接続されている。なお、モータ36は、本発明の「第1モータ」の一例である。
【0029】
円筒状部31bの内側には、シャフト38eがベアリングを介して回転可能に設けられている。シャフト38eは、円筒状部31bよりも長く形成されており、両端が円筒状部31bから突出されている。なお、シャフト38eは、本発明の「第1シャフト」の一例である。
【0030】
シャフト38eの一方端部(X1方向側の端部)には、チャック35aが設けられている。このため、チャック35aは、チャック33に対して内側(X1方向側)に配置されている。このチャック35aは、3つの巻芯160aのうち真ん中の巻芯160aの一方端部(X2方向側の端部)を保持するように構成されている。チャック35aは、シャフト38eと一体的に回転する円筒状のケーシングと、そのケーシングの外周面から径方向に突出可能なラグとを有する。そして、チャック35aでは、エアシリンダ(図示省略)によってラグがケーシングから突出されて巻芯160aの内周面を押圧することにより、巻芯160aを保持するようになっている。なお、チャック35aは、本発明の「第3チャック」の一例である。
【0031】
シャフト38eの他方端部(X2方向側の端部)には、プーリ38dが設けられている。このプーリ38dは、図示省略したベルトを介してプーリ38cに連結されている。プーリ38cは、本体部31aにベアリングを介して回転可能に設けられている。このプーリ38cは貫通孔を有し、その貫通孔の内周面には内歯が形成されている。また、プーリ38cの貫通孔にはスプラインシャフト38bの一方端部側(X1方向側)が挿入され、スプラインシャフト38bの外歯とプーリ38cの内歯とが嵌合している。スプラインシャフト38bは、フレーム42にベアリングを介して回転可能に設けられている。また、スプラインシャフト38bの他方端部(X2方向側の端部)にはプーリ38aが設けられ、そのプーリ38aにはモータ38が接続されている。なお、モータ38は、本発明の「第3モータ」の一例である。
【0032】
スライド部材32は、本体部32aと、本体部32aからスライド部材31側(X2方向側)に延びる円筒状部32bとを有する。なお、本体部32aおよび円筒状部32bは、それぞれ、本発明の「第2本体部」および「第2円筒状部」の一例である。
【0033】
本体部32aは、ターレット機構4の角パイプ41に設けられ、その角パイプ41の延びる方向(X1およびX2方向)に沿ってスライド移動可能に構成されている。具体的に、本体部32aにはスライド係合部32cが設けられ、そのスライド係合部32cが角パイプ41のガイドレール41bに係合されている。また、本体部32aには、エアシリンダ32dのピストン321dが連結され、エアシリンダ32dのシリンダ本体322dには、エアシリンダ32eのシリンダ本体322eが連結され、エアシリンダ32eのピストン321eは、角パイプ41に連結されている。このため、エアシリンダ32dおよび32eの作動により、スライド部材32がガイドレール41bに沿って移動されるようになっている。
【0034】
円筒状部32bの外側には、チャック34がベアリングを介して回転可能に設けられている。このチャック34は、3つの巻芯160aのうちスライド部材32側(X1方向側)の巻芯160aを保持するように構成されている。チャック34は、回転可能な円筒状のケーシングと、そのケーシングの外周面から径方向に突出可能なラグとを有する。なお、ラグはケーシングの一方端部側(X2方向側)に設けられている。そして、チャック34では、エアシリンダ(図示省略)によってラグがケーシングから突出されて巻芯160aの内周面を押圧することにより、巻芯160aを保持するようになっている。なお、チャック34は、本発明の「第2チャック」の一例である。
【0035】
また、チャック34のケーシングの他方端部(X1方向側の端部)には、プーリ37gが形成されている。このプーリ37gは、図示省略したベルトを介してプーリ37fに連結されている。プーリ37fはシャフト37eの一方端部(X2方向側の端部)に設けられ、シャフト37eは本体部32aにベアリングを介して回転可能に設けられている。シャフト37eの他方端部(X1方向側の端部)にはプーリ37dが設けられ、このプーリ37dは図示省略したベルトを介してプーリ37cに連結されている。
【0036】
プーリ37cは、本体部32aにベアリングを介して回転可能に設けられている。このプーリ37cは貫通孔を有し、その貫通孔の内周面には内歯が形成されている。また、プーリ37cの貫通孔にはスプラインシャフト37bの一方端部側(X2方向側)が挿入され、スプラインシャフト37bの外歯とプーリ37cの内歯とが嵌合している。スプラインシャフト37bは、ターレット機構4のフレーム43にベアリングを介して回転可能に設けられている。なお、フレーム43は、スライド部材32の外側(X1方向側)に配置されている。また、スプラインシャフト37bの他方端部(X1方向側の端部)にはプーリ37aが設けられ、そのプーリ37aにはモータ37が接続されている。なお、モータ37は、本発明の「第2モータ」の一例である。
【0037】
円筒状部32bの内側には、シャフト38fがベアリングを介して回転可能に設けられている。シャフト38fは、円筒状部32bよりも長く形成されており、両端が円筒状部32bから突出されている。なお、シャフト38fは、本発明の「第2シャフト」の一例である。
【0038】
シャフト38fの一方端部(X2方向側の端部)には、チャック35bが設けられている。このため、チャック35bは、チャック34に対して内側(X2方向側)に配置されている。このチャック35bは、3つの巻芯160aのうち真ん中の巻芯160aの他方端部(X1方向側の端部)を保持するように構成されている。チャック35bは、シャフト38fと一体的に回転する円筒状のケーシングと、そのケーシングの外周面から径方向に突出可能なラグとを有する。そして、チャック35bでは、エアシリンダ(図示省略)によってラグがケーシングから突出されて巻芯160aの内周面を押圧することにより、巻芯160aを保持するようになっている。なお、チャック35bは、本発明の「第4チャック」の一例である。
【0039】
この巻取機構部3では、チャック33と、チャック34と、チャック35aおよび35bとが同軸上に配置されている。そして、スライド部材31側(X2方向側)の巻芯160aは、チャック33に保持され、モータ36によって駆動される。すなわち、モータ36から出力される駆動力が、プーリ36a、スプラインシャフト36b、プーリ36c、図示省略したベルトおよびプーリ、および、プーリ36dを介してチャック33に伝達されることにより、そのチャック33に保持される巻芯160aが回転される。
【0040】
また、スライド部材32側(X1方向側)の巻芯160aは、チャック34に保持され、モータ37によって駆動される。すなわち、モータ37から出力される駆動力が、プーリ37a、スプラインシャフト37b、プーリ37c、ベルト(図示省略)、プーリ37d、シャフト37e、プーリ37f、ベルト(図示省略)、および、プーリ37gを介してチャック34に伝達されることにより、そのチャック34に保持される巻芯160aが回転される。
【0041】
また、真ん中の巻芯160aは、チャック35aおよび35bに保持され、モータ38によって駆動される。すなわち、モータ38から出力される駆動力が、プーリ38a、スプラインシャフト38b、プーリ38c、ベルト(図示省略)、プーリ38d、および、シャフト38eを介してチャック35aに伝達されることにより、そのチャック35aおよび35bに保持される巻芯160aが回転される。なお、チャック35bおよびシャフト38fは、モータ38の駆動力によって連れ回される。
【0042】
なお、エアシリンダ31eおよび32eは幅の異なるシート150および151に対応するために設けられており、幅の広いシート150、150a、150bを巻き取る場合にエアシリンダ31eのピストン311eおよびエアシリンダ32eのピストン321eが突出され、幅の狭いシート151、151a、151bを巻き取る場合にエアシリンダ31eのピストン311eおよびエアシリンダ32eのピストン321eが収容されるようになっている。また、エアシリンダ31dおよび32dは巻芯160、160a、160b(161、161a、161b)を着脱するために設けられており、巻き上がったロールの取り出し時に、エアシリンダ31dのピストン311dおよびエアシリンダ32dのピストン321dが突出されるようになっている。
【0043】
[ターレット機構]
ターレット機構4は、角パイプ41と、角パイプ41の一方端部(X2方向側の端部)に設けられたフレーム42と、角パイプ41の他方端部(X1方向側の端部)に設けられたフレーム43と、一対のガイドローラ44(図1参照)とを含んでいる。角パイプ41の上流側および下流側には、それぞれ巻取機構部3が設けられている。
【0044】
また、ターレット機構4は、図3および図4に示すように、巻芯160、160a、160b(161、161a、161b)の交換時に回動するように構成されている。そして、ターレット機構4が回動されることにより、巻き取りを行っている巻取機構部3が取出位置P2に移動されるとともに、新しい巻芯160、160a、160b(161、161a、161b)が装着された巻取機構部3が巻取位置P1に移動されるようになっている。なお、取出位置P2は、巻取位置P1の下流側に配置されている。
【0045】
[タッチローラ機構]
タッチローラ機構5は、タッチローラ51と、アーム52と、ベース部53とを含んでいる。
【0046】
タッチローラ51は、巻取位置P1の巻芯160、160a、160b(161、161a、161b)と同じ高さ位置に配置されるとともに上流側に配置されている。タッチローラ51は、巻き取られるシート150、150a、150b(151、151a、151b)を巻芯160、160a、160b(161、161a、161b)側に押圧するように構成されている。
【0047】
アーム52は、タッチローラ51を先端で回転可能に支持している。また、アーム52は、基端がベース部53に連結され、その基端を中心にして回動可能に構成されている。ベース部53は、水平方向(Y1およびY2方向)に移動可能に構成されている。
【0048】
−動作−
次に、本実施形態のシート巻取装置100の動作について説明する。なお、以下では、幅の広いシート150および幅の狭いシート151に対して1条取り、2条取りおよび3条取りを行う場合について説明する。
【0049】
[幅の広いシートの3条取り]
まず、幅の広いシート150を3条取りする場合の動作について説明する。この場合には、スリット部2では、シート150の幅方向にシェアカッターが2組設置される。たとえば、分割される3つのシート150aの幅が同じになるように、シェアカッターが配置される。また、図2に示すように、巻取機構部3では、エアシリンダ31eのピストン311eが突出されるとともに、エアシリンダ32eのピストン321eが突出されることにより、チャック35aおよび35bが所定の間隔を隔てて配置されている。なお、この所定の間隔は、巻芯160aの長さよりも小さく設定されている。
【0050】
そして、チャック33によりスライド部材31側の巻芯160aが保持され、チャック34によりスライド部材32側の巻芯160aが保持され、チャック35aおよび35bにより真ん中の巻芯160aが保持されている。このため、チャック33に保持される巻芯160aがモータ36により駆動され、チャック34に保持される巻芯160aがモータ37により駆動され、チャック35aおよび35bに保持される巻芯160aがモータ38により駆動される。すなわち、同軸上に配置される3つの巻芯160aが個別に駆動される。
【0051】
図1に示すように、シート巻取装置100には幅の広いシート150が供給され、そのシート150がガイドローラ1aによりガイドされてスリット部2に送られる。そして、シート150がスリット部2を通過する際に、シェアカッターによりシート150が搬送方向に沿って連続的に切断される。このため、シート150が3つのシート150aに分割される。そして、分割されたシート150aは、ガイドローラ1bを介して巻取位置P1の巻芯160aとタッチローラ51との間に送られる。このとき、巻取位置P1の巻芯160aは図1において反時計回りに回転され、その巻芯160aにシート150aが巻き取られる。このとき、タッチローラ51により、巻き取られるシート150aが巻取位置P1の巻芯160a側に押圧される。
【0052】
ここで、図2に示すように、分割された3つのシート150aは、それぞれ、同軸上に配置される3つの巻芯160aにより巻き取られる。具体的には、分割された3つのシート150aのうちX2方向側のシート150aは、X2方向側に配置される巻芯160aに巻き取られ、その巻芯160aはモータ36によって駆動される。また、分割された3つのシート150aのうちX1方向側のシート150aは、X1方向側に配置される巻芯160aに巻き取られ、その巻芯160aはモータ37によって駆動される。また、分割された3つのシート150aのうち真ん中のシート150aは、真ん中に配置される巻芯160aに巻き取られ、その巻芯160aはモータ38によって駆動される。
【0053】
そして、図3に示すように、巻芯160aにシート150aが巻き取られることにより、その巻き径(巻取ロールの直径)が大きくなるに連れて、タッチローラ機構5のベース部53が上流側(Y2方向側)に移動する。その後、巻芯160aの交換が開始されると、図4に示すように、ターレット機構4が回動されることにより、巻取位置P1に位置していた巻芯160aが取出位置P2に移動されるとともに、巻取位置P1に新しい巻芯160aが供給される。なお、巻取位置P1の新しい巻芯160aとタッチローラ51との間を通過するシート150aは、ガイドローラ44を介して取出位置P2の巻き取りを行っている巻芯160aに送られる。そして、図示省略した切断巻付装置により、シート150aが切断され、その切断されたシート150aが巻取位置P1の新しい巻芯160aに巻き付けられる。このようにして、シート150aを巻き取りながら、シート150aを巻き取る巻芯160aが交換される。
【0054】
なお、巻き上がったロールの取り出し時には、図5に示すように、取出位置P2の巻取機構部3において、チャック33が巻芯160aの保持を解除し、チャック34が巻芯160aの保持を解除し、チャック35aおよび35bが巻芯160aの保持を解除する。そして、エアシリンダ31dのピストン311dが突出され、スライド部材31が外側(X2方向側)に移動されるとともに、エアシリンダ32dのピストン321dが突出され、スライド部材32が外側(X1方向側)に移動される。このため、巻芯160aからチャック33および35aが抜き出されるとともに、巻芯160aからチャック34および35bが抜き出されることにより、巻き上がったロールが取り出される。その後、取出位置P2の巻取機構部3では、新しい3つの巻芯160aが同軸上で保持される。
【0055】
以上の動作が繰り返し行われることにより、巻芯160aの交換を行いながら、シート150aが連続的に巻き取られる。
【0056】
[幅の狭いシートの3条取り]
次に、幅の狭いシート151を3条取りする場合の動作について説明する。この場合には、スリット部2では、シート151の幅方向にシェアカッターが2組設置される。たとえば、分割される3つのシート151aの幅が同じになるように、シェアカッターが配置される。また、図6に示すように、巻取機構部3では、エアシリンダ31eのピストン311eおよびエアシリンダ32eのピストン321eが突出されておらず、チャック35aおよび35bが隣接するように配置されている。
【0057】
そして、チャック33によりスライド部材31側の巻芯161aが保持され、チャック34によりスライド部材32側の巻芯161aが保持され、チャック35aおよび35bにより真ん中の巻芯161aが保持されている。このため、チャック33に保持される巻芯161aがモータ36により駆動され、チャック34に保持される巻芯161aがモータ37により駆動され、チャック35aおよび35bに保持される巻芯161aがモータ38により駆動される。すなわち、同軸上に配置される3つの巻芯161aが個別に駆動される。
【0058】
図1に示すように、シート巻取装置100には幅の狭いシート151が供給され、そのシート151がガイドローラ1aによりガイドされてスリット部2に送られる。そして、シート151がスリット部2を通過する際に、シェアカッターによりシート151が搬送方向に沿って連続的に切断される。このため、シート151が3つのシート151aに分割される。そして、分割されたシート151aは、ガイドローラ1bを介して巻取位置P1の巻芯161aとタッチローラ51との間に送られる。このとき、巻取位置P1の巻芯161aは図1において反時計回りに回転され、その巻芯161aにシート151aが巻き取られる。このとき、タッチローラ51により、巻き取られるシート151aが巻取位置P1の巻芯161a側に押圧される。
【0059】
ここで、図6に示すように、分割された3つのシート151aは、それぞれ、同軸上に配置される3つの巻芯161aにより巻き取られる。具体的には、分割された3つのシート151aのうちX2方向側のシート151aは、X2方向側に配置される巻芯161aに巻き取られ、その巻芯161aはモータ36によって駆動される。また、分割された3つのシート151aのうちX1方向側のシート151aは、X1方向側に配置される巻芯161aに巻き取られ、その巻芯161aはモータ37によって駆動される。また、分割された3つのシート151aのうち真ん中のシート151aは、真ん中に配置される巻芯161aに巻き取られ、その巻芯161aはモータ38によって駆動される。なお、巻芯161aの交換時の動作は、上記した幅の広いシート150の場合とほぼ同様である。
【0060】
[幅の広いシートの2条取り]
次に、幅の広いシート150を2条取りする場合の動作について説明する。この場合には、スリット部2では、シート150の幅方向にシェアカッターが1組設置される。たとえば、分割される2つのシート150bの幅が同じになるように、シェアカッターが配置される。また、図7に示すように、巻取機構部3では、エアシリンダ31eのピストン311eが突出されるとともに、エアシリンダ32eのピストン321eが突出されることにより、チャック35aおよび35bが所定の間隔を隔てて配置されている。
【0061】
そして、チャック33によりスライド部材31側の巻芯160bが保持され、チャック34によりスライド部材32側の巻芯160bが保持される。なお、チャック35aおよび35bは巻芯160bを保持していない。このため、チャック33に保持される巻芯160bがモータ36により駆動され、チャック34に保持される巻芯160bがモータ37により駆動される。すなわち、同軸上に配置される2つの巻芯160bが個別に駆動される。
【0062】
図1に示すように、シート巻取装置100には幅の広いシート150が供給され、そのシート150がガイドローラ1aによりガイドされてスリット部2に送られる。そして、シート150がスリット部2を通過する際に、シェアカッターによりシート150が搬送方向に沿って連続的に切断される。このため、シート150が2つのシート150bに分割される。そして、分割されたシート150bは、ガイドローラ1bを介して巻取位置P1の巻芯160bとタッチローラ51との間に送られる。このとき、巻取位置P1の巻芯160bは図1において反時計回りに回転され、その巻芯160bにシート150bが巻き取られる。このとき、タッチローラ51により、巻き取られるシート150bが巻取位置P1の巻芯160b側に押圧される。
【0063】
ここで、図7に示すように、分割された2つのシート150bは、それぞれ、同軸上に配置される2つの巻芯160bにより巻き取られる。具体的には、分割された2つのシート150bのうちX2方向側のシート150bは、X2方向側に配置される巻芯160bに巻き取られ、その巻芯160bはモータ36によって駆動される。また、分割された2つのシート150bのうちX1方向側のシート150bは、X1方向側に配置される巻芯160bに巻き取られ、その巻芯160bはモータ37によって駆動される。なお、2条取りの場合には、モータ38は駆動されない。また、巻芯160bの交換時の動作は、上記した3条取りの場合とほぼ同様である。
【0064】
[幅の狭いシートの2条取り]
次に、幅の狭いシート151を2条取りする場合の動作について説明する。この場合には、スリット部2では、シート151の幅方向にシェアカッターが1組設置される。たとえば、分割される2つのシート151bの幅が同じになるように、シェアカッターが配置される。また、図8に示すように、巻取機構部3では、エアシリンダ31eのピストン311eおよびエアシリンダ32eのピストン321eが突出されておらず、チャック35aおよび35bが隣接するように配置されている。
【0065】
そして、チャック33によりスライド部材31側の巻芯161bが保持され、チャック34によりスライド部材32側の巻芯161bが保持される。なお、チャック35aおよび35bは巻芯161bを保持していない。このため、チャック33に保持される巻芯161bがモータ36により駆動され、チャック34に保持される巻芯161bがモータ37により駆動される。すなわち、同軸上に配置される2つの巻芯161bが個別に駆動される。
【0066】
図1に示すように、シート巻取装置100には幅の狭いシート151が供給され、そのシート151がガイドローラ1aによりガイドされてスリット部2に送られる。そして、シート151がスリット部2を通過する際に、シェアカッターによりシート151が搬送方向に沿って連続的に切断される。このため、シート151が2つのシート151bに分割される。そして、分割されたシート151bは、ガイドローラ1bを介して巻取位置P1の巻芯161bとタッチローラ51との間に送られる。このとき、巻取位置P1の巻芯161bは図1において反時計回りに回転され、その巻芯161bにシート151bが巻き取られる。このとき、タッチローラ51により、巻き取られるシート151bが巻取位置P1の巻芯161b側に押圧される。
【0067】
ここで、図8に示すように、分割された2つのシート151bは、それぞれ、同軸上に配置される2つの巻芯161bにより巻き取られる。具体的には、分割された2つのシート151bのうちX2方向側のシート151bは、X2方向側に配置される巻芯161bに巻き取られ、その巻芯161bはモータ36によって駆動される。また、分割された2つのシート151bのうちX1方向側のシート151bは、X1方向側に配置される巻芯161bに巻き取られ、その巻芯161bはモータ37によって駆動される。なお、2条取りの場合には、モータ38は駆動されない。また、巻芯161bの交換時の動作は、上記した3条取りの場合とほぼ同様である。
【0068】
[幅の広いシートの1条取り]
次に、幅の広いシート150を1条取りする場合の動作について説明する。この場合には、スリット部2では、シート150の搬送経路からシェアカッターが退避されている。また、図9に示すように、巻取機構部3では、エアシリンダ31eのピストン311eが突出されるとともに、エアシリンダ32eのピストン321eが突出されることにより、チャック35aおよび35bが所定の間隔を隔てて配置されている。
【0069】
そして、チャック33、34、35aおよび35bにより巻芯160が保持され、その巻芯160はモータ36、37および38により駆動される。すなわち、1条取りの場合には、3つのモータ36、37および38の出力が統合されて1つの巻芯160が駆動される。
【0070】
図1に示すように、シート巻取装置100には幅の広いシート150が供給され、そのシート150がガイドローラ1aによりガイドされてスリット部2に送られる。スリット部2では、シェアカッターが退避されているため、シート150が分割されることなく通過する。そして、シート150は、ガイドローラ1bを介して巻取位置P1の巻芯160とタッチローラ51との間に送られる。このとき、巻取位置P1の巻芯160は図1において反時計回りに回転され、その巻芯160にシート150が巻き取られる。このとき、タッチローラ51により、巻き取られるシート150が巻取位置P1の巻芯160側に押圧される。なお、巻芯160の交換時の動作は、上記した3条取りの場合とほぼ同様である。
【0071】
[幅の狭いシートの1条取り]
次に、幅の狭いシート151を1条取りする場合の動作について説明する。この場合には、スリット部2では、シート151の搬送経路からシェアカッターが退避されている。また、図10に示すように、巻取機構部3では、エアシリンダ31eのピストン311eおよびエアシリンダ32eのピストン321eが突出されておらず、チャック35aおよび35bが隣接するように配置されている。
【0072】
そして、チャック33、34、35aおよび35bにより巻芯161が保持され、その巻芯161はモータ36、37および38により駆動される。すなわち、1条取りの場合には、3つのモータ36、37および38の出力が統合されて1つの巻芯161が駆動される。
【0073】
図1に示すように、シート巻取装置100には幅の狭いシート151が供給され、そのシート151がガイドローラ1aによりガイドされてスリット部2に送られる。スリット部2では、シェアカッターが退避されているため、シート151が分割されることなく通過する。そして、シート151は、ガイドローラ1bを介して巻取位置P1の巻芯161とタッチローラ51との間に送られる。このとき、巻取位置P1の巻芯161は図1において反時計回りに回転され、その巻芯161にシート151が巻き取られる。このとき、タッチローラ51により、巻き取られるシート151が巻取位置P1の巻芯161側に押圧される。なお、巻芯161の交換時の動作は、上記した3条取りの場合とほぼ同様である。
【0074】
−効果−
本実施形態では、上記のように、スライド部材31の円筒状部31bの外側にチャック33を回転可能に設けるとともに、スライド部材32の円筒状部32bの外側にチャック34を回転可能に設けている。そして、円筒状部31bの内側にシャフト38eを回転可能に設けるとともに、そのシャフト38eにチャック35aを取り付け、かつ、円筒状部32bの内側にシャフト38fを回転可能に設けるとともに、そのシャフト38fにチャック35bを取り付けている。さらに、チャック33をモータ36により駆動し、チャック34をモータ37により駆動し、チャック35aおよび35bをモータ38により駆動している。このように構成することによって、分割された3つのシート150a(151a)を同軸上で巻き取るとともに、その3つのシート150a(151a)を巻き取る3つの巻芯160a(161a)を個別に駆動することができる。したがって、分割された3つのシート150a(151a)を3つの巻芯160a(161a)に巻き取る際の張力をそれぞれ適切に調整することができるので、巻取品質の向上を図ることができる。
【0075】
また、本実施形態では、分割された2つのシート150b(151b)を同軸上に配置される2つの巻芯160b(161b)に巻き取る場合に、2つの巻芯160b(161b)の一方をチャック33により保持するとともに、2つの巻芯160b(161b)の他方をチャック34により保持することによって、2条取りに対応することができる。
【0076】
また、本実施形態では、分割されていない1つのシート150(151)を1つの巻芯160(161)に巻き取る場合に、チャック33、34、35aおよび35bにより巻芯160(161)を保持することによって、1条取りに対応することができる。また、3つのモータ36、37および38の出力を統合して1つの巻芯160(161)を駆動することができるので、モータ36、37および38の大型化を抑制することができる。
【0077】
また、本実施形態では、巻取機構部3が2つ設けられたターレット機構4を備えることによって、シート150、150a、150b(151、151a、151b)の巻き取りを停止することなく、巻芯160、160a、160b(161、161a、161b)を交換することができる。
【0078】
また、本実施形態では、エアシリンダ31eおよび32eを設けることによって、幅の広いシート150および幅の狭いシート151を巻き取ることができる。
【0079】
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0080】
たとえば、本実施形態では、スリット部2がシェアカッターを有する例を示したが、これに限らず、スリット部が固定刃を有していてもよい。
【0081】
また、本実施形態において、エアシリンダ31eのピストン311e、および、エアシリンダ32eのピストン321eの突出量が調整可能であってもよい。
【符号の説明】
【0082】
3 巻取機構部
4 ターレット機構
31 スライド部材(第1スライド部材)
31a 本体部(第1本体部)
31b 円筒状部(第1円筒状部)
32 スライド部材(第2スライド部材)
32a 本体部(第2本体部)
32b 円筒状部(第2円筒状部)
33 チャック(第1チャック)
34 チャック(第2チャック)
35a チャック(第3チャック)
35b チャック(第4チャック)
36 モータ(第1モータ)
37 モータ(第2モータ)
38 モータ(第3モータ)
38e シャフト(第1シャフト)
38f シャフト(第2シャフト)
100 シート巻取装置
150、150a、150b、151、151a、151b シート
160、160a、160b、161、161a、161b 巻芯
【要約】
【課題】分割された3つのシートを同軸上で巻き取るとともに、その3つのシートを巻き取る3つの巻芯を個別に駆動することが可能なシート巻取装置を提供する。
【解決手段】シート巻取装置の巻取機構部3はスライド部材31および32を含む。スライド部材31は円筒状部31bを有する。円筒状部31bの外側にチャック33が回転可能に設けられ、円筒状部31bの内側にシャフト38eが回転可能に設けられている。スライド部材32は円筒状部32bを有する。円筒状部32bの外側にチャック34が回転可能に設けられ、円筒状部32bの内側にシャフト38fが回転可能に設けられている。シャフト38eにはチャック35aが設けられ、シャフト38fにはチャック35bが設けられている。チャック33はモータ36によって駆動され、チャック34はモータ37によって駆動され、チャック35aおよび35bはモータ38によって駆動される。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10