特許第6162889号(P6162889)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6162889燃料電池システムのインバーターと燃料電池の出力制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6162889
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】燃料電池システムのインバーターと燃料電池の出力制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04858 20160101AFI20170703BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20170703BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20170703BHJP
   H01M 8/04228 20160101ALI20170703BHJP
   H01M 8/04303 20160101ALI20170703BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20170703BHJP
【FI】
   H01M8/04 P
   H01M8/00 Z
   H01M8/04 Z
   H01M8/04 Y
   H02M7/48 E
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-515255(P2016-515255)
(86)(22)【出願日】2014年5月7日
(65)【公表番号】特表2016-524283(P2016-524283A)
(43)【公表日】2016年8月12日
(86)【国際出願番号】KR2014004034
(87)【国際公開番号】WO2014189217
(87)【国際公開日】20141127
【審査請求日】2015年11月18日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0057273
(32)【優先日】2013年5月21日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515015746
【氏名又は名称】キョン ドン ウォン コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ギェ ホ
【審査官】 武市 匡紘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−140909(JP,A)
【文献】 特開2010−108807(JP,A)
【文献】 特開2011−167000(JP,A)
【文献】 特開2001−186663(JP,A)
【文献】 特開平07−336899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00−8/24
H02J 3/00−5/00
H02M 7/42−7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバーター群ごとに一連の番号SWとともに、ユーティリティ周波数fの第1最小周波数値Aと第1最大周波数値Bの範囲内で、インバーター群ごとに複数の範囲に細分化して設定した第2最小周波数値A´と第2最大周波数値B´を付与する第1のステップS1と、
前記インバーターの一連の番号が1であるか否かを判断する第2のステップS2と、
前記第2のステップS2において、インバーターの一連の番号が1である場合、前記ユーティリティ周波数fが該当インバーターに設定された第2最小周波数値A´と第2最大周波数値B´の範囲内であるか否かを判断する第3のステップS3と、
前記第3のステップS3において、ユーティリティ周波数fが、前記第2最小周波数値A´と前記第2最大周波数値B´の範囲内であれば、前記インバーターを正常動作させる第4のステップS4と、
前記第4のステップS4に次いで、前記インバーターの電圧が正常範囲に属するか否かを判断する第5のステップS5と、
前記インバーターの電流が正常範囲に属するか否かを判断する第6のステップS6と、
第5のステップS5と第6のステップS6において、前記インバーターの電圧と電流が正常範囲に属すると判断されれば、前記インバーターを続けて正常動作させる第7のステップS7と、
前記第7のステップS7に次いで、ユーティリティ周波数fが第1最小周波数値Aと第1最大周波数値Bの範囲内であるか否かを判断して、第1最小周波数値Aと第1最大周波数値Bの範囲内であれば、インバーターの一連の番号を判断する第2のステップに戻る第8のステップS8と、
前記第3のステップS3において、前記ユーティリティ周波数fが前記第2最小周波数値A´と前記第2最大周波数値B´との間でなければ、前記インバーターを待機(stand by)状態で動作させる第12のステップS12と、
第12のステップS12に次いで、前記インバーターの状態を確認したか否かを判断する第13のステップS13と、
第13のステップS13に次いで、所定周期ごとに前記ユーティリティ周波数が正常か否かを判断する第14のステップS14と、
第14のステップS14に次いで、前記ユーティリティ周波数fが前記第1最小周波数値Aと前記第1最大周波数値Bとの間であるか否かを判断し、その判断結果、第1最小周波数値Aと第1最大周波数値Bの範囲内であれば、インバーターの一連の番号を判断する第2のステップS2に戻る第15のステップS15と、を含み、
前記第2のステップS2において、インバーターの一連の番号が1ではなければ、インバーターの一連の番号が2であるかを判断するステップS9乃至インバーターの一連の番号がNであるか判断するステップS29を遂行した後、各インバーターに対応して、該当インバーターに設定された第2最小周波数値と第2最大周波数値を基準に、上記と同様のステップを繰り返し遂行する燃料電池システムのインバーターと燃料電池の出力制御方法。
【請求項2】
前記第1のステップにおいて、前記一連の番号SWは、システムコントローラ内に設けられたプログラムによって前記一連の番号SWを変数に変換して設定することを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システムのインバーターと燃料電池の出力制御方法。
【請求項3】
前記第5のステップS5において前記電圧が正常範囲内でなければ電圧エラーを表示する第16のステップS16と、
前記第6のステップS6において前記電流が正常範囲内でなければ電流エラーを表示する第17のステップS17と、
前記第8のステップS8において前記ユーティリティ周波数が前記第1最小周波数値Aと前記第1最大周波数値Bとの間でない場合は、ユーティリティ周波数エラーを表示する第18のステップS18と、
前記第13のステップS13において前記インバーターの状態を確認しなかった場合、前記第15のステップS15において前記ユーティリティ周波数が前記第1最小周波数値Aと前記第1最大周波数値Bとの間でない場合、あるいは、前記第16,17,18のステップS16,S17,S18を経ている場合は、前記インバーターを停止(stop)させる第19のステップS19と、をさらに含む請求項1に記載の燃料電池システムのインバーターと燃料電池の出力制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムのインバーターおよび燃料電池の出力制御方法に関し、より詳細には、燃料電池システム内のインバーター群からなるインバーター群ごとの出力周波数の範囲を基準値内で多数の範囲に細分化し、インバーター群ごとに設定して動作させる。インバーター群ごとの動作の際に出力周波数が不安定になると、燃料電池システム内のインバーター群ごとに細分化した範囲内でインバーターを遮断することで出力周波数を安定させ、能動的にユーティリティを保護することを目的とする燃料電池システムのインバーターおよび燃料電池出力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
韓国公開特許第10−2010−0036022号の「燃料電池の電力制御方法及びその燃料電池システム」によると、「3台以上の燃料電池、すなわち、第1〜第3の燃料電池30,40,50が備えられている。前記第1〜第3の燃料電池30,40,50からそれぞれ供給された直流電源を、電力ユーティリティに供給するために、交流電源に変換する電力変換器60が備えられる。前記電力変換器60は、前記第1〜第3の燃料電池の出力電圧を検知する役割を果たしている。前記検知の結果、前記第1〜第3の燃料電池30,40,50の出力電圧は、正常電圧、最低電圧、あるいは限界電圧のいずれであるかを判断することになる。前記第1〜第3の燃料電池30,40,50がいずれも正常電圧であれば、前記第1〜第3の燃料電池30,40,50の出力電力をそれぞれ均等に制御して電力ユーティリティの負荷要求電力として提供する。しかしながら、前記第1〜第3の燃料電池30,40,50のうち、少なくとも一つの燃料電池の出力電圧が最低電圧であることが検知された場合は、前記第1〜第3の燃料電池30,40,50は、あらかじめプログラムされた一定の出力電力を出力する。また、前記第1〜第3の燃料電池30,40,50のうち、少なくとも一つの燃料電池の出力電圧が限界電圧であることが検知された場合は、前記限界電圧を出力する燃料電池から電力が出力されないように制御する。場合によっては、前記最低電圧、又は、限界電圧を出力する燃料電池の出力電力をそのまま保持し、残りの燃料電池が負荷要求電力を補って出力するように制御することもある。このような構成によると、複数の燃料電池の出力電圧の状態に応じて負荷要求電力を安定して供給することができるので、燃料電池の損傷を防止し、全体のシステム運転の効率が向上する利点がある。」と開示している。
【0003】
図1に示すように、従来技術の一例として、燃料電池システム10は、改質器11、燃料電池スタック12、インバーター13、システムコントローラ14、配電差段器15、ロード16、MMI(Man Machine Interface)17、設備(ユーティリティ:Utility)18からなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2010−0036022号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、燃料電池システムにおける出力電圧及び出力周波数が常に基準値に達しない場合は、燃料電池システムの運転開始後、一斉に運転が遮断される事態が生じてユーティリティに莫大な支障、例えば、ユーティリティの電圧やユーティリティの周波数が不安定になったり、ユーティリティがシャットダウンしたりする、という問題点が生じる。
【0006】
初期燃料電池システムのユーティリティ全体において占める比率が低いことから、このような事態は生じないが、需要が多くなると、このような事態に対して問題点を解決する必要がある。
【0007】
本発明は、上述の問題点を解決するためのものであって、燃料電池システムにおける出力電圧及び出力周波数が基準値に達しない場合は、燃料電池システムの運転開始後、一斉に運転が遮断されるという事態を防止するために、燃料電池システム内のインバーター群からなるインバーター群ごとの出力周波数の範囲を、基準値内で多数の範囲に細分化して、インバーター群ごとに設定して動作させる。ユーティリティが不安定な場合は、燃料電池システム内のインバーター群ごとに細分化した範囲内でインバーターが遮断しユーティリティを安定させるための燃料電池システムのインバーターおよび燃料電池の出力制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための本発明は、インバーター群ごとに一連の番号SWとともに、ユーティリティ周波数fの第1最小周周波数値Aと第1最大周波数値Bの範囲内でインバータ群ごとに細分化して設定した第2最小周波数値A´と第2最大周波数値B´を付与する第1のステップS1を実行しインバータの一連の番号が1であるか否かを判断する第2のステップS2と、前記第2のステップS2においてインバータの一連の番号が1である場合、前記ユーティリティ周波数fが第2最小周波数値A´と第2最大周波数値B´の範囲内であるか否かを判断する第3のステップS3と、前記第3のステップS3においてユーティリティ周波数fが第2最小周波数値A´と第2最大周波数値B´の範囲内であれば、前記インバーターを正常動作させる第4のステップS4と、前記第4のステップS4に次いで、前記インバーターの電圧が正常範囲に属するか否かを判断する第5のステップS5と、前記インバーターの電流が正常範囲に属するか否かを判断する第6のステップS6と、第5のステップS5と第6のステップS6において、前記インバーターの電圧と電流が正常範囲に属すると判断されれば、前記インバーターを続けて正常動作させる第7のステップS7と、前記第7のステップS7に次いで、ユーティリティ周波数fが第1最小周波数値と第1最大周波数値の範囲内であるか否かを判断して、第1最小周波数Aと第1最大周波数値Bの範囲内であれば、インバーターの一連の番号を判断する第2のステップS2に戻る第8のステップS8と、前記第3のステップS3において、ユーティリティ周波数fが第2最小周波数値A´と第2最大周波数値B´の範囲の間ではなければ、前記インバーターを待機(stand by)状態で動作させる第12のステップS12と、第12のステップS12に次いで、インバーターの状態を確認したか否かを判断する第13のステップS13と、第13のステップS13に次いで、所定周期ごとにユーティリティ周波数の正常如何を判断する第14のステップS14と、第14のステップS14に次いで、ユーティリティ周波数fが第1最小周波数値と第1最大周波数値との間であるか否かを判断し、その判断結果が第1最小周波数値Aと第1最大周波数値Bの範囲内であれば、インバーターの一連の番号を判断する第2のステップS2に戻る第15のステップS15と、を含み、前記第2のステップS2においてインバーターの一連番号が1ではなければ、インバーターの一連の番号が2であるか否かを判断するステップS9乃至インバーターの一連の番号がNであるか判断するステップS29を遂行した後、各インバーターに対応して上記と同様のステップを繰り返し遂行するものである。
【0009】
実施例において、前記第5のステップS5で電圧が正常範囲内ではなければ、電圧エラーをディスプレイする第16のステップS16と、前記第6のステップS6で電流が正常範囲内ではなければ、電流エラーを表示する第17のステップS17と、前記第18のステップS18でユーティリティ周波数が第1最小周波数値と第1最大周波数値との間でなければ、ユーティリティ周波数エラーを表示する第18のステップS18と、前記第13のステップS13でインバーターの状態を確認しない場合、前記第15のステップS15でユーティリティ周波数が第1最小周波数値と第1最大周波数値との間でない場合、あるいは、前記16,17,18のステップS16,S17,S18を経ている場合は、インバーターを停止(stop)させる第19のステップS19と、をさらに含むものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の望ましい効果によれば、新たな再生エネルギーの供給が拡大する状態にあることから、燃料電池システムの普及も拡大するものと見られるので、安定的で且つユーティリティの保護を目的とする能動的なシステムと方法を提供することができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来の燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
図3】本発明に係る燃料電池システムの単一インバーターが設けられた場合、ユーティリティ周波数を示すグラフである。
図4】本発明に係る燃料電池システムの複数のインバーターが設けられた場合、ユーティリティ周波数を示すグラフである。
図5】本発明に係るインバーターと燃料電池の出力制御方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳細に説明する。
図2は、本発明に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図であって、第1〜第nの燃料電池システム20a,20b,20nからなるが、第1の燃料電池システム20aに基づいて内部構成を詳細に述べる。
【0013】
空気とガスが供給され、水素ガスに改質する改質器21と、一対のアノードとカソードを備える複数のセルが積層された燃料電池スタック22と、直流を交流に変換するインバーター23とが備えられる。全体燃料電池システムを制御するために、温度、ガス、空気などのパラメータを用いて燃料電池システムを制御するシステムコントローラ24と、漏電時に配電を遮断する配電遮断器25と、前記インバーター23から変換された交流を外部に出力するためのユーティリティ28とが備えられる。
【0014】
さらに、前記インバーター23で変換された交流の直接供給を受けて消費するロード(load)26と、前記システムコントローラ24に連結されてユーザからの設定を入力するためのインターフェースであるMMI(Man Machine Interface)27を有する複数の燃料電池システムが備えられる。即ち、第1〜第nの燃料電池システム20a、20nが備えられる。
【0015】
また、燃料電池システム内のシステムコントローラ24とインバーター23内のコンバータコントローラが備えられ、システムコントローラ24は燃料電池システム20aを、コンバータコントローラはインバーター23をそれぞれ制御する。
【0016】
システムコントローラ24とコンバータコントローラとが連結されており、システムコントローラ24およびコンバータコントローラは、ユーティリティ周波数の範囲を設定するハードウェアまたはソフトウェアに変更可能に構成される。
【0017】
また、前記システムコントローラ24とコンバータコントローラは、互いのユーティリテ ィ周波数の範囲、ユーティリティ電圧などのパラメータを互いに共有し、インバーターが能動的に動作できるようにする。
【0018】
この場合、前記ユーティリティ周波数の範囲が、第1最小周波数値Aと第1最大周波数値Bとからなる基準範囲内で、インバーター群ごとに設定されたユーティリティ周波数の範囲(第2最小周波数値A´と第2最大周波数値B´との間)内にある場合は、インバーター23は動作するが、設定されたユーティリティ周波数の範囲外にある場合は、インバーター23はユーティリティと遮断状態となる。遮断されたインバーター23は、待機状態となってユーティリティ周波数を周期ごとに確認し、更に設定されたユーティリティ周波数の範囲内にあれば、改めてユーティリティ28と連結して安定的にユーティリティを保護し、ユーティリティ28に対して能動的にインバーター23と燃料電池システム28aとが動作するように制御される。
【0019】
図3に示すように、建物内に1つのインバーターがある場合と、図4のように建物内に2つのインバーターがある場合とを例に挙げる。最初の周波数値Aと最大周波数Bとの間にユーティリティ周波数を設定する。インバーター内のプログラムに周波数範囲を設定してプログラミングを実行し、インバーター群ごとに動作範囲、すなわち、インバーター郡ごとに設定されたユーティリティ周波数の範囲である第2最小周波数値A´と第2最大周波数値B´の範囲を設定し、ユーティリティとの接続を遮断する。ユーティリティ周波数が一定に維持されれば、再び接続して周波数の変動と推移を確認し、直ちに供給を再開するように構成される。
【0020】
本発明に係るインバーターと燃料電池の出力制御方法を、図5に示す。
インバーター群ごとに一連の番号SWとともに、ユーティリティ周波数fの第1最小周波数値Aと第1最大周波数値Bの範囲内で、インバーター群ごとに細分化して設定した第2最小周波数値A´と第2最大周波数値B´を付与する第1のステップS1を実行する。ここで、一連の番号はシステムコントローラ内に設けられたプログラムによりこの一連の番号SWを変数に変換して設定するように構成される。
【0021】
次いで、インバーターの一連の番号が1であるか否かを判断する第2のステップS2を実行する。前記第2のステップS2で一連の番号が1であるインバーターと判断される場合、前記ユーティリティ周波数fが第2最小周波数値A´と第2最大周波数値B´の範囲内であるか否かを判断する第3のステップS3を実行し、前記第3のステップS3でユーティリティfが前記インバーターの第2最小周波数値A´と第2最大周波数値B´の範囲内であれば、前記インバーターを正常動作させる第4のステップS4を遂行する。
【0022】
前記インバーターの電圧が正常範囲に属するか否かを判断する第5のステップS5を実行し、同時に前記インバーターの電流が正常範囲に属するか否かを判断する第6のステップS6を実行し、前記第5のステップS5と第6のステップS6で前記インバーターの電圧と電流が正常範囲に属すると判断されれば、インバーターを続けて正常動作させる第7のステップS7を実行する。
【0023】
前記ユーティリティ周波数fが、第1最小周波数値と第1最大周波数値の範囲内であるか否かを判断する第8のステップS8を実行し、第1最小周波数値Aと第1最大周波数値Bの範囲内であれば、インバーターの一連の番号を判断する第2のステップS2に戻り、第2のステップS2でインバーターの一連の番号SWが1でなければ、一連の番号SWが2であるか否かを判断する第9のステップS9を実行する。
【0024】
前記第9のステップS9で一連の番号が2であるインバーターと判断される場合、前記と類似する方法で、ユーティリティ周波数fが、一連の番号が2であるインバーターについて、第1最小周波数値Aと第1最大周波数値Bの範囲内でインバーター群ごとに細分化して設定した第3最小周波数値A″と第3最大周波数値B″との範囲内であるか否かを判断する第10のステップS10を実行し、前記インバーターでユーティリティ周波数fが、第3最小周波数値A″と第3最大周波数値B″の範囲内にあれば、該当インバーターを正常動作させる第11のステップS11を実行する。
【0025】
前記第3のステップS3において、ユーティリティ周波数fが第2最小周波数値A´と第2最大周波数値B´の間でなければ、該当インバーターを待機(stand by)状態で動作させる第12のステップS12を実行し、インバーターの状態を確認したか否かを判断する第13のステップS13を実行する。
【0026】
所定周期ごとにユーティリティ周波数が正常か否かを判断する第14のステップS14を実行し、ユーティリティ周波数fが第1最小周波数値と第1最大周波数値との間であるか否かを判断する第15のステップS15を実行する。
【0027】
前記第5のステップS5において、前記インバーターの電圧が正常範囲内でなければ電圧エラーを表示する第16のステップS16と、前記第6のステップS6において、インバーターの電流が正常範囲内でなければ電流エラーを表示する第17のステップS17と、前記第8のステップS8において、前記インバーターのユーティリティ周波数が第1最小周波数値と第1最大周波数との間でなければユーティリティ周波数のエラーを表示する第18のステップS18とをそれぞれ実行する。
【0028】
前記第13のステップS13においてインバーターの状態を確認しなかった場合、前記第15のステップS15においてユーティリティ周波数が第1最小周波数値と第1最大周波数値との間でない場合、あるいは、前記第16,17,18のステップS16,S17,S18を経た場合は、インバーターを停止(stop)させる第19のステップS19を実行する。
【0029】
上述のように、制御フローはインバーターごとに同様に行われるが、インバーターの一連の番号SWが1であればインバーター#1で上記のような制御フローが実行され、2であればインバーター#2で、Nであればインバーター#Nでそれぞれ実行される。
【符号の説明】
【0030】
20a,20b,20n 第1の燃料電池システム、第2の燃料電池システム、第nの燃料電池システム
21 改質器
22 燃料電池スタック
23 インバーター
24 システムコントローラ
25 配電遮断器
26 ロード
27 MMI
28 ユーティリティ
図1
図2
図3
図4
図5