特許第6163170号(P6163170)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6163170サービス連携システム、サービス連携装置、端末装置、サービス連携方法及びサービス連携プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6163170
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】サービス連携システム、サービス連携装置、端末装置、サービス連携方法及びサービス連携プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 15/00 20060101AFI20170703BHJP
   G06F 9/54 20060101ALI20170703BHJP
   G06F 9/46 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   G06F15/00 420A
   G06F9/46 480Z
   G06F9/46 350
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-3172(P2015-3172)
(22)【出願日】2015年1月9日
(65)【公開番号】特開2016-128966(P2016-128966A)
(43)【公開日】2016年7月14日
【審査請求日】2015年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】古思 望
【審査官】 大桃 由紀雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−230549(JP,A)
【文献】 特開2002−108632(JP,A)
【文献】 特開2013−196036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 15/00
G06F 9/46
G06F 9/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汎用的なサーバ機能と複数のサービスを連携させる機能を様々なアプリケーションに提供するサービス連携装置と前記サービス連携装置を利用するアプリケーションをインストールした端末装置とを備えたサービス連携システムであって、
前記サービス連携装置は、
前記アプリケーション毎にユーザに対して発行したユーザIDと前記サービスの利用に必要な接続先ユーザ情報とを関連付けて格納した記憶手段と、
前記汎用的なサーバ機能と前記複数のサービスを連携させる機能を提供するアプリケーションプログラミングインタフェースと、
前記端末装置から前記複数のサービスを連携させる要求を受信したときに、当該要求に含まれる前記ユーザIDに関連付けられた前記接続先ユーザ情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記接続先ユーザ情報を用いて前記複数のサービスのそれぞれを利用し、前記複数のサービスを連携させるサービス連携手段と、を有し、
前記端末装置は、
前記アプリケーションプログラミングインタフェースを呼び出して、前記ユーザIDを付与して前記サービス連携装置に前記複数のサービスを連携させる要求を送信する送信手段を有すること
を特徴とするサービス連携システム。
【請求項2】
前記サービス連携装置は、
トークンを発行し、当該トークンを前記端末装置に送信するとともにキャッシュに格納するトークン発行手段を有し、
前記取得手段は、前記記憶手段から取得した前記接続先ユーザ情報を前記トークンに関連付けて前記キャッシュに格納しておき、前記複数のサービスを連携させる要求を受信したときに、当該要求に含まれる前記トークンに関連付けられた前記接続先ユーザ情報を前記キャッシュから取得し、
前記端末装置は、
前記トークンを受信する受信手段を有し、
前記送信手段は、前記トークンを付与して前記サービス連携装置に前記複数のサービスを連携させる要求を送信すること
を特徴とする請求項1記載のサービス連携システム。
【請求項3】
汎用的なサーバ機能と複数のサービスを連携させる機能を様々なアプリケーションに提供するサービス連携装置であって、
前記アプリケーション毎にユーザに対して発行したユーザIDと前記サービスの利用に必要な接続先ユーザ情報とを関連付けて格納した記憶手段と、
前記汎用的なサーバ機能と前記複数のサービスを連携させる機能を提供するアプリケーションプログラミングインタフェースと、
前記アプリケーションをインストールした端末装置から前記複数のサービスを連携させる要求を受信したときに、当該要求に含まれる前記ユーザIDに関連付けられた前記接続先ユーザ情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記接続先ユーザ情報を用いて前記複数のサービスのそれぞれを利用し、前記複数のサービスを連携させるサービス連携手段と、を有すること
を特徴とするサービス連携装置。
【請求項4】
トークンを発行し、当該トークンを前記端末装置に送信するとともにキャッシュに格納するトークン発行手段を有し、
前記取得手段は、前記記憶手段から取得した前記接続先ユーザ情報を前記トークンに関連付けて前記キャッシュに格納しておき、前記複数のサービスを連携させる要求を受信したときに、当該要求に含まれる前記トークンに関連付けられた前記接続先ユーザ情報を前記キャッシュから取得することを特徴とする請求項3記載のサービス連携装置。
【請求項5】
汎用的なサーバ機能と複数のサービスを連携させる機能を提供するサービス連携装置を利用するアプリケーションをインストールした端末装置であって、
前記サービス連携装置が有する前記汎用的なサーバ機能と前記複数のサービスを連携させる機能を提供するアプリケーションプログラミングインタフェースを呼び出して、前記アプリケーションを利用するユーザに対して発行されたユーザIDを付与して前記サービス連携装置に前記複数のサービスを連携させる要求を送信する送信手段を有することを特徴する端末装置。
【請求項6】
前記サービス連携装置が発行したトークンを受信する受信手段を有し、
前記送信手段は、前記トークンを付与して前記サービス連携装置に前記複数のサービスを連携させる要求を送信することを特徴とする請求項5記載の端末装置。
【請求項7】
汎用的なサーバ機能と複数のサービスを連携させる機能を様々なアプリケーションに提供するサービス連携装置によって実行されるサービス連携方法であって、
前記サービス連携装置は前記アプリケーション毎にユーザに対して発行したユーザIDと前記サービスの利用に必要な接続先ユーザ情報とを関連付けて格納した記憶手段と前記汎用的なサーバ機能と前記複数のサービスを連携させる機能を提供するアプリケーションプログラミングインタフェースを備え、
前記アプリケーションをインストールした端末装置から前記複数のサービスを連携させる要求を受信したときに、当該要求に含まれる前記ユーザIDに関連付けられた前記接続先ユーザ情報を取得するステップと、
前記接続先ユーザ情報を用いて前記複数のサービスのそれぞれを利用し、前記複数のサービスを連携させるステップと、を有すること
を特徴とするサービス連携方法。
【請求項8】
コンピュータを、
汎用的なサーバ機能と複数のサービスを連携させる機能を様々なアプリケーションに提供するサービス連携装置が備える、
前記アプリケーション毎にユーザに対して発行したユーザIDと前記サービスの利用に必要な接続先ユーザ情報とを関連付けて格納した記憶手段、
前記汎用的なサーバ機能と前記複数のサービスを連携させる機能を提供するアプリケーションプログラミングインタフェース、
前記アプリケーションをインストールした端末装置から前記複数のサービスを連携させる要求を受信したときに、当該要求に含まれる前記ユーザIDに関連付けられた前記接続先ユーザ情報を取得する取得手段、
前記取得手段が取得した前記接続先ユーザ情報を用いて前記複数のサービスのそれぞれを利用し、前記複数のサービスを連携させるサービス連携手段、
として動作させることを特徴とするサービス連携プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のサービスを連携する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを介して様々なサービスが提供されている。サービスを利用する形態として、スマートフォンなどの携帯端末にアプリケーションをインストールし、アプリケーションを用いてサービスを利用する形態がある。サービスを提供する事業者は、端末側のアプリケーションを開発するだけではなく、ユーザ管理機能などのバックエンド側のシステムを構築する必要がある。また、サービスを提供する事業者は、自社のみでアプリケーションを開発するのではなく、サービスを利用するためのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を公開し、第三者であるアプリケーションベンダーがそのサービスを利用するアプリケーションを開発することも多々行われている。さらに、複数のサービスを連携させたアプリケーションを開発することも行われている。
【0003】
最近では、ユーザ管理やデータ管理などの汎用的なサーバ機能を提供するBaaS(Backend as a Service)と呼ばれるバックエンド側のサービスを提供するシステムが用いられることがある。汎用的なサーバ機能を提供するBaaSを利用することで、アプリケーションの開発者はバックエンド側の開発、管理作業を行う必要がなくなるため、アプリケーションの開発にリソースを集中させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4848407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
BaaSを利用してアプリケーションを開発する場合はバックエンド側のシステムを開発する必要がなくなるが、BaaSは汎用的なサーバ機能を提供するだけであるので、複数のサービスを連携させるときは、アプリケーションで複数のサービスを連携させる仕組みが必要となる。アプリケーションで複数のサービスを連携させる場合、各サービスを利用するためのユーザIDの管理や認証処理など、各サービスが持つ異なるID体系や認証の仕組みに合わせた開発が必要となり、開発コスト、処理速度、利用者の利便性においてデメリットが大きいという問題があった。また、接続先のサービスの仕様が変更になった場合はアプリケーションを改修する必要があり、開発コストがかかり、かつ柔軟なサービス連携ができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、端末側で容易に複数のサービスを連携させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明に係るサービス連携システムは、汎用的なサーバ機能と複数のサービスを連携させる機能を様々なアプリケーションに提供するサービス連携装置と前記サービス連携装置を利用するアプリケーションをインストールした端末装置とを備えたサービス連携システムであって、前記サービス連携装置は、前記アプリケーション毎にユーザに対して発行したユーザIDと前記サービスの利用に必要な接続先ユーザ情報とを関連付けて格納した記憶手段と、前記汎用的なサーバ機能と前記複数のサービスを連携させる機能を提供するアプリケーションプログラミングインタフェースと、前記端末装置から前記複数のサービスを連携させる要求を受信したときに、当該要求に含まれる前記ユーザIDに関連付けられた前記接続先ユーザ情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記接続先ユーザ情報を用いて前記複数のサービスのそれぞれを利用し、前記複数のサービスを連携させるサービス連携手段と、を有し、前記端末装置は、前記アプリケーションプログラミングインタフェースを呼び出して、前記ユーザIDを付与して前記サービス連携装置に前記複数のサービスを連携させる要求を送信する送信手段を有することを特徴とする。
【0008】
上記サービス連携システムにおいて、前記サービス連携装置は、トークンを発行し、当該トークンを前記端末装置に送信するとともにキャッシュに格納するトークン発行手段を有し、前記取得手段は、前記記憶手段から取得した前記接続先ユーザ情報を前記トークンに関連付けて前記キャッシュに格納しておき、前記複数のサービスを連携させる要求を受信したときに、当該要求に含まれる前記トークンに関連付けられた前記接続先ユーザ情報を前記キャッシュから取得し、前記端末装置は、前記トークンを受信する受信手段を有し、前記送信手段は、前記トークンを付与して前記サービス連携装置に前記複数のサービスを連携させる要求を送信することを特徴とする。
【0009】
第2の本発明に係るサービス連携装置は、汎用的なサーバ機能と複数のサービスを連携させる機能を様々なアプリケーションに提供するサービス連携装置であって、前記アプリケーション毎にユーザに対して発行したユーザIDと前記サービスの利用に必要な接続先ユーザ情報とを関連付けて格納した記憶手段と、前記汎用的なサーバ機能と前記複数のサービスを連携させる機能を提供するアプリケーションプログラミングインタフェースと、前記アプリケーションをインストールした端末装置から前記複数のサービスを連携させる要求を受信したときに、当該要求に含まれる前記ユーザIDに関連付けられた前記接続先ユーザ情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記接続先ユーザ情報を用いて前記複数のサービスのそれぞれを利用し、前記複数のサービスを連携させるサービス連携手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
上記のサービス連携装置において、トークンを発行し、当該トークンを前記端末装置に送信するとともにキャッシュに格納するトークン発行手段を有し、前記取得手段は、前記記憶手段から取得した前記接続先ユーザ情報を前記トークンに関連付けて前記キャッシュに格納しておき、前記複数のサービスを連携させる要求を受信したときに、当該要求に含まれる前記トークンに関連付けられた前記接続先ユーザ情報を前記キャッシュから取得することを特徴とする。
【0011】
第3の本発明に係る端末装置は、汎用的なサーバ機能と複数のサービスを連携させる機能を提供するサービス連携装置を利用するアプリケーションをインストールした端末装置であって、前記サービス連携装置が有する前記汎用的なサーバ機能と前記複数のサービスを連携させる機能を提供するアプリケーションプログラミングインタフェースを呼び出して、前記アプリケーションを利用するユーザに対して発行されたユーザIDを付与して前記サービス連携装置に前記複数のサービスを連携させる要求を送信する送信手段を有することを特徴する。
【0012】
上記の端末装置において、前記サービス連携装置が発行したトークンを受信する受信手段を有し、前記送信手段は、前記トークンを付与して前記サービス連携装置に前記複数のサービスを連携させる要求を送信することを特徴とする。
【0013】
第4の本発明に係るサービス連携方法は、汎用的なサーバ機能と複数のサービスを連携させる機能を様々なアプリケーションに提供するサービス連携装置によって実行されるサービス連携方法であって、前記サービス連携装置は前記アプリケーション毎にユーザに対して発行したユーザIDと前記サービスの利用に必要な接続先ユーザ情報とを関連付けて格納した記憶手段と前記汎用的なサーバ機能と前記複数のサービスを連携させる機能を提供するアプリケーションプログラミングインタフェースを備え、前記アプリケーションをインストールした端末装置から前記複数のサービスを連携させる要求を受信したときに、当該要求に含まれる前記ユーザIDに関連付けられた前記接続先ユーザ情報を取得するステップと、前記接続先ユーザ情報を用いて前記複数のサービスのそれぞれを利用し、前記複数のサービスを連携させるステップと、を有することを特徴とする。
【0014】
第5の本発明に係るサービス連携プログラムは、コンピュータを、汎用的なサーバ機能と複数のサービスを連携させる機能を様々なアプリケーションに提供するサービス連携装置が備える、前記アプリケーション毎にユーザに対して発行したユーザIDと前記サービスの利用に必要な接続先ユーザ情報とを関連付けて格納した記憶手段、前記汎用的なサーバ機能と前記複数のサービスを連携させる機能を提供するアプリケーションプログラミングインタフェース、前記アプリケーションをインストールした端末装置から前記複数のサービスを連携させる要求を受信したときに、当該要求に含まれる前記ユーザIDに関連付けられた前記接続先ユーザ情報を取得する取得手段、前記取得手段が取得した前記接続先ユーザ情報を用いて前記複数のサービスのそれぞれを利用し、前記複数のサービスを連携させるサービス連携手段、として動作させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、端末側で容易に複数のサービスを連携させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施の形態におけるサービス連携装置の構成を示す機能ブロック図である。
図2】本実施の形態におけるサービス連携装置の処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本実施の形態におけるサービス連携装置は、携帯端末などで実行されるアプリケーションのサービス運用に必要なサーバ機能を提供する装置であり、BaaSと呼ばれるバックエンド側のサービスを提供する装置である。本サービス連携装置が提供するサーバ機能としては、アプリケーションのユーザ管理機能、通知機能、データ管理機能、ソーシャルネットワークサービスとの連携機能、および外部サービスの連携機能がある。以下、本サービス連携装置の特徴である外部サービスの連携機能について図面を用いて説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態におけるサービス連携装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すサービス連携装置1は、API11、認証/ID連携部12、トークン生成部13、キャッシュ14、およびサービス連携部15を備える。サービス連携装置1が備える各部は、演算処理装置、記憶装置等を備えたコンピュータにより構成して、各部の処理がプログラムによって実行されるものとしてもよい。このプログラムはサービス連携装置1が備える記憶装置に記憶されており、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0019】
API11は、端末3にインストールされたアプリケーションが各種サーバ機能を利用するためのインタフェースを提供する。
【0020】
認証/ID連携部12は、端末3から送信された共通ユーザIDを認証し、共通ユーザIDに関連付けられた接続先ユーザIDと認証情報をID連携DB21から取得する。認証/ID連携部12は、取得した接続先ユーザIDと認証情報をキャッシュ14に保存する。共通ユーザIDは、サービス連携装置1がアプリケーション毎に各ユーザに発行したIDである。共通ユーザIDは、例えばユーザが端末3にインストールされたアプリケーションを初めて利用するときなどに発行される。接続先ユーザIDと認証情報は、外部サービスであるサービスA,Bの利用に必要なIDと認証情報である。
【0021】
ID連携DB21は、共通ユーザIDに接続先ユーザIDと認証情報を関連付けて格納する。本実施の形態では、サービスA,Bを連携させるので、共通ユーザIDにサービスA用接続先ユーザIDとサービスA用認証情報、サービスB用接続先ユーザIDとサービスB用認証情報を関連付けて格納する。サービスA,Bは、独立して提供されているサービスである。サービスA,Bそれぞれの接続先ユーザIDと認証情報は、ユーザがアプリケーションを初めて利用するときなどにID連携DB21に登録する。
【0022】
ユーザ認証DB22は、共通ユーザIDの認証に必要な情報を格納する。認証/ID連携部12は、ユーザ認証DB22に共通ユーザIDの認証情報を問い合わせてユーザ認証を行う。
【0023】
トークン生成部13は、認証/ID連携部12が認証した共通ユーザIDに対して期限付きトークンを発行し、発行したトークンを接続先ユーザIDとともにキャッシュ14に保存する。発行したトークンは端末3に送信される。端末3はトークンと共通ユーザIDを本サービス連携装置1に送信して外部サービスの連携機能の利用を要求する。
【0024】
サービス連携部15は、端末3からの要求に応じてサービスA,Bを連携させる。例えば、サービスAがユーザの属性(性別、年齢、住所等)を管理するサービスを提供し、サービスBが情報を配信するサービスを提供している場合、サービス連携部15は、サービスAからユーザの属性を取得し、サービスBを用いて取得した属性に応じた情報をユーザに配信する。端末3を保持するユーザはサービスA,Bの両方を個別に利用しているものとする。
【0025】
サービスA,Bの仕様が変更された場合は、サービス連携部15を仕様の変更に合わせて改修することで、端末3のアプリケーションを改修する必要がなくなる。新たなサービスCを連携させる場合は、連携する仕組みをサービス連携部15に備えて、サービスCを連携させるインタフェースをAPI11が提供することで、アプリケーションは提供されたAPI11を利用するだけで新たなサービスCを連携させることができる。サービスCの接続先ユーザID等についてもID連携DB21に共通ユーザIDに関連付けて格納する。
【0026】
ユーザログDB23がサービス連携装置1に接続されて、ユーザのアクティビティに関するログが格納される。本実施の形態では、サービス連携装置1を介してサービスA,Bの両方を利用したログがユーザログDB23に保存されるため、複数サービスに跨ったデータ解析が可能となる。
【0027】
端末3には、サービス連携装置1が提供するサービスA,Bの連携機能を利用するアプリケーションがインストールされている。端末3は、共通ユーザIDをサービス装置装置1に送信してサービスの利用を開始し、サービス連携装置1から受信したトークンを共通ユーザIDとともに送信し、サービスA,Bの連携機能を利用する。端末3は、提供されたAPI11を呼び出すことでサービス連携装置1が提供する機能を利用する。
【0028】
図1では、1台の端末3のみを図示しているが、サービス連携装置1は多数の端末3に対してサーバ機能を提供するので多数の端末3が接続される。また、サービス連携装置1は、特定のアプリケーションのみにサーバ機能を提供するのではなく、汎用的なサーバ機能を様々なアプリケーションに提供する。そのため、サービス連携装置1は様々なアプリケーションからの要求を受け付ける。
【0029】
次に、本実施の形態におけるサービス連携装置の動作について説明する。
【0030】
図2は、本実施の形態におけるサービス連携装置の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0031】
まず、端末3がサービス連携装置1を利用するために、共通ユーザIDとその認証情報をサービス連携装置1に送信する(ステップS11)。共通ユーザIDと認証情報は、例えばユーザが端末3のアプリケーションを初めて利用するときに発行されてユーザに通知される。ユーザが端末3のアプリケーションを利用するときは共通ユーザIDと認証情報を入力する。端末3内に共通ユーザIDと認証情報を保存しておいてもよい。
【0032】
サービス連携装置1は共通ユーザIDと認証情報を受信すると、ユーザ認証DB22に問い合わせてユーザ認証を行う(ステップS12)。
【0033】
サービス連携装置1はユーザ認証が成功すると、受信した共通ユーザIDに関連付けられた接続先ユーザIDをID連携DB21に要求して取得し(ステップS13,S14)、各サービスA,Bの接続先ユーザIDと認証情報をキャッシュ14に保存する(ステップS15)。
【0034】
サービス連携装置1は期限付きトークンを生成し(ステップS16)、生成したトークンに接続先ユーザIDと認証情報を関連付けてキャッシュ14に保存するとともに(ステップS17)、生成したトークンを端末3に送信する(ステップS18)。
【0035】
端末3はトークンを受信すると、共通ユーザIDとトークンを付与してサービス連携装置1のサーバ機能の利用を要求する(ステップS19)。
【0036】
サービス連携装置1は端末3から受信したトークンを認証し(ステップS20)、認証が成功したときは、トークンに関連付けられた接続先ユーザIDと認証情報をキャッシュ14から取得する(ステップS21)。なお、トークンの有効期限が切れているときなど、認証が失敗したときは、ステップS12のユーザ認証に戻り、新たなトークンを発行する。
【0037】
そして、サービス連携装置1は、サービスA用接続先ユーザIDと認証情報を用いてサービスAにアクセスするとともに(ステップS22)、サービスB用接続先ユーザIDと認証情報を用いてサービスBにアクセスし(ステップS23)、サービスA,Bを連携させる。以降は、ステップS19〜S23の処理が繰り返し行われる。
【0038】
本実施の形態では、サービス連携装置1が各サービスA,Bの接続先ユーザIDを共通ユーザIDに関連付けて管理し、サービスA,Bを連携する機能を提供するので、端末3は、共通ユーザIDと提供されたAPI11を呼び出すだけでよく、各サービスA,Bへのアクセス処理や連携処理を備える必要がない。
【0039】
上記では、端末3として携帯端末を用いる例を説明したが、端末3は携帯端末に限るものではない。例えば、端末3としてスマートメータを用い、消費電力を管理する電力管理サービスと情報を通知する通知サービスとを連携させて、スマートメータがサービス連携装置1にアクセスし、消費電力が所定の値を超えた場合に、その旨をユーザに通知する。通知先は、ユーザが通知サービスに登録しておいた携帯端末であってもよい。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ID連携DB21に端末3のアプリケーション毎にユーザに発行した共通ユーザIDとサービスA,Bの利用に必要な接続先ユーザIDとを関連付けて格納しておき、アプリケーションから共通ユーザIDを含むサービスA,Bを連携させる要求を受信した場合、認証/ID連携部12が共通ユーザIDに関連付けられたサービスA,Bの接続先ユーザIDを取得し、サービス連携部15が接続先ユーザIDを用いてサービスA,Bにアクセスすることにより、アプリケーションは共通ユーザIDとAPIを呼び出すだけで、簡単に複数のサービスA,Bを連携させることが可能となる。
【0041】
本実施の形態によれば、トークン生成部13が生成したトークンをアプリケーションに送信するとともに、接続先ユーザIDに関連付けてキャッシュ14に格納しておき、アプリケーションが、複数のサービスA,Bを連携させる要求にトークンを付与することにより、ID連携DB21へのアクセスを減らして高速な処理が可能となる。
【符号の説明】
【0042】
1…サービス連携装置
12…認証/ID連携部
13…トークン生成部
14…キャッシュ
15…サービス連携部
21…ID連携DB
22…ユーザ認証DB
23…ユーザログDB
3…端末
図1
図2