特許第6163153号(P6163153)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6163153ドレープ・ヘッドにより配置されたストリップ間の遊びをチェックするための方法、及び車載チェック装置を備えるドレープ・ヘッドの部分組立品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6163153
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】ドレープ・ヘッドにより配置されたストリップ間の遊びをチェックするための方法、及び車載チェック装置を備えるドレープ・ヘッドの部分組立品
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/14 20060101AFI20170703BHJP
【FI】
   G01B11/14 H
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-513227(P2014-513227)
(86)(22)【出願日】2012年5月3日
(65)【公表番号】特表2014-515493(P2014-515493A)
(43)【公表日】2014年6月30日
(86)【国際出願番号】FR2012050990
(87)【国際公開番号】WO2012164184
(87)【国際公開日】20121206
【審査請求日】2015年4月15日
(31)【優先権主張番号】1154774
(32)【優先日】2011年5月31日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】1155228
(32)【優先日】2011年6月15日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516105914
【氏名又は名称】フィブ マシーニング
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100060690
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 秀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100070002
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(72)【発明者】
【氏名】ケイマン、ミッシェル ロベルト ジョゼ
(72)【発明者】
【氏名】マルケ、フィリップ クロード
【審査官】 八木 智規
(56)【参考文献】
【文献】 特開平6−55656(JP,A)
【文献】 特開2009−222672(JP,A)
【文献】 仏国特許出願公開第2949378(FR,A1)
【文献】 国際公開第2011/62178(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00−11/30
B29C 39/00−39/24
B29C 39/38−39/44
B29C 43/00−43/34
B29C 43/44−43/48
B29C 43/52−43/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリプレグのストリップをレイアップ工具上に配置するためのドレープ・ヘッドの部分組立品であって、
前記プリプレグのストリップは前記部分組立品に供給され、
前記部分組立品は、
下流において、少なくとも1つのレイアップ部材と、
前記プリプレグのストリップのための少なくとも1つの圧縮部材と、
前記ストリップの表面、特に、前記ストリップ間のクリアランスまたは遊びを検査するための検査装置と、を備え、
前記検査装置は、
検査すべき前記表面を光線で照らすレーザ光源と、
前記照射光線の画像を取り込むカメラと、
所定の角度で到達した、前記照射光線の画像を前記カメラに戻すように、前記カメラの軸に沿って検査すべき前記表面近くに配置されたプリズムと、
を備え
前記カメラと前記光源が、前記圧縮部材のはるか上の離れた位置にある遠隔ユニットに並んで収容され、そして、
前記プリズムが、前記圧縮部材の近くに垂直に配置された延長ケーシングにより、前記ユニットと前記カメラとに接続され、
前記ドレープ・ヘッドは、2重のヘッドであり、そして、前記延長ケーシングが、2つの前記圧縮部材の間のスペースに配置されていることを特徴とする部分組立品。
【請求項2】
前記検査装置は、2つの前記ユニットおよび前記プリズムの組立品を備えることを特徴とする請求項1に記載の部分組立品。
【請求項3】
前記2つのユニットおよびプリズムの組立品を、調整可能な距離で搭載することを特徴とする請求項に記載の部分組立品。
【請求項4】
プリプレグのストリップをレイアップ工具上に配置するためのドレープ・ヘッドの部分組立品により配置された前記プリプレグの2つのストリップの間のクリアランスを検査する方法であって、
前記プリプレグのストリップが前記部分組立品に供給され、
前記部分組立品は、下流において、少なくとも1つのレイアップ部材と、前記プリプレグのストリップ用の少なくとも1つの圧縮部材と、を備え、
前記方法は、形状測定方法、すなわち、検査すべき表面を光線で照らし、前記光線の画像をカメラにより観測することを用い、
前記画像が、検査すべき前記表面近くに配置されたプリズムに所定の角度で到達し、その後、前記カメラの軸上に戻され
前記カメラと前記光線の光源が、前記圧縮部材のはるか上の離れた位置にある遠隔ユニットに並んで収容され、そして、
前記プリズムが、前記圧縮部材の近くに垂直に配置された延長ケーシングにより、前記ユニットと前記カメラとに接続され、
前記ドレープ・ヘッドは、2重のヘッドであり、そして、前記延長ケーシングが、2つの前記圧縮部材の間のスペースに配置されていることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドレープ・ヘッドにより配置した(レイアップした)ストリップを用いた複合部品の製造、特に、このレイアップの品質の検査方法、とりわけ、前記ストリップ間のクリアランスを検査することによる検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機の翼のような様々な構成部品を製造するために、例えば、同じ出願人の米国特許4842684号によると、レイアップ工具上で自動的に配置したドレープ・ヘッドを備えたロボットまたは機械を利用するか、熱硬化性樹脂(一般的に、前記構成要素は、紙またはプラスティック・フィルムから成るバッキング・テープで補強する)または熱可塑性樹脂で浸透することにより共に結合する、(炭素、ガラス、ケブラーなどの)繊維を含む複合テープを成形することが、実用上知られている。前記ドレープ・ヘッドに接続されたローラーまたはアプリケータ・シューを一般的に備える圧縮部材により、前記プリプレグを、前記成形またはすでに配置した前層に適用する際に、プリプレグ繊維のテープを、前記バッキング・テープから分離し、その後、巻き付け用マンドレルに戻る場合、前記複合テープが、リールから前記ドレープ・ヘッドを通り抜けるために使用する。適切な部材により、ストリップ回路の下流において、前記プリプレグを前記レイアップ領域に導き、前記レイアップ部材の出来るだけ近くの背後から、前記プリプレグを分離する。前記ドレーピングヘッドは、このテクニックを利用して生み出された前記構成部品の様々な複雑な形状に対応するために、いくつかの軸(一般的に、5つか6つの軸)に沿って移動できるように取り付ける。前記ヘッドは、非常に速い速度で移動する。例えば1m/sである。
【0003】
生み出された前記構成部品の形状を考慮した場合、特に端部において、4つの側面で、「全幅」として知られているものをテープの長さだけでなく、前記テープの複雑な抜き取りにより得られた様々な形状の長さに配置することも必要である。
【0004】
単純な形状のスルーカットのために配置され、前記同じ機械を利用するために配置された前記ストライプの原位置切断を含む、単相レイアップ工程を利用する。機械式または超音波式ナイフが、ピーリング後に前記マンドレル上で後部巻き付けを行う、前記紙を介して切断すること無く、バッキング紙の上で直接前記プリプレグ・テープを切断する。
【0005】
切断されるストリップの複雑な形状のために、特別な第1の機械を利用する際に、前記切断が前記工程の上流で行われる場合と、連続する事前切断部が、初期のバッキング・テープを残すか、2つの保護装置の間に位置し、その後前記ドレープ・ヘッドに搭載されたカセット上で巻き付ける場合、2相工程を利用する。
【0006】
単相工程または前記2相工程が利用された場合、前記ドレープ・ヘッドを、前記プリプレグ・テープを配置するために利用し、前記ヘッドを、単一または2重のヘッドにする。後者は、レイアップ領域において、前記ヘッドの底部で下流が終端する2つのストリップ配置回路を有する。出願人の属する会社の仏国特許、288156号、2894510号、及び2929378号において、異なる幅を持つ1つの回路につき、2重のドレープ・ヘッド、一般的には、2つ圧縮部材、この例では、ローラー、を有する実施例を開示している。これらの2つのローラーを、それらローラーの間の狭い空間、典型的には2cm以下の空間、を残して、一般的に非常に近くに共に位置する。
【0007】
前記ドレープ・ヘッドにより配置された前記ストリップのレイアップの品質を継続的に検査すること、特に、前記ストリップの様々な部分はオーバーラップせず、前記ストリップ間の必要なクリアランスを持つことを検証することは、重要である。
【0008】
拡大鏡による測定を利用して、この検査を、純粋に視覚的に行い得る。しかしながら、前記炭素の前記ストリップは、黒く、前記クリアランスは、良く見えないために、非常に困難である。検査される構成部品は、非常に大きく、巨大であり、操作者が、前記構成部品を傷つけるリスクを伴いながら、前記構成部品の上によじ登って視覚的検査を行う仕事を課し、最後に、例えば1つの構成部品で10000の複雑なストリップを検査するために、検査されるクリアランスの数は、非常に大きくなる。
【0009】
したがって、自動的に前記クリアランスを検査するための方法と装置を見つける必要がある。
【0010】
前記クリアランスを検査する際に、分析された前記画像(コントラスト)を、カメラを利用して前記表面を適切に照らし、観測することを利用する場合、過去の経験から、信頼性は低く、70%の検出率を超えるものでは無い。
【0011】
更に、前記カメラと観測される前記表面の間の距離の多様さは、測定する高さを計測しなければならないため、検査用カメラのフォーカスを難しくさせている、ということを考慮しなければならない。
【0012】
更に、前記検査を行う理想的な位置は、2重ドレープ・ヘッドの場合2つの圧縮ローラー領域の右側であるが、非常に狭く、検査装置を搭載するための大きな空間が残っていない。
【0013】
米国特許2007/271064号は、請求項1〜6の前文で述べられた前記装置及び方法の特徴を含むドレープ成形部分組立品を開示している。
【0014】
米国特許2007/229805号は、ドレープ・ヘッドを内部に有する検査装置を開示している。
【0015】
しかしながら、既存のシステム信頼性を改善し、前記ドレープ成形装置内の狭い空間に搭載するのに適した装置や方法は、いまだに見つかっていない。
【発明の概要】
【0016】
したがって、本発明の目的は、ストリップ間の前記クリアランスを検査するため、より一般的には、これらの困難性を克服できる前記ストリップの表面を検査するための方法及び機内搭載装置を提供することにある。
【0017】
本発明は、部分組立品を持ちこむプリプレグのストリップをレイアップ工具上に配置するドレープ・ヘッドの部分組立品の効果により、その目的を達成し、前記部分組立品は、下流において、少なくとも1つのレイアップ部材と、前記プリプレグ・ストリップのための少なくとも1つの圧縮部材と、前記ストリップの表面、特に、前記ストリップ間のクリアランスまたは遊びを検査するための装置とを備え、該装置は、検査される前記表面を光線で照らすレーザ光源と、照らされている前記光線の画像を取り込むカメラとを備える形状測定装置であり、前記装置により、所定の角度で到達する前記照射光線の画像を前記カメラに戻すために、前記カメラ軸に沿って検査された前記表面近くに位置するプリズムを備える、ことを特徴とする部分組立品である。
【0018】
レーザ三角法を利用する2次元形状測定方法は、良く知られており、例えば米国特許6621060号及び米国特許742334号に記載のある様々な産業分野で利用されている。それらは、レーザ光線で表面を照らし、レーザ・ビームに関係した一般に斜めに位置するカメラを利用して、この光線の画像で分析することを含む。また、キーエンス株式会社は、コンパクトなユニット形状の2次元形状測定市場を持っているが、それらユニットは、特定の形状かつこのレイアップ領域で許される非常にわずかな空間を持つ、レイアップ・ヘッドの下流のレイアップ領域に配置出来ない。本発明は、検査される表面近くのプリズムを利用することによって、この困難性を克服し得るものであり、前記レイアップ領域において、該プリズムが、前記カメラに向かって所定角度で画像を送ることを許容するものである。後者は、自由に配置することが可能であり、特に、前記ドレープ・ヘッドの狭い先端において、前記光源と前記装置の残り部分から離れた場所に位置するものである。
【0019】
結果として、本発明の好ましいバージョンでは、前記カメラと前記レーザ光源を、圧縮部材のはるか上に離れて配置する、遠隔ユニットに並んで収容する。前記プリズムを、前記圧縮部材の近くに垂直に配置された延長ケーシングにより前記ユニットおよび前記カメラに接続する。前記圧縮部材の「はるか」上という表現は、前記圧縮ローラーのような、前記圧縮部材自身の上だけでなく、前記ローラーを自由に上下することを許容するために、前記ローラーを支え、動作させるシステムの上ということを意味する。
【0020】
本発明が、2つの圧縮部材を持つ2重ドレープ・ヘッドに適用される際、前記延長ケーシングを、前記2つの圧縮部材の間の空間に都合よく配置する。
【0021】
好都合なことに、前記検査装置は、配置された前記ストリップの2つの端部を形成する2つのユニットとプリズム組立品を含む。
【0022】
好都合なことに、前記2つのユニットと前記プリズム組立品を、置かれた前記ストリップに適用するために、調整可能な距離を置いて搭載する。
【0023】
また、本発明は、部分組立品を持ちこむプリプレグのストリップをレイアップ工具上に配置するための前記ドレープ・ヘッドの部分組立品により配置した2つの前記ストリップの間に存在する、前記中間ストリップ・クリアランスを検査するための方法に関するものであり、前記部分組立品は、下流において、少なくとも1つのレイアップ部材と、前記プリプレグ・ストリップのための少なくとも1つの圧縮部材とを備え、前記中間ストリップ・クリアランスを検査するための前記方法は、形状測定方法、すなわち、光線が、検査される表面を照らし、前記光線の画像を、カメラにより観測することを用い、前記画像が、所定の角度で、検査される前記表面近くに配置されプリズムに戻り、そして前記カメラ軸上に戻る、ことを特徴とする方法である。
【0024】
本発明は、特に、マイクロ・カメラまたはペンシル・カメラを必要としないカメラの場合に、比較的知られた、堅牢な装置の利用を許容するものである。
【0025】
本発明の方法は、前記ストリップ端部の(重ねるための)リッジ部を識別する前段の工程の後に都合よく組み入れるものである。前記ストリップ端部(または前記ストリップの終端)の輪郭は、重なった輪郭と類似しており、前記リッジ部と混同しないように前記ストリップの端部の位置を含むプログラムのために役立つものである。
【0026】
本発明による自動輪郭検出方法は、初めに検出結果を記憶し、前記ドレープ・ヘッドの前記プログラミングを最適化するために利用するための予防状況や、前記適したプログラムが一度効力を持つと、各々の層の表面が検査され欠損が見つかった後で、警告を発するための治癒状況を利用することが可能である。前記プログラミング・ソフトウェアは、領域が、すでに配置された前記テープを考慮することで検査されるものとして定義される。
【0027】
本発明は、前記ストリップ間の前記クリアランスを検査するだけでなく、前記テープの終端(プライの終端)または層の輪郭のような、形状測定により検出し得る他の側面を検査することにも利用することが可能である。
【0028】
本発明の他の特徴や利点は、ある実施例における以下の記述から明らかとなるであろう。参照は、付図により行われる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の測定装置を有する2重ドレープ・ヘッドの正面図である。
図2】ドレープ・ヘッドと分離した、本発明の測定装置の斜視図である。
図3】本発明の装置を利用して測定する原理を図示する正面図である。
図4A】本発明の前記装置を備えた2重ドレープ・ヘッドの底部を示す正面斜視図である。ここで、圧縮ローラーは第1の位置にあり、前記装置の2つの部品間に第1の分離(距離)が存在する。
図4B】本発明の前記装置を備えた2重ドレープ・ヘッドの底部を示す側面斜視図である。ここで、圧縮ローラーは第1の位置にあり、前記装置の2つの部品間に第1の分離(距離)が存在する。
図5A】本発明の前記装置を備えた2重ドレープ・ヘッドの底部を示す正面斜視図である。ここで、圧縮ローラーは第2の位置にあり、前記装置の2つの部品間に第2の分離(距離)が存在する。
図5B】本発明の前記装置を備えた2重ドレープ・ヘッドの底部を示す側面斜視図である。ここで、圧縮ローラーは第2の位置にあり、前記装置の2つの部品間に第2の分離(距離)が存在する。
図6】炭素ストリップの4つの従来の配置を示す上面図である。
図7A】(2つのストリップ間に)クリアランスがあるように配置された2つの炭素ストリップの側面図である。
図7B】(2つのストリップが)重なるように配置された2つの炭素ストリップの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
初めに、被膜した炭素繊維の複合ストリップ1を配置した図である図6図7A及び図7Bに基づいて説明する。構成部品は、レイアップ工具上の、前記ストリップからなる層の配置(layup)で構成される。前記製造物に等方性の特徴を与えるために、これらの層は、様々な位置、例えば、それぞれ0°、90°、−45°、及び+45°、を有するか、或は、前記ドレープ・ヘッド(draping head)により配置される。図示するように、前記ストリップ1は、あるクリアランス2、通常0から2.5mmの値、の間を残して、隣接した層1の隣に位置する。このクリアランスは、一致し(順守し)、検査する必要があり、図7Bで描かれたオーバーラップ3の形成を避けるためのものである。
【0031】
互いに層をドレープ成形することは、輪郭を形成する上で、10%以下の局在化した勾配をもたらし得る。表面レベルにおけるこれらの勾配と差異は、(前記配置した表面が、水平支持に位置すると仮定して)垂直軸に沿った観察がエラーを含んでいる可能性があることを意味する。つまり、実際の観測された表面は、理論上の観測された表面より数ミリ前後にある場合があり、前記測定結果に誤差を生じ得る。このことは、本発明の方法及び装置が、斜めに観測される前記表面を観測するのに好ましいという理由である。そして、前記表面を、前記工具4の表面に垂直であるレーザ・ビームによって照らす。図3は、背景にあるこの原理を図示したものである。
【0032】
前記検査装置10は、光の平行ビーム12を、水平工具4に配置された前記ストリップ1の表面、(また、この工具4上にすでに配置された、いくつかの層)に垂直に照射する、照明装置またはレーザ光源11を備える。前記レーザ光源11は、前記ビーム12に平行して隣接する垂直軸14上のカメラの近くにある。したがって、前記カメラ13は、プリズム16で屈折されたた後、前記ストリップ1の表面から反射された光線17を受ける、前記右側プリズム16の斜面15を撮影することが出来る。前記光源11及び前記カメラ13は、ユニット18内に位置し、適切な高さの延長ケーシング19は、ユニット18の下部に配置して、その端部に前記プリズム16を支持し、観測した画像を保護する。前記プリズム16は、例えば、水平面に対し10mm幅で測定し、前記画像を27°だけ偏向させる。前記平行光線11は、従来のレーザ光源より精度の高いレーザLEDによって生成することが出来る。前記延長ケーシング19は、およそ10mm幅を持っており、空間が限られている2重ドレープ・ヘッドのローラーの間に収まる。したがって、前記プリズムと前記ケーシングを除く全体の検査装置を、前記ローラー上の、保護されたより広い領域に持ち上げることができる。こうした構造については、図1、2、4A、4B、5A、及び5Bを参照して説明する。対照的に、前記プリズム16は、掃除または変更のために容易に近づくことができる。
【0033】
図1は、単相または2相のレイアップ工程に利用される2重レイアップ・ヘッド20を搭載する装置10を模式的に図示したものである。前記ヘッド20を、前記レイアップ工具を移動させることが可能なガントリーから吊るしたビームの底部において、様々な軸(5または6軸)に沿って動かすことが出来るように搭載する。前記複合ストリップは、前記カセット35または35’の一方または他方から繰り出され、切断あるいは加熱のための作業ステーション22、および、様々なガイド/レイアップ部材23を通って、前記ヘッドの最下流部の底にあるレイアップ・ステーション25に到達する。そのレイアップ・ステーション25は、ローラー支持/制御用組立品26上の引き込み棒31、31’を介して搭載された2つの圧縮ローラー30、30’を有する。前記ローラー30、30’は、例えば直径60mmと、それぞれ300mmと150mmの長さを持つ。それらは、高さ方向に25mmの距離上で引き込むことが出来る。前記ローラー30、30’の表面の間に水平方向に残された空間は、例えば、14mmである。図1、4A、4B、5A、及び5Bでは、スケールは図示しておらず、前記ローラー30、30’間の前記空間は、図示のために、あえて誇張している。実際、前記プリズム16が前記ローラー30、30’の間のレイアップ領域25に入るように、前記検査装置10の前記ケーシング19はこの空間を通して供給することができる。そのため、前記光源11と前記カメラ13を収容するユニット18は、前記ローラー上部に配置している。ユニット18は、例えば、前記ローラー30、30’を支持する組立品26に、ブラケット27を用いて固定される。
【0034】
図2は、前記ブラケット27上に前記検査装置10を搭載する方法を詳細に図示したものである。一方では、前記検査装置10は、2重であり、ビーム12を放出する光源11と、前記延長ケーシング19上に配置された前記カメラ13をそれぞれ備える2つのユニット18を有するものである。各々のユニット18を、ガイドウェイ28により前記ブラケット27の垂直壁状に水平方向にスライドすることが出来るように搭載する。ガイドウェイ28上の前記ユニット18の水平方向の移動は、前記ブラケット27に固定された水平方向のアクチュエータ29によって得られる。ここで、アクチュエータの棒29aはそれぞれのユニット18に接続されている。
【0035】
図4A、4B、5A、及び5Bが示すように、前記検査装置10の前記2つのユニット18に、図4A及び4Bに示すような、最大分離、例えば、300mm幅の前記ストリップ端における前記クリアランスを検査するために300mm(またはおよそ12インチ)の分離L1と、図5A及び5Bに示すような、最小分離、例えば、150mm幅の前記ストリップの端における前記クリアランスを検査するために150mm(またはおよそ6インチ)の分離L2の構成を採用し得る。
【0036】
本発明による機内搭載した検査装置のおかげで、1秒間に数多くの測定、例えば、1秒間に10〜100回の測定を行い、前記ドレープ・ヘッドを制御する前記制御部に接続された適切なコンピュータによって処理して、前記層の前記レイアップの品質を検査することができるようになる。
【符号の説明】
【0037】
10 検査装置
11 (レーザ)光源
16 プリズム
18 (遠隔)ユニット
13 カメラ
19 延長ケーシング
20 (ドレープ)ヘッド
23 レイアップ部材
26 組立品
30 (圧縮)ローラー、圧縮部材
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B