特許第6162989号(P6162989)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6162989
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】撮影用光学装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20060101AFI20170703BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   G03B5/00 J
   H04N5/225 100
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-60737(P2013-60737)
(22)【出願日】2013年3月22日
(65)【公開番号】特開2014-186152(P2014-186152A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2016年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100090170
【弁理士】
【氏名又は名称】横沢 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】須江 猛
【審査官】 高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−284212(JP,A)
【文献】 特開2013−041026(JP,A)
【文献】 特開2007−148023(JP,A)
【文献】 特開2012−078785(JP,A)
【文献】 特開平10−031240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
G02B 7/02−7/105、7/12−7/16
H04N 5/225
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズおよび撮像素子を有するカメラモジュールと、前記レンズの光軸が傾くように前記カメラモジュールを揺動させて前記撮像素子上に結像される光学像の振れを補正するための振れ補正機構とを備え、
前記振れ補正機構は、前記カメラモジュールの揺動の支点となる支点部を有し軟磁性材料で形成される支点部材と、前記支点部を支点にして前記カメラモジュールを揺動させる揺動機構とを備えるとともに、前記レンズの光軸方向で前記カメラモジュールと重なるように、前記カメラモジュールの反被写体側に配置され、
前記揺動機構は、軟磁性材料で形成され前記光軸方向と略直交するように配置される磁性板と、筒状または枠状に巻回されて形成される振れ補正用コイルと、前記磁性板に所定の隙間を介して対向する対向部を有し軟磁性材料で形成されるとともに少なくとも一部が前記振れ補正用コイルの内周側に配置されるコア部材とを備え、
前記振れ補正用コイルは、前記光軸方向に直交する方向を巻回の軸方向として巻回されて形成され、
前記光軸方向から見たときに、複数の前記振れ補正用コイルが前記支点部を中心に放射状に配置され、
前記コア部材が内周側に配置された前記振れ補正用コイルまたは前記磁性板のいずれか一方は、前記カメラモジュールの反被写体側の端面に固定され、
前記コア部材が内周側に配置された前記振れ補正用コイルまたは前記磁性板のいずれか他方は、前記カメラモジュールを揺動可能に保持する保持部の少なくとも一部を構成しており、
前記コア部材の前記支点部側の端面を内側端面とすると、
前記揺動機構は、軟磁性材料で形成されるとともに前記内側端面が当接する第3の磁性板をさらに備え、
前記支点部材は、前記第3の磁性板に当接するとともに前記磁性板に当接していることを特徴とする撮影用光学装置。
【請求項2】
前記コア部材は、前記振れ補正用コイルの巻回の軸方向を長手方向とする略長方形の平板状または直柱状に形成され、
前記コア部材の、前記内側端面と反対側の端面を外側端面とすると、
前記外側端面が前記対向部となっており、
前記磁性板には、前記対向部に対向する磁性板側対向部が前記光軸方向へ突出するように形成され、
前記対向部と前記磁性板側対向部とは、前記振れ補正用コイルの巻回の軸方向で対向していることを特徴とする請求項記載の撮影用光学装置。
【請求項3】
前記コア部材は、前記振れ補正用コイルの巻回の軸方向を長手方向とする略長方形の平板状または直柱状に形成される第1コア部を備え
前記第1コア部の前記支点部側の端面が前記内側端面となっており、
前記第1コア部の、前記内側端面と反対側の端面を外側端面とすると、
前記コア部材は、前記外側端面から前記光軸方向へ突出する突出部をさらに備え、
前記突出部の先端面が前記対向部となっており、
前記対向部と前記磁性板とは、前記光軸方向で対向していることを特徴とする請求項記載の撮影用光学装置。
【請求項4】
前記揺動機構は、複数の前記振れ補正用コイルを保持するコイル保持部材を備え、
前記コイル保持部材には、前記振れ補正用コイルが配置される配置凹部が前記光軸方向へ窪むように形成されていることを特徴とする請求項からのいずれかに記載の撮影用光学装置。
【請求項5】
前記揺動機構は、前記振れ補正用コイルを保持するコイル保持部材を備え、
前記支点部材は、前記コイル保持部材または前記磁性板に固定されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の撮影用光学装置。
【請求項6】
前記振れ補正用コイルの表面は、絶縁性の被膜で覆われていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の撮影用光学装置。
【請求項7】
前記揺動機構は、前記振れ補正用コイルを保持するコイル保持部材を備え、
前記振れ補正機構は、前記コイル保持部材に固定される第1固定部と、前記磁性板に固定される第2固定部と、前記第1固定部と前記第2固定部とを繋ぐ腕部とを有するバネ部材とを備え、
前記バネ部材は、前記コイル保持部材と前記磁性板との間に配置され、
前記腕部が撓むことで前記カメラモジュールの揺動が可能になることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の撮影用光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学像の振れを補正するための振れ補正機能を有する撮影用光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レンズおよび撮像素子を有するカメラモジュールと、カメラモジュールを揺動させることで、撮像素子上に結像される光学像の振れを補正する振れ補正装置とを備える撮影用光学装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の撮影用光学装置では、振れ補正装置は、振れ補正用の永久磁石(振れ補正用磁石)と、振れ補正用のコイル(振れ補正用コイル)とを備えている。
【0003】
また、特許文献1に記載の撮影用光学装置では、4個の振れ補正用コイルがコイル基板に一体で形成されている。このコイル基板は、カメラモジュールの外周面に固定される内枠の、反被写体側の端面に固定されている。また、この撮影用光学装置では、平板状の振れ補正用磁石が、内枠を揺動可能に保持する外枠に固定されている。振れ補正用磁石は、その厚さ方向と光軸方向とが略一致するように配置されている。また、振れ補正用磁石は、コイル基板よりも反被写体側に配置されており、振れ補正用磁石とコイル基板とは、光軸方向で対向している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−78842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の撮影用光学装置では、内枠の反被写体側の端面にコイル基板が固定されている。また、この撮影用光学装置では、振れ補正用磁石は、コイル基板よりも反被写体側に配置されており、振れ補正用磁石とコイル基板とは、光軸方向で対向している。そのため、この撮影用光学装置では、光軸方向に直交する方向で装置を小型化することが可能である。しかしながら、この撮影用光学装置では、振れ補正用磁石が永久磁石であるため、振れ補正用磁石の厚さがある程度確保されていないと、振れ補正用磁石に適切な着磁を行うことが困難である。すなわち、この撮影用光学装置では、振れ補正用磁石の厚さが厚くなり、その結果、光軸方向において、装置が大型化するおそれがある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、光学像の振れを補正するための振れ補正機能を有する撮影用光学装置において、光軸方向および光軸方向に直交する方向のいずれの方向でも、装置を小型化することが可能な撮影用光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の撮影用光学装置は、レンズおよび撮像素子を有するカメラモジュールと、レンズの光軸が傾くようにカメラモジュールを揺動させて撮像素子上に結像される光学像の振れを補正するための振れ補正機構とを備え、振れ補正機構は、カメラモジュールの揺動の支点となる支点部を有し軟磁性材料で形成される支点部材と、支点部を支点にしてカメラモジュールを揺動させる揺動機構とを備えるとともに、レンズの光軸方向でカメラモジュールと重なるように、カメラモジュールの反被写体側に配置され、揺動機構は、軟磁性材料で形成され光軸方向と略直交するように配置される磁性板と、筒状または枠状に巻回されて形成される振れ補正用コイルと、磁性板に所定の隙間を介して対向する対向部を有し軟磁性材料で形成されるとともに少なくとも一部が振れ補正用コイルの内周側に配置されるコア部材とを備え、振れ補正用コイルは、光軸方向に直交する方向を巻回の軸方向として巻回されて形成され、光軸方向から見たときに、複数の振れ補正用コイルが支点部を中心に放射状に配置され、コア部材が内周側に配置された振れ補正用コイルまたは磁性板のいずれか一方は、カメラモジュールの反被写体側の端面に固定され、コア部材が内周側に配置された振れ補正用コイルまたは磁性板のいずれか他方は、カメラモジュールを揺動可能に保持する保持部の少なくとも一部を構成しており、コア部材の支点部側の端面を内側端面とすると、揺動機構は、軟磁性材料で形成されるとともに内側端面が当接する第3の磁性板をさらに備え、支点部材は、第3の磁性板に当接するとともに磁性板に当接していることを特徴とする。
【0008】
本発明の撮影用光学装置では、振れ補正機構は、レンズの光軸方向でカメラモジュールと重なるように、カメラモジュールの反被写体側に配置されている。そのため、本発明では、光軸方向に直交する方向において、撮影用光学装置を小型化することが可能になる。また、本発明では、揺動機構は、永久磁石ではなく、軟磁性材料で形成される磁性板を備えている。そのため、本発明では、特許文献1に記載の撮影用光学装置のように永久磁石からなる磁石板が光軸方向に略直交するように配置される場合と比較して、光軸方向に略直交するように配置される磁性板の厚さを薄くすることが可能になる。したがって、本発明では、光軸方向においても、撮影用光学装置を小型化することが可能になる。さらに、本発明では、振れ補正用コイルの内周側にコア部材の少なくとも一部が配置されているため、永久磁石の代わりに磁性板が設けられていても、揺動機構の駆動力を確保することが可能になる。
【0012】
また、本発明では、振れ補正用コイルは、光軸方向に直交する方向を巻回の軸方向として巻回されて形成され、光軸方向から見たときに、複数の振れ補正用コイルが支点部を中心に放射状に配置されている。そのため、巻回の軸方向における振れ補正用コイルの長さを長くすることが可能になる。したがって、振れ補正用コイルを構成する導線の巻回数を増やすことが可能になり、その結果、揺動機構の駆動力を高めることが可能になる。また、本発明では、振れ補正機構は、支点部を有し軟磁性材料で形成される支点部材を備え、揺動機構は、軟磁性材料で形成されるとともにコア部材の内側端面が当接する第3の磁性板を備え、支点部材は、第3の磁性板に当接するとともに磁性板に当接している。そのため、コア部材、第3の磁性板、支点部材および磁性板によって、振れ補正用コイルが発生させる磁力線が通過する磁路が形成される。したがって、揺動機構の磁気効率を高めることが可能になる。
【0013】
本発明において、たとえば、コア部材は、振れ補正用コイルの巻回の軸方向を長手方向とする略長方形の平板状または直柱状に形成され、コア部材の、内側端面と反対側の端面を外側端面とすると、外側端面が対向部となっており、磁性板には、対向部に対向する磁性板側対向部が光軸方向へ突出するように形成され、対向部と磁性板側対向部とは、振れ補正用コイルの巻回の軸方向で対向している。この場合には、コア部材の構成を簡素化することが可能になる。
【0014】
また、本発明において、コア部材は、振れ補正用コイルの巻回の軸方向を長手方向とする略長方形の平板状または直柱状に形成される第1コア部を備え第1コア部の支点部側の端面内側端面となっており、第1コア部の、内側端面と反対側の端面を外側端面とすると、コア部材は、外側端面から光軸方向へ突出する突出部をさらに備え、突出部の先端面が対向部となっており、対向部と磁性板とは、光軸方向で対向していても良い。この場合には、光軸方向と略直交するように配置される磁性板が平板状に形成されていれば良いため、磁性板の構成を簡素化することが可能になる。
【0016】
本発明において、揺動機構は、複数の振れ補正用コイルを保持するコイル保持部材を備え、コイル保持部材には、振れ補正用コイルが配置される配置凹部が光軸方向へ窪むように形成されていることが好ましい。このように構成すると、光軸方向に直交する方向を巻回の軸方向として巻回されて形成される複数の振れ補正用コイルがコイル保持部材に保持されていても、光軸方向で揺動機構を小型化することが可能になる。
【0017】
本発明において、揺動機構は、振れ補正用コイルを保持するコイル保持部材を備え、支点部材は、コイル保持部材または磁性板に固定されていることが好ましい。この場合には、コイル保持部材や磁性板に加えて、支点部材を固定するための構成を別途設ける必要がない。したがって、振れ補正機構の構成を簡素化することが可能になる。
【0018】
本発明において、振れ補正用コイルの表面は、絶縁性の被膜で覆われていることが好ましい。このように構成すると、たとえば、撮影用光学装置が落下したときの衝撃等によって、振れ補正用コイルと磁性板とが接触しても、振れ補正用コイルの短絡を防止することが可能になる。
【0019】
本発明において、たとえば、揺動機構は、振れ補正用コイルを保持するコイル保持部材を備え、振れ補正機構は、コイル保持部材に固定される第1固定部と、磁性板に固定される第2固定部と、第1固定部と第2固定部とを繋ぐ腕部とを有するバネ部材とを備え、バネ部材は、コイル保持部材と磁性板との間に配置され、腕部が撓むことでカメラモジュールの揺動が可能になる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明では、光学像の振れを補正するための振れ補正機能を有する撮影用光学装置において、光軸方向および光軸方向に直交する方向のいずれの方向でも、装置を小型化することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態にかかる撮影用光学装置の側面図である。
図2図1に示す撮影用光学装置の分解斜視図である。
図3】本発明の他の実施の形態にかかる振れ補正機構の構成を説明するための分解斜視図である。
図4】本発明の他の実施の形態にかかる振れ補正機構の構成を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
(撮影用光学装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる撮影用光学装置1の側面図である。図2は、図1に示す撮影用光学装置1の分解斜視図である。なお、以下の説明では、図1に示すように、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とし、X方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向とする。また、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。
【0024】
本形態の撮影用光学装置1は、携帯電話等の携帯機器、ドライブレコーダあるいは監視カメラシステム等に搭載される小型かつ薄型のカメラであり、オートフォーカス機能と振れ補正機能とを備えている。この撮影用光学装置1は、全体として略四角柱状に形成されている。本形態では、撮影用光学装置1は、撮影用のレンズの光軸Lの方向(光軸方向)から見たときの形状が略正方形状となるように形成されており、撮影用光学装置1の4つの側面は、左右方向または前後方向と略平行になっている。
【0025】
撮影用光学装置1は、レンズおよび撮像素子を有するカメラモジュール3と、レンズの光軸Lが傾くようにカメラモジュール3を揺動させて撮像素子上に結像される光学像の振れを補正するための振れ補正機構4とを備えている。本形態では、上下方向は、カメラモジュール3が揺動していないときのカメラモジュール3の光軸方向とほぼ一致する。また、本形態では、カメラモジュール3の下端側に撮像素子が搭載されており、上側に配置される被写体が撮影される。すなわち、本形態では、上側(Z1方向側)は被写体側(物体側)であり、下側(Z2方向側)は反被写体側(撮像素子側、像側)である。
【0026】
カメラモジュール3は、全体として略四角柱状に形成されている。本形態のカメラモジュール3は、光軸方向から見たときの形状が略正方形状となるように形成されており、カメラモジュール3の4つの側面は、左右方向または前後方向と略平行になっている。このカメラモジュール3は、撮像素子上に光学像を結像させるためのレンズと、このレンズを保持し光軸方向へ移動可能な可動体と、板バネ等のバネ部材を介して可動体を光軸方向へ移動可能に保持する保持体と、保持体に対して可動体を光軸方向へ駆動するためのレンズ駆動機構とを備えている。また、カメラジュール3は、撮像素子等が実装される基板6を備えている。
【0027】
レンズ駆動機構は、たとえば、可動体の外周面に固定されるレンズ駆動用コイルと、保持体に固定されレンズ駆動用コイルの外周面に対向配置されるレンズ駆動用磁石とを備えるボイスコイルモータである。基板6は、略正方形の板状に形成されている。この基板6は、保持体の下面に固定されており、カメラモジュール3の下端面を構成している。カメラモジュール3では、レンズ駆動機構を構成するレンズ駆動用コイルに電流が供給されると、可動体とともにレンズが光軸方向へ移動する。なお、レンズ駆動機構は、レンズ駆動用コイルおよびレンズ駆動用磁石に代えて、レンズを光軸方向へ移動させるための圧電素子を備えていても良いし、形状記憶合金を備えていても良い。
【0028】
振れ補正機構4は、カメラモジュール3の揺動の支点となる支点部8aを有する支点部材8と、支点部8aを支点にしてカメラモジュール3を揺動させる揺動機構9とを備えている。この振れ補正機構4は、光軸方向においてカメラモジュール3と重なるように配置されている。また、振れ補正機構4は、カメラモジュール3の下側(すなわち、反被写体側)に配置されている。本形態では、光軸方向から見たときに、カメラモジュール3の外形と、振れ補正機構4の外形とが略一致している。
【0029】
揺動機構9は、軟磁性材料で形成される磁性板11と、略長方形または略正方形の枠状に巻回されて形成される4個の振れ補正用コイル12と、振れ補正用コイル12の内周側に配置されるコア部材13と、4個の振れ補正用コイル12を保持するコイル保持部材14と、軟磁性材料で形成され撮影用光学装置1の反被写体側の端面を構成する第2の磁性板としての磁性板15とを備えている。本形態では、振れ補正用コイル12と、コア部材13と、コイル保持部材14と、磁性板15とによって、カメラモジュール3を揺動可能に保持する保持部16が構成されている。また、振れ補正機構4は、カメラモジュール3と保持部16とを繋ぐバネ部材としての板バネ17を備えている。
【0030】
磁性板11は、略正方形の平板状に形成されている。この磁性板11は、光軸方向と略直交するように基板6の下面に固定されている。すなわち、磁性板11は、その厚さ方向が光軸方向と略一致するように、カメラモジュール3の反被写体側の端面に固定されている。振れ補正用コイル12は、光軸方向を巻回の軸方向として巻回されて形成されている。すなわち、振れ補正用コイル12の内周側は、光軸方向に貫通する貫通孔となっている。振れ補正用コイル12の表面は、絶縁性の被膜で覆われている。
【0031】
コア部材13は、軟磁性材料で形成されている。また、コア部材13は、扁平な略四角柱状または略正方形の平板状に形成されている。本形態では、コア部材13の光軸方向の厚さが振れ補正用コイル12の光軸方向の厚さと略等しくなっており、コア部材13の全体が振れ補正用コイル12の内周側に配置されている。
【0032】
コイル保持部材14は、非磁性材料で形成されている。また、コイル保持部材14は、略正方形の平板からその四隅が略正方形状に切り欠かれることで形成されている。すなわち、コイル保持部材14は、略十字形状に形成されている。このコイル保持部材14は、その厚さ方向と光軸方向とが略一致するように配置されている。コイル保持部材14の光軸方向の厚さは、光軸方向におけるコア部材13の厚さおよび振れ補正用コイル12の厚さと略等しくなっている。コイル保持部材14の四隅の切欠き部のそれぞれには、コア部材13が内周側に配置された4個の振れ補正用コイル12のそれぞれが固定されている。4個の振れ補正用コイル12が固定されたコイル保持部材14は、略正方形の平板状に形成されており、4個の振れ補正用コイル12は、光軸方向から見たときに、撮影用光学装置1の四隅のそれぞれに配置されている。
【0033】
磁性板15は、略正方形の平板状に形成されている。この磁性板15は、光軸方向と略直交するようにコイル保持部材14の下面に固定されている。磁性板15の上面には、コア部材13の下端面が当接している。本形態では、光軸方向から見たときの磁性板11の外形と、振れ補正用コイル12が取り付けられた状態のコイル保持部材14の外形と、磁性板15の外形とが略一致している。
【0034】
支点部材8は、コイル保持部材14の上面に固定される円環状の被固定部8bと、被固定部8bの内周端から上側に向かって盛り上がる凸曲面状の曲面部8cとを備えている。曲面部8cは、球面の一部を切り取ることで形成される凸曲面となっている。曲面部8cの上端は、磁性板11の下面に当接しており、曲面部8cの上端が支点部8aとなっている。支点部材8は、光軸方向から見たときにコイル保持部材14の中心と支点部材8の中心(すなわち、支点部8a)とが略一致するようにコイル保持部材14に固定されており、支点部8aは、光軸方向から見たときに撮影用光学装置1の略中心に配置されている。また、支点部8aは、光軸Lが通過する位置に配置されている。
【0035】
板バネ17は、コイル保持部材14に固定される第1固定部と、磁性板11に固定される第2固定部と、第1固定部と第2固定部とを繋ぐ腕部とを備えている。この板バネ17は、光軸方向において、磁性板11とコイル保持部材14との間に配置されている。本形態では、板バネ17の腕部が撓むことで、保持部16に対するカメラモジュール3の揺動が可能になる。板バネ17の中心(より具体的には、第1固定部の中心)には、支点部材8の曲面部8cが配置される貫通孔17aが形成されている。貫通孔17aは、上下方向で板バネ17を貫通している。なお、板バネ17は、支点部8aと磁性板11とを確実に当接させるための与圧が発生するように(すなわち、カメラモジュール3を下方向へ付勢する付勢力が発生するように)、撓んだ状態で固定されている。また、図1図2では、形状が簡略化された板バネ17が図示されており、第1固定部、第2固定部および腕部の図示は省略されている。
【0036】
コア部材13の上端面は、所定の隙間を介して磁性板11の下面と対向している。すなわち、コア部材13と磁性板11とは光軸方向で対向している。本形態では、コア部材13の上端面は、磁性板11に所定の隙間を介して対向する対向部13aとなっている。
【0037】
撮影用光学装置1では、所定の位置に実装されるジャイロスコープでカメラモジュール3の傾きの変化が検出されると、ジャイロスコープでの検出結果に基づいて、振れ補正用コイル12に電流が供給される。振れ補正用コイル12に電流が供給されると、コア部材13の上端面(すなわち、対向部13a)と磁性板11との間に磁気的吸引力が生じる。また、対向部13aと磁性板11との間に磁気的吸引力が生じると、支点部8aを中心に、カメラモジュール3が光軸Lを傾けるように揺動して、振れが補正される。
【0038】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、振れ補正機構4は、光軸方向においてカメラモジュール3と重なるようにカメラモジュール3の下側に配置されている。そのため、本形態では、前後左右方向において、撮影用光学装置1を小型化することが可能になる。また、本形態の揺動機構9は、永久磁石ではなく、軟磁性材料で形成される磁性板11を備えている。そのため、本形態では、特許文献1に記載の撮影用光学装置のように永久磁石からなる磁石板が光軸方向に略直交するように配置される場合と比較して、光軸方向に略直交するように配置される磁性板11の厚さを薄くすることが可能になる。したがって、本形態では、光軸方向においても、撮影用光学装置1を小型化することが可能になる。さらに、本形態では、振れ補正用コイル12の内周側にコア部材13が配置されているため、永久磁石の代わりに磁性板11が設けられていても、揺動機構9の駆動力を確保することが可能になる。
【0039】
本形態では、磁性板11とコア部材13の対向部13aとが光軸方向で対向している。そのため、本形態では、光軸方向に略直交するように配置される磁性板11が平板状に形成されていても、磁性板11と対向部13aとの間で磁路を形成することが可能になる。すなわち、本形態では、磁性板11の構成を簡素化することが可能になる。また、本形態では、コア部材13が扁平な略四角柱状または略正方形の平板状に形成されているため、コア部材13の構成を簡素化することが可能になる。したがって、本形態では、揺動機構9の構成を簡素化することが可能になる。
【0040】
本形態では、光軸方向から見たときに、支点部8aは、撮影用光学装置1の略中心に配置され、コア部材13が内周側に配置された4個の振れ補正用コイル12は、撮影用光学装置1の四隅のそれぞれに配置されている。そのため、本形態では、支点部8aと振れ補正用コイル12との距離を大きくとることが可能になる。したがって、本形態では、揺動機構9の駆動力を小さくしても、カメラモジュール3を適切に揺動させることが可能になる。すなわち、本形態では、カメラモジュール3を適切に揺動させることが可能であっても、揺動機構9の駆動力を小さくすることが可能になり、その結果、揺動機構9を構成する振れ補正用コイル12等を小型化することが可能になる。
【0041】
本形態では、支点部材8は、振れ補正用コイル12を保持するコイル保持部材14に固定されている。そのため、本形態では、コイル保持部材14に加えて、支点部材8を固定するための構成を別途設ける必要がない。したがって、本形態では、振れ補正機構4の構成を簡素化することが可能になる。また、本形態では、磁性板15の上面にコア部材13の下端面が当接しているため、振れ補正用コイル12が発生させる磁束の漏れを磁性板15によって抑制することが可能になる。また、本形態では、振れ補正用コイル12の表面が絶縁性の被膜で覆われているため、たとえば、撮影用光学装置1が落下したときの衝撃等によって、振れ補正用コイル12と磁性板11とが接触しても、振れ補正用コイル12の短絡を防止することが可能になる。
【0042】
なお、本形態の支点部材8は、軟磁性材料で形成されても良いし、非磁性材料で形成されても良い。支点部材8が軟磁性材料で形成される場合には、コア部材13、磁性板15支点部材8および磁性板11によって、振れ補正用コイル12が発生させる磁力線が通過する磁路が形成される。そのため、この場合には、揺動機構9の磁気効率を高めることが可能になる。
【0043】
(振れ補正機構の変形例)
図3は、本発明の他の実施の形態にかかる振れ補正機構4の構成を説明するための分解斜視図である。図4(A)は、図3に示す振れ補正機構4の構成を説明するための断面図である。図4(B)は、図3に示す振れ補正機構4の変形例の構成を説明するための断面図である。
【0044】
上述した形態では、振れ補正機構4は、光軸方向を巻回の軸方向として巻回されて形成された振れ補正用コイル12を備えている。この他にもたとえば、図3図4に示すように、振れ補正機構4は、振れ補正用コイル12に代えて、光軸方向に直交する方向を巻回の軸方向として巻回されて形成された振れ補正用コイル22を備えていても良い。以下、この振れ補正用コイル22を有する揺動機構19の構成を説明する。なお、図3図4では、上述した形態と同一の構成または同様の構成については、同一の符号を付している。
【0045】
揺動機構19は、軟磁性材料で形成される磁性板21と、略長円筒状に巻回されて形成される4個の振れ補正用コイル22と、振れ補正用コイル22の内周側に配置されるコア部材23と、4個の振れ補正用コイル22を保持するコイル保持部材24と、軟磁性材料で形成されコイル保持部材24の中心に配置される第3の磁性板としての磁性板25とを備えている。本形態では、振れ補正用コイル22と、コア部材23と、コイル保持部材24と、磁性板25とによって、カメラモジュール3を揺動可能に保持する保持部26が構成されている。
【0046】
磁性板21は、略正方形状の平板状に形成されるベース部21aと、ベース部21aの四隅のそれぞれから下側へ突出する突出部21bとから構成されている。この磁性板21は、ベース部21aが光軸方向と略直交するように基板6の下面に固定されている。すなわち、磁性板21は、ベース部21aの厚さ方向が光軸方向と略一致するように、カメラモジュール3の反被写体側の端面に固定されている。突出部21bは、略長方形の平板状に形成されている。突出部21bは、左右方向および前後方向に対して約45°傾いている。
【0047】
振れ補正用コイル22は、上述のように、光軸方向に直交する方向を巻回の軸方向として巻回されて形成されている。すなわち、振れ補正用コイル22の内周側は、光軸方向に直交する方向に貫通する貫通孔となっている。振れ補正用コイル22の表面は、絶縁性の被膜で覆われている。コア部材23は、軟磁性材料で形成されている。また、コア部材23は、振れ補正用コイル22の巻回の軸方向を長手方向とする略長方形の平板状に形成されている。コア部材23の長さは、振れ補正用コイル22の長さと略等しくなっており、コア部材23の全体が振れ補正用コイル22の内周側に配置されている。
【0048】
コイル保持部材24は、非磁性材料で形成されている。また、コイル保持部材24は、略八角形の平板状に形成されている。このコイル保持部材24は、その厚さ方向と光軸方向とが略一致するように配置されている。コイル保持部材24の上面には、十字形状の凹部24aが下方向へ窪むように形成されている。凹部24aは、コイル保持部材24の中心に形成され凹部24aの中心をなす略正方形状の中心部24bと、中心部24bから前後方向および左右方向に対して45°傾斜した方向へ放射状に伸びる4個の放射状部24cとから構成されている。凹部24aの深さは、光軸方向における振れ補正用コイル22の厚さと略等しくなっている。
【0049】
4個の放射状部24cのそれぞれには、4個の振れ補正用コイル22のそれぞれが配置されている。上述した形態と同様に、支点部材8は、光軸方向から見たときにコイル保持部材24の中心と支点部8aとが略一致するようにコイル保持部材24に固定されており、光軸方向から見たときに4個の振れ補正用コイル22は、支点部8aを中心に放射状に配置されている。放射状に伸びる放射状部24cの長さと振れ補正用コイル22の長さとは略等しくなっており、放射状部24cの全域に振れ補正用コイル22が配置されている。放射状部24cは、振れ補正用コイル22が配置される配置凹部となっている。
【0050】
磁性板25は、略正方形の平板状に形成されている。この磁性板25は、コイル保持部材24の中心部24bに固定されている。磁性板25の大きさは、中心部24bの大きさと略等しくなっている。また、磁性板25の厚さは、凹部24aの深さと略等しくなっており、磁性板25の下面が中心部24bの上面に当接し、かつ、磁性板25の上面とコイル保持部材24の上面とが略一致するように、磁性板25がコイル保持部材24に固定されている。なお、磁性板25の厚さは、凹部24aの深さよりも薄くなっていても良い。この場合には、たとえば、磁性板25の上面とコイル保持部材24の上面とが略一致するように、磁性板25の上面が支点部材8の下面に固定される。
【0051】
コア部材23の支点部8a側の端面(すなわち、レンズの径方向における内側の端面)を内側端面23aとし、コア部材23の、内側端面23aの反対側の端面(すなわち、レンズの径方向における外側の端面)を外側端面23bとすると、磁性板21の突出部21bの下端は、振れ補正用コイル22の下面よりも下側であって、かつ、コイル保持部材24の下面よりも上側に配置されており、外側端面23bは、所定の隙間を介して磁性板21の突出部21bと対向している。すなわち、外側端面23bと突出部21bとは、振れ補正用コイル22の巻回の軸方向で対向している。揺動機構19では、外側端面23bは、磁性板21に所定の隙間を介して対向する対向部であり、突出部21bは、対向部である外側端面23bに対向する磁性板側対向部である。
【0052】
コア部材23の内側端面23aは、磁性板25の外周端面に当接している。また、支点部材8の下面は、磁性板25の上面に当接し、支点部材8の支点部8aは、磁性板21のベース部21aに当接している。揺動機構19では、支点部材8は、軟磁性材料で形成されており、コア部材23、磁性板25、支点部材8および磁性板21によって、振れ補正用コイル22が発生させる磁力線が通過する磁路が形成されている。
【0053】
図3図4(A)に示す揺動機構19では、振れ補正用コイル22が光軸方向に直交する方向を巻回の軸方向として巻回されて形成されているため、上述した形態の振れ補正用コイル12と比較して、巻回の軸方向における振れ補正用コイル22の長さを長くすることができる。したがって、この場合には、振れ補正用コイル22を構成する導線の巻回数を増やすことが可能になり、その結果、揺動機構19の駆動力を高めることが可能になる。また、揺動機構19では、支点部材8が軟磁性材料で形成されており、コア部材23、磁性板25、支点部材8および磁性板21によって、振れ補正用コイル22が発生させる磁力線が通過する磁路が形成されているため、揺動機構19の磁気効率を高めることが可能になる。
【0054】
また、揺動機構19では、コイル保持部材24に、振れ補正用コイル22が配置される放射状部24cが形成され、放射状部24cの深さは、光軸方向における振れ補正用コイル22の厚さと略等しくなっているため、光軸方向に直交する方向を巻回の軸方向として巻回されて形成される振れ補正用コイル22がコイル保持部材24に保持されていても、光軸方向で揺動機構19を小型化することが可能になる。また、揺動機構19では、コア部材23が略長方形の平板状に形成されていれば良いため、コア部材23の構成を簡素化することが可能になる。
【0055】
なお、図3図4(A)に示す例では、磁性板21は、ベース部21aと突出部21bとから構成されているが、磁性板21は、上述した形態の磁性板11と同様に、略正方形の平板状に形成されても良い。この場合には、図4(B)に示すように、コア部材23は、振れ補正用コイル22の巻回の軸方向を長手方向とする略長方形の平板状に形成される第1コア部23cを備えている。また、第1コア部23cの支点部8a側の端面(すなわち、レンズの径方向における内側の端面)を内側端面23dとし、第1コア部23cの、内側端面23dの反対側の端面(すなわち、レンズの径方向における外側の端面)を外側端面とすると、第1コア部23cの外周端面は、レンズの径方向における振れ補正用コイル22の外側端よりも径方向の外側に突出している。また、コア部材23には、第1コア部23cの外側端面から上側へ突出する突出部23eが形成されている。
【0056】
この場合には、突出部23eの先端面(すなわち、突出部23eの上端面)は、所定の隙間を介して磁性板21の下面と対向している。すなわち、突出部23eの先端面と磁性板11とは光軸方向で対向しており、突出部23eの先端面は、磁性板15に所定の隙間を介して対向する対向部23fとなっている。また、この場合には、第1コア部23cの内側端面23dは、磁性板25の外周端面に当接している。この場合には、磁性板21が平板状に形成されていれば良いため、磁性板21の構成を簡素化することが可能になる。
【0057】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0058】
上述した形態では、支点部材8の被固定部8bはコイル保持部材14の上面に固定され、支点部8aは磁性板11の下面に当接している。この他にもたとえば、支点部材8の被固定部8bが磁性板11の下面に固定され、支点部8aがコイル保持部材14の上面に当接していても良い。同様に、図3図4に示す振れ補正機構4では、支点部材8の被固定部8bはコイル保持部材24の上面に固定され、支点部8aは磁性板21の下面に当接しているが、支点部材8の被固定部8bが磁性板21の下面に固定され、支点部8aがコイル保持部材24に固定される磁性板25に当接していても良い。また、振れ補正機構4は、支点部材8に代えて、球形に形成される支点部材を備えていても良い。この場合には、たとえば、コイル保持部材14や磁性板25に前後左右方向への支点部材のずれを防止するための保持部が形成され、磁性板11、21の下面にこの支点部材の上端が当接する。
【0059】
上述した形態では、磁性板11がカメラモジュール3の反被写体側の端面に固定されるとともに、振れ補正用コイル12とコア部材13とコイル保持部材14と磁性板15とによってカメラモジュール3を揺動可能に保持する保持部16が構成されている。この他にもたとえば、磁性板15の上面がカメラモジュール3の反被写体側の端面に固定され、振れ補正用コイル12が固定されたコイル保持部材14が磁性板15の下面に固定されるとともに(すなわち、磁性板15を介して振れ補正用コイル12がカメラモジュール3の反被写体側の端面に固定されるとともに)、磁性板11によってカメラモジュール3を揺動可能に保持する保持部が構成されても良い。この場合には、たとえば、磁性板11の上面に支点部材8の被固定部8bが固定され、支点部8aは、コイル保持部材14に当接する。また、この場合には、板バネ17の第1固定部が磁性板11に固定され、第2固定部がコイル保持部材14に固定される。
【0060】
同様に、図3図4に示す振れ補正機構4では、磁性板21がカメラモジュール3の反被写体側の端面に固定されるとともに、振れ補正用コイル22とコア部材23とコイル保持部材24と磁性板25とによってカメラモジュール3を揺動可能に保持する保持部26が構成されているが、コイル保持部材24の、振れ補正用コイル22が取り付けられていない側の面がカメラモジュール3の反被写体側の端面に固定されるとともに(すなわち、コイル保持部材24を介して振れ補正用コイル22がカメラモジュール3の反被写体側の端面に固定されるとともに)、磁性板21によってカメラモジュール3を揺動可能に保持する保持部が構成されても良い。この場合には、たとえば、磁性板21の上面に支点部材8の被固定部8bが固定され、支点部8aは、コイル保持部材24に固定される磁性板25に当接する。また、この場合には、板バネ17の第1固定部が磁性板21に固定され、第2固定部がコイル保持部材24に固定される。
【0061】
上述した形態では、4個の振れ補正用コイル12のそれぞれは、光軸方向から見たときに、撮影用光学装置1の四隅のそれぞれに配置されている。この他にもたとえば、4個の振れ補正用コイル12のそれぞれは、光軸方向から見たときに、撮影用光学装置1の四辺のそれぞれに配置されても良い。
【0062】
上述した形態では、揺動機構9は、4個の振れ補正用コイル12とコイル保持部材14とを備えている。この他にもたとえば、揺動機構9は、4個の振れ補正用コイル12とコイル保持部材14とに代えて、振れ補正用コイルとしての4個のコイル部を一体で有するシート状コイルを備えていても良い。この場合のシート状コイルは、たとえば、微細な銅配線からなる4個のコイル部がプリント基板上に形成されることによって構成されたFPコイルである。
【0063】
上述した形態では、撮影用光学装置1は、オートフォーカス機能を備えているが、撮影用光学装置1は、オートフォーカス機能を備えていなくても良い。また、上述した形態では、揺動機構9は磁性板15を備えているが、揺動機構9は磁性板15を備えていなくても良い。また、図3図4に示す振れ補正機構4では、揺動機構19は磁性板25を備えているが、揺動機構19は磁性板25を備えていなくても良い。
【0064】
上述した形態では、撮影用光学装置1は、光軸方向から見たときの形状が略正方形状となるように形成されているが、撮影用光学装置1は、光軸方向から見たときの形状が略長方形状となるように形成されても良い。また、撮影用光学装置1は、光軸方向から見たときの形状がその他の多角形状となるように形成されても良いし、光軸方向から見たときの形状が円形状や楕円形状となるように形成されても良い。同様に、カメラモジュール3は、光軸方向から見たときの形状が略長方形状となるように形成されても良い。また、カメラモジュール3は、光軸方向から見たときの形状がその他の多角形状となるように形成されても良いし、光軸方向から見たときの形状が円形状や楕円形状となるように形成されても良い。
【0065】
図3図4に示す振れ補正機構4では、軟磁性材料からなる支点部材8と磁性板25とが別部材となっている。この他にもたとえば、軟磁性材料からなる支点部材8と磁性板25とが1つの部材であっても良い。
【符号の説明】
【0066】
1 撮影用光学装置
3 カメラモジュール
4 振れ補正機構
8 支点部材
8a 支点部
9、19 揺動機構
11、21 磁性板
12、22 振れ補正用コイル
13、23 コア部材
13a、23f 対向部
14、24 コイル保持部材
15 磁性板(第2の磁性板)
16、26 保持部
17 板バネ(バネ部材)
21b 突出部(磁性板側対向部)
23a、23d 内側端面
23b 外側端面(対向部)
23c 第1コア部
23e 突出部
24c 放射状部(配置凹部)
25 磁性板(第3の磁性板)
L 光軸
Z 光軸方向
Z2 反被写体側
図1
図2
図3
図4