【文献】
DATTA, J.,A note on the similarity of LiOH with the hydroxides of alkaline earth metals in the reactions with non-metals,Journal of the Indian Chemical Society,1952年,Vol.29, No.12,p.965,ISSN:0019-4522
【文献】
DATTA, J.,REACTIONS WITH DRY ALKALINE EARTH HYDROXIDES. 1. A GENERAL METHOD FOR THE PREPARATION OF THE HYDRIDES OF SULPHUR, SELENIUM AND PHOSPHORUS,Journal of the Indian Chemical Society,1952年,Vol.29, No.2,p.101-104,ISSN:0019-4522
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の硫化リチウムの製造方法は、固体の水酸化リチウムと、固体の硫黄と、複数の水酸基を有する有機化合物と、を混合して、焼成用混合物を得、次いで、該焼成用混合物を600〜1200℃で焼成して、硫化リチウムを得ることを特徴とする硫化リチウムの製造方法である。
【0015】
本発明の硫化リチウムの製造方法に係る固体の水酸化リチウムとしては、如何なる製造方法により得られたものであってもよく、市販品であってもよい。高純度の硫化リチウムを得る上で、固体の水酸化リチウムは、不純物の含有量が少ないものほど好ましい。固体の水酸化リチウムは、一水塩であっても、無水塩であってもよい。固体の水酸化リチウムの粒径は、特に制限されない。
【0016】
本発明の硫化リチウムの製造方法に係る固体の硫黄としては、特に制限されない。高純度の硫化リチウムを得る上で、固体の硫黄は、不純物の含有量が少ないものほど好ましく、純度が99質量%以上であることが特に好ましい。また、固体の硫黄の粒径は、特に制限されない。
【0017】
本発明の硫化リチウムの製造方法に係る複数の水酸基を有する有機化合物は、炭素原子と水素原子と酸素原子とからなり、分子中に2以上の水酸基を有する化合物である。この複数の水酸基を有する化合物は、固体であっても、液体であってもよい。また、複数の水酸基を有する化合物中に、炭素原子、水素原子及び酸素原子以外の原子が存在すると、硫化リチウムの純度を低下させる要因となるので、複数の水酸基を有する有機化合物は、炭素原子、水素原子及び酸素原子のみからなる化合物であることが好ましい。
【0018】
複数の水酸基を有する有機化合物としては、糖類、多価アルコール類等が挙げられる。複数の水酸基を有する有機化合物に係る糖類としては、フルクトース等の単糖類、スクロース、ラクトース等の二糖類、単糖が3〜20分子程度結合したオリゴ糖類、でんぷん、セルロース等の多糖類、キシリトール、ソルビトール等の糖アルコール類が挙げられる。複数の水酸基を有する有機化合物に係る多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の2価のアルコール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価のアルコール類、分子中に4以上のヒドロキシル基を有する4価以上のアルコール類、ポリビニルアルコール等の多数のヒドロキシル基を有するポリマー等が挙げられる。これらのうち、複数の水酸基を有する有機化合物としては、異相の含有量が少ない硫化リチウムを得るという効果が高まると共に、硫化リチウム中に残存するカーボンの量が少なくなる点で、単糖類又は二糖類が好ましく、スクロースが特に好ましい。
【0019】
そして、本発明の硫化リチウムの製造方法では、先ず、固体の水酸化リチウムと、固体の硫黄と、複数の水酸基を有する有機化合物と、を混合することにより、焼成用混合物を得る。
【0020】
焼成用混合物中のリチウム原子に対する硫黄原子の比は、原子換算のモル比(S/Li)で、0.5〜3が好ましく、0.6〜1.0が特に好ましい。焼成用混合物中のリチウム原子に対する硫黄原子の比が上記範囲にあることにより、純度が高く且つ回収率が高くなる。一方、焼成用混合物中のリチウム原子に対する硫黄原子の比が、上記範囲未満だと、異相としてLi
2Oが生成し易くなり、また、上記範囲を超えると、回収率が低くなり易い。焼成用混合物中のリチウム原子に対する硫黄原子の比は、固体の水酸化リチウムと固体の硫黄との混合量を調節することにより調節される。
【0021】
焼成用混合物中のリチウム原子に対する炭素原子の比は、原子換算のモル比(C/Li)で、0.05〜0.5が好ましく、0.1〜0.3が特に好ましい。焼成用混合物中のリチウム原子に対する炭素原子の比が上記範囲にあることにより、焼成後の硫化リチウム中のカーボンの残存が少なくなる。焼成用混合物中のリチウム原子に対する炭素原子の比は、固体の水酸化リチウムと複数の水酸基を有する有機化合物との混合量を調節することにより調節される。
【0022】
固体の水酸化リチウムと、固体の硫黄と、複数の水酸基を有する有機化合物と、を混合する方法しては、特に制限されず、例えば、これらをペイントシェイカー等を用いて混合する方法が挙げられる。
【0023】
本発明の硫化リチウムの製造方法では、次いで、焼成用混合物を600〜1200℃で焼成することにより、複数の水酸基を有する有機化合物の存在下で、水酸化リチウムと硫黄を反応させて、硫化リチウムを得る。
【0024】
焼成用混合物を焼成するときの焼成温度は、600〜1200℃、好ましくは800〜1200℃、特に好ましくは900〜1000℃である。焼成温度が上記範囲にあることにより、異相の生成を抑えて、効率よく硫化リチウムを得ることができる。焼成用混合物を焼成するときの焼成時間は、未反応の水酸化リチウムが残らない範囲で、適宜選択される。焼成用混合物を焼成するときの焼成雰囲気は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気又は水素ガス等の還元性ガス雰囲気である。
【0025】
焼成用混合物を焼成した後、焼成物、すなわち、生成した硫化リチウムを、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下、水素ガス等の還元性ガス雰囲気下、又は真空下で冷却し、冷却後、必要に応じて、更に、粉砕又は解砕、分級、包装等を行い、製品の硫化リチウムを得る。このとき用いる不活性ガス又は還元性ガスは、不純物の混入を防止する観点から、純度が高いほど好ましい。また、水分との接触を避ける点で、不活性ガス又は還元性ガスの露点は、−50℃以下が好ましく、−60℃以下が特に好ましい。
【0026】
本発明の硫化リチウムの製造方法により得られる硫化リチウムの平均粒子径は、特に制限されないが、好ましくは1〜100μm、特に好ましくは10〜50μmである。硫化リチウムの平均粒子径が上記範囲にあることにより、無機固体電解質の製造に用いる場合に、その製造が容易になる。
【0027】
固体の水酸化リチウムと固体の硫黄のみの混合物を焼成して、水酸化リチウムと硫黄を反応させて硫化リチウムを得る場合、水酸化リチウムに対して硫黄が過剰にあると、異相としてLi
2SO
4が生成し易くなる。それに対して、本発明の硫化リチウムの製造方法では、複数の水酸基を有する有機化合物、好ましくは糖類又は多価アルコール類、特に好ましくはスクロースの存在下で、水酸化リチウムと硫黄を600〜1200℃で焼成して反応させることにより、異相として生成するLi
2SO
4が、複数の水酸基を有する有機化合物の炭化物で還元されるので、焼成生成物である硫化リチウムは、Li
2SO
4を含有しないか又はLi
2SO
4を含有したとしてもその含有量が非常に少ない硫化リチウムとなる。
【0028】
また、本発明の硫化リチウムの製造方法では、固体の水酸化リチウムと固体の硫黄とを反応させているので、本発明の硫化リチウムの製造方法は、有機溶媒を用いる製造方法ではなく、且つ、硫化水素等の気体の硫黄源を用いる製造方法ではない。また、本発明の硫化リチウムの製造方法では、固体の水酸化リチウムと固体の硫黄と複数の水酸基を有する有機化合物を混合し、次いで、焼成することにより、硫化リチウムが得られるので、本発明の硫化リチウムの製造方法は、工程数が少ない製造方法である。
【0029】
本発明の硫化リチウムの製造方法により得られる硫化リチウムは、リチウムイオン二次電池の無機固体電解質の原料として好適に用いられる。
【0030】
本発明の無機固体電解質の製造方法は、本発明の硫化リチウムの製造方法により硫化リチウムを得、次いで、得られた硫化リチウムと、硫化リン、硫化ケイ素、硫化ゲルマニウム、硫化ホウ素、硫化アルミニウム及び硫化ガリウムの群から選ばれる1種又は2種以上の硫化物(A)とを反応させることを特徴とする無機固体電解質の製造方法である。なお、以下、本発明の無機固体電解質の製造方法において、硫化リチウムと反応させる硫化物を、硫化リチウムと区別するために硫化物(A)と記載する。
【0031】
本発明の無機固体電解質の製造方法により得られる無機固体電解質は、Li
2S−P
2S
5、Li
2S−SiS
2、Li
2S−GeS
2、Li
2S−Ga
2S
3、Li
2S−B
2S
3、Li
2S−Al
2S
3等が挙げられる。
【0032】
本発明の無機固体電解質の製造方法に用いられる硫化物(A)の物性等は、特に制限されないが、硫化リチウムとの均一混合が容易になる点で、硫化物(A)の平均粒子径は、20μm以下が好ましく、1〜10μmが特に好ましい。
【0033】
本発明の無機固体電解質の製造方法において、硫化リチウムと硫化物(A)とを反応させる方法としては、例えば、(i)硫化リチウムと、硫化物(A)とをメカニカルミリングによりガラス化する方法、(ii)硫化リチウムと硫化物(A)とを混合し、得られる混合物を不活性ガス雰囲気中で、加熱して溶融させた後、急冷する方法等が挙げられる。また、(i)や(ii)で得られたガラス化物をガラス転移以上の温度で加熱処理する加熱処理工程を行うことにより、導電率を向上させる方法が挙げられる。
【0034】
前記(i)及び(ii)の方法において、目的とする無機固体電解質の組成に合わせて、硫化リチウムと硫化物(A)との配合割合を適宜選択する。例えば、無機固体電解質として、硫化リチウムと五硫化リンからLi
2S−P
2S
5の組成のものを得る場合には、硫化リチウム1モルに対する五硫化リンの配合量は、0.1〜0.7モル、好ましくは0.25〜0.5モルである。
【0035】
また、(i)及び(ii)の方法において、硫化リチウムと硫化物(A)以外に、組成調整を目的として、必要により硫黄を配合してもよい。
【0036】
(i)の方法に係るガラス化工程は、所定量の硫化リチウムと、所定量の硫化物(A)とを、遊星ボールミル等の機械的手段を用いて、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下でメカニカルミリングする。メカニカルミリングを行う機器としては、例えば、ビーズミル、遊星型ボールミル、振動ミル等の粉砕機器、つまり、混合対象である粉体中に粒状媒体を存在させて、それらを高速で流動させる機器が挙げられる。そして、それらを高速で流動させることで、粒状媒体により、混合対象である粉体に、機械的エネルギーが加えられる。メカニカルミリングの回転速度及び回転時間をコントロールすることで、より微細で均質なガラス粉末を調製することができるが、装置の種類や原料の種類或いは使用用途に応じて適切な条件を適宜選択してメカニカルミリングを行うことが好ましい。なお、回転速度が速いほどがガラスの生成速度は速くなり、回転時間が長いほどガラスへの転化率は高くなる傾向にある。
【0037】
(ii)の方法は、硫化リチウムと硫化物(A)とを混合し、得られる混合物を不活性ガス雰囲気中で、加熱して溶融させる溶融工程と、溶融物を急冷する急冷工程と、を有する。
【0038】
(ii)の方法に係る溶融工程は、所定量の硫化リチウムと、所定量の硫化物(A)とを、機械的手段を用いて、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で混合を行って均一混合物を得る。用いることができる混合装置としては、均一混合ができるものであれば特に制限はなく、例えば、ビーズミル、ボールミル、ペイントシェイカー、アトライタ、サンドミルが挙げられる。次いで、原料の混合物を、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で、加熱して混合物を溶融させる。加熱温度は、溶融させる混合物の組成により異なるが、Li
2S−P
2S
5の組成のものを得る場合には、加熱温度は700〜1000℃、好ましくは800〜950℃であり、加熱時間は1時間以上、好ましくは3〜6時間である。
【0039】
(ii)の方法に係る急冷工程では、溶融工程で得た溶融物を急冷して無機固体電解質を得る。急冷工程では、急冷により溶融物を、10℃以下、好ましくは0℃以下まで冷却する。また、そのときの冷却速度は、1〜1000℃/秒、好ましくは100〜1000℃/秒である。急冷する方法としては、例えば、水冷、液体窒素による急冷、双ローラー急冷、スプラット急冷方法等の常用の方法が挙げられる。
【0040】
(i)又は(ii)の方法で得られたガラス化物を、更に加熱処理する方法では、得られたガラス化物を、更にそのガラス転移温度以上の温度で追加加熱して、加熱処理することにより加熱処理工程を行う。この加熱処理工程により、ガラス化工程のみを行ったものに比べて、リチウムイオン伝導性を向上させることができる。加熱処理工程での加熱温度は、用いる原料の種類や配合量により異なるが、例えば、Li
2S−P
2S
5の組成の無機固体電解質を得る場合は、200℃以上、好ましくは250〜400℃である。また、加熱時間は、1時間以上、好ましくは3〜12時間である。また、固体電解質の酸化による、リチウムイオン伝導性の低下を抑制する観点から、不活性ガス雰囲気又は真空下で加熱を行うことが好ましい。
【0041】
本発明の無機固体電解質の製造方法により無機固体電解質を得た後、必要により、無機固体電解質を粉砕して、或いはシート状に成形し、例えば、少なくとも正極と負極と無機固体電解質から構成される全固体リチウム電池の無機固体電解質、あるいは、正極、負極、セパレータ、及びリチウム塩を含有する非水の有機電解液からなるリチウム二次電池において、正極材或いは負極に使用するリチウム金属又はリチウム合金の被覆材として使用する。
【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)X線回折測定
装置名:D8 ADVANCE、メーカー:Bruker AXSを用いて、測定条件:ターゲットCu−Kα、管電圧40kV、管電流40mA、走査速度0.1°/sec、により、X線回折測定を行った。
また、以下により、硫化リチウム結晶中の異相のLi
2SO
4、Li
2O及びLiCO
3の存在度を求めた。なお、回折ピーク強度比は、回折ピークの面積比である。
<Li
2SO
4の存在度>
回折ピークの強度比(b/a)=(a)硫化リチウムに由来する2θ=27°付近(111面)の回折ピーク強度/(b)硫酸リチウムに由来する2θ=22°付近(002面)の回折ピーク強度
<Li
2Oの存在度>
回折ピークの強度比(c/a)=(a)硫化リチウムに由来する2θ=27°付近(111面)の回折ピーク強度/(c)酸化リチウムに由来する2θ=33.6°付近(111面)の回折ピーク強度
<Li
2CO
3の存在度>
回折ピークの強度比(d/a)=(a)硫化リチウムに由来する2θ=27°付近(111面)の回折ピーク強度/(d)炭酸リチウムに由来する2θ=21°付近(110面)の回折ピーク強度
(2)イオン伝導度測定
固体電解質の両面を電極(95重量%のNiと、5重量%のSnで構成される)0.30gで挟んだのち、20MPaで5分間保持することにより3層構造の成型体を作成した。当該成型体を測定サンプルとして、交流インピーダンス測定装置(ソーラトロン社製)を用いることにより、イオン伝導度を測定した。
【0043】
(実施例1)
水酸化リチウム一水塩(日本化学工業社製、BQ品)をミル(ワンダーブレンダー)で15秒粉砕した後、212μm篩でふるい、次いで、ボックス炉内で窒素ガス雰囲気下200℃で4時間乾燥して、水酸化リチウムの脱水処理物を得た。次いで、得られた水酸化リチウムと、硫黄と、スクロースを、原子換算のモル比でLi原子:S原子:C原子=1:0.6:0.2となるように秤量し、ペイントシェイカーで40分混合した。
次いで、得られた混合物を、焼成炉中、窒素ガス雰囲気下、5℃/分で900℃まで昇温後、900℃で6時間保持して焼成を行った。焼成後、窒素ガス雰囲気下で室温まで冷却し、硫化リチウムを得た。得られた硫化リチウムの収率及び異相の存在度を表1に示す。また、得られた硫化リチウムのX線回折チャートを
図1に示す。
【0044】
(実施例2)
水酸化リチウム、硫黄及びスクロースを、原子換算のモル比でLi原子:S原子:C原子=1:0.6:0.2とすることに代えて、水酸化リチウム、硫黄及びスクロースを、原子換算のモル比でLi原子:S原子:C原子=1:2:0.2とすること以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表1及び
図1に示す。
【0045】
(実施例3)
脱水処理しない水酸化リチウムを用いること、すなわち、水酸化リチウム一水塩(日本化学工業社製、BQ品)をミル(ワンダーブレンダー)で15秒粉砕した後、212μm篩でふるい、次いで、ボックス炉内で窒素ガス雰囲気下200℃で4時間乾燥して得た水酸化リチウムの脱水処理物に代えて、水酸化リチウム一水塩(日本化学工業社製、BQ品)をミル(ワンダーブレンダー)で15秒粉砕した後、212μm篩でふるって得た水酸化リチウムとすること以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表1及び
図1に示す。
【0046】
(比較例1)
900℃で焼成することに代えて、500℃で焼成すること以外は、実施例1と同様の方法で行った。その結果を表1及び
図1に示す。
【0047】
(実施例4)
水酸化リチウム、硫黄及びスクロースを、原子換算のモル比でLi原子:S原子:C原子=1:0.6:0.2とすることに代えて、水酸化リチウム、硫黄及びスクロースを、原子換算のモル比でLi原子:S原子:C原子=1:4:0.2とすること以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表1及び
図1に示す。
【0048】
(比較例2)
スクロースを用いないこと、すなわち、水酸化リチウム、硫黄及びスクロースを、原子換算のモル比でLi原子:S原子:C原子=1:0.6:0.2とすることに代えて、水酸化リチウムと、硫黄とを、原子換算のモル比でLi原子:S原子=1:0.6(C原子のモル比は0)となるように秤量すること以外は、実施例1と同様に行った。その結果を表1及び
図1に示す。
【0049】
(実施例5)
スクロース用いることに代えて、フルクトースを用いること以外は、実施例1と同様の方法で行った。その結果を表1及び
図1に示す。
【0050】
(実施例6)
スクロース用いることに代えて、ポリビニルアルコール(PVA)を用いること以外は、実施例3と同様の方法で行った。その結果を表1及び
図1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
(実施例7)
実施例1で得られた硫化リチウム0.383g(75モル%)と、五二硫化リン(Aldrich社製)0.617g(25モル%)を秤量し、それらを、遊星ミルにて、400回転で20時間処理して、固体電解質を得た。得られた固体電解質のイオン伝導度を測定した。その結果を表2に示す。
【0053】
【表2】