(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の遊技用装置において、前記下部タンクは、前記タンク本体の中に前記第2傾斜板と前記第1傾斜板と前記水平誘導板がこの順序で緊密に嵌合して固定されて、組み立ておよび分解に工具が不要とされていることを特徴とする遊技用装置。
請求項2に記載の遊技用装置において、前記上部タンクは、タンク本体と傾斜板とを有する多段構造であって、一端側に前記揚送部により揚送された球を受け入れる球受入れ部を有するものであり、
前記タンク本体は、前記球受入れ部と反対側および幅方向一端側に下り傾斜する底壁とその底壁の一辺を除く周囲から起立する周壁とを有して、上方に開口する箱状に形成され、前記底壁の幅方向傾斜下位側端部が接続される周壁に前記底壁の上面を転動する球を排出させる排出口を有するものであり、
前記傾斜板は、前記タンク本体の長手方向一端側から他端側まで下り傾斜し、かつ、幅方向一端側の周壁から幅方向他端側の周壁の近傍まで下り傾斜して、前記傾斜板の上面と前記タンク本体の底壁との間に横転V字状に連続する球通路を形成するものであり、
前記球受入れ部は、前記タンク本体の傾斜板の長手方向傾斜上位側端部に設けられ、前記タンク本体の周壁の開放部分と連通するように開放された周壁と、前記タンク本体側に下り傾斜し、上面が前記タンク本体の傾斜板の上位側端部に連続する底壁とを有し、揚送研磨装置の上端から排出される遊技球を受け入れるものである、
ことを特徴とする遊技用装置。
請求項3に記載の遊技用装置において、前記上部タンクの球受入れ部は、前記上部タンクのタンク本体の傾斜板の長手方向傾斜上位側端部であって、前記傾斜板の幅方向傾斜上位側に寄った位置において前記タンク本体に結合され、前記揚送部の上端から排出される遊技球を、前記球受入れ部の周壁のうち前記タンク本体の傾斜板の幅方向傾斜上位側の周壁と連続する壁に向けて斜めに進行させる案内部材が設けられていることを特徴とする遊技用装置。
請求項4に記載の遊技用装置において、前記案内部材は、前記揚送部により揚送され前記研磨部により研磨された後、前記揚送部の上端から排出される遊技球を除電する導電性材料で形成されていることを特徴とする遊技用装置。
請求項3,4または5に記載の遊技用装置において、前記上部タンクは、その上部タンクのタンク本体の中に傾斜板が緊密に嵌合して固定されて、組み立ておよび分解に工具不要とされていることを特徴とする遊技用装置。
【発明を実施するための形態】
【0021】
続いて、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0022】
図3に例示するように、単体島Aは、筺体1を有し、その単体島Aの中に既知の遊技機Bが設置され、遊技機Bで使用され回収された球を再び遊技機Bに供給するための本発明に係る遊技用装置Cが備えられている。
【0023】
遊技用装置Cは、
図1に概略的に示すように、遊技機Bで使用された球を回収して貯める下タンク100と、その下タンク100から流出する球を搬送する搬送部220と、搬送途中の球を研磨する研磨部230と、搬送され研摩された球を貯め、遊技機Bに供給する上タンク300とを有して、遊技機内で使用される球を循環させるものである。
【0024】
このような遊技用装置Cを単体島Aに備える形態としては、
図2(a)に示すように、1台の遊技機(図示せず)を有する単体島A1の中に一つの遊技用装置Cを備える場合と、
図2(b)に示すように、2台の遊技機(図示せず)を背合わせに併設した単体島A2の中にそれぞれの遊技機に対応する一つの遊技用装置Cを備える場合と、
図2(c)に示すように、2台の遊技機(図示せず)を横に併設した単体島A3の中にそれぞれの遊技機に対応する一つの遊技用装置Cを備える場合があり得る。また、遊技用装置Cを単体島Aに備える他の形態として、
図2(d)に示すように、2台の遊技機(図示せず)を横に併設した単体島A3の中に一つの遊技用装置Cを2台の遊技機で共用するように設ける場合があり得る。
【0025】
上には4形態を例示したが、
図2(b)の2台の遊技機(図示せず)を背合わせに併設した単体島A2の中に一つの遊技用装置Cを2台の遊技機で共用するように設ける場合や、遊技ホールの空きスペース次第では、たとえば4台の遊技機を並べて単体島を形成するなど、様々な形態が考えられる。なお、
図2(b)(c)(d)には、単体島A2、単体島A3が2つの筺体を有する例が示されているが、筺体を一つにしても良い。
【0026】
以下には、
図2(a)の単体島A1を例にとって、
図3以下の図面を用いて説明する。
【0027】
[全体的構成]
単体島Aは、
図3に示すように、筐体1の中に遊技機Bと遊技用装置Cを有する。遊技機Bと遊技用装置Cは、次のように構成されている。すなわち、上部タンク300に収容された球(
図3では不図示)は、一部は第1補給管2を経て球貸し機3に補給され、球貸し機3内の球は遊技者が要求したときに計数されて上皿4に排出される。その上皿4に排出された球は誘導路5を経て球発射位置まで転動し、遊技者がノブその他の操作部材6を操作すると、既知の発射手段(図示省略)により発射路7を経てレール8と遊技盤面9と正面のガラス扉の間に形成されている遊技領域10に発射される。遊技領域10に発射されても入賞口11に入らなかった外れ球は、落下口12から中受け皿13に落下して収容される。また、発射された球が入賞口11に入った場合は、上部タンク300から球が第2補給管14を経て図示されていない計数器により計数されて所定数が賞球として上皿4に供給される。上皿4が満杯になったときは、遊技者が上皿4の底部シャッター15を開けることにより、上皿4内の球が遊技者の獲得球として図示されていない計数器により計数されながら中受け皿13に落下する。中受け皿13内の球は、中受け皿13の底部から下部タンク100に回収され、その下部タンク100の底部の出口101Cから流出する球は、球研磨装置200の導入部210を経て搬送部220の下端部に導入され、搬送部220により搬送されながら搬送部220の上端部付近に設けた研磨部230により研摩された後、搬送部220の上端部から排出されて上部タンク300に収容されるようになっている。そして、上部タンク300に収容された球は、既述したように、一部は第1補給管2を経て球貸し機3に補給され、他の一部は入賞した場合に第2補給管14を経て上皿4に供給されるようになっている。
【0028】
そして、誘導路5の発射を待機している球が無くなるとき、または無くなったときは、球貸し機3に有効な遊技カードを挿入した状態で、または硬貨を投入した後、球貸し機3を操作することにより次の遊技のための球を上皿4に排出させることができるようになっている。
【0029】
遊技用装置Cは、遊技機Bで使用した球を遊技機外部に排出することなく発射位置に導いて再び遊技に使用するために球を内部で循環利用する非開放型遊技機に内蔵してもよく、その場合、下部タンク100、研磨部230、上部タンク300の有無、設置位置、機能については、本実施の形態と必ずしも同じである必要は無い。また、
図3の遊技領域10内の構成要素の数、形状などは単なる一例である。
【0030】
[下部タンク]
下部タンク100は、
図3および
図4に示すように、概括的には、タンク本体101と水平誘導板102と第1傾斜板103と第2傾斜板104とを有している。
【0031】
タンク本体101は、横断面形状が長方形の空所101aを有する上方に開口する箱状に形成され、タンク本体101の一端側から他側端に下り傾斜する第4球転動面P4を形成する底壁101bと、その底壁101aの周辺から立ち上がる周壁101c1〜101c4とを有している。タンク本体101の周壁部分101c4の、底壁101bの下位側端部が接続される位置に、球を球研磨装置200方向に排出する出口101dが形成されている。
【0032】
水平誘導板102は、長さがタンク本体101の空所101aの長さほぼ等しく、幅が空所101aの幅よりも球Tの直径よりも若干大きい幅分だけ狭い長方形に形成されている。そして、水平誘導板102の長手方向一端にはその上面を転動する球Tを落下させる孔(または切欠。以下、同じ。)102aが形成されている。
【0033】
したがって、水平誘導板102をタンク本体101の中の幅方向中央に収容して所定の高さに固定したときは、水平誘導板102の上面が第1球転動面P1を形成する。また、水平誘導板102とタンク本体101の対向する周壁部分101c1,101c2との間に、第1球転動面P1を転動する球Tが水平誘導板102の幅方向両側から落下することができる空隙が形成される。
【0034】
下部タンク100の上側には、遊技島Aから外れ球もしくは入賞球として落下される球T、または賞球として落下される球Tを受け入れる中受け皿13が設けられているが、その中受け皿13の底部から球Tが水平誘導板102の上面に排出されるようになっている。
【0035】
第1傾斜板103は、水平誘導板102の下側に水平誘導板102から球Tの直径以上の間隔を開けて長手方向一端側が他端側よりも低くなるように傾斜された状態で固定されて、水平誘導板102と第1傾斜板103との間に第2球転動面P2を形成し、傾斜上位側および下位側に球Tを落下させる孔103a,103bを有する。また、第1傾斜板103の幅方向両端に球Tの直径よりもわずかに大きい高さをもって垂下する離間部材103cが設けられている。この離間部材103cは、図示されているように連続するものに代えて、間欠的に形成されたものでもよい。
【0036】
第2傾斜板104は、幅は第1傾斜板103の幅と等しいが、長さは第1傾斜板103の長さよりも短く形成されている。そして、第2傾斜板104の第1傾斜板103の傾斜下位側と同じ側における幅方向両端に横長台形状の離間部材104aを有し、1傾斜板103の傾斜上位側と同じ側の端部において起立する離間部材104bを有する。離間部材104bの台形の形状は、第1傾斜板103の傾斜下位側における高さよりも第1傾斜板103の傾斜上位側における高さが大きく設定されている。
【0037】
上記水平誘導板102、第1、第2傾斜板103、104は、次のようにしてタンク本体101内に装着され、固定される。まず、第2傾斜板104をタンク本体101の空所101a内に挿入し、出口101d側の周壁部分101c4に寄せて第2傾斜板104を空所101a内に緊密に嵌合し、離間部材104aを底壁101bの上面に載せて静置する。これにより、第2傾斜板104の上面に第3球転動面P3が形成される。
続いて、第1傾斜板103を空所101a内に緊密に嵌合し、第1傾斜板103の離間部材103cを第2傾斜板104の上面に載せ、かつ、第2傾斜板104の離間部材104bに載せて固定する。これにより、第2傾斜板104の第2球転動面P2と第2傾斜板104の第3球転動面P3とが平行状態に保たれ、両者の間に球Tの直径よりもわずかに大きな高さを有する空隙が形成される。
最後に、第1傾斜板103の上側に水平誘導板102をタンク本体101の空所101aの上面近傍における幅方向中央に嵌合し、周壁部分101c3,101c4の内面に突設されている載置片(不図示)に載置して固定する。
【0038】
下部タンク100の上記構成により、
図5に矢印で示すように、中受け皿13の底部から排出される球Tは、水平誘導板102の第1球転動面P1を転動して、水平誘導板102の幅方向両側の孔から第2球転動面P2に落下し、その第2球転動面P2を転動する球は、第1傾斜板103の上位側の孔103aから第3球転動面P3に落下し、または第1傾斜板103の下位側の孔103bから第4球転動面P4に落下する。第3球転動面P3を転動する球は、第2傾斜板104の下位側端部から第4球転動面P4に落下し、その第4球転動面P4を転動する球はタンク本体101の出口101cから排出される。
図5に示すように、中受け皿13の底部の排出筒13aには、排出される球を水平誘導板102の一端部方向(第1傾斜板103の傾斜上位方向
)に誘導する誘導ガイド13bが設けられている。
【0039】
下部タンク100に球Tが貯留される状況を観察すると、下部タンク100に球Tが溜まり始める時は、第1球転動面P1の幅方向両側の空隙及び一端の孔102aから第2球転動面P2に落下し、第2球転動面P2を転動して、下位側の孔103bから第4球転動面P4に落下した後、第4球転動面P4の下位側端部から球Tが溜まり始める。したがって、中受け皿14から下部タンク100に入る球は最短コースを通って第4球転動面P4に溜まるので、迅速かつ最小限の騒音で収容される。また、第4球転動面P4が球Tで満杯になった後は、中受け皿14から下部タンク100に入る後続の球Tは第2球転動面P2に溜まり、第2球転動面P2が満杯になったとき、または中受け皿14から下部タンク100に入る球Tの数が多い場合は、第1傾斜板103の上位側の孔103aから第3球転動面P3に落下するので、いずれの球転動面P4,P3にもデッドスペースを生じることなく、効率よく球を収容することができる。したがって、球収容能力が実質的に増大される効果が奏される。
【0040】
そして、
図6に示すように、下部タンク100の第2傾斜板104と第1傾斜板103と水平誘導板102は、この順序でタンク本体101の中に上から緊密に嵌合するのみで(ねじなどの固着具を用いずに)固定される形状寸法に形成されている。したがって、下部タンク100の、組み立ておよび分解を工具なし(工具レス)で行うことができる。よって、下部タンク100が空気中の塵埃、球Tの汚れの転着等で汚れた場合の清掃などのために下部タンク100を分解したり、清掃後、再び下部タンク100を組立てたりすることを迅速・容易に行なうことができる。
【0041】
下部タンク100の出口101cは、後述される球研磨装置200の導入部210に連結されている(
図3参照)。
【0042】
[球研磨装置]
図3に示すように、球研磨装置200は、下部タンク100の出口101cから排出される球Tを球研磨装置200の下端部に導入するための導入部210と、導入された球を搬送するための搬送部220と、搬送部220により搬送される球を研磨するための研磨部230とを有している。以下、各部について順次説明する。
【0043】
<導入部>
導入部210は、一端が下部タンク100の出口101cに連結されている球導入路211の他端を、
図7、8に示すように、搬送部220の搬送ガイド225の下端部に開けられた入口227に結合して構成されている。球導入路211の他端側を
図57に示すように小さな傾斜角度で下り傾斜させて入口227に結合した場合は、その傾斜角度と球Tの重量によっては、球Tの搬送部220のスクリューコンベア221の中心軸222方向の圧力が足りないため、回転するスクリューコンベア221の帯板223に接触したとき、球Tがスクリューコンベア221から離反する方向に転がり(球導入路211に戻され)、球Tがスクリューコンベア221の中心軸222に接触する位置、すなわち、搬送待機位置WPに到達することができないので、搬送されにくい場合がある。
【0044】
図8は、この問題を解決するため改善された導入部210’を示す。この導入部210’においては、球導入路211は傾斜部211aと垂直落下部211bとを有する。傾斜部211aは上端部が下部タンク100の出口101cに連結されている。垂直落下部211bは、その上端部が傾斜部211aの下端部に接続され、垂直落下部211bの下端部が搬送部220の搬送路226の入口227に接続されている。好ましい実施の形態においては、垂直落下部211bの下端部は、スクリューコンベア221の帯板223の傾斜角度と等しい傾斜角度をもって入口227に接続されている。
このような構成により、球導入路211の傾斜部211aから垂直落下部211bに落下した球Tは、先端側の球ほど大きい圧力を受ける。そのため、先端の球が回転するスクリューコンベア221の帯板223に接触したとき、その球Tがスクリューコンベア221から後退することなく搬送待機位置WPに到達する。したがって、球Tが円滑かつ確実に搬送(揚送)される。
【0045】
垂直落下部211bは、文字通り垂直でなくても、中に導入される球のうち先端の球にその球がスクリューコンベア221の空間224内に進入するだけの圧力を受ける程度の傾斜を有するものでもよい。
【0046】
図9および
図10は、スクリューコンベア221に球Tを1列のみ導入する場合の導入部210’を示すが、
図10に示すように、搬送部220の搬送ガイド225に縦2列の搬送路226を設けるとともに、2つの入口227を設け、それぞれの入口227に導入部210’の垂直落下部211bの先端を結合して、球Tを2列導入するように構成することもできる。このような2個の導入部210’および2列の搬送路226を有する球研磨装置200を用いる場合は、下部タンク100から上部タンク300への球の単位時間当たりの球供給量を、1個の導入部210’および1列の搬送路226を有する球研磨装置200の2倍にすることができる。搬送路226および入口227の数は、3以上としても良い。
【0047】
<搬送部>
搬送部220は、
図3および
図8に良く示されているように、中心軸222の外周に帯板223を螺旋状に巻いて帯板223の内端を中心軸222に接合してなるスクリューコンベア221と、そのスクリューコンベア221の外側をその全長に亘って包囲し、スクリューコンベア221との間に上下方向に延長する搬送路226を形成する横断面C字形の搬送ガイド225と、スクリューコンベア221を回転させる動力源、好ましくはステッピングモータ228と、スクリューコンベア221を垂直状態で回転自在に支持する上下の軸受229,2210(
図3参照)とを有している。
【0048】
搬送ガイド225の内径は、スクリューコンベア221の外径よりもわずかに大きいが、搬送ガイド225の円周方向の一部においては、搬送ガイド225の全長に亘って内径が断面円弧状に拡大され、かつ、拡大された部分の内面からスクリューコンベア221の中心軸222の外周面までの最短距離は球Tの直径よりもやや大きく設定されていて、搬送ガイド225の長手方向に連続する搬送路226が形成されている。したがって、スクリューコンベア221がモータ228により所定方向に回転されるときは、搬送路226に入り込んだ球Tは、スクリューコンベア221の帯板223の間の空間221cに嵌り込み、回転される帯板223により搬送路226を搬送される。モータ228は、搬送部220の回転駆動手段であり、回転速度の変更が可能なステッピングモータを用いることが好ましい。モータ228は、
図3においては、スクリューコンベア221の上側に設けられているが、スクリューコンベア221の下側に設けられてもよい。
【0049】
<研磨部>
図11は、球研磨装置200の研磨部230の構成を示す分解斜視図である。研磨部230は、上部軸受229の左右両側部から垂下された取付部材231,232のうちの一方の取付部材、
図9の例では左側の取付部材231に研磨部230の動力源として小型のモータ233が取り付けられ、そのモータ233により回転される歯車(第1の歯車)234が備えられている。また、取付部材231,232のうちの他方の取付部材、
図11の例では右側の取付部材232に研磨カセット235が着脱可能に取付けられている。
【0050】
研磨カセット235は、
図11,
図12に示すように、密閉された略縦長の箱状に形成されたカセット本体236を有し、そのカセット本体236の中の研磨材収容空間237に無端帯状の研磨材、例えば研磨布238が蛇行状に詰めて収容されている。研磨布238は、蛇腹状から平面状を経て再び蛇腹状に繰り返し変形可能であるので、研磨材料として好適である。
【0051】
研磨布238は、カセット本体236の背面壁236aの一方側端部に形成されている縦スリットからなる研磨布出口236bから外側に引き出され、カセット本体236の背面壁236aの外側面に沿って背面壁236aの他方側端部まで背面壁236aを覆うように延長され、その背面壁236aの他方側端部に形成されている縦スリットからなる研磨布入口236cから再び研磨布収容空間237内に引き込まれている。すなわち、研磨布238は長手方向の一部がカセット本体236の背面壁外側に露出され、背面壁236aにより垂直に緊張した状態を維持されている。研磨布238のカセット本体236の背面側に露出されている一定の面積を有する長方形の露出部分238aが、後述されるように球の研磨領域PFを提供する。
【0052】
研磨布収容空間237内には、研磨布入口236cの内側に研磨布238を所定方向に送る研磨布送り手段239が設けられている。研磨布送り手段239は、研磨布入口236cの内側において回転軸を垂直にしたギヤピッチが等しい2本のギヤローラ2310,3211を、一方のギヤローラ2310は固定の位置で、他方のギヤローラ2311は板バネなどのバネ部材(図示省略)により一方のギヤローラ2310に接近する方向に付勢された状態で、それぞれ回転自在に、かつ、互いに歯が噛み合うように設けられ、一方のギヤローラ2310の軸2312をカセット本体236の底面壁を貫通して下方に延長し、その延長部に外部から回転力を受けるためのギヤ2313 (第2の歯車)を固着してなっている。そして、研磨布238はギヤローラ2310,2311の間を通され、ギヤローラ2311により研磨布238に永久変形が生じない程度の力でギヤローラ2310,2311の間に挟圧されている。
【0053】
したがって、外部から回転力を与えてギヤ2313(第2の歯車)を所定方向に回すと、カセット本体236の外側面(
図9においては紙面の裏側面)を覆っている研磨布238がカセット本体236の研磨布入口156から内部に引き込まれ、蛇腹状に折畳まれるように構成されている。つまり、研磨布238は、研磨領域PFにおいて搬送部220の球Tの搬送方向と逆の方向に移動される。
【0054】
カセット本体236は、
図11に示すように、幅方向のほぼ中間位置で左右の箱体236a,236bに二分割して構成されている。なお、箱体の分割構造は必ずしも等分に限らず、器と蓋の形態でもよい。
図12は、
図11の左右の箱体236a,236bを境界面で分離し、研磨布238およびギヤローラ2310,2311をその境界面において切断して示す図である。左右の箱体236a,236bをその開口面の周縁を突き合わせ、両箱体236a,236bの周縁の四隅に形成してある舌片においてねじ等により結合する(
図12の2315はねじをねじ込むための孔である。)ことにより、
図11に示すような単一体に形成されている。通常の作業としては単一体として入れ替えができるため、メンテナンスが容易である。そして、二つに分割した状態で、研磨布収容空間237の研磨布238の交換が可能になる。したがって、無端帯状の研磨布238および研磨カセット235のリサイクル性に優れている。
【0055】
研磨カセット235を研磨布238が搬送部220の上端部付近に設けてある球蛇行領域2314に対面する向きに取付部材232に取付けると、第2の歯車2313が第1の歯車234と噛合する。そして、モータ233を回転すると、研磨カセット235の研磨布238が球蛇行領域2314の表面に沿って下方に移動する。
【0056】
好ましい実施の形態においては、モータ233による研磨布238の送りは、送りと休止を間欠的に行なうことにより、研磨布238の弛み対策およびモータ233の寿命延長が図られている。
【0057】
搬送部220の搬送路226には、
図13に示すように、球蛇行領域2314において遊技島Aの正面方向に開口し、かつ、一定のピッチで蛇行する溝226aが形成されている。溝226aの開口幅は、搬送路226を搬送される球Tの球面の一部が溝226aから外側に突出することができる幅に設定されている。したがって、研磨カセット235を取付部材232bに取付けた状態でスクリューコンベア221が駆動されて、球Tが搬送路226を搬送されると、球Tは球蛇行領域2314において蛇行される。この蛇行により、
図13の右側の拡大図に示すように、搬送される球Tは不規則な回転をする。したがって、球Tの全球面が研磨布238に接触するので、研磨効率が向上する。
【0058】
研磨カセット235は、
図14(a)に示すように、カセット本体236の長手方向を搬送部220のスクリューコンベア221の中心軸222と平行な状態で取付けても良いが、その場合は、研磨布の研磨有効範囲(ロ)が研磨布の長手方向と平行な細長い範囲(網掛け範囲)に限定され、それ以外の範囲(白範囲)(イ)は使用されないので、研磨布の使用効率が低い。
【0059】
これに対して、研磨カセット235を、
図14(b)に示すように、カセット本体236の長手方向を搬送部220のスクリューコンベア221の中心軸222(搬送方向)に対して斜めの状態で取付けると、研磨布(
図123では図示省略)の研磨有効範囲(ロ)が研磨布の長手方向に対して斜めになるので、研磨布送り手段157により回転される研磨布の全面が球研磨に使用されることとなり、研磨布の使用効率が向上する。
図14(b)の斜め送りの場合の研磨有効面積は、
図14(a)の平行送りの場合の約2.3倍である。したがって、球研磨装置200の消耗品コストの低減が可能である。また、研磨布の面積が有効に使用されるので、研磨布の送り頻度、すなわち、モータ327の駆動頻度を少なくすることができ、研磨布の交換頻度を少なくすることができる。したがって、球研磨装置の運転コスト、メンテナンスコストの低減も可能である。
図14において、(ハ)は蛇行する溝226aによって誘導される球の搬送ル−トを示す。
【0060】
図11,13,14は、球研磨装置200の搬送部220および研磨部230が球Tを2列で球研磨する場合の例を図示しているが、球を1列または3列以上で球研磨する構造とすることもできる。
【0061】
図13に示すように、搬送路226は、搬送部220の上端部において横方向に開口された出口2315を有する。球Tを2列で球研磨する場合は、ほぼ同じ方向に開口する出口2315が2個設けられる。球を1列で球研磨する場合は、出口2315が1個設けられる。
【0062】
図13の例では、上部軸受229にスクリューコンベア221の動力源であるステッピングモータ228が取り付けられている。スクリューコンベア221の中心軸には歯車(図示省略)が固着され、その歯車はステッピングモータ228の回転軸に固着されている歯車(図示省略)と噛合されている。したがって、ステッピングモータ228を所定方向に回転すると、スクリューコンベア221が回転されるため、導入部210からスクリューコンベア221の帯板223の間の空間324に進入した球Tは回転している帯板223により搬送路226を搬送(揚送)される。そして、搬送される球は、搬送路226の上端部である球蛇行領域2314において溝226aにより蛇行されながら、研磨カセット235の研磨布238(
図13では図示省略)に接触されて研磨される。
図16は搬送中の球Tの研磨布(図示省略)に対する動きを示す。
【0063】
図17に示すように、研磨カセット235の研磨材側底面、すなわち、球蛇行領域2314側の面には、2列で蛇行する球Tを効率よく研磨するため、特殊な形状の凹面2316が形成されている。そして、研磨布238が研磨カセット235の背面の全幅を覆うように張設されている。したがって、搬送される球Tの研磨布238に対する接触面積が増え、高い研磨能力が得られている。
図17の両矢印ALは搬送中の球Tの動きを示す。
【0064】
[上部タンク]
上部タンク300は、
図18に示すように、タンク本体310と傾斜板320とを有し、複数段構造とされている。そして、上部タンク300は、一端側に球受入れ部330を有する。
【0065】
傾斜板320は、タンク本体310の中に緊密に嵌合することにより、ねじなどの固着具を用いずに固定することができる形状・寸法に形成されている。したがって、上部タンク300は、工具レスで組み立て・分解が可能である。
【0066】
タンク本体310は、受入れ部330と反対側および幅方向一端側に下り傾斜する底壁311と、その底壁311の周辺から起立する周壁部分312a,312b,312c,312dとからなる周壁312とで、上方に開口する空所312eを有する箱状に形成されている。底壁311の受入れ部330側の周壁部分312dは、底壁311の同一側の辺の長さのほぼ半分の長さに形成されて、一端は周壁部分312aに接続または接近されている。そして、周壁部分312dの他端と周壁部分312cの先端との間が開口されている。周壁部分312cの、底壁311の幅方向傾斜下位側端部が接続される位置に、底壁311の上面を転動する球Tを外部に排出させる2つの出口313,314が設けられている。
【0067】
傾斜板320は、タンク本体310の長手方向一端側から他端側まで底壁311と平行に傾斜して、傾斜板320の上面に第1の球通路P5を形成するとともに、傾斜板320と底壁311との間に第2の球通路P6を形成している。そして、第1の球通路P5と第2の球通路P6は、底壁311の幅方向傾斜上位側において、傾斜板320の先端とタンク本体310の幅方向の周壁部分312aとの間に形成されている連通部321により連通されて、横転V字状に連続している。
【0068】
したがって、第1の球通路P5の傾斜上位側端部に入れられた球Tは、第1の球通路P5の上面を長手方向傾斜下位側方向および幅方向傾斜下位側方向に転動して、連通部321から下側の第2の球通路P6の幅方向傾斜上位側端部上面に落下する。連通部321から第2の球通路P6の長手方向傾斜上位側に落下した球Tは、第2の球通路P6の長手方向傾斜下位側方向および幅方向傾斜下位側に転動する。
【0069】
タンク本体310の第2の球通路P6に面する周壁部分312cに、第2の球通路P6に溜まった球Tを第1補給管2および第2補給管14に排出するための前記出口313,314が設けられている。出口313,314には、タンク本体310から第1補給管2および第2補給管14に供給される球を計数する計数器315,316が設けられている。
【0070】
球受入れ部330は、
図21に示すように、タンク本体310の傾斜板320の傾斜上位側端部の外側に接続されている。周壁部分312dの開口において空所312eに連通している。球受入れ部330は、上面と一側面が開口された箱状に形成され、底壁331と、その底壁の3辺において連続して起立する周壁部分332a,332b.332cからなる周壁332とを有する。そして、球受入れ部330の一辺の開口とタンク本体310の周壁部分312dの開口とを突き合わせた状態でタンク本体310と球受入れ部330とが接続されて、底壁331の上面がタンク本体310の傾斜板320の傾斜上位側端部に連続されている。
【0071】
タンク本体310の周壁312と球受入れ部330の,周壁332とによってL字形の凹部333が形成され、その凹部333に球研磨装置の上端部が収容されている。球受入れ部330の周壁332の凹部333側のコーナー部は切欠され(
図20,24参照)、その切欠部分334から球研磨装置200の2つの出口2315が球受入れ部330の中に向けて開口されている。
【0072】
出口2315の上面には、
図21に示すように、案内部材、たとえば薄い板で形成された案内板335がその一端において固着されている。この案内板135は出口2315から排出されて底壁331の上面を転動する球Tの進行方向を球受入れ部330の出口2315と反対側の周壁332aに斜めに衝突する方向に規定するためのものである。
【0073】
図22に示すように、案内板335を備えない場合は、球研磨装置200により球研磨されて出口2315から球受入れ部330の中に放出された球Tが、上部タンク300内に満杯に近い状態まで溜まり、球受入れ部330の中まで貯留されるときに、球受入れ部330の出口2315と反対側のコーナー部に球が溜まらないデッドスペースDSが生じてしまう傾向がある。これは、上部タンク300の球貯留可能数量が抑制されることを意味する。
【0074】
これに対して、
図23に示すように、案内板335を備えた場合は、出口2315から勢い良く排出される球Tがその案内板335に案内されて出口2315と反対側の周壁332aに斜め方向に進行するので、上部タンク300内に溜まった後に出口2315から排出される球は、球受入れ部330の上部タンク300側の半分を占めた後、出口2315と反対側のコーナー部を占めるので、デッドスペースが生じない。したがって、上部タンク300の球貯留可能数量の抑制を排除することが可能である。
【0075】
好ましい実施の形態では、案内板335はアルミニュームまたは銅の薄板などの導電性材料で形成されている。これにより、搬送される球が搬送部220および研磨部230を通過する際に帯びた静電気をこの案内板335により消滅させることができる。したがって、球Tの汚れ付着を防止し、球Tの艶を維持することができる。
【0076】
球受入れ部330の底壁331の上面は、水平でも、出口2315から次々と排出される球の転動力により先に球受入れ部330に収容されている球は円滑にタンク本体310側に押されて進むが、タンク本体側にわずかに下り傾斜していることが好ましい。
【0077】
[制御装置]
本発明に係る単体島Aは、球研磨装置200の駆動を制御するため、
図25に示すように、制御装置400を有する。制御装置400は、電子回路またはCPUで構成されている。制御装置400には、導入部210に備えられた球センサS1と、上部タンク300に備えられた満杯センサS2および空センサS3と、球研磨装置200の搬送部220のスクリューコンベア221を回転させるためのモータ228と、研磨部230の研磨布送り用モータ233とが接続されている。
【0078】
球センサS1は、球導入路211または垂直落下部211bに一定数の球Tの存在を検知するためのセンサである。球導入路211または垂直落下部211bに一定数の球Tがない場合は、導入部210の先端に存在する球Tに加わる圧力が少ないため、その球Tはスクリューコンベア221の搬送待機位置WPに進入することができない場合がある。その状態で搬送部220のスクリューコンベア221を回転すると、その先端の球Tが帯板223と搬送ガイド225の入口225aの周辺との間に噛まれて、ロックしてしまう虞がある。しかし、導入部210に一定数の球Tが存在するときは、導入部210の先端に存在する球Tに十分な圧力が加わるため、その先端の球は搬送待機位置WPまで進入するので、球のロックは生じない。
【0079】
そこで、制御装置400は、導入部210の球センサS1の検知信号がOFFのときは、スクリューコンベア221を駆動するモータ228を始動させないように制御する。こうして、制御装置400により、球Tが導入部210にロックすることが防止されている。
【0080】
好ましい実施の形態では、搬送路226の途中にモータ228の回転開始後、所定時間内に球の搬送を検知しない場合は、球ロック検知信号を出力するロックセンサ(図示省略)が設けてあり、そのロックセンサが球ロック検知信号を出力したときは、モータ228の逆回転と正回転を少なくとも1回行ってリトライ動作を行うことにより、球Tのロックを解除できるようにしてある。
【0081】
満杯センサS2は、上部タンク300の球受入れ部330の出口2315と反対側の,周壁332aに取り付けられ、空センサS3は、上部タンク300のタンク本体310の満杯センサS2と同じ側の周壁312cに取り付けられている。
【0082】
図26は、制御装置400が満杯センサS2からの検知信号と空センサS3からの検知信号に基づいて球研磨装置200のモータ228を制御する際の動作の流れの一部を示すフローチャートであり、
図27は、同動作の流れの残部を示すフローチャートである。制御装置400は、満杯センサS2の検知信号がOFFになったとき、すなわち、満杯状態でなくなったとき(
図27のステップ11においてYのとき。以下、ステップをSで表す。)は、モータ228の低速回転を開始する(S12)。また、制御装置400は、
図27には示されていない制御フローにより、モータ228の一定の回転時間の経過ごとにモータ228を所定時間回転させる。これにより、球研磨装置200の搬送部220は低騒音かつ少ない消費電力で下部タンク100から球Tを搬送し、かつ、搬送される球は研磨部230において研摩される。
【0083】
上部タンク300への搬送により満杯センサS2の検知信号がONになったとき、すなわち、満杯状態になったとき(S13においてYのとき)は、制御装置400は、モータ228の低速回転を停止する(S300)。低速回転を停止した後は、S11に戻る。これは、大当たりが出ない通常の遊技における制御パターンである。
【0084】
これに対して、制御装置400は、満杯センサS2の検知信号がOFFになったこと(S11においてY)に基づきモータ228の低速回転を開始(S12)して、一定時間が経過しても満杯センサS2の検知信号がONにならないとき(S13でN,S16でN,S17でYのとき)は、モータ228の回転速度を低速回転から中速回転に切り替える(S18)。すなわち、この場合は、上部タンク300からの球の補給量が多いことを意味するものとして、下部タンク10から上部タンク300への球搬送速度を高める制御を行う。この上部タンク300への搬送により満杯センサS2の検知信号がONになったとき、すなわち、満杯状態になったとき(S19においてYのとき)は、制御装置400は、モータ228の中速回転を停止する(S20)。中速回転を停止した後は、S11に戻る。これは、例えば、単発の大当たりが出た場合の制御パターンである。
【0085】
また、制御装置400は、モータ228の低速回転を開始(S12)後、一定時間が経過しても満杯センサS2の検知信号がONにならず(S13でN,S16でN,S17でYのとき)に、モータ228の回転速度を低速回転から中速回転に切り替えた(S18)後、相変わらず満杯センサS2の検知信号がONにならずに(S19においてNのとき)、空センサS3の検知信号がOFFになったとき、すなわち、上部タンク300内の球数が一定量未満になったとき(S21においてYのとき)は、モータ228の回転速度を中速回転から高速回転に切り替える(S22)。これにより、球研磨装置200による搬送速度を高めて、速やかに上部タンク300内の球数を増やすように制御する。したがって、上部タンク300からの補給不足の事態が発生することが防止される。このような制御は、例えば、連発の大当たりの際に行われる制御パターンである。
【0086】
制御装置400は、高速回転に切り替えた後、再びタイマーを始動させる(S23)とともに、満杯センサS2の検知信号がONになったか否かを調べ(S24)、満杯センサS2の検知信号がONになったときは、モータ228の高速回転を停止する(S25)。高速回転を停止した後は、S11に戻る。
【0087】
しかし、高速回転に切り替えた後、一定時間を経過しても満杯センサS2の検知信号がONにならないとき(S24においてN、S26においてYのとき)は、例えば、導入部210での球詰まり、またはその他の異常が発生したと考えられるので、高速回転を停止して(S27)、球研磨装置200の制御を中止する。
【0088】
S27においてモータ228の高速回転を中止したときは、モータ228を微小時間、例えば2,3秒間逆回転させ、再び正回転させることが好ましい。この逆転により、導入部210と搬送部220の境界に球Tが噛まれている場合は、その球Tが球導入路211側に退避するので、その後の正回転時には球導入路211内の球が円滑に搬送待機位置WPに到達し、搬送路を搬送される。したがって、球詰まりが解消される。
【0089】
以上の制御により、通常は低速運転により消費電力が節減されるとともに、騒音発生が抑えられ、また、必要に応じて中速運転または高速運転を行って球供給の要求度に合理的に対応することができる。
【0090】
満杯センサS2および空センサS3は、それぞれの取付位置をタンク本体310の長手方向または球受入れ部330の長手方向に移動して調整することができるように取り付けられている。取付位置変更可能にすることにより、球研磨装置200のモータ228の回転開始、回転速度切換え、あるいは回転停止のタイミング設定を、上部タンク300の球収容能力および上部タンクに要求される供給量などに応じて柔軟に行うことができ、これにより、遊技中に上部タンク300の球不足という事態の発生をより確実に回避することが可能である。
【0091】
研磨布328は、一般的に
図28(a)に示されるような研磨布の長手方向に対して45度と135度(逆45)の2方向の斜め糸で編成又は織成されたもの(328X)、または
図28(b)に示されるような研磨布の長手方向に対して0度と90度の縦糸と横糸で編成又は織成されたもの(328Y)が使用される。そして、上述のように、本発明の好ましい実施の形態では、
図28に示すように、研磨布238が上から下向きに移動され、かつ、球は研磨布の長手方向に対して斜めに搬送される。したがって、球はどの位置においても常に布目に引っ掛るに搬送されるので、高い研磨効率が得られる。したがって、研磨布の研摩領域における長さを従来よりも短くしても所望の研磨効果(汚れ落としと光沢付与の効果)を得ることができる。
研磨布の搬送路延長方向に対する傾斜角度は、研磨布の研摩領域における長さ(露出長さ)により、1〜44度の間または91〜134度の間とすることができる。最適範囲はそれらの中心付近である。