(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
露光用の開口部を有する地板と、前記開口部を開閉する羽根部材と、前記羽根部材にシャッタ動作を行わせる向きに付勢された主駆動部材と、前記主駆動部材を付勢力に抗してシャッタ動作前のセット位置にセットし得るセット部材と、前記羽根部材に連結され前記セット位置にセットされる前記主駆動部材に追従するように付勢されると共にシャッタ動作時に前記主駆動部材に押されて移動する従駆動部材と、前記羽根部材を閉鎖状態に保持するべく前記従駆動部材の移動を規制する規制機構と、を備えたフォーカルプレンシャッタであって、
前記規制機構は、前記従駆動部材に係合してその移動を規制するように付勢されると共に前記セット部材がセット動作を完了する前に前記主駆動部材の係合によりその規制が解除されるように移動する規制部材を含む、
ことを特徴とするフォーカルプレンシャッタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡素化、部品の集約化、装置の小型化等を図りつつ、セット動作時に撮影情報の転送記憶が行え、高速での連続撮影が可能で、又、電子ファインダを用いて撮影前の被写体像を観察でき、デジタル一眼カメラ、ミラーレスカメラ等のデジタルカメラに好適なフォーカルプレンシャッタ及びそれを用いたカメラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のフォーカルプレンシャッタは、露光用の開口部を有する地板と、開口部を開閉する羽根部材と、羽根部材にシャッタ動作を行わせる向きに付勢された主駆動部材と、主駆動部材を付勢力に抗してシャッタ動作前のセット位置にセットし得るセット部材と、羽根部材に連結されセット位置にセットされる主駆動部材に追従するように付勢されると共にシャッタ動作時に主駆動部材に押されて移動する従駆動部材と、羽根部材を閉鎖状態に保持するべく従駆動部材の移動を規制する規制機構と、を備えたフォーカルプレンシャッタであって、上記規制機構は、従駆動部材に係合してその移動を規制するように付勢されると共にセット部材がセット動作を完了する前に主駆動部材の係合によりその規制が解除されるように移動する規制部材を含む、ことを特徴としている。
この構成によれば、羽根部材が開口部を閉鎖したシャッタ動作完了(露光動作完了)の状態から、セット部材のセット動作により主駆動部材がセット位置に向けて移動する際に、従駆動部材は規制部材により規制されて閉鎖状態を維持し、主駆動部材の係合によりセット動作完了の前に規制部材による従駆動部材の規制が解除され、従駆動部材は付勢力により(セット位置にセットされる)主駆動部材に追従して羽根部材を開放状態に位置付け、その後、主駆動部材(及び従駆動部材)が付勢力により移動して、羽根部材にシャッタ動作(開口部を閉鎖する動作)を行わせることができる(すなわち、羽根部材(単幕)によるシャッタ動作を得ることができる)。
すなわち、シャッタ動作完了から所定の期間に亘って開口部を閉鎖状態に保持することで、セット動作に並行して撮影情報を記憶部に転送記憶することができ、高速での連続撮影が可能になる。
ここでは、特に、セット部材によりセットされる主駆動部材により、規制部材の解除動作を行うようにしたことにより、従来のようにセット部材により規制を解除する構成に比べて、各々の部材の配置の自由度が大きくなり、構造の簡素化、部品の集約化、装置の小型化等を達成することができる。
【0007】
上記構成のフォーカルプレンシャッタにおいて、従駆動部材は、第1軸線回りに回動自在に支持されかつ規制部材に係合してその移動が規制される被規制部を有し、規制部材は、第2軸線回りに回動自在に支持されかつ従駆動部材の被規制部に係合してその移動を規制する規制部を有し、主駆動部材は、第1軸線回りに回動自在に支持されかつ規制部材に係合してその規制を解除する向きにカム作用を及ぼすカム部を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、主駆動部材及び従駆動部材は、共通の第1軸線回りに回動自在に配置され、規制部材は、第1軸線から外れた第2軸線回りに回動自在に配置され、規制部材の規制部が従駆動部材の被規制部に係合して従駆動部材の一方向(羽根部材が開放状態となる向き)への回転を規制した状態から、セット部材のセット動作により、主駆動部材が一方向へ回転すると、主駆動部材のカム部が規制部材にカム作用を及ぼして、セット動作完了前に規制部材による従駆動部材の規制が解除される。
このように、規制部材として、主駆動部材及び従駆動部材の近傍に回動自在に配置された構成を採用することにより、構造の簡素化、部品の集約化、装置の小型化等を達成することができる。
【0008】
上記構成のフォーカルプレンシャッタにおいて、従駆動部材は、規制部が被規制部に対して係合及び離脱する際に、規制部材の一部が摺動するべく被規制部に連続して形成された摺動部を有する、構成を採用することができる。
この構成によれば、規制部材は、その規制部が従駆動部材の被規制部に係合する際に従駆動部材の摺動部を摺動し、又、その規制部が従駆動部材の被規制部から離脱する際に従駆動部材の摺動部を摺動するため、従駆動部材(及び羽根部材)が規制される際及び規制が解除される際の衝撃等が緩和され、円滑な規制動作及び規制の解除動作が得られる。
【0009】
上記構成のフォーカルプレンシャッタにおいて、羽根部材によるシャッタ動作完了の際に、従駆動部材の逆向きの移動を抑止する抑止機構を含み、規制機構は抑止機構を兼ねる、構成を採用することができる。
この構成によれば、規制機構を抑止機構として兼用することで、構造の簡素化、装置の小型化等を達成しつつ、バウンド防止の抑止作用と羽根部材(後羽根)を閉鎖状態に保持するための規制作用を両立させることができる。
【0010】
上記構成のフォーカルプレンシャッタにおいて、羽根部材は、シャッタ動作時に開口部を開放する先羽根及び開口部を閉鎖する後羽根を含み、主駆動部材は、先羽根に対応する先羽根用主駆動部材及び後羽根に対応する後羽根用主駆動部材を含み、従駆動部材は、先羽根に対応する先羽根用従駆動部材及び後羽根に対応する後羽根用従駆動部材を含み、規制機構は、後羽根用従駆動部材に係合してその移動を規制するように付勢されると共にセット部材がセット動作を完了する前に後羽根用主駆動部材の係合によりその規制が解除されるように移動する後羽根用規制部材を含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、先羽根が開口部を開放しかつ後羽根が開口部を閉鎖したシャッタ動作完了(露光動作完了)の状態から、セット部材のセット動作により先羽根用主駆動部材及び後羽根用主駆動部材がセット位置に向けて移動する際に、後羽根用従駆動部材が後羽根用規制部材により規制されて後羽根が閉鎖状態を維持しつつ、先羽根用従駆動部材が先羽根用主駆動部材に追従して先羽根が開口部を閉鎖し始め、後羽根用主駆動部材の係合によりセット動作完了の前に後羽根用規制部材による後羽根用従駆動部材の規制が解除され、後羽根用従駆動部材が付勢力により(セット位置にセットされる)後羽根用主駆動部材に追従して後羽根を開放状態に位置付け、その後、先羽根用主駆動部材(及び先羽根用従駆動部材)及び後羽根用主駆動部材(及び後羽根用従駆動部材)がそれぞれ付勢力により所望のタイミングで移動して、先羽根及び後羽根にシャッタ動作を行わせることができる(すなわち、ノーマルクローズのモードにおいて、先羽根(先幕)及び後羽根(後幕)によるシャッタ動作を得ることができる)。
すなわち、シャッタ動作完了から所定の期間に亘って後羽根により開口部を閉鎖状態に保持することで、セット動作に並行して撮影情報を記憶部に転送記憶することができ、高速での連続撮影が可能になる。
ここでは、特に、セット部材によりセットされる後羽根用主駆動部材により、後羽根用規制部材の解除動作を行うようにしたことにより、従来のようにセット部材により規制を解除する構成に比べて、各々の部材の配置の自由度が大きくなり、構造の簡素化、部品の集約化、装置の小型化等を達成することができる。
【0011】
上記構成のフォーカルプレンシャッタにおいて、先羽根を開放状態に保持するべく先羽根用従駆動部材の移動を規制する第2規制機構を含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、第2規制機構により先羽根を開放状態に保持することで、電子ファインダ等を用いて、撮影前の被写体像を観察し得るノーマルオープンのモードを設定することができる。
【0012】
上記構成のフォーカルプレンシャッタにおいて、第2規制機構は、先羽根用従駆動部材に係合してその移動を規制する先羽根用規制部材と、先羽根用規制部材を駆動する電磁アクチュエータを含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、電磁アクチュエータにより、先羽根用規制部材を駆動して、規制及び規制の解除動作が行われるため、規制及び解除のタイミングを所望の制御シーケンスに応じて適宜容易に設定することができる。
【0013】
上記構成のフォーカルプレンシャッタにおいて、先羽根によるシャッタ動作完了の際に、先羽根用従駆動部材の逆向きの移動を抑止する第2抑止機構を含み、第2規制機構は第2抑止機構を兼ねる、構成を採用することができる。
この構成によれば、第2規制機構を第2抑止機構として兼用することで、構造の簡素化、装置の小型化等を達成しつつ、バウンド防止の抑止作用と先羽根を開放状態に保持するための規制作用を両立させることができる。
【0014】
本発明のカメラは、上記に記載のいずれかの構成をなすフォーカルプレンシャッタを備えた、ことを特徴としている。
この構成によれば、構造の簡素化、部品の集約化、装置の小型化等を達成しつつ、セット動作時に撮影情報の転送記憶が行え、高速での連続撮影が可能で、又、電子ファインダを用いて撮影前の被写体像を観察できるデジタル一眼カメラ、ミラーレスカメラ等のデジタルカメラを得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
上記構成をなすフォーカルプレンシャッタによれば、構造の簡素化、部品の集約化、装置の小型化等を達成しつつ、セット動作時に撮影情報の転送記憶が行え、高速での連続撮影が可能で、又、電子ファインダを用いて撮影前の被写体像を観察でき、デジタル一眼カメラ、ミラーレスカメラ等のデジタルカメラに好適なフォーカルプレンシャッタを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
この実施形態に係るフォーカルプレンシャッタは、
図1、
図2、
図7、
図10に示すように、地板10、地板10に移動自在に設けられた羽根部材としての先羽根20及び後羽根30、先羽根20を駆動する先羽根駆動機構40(先羽根用主駆動部材41、先羽根用従駆動部材42、先羽根用駆動バネ43)、後羽根30を駆動する後羽根駆動機構50(後羽根用主駆動部材51、後羽根用従駆動部材52、後羽根用駆動バネ53)、主駆動部材(先羽根用主駆動部材41、後羽根用主駆動部材51)を付勢力に抗しつつシャッタ動作前のセット位置にセットし得るセット部材60、後羽根30を閉鎖状態に保持するべく後羽根用従駆動部材52の移動を規制する(と共に抑止機構としても機能する)規制機構70(後羽根用規制部材71、付勢バネ72)、先羽根20を開放状態に保持するべく先羽根用従駆動部材42の移動を規制する(と共に第2抑止機構としても機能する)第2規制機構80(先羽根用規制部材81、電磁アクチュエータ82)、セット位置において主駆動部材(先羽根用主駆動部材41、後羽根用主駆動部材51)の被吸着部41c,51c)をそれぞれ磁気的に吸着保持する二つの電磁石90等を備えている。
尚、地板10には、先羽根駆動機構40、後羽根駆動機構50、セット部材60等が配置される正面側と反対側(裏側)において、先羽根20を収容する羽根室を画定する中間板(不図示)及び後羽根30を収容する羽根室を画定する裏板(不図示)が所定の間隔をおいて固定されている。
【0018】
地板10は、
図1及び
図2に示すように、樹脂材料等を用いて略矩形の平板状に形成されており、露光用の開口部10a、円弧状の長孔10b及び長孔10c、先羽根20を回動自在に支持するべく羽根室側(裏側)に立設された支軸10d,10e、後羽根30を回動自在に支持するべく羽根室側に立設された支軸10f,10g、先羽根用主駆動部材41及び先羽根用従駆動部材42を回動自在に支持するべく正面側(羽根室側と反対側)に立設された支軸10h、後羽根用主駆動部材51及び後羽根用従駆動部材52を回動自在に支持するべく正面側に立設された(第1軸線S1を画定する)支軸10i、セット部材60を回動自在に支持するべく正面側に立設された支軸10j、後羽根用規制部材71を回動自在に支持するべく正面側に立設された支軸10k、付勢バネ72の端部を掛止するべく正面側に立設された掛止ピン10m、先羽根用規制部材81を回動自在に支持するべく正面側に立設された支軸10n等を備えている。
【0019】
先羽根20は、地板10に沿って移動するものであり、
図2及び
図7に示すように、3枚の羽根本体21,22,23、羽根本体21,22,23を連結する2つのアーム24,25により構成されている。
アーム24は、支軸10dにより回動自在に支持されると共に、その一部が先羽根用従駆動部材42の駆動ピン42aに連結されている。
アーム25は、支軸10eにより回動自在に支持されている。
そして、先羽根20は、(アーム24又は25と地板10との間に設けられた)捩りコイルバネ又は引っ張りバネ等のガタ寄せバネ(不図示)により反時計回りに回転付勢されており、アーム25が、
図2に示すように、先羽根用主駆動部材41及び先羽根用従駆動部材42により下方に向けて(時計回りに)駆動されることにより3枚の羽根本体21,22,23が重なり合って開口部10aを開放し、一方、
図7に示すように、先羽根用主駆動部材41及び先羽根用従駆動部材42により上方に向けて(反時計回りに)駆動されることにより3枚の羽根本体21,22,23が展開して開口部10aを閉鎖するようになっている。
【0020】
後羽根30は、地板10に沿って移動するものであり、
図2及び
図6に示すように、3枚の羽根本体31,32,33、羽根本体31,32,33を連結する2つのアーム34,35により構成されている。
アーム34は、支軸10fにより回動自在に支持されると共に、その一部が後羽根用従駆動部材52の駆動ピン52aに連結されている。
アーム35は、支軸10gにより回動自在に支持されている。
そして、後羽根30は、(アーム34又は35と地板10との間に設けられた)捩りコイルバネ又は引っ張りバネ等のガタ寄せバネ(不図示)により反時計回りに回転付勢されており、アーム34が、
図6に示すように、後羽根用主駆動部材51及び後羽根用従駆動部材52により上方に向けて(反時計回りに)駆動されることにより3枚の羽根本体31,32,33が重なり合って開口部10aを開放し、一方、
図2に示すように、後羽根用主駆動部材51及び後羽根用従駆動部材52により下方に向けて(時計回りに)駆動されることにより3枚の羽根本体31,32,33が展開して開口部10aを閉鎖するようになっている。
【0021】
先羽根駆動機構40は、
図2に示すように、先羽根用主駆動部材41、先羽根用従駆動部材42、先羽根用駆動バネ43等により構成されている。
先羽根用主駆動部材41は、
図1及び
図2に示すように、先羽根用従駆動部材42と離脱可能に係合する係合部41a、セット部材60が係合して反時計回りに回転力が及ぼされる係合部41b、電磁石90により吸着される被吸着部41c等を備えている。
そして、先羽根用主駆動部材41は、地板10に対して支軸10h回りに回動自在に支持され、セット部材60によりセット位置にセットされるべく反時計回りに回転し、セット位置にて電磁石90により吸着保持され、先羽根用駆動バネ43の回転付勢力により、係合部41aを介して先羽根用従駆動部材42を押しつつ時計回りに回転するようになっている。
【0022】
先羽根用従駆動部材42は、
図1及び
図2に示すように、長孔10bに挿入されてアーム24に連結される駆動ピン42a、先羽根用主駆動レバー41の係合部41aと離脱可能に係合する係合部42b、先羽根用規制部材81の規制部81aが離脱可能に係合する被規制部42c等を備えている。
被規制部42cは、
図3ないし
図6に示すように、先羽根用従駆動部材42の反時計回りの回転が規制されて先羽根20を開放状態に保持するべく、先羽根用規制部材81の規制部81aが離脱可能に係合するように形成されている。
すなわち、先羽根用従駆動部材42は、地板10に対して支軸10h回りに回動自在に支持されると共に先羽根20をガタ寄せするガタ寄せバネにより反時計回りに回転付勢され、セット部材60のよるセット動作の所定期間に亘って先羽根用規制部材81により反時計回りの回転が規制され、セット動作完了後の電磁アクチュエータ82による規制解除により、先羽根用主駆動部材41に追従して反時計回りに回転し(先羽根20が閉鎖状態となり)、係合部42bを介して先羽根用主駆動部材41に押されつつ時計回りに回転し、駆動ピン42aが長孔10bの端部に設けられた緩衝部材に当接し停止するようになっている。
【0023】
先羽根用駆動バネ43は、捩りコイル型のバネであり、
図2に示すように、支軸10hの周りに配置されており、一端側が支軸10h回りに回転可能に配置されて支持板(不図示)のラチェット爪(不図示)により位置決めされるラチェット筒(不図示)に掛止され(すなわち、一端側が地板10に対して不動に掛止され)、他端側が先羽根用主駆動部材41の一部に掛止され、先羽根用主駆動部材41を
図2中の時計回りに回転付勢する付勢力を及ぼすようになっている。
【0024】
後羽根駆動機構50は、
図2に示すように、後羽根用主駆動部材51、後羽根用従駆動部材52、後羽根用駆動バネ53等により構成されている。
後羽根用主駆動部材51は、
図1及び
図2に示すように、後羽根用従駆動部材52と離脱可能に係合する係合部51a、セット部材60が係合して反時計回りに回転力が及ぼされる係合部51b、電磁石90により吸着される被吸着部51c、後羽根用規制部材71(の側部71b)に係合してカム作用を及ぼすカム部51d等を備えている。
カム部51dは、
図11ないし
図13に示すように、後羽根用主駆動部材51がセット部材60のセット動作により反時計回りに回転する際に、後羽根用規制部材71(の側部71b)に係合して後羽根用規制部材71を反時計回りに回転させて、後羽根用規制部材71による後羽根用従駆動部材52の規制を解除する向きにカム作用を及ぼすようになっている。
すなわち、後羽根用主駆動部材51は、地板10に対して第1軸線S1を画定する支軸10i回りに回動自在に支持され、セット部材60によりセット位置にセットされるべく反時計回りに回転すると共にカム部51dが後羽根用規制部材71に係合してセット動作完了前にその規制を解除し、セット位置にて電磁石90により吸着保持され、後羽根用駆動バネ53の回転付勢力により、係合部51aを介して後羽根用従駆動部材52を押しつつ時計回りに回転するようになっている。
【0025】
後羽根用従駆動部材52は、
図1及び
図2に示すように、長孔10cに挿入されてアーム34に連結される駆動ピン52a、後羽根用主駆動部材51の係合部51aと離脱可能に係合する係合部52b、後羽根用規制部材71の規制部71aが離脱可能に係合する被規制部52c、被規制部52cに連続して形成され後羽根用規制部材71の一部(側部71b)が摺動する摺動部52d等を備えている。
被規制部52cは、
図3及び
図11に示すように、後羽根用従駆動部材52の反時計回りの回転が規制されて後羽根30を閉鎖状態に保持するべく、後羽根用規制部材71の規制部71aが離脱可能に係合するように形成されている。
摺動部52dは、
図12及び
図13に示すように、後羽根用規制部材71の規制部71aが被規制部52cに対して係合及び離脱する際に、後羽根用規制部材71の側部71bが摺動するように形成されている。
これによれば、後羽根用規制部材71は、規制部71aが被規制部52cに係合する際に摺動部52dを摺動し、又、規制部71aが被規制部52cから離脱する際に摺動部52dを摺動するため、後羽根用従駆動部材52(及び後羽根30)がシャッタ動作を完了する際及び規制が解除される際の衝撃等が緩和され、円滑な規制動作及び規制の解除動作が得られる。
すなわち、後羽根用従駆動部材52は、地板10に対して第1軸線S1を画定する支軸10i回りに回動自在に支持されると共に後羽根30をガタ寄せするガタ寄せバネにより反時計回りに回転付勢され、セット部材60のよりセット動作の所定期間に亘って後羽根用規制部材71により反時計回りの回転が規制され、セット動作完了前の後羽根用主駆動部材51による規制解除により、反時計回りに回転する後羽根用主駆動部材51に追従して反時計回りに回転し(後羽根30が開放状態となり)、係合部52bを介して後羽根用主駆動部材51に押されつつ時計回りに回転し、駆動ピン52aが長孔10cの端部に設けられた緩衝部材に当接し停止するようになっている。
【0026】
後羽根用駆動バネ53は、捩りコイル型のバネであり、
図2に示すように、支軸10iの周りに配置されており、一端側が支軸10i回りに回転可能に配置されて支持板(不図示)のラチェット爪(不図示)により位置決めされるラチェット筒(不図示)に掛止され(すなわち、一端側が地板10に対して不動に掛止され)、他端側が後羽根用主駆動部材51の一部に掛止され、後羽根用主駆動部材51を
図2中の時計回りに回転付勢する付勢力を及ぼすようになっている。
【0027】
セット部材60は、
図1及び
図2に示すように、先羽根用主駆動部材41の係合部41bに係合し得る係合部61、後羽根用主駆動部材51の係合部51bに係合し得る係合部62等を備えており、地板10の支軸10jにより回動自在に支持されると共に、付勢バネ(不図示)の付勢力により、休止位置に向けて反時計回りに回転付勢されている。
そして、セット部材60は、駆動機構(不図示)が及ぼす駆動力により、付勢バネの付勢力に抗して
図2に示す休止位置(シャッタ動作完了(露光動作完了)の状態)から時計回りに回転すると、係合部61が係合部41bに回転力を及ぼしかつ係合部62が係合部51bに回転力を及ぼして、先羽根用主駆動部材41及び後羽根用主駆動部材51をそれぞれの先羽根用駆動バネ43及び後羽根用駆動バネ53の回転付勢力に抗しつつ反時計回りに回転させて、シャッタ動作前のセット位置にセットするセット動作を行い、一方、セット位置において先羽根用主駆動部材41及び後羽根用主駆動部材51(の被吸着部41c,51c)が電磁石90,90により吸着保持された状態で、付勢バネの付勢力により反時計回りに回転して休止位置に戻ると、
図8に示すように、係合部61が係合部41bから離脱しかつ係合部62が係合部51bから離脱して、先羽根用主駆動部材41及び後羽根用主駆動部材51の時計回りの回転を許容する状態となる。
【0028】
規制機構70は、
図10ないし
図13に示すように、後羽根駆動機構50に対応して設けられ、セット部材60によるセット動作の完了前の所定期間に亘って、後羽根30を閉鎖状態に保持するべく後羽根用従駆動部材52の移動を規制するものであり、後羽根用規制部材71、付勢バネ72等により構成されている。
後羽根用規制部材71は、
図10ないし
図13に示すように、地板10に対して第2軸線S2を画定する支軸10k回りに回動自在に支持され、後羽根用従駆動部材52の被規制部52cに離脱可能に係合する規制部71a、後羽根用従駆動部材52の摺動部52dが摺動する側部71b、付勢バネ72の端部を掛止する掛止部71c等を備えている。
付勢バネ72は、
図10ないし
図13に示すように、地板10の支軸10k周りに配置された捩りコイルバネであり、その一端部が地板10から突出する掛止ピン10mに掛止され、その他端部が後羽根用規制部材71の掛止部71cに掛止されて、後羽根用規制部材71(の規制部71a)を後羽根用従駆動部材52(の被規制部52c)に係合させる向きに(時計回りに)回転付勢するように形成されている。
【0029】
上記構成をなす規制機構70によれば、
図11ないし
図13に示すように、シャッタ動作完了(露光動作完了)の状態から、セット部材60によるセット動作が行われる際に、
図11に示すように、後羽根用規制部材71の規制部71aが後羽根用従駆動部材52の被規制部52cに係合して後羽根用従駆動部材52の反時計回りの回転を規制することで後羽根30が閉鎖状態に維持され、
図12及び
図13に示すように、後羽根用主駆動部材51のカム部51dの係合によりセット動作完了の前に後羽根用規制部材71による後羽根用従駆動部材52の規制が解除され、後羽根用従駆動部材52が付勢力により(セット位置にセットされる)後羽根用主駆動部材51に追従して後羽根30を開放状態に位置付けるようになっている。すなわち、シャッタ動作完了からセット動作完了前の所定期間に亘って後羽根30により開口部10aを閉鎖状態に保持することで、セット動作に並行して撮影情報を記憶部に転送記憶することができ、高速での連続撮影が可能になる。
ここでは、特に、セット部材60によりセットされる後羽根用主駆動部材51により、後羽根用規制部材52の解除動作を行うようにしたことにより、従来のようにセット部材により規制を解除する構成に比べて、各々の部材の配置の自由度が大きくなり、構造の簡素化、部品の集約化、装置の小型化等を達成することができる。
【0030】
また、規制機構70は、後羽根用主駆動部材51及び後羽根用従駆動部材52が時計回りに回転して後羽根30がシャッタ動作を完了する際に、後羽根用従駆動部材52が反動により逆向きに移動するのを抑止する抑止機構としても機能するものである。
すなわち、規制機構70により後羽根30を閉鎖状態に保持することで、セット動作に並行して撮影情報を記憶部に転送記憶することができ、又、規制機構70を抑止機構として兼用することで、構造の簡素化、装置の小型化等を達成しつつ、バウンド防止の抑止作用と後羽根30を閉鎖状態に保持するための規制作用を両立させることができる。
【0031】
第2規制機構80は、
図2及び
図3に示すように、先羽根駆動機構40に対応して設けられ、セット部材60によるセット動作完了に至る所定期間に亘って、先羽根20を開放状態に保持するべく先羽根用従駆動部材42の移動を規制するものであり、先羽根用規制部材81、電磁アクチュエータ82等により構成されている。
先羽根用規制部材81は、
図2及び
図3に示すように、地板10の支軸10n回りに回動自在に支持され、先羽根用従駆動部材42の被規制部42cに離脱可能に係合する規制部81a、電磁アクチュエータ82に含まれるロータ82a(の連結ピン82a´)が連結されるU字状の連結部81b等を備えている。
電磁アクチュエータ82は、
図2及び
図3に示すように、地板10に保持されており、先羽根用規制部材81の連結部81bに連結される連結ピン82a´を有するロータ82a、略U字状のヨーク82b、励磁用のコイル82c等を備えている。
そして、電磁アクチュエータ82は、コイル82cへの一方向への通電によりロータ82aを時計回りに回転させることで、先羽根用規制部材81を反時計回りに回転させて先羽根用従駆動部材42の規制を解除する解除位置に位置付け、コイル82cへの他方向への通電によりロータ82aを反時計回りに回転させることで、先羽根用規制部材81を時計回りに回転させて先羽根用従駆動部材42の移動を規制する規制位置に位置付けるようになっている。
このように、第2規制機構80により先羽根20を開放状態に保持することで、電子ファインダ等を用いて、撮影前の被写体像を観察し得るノーマルオープンのモードを設定することができ、又、電磁アクチュエータ82により先羽根用規制部材81を駆動することで、規制及び規制の解除動作が行われるため、規制及び解除のタイミングを所望の制御シーケンスに応じて適宜容易に設定することができる。
【0032】
また、第2規制機構80は、電磁アクチュエータ82が休止状態で先羽根用規制部材81を規制位置に位置付けるディテントトルクを発生する(すなわち、電磁アクチュエータ82は、コイルへの通電により先羽根用規制部材81を解除位置に移動させるように駆動力を及ぼし、コイルへの通電を断つことにより先羽根用規制部材81を規制位置に移動させる)ように形成されている場合、先羽根用主駆動部材41及び先羽根用従駆動部材42が時計回りに回転して先羽根20がシャッタ動作を完了する際に、先羽根用従駆動部材42が先羽根用規制部材81を一旦反時計回りに回転させた後に規制部81aが被規制部42cと対向するため、先羽根用従駆動部材42が反動により逆向きに移動するのを抑止する抑止機構としても機能させることができる。
このように、第2規制機構80を抑止機構として兼用することで、構造の簡素化、装置の小型化等を達成しつつ、バウンド防止の抑止作用と先羽根20を開放状態に保持するための規制作用を両立させることができる。
【0033】
二つの電磁石90は、地板10に平行に配置された支持板(不図示)に保持されており、
図1及び
図2に示すように、所定の長さの鉄芯部材91、鉄芯部材91の周りおいてボビンに巻回された励磁用のコイル(不図示)等により構成されている。
そして、コイルへの通電により、鉄芯部材91を通る磁力線を発生させて、
図7及び
図8に示すように、セット位置にセットされた先羽根用主駆動部材41及び後羽根用主駆動部材51の被吸着部41c,51cに鉄芯部材91が対向して磁気的吸引力を及ぼして、先羽根用主駆動部材41及び後羽根用主駆動部材51を先羽根用駆動バネ43及び後羽根用駆動バネ53の回転付勢力に抗してセット位置に保持し、一方、コイルへの通電を断つことにより、先羽根用主駆動部材41及び後羽根用主駆動部材51が先羽根用駆動バネ43及び後羽根用駆動バネ53の回転付勢力によりそれぞれ時計回りに回転するのを許容するようになっている。
【0034】
次に、このフォーカルプレンシャッタの動作について、
図2ないし
図9を参照しつつ説明する。
先ず、シャッタ動作完了後(露光動作完了後)の休止状態においては、
図2に示すように、セット部材60は付勢バネの付勢力により反時計回りに回転して休止位置に位置し、先羽根20を駆動する先羽根用主駆動部材41及び先羽根用従駆動部材42は、先羽根用駆動バネ43の回転付勢力により時計回りに回転して停止し、先羽根20は開口部10aを開放した位置に位置し、先羽根用規制部材81は先羽根用従駆動部材42から離脱して規制を解除する解除位置に位置し、又、後羽根30を駆動する後羽根用主駆動部材51及び後羽根用従駆動部材52は、後羽根用駆動バネ53の回転付勢力により時計回りに回転して停止し、後羽根30は開口部10aを閉鎖した位置に位置し、後羽根用規制部材71はその規制部71aが後羽根用従駆動部材52の被規制部52cに対向する規制位置に位置している。
【0035】
ここで、電子ファインダにて撮影前の被写体像を観察し得る(ノーマルオープン)モードの場合は、
図3に示すように、第2規制機構80を作動させ、先羽根用規制部材81が規制位置に移動して、規制部81aが先羽根用従駆動部材42の被規制部42cに対向してその移動を規制し得る状態となる。
そして、露光動作前のセット動作の指令により、シャッタ動作の準備指令が発せられると、セット部材60が付勢バネの付勢力に抗しつつ時計回りに回転してセット動作を開始し、先羽根用主駆動部材41及び後羽根用主駆動部材51が先羽根用駆動バネ43及び後羽根用駆動バネ53の付勢力に抗しつつセット位置に向けて反時計回りに回転し始めると共に、
図11に示すように、先羽根用規制部材81の規制部81aが先羽根用従駆動部材42の被規制部42cに係合して、先羽根用従駆動部材42の移動を規制し、先羽根20は開口部10aを開放した状態に保持され、又、後羽根用規制部材71の規制部71aが後羽根用従駆動部材52の被規制部52cに係合して、後羽根用従駆動部材52の移動を規制し、後羽根30は開口部10aを閉鎖した状態に保持される。
【0036】
そして、
図4ないし
図6に示すように、セット部材60が時計回りにさらに回転するに連れて、後羽根用主駆動部材51のカム部51dが側部71bに係合しつつ後羽根用規制部材71を反時計回りに回転させて、規制部71aによる後羽根用従駆動部材52の規制が解除され、後羽根用従駆動部材52がガタ寄せバネの付勢力により後羽根用主駆動部材51に追従するように反時計回りに回転して、セット部材60がさらに時計回りに回転してセット動作を完了すると、
図6に示すように、後羽根30が重なり合って開口部10aを開放した状態となる。
この状態において、電子ファインダを用いて、撮影前の被写体像を確認することができる。また、セット部材60によるセット動作が開始されてから規制機構70による後羽根用従駆動部材52の規制が解除されるまでの間(後羽根30が開口部10aを閉鎖している間)に、すなわち、セット動作に並行して撮影情報を記憶部に転送記憶することができる。
【0037】
続いて、レリーズ等の信号により、シャッタ動作(露光動作)の指令が発せられると、
図7に示すように、第2規制機構80の電磁アクチュエータ82が起動し(ロータ82aが時計回りに回転し)、先羽根用規制部材81の規制部81aが被規制部42cから離脱して規制を解除し、先羽根用従駆動部材42がガタ寄せバネの付勢力により先羽根用主駆動部材41に追従するように反時計回りに回転し、先羽根20が展開して開口部10aを閉鎖する。
続いて、二つの電磁石90が通電され、鉄芯部材91,91が被吸着部41c,51cを磁気的吸引力により吸着し、時計回りに回転付勢する先羽根用駆動バネ43及び後羽根用駆動バネ53の付勢力に抗して、先羽根用主駆動部材41及び後羽根用主駆動部材51をセット位置に保持して位置決めすると共に、セット部材60が付勢バネの付勢力により反時計回りに回転して休止位置に戻り、先羽根用主駆動部材41及び後羽根用主駆動部材51の機械的な規制が解除される。
【0038】
その後、二つの電磁石90の通電がそれぞれ異なる所望のタイミングで断たれて、先羽根20が開口部10aを開放しかつ後羽根30が開口部10aを閉鎖するシャッタ動作(露光動作)が行われ、
図2に示すシャッタ動作完了の状態に至る。
具体的には、先ず、先羽根駆動機構40に対応する電磁石90の通電が断たれ、
図9に示すように、先羽根用主駆動部材41が、先羽根用駆動バネ43の付勢力により先羽根用従駆動部材42を押しつつ時計回りに回転して、先羽根20が開口部10aを開放する。
続いて、後羽根駆動機構60に対応する電磁石90の通電が断たれ、後羽根用主駆動部材51が、後羽根用駆動バネ53の付勢力により後羽根用従駆動部材52を押しつつ時計回りに回転して、後羽根30が開口部10aを閉鎖する。
ここで、後羽根用従駆動部材52が時計回りに回転して停止する際に、後羽根用従駆動部材52の摺動部52dは、後羽根用規制部材71の側部71bを摺動しつつその被規制部52cが規制部71aと対向する状態となる。
これにより、後羽根用従駆動部材52(及び後羽根30)の制動作用が得られると共に反動による逆向きの移動が抑止される。
【0039】
尚、電子ファインダにて撮影前の被写体像を観察しない(ノーマルクローズ)モードの場合、第2規制機構80による先羽根用従駆動部材42の規制が解除された状態で、前述と同様の動作が行われる。
【0040】
上記構成をなすフォーカルプレンシャッタによれば、セット部材60によりセットされる後羽根用主駆動部材51により、後羽根用規制部材71の解除動作を行うようにしたことにより、従来のようにセット部材により規制を解除する構成に比べて、各々の部材の配置の自由度が大きくなり、構造の簡素化、部品の集約化、装置の小型化等を達成することができる。
【0041】
上記実施形態においては、規制機構として、第2軸線S2回りに回動する後羽根用規制部材71及び付勢バネ72を含む規制機構70を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、後羽根30を閉鎖状態に保持するべく後羽根用従駆動部材52の移動を規制し得るものであれば、その他の形態をなす規制機構を採用してもよい。
上記実施形態においては、羽根部材として、先羽根20及び後羽根30を含む構成において、本発明を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、羽根部材を駆動する駆動機構として主駆動部材及び従駆動部材の二つの駆動部材を含むものであれば、一つの羽根部材(単幕、例えば後羽根30のみ)を備えた構成において本発明を採用してもよい。