特許第6162983号(P6162983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6162983端末装置、方法およびコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6162983
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】端末装置、方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20170703BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20170703BHJP
【FI】
   B60R16/02 640J
   B60R16/02 630L
   G06F3/0488
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-47797(P2013-47797)
(22)【出願日】2013年3月11日
(65)【公開番号】特開2014-172528(P2014-172528A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2016年2月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100148448
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 雄介
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 隆
(72)【発明者】
【氏名】進藤 大介
(72)【発明者】
【氏名】大畑 宣雄
【審査官】 菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−014871(JP,A)
【文献】 特開2006−189297(JP,A)
【文献】 特開2005−350014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
G06F 3/0488
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置可能な端末装置であって、
操作画面を表示する表示部と、
前記端末装置の傾きを検出する傾き検出部と、
前記傾きが安定した後、所定時間内に、前記端末装置が前記車両の助手席側に所定の角度以上傾いたことを検出した場合に、記助手席に人が乗車したと判断し、前記表示部に助手席用の操作画面を表示させる制御部と、
を備える端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の端末装置であって、
前記制御部は、前記端末装置が前記車両内に配置されたことを検出した後、かつ、前記傾きが安定した後に、前記所定時間内に、前記端末装置が前記車両の助手席側に所定の角度以上傾いたか否かを検出する、端末装置。
【請求項3】
車両に設置可能な端末装置によって実行される方法であって
前記端末装置は、操作画面を表示する表示部を備え、
前記端末装置の傾きを検出する工程と、
前記傾きが安定した後、所定時間内に、前記端末装置が前記車両の助手席側に所定の角度以上傾いたことを検出した場合に、記助手席に人が乗車したと判断し、前記表示部に助手席用の操作画面を表示させる工程と、
を備える方法。
【請求項4】
車両に設置可能な端末装置が備えるコンピュータによって実行されるコンピュータプログラムであって、
前記端末装置は、
操作画面を表示する表示部と、
前記端末装置の傾きを検出する傾き検出部と、を備え、
前記傾きが安定した後、所定時間内に、前記端末装置が前記車両の助手席側に所定の角度以上傾いたことを検出した場合に、記助手席に人が乗車したと判断し、前記表示部に助手席用の操作画面を表示させる機能、
をコンピュータに実現させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS(Global Positioning System)センサを備えるスマートフォンが広く利用されている。GPSセンサを備えるスマートフォンは、ナビゲーション用のアプリケーションソフトウェア(以下、単に「アプリケーション」という)をインストールすることにより、カーナビゲーションシステムとして利用することが可能である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−30931号公報
【特許文献2】特開2008−14871号公報
【特許文献3】特開2000−66784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ナビゲーション用のアプリケーションは、運転席側から操作されることを想定して、操作画面(グラフィカルユーザインタフェース)が設計されている場合がある。そのため、助手席側からナビゲーション用のアプリケーションを操作しようとすると、操作ボタンの位置が助手席から遠い場合があり、端末装置を操作することが困難な場合があった。そのため、スマートフォン等の端末装置を車両に設置した場合において、車両内の人の乗車位置に応じて、使い勝手のよい操作画面を提供可能な技術が望まれていた。
【0005】
このような課題は、ナビゲーション用のアプリケーションに限らず、例えば、車内において音楽や動画を再生するためのアプリケーションや、インターネット上の様々な情報を表示するためのアプリケーションにも共通した課題であった。その他、従来の端末装置においては、例えば、処理負担の軽減や、サーバ装置との通信量の削減、製造コストの削減などが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
本発明の第1の形態は、
車両に設置可能な端末装置であって、
操作画面を表示する表示部と、
前記端末装置の傾きを検出する傾き検出部と、
前記傾きが安定した後、所定時間内に、前記端末装置が前記車両の助手席側に所定の角度以上傾いたことを検出した場合に、前記助手席に人が乗車したと判断し、前記表示部に助手席用の操作画面を表示させる制御部と、
を備える。なお、本発明は以下の形態としても実現可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、車両に設置可能な端末装置が提供される。この端末装置は、操作画面を表示する表示部と;前記端末装置の傾きを検出する傾き検出部と;検出された前記傾きの変化に基づいて、前記車両の助手席に人が乗車したか否かを判断し、前記助手席に人が乗車したと判断された場合に、前記表示部に助手席用の操作画面を表示させる制御部と、を備える。この形態の端末装置によれば、助手席に人が乗車した場合に、助手席用の操作画面を表示することができる。そのため、車両内の人の乗車位置に応じて、使い勝手のよい操作画面を提供することができる。
【0008】
(2)上記形態の端末装置において、前記制御部は、前記傾きが安定したことを検出した後に、前記傾きの変化に基づいて、前記助手席に人が乗車したか否かを判断してもよい。このような態様の端末装置であれば、助手席に人が乗車したことを精度良く検出することができる。
【0009】
(3)上記形態の端末装置において、前記制御部は、前記端末装置が前記車両内に配置されたことを検出した後、かつ、前記傾きが安定した後に、前記傾きの変化に基づき、前記助手席に人が乗車したか否かを判断してもよい。このような態様であれば、端末装置が車両内に配置された後に、助手席に人が乗車したか否かを判断するので、車両外において、助手席用の操作画面が表示されてしまうことを抑制することができる。
【0010】
本発明は、端末装置以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、端末装置とサーバ装置とを含むシステムや、端末装置によって実行される方法、端末装置が備えるコンピュータによって実行されるコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】端末装置が設置された車両の室内を表す図である。
図2】端末装置の内部構成を示す図である。
図3】端末装置によって実行される操作画面表示処理のフローチャートである。
図4】運転席用の操作画面の例を示す図である。
図5】助手席用の操作画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
A.第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態としての端末装置100が設置された車両10の室内を表す図である。車両10には、運転席11と助手席12とが備えられている。運転席11と助手席12の前方には、ダッシュボード13が配置されている。端末装置100は、例えば、その表示部126が車両後部側に向くように、車両10のダッシュボード13上にクレードル200を介して固定される。なお、端末装置100は、クレードル200を用いることなく、例えば、ダッシュボード13に設けられたポケット14等に設置されてもよい。
【0013】
図2は、端末装置100の内部構成を示す図である。本実施形態では、端末装置100は、いわゆるスマートフォンとして構成されている。端末装置100は、制御部110と、無線通信部120と、タッチパネル124と、表示部126と、マイク128と、スピーカ130と、傾きセンサ134と、GPSセンサ136と、記憶部138と、を備える。
【0014】
制御部110は、CPU111やRAM112、ROM113を備えたコンピュータとして構成されており、端末装置100の動作全体を制御する。
【0015】
記憶部138は、不揮発的にデータが記憶される記憶装置であり、例えば、フラッシュメモリによって構成される。記憶部138には、ナビゲーション用のアプリケーション139が記憶されている。制御部110が、このアプリケーション139を実行することで、端末装置100は、カーナビゲーションシステムとして動作する。アプリケーション139は、例えば、無線通信部120によって、インターネット上の所定のサーバからダウンロードされ、記憶部138に記憶される。なお、アプリケーション139は、メモリーカード等の記録媒体に記録されていてもよい。
【0016】
無線通信部120は、通信キャリアを介したデータ通信や音声通信を行うための回路である。無線通信部120は、制御部110からの指示に応じて、通信キャリアを通じてインターネット上のサーバにアクセスし、地図画像データや経路データを取得する。
【0017】
表示部126は、制御部110からの指示に応じて、無線通信部120によって取得された地図画像や経路を表示する。表示部126には、制御部110からの指示に応じて、ナビゲーションに関する操作画面も表示される。本実施形態では、後述する操作画面表示処理によって、表示部126には、運転席用の操作画面、および、助手席用の操作画面のいずれか一方が表示される。
【0018】
タッチパネル124は、表示部126に重畳して設けられており、表示部126に表示された操作画面に対するユーザからのタッチ操作を受け付ける。
【0019】
傾きセンサ134は、端末装置100の傾きを検出するためのセンサである。本実施形態では、傾きセンサ134は、加速度センサ(より詳しくは、3軸加速度センサ)によって構成されている。
【0020】
GPSセンサ136は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)を構成する人工衛星から受信した電波に基づいて、端末装置100の現在位置を測位するセンサである。
【0021】
マイク128は、ユーザから発せられた音声や、周囲の音を取得する。取得された音声は、制御部110に入力される。スピーカ130は、制御部110による制御に応じて、通話相手から受信した音声等を出力する。
【0022】
図3は、端末装置100によって実行される操作画面表示処理のフローチャートである。本実施形態では、この操作画面表示処理は、アプリケーション139がユーザによって起動された際に実行される。この操作画面表示処理が実行されると、制御部110は、表示部126に運転席用操作画面を表示する(ステップS100)。
【0023】
図4は、運転席用の操作画面の例を示す図である。図4に示すように、本実施形態の運転席用の操作画面では、運転席11に近い側にメニューボタンBTが地図画像に重畳されて表示される。なお、運転席11が右側か左側かは、ユーザによって任意に設定されることとしても良い。制御部110は、運転席11が右側と設定されていれば、右側にメニューボタンBTを配置し、運転席11が左側と設定されていれば、左側にメニューボタンBTを配置する。メニューボタンBTは、例えば、出発地や目的地などナビゲーションにおける経路の設定を行うためのボタンである。
【0024】
運転席用の操作画面を表示すると、制御部110は、傾きセンサ134を用いて、端末装置100の傾きの検出を開始する(ステップS110)。傾きの検出を開始すると、制御部110は、端末装置100の傾きが安定したか否かを判断する(ステップS120)。制御部110は、端末装置100の傾きの変化が略ゼロになった場合に、傾きが安定したと判断する。端末装置100の傾きが安定していない場合には(ステップS120:NO)、安定するまで、ステップS120の処理がループされる。例えば、運転席11に人が乗車した後に、車両10の揺れが収まると、端末装置100の傾きは安定する。
【0025】
端末装置100の傾きが安定した場合には(ステップS120:YES)、制御部110は、傾きセンサ134によって検出された傾きに変化に応じて、助手席12に人が乗車したか否かを検出する(ステップS130)。具体的には、制御部110は、端末装置100の傾きが安定した後、所定時間内(例えば、30秒以内)に、端末装置100が助手席12側に所定の角度以上、傾いたことを検出した場合に、助手席12に人が乗車したと判断する。
【0026】
所定時間内に、助手席12に人が乗車したことが検出された場合には(ステップS140:YES)、制御部110は、表示部126に表示された操作画面を、運転席用の操作画面から助手席用の操作画面に切り替え(ステップS150)、当該操作画面表示処理を終了する。
【0027】
図5は、助手席用の操作画面の例を示す図である。図5に示すように、本実施形態では、助手席用の操作画面では、メニューボタンBTが助手席に近い側に配置される。そのため、上記ステップS100において、操作画面の右側にメニューボタンBTが表示されている場合には、メニューボタンBTが操作画面の左側に移動することになる。
【0028】
上記ステップS140において、所定時間内に、助手席12に人が乗車したことが検出されなかった場合には(ステップS140:NO)、制御部110は、表示部126に、運転席用の操作画面を表示させたまま、当該操作画面表示処理を終了する。当該操作画面表示処理が終了した後には、制御部110は、経路の設定や経路案内等のナビゲーションに関する処理を実行する。
【0029】
以上で説明した本実施形態の端末装置100によれば、助手席側に人が乗車しているか否かに応じて、端末装置100の操作画面を助手席用の操作画面と運転席用の操作画面のいずれかに切り替えることができる。そのため、乗車した人の位置に応じて、使い勝手のよい操作画面を提供することができる。また、助手席に人が乗車した場合には、助手席用の操作画面が表示されるので、運転者が端末装置100を操作する必要がない。よって、運転時の安全性を向上させることができる。
【0030】
また、本実施形態では、一般的なスマートフォンに搭載されている傾きセンサ134(加速度センサ)を用いて、助手席に人が乗車しているか否かを検出する。そのため、端末装置100に特別なハードウェアを追加することなく、端末装置100の使い勝手を向上させることができる。
【0031】
更に、本実施形態では、端末装置100の傾きが安定した後に、助手席に人が乗車したか否かを判断するので、助手席に人が乗車したことを精度良く検出することができる。
【0032】
なお、操作画面に表示されるボタンの種類は、図4図5に示したメニューボタンBTに限られない。例えば、地図の縮尺を変更するボタンや、現在位置を移動させるボタン、オーディオのソースを切り替えるボタン、ラジオのチャンネルを選択するボタン、ボリュームの調整ボタン、オーディオトラックを切り替えるボタン、など、種々のボタンの配置を運転席用と助手席用とで切り替えてもよい。
【0033】
B.他の実施形態
B1.第2実施形態
上記実施形態では、ナビゲーション用のアプリケーション139の操作画面を、助手席用または運転席用に切り替えている。しかし、切り替えを行う操作画面は、ナビゲーション用のアプリケーション139の操作画面に限られない。例えば、音楽あるいは動画再生用のアプリケーションや、インターネット上の様々な情報を表示するためのアプリケーションの操作画面を切り替えても良い。また、実行するアプリケーション自体を切り替えることで、操作画面を運転席用と助手席用とで変更してもよい。
【0034】
B2.第3実施形態
上記実施形態では、制御部110は、傾きセンサ134を用いて、助手席に人が乗車したか否かを判断している。これ以外にも、例えば、制御部110は、以下の方法(1)〜(5)によって助手席に人が乗車したか否かを判断することができる。制御部110は、傾きセンサ134と、以下に示す方法の少なくともいずれか一つを組み合わせて用いることで、助手席に人が乗車したか否かの検出精度を向上させることができる。
【0035】
(1)助手席12に重量センサを設け、この重量センサが所定の重量以上(例えば、15Kg以上)の重量を検出した場合に、制御部110が、助手席12に人が乗車したと判断する。制御部110は、例えば、重量センサからの出力を、車両10に搭載されたコンピュータから無線を通じて取得する。
【0036】
(2)端末装置100にカメラを設け、助手席12の位置を含む画像を撮像する。そして、制御部110がそのカメラによって撮像された画像を解析し、助手席12側に人が乗車していることが解析された場合に、助手席12に人が乗車したと判断する。
【0037】
(3)助手席に乗車した人が携帯している端末装置が、自己の位置情報を含む信号を端末装置100に送信する。そして、端末装置100の制御部110が、助手席12を含む位置範囲内に存在する端末装置から信号を受信した場合に、助手席12に人が乗車したと判断する。
【0038】
(4)制御部110が、マイク128を用いて、シートベルトの金具を固定する音を検出し、その音が、2回以上検出された場合に、助手席12に人が乗車したと判断する。
【0039】
(5)制御部110が、2以上のマイク128によって、シートベルトの金具を固定する音の発生源の位置を検出し、助手席12側の位置で音を検出した場合に、助手席12に人が乗車したと判断する。
【0040】
B3.第4実施形態
図3に示した操作画面表示処理において、助手席に人が乗車したか否かの判断処理(図3のステップS130)は、端末装置100の傾きが安定した後で、かつ、以下に示す(1)〜(4)のいずれかのタイミングの後に行ってもよい。(1)〜(4)のタイミングの後に判断処理が実行されれば、端末装置100が車両10内に配置された後に助手席に人が乗車したか否かを判断することになるので、車両外に端末装置100が存在するときに、助手席用の操作画面が表示されてしまうことを抑制することができる。
【0041】
(1)端末装置100がBluetooth(登録商標)等の規格に基づく近距離無線回路を備え、その近距離無線回路によって、車両10に搭載されたカーナビゲーションシステム20(図1参照)から発せられる無線信号を受信したタイミング。カーナビゲーションシステム20からは、例えば、周囲に存在するデバイスを発見するための信号や、ペアリングされたデバイスを検出するための信号が無線によって発せられる。
【0042】
(2)端末装置100が無線LAN回路を備え、その無線LAN回路によって、カーナビゲーションシステム20に搭載された無線LAN回路から発せられる無線信号を受信したタイミング。端末装置100が親機(アクセスポイント)、カーナビゲーションシステム20が子機(ステーション)という関係では、カーナビゲーションシステム20からは、プローブ要求信号が無線によって送信される。一方、端末装置100が子機、カーナビゲーションシステム20が親機という関係では、カーナビゲーションシステム20からは、SSID(Service Set Identifier)を含むビーコン信号が無線によって送信される。
【0043】
(3)端末装置100がFM受信回路を備え、そのFM受信回路によって、カーナビゲーションシステム20から発せられるFM電波を受信したタイミング。このFM電波は、例えば、カーナビゲーションシステム20から、車両に搭載されたオーディオ機器に、ナビゲーションのための音声を出力するために送信される。
【0044】
(4)端末装置100が、車両10に固定されたことを検出したタイミング。例えば、車両10に固定されたクレードル200が、電源等を端末装置100に供給するコネクタを備え、そのコネクタが端末装置100に接続されたことを制御部110が検出することで、端末装置100が車両10に固定されたと検出することができる。また、例えば、制御部110が、重力方向に対する端末装置100の設置角度を傾きセンサ134によって検出し、その設置角度が所定の角度に収まった場合に、端末装置100がクレードル200に固定されたと推測することもできる。
【0045】
B4.第5実施形態
上記実施形態では、傾きセンサ134を加速度センサによって構成した。しかし、傾きセンサ134は、ジャイロセンサによって構成してもよい。ジャイロセンサは、角速度を検出するセンサである。そのため、上述した操作画面表示処理では、ジャイロセンサからの出力値(角速度)が略ゼロになった場合に、傾きが安定したと判断することができる。また、助手席12に人が乗車したか否かは、ジャイロセンサによって検出された角速度の変化の方向(回転方向)に基づいて判断することができる。また、加速度センサとジャイロセンサとを組み合わせて傾きセンサ134を構成すれば、より精度良く、助手席に人が乗車したか否かを判断することが可能である。
【0046】
B5.第6実施形態
クレードル200には、端末装置100に設けられた傾きセンサ134よりも高精度な傾きセンサを設けてもよい。クレードル200内の傾きセンサと端末装置100の制御部110とは、端末装置100がクレードル200に固定されることで接続される。このような構成であれば、制御部110は、クレードル200側に設けられた傾きセンサを利用して、端末装置100の傾きを精度良く検出することができる。また、クレードル200が自己の傾きセンサを用いて、車両10の傾きの履歴を記憶しておき、端末装置100の制御部110が、その履歴を参照することで、傾きが安定したか否かを判断しても良い。
【0047】
B6.第7実施形態
上記実施形態では、制御部110は、助手席12に人が乗車したか否かを、所定の時間が経過する間に検出している。これに対して、制御部110は、停止している車両10の移動が開始するまでの間に、助手席12に人が乗車したか否かを検出してもよい。車両10の移動が開始したか否かは、GPSセンサ136によって検出した現在位置の変位に基づいて判断することができる。
【0048】
B7.第8実施形態
端末装置100は、スマートフォンに限らず、様々な装置として構成することが可能である。例えば、一般的な携帯電話(フィーチャーフォン)や、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット端末、携帯情報端末(PDA)、携帯音楽プレーヤ、携帯型ゲーム機、など、様々な装置として構成することが可能である。
【0049】
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0050】
10…車両
11…運転席
12…助手席
13…ダッシュボード
14…ポケット
20…カーナビゲーションシステム
100…端末装置
110…制御部
111…CPU
112…RAM
113…ROM
120…無線通信部
124…タッチパネル
126…表示部
128…マイク
130…スピーカ
134…傾きセンサ
136…GPSセンサ
138…記憶部
139…アプリケーション
200…クレードル
BT…メニューボタン
図1
図2
図3
図4
図5