(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の患者についての生体情報を、表示画面の表示領域を前記複数の患者にそれぞれ対応して分割した複数の表示区域内に配置して、1画面で同時に、基本画面として表示する表示手段と、
前記基本画面で表示される表示態様を変更自在な変更手段と、
を有し、
前記表示手段は、
前記変更手段により変更される表示態様情報に基づいて、前記基本画面表示中に表示されている前記表示区域の数、サイズ及び前記表示区域に配置される前記生体情報の数のうち少なくとも1つを動的に変更して表示するとともに、
所定の一表示区域に表示する前記生体情報が無い場合、前記一表示区域において、一つの生体情報の表示が可能な領域を残しつつ、生体情報の無い領域を縮小し、縮小した領域の大きさ分、一表示区域とは別の表示区域を拡張し、この拡張した領域内に、前記別の表示区域に対応する患者についての未表示の生体情報を表示する、
生体情報監視装置。
前記表示手段は、表示する第1の患者の生体情報の数を増加して当該患者の表示区域を拡張するとともに、その拡張した領域分、前記表示領域内で表示されている第2の患者の表示区域を縮小して、この表示区域内に配置されていた前記第2の患者についての生体情報の表示を停止する、
請求項1記載の生体情報監視装置。
前記表示手段は、前記表示画面において、拡張する第1の患者の表示区域は、前記表示画面を半分に分割した領域内に表示し、前記表示画面の残余の領域に、前記第2の患者の表示区域を含む他の患者全ての生体情報を表示する、
請求項2から5のいずれか一項に記載の生体情報監視装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0016】
図2は、本発明の一実施の形態に係る生体情報監視装置としてのセントラルモニタを示す図である。
【0017】
図2のセントラルモニタ100は、患者についての生体情報を測定するベッドサイドモニタ或いは医用テレメータ等の生体情報収集装置が通信ネットワークを介して接続されている。セントラルモニタ100は、患者から離れた場所(例えばナースステーションなど)に置いて使用されており、生体情報収集装置とともに生体情報監視システムを構成する。
【0018】
この生体情報監視システムにおける生体情報収集装置としてのベッドサイドモニタは、病室、手術室または集中治療室、さらには搬送用等の用途において患者の近傍に置いて使用される。また、生体情報収集装置としての医用テレメータは、病棟など比較的症状の軽く自力で動き回ることのできる患者に対して用いられる。
【0019】
ベッドサイドモニタで収集する患者についての生体情報は、例えば、心電図(ECG:electrocardiogram)、呼吸、観血血圧、体温、酸素飽和度(SpO
2)、非観血血圧等である。また、医用テレメータにより生体情報が測定される患者は、ベッドサイドモニタで測定される患者よりも症状の軽い患者で有り、収集する生体情報は、例えば、心電図(ECG:electrocardiogram)、呼吸、酸素飽和度(SpO
2)等である。これらベッドサイドモニタ、医用テレメータ等でそれぞれ収集される患者の生体情報は、セントラルモニタ100に送信される。
【0020】
これにより、セントラルモニタ100は、ベッドサイドモニタで収集される生体情報(心電図情報(ECG)、呼吸、観血血圧、体温、酸素飽和度(SpO
2)、非観血血圧等)、医用テレメータで収集される生体情報(心電図情報、呼吸、SpO
2)を取得する。
【0021】
これら取得した患者毎の生体情報に基づいて、セントラルモニタ100は、複数の患者を監視する。
【0022】
具体的には、セントラルモニタ100では、患者毎に収集される生体情報を、表示画面の表示領域を分割した複数の表示区域220a〜220h毎に個別に表示して、1画面で同時に基本画面210として表示する。これにより、セントラルモニタ100では、表示画面(基本画面210)において、患者毎に同時に表示することにより、すべての患者(全ての床)を同時にリアルタイムで監視することができる。
【0023】
図3は、本発明の一実施の形態に係る生体情報監視装置としてのセントラルモニタ100の構成を示すブロック図である。
【0024】
図3に示すように、セントラルモニタ100は、受信部110と、表示手段としての制御部120及び表示部200(
図2参照)と、情報入力部130と、タッチパネルなどの選択操作部(変更手段)140と、記憶部160と、音声出力部170とを有する。
【0025】
受信部110は、テレメータ受信機等で構成され、無線により生体情報を送信し得る外部機器、例えば、ベッドサイドモニタ、医用テレメータ等との無線通信を可能にするアンテナおよび無線信号処理回路を有する。
【0026】
受信部110は、複数床受信可能な無線通信チャネルを介してベッドサイドモニタ、医用テレメータから送信された患者の生体情報を受信することで取得する。この受信部110は、ベッドサイドモニタ及び医用テレメータから生体情報を取得する取得手段として機能する。受信した生体情報は、制御部120に供給される。これにより、セントラルモニタ100は、ベッドサイドモニタ、医用テレメータから各患者についての生体情報を無線でリアルタイムに取得することができる。
【0027】
なお、セントラルモニタ100は、ベッドサイドモニタと、ケーブルを用いた相互にデータ交換なネットワークを介して接続するようにしてもよい。例えば、図示しないネットワーク用コネクタ(例えば、LAN接続コネクタ)に、ベッドサイドモニタに接続されたケーブルを接続して、ベッドサイドモニタから生体情報を取得するとともに、セントラルモニタ100からの情報を送信できるようにしてもよい。なお、コネクタは、シリアルコネクタ、USBコネクタおよび各種外部機器専用の接続コネクタのいずれかを含む。
【0028】
情報入力部130は、ベッドサイドモニタ或いは医用テレメータにより収集される生体情報の対象である患者の患者情報の入力を受け付けて、制御部120に供給する。なお、各患者の患者情報には、主として患者の識別番号、氏名、性別および年齢区分(新生児・乳児・幼児・小児・成人)が含まれるほか、病室、フロアまたは病棟の名称または番号が含まれる。補足的に、無線通信チャネルの番号を含むこともできる。さらに、患者を担当する医師および看護師の氏名を含むこともできる。
【0029】
この情報入力部130は、ユーザ(医療スタッフ)が患者情報を手入力するためのキーボードやマウスなどのような操作手段であり、あるいは磁気カードに記録された患者情報を読み取るカードリーダである。また、情報入力部130は、選択操作部140と同様の機能を有するものとして、表示部200の表示モードの設定或いは、表示モードを変更する際に用いてもよい。
【0030】
制御部120は、セントラルモニタ100内の各部における動作を制御するためのプログラムを記憶する記憶媒体とそのプログラムを実行する演算処理装置(CPU)とを有する。このプログラムには、表示部200に表示する際の画像処理プログラム、表示態様情報に基づいて基本画面を変更する際の画像処理プログラムなどが含まれる。
【0031】
制御部120は、受信部110から順次供給される各患者についての生体情報を、患者の患者情報に対応させてリアルタイムに表示部200に表示させるための制御を行う(
図2参照)。
【0032】
例えば、制御部120は、複数の患者についての生体情報が、予め指定されている基本画面モードとしての表示モード(例えば、8床2波形表示モード、16床1波形表示モード)に従って配置されるように、生体情報から画像信号を生成する。生成した画像信号は表示部200に供給される。なお、生体情報の表示は、波形および数字のうち少なくとも一方による表示を含む。表示部200は、供給される画像信号に基づいて表示画面に複数の患者毎の患者情報、生体情報を表示する。
図2では、8床4波形表示モードの基本画面210を示している。
【0033】
図2に示すように、制御部120からの画像信号を受けた表示部200は、基本画面210を、上述した患者情報及び生体情報を表示する所定形状(ここでは矩形状)の表示区域(床に対応)220a〜220hと、メニューバー222とで構成する。
【0034】
表示区域220a〜220hは、表示画面(基本画面210)の表示領域を分割して並べて配置され、それぞれの表示区域220a〜220hに患者毎の患者情報及び生体情報を表示する。なお、表示区域220a〜220h内で表示する生体情報のうち、波形として描画される生体情報は、心電図(ECG)、酸素飽和度(SpO
2)、観血血圧(BP)、呼気・吸気中の炭酸ガス濃度(CO
2)、麻酔ガス濃度(Agent)、酸素濃度(O
2)等の波形情報である。また、生体情報のうち、数字で表示される生体情報としては、心拍数(HR)、酸素飽和度(SpO
2)、非観血血圧(NIBP)、呼吸数等の計測値である。また、メニューバーは、基本画面の一辺(ここでは下辺)に沿って配置されるメニューバー222に描画されている。メニューバー222を構成する各矩形領域は、入力領域となっており、これら入力領域に、情報入力部130或いは選択操作部140を介して触れると、その旨を示す信号が制御部120に出力される。これにより制御部120は、対応する画面を基本画面210に重ねて表示する。
【0035】
また、制御部120は、複数の患者についての生体情報が、選択操作部140或いは情報入力部130を介して入力される情報に従って配置されるように、生体情報から画像信号を生成する。具体的には、制御部120には、選択操作部140或いは情報入力部130を介して、基本画面の表示態様(表示レイアウト)を変更する表示態様情報(表示レイアウト情報)が入力される。この入力により、制御部120は、表示態様情報に応じた画像信号を生成して表示部200に供給する。こうして表示部200は、表示画面に、表示態様情報に対応した表示レイアウトで基本画面210を表示する。
【0036】
なお、制御部120は、基本画面モードにより複数の患者についての生体情報を表示している最中に表示態様情報(表示レイアウト情報)が入力される場合でも、表示態様情報に対応した基本画面210の画像信号を生成して、表示部200に供給して表示させる。
【0037】
具体的には、表示部200で基本画面210を表示中であるときに、選択操作部140或いは情報入力部130により表示区域の数(患者の床数に対応)を増減する情報が入力されると、制御部120は、入力される数に応じて、基本画面210中の表示区域220a〜220hのサイズ(広さ)、及び各表示区域220a〜220hにおいて表示される生体情報の数のうち少なくとも1つを動的に変更して表示する。
【0038】
例えば、ある患者についての生体情報として波形表示される生体情報を増やした場合、一人または複数の他の患者の表示区域における領域を、増やした分と同じ大きさで縮小して、当該他の患者の表示区域のサイズを変更する。
【0039】
また、ある患者についての生体情報として波形表示される生体情報を減らした場合、一人又は複数の他の患者の表示区域を、減らした分と同じ大きさ分だけ広くして、表示する。このようにして制御部120は基本画面における表示態様(表示レイアウト)を変更して表示する。このような変更する表示態様の別例については後述する。
【0040】
また、制御部120は、選択操作部140或いは情報入力部130を介して基本画面の表示態様(表示レイアウト)を変更して設定するためのレイアウト変更設定画面を表示する画像信号を生成して表示部200に供給する。レイアウト変更設定画面は、それぞれ入力領域を有し、選択操作部140或いは情報入力部130を介して入力領域に触れることで、画面を変更後の表示態様情報(表示レイアウト情報)を制御部120に出力できる。例えば、レイアウト変更設定画面としては、後述する「画面構成詳細」ウィンドウ230(
図4では「画面構成」で図示)、「レイアウト」ウィンドウ232(
図4参照)、波形変更部としての波形数変更ボタン「△」「▽」262(
図8参照)、「ライン変更メニュー」270(
図10参照)等である。
【0041】
表示可能な生体情報が患者毎に複数ある場合、監視に必要な度合いである表示優先度(優先度)が患者毎の生体情報に設定されている。優先度の高い生体情報としては、EGC,SpO
2,非観血血圧等が一般的である。これらEGC,SpO
2,非観血血圧等の生体情報であるパラメータには、すべて表示される際の優先度が設定されている。
【0042】
制御部120は、各患者の表示区域のサイズ(広さ)に応じて、優先度の高い生体情報の波形から順に表示する。例えば、制御部120は、基本画面で表示される患者についての生体情報の数を減少する場合(各床の表示区域を縮小する場合)、優先度の高い生体情報が表示されるよう、優先度の低い生体情報は表示しない。すなわち、制御部120は、表示するある患者(第1の患者)の生体情報の数を増加してある患者の表示区域を拡張するとともに、その拡張した領域分、基本画面の表示領域内で表示されている他の患者(第2の患者)の表示区域を縮小する。制御部120は、縮小される表示区域内に配置されていた他の患者(第2の患者)についてのいずれかの生体情報の表示を停止し、表示する生体情報の数を減少して他の患者(第2の患者)の表示区域を縮小する、ということである。
【0043】
また、患者に対しては、重症度に応じて優先度が設定されている。患者の重症度は、例えば、監視対象となる優先度の高い生体情報の数が多い患者の順に設定してもよい。制御部120は、表示画面上に新たに生体情報(波形)を表示する際に、重症度の高い患者の波形を優先して表示できる。
【0044】
また、制御部120は、受信部110から順次供給される各患者についての生体情報を、患者情報に対応付けて記憶部160に格納して、生体情報を管理する。あるいは有線LANを介してデータサーバや電子カルテに生体情報や患者情報を出力する。
【0045】
なお、制御部120は、画像処理によって複数の画面レイヤを形成して、レイヤ毎に画面の画像信号を生成する。よって、画像処理の結果として得られる画像信号は、レイヤ構造となっている。ここでは、基本画面を表示するレイヤと、基本画面の表示態様(表示レイアウト)を変更するためのレイアウト変更設定画面を表示するレイヤとは異なるレイヤとしている。
【0046】
また、制御部120は、ベッドサイドモニタやテレメータ受信機から、患者の容態に異常が生じていないかの判定結果を、ネットワークを介して取得する。異常が生じている場合には、制御部120は、画面を通じて異常発生をユーザに通知するために画像信号を処理したり、音を通じて異常発生をユーザに通知するためにアラーム音を音声出力部170から出力させたりする。なお、制御部120は、受信部110から順次供給される各患者の生体情報について、閾値判定や不整脈などの解析を行うことにより、患者の容態に異常が生じていないかを判定できるように構成されてもよい。
【0047】
また、制御部120は、複数の患者の生体情報を同時に表示する基本画面モードの他に、各生体情報収集装置から取得した特定の患者の生体情報を表示する個人画面モードの表示画面を示す画像信号を生成して、表示部200に供給する。
【0048】
表示部200は、例えば液晶表示装置のような表示装置であり、制御部120から順次供給される画像信号に基づいて、生体情報を含む基本画面210(
図2参照)を表示する。
【0049】
ここでは、表示部200は、制御部120の画像処理により生成される画像信号に基づいて、基本画面、変更後の基本画面等の各種画面として、複数の患者の生体情報を同時に表示する。
【0050】
また、表示部200は、制御部120から供給される個人画面モードでの画像信号に基づいて、特定患者の生体情報を、予め設定された個人画面モードで表示する。
【0051】
表示部200には、選択操作部(タッチパネル)140が設けられている。これにより、医療スタッフは、表示部200の表示画面上で、基本画面モードの表示態様の変更操作を行うことができる。タッチパネル機能を用いた操作による入力は、入力信号として制御部120に伝送される。この入力信号に基づいて、制御部120は、基本画面モードでの基本画面210、個人画面モードでの表示画面の変更及び基本画面210における表示態様の変更が行われる。例えば、基本画面で表示されている複数の患者のうち、重症度の高い患者に関する生体情報を、現在表示されている生体情報の数よりもさらに多く表示させたい場合、その旨の変更を行うことができる。なお、選択操作部140により、患者情報を入力することもできる。
【0052】
記憶部160は、例えば、半導体メモリ装置またはハードディスクなどの記憶装置であり、制御部120から供給された各種情報を記憶する。
【0053】
音声出力部170は、スピーカであり、アラーム音などの出力を行う。
【0054】
なお、セントラルモニタ100は、受信部110と、制御部120と、表示部200と、情報入力部130と、選択操作部140と、記憶部160と、音声出力部170とを全て1つの筐体に収容した一体型構成を採用してもよい。また、制御部120と、表示部200と、情報入力部130と、選択操作部140と、記憶部160と、音声出力部170と、受信部110或いは図示しないコネクタ部とを、別々の筐体に収容して接続手段を介して接続した独立型構成を採用してもよい。
【0055】
次に、このセントラルモニタ100が、表示部200の表示画面における表示態様を変更する動作についてより具体的に説明する。
【0056】
<表示バリエーション1>
図4は、
図2に示すセントラルモニタ100における基本画面の表示バリエーション1の説明に供する図である。
【0057】
先ず、選択操作部140(
図3参照)を介して、
図2に示すメニューバー222の「画面構成詳細」ボタンを選択する。すると、制御部120(
図3参照)を介して、表示部200は、
図4に示すように、基本画面210上に、「画面構成詳細」ウィンドウ230を表示する(なお、
図4では、「画面構成詳細」ウィンドウ230上に「レイアウト」ウィンドウ232が重ねて表示されている)。次いで、選択操作部140(
図3参照)を介して、「画面構成詳細」ウィンドウ230内の「レイアウト」ボタン230aを選択すると、制御部120により表示部200は、「画面構成詳細」ウィンドウ230上に「レイアウト」ウィンドウ232を表示する。この「レイアウト」ウィンドウ232には、表示変更対象となる患者を選択するボタン(「患者選択ボタン」)233が配置されている。表示変更対象となる「患者選択ボタン」233は、基本画面210で表示されている表示区域で表示される患者にそれぞれ対応しており、
図4では、8人の患者が「氏名」で表示されている。
【0058】
例えば、波形を増やす方向での変更対象としての患者(例えば、「佐藤浩太」)の「患者選択ボタン」233aを選択するとともに、表示態様として、所定の態様を選択する。ここでは、選択操作部140を介して、変更対象である患者の表示区域の長さ(表示画面における縦方向の長さ、表示波形の振幅方向の長さ)として、波形表示される生体情報の5つ分の長さへの変更(4つの波形表示から5つの波形表示への変更)を選択する。
【0059】
すると
図3に示す制御部120は、入力される変更指示情報(表示態様情報)に基づいて画像信号を形成し、表示部200に供給する。
【0060】
これにより表示部200は、
図5に示すように、基本画面210aにおいて、変更対象となる患者を示す表示区域220bにおいて波形表示されていたパラメータが1つ増加して表示され、これにより詳細なモニタリングが可能となる。
図5では、表示区域220bにおいて、心電図(ECG:electrocardiogram)1、2、酸素飽和度(SpO
2)、呼吸(Resp)の波形表示に加えて、観血血圧(BP)221が波形表示される。
【0061】
変更対象の患者の表示区域220bの長さを大きくすると、表示部200では、表示区域220a、220c〜220hで表示されている他の患者のサイズが変更される。
図5では、変更対象となる患者に隣接する患者(ここでは、変更対象である患者の下に表示の患者「山本一太」)についての生体情報(波形)が一波形分減少している。つまり、表示区域220cの表示サイズが波形1幅分小さくなっている(表示区域220bの長さ方向に狭くなっている)。なお、対象患者(表示区域220b)に隣接する患者「山本一太」(表示区域220c)の波形数を維持したい場合、つまり「山本一太」ではない他の患者の生体情報を減少させたい場合は、上述した設定変更動作を繰り返す。これにより、基本画面210a上において対象患者の下側で隣接配置された患者以外の他の患者についての生体情報を減少させる。
【0062】
すなわち、選択操作部140(
図3参照)を介して、
図4に示す「画面構成詳細」ウィンドウ230、「レイアウト」ウィンドウ232を順に表示する。そして、「レイアウト」ウィンドウ232上で、変更対象となる患者(ここでは、「山本一太」)の「患者選択ボタン」233bを選択して、任意の表示波形数(ここでは、4本)を選択する。これにより、変更対象となる患者「山本一太」の表示区域220cは任意の数の波形で表示(4波形表示)される。このとき、「山本一太」の表示区域220c(
図5参照)で表示される生体情報である波形が3→4本になったため、その下の表示区域220dで波形表示される「松田智宏」についての生体情報が、1つ(表示区域内において波形が描画される領域の1幅分)減少して表示される。
【0063】
このように、セントラルモニタ100では、基本画面210上における複数の患者のうち、特定の患者についての波形(生体情報)数の変更に伴い、表示部200は、特定の患者の下側に隣接して表示される患者の生体情報を増減して表示する。
【0064】
すなわち、表示部200は、制御部120により、特定の患者についての生体情報である波形数を増加して特定の患者の表示区域を拡張しつつ、その表示区域において拡張した領域分、特定の患者の下側に位置する患者の表示区域を縮小する。これにより、表示部200は、特定の患者の下側に位置する患者の表示区域内で表示されていた患者についての生体情報としての表示波形の数、計測値の数を減少して表示する。よって、重症度の高い特定の患者についての生体情報を複数、モニタリングしたい場合に、その生体情報を示す波形および計測値の数を容易に増やして表示することができる。したがって、セントラルモニタ100によれば、患者数、患者の重症度に応じて、画面表示内容を好適に変更して患者の容態を監視できる。なお、一番下の患者において表示波形を増やす場合は、一番下の患者の表示区域に対して上で隣接した患者の表示区域における波形数を減少する。また、一番下の患者において表示波形を増やす場合、当該一番下の患者に対して、表示波形を増減させる方向で複数並ぶ患者の表示区域のうち一番上の表示区域における波形数を減少してもよい。
【0065】
表示バリエーション1では、基本画面210を設定した後で、監視する複数の患者のうち、特定の患者について表示する生体情報の変更動作について説明した。
【0066】
このような基本画面の設定変更は、患者の生体情報の監視中に、特定の患者を選択することなく、プリセットされたレイアウト画面パターンを用いて、基本画面設定とともに行うようにしてもよい。
【0067】
<表示バリエーション2>
図6は、
図2に示すセントラルモニタ100における表示画面の表示バリエーション2の説明に供する図であり、
図6は、プリセットされたレイアウトパターンを有するレイアウト設定変更画面を表示した例を示す図である。
【0068】
図6に示すレイアウト設定変更画面である「画面構成」ウィンドウ240は、セントラルモニタ100(
図2参照)の表示部200の表示画面における表示領域を左右に分割した右半分の領域に、ポップアップ表示されている。なお、この「画面構成」ウィンドウ240は、基本画面210bを、表示画面に16床1波形モードで全画面表示した状態において、メニューバー222の「メニュー」222aを選択してポップアップした「メニュー」ウィンドウ内で、「共通設定」を選択することでポップアップされる。
【0069】
図6では、基本画面で全画面表示されていた複数の患者についての生体情報を表示する基本画面210bは、表示画面の表示領域を左右に分割した左半分の領域に、16床1波形で表示区域を複数並べて配置されている。これら患者毎に表示される生体情報は、各患者において監視が必要な優先度の高い生体情報であり、ポップアップ表示した「画面構成」ウィンドウ240とともに、表示画面で波形、計測値などで、表示される。
【0070】
図6に示す「画面構成」ウィンドウ240には、表示画面のレイアウトを示す「レイアウト」241、設定したレイアウトを表示する「設定内容」242、「床選択」243等が配置されている。「床選択」243は、「設定内容」242で表示されるレイアウトにおいて各表示区域(床)に対応付けられる患者を選択する。
【0071】
例えば、
図6に示す「画面構成」ウィンドウ240では、「レイアウト」241において、監視する患者数(「床数」)を、選択操作部140(
図3参照)を介して設定する(ここでは、床数(表示区域数)「16」→「10」に変更)。これにより、監視する床数に対応するレイアウトパターンが複数個(「2 8」、「8 2」、「3 7」、「7 3」、「4 6」、「6 4」、「5 5」)表示される。レイアウトパターンは、それぞれ表示画面において左右で配置される表示区域の数を示している。
【0072】
この中から所望のレイアウトパターンを選択(ここでは、「8 2」を選択)すると、「画面構成」ウィンドウ240における「設定内容」242には、選択したレイアウトパターンが表示される。ここでの各レイアウトパターンは、表示画面を左右に分割し、左右のそれぞれの領域に、各領域上に表示された数の床が、各領域内で同形状の区域で、縦に並べて配置される表示態様を示す。
【0073】
例えば、「8 2」は、
図6に示すように、表示画面の左半分の領域に8人の患者(8床)の生体情報が、また、右半分の領域に2人の患者(2床)の生体情報が配置されたレイアウトとなっている。
【0074】
そして、選択したレイアウトにおける表示区域の配置位置に、「床選択」243で患者を適宜選択して割り振る。
【0075】
このようにプリセットされた設定変更画面を用いる場合、
図6において、監視する床数を「16」→「10」床に変更して、「8 2」のレイアウトを選択し、このレイアウトの表示区域配置位置に、監視する患者を「床選択」から選択して床に割り当てる。
【0076】
そして、レイアウト設定変更終了後、基本画面に戻る。ここでは、入力領域に配置されたホームボタン245を押下する。
【0077】
これにより、表示部200は、
図7に示す基本画面を表示する。
【0078】
図7は、
図2に示すセントラルモニタ100における表示画面の表示バリエーション2の説明に供する図である。この
図7は、
図6に示すレイアウト設定変更画面による設定を反映して基本画面を変更した表示画面を示している。
【0079】
図7に示すように、表示画面としての基本画面210cでは、表示画面の表示領域の右半分に、重症度の高い2人の患者(「江藤勇作」、「江藤有希」)の表示区域220j、220kが配置されている。これら表示区域220j、220k内では、それぞれの患者についての生体情報の波形252、254が優先度の高い順で、それぞれ5本ずつ表示されている。それ以外の患者220lについての生体情報は、優先度の高い生体情報の波形が表示されている。
【0080】
このように監視する複数の患者のうち、重症度の高い患者についての複数の生体情報(波形、計測値)を、他の患者よりも多い生体情報(波形、計測値)の数で、表示してモニタリングする構成としてもよい。
【0081】
なお、この表示バリエーション2に表示バリエーション1を組み合わせて、セントラルモニタ100の表示部200において、プリセットされた設定変更画面から更に患者毎の生体情報を示す表示波形数を変更するようにしてもよい。具体的には、プリセットされた設定変更画面に、患者についての生体情報(波形、計測値)の表示数を変更する変更部(ボタンなど)を設け、この変更部を選択操作部140で選択することで、基本画面の患者についての生体情報(波形、計測値)の表示数を変更可能とする。たとえば、
図7で表示されている「5 5」を「4 6」としてもよい。
【0082】
<表示バリエーション3>
図8及び
図9は、表示バリエーション3の説明に供する図である。
【0083】
図8に示す基本画面210dは、基本画面(
図2参照)210の構成において、表示区域220a〜220hのそれぞれに、波形数変更部262として、波形数変更ボタン「△」、「▽」を設けたものである。波形数変更ボタン「△(表示する生体情報の増加)」、「▽(表示する生体情報の減少)」は、各波形数変更ボタン「△」、「▽」が設けられた表示区域220a〜220h毎で表示する波形数を変更する。
【0084】
選択操作部140(
図3参照)を介して波形数変更ボタン「△」が選択されると、表示波形を増やす旨を示す信号が制御部120に入力される。この入力された情報に基づいて制御部120は、「△」が設けられた変更対象である患者の表示区域で表示される患者の波形の数を1つ(一幅)増やした表示態様となる画像信号を生成して、表示部に200に供給する。
【0085】
また、制御部120は、変更対象の表示区域に下方で隣接する表示区域内で表示されている波形数を1つ減らした表示形態となる画像信号を生成して、表示部200に供給する。これらの画像信号を受けて表示部200は、波形数変更対象となる患者の表示区域内での波形を1つ増やして、当該表示区域のサイズを大きくし、波形数変更対象の表示区域に下で隣接する表示区域における表示波形の数を1つ(一幅)減らした表示画面を表示する。
【0086】
一方、選択操作部140を介して、波形数変更ボタン「▽」が選択されると、表示波形を減らす信号が制御部120に入力される。この入力された情報に基づいて制御部120(
図3参照)は、変更対象となる患者についての生体情報を示す波形数を、1つ(一幅)減らし、かつ、変更対象となる患者の表示区域と下で隣接する表示区域内の波形を1つ(一幅)増やした表示態様となる画像信号を生成する。そして、制御部120は、生成した画像信号を表示部に200に供給する。この画像信号を受けて表示部200は、波形数変更対象となる患者の表示区域内での波形を1つ減らすとともに、当該患者の表示区域下で隣接する表示区域における表示波形の数を1つ(一幅)増やした表示画面で表示する。
【0087】
このように、基本画面において、選択操作部140を介して、波形数変更ボタン「△」、「▽」を選択するだけで、各表示区域220a〜220h内で表示される波形(生体情報)の数を増減する。
【0088】
例えば、
図8の基本画面210dにおいて、表示区域220bで表示される波形数変更ボタンである「佐藤浩太」の[△]ボタンを押す。すると、
図9に示す表示区域220bでは、「佐藤浩太」で波形表示されている生体情報(ここでは、ECG1、ECG2、SpO
2、Resp)の次の優先順位にある生体情報の波形(「BP」)263が追加されている。なお、波形と計測値の表示の優先度は各々独立して設定されているため、この場合は、第4の優先度である計測値「呼吸数」264が追加されている。
【0089】
これにより、表示区域220a〜220hのそれぞれに、表示波形数を変更する波形数変更部262を設けた場合、表示バリエーション1と異なり、「画面構成詳細」ウィンドウ、或いは表示バリエーション2の「メニュー」を開くことなく、基本画面から、直接、患者毎の波形数の変更を行うことができ、それに伴い計測値の数や大きさが変更される。なお、表示区域220a〜220hのそれぞれに、表示波形数を変更する波形数変更部262を設けた構成では、表示バリエーション1での構成と異なり、患者数やレイアウトの変更は行えない。
【0090】
また、波形数変更部262を操作するだけで容易に、表示波形数を変更できる。このため、例えば、患者についての生体情報の監視中に、表示していない波形にアラームが生じたときに、当該患者の波形を、一時的にひとつずつ増加させて、アラームが発生した波形を表示できる。これにより、患者の容態を正確に確認して処置を施すことができる。このようにアラームが発生した波形を表示した状態の画面を使用し続けて、継続して患者の容態を監視する。なお、計測値は、増加する表示波形とともに表示される。あるいは、一時的に見たい波形や計測値などのパラメータを表示し、すぐに元に戻すような操作も可能である。
【0091】
<表示バリエーション4>
図10及び
図11は、表示バリエーション4の説明に供する図である。
【0092】
表示部200(
図2参照)の基本画面210eにおいて、表示区域の境界線(例えば、変更対象が表示区域220gであるときに、表示区域220g、220hの境界線)269を所定時間押下する。これにより、
図10に示す基本画面210eには、「ライン変更メニュー」270が押下された境界線(ライン)を吹き出しで示すように表示される。なお、「ライン変更メニュー」270は、制御部120の画像処理により、基本画面210eが表示されている画像レイヤより前側の画像レイヤに、入力領域を有した状態でポップアップ表示されるものである。
【0093】
この「ライン変更メニュー」270には、ライン変更ボタン「△」、「▽」と、「確定」ボタンと、「キャンセル」ボタンが配設されている。ライン変更ボタン「△」、「▽」は、波形変更部として機能するものであり、選択された境界線を基本画面210e上で上下させて、境界線で仕切られる表示区域内で表示される波形の数を増減するボタンである。ライン変更ボタン「△」の押下により、選択された境界線が上に、波形一つ分(一幅分)移動して、境界線で仕切られる上側の患者の表示区域が縮小するとともに、境界線で仕切られる下側の患者の表示区域が拡張する。これにより境界線で仕切られる上側の表示区域内で表示される波形が1つずつ減少するとともに、境界線で仕切られる下側の表示区域内で表示される波形が1つずつ増加する。また、ライン変更ボタン「▽」の押下により、選択された境界線が下に、波形一幅分移動して、境界線で仕切られる上側の表示区域の表示区域が拡張するとともに、境界線で仕切られる下側の表示区域の表示区域が縮小する。これにより境界線で仕切られる上側の表示区域内で表示される波形が1つずつ増加するとともに、境界線で仕切られる下側の表示区域内で表示される波形が1つずつ減少する。なお、この「ライン変更メニュー」270では、境界線の移動により、境界線に隣接する表示区域の波形の一方を増加し、他方を減少させているが、これに限らない。境界線で隣接する表示区域のうち、波形を増加して変更する対象表示区域以外で、対象表示区域と、増減方向(表示波形の振幅方向)で並ぶ表示区域の長さを小さくしてもよい。
【0094】
「確定」ボタンは、ライン変更ボタン「△」、「▽」で選択したライン位置、つまり、境界線の位置を確定するボタンであり、このボタンを押下することで、境界線(ライン)の位置の変更が反映された基本画面に戻る。「キャンセル」ボタンは、ライン変更ボタン「△」、「▽」で設定されたラインをキャンセルして設定前の状態に戻すボタンである。
【0095】
これらボタンが、選択操作部140を介して押下されることで、その旨を示す信号が制御部120(
図3参照)に入力される。これを受けて制御部120は、対応する画像信号を生成して表示部200に供給し、表示部200は、表示波形数を変更した基本画面を表示する。
【0096】
例えば、
図10では、基本画面210eで表示されている表示区域220g、220hの境界線(ここでは、「安齋康治」と「阿部慎司」の境界線)269上を所定秒間長押しすることで、「ライン表示メニュー」270を表示している。
【0097】
この基本画面210eにおいて、「ライン選択メニュー」270中の「△」ボタンを押下する。これにより、境界線269が上に移動して、
図11に示すように、境界線より上の患者「安齋康治」の表示区域220gが、基本画面210eにおける縦方向(表示波形の振幅方向)に1波形分縮小する。加えて、基本画面210eでは、下の患者「阿部慎司」の表示区域220hが1波形分拡張する。よって、表示区域220hでは、より多くの生体情報を波形表示できる。
【0098】
これにより、表示バリエーション3と比較して、表示区域の表示内容に新たな要素(波形数変更ボタン)を追加することなく所望の患者の表示区域における生体情報の増加・減少を行うことができる。
【0099】
このように、セントラルモニタ100では、制御部120は、基本画面(210等)中に表示されている表示区域の数、サイズ及び表示区域に配置される前記生体情報の数のうち少なくとも1つを、動的に変更して表示する。つまり、制御部120は、複数の表示区域を表示する基本画面(210等)中において、表示区域内に複数配置される波形等の生体情報の表示数の増減に応じて、当該生体情報が配置される表示区域を拡張、縮小することで患者に対応する表示区域を適宜基本画面の全体で表示できる。
【0100】
例えば、制御部120の動的変更処理としては、基本画面において、所定の表示区域内で表示する生体情報の表示数を、新たに増加する際に、拡張する分の配置領域分、他の表示区域における生体情報の表示を停止して、他の表示区域のサイズを縮小する。この動的変更処理は、拡張または縮小される表示区域に対応する患者、表示区域内の生体情報(患者毎の生体情報)に設定された優先度に基づいて行われても良い。
【0101】
制御部120は、所定の一表示区域に表示する生体情報が無い場合、一表示区域において、一つの生体情報の表示が可能な領域を残しつつ、生体情報の無い領域を縮小し、縮小した領域の大きさ分、一表示区域とは別の表示区域を拡張し、この拡張した領域内に、別の表示区域に対応する患者についての未表示の生体情報を表示する。
【0102】
すなわち、制御部120は、他の場所への移動中、患者の退床等によって、基本画面で表示される所定の表示区域で表示される生体情報が無い場合、その表示区域を用いて、基本画面で表示されている表示区域(床)の数、サイズ及び表示区域に配置される生体情報の数を動的に変更する。
【0103】
例えば、制御部120は、基本画面で表示される所定の患者の表示区域(一表示区域)内での生体情報の表示数が、表示中の表示区域のサイズでの最大表示数に満たない場合、表示されていない表示領域の表示を停止し、この表示が停止された表示区域のサイズを、停止した生体情報の表示サイズ分、縮小し、基本画面で表示されている他の表示区域(床)で表示される生体情報の数を動的に変更する。ここでは、所定の患者の縮小された表示サイズ分、他の表示領域(床)の生体情報の表示数を増加し表示区域を拡張する。
【0104】
また、制御部120は、他の場所への移動中、患者の退床等によって、基本画面210で表示される所定の患者の一表示区域内での生体情報の表示が無い場合、つまり所定の患者の生体情報の表示が、たとえ空欄であったり他の場所への移動中を示す表示であっても、一表示区域における1生体情報(1波形)分の表示領域を残しつつ他の生体情報の表示サイズ分、一表示区域を縮小する。そして、この縮小した分の領域に基本画面で表示されている他の表示区域(床)で表示される生体情報の数を動的に変更して配置する。ここでは、所定の患者の縮小された表示サイズ分、別の表示領域(床)の生体情報の表示数を増加し表示区域を拡張し、この拡張した領域内に、別の表示区域に対応する患者についての未表示の生体情報を表示する。
【0105】
これにより、生体情報の表示が無い原因が、他の場所への移動中によるものなのか、患者の退床によるものなのか、もしくは機器の故障等によるものなのかが判別でき、非常に有効である。
【0106】
すなわち、制御部120は、基本画面で表示される所定の表示区域に表示する生体情報がない場合として患者が退床している場合、その表示区域を用いて、基本画面で表示されている表示区域(床)の数、サイズ及び表示区域に配置される生体情報の数を動的に変更する。例えば、この変更により、基本画面において、退床した患者の表示区域を縮小しつつ、その分、他の患者の表示区域を拡張して配置し、この表示区域に他の患者についての他の生体情報を配置してもよい。なお、退床とは、退院、他の施設への移動などによって、ベッドサイドモニタ或いは医用テレメータが患者から外されて、監視対象外となることである。
【0107】
また、基本画面において、生体情報がない表示区域(床)が表示される場合、基本画面で表示される複数の患者には重症度が設定され、患者毎の生体情報には優先度が設定されているため、その表示区域を、重症度の高い患者の表示区域として拡張して表示する。そして、拡張した表示区域内に、当該患者の複数の生体情報を設定させた優先度順に配置して表示できる。
【0108】
また、生体情報がない表示区域(床)を用いて、複数の患者のそれぞれの表示区域を拡張して、それぞれに優先度の高い生体情報(波形、計測値)を増加して表示してもよい。
【0109】
したがって、セントラルモニタ100で監視していた患者が退床した場合、基本画面210において、退床した患者を表示していた表示区域に、重症度の高い患者の優先度、患者毎の生体情報の優先度、或いはこれら優先度を適宜、組み合わせることで、優先度の高い生体情報を波形表示できる。このように優先度の高い順に、患者の生体情報を表示することで、重症度の高い患者について、他の軽症な患者より多くの生体情報で監視することができ、患者全ての容態を好適に監視することができる。なお、これにより、セントラルモニタ100で監視していた患者が退床した場合、基本画面において、退床した患者の表示区域を、ブラックアウトして次に入床される患者のために空けておいてもよい。いずれにせよ、基本画面の設定を変更しない限り、表示区域の数(患者の床数)は、変更されない。
【0110】
また、患者が退床した際に、セントラルモニタ100の表示画面での退床した患者の表示区域を用いて表示する対象となる複数の患者の重症度が同じ場合、監視対象としての優先度の高い生体情報を有する患者の表示区域を拡張して、当該生体情報を表示する。
【0111】
このように、本実施の形態に係る生体情報監視装置としてセントラルモニタ100によれば、患者数、患者の重症度に応じて、画面表示内容を好適に変更して患者の容態を監視することができる。具体的には、基本画面において、複数の患者の生体情報を、画一的な表示区域で監視することなく、患者の特徴(ここでは重症度)、患者毎の生体情報に設定された優先度に応じて、異なるサイズ、形状の表示区域で、生体情報の波形表示数を変更して監視することができる。すなわち、従来のセントラルモニタと異なり、基本画面における最大表示患者数、患者一人当たりの波形数を予め設定することなく、患者数や重症度、患者毎の生体情報の優先度に応じて情報量を増減して、表示内容を動的に変更できる。これにより、つねに基本画面全体を無駄なく使用することができ、必要なタイミングで、医療スタッフに対し、患者に関する必要十分な情報を提供できる。
【0112】
なお、基本画面において表示区域内で描画される波形は複数重ねて配置されてもよい。これにより、波形1幅分の表示区域内に複数の生体情報を示す波形で表示できる。
【0113】
なお、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIを想定したが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0114】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0115】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0116】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。