特許第6163234号(P6163234)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6163234交流電力線に接続された負荷の機能拡張制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6163234
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】交流電力線に接続された負荷の機能拡張制御装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20170703BHJP
【FI】
   H05B37/02 C
   H05B37/02 L
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-119976(P2016-119976)
(22)【出願日】2016年6月16日
【審査請求日】2016年6月17日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 掲載年月日:西暦2015年12月17日 掲載アドレス:http://cafe.naver.com/startuppf http://cafe.naver.com/startuppf/2222
(73)【特許権者】
【識別番号】516180162
【氏名又は名称】タイニーパワーズ シーオー.,エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】TINYPOWERS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】チェ、チャンジュン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジェブ
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2014−0127193(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスイッチ操作で交流電力線に接続された負荷を制御する制御装置であって、
DIACまたはツェナーダイオード素子を複数有し、複数のスイッチと回路で接続したスイッチ部を含み、
前記スイッチ部と直列で接続される制御受信部を含み、
前記スイッチ部の各スイッチの遮断操作に応じて関連するDIACで所定の電圧以上においてターンオンされるか、あるいは、関連するツェナーダイオードまたはTVSダイオードの両端において逆方向の降伏電圧降下の組み合わせが発生し、
前記制御受信部には引込み電源電圧と前記スイッチ部の全体の電圧降下との間の差分に相当する電圧波形が入力され、
前記制御受信部は、半周期または一周期の波形の電圧波形におけるターンオンされる時点または電圧降下によるゼロクロシング位相区間の変化に対応する前記スイッチ部のスイッチ操作の組み合わせを把握し、
前記制御受信部は、把握された前記スイッチ部のスイッチ操作の組み合わせに応じて予め定められた負荷制御動作を行う、電力線負荷制御装置。
【請求項2】
複数のスイッチ操作で交流電力線で接続された負荷を制御する負荷制御装置であって、
各スイッチの操作の組み合わせの情報に対応する交流電源の「ターンオン位相時点」または「ターンオフ位相時点」を有するように交流電源半周期または一周期電圧波形を変形するスイッチ機能部を含み、
前記スイッチ機能部と直列で接続される制御受信部を含み、
前記制御受信部は、半周期または一周期の電源の電圧波形のターンオン位相時点またはターンオフ位相時点に対応する複数のスイッチ操作の組み合わせ情報を把握し、
前記制御受信部は、把握されたスイッチ操作の組み合わせ情報に基づいて予め定められた負荷制御動作を行う、電力線負荷制御装置。
【請求項3】
スイッチの一部または全部は、複数のタッチセンサーまたはタッチパッド上の複数の座標点におけるタッチ信号、可変抵抗、回転ノブの回転角度またはジョグシャトルにおいて回転角度の信号をマイクロコントローラが受け取る形式のものである、請求項2に記載の電力線負荷制御装置。
【請求項4】
前記スイッチ機能部または発光ダイオード(LED)または外部との通信回路または赤外線リモーコン信号生成回路またはタッチセンサー用のマイクロコントローラの直流電源を作るために、前記スイッチ機能部の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の動作またはTriac動作がターンオフされるときに前記スイッチ機能部の両端にかかる電圧から直流電源を作る回路をさらに含む、請求項2に記載の電力線負荷制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電力線に直列接続されたスイッチ及び負荷において単なるオン/オフ制御のスイッチの機能からさらに拡張して負荷の様々な制御用途に活用するか、あるいは、多数の負荷を選択して制御しようとする場合、既存のスイッチ及び負荷に一部の要素技術を追加して経済的に行う技術及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
埋め込まれている壁スイッチ及び天井の照明は、屋内の配線を介して直列で接続されている構造であり、既存の一つの電灯照明を複数の照明に取り替えて点滅照明の数で明るさを調節しようとする場合、複数の壁スイッチを設けなければならず、各スイッチが照明に向かう電力を断続する方法で照明を制御しようとする場合、既存の屋内配線において直列で増設される照明に見合う分だけ線路を増設しなければならないという不都合がある。
【0003】
既存の屋内配線を取り替えたり追加したりすることなくスイッチ及び照明を追加してそれぞれ照明を制御しようとする場合、あるいは、複数のスイッチ操作で各照明の制御機能のうちオン/オフに加えて、例えば、点滅、明るさ、色相、作動時間、または動作モードなどの制御内容を拡張しようとする場合に対応可能な技術である。
【0004】
照明に制限されず、交流電気を用いる様々な電気機器の制御に有用であり、特に、壁スイッチを用いて制御する機器では既存の屋内配線をそのまま活用するので、経済的な利益を与える技術である。
【0005】
モータを用いる電動窓や電動スクリーン、天井の扇風機、エアコン、電動弁、ボイラー等にも複数のモータを選択して制御したり発熱体を制御したりして温度を所望の通りに調整する場合も含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、交流電力線で1以上が接続されて電力を供給される負荷である照明、モータ、ソレノイド、発熱体を制御対象とするが、まず、照明を例にとって説明する。
【0007】
照明制御用途に壁スイッチが頻繁に用いられ、機械的な接点の断続で照明に供給される電力を制御する方式がほとんどであり、リレイやスイッチ電気素子を用いたオン/オフ操作に留まるのが普通である。オン/オフに加えて、照明の明るさの調節や発光ダイオード(LED)照明の色相の調節やタイマ、動作モードの調節などの様々な機能の操作は、既存のスイッチでは行い難い。
【0008】
壁スイッチに加えて、リモコンや携帯電話、またはIoT機器を用いて外部から照明を制御する場合には、これらの無線通信制御手段の受信部を照明に設けるか、あるいは、壁スイッチに設ける必要がある。照明に無線通信手段の受信部を設ける場合、電源を断続する既存の方式のスイッチで電源を切断した場合、無線通信手段の回路に電源供給それ自体が遮断されるため、別途の電源装置やバッテリを使用せざるを得ず、コスト及び手間がかかる。
【0009】
これを避けるためには、電源を断続する既存のスイッチ方式ではなく、常に電力の供給が保たれる構造のスイッチを適用し、負荷の制御のためのスイッチング手段を負荷側に設け、スイッチング手段の操作情報を遠隔で受け取って負荷を動作させる手段が配設されなければならない。
【0010】
これに対し、無線通信制御手段の受信部をスイッチ寄りに配設するときには、無線通信の制御手段で照明のオン/オフと電力線を経由して位相の制御を通じて負荷の電力調節を行うことができるが、これに加えて、様々な負荷の制御のためには、別途の通信線を架設したり、スイッチと照明との間の電力線を用いて負荷側に設けたスイッチング手段に負荷制御の信号を伝送したりする方法を付加しなければならない。スイッチを経て電力が伝送され、既存の方式の電気接点スイッチは無線通信制御手段の受信部及び制御回路の電源の生成に難点があるのが一般的である。
【0011】
別途の通信線を架設する方式はコストがかかるため除外し、電力線を介して照明制御情報を伝送する方法にはいくつかの種類がある。古典的なTriac素子を用いて位相制御方式で電力の供給量を制御して白熱灯の明るさを制御することができるが、蛍光灯や発光ダイオード(LED)などのように非線形的な特性の照明負荷の明るさを線形的に調整する新規な技術方法も多数上市されたが、この方式は、照明の明るさの調整に限られる。
【0012】
この技術においては、複数の負荷を選択的に制御したり、一つの負荷に様々な制御を行ったりするように複数のスイッチを使用し、各スイッチの操作状態の組み合わせに応じて交流電力の波形の半周期または一周期内において交流電圧波形を非線形特性を有する素子を用いて変形する方法で交流電力線を介して負荷側に制御情報を伝送し、負荷側の「制御受信部」は、伝送される交流電源の電圧波形を参照して情報を復号して複数のスイッチの操作状態の組み合わせを判断し、その判断に基づいて予め約束された通りに負荷を選択して制御するか、あるいは、予め約束された通りに負荷を様々に制御するものである。
【0013】
制御または通信において、電力線を用いた方式であって、交流基礎周波数波形に高周波の信号波形を載せて伝送する電力線通信技術は既に十分に知られており、交流電源の位相の制御による波形を変形して「0」または「1」のデータビットを対応させ、時間により流れる多数の波形の位相制御に各「0」または「1」を連続してシリアルで対応して電力線に情報を載せて伝送する位相制御通信方式も知られている。
【0014】
本発明は、高周波信号波形を載せないため電力線通信とは異なり、多数のスイッチの操作状態の組み合わせ情報を半周期または一周期の電圧波形内に全て反映する並列的な概念であり、シリアルで多数の波形を使用して情報を伝送する位相角制御通信とは異なる方式方式を利用しなければならないため、これに比較して他の長所及び短所を有する。
【0015】
本発明は、複数のスイッチを使用するが、スイッチ操作で制御しようとする場合の数が所定の場合の数以下であるため伝送すべき制御情報が限られた場合であって、半周期波形または一周期波形に制御内容の情報を全て含めて電力線を介して伝送するので、代表的に指でいくつかのスイッチを操作して照明やモータなどをオン/オフ以外の付加的な制御を行う場合であるか、あるいは、複数の制御対象から選択して制御をする場合には経済的及び技術的に有利な点がある。
【0016】
別途の通信線を接続することなく電力線に制御信号を載せて送る方法の例としては、大韓民国登録特許第10−1278125などに記載の方法があるが、このような古典的な電力線通信の場合にはコストがかかり、既存の壁スイッチの形で手軽に設け難い他、電源が供給し難いなどの問題がある。
【0017】
大韓民国登録特許第10−1187729号公報に記載の交流電流の位相を用いる電力線通信装置や、大韓民国公開特許第10−2014−0127193号公報を参照すると、マイコンを用いて伝送しようとする通信情報のデジタル値に応じて交流電気波形の連続するゼロクロシング区域に電圧の変形を引き起こして情報を伝送して通信用途に活用していることがわかる。
【0018】
同特許は、交流電気の連続的な波形の半波長または一波長の周期ごとに0または1を写像した電気波形の変形を活用して多数の周期の波形を使用してシリアルでデータを伝送する通信を行う構造であり、直列で負荷と接続された通信手段で壁の多数つのスイッチの操作組み合わせを一時点において即座で情報として伝送するのに問題があり、回路の動作に必要な電源の確保方法に問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
交流電力線でスイッチと直列で接続され、AC/DC変換装置を経て駆動される発光ダイオード(LED)照明または直流モータまたはソレノイドなどの直流負荷や交流電力線でスイッチと直列で接続される白熱電灯または蛍光灯または伝熱器具または交流モータなどの交流負荷を単にオン/オフ制御することなく、様々な機能を制御しようとすることである。
【0020】
様々な機能の制御とは、例えば、照明の明るさを調節したり、発光ダイオード(LED)照明の色相を変えたり、照明制御のタイマーを調整したり、モータは回転方向、回転量、回転時間、回転速度、時間による回転パターンの変動制御をしたりすることをいう。
【0021】
ニクロム線やその他の電気を利用する発熱体は、作動のオン/オフに加えて、目標温度値の変更を用いた間接制御にも適用可能であり、ソレノイドを制御してアクチュエータの変位制御または方向制御における制御量を段階区別して制御することも含み、照明、モータ、発熱体、ソレノイドを複数設けて選択的に制御することも含む。
【0022】
このような様々な機能の制御のためには、制御しようとする意図を入力されるために複数のスイッチを使用して各スイッチの操作状態の組み合わせに様々な機能を対応させて制御することを対象とする。
【0023】
複数のスイッチは手で操作するスイッチであってもよく、複数のタッチセンサーであってもよく、一つのタッチパッド上の複数の座標のタッチ信号センシング手段であってもよい。回す回転ノブやボリュームまたは回転時に復元力を有するジョグシャトルなどのものを手でどのような角度で回転させるかに複数のスイッチの操作状態の組み合わせを対応させると、このような回転ノブ、ボリュームまたはジョグシャトルを入力手段とする場合にも複数のスイッチに相当すると認められる。
【0024】
本発明は、交流電力線に接続された複数の負荷を選択的に制御するか、あるいは、一つの負荷にオン/オフ以外の様々な制御を複数のスイッチの操作の状態の組み合わせで行うためのものであり、複数のスイッチの適用に加えて、別途の複数の制御用通信線や電力線を架設することなく交流電力線の上に様々な制御内容を伝送して制御する方法を実現したものである。
【0025】
照明、モータ、ソレノイドまたは発熱体負荷の制御において赤外線リモコン、RFリモコン、ジグビー、Z−Wave、Wi−Fi、ブルートゥース、3Gモデム、LTEモデム、またはIoTなどの無線通信手段でも制御するか、あるいは、人体感知センサーや出入り扉開閉センサーなどのセンサーの感知値に反応して制御するか、あるいは、照度センサーなどにより当該区域の照明の明るさを自動的に制御するか、あるいは、時計、タイマーを用いて時間の条件による制御を行う場合、既存の壁スイッチの方式を適用するときに発生する問題も改善する。その最大の問題は、これらの無線通信手段またはセンサーまたはタイマーを起動するための回路の電力供給の問題である。
【0026】
既存の壁スイッチは、負荷に向かう電力を断続してオン/オフ制御を行う方式を採用するため、電力の遮断に際して負荷側の無線通信手段またはセンサーやタイマーを設ける場合、その作動回路への電力の供給が遮断されるため、壁スイッチを用いた制御と負荷側に設けられた無線通信またはセンサーまたはタイマーを用いた制御は併用し難い。
【0027】
これらの両者を併用するためには、スイッチの操作では負荷側に向かう電力は遮断されないため負荷を制御する「制御受信部」には常に電力が供給されなければならず、様々な機能の制御のために操作したスイッチの操作の組み合わせ情報が「制御受信部」に交流電力線で伝送され、「制御受信部」は、組み合わせ情報を復元して負荷の制御に活用できなければならないが、本発明は、その手段を提供する。
【0028】
要するに、本発明は、付加的な電力線または通信線の追加的な架設なしに既設の電力線をそのまま活用し、複数のスイッチまたはその相当物を用いて照明を制御するか、あるいは、モータで制御される電動ブラインドや電動カーテン、電動窓、電動弁のように対象を特定の変位だけ移動させる制御を行うか、あるいは、天井に吊設されるファンの回転速度を調節するか、あるいは、ソレノイドを用いてアクチュエータ変位または方向を制御するか、あるいは、モータまたは発熱装置を経てエアコンまたはボイラーまたは暖房器を制御して室内温度を調整する経済的な方法を提供するものである。
【0029】
照明、モータ、ソレノイドまたは発熱体をオン/オフ以外の様々な制御を行うか、あるいは、複数の制御対象から選択して制御を行うためには、制御の対象を認知させるか、あるいは、制御しようとするところを入力する手段として複数のスイッチを使用する。
スイッチは、手で押下するAタイプまたはBタイプの接点スイッチに限定されず、トッグルスイッチやスライドスイッチやその他の断続の機能を行うものであれば、いずれも採用可能であり、タッチセンサーとしてタッチ信号をマイコンに入力するか、あるいは、一つのタッチパッドの上に複数の座標のタッチ地点において認識した信号をマイクロコントローラに入力するスイッチも採用可能であり、回転ノブまたはボリュームまたは復元力を有するジョグシャトルの回転角度に複数のスイッチの操作の組み合わせを対応させてスイッチの一部または全部を置き換える場合も含む。
【0030】
手で自ら断続するスイッチの場合には、複数のスイッチと複数のDIACまたはツェナーダイオード(以下、ツェナーダイオードという表現は、TVSツェナーダイオードまでも含む。)を使用してスイッチにDIACまたはツェナーダイオードを直並列で接続し、その直並列された対を再び直並列接続する様々な組み合わせの回路接続をする。
【0031】
非線形素子としてDIACまたはツェナーダイオードが使用可能であるが、DIACの場合、ブレーキオーバ現象が発生するまでオフ状態やオン状態に切り換わると、低い順方向のバイアス電圧のみが印加されるので、ツェナーダイオードに比べて多くの電力を伝送することができ、主として直流を用いる発光ダイオード(LED)照明のように直流電源装置が必須的である場合、相が変換された後に、所定の時間の低い力率を考慮すると、電力の消耗がほとんどないというメリットがある。
【0032】
回路接続された各スイッチを操作する場合、各対においてオフになったスイッチに応じて、DIACの場合に所定の電圧が印加される場合にブレーキオーバ現象が起こり、ツェナーダイオードの場合に順方向の電圧降下または逆方向の降伏電圧の降下が起こり、その重なり合い効果がこの回路の両端に現れる。この回路を「スイッチ部」と称する。
【0033】
「スイッチ部」の両端は、結果的に、複数のスイッチの操作状態の組み合わせ情報を両端の電圧降下の様相に置き換えるため、「スイッチ部」の各スイッチの押下の組み合わせが異なると、他の電圧降下の様相が両端に現れるようにスイッチとDIACまたはツェナーダイオードを上手く組み合わせて回路を構成しなければならない。n個のスイッチを使用すると、2のn乗の組み合わせが可能であるが、中でも、所望の制御種類の数に見合う分だけスイッチを操作する組み合わせに応じて「スイッチ部」の両端の電圧降下の様相が異なるように識別されるように回路を構成する。
【0034】
「スイッチ部」は、負荷を制御する「制御受信部」と交流電力線とで直列に接続され、複数の制御対象における選択または制御の内容の選択に「スイッチ部」の各スイッチの押下の組み合わせを対応させて入力され、「スイッチ部」の両端に発生する電圧降下と「制御受信部」は電源電圧を分圧に両分するため、「制御受信部」は「スイッチ部」の電圧降下の差に相当する値を感知することができ、その値を分析すると、逆に「スイッチ部」の各スイッチの押下の組み合わせを直列で接続された「制御受信部」においても判別することができ、その組み合わせに相当する負荷の制御を「制御受信部」が行うのである。
【0035】
図1は、4つのスイッチとツェナーダイオードを使用して各並列で接続して構成した後、再び直列で接続した「スイッチ部」の例である。この場合、「スイッチ部」の操作により「制御受信部」に印加される電圧の波形を図2の左図に示す(制御受信部が抵抗のように線形特性を有する場合の例)。
【0036】
「スイッチ部」の操作がないときには、点線の波形のように正常的な正弦波の電源電圧が「制御受信部」に印加されるが、「スイッチ部」の各スイッチが押下されることにより、それと並列で接続されたツェナーダイオードの降伏電圧の電圧降下が起こり、それが重なり合った結果、「スイッチ部」の両端には電圧の降下が起こり、「制御受信部」は、「スイッチ部」と直列で接続されて交流電気電圧を分圧するため、分圧された波形を示したのである。(極性に応じて発生する順方向のバイアス電圧降下は相対的に低い値であるため無視した。)
【0037】
「制御受信部」において分圧された交流電気の半周期または一周期の電圧波形において「スイッチ部」のスイッチ操作状態の組み合わせを判断するために極性が変わる時点の電圧が0Vに留まる時間を参照することが実際に実現する最も便利な方法である。
【0038】
「スイッチ部」の電圧降下で分圧された波形もその大きさが減ると、いわばゼロクロシングと呼ばれる区間の幅も広くなることが図2の波形図から確認できる。0Vのゼロクロシング区間の周りにおいて電圧をフォトカップラーなど様々な手段でデジタル信号に変換し、再びマイクロコントローラポートに入力して周期的に発生するゼロクロシング信号の繰り返し周期を記憶していて、普段とは異なるように入力される場合に位相の時点差から図2に示すように「スイッチ部」のスイッチ操作の状況を類推することができる。
【0039】
このようなゼロクロシング区間の位相時点の変動により各スイッチの操作状態の組み合わせの情報をマッピングすることができるので、複数のツェナーダイオードとスイッチの組み合わせにより構成された既存の「スイッチ部」とは異なる構造であり、且つ、同様にゼロクロシング区間の変動を引き起こす手段が考えられる。その結果、「制御受信部」において感知する交流電気電圧波形は、図2の右図の通りである。相異点は、「スイッチ部」の電圧降下が半周期または一周期の全体の波形において起こる代わりに、ゼロクロシング区間においてのみ電圧の変更があることである。
【0040】
スイッチ操作状態の組み合わせ情報に基づいて、図2の左側の波形図に示すように、ツェナーダイオードにより全体の周期の電圧が減少されるか、あるいは、右側の波形図に示すように、DIAC素子によりブレーキオーバの発生時点による波形が変形され、より便利には、マイクロコントローラを用いて複数のスイッチの入力を受けてスイッチの操作に応じて金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)またはTriacなどのスイッチング素子を制御する交流電力のターンオン時間を変更することができる。
【0041】
スイッチング素子として一つの逆方向の寄生ダイオード付き金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を用いてもよく、逆方向に2つを直列で接続して用いてもよく、ブリッジダイオードを経て一つの金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を用いて両方向のスイッチング動作をするものをいずれも含む。
【0042】
また、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)と略同じ電圧でスイッチングする絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)の場合、主として高圧電源スイッチング用途であるため、数十V以下の低い電圧を制御する本発明の用途には不向きであると思われるが、これを排除するわけではない。
【0043】
通常のトランジスタの場合もベース電流の駆動方式であるが、オンになった場合に金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)よりも高いインピーダンスを有するという問題があるが、本発明において金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のような機能をするので、追加の言及がなくても本発明の内容に含まれる。同様に、Triacの代わりにブリッジダイオード及びSCRを用いてもよく、2つのSCRを逆方向に用いてもよい。
【0044】
このように入力される複数のスイッチ操作状態の組み合わせ情報に基づいてゼロクロシング寄りにおいて所定の時間にスイッチング素子をオン及びオフにするように制御すると、ゼロクロシングの位相区間の開始または終止の位相時点に各スイッチの操作状態の組み合わせ情報をマッピングすることができ、「制御受信部」とはその情報を共有することができる。このような手段は、「スイッチ部」とは異なり、「スイッチ機能部」と称し、「スイッチ部」及び「スイッチ機能部」は選択的に適用すればよい。
【0045】
「スイッチ機能部」は、図5に示すように、マイクロコントローラ及び金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)素子を用いてもよく、図4に示すように、論理ゲート回路またはTimer ICと金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)素子により構成してもよく、トランジスタ及び金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の組み合わせ回路により構成してもよく、図6に示すようにTriac素子を活用して同じ機能を行うように構成してもよい。
【0046】
「スイッチ部」または「スイッチ機能部」及び「制御受信部」は、交流電力線に接続されるため、分圧の形であり、「スイッチ部」または「スイッチ機能部」の複数のスイッチ操作に応じて、図2の右図の電圧波形の電気が「制御受信部」に供給される。
【0047】
「スイッチ部」または「スイッチ機能部」の複数の各スイッチの操作状態の組み合わせ情報は、「制御受信部」においては電圧降下の様相にマッピングされるか、あるいは、ゼロクロシング寄りにおいて位相制御で0Vから正常の交流電圧に戻る 「ターンオン位相時点」または正常の交流電圧から0Vに落ちる「ターンオフ位相時点」にマッピングされる。
【0048】
「制御受信部」は、「スイッチ部」を適用した場合、分圧で伝送される交流電気の電圧波形の電圧降下の様相を判断するか、あるいは、「ターンオン位相時点」や「ターンオフ位相時点」を判断してそこにマッピングされた複数のスイッチの操作状態の組み合わせ、さらに、そこにマッピングされた制御対象の選択または制御内容の選択の通りに予め約束されたところに従い照明、モータ、アクチュエータのソレノイドまたはニクロム線などの発熱体を制御するものである。
【0049】
「制御受信部」においては、半周期または一周期の電力波形のみを分析しても複数のスイッチの操作状態の組み合わせ情報を手軽に把握することができ、次の周期のものは検証用に用いることもできるので、信頼性の高い制御を可能にする。
【0050】
ある一時点における複数のスイッチを操作した状態の組み合わせに制御内容情報を全て含めて伝送するので、オン/オフ以外の様々な場合の負荷制御情報を手軽に伝送することができる。
【0051】
スイッチとTriacまたは金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)などのスイッチング素子とマイクロコントローラまたはロジックまたはトランジスタにより構成された電子回路の組み合わせである「スイッチ機能部」やDIACまたはツェナーダイオードなどの非線形特性素子とスイッチの組み合わせにより構成された「スイッチ部」を用いて「制御受信部」にスイッチ操作情報を伝送することは非常に経済的である。
【0052】
大韓民国公開特許第10−2014−0127193号公報の特許は、通信の用途に関するものであり、複数の周期波形にシリアルで時間をおいてデータ情報を伝送するのに対し(明細書の図6を参照)、本発明の方法は一つの波長の交流電気波形内に複数のスイッチの一時の操作状態の組み合わせ情報を並列的に載せて伝送することができるので、「制御受信部」は、交流電気の一周期の電圧波形のみを分析しても制御しようとする意図を早い時間に十分に把握することができて効率的である。
【0053】
本発明においては、スイッチを操作しても、「制御受信部」側に全周期の電力を遮断しないので、「制御受信部」の動作のために必要な基本電源は常に供給される。
【0054】
別途の制御のための追加通信線の配線が不要であり、負荷に電力を供給する既存の電力線をそのまま活用し、既存のスイッチを「スイッチ部」または「スイッチ機能部」に取り替え、負荷側においては印加される波形を分析する「制御受信部」モジュールを追加すると、経済的に様々な複数の負荷の選択制御をはじめとして様々な内容の制御を経済的に行うことができるというメリットがある。
【0055】
「制御受信部」においては、スイッチ操作状態の組み合わせの判別された値に基づいて予め定められた負荷を制御する方法で自ら負荷を制御するか、あるいは、追加的に赤外線無線リモコン信号または無線通信モジュールに入力信号または電気的に分離された有線通信上の信号と選択的に負荷を制御することができ、主として負荷に流れる電力量を制御したり、負荷に流れる電流の極性を変更したりするなどの動作をする。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1図1は、複数のスイッチの例であり、4つのB接点スイッチと2種の降伏電圧を有する4つのツェナーダイオードを用いて「スイッチ部」を構成した例であり、一つの線路を介して接続された4つの発光ダイオード(LED)照明を負荷とし、無線制御要素を含めた。
図2図2の左図の波形は、図1の回路図において「スイッチ部」のスイッチSW1、SW2、SW3、SW4を押下した場合にツェナーダイオードD1〜D4の電圧降下の重なり合いの結果が「制御受信部」に一周期の交流電圧波形にどのように反映されて現れるかを示すものである。図2の右図の波形は、「スイッチ部」にツェナーダイオードの代わりにDIAC素子を適用した場合、あるいは、図4図5または図6に示すように、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)またはTriac素子で交流電力の所定の位相区間をオン/オフにし、その「ターンオン位相時点」または「ターンオフ位相時点」に各スイッチの操作状態の組み合わせの制御情報をマッピングする「スイッチ機能部」を適用した場合に「制御受信部」に分圧されて現れる交流電気の電圧波形を示すものである。図2の左右の波形は、「制御受信部」を有する負荷が抵抗負荷のように線形特性である場合を想定した例であり、全体のシステムの非線形素子またはスイッチング素子の基本的な特性により発生する微細な波形部分は無視した。
図3図3の最初の回路は、A接点の押下するスイッチとDIAC素子を並列で接続した「スイッチ部」を示し、残りの他の回路は、ツェナーダイオード及びスイッチ間の直並列接続を用いて様々に「スイッチ部」を構成した例を示すものである。図3の2番目の回路のオン/オフスイッチは、アップスイッチ及びダウンスイッチをいずれも操作したものの重なり合った電圧降下及び結果において同値である。図3の3番目の回路において、A*Bスイッチは、A及びBスイッチを同時に操作することと同値であり、C*Dスイッチは、C及びDを同時に操作したことと同値であり、A*B*C*Dスイッチは、A、B、C、Dスイッチをいずれも操作するか、あるいは、A*Bスイッチ及びC*Dスイッチを同時に操作したことと同値である。A*B、C*D、またはA*B*C*Dスイッチは、発明において必須要素ではなく、作動し易さのために付加される構成要素である。図3の2番目の回路において、2つの逆方向の発光ダイオード(LED)を並列で接続した後、再び抵抗が直列で構成されたものを追加したものは、 スイッチの押下状態をそれぞれ異ならせて発光ダイオード(LED)光として表示するための回路であり、暗い環境下でスイッチの位置を知らせる用途またはスイッチが正確に操作されたかを知らせる用途である。図3の左下、すなわち、4番目の回路においては、4つのスイッチを4つのツェナーダイオードと直並列で接続した「スイッチ部」の例示であり、この場合、4つのツェナーダイオードの降伏電圧が同じものを用いてもスイッチの操作による重なり合った電圧降下の様相がそれぞれ異なるため、スイッチとツェナーダイオードの2種の部品により構成可能であるというメリットがある。
図4図4は、トランジスタを用いたラッチ回路またはゲート素子を用いたラッチ回路及び金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を用いてマイクロコントローラの機能を代替する「スイッチ機能部」の例であり、2つの金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を用いる。
図5図5は、マイクロコントローラ及び金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を用いて「スイッチ機能部」を実現したものであり、「制御受信部」に分圧された交流電気波形に0Vの位相区間を作り、「ターンオン位相時点」または「ターンオフ位相時点」に複数のスイッチの操作状態の組み合わせ情報をマッピングした例である。この場合、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)は一つのみを用いてもよい。電圧駆動圧電スピーカを組み込んでスイッチの押下する状態に応じて音を発生させる機能も示す。
図6図6は、Triac素子を用いて「スイッチ機能部」のマイクロコントローラ及び金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)機能を代行する回路の例であり、スイッチの操作に応じてC1〜C4の異なる容量のコンデンサが役割を果たし、Triacのターンオン時間を異なるように変える。
【発明を実施するための形態】
【0057】
経済性及び多機能の効果は互いにトレードオフの関係であるため、最良の形態は、本発明が適用された製品の消費者の要求に応える。経済性が優先視される場合には単にツェナーダイオードやDIAC素子とスイッチを並列で接続したものを約3つ接続してスイッチの押下に応じて両端電圧の変形が起こるようにし、受信部においてそれを把握して制御を行うレベルである。より多機能または消費者の満足のためには、液晶表示装置(LCD)または有機発光ダイオード(LED)、その他の画面ディスプレイ装置にタッチスイッチなどの視覚的な表示とこれをタッチした場合にこれを認知してマイコンを介して同様に電圧波形の変形を引き起こして機能を行ってもよい。最も好ましい形態は、ユーザの要求に応えることである。
【0058】
電源の半周期または一周期の波形内に複数のスイッチ操作の組み合わせ情報と対応する電圧波形の変形を引き起こし、負荷を制御する「制御受信部」は、分圧された半周期または一周期の交流電圧波形の変形パターンから複数のスイッチの操作がどのような組み合わせにより行われたかを把握し、その組み合わせに予め約束して対応する負荷を制御するのである。
【0059】
このとき、「制御受信部」において判断する電圧波形の変形パターンは、スイッチ操作の組み合わせによる交流電気の半周期または一周期の電圧波形区間の電圧降下の変形パターンであるか、あるいは、交流電源をオン/オフにした位相制御パターンと同様である。
【0060】
このような交流電気の電圧波形の変形は、所定の電圧以上が印加されなければ導通されないDIAC素子またはツェナーダイオードなどの逆方向の降伏電圧または順方向のバイアス電圧に見合う分の電圧降下により行われ、位相の制御方法は、図4と、図5及び図6に示す駆動回路で行う。
【0061】
本発明における電圧降下要素として抵抗ではなく、DIACまたはツェナーダイオードなどの非線形素子を用いる理由は、抵抗などの線形素子を用いる場合、負荷側のインピーダンスの変化に伴い電圧降下量が毎回異なってくるなど不安定な要素があるためである。
【0062】
所定の電圧に達するとターンオンされるか、あるいは、所定の電圧において逆方向の電圧降下を引き起こす複数のDIACまたはツェナーダイオードと複数のスイッチを互いに直列または並列または直並列など様々な方法で接続する。図1及び図3は、そのような例を示す。
【0063】
「スイッチ部」は、所定のルールに従い方向を異にする複数のツェナーダイオードと複数のスイッチが直並列の組み合わせで接続されたものであり、各スイッチの操作に応じて全体の「スイッチ部」の電圧降下が多種多様に起こるように構成した。
【0064】
「スイッチ部」の内部回路の構成がいかなるものであるにせよ、全体の「スイッチ部」の両端は、各スイッチの操作の組み合わせに応じて各ツェナーダイオードの電圧降下効果が重なり合った「全体の電圧降下様相」として現れ、「全体の電圧降下様相」は、「スイッチ部」の各スイッチをどのような組み合わせで操作したかによる。「スイッチ部」の「全体の電圧降下様相」は、負荷側の「制御受信部」及び交流電気の電圧を分圧するため、各スイッチ操作の組み合わせ情報は、「制御受信部」が分圧により分けられた電圧波形として情報を共有することになる。
【0065】
「スイッチ部」の回路構成のクライテリア規準は、各スイッチの操作の組み合わせが異なると、「全体の電圧降下様相」も区別されるように回路を構成しなければならないということである。「スイッチ部」の「全体の電圧降下様相」は、回路の構成に応じて各スイッチを押下した状態の組み合わせに一つに対応する分圧された波形が「制御受信部」に印加されるため、「制御受信部」が交流電気の半周期または一周期の波形さえ分析すれば、「スイッチ部」の回路構成による「スイッチ部」の各スイッチの操作の現在の組み合わせがいかなるものであるかを判断することができる。
【0066】
負荷に配設された「制御受信部」において電圧を確認するために、分圧回路及びマイクロコントローラのA/Dポートを用いて最高の振幅電圧を読み込んだり、交流電気の特性に応じて相が変わった後に特定の時間に電圧を確認したりすることは煩雑であるため、フォトカップラなどの部品を活用してゼロクロシングデジタル信号を生成し、この信号の周期及び信号幅を参照すると、すなわち、ゼロクロシングを延長させてそれが終わる時点である「ターンオン位相時点」またはゼロクロシングを強制的に予め開始させた「ターンオフ位相時点」がいつであるかを判断すると、「スイッチ部」において発生された「全体の電圧降下様相」の電圧降下量を類推することができ、結果的に、どのようなスイッチが押下されたが分かる。
【0067】
交流電源の極性が変わり、次第に電圧が高くなってツェナーダイオードの降伏電圧を超えて降伏電流が流れる時点になると、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)や絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などの素子で「スイッチ部」の全体を導通させて電圧降下が起こる位相区間を最小化させると、これは「スイッチ機能部」になり、最大の電力を負荷に伝送することができる。
【0068】
同じ機能を通常の電気回路でも実現することができるが、交流の極性が変わり、所定の電圧以上になると、ラッチ回路の出力を切り換え、切り換えられた出力で当該相の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を導通させる回路で図4の2つの回路のように構成する場合、「制御受信部」において同じ結果が得られ、負荷に多くの電力を伝送することができる。
【0069】
同じ目的で、図6の回路のように、TriacとDIAC、RC充放電回路を適用することもできるが、スイッチでRC充放電回路の抵抗値を調整することもできるが、コンデンサを複数のA接点スイッチで容量が調節可能な構造にし、スイッチが押下されていなければ、RC充放電回路が早く充電されてTriacの導通が早く起こり、スイッチ操作で並列に接続されたコンデンサの量が大きくなる場合にTriacの導通が遅く起こって「スイッチ部」のツェナーダイオード及びスイッチを並列に構成した回路よりも負荷に多くの電力を供給することができるというメリットはあるとはいえ、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)または絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)等と同じ電圧で駆動される素子に比べて多くのターンオン電流がかかり、導通されたときの順方向のバイアス電圧も2Vに近い大きい値であるため電力効率はやや下がるという欠点がある。
【0070】
同じ目的で、図5に示すようにマイクロコントローラを用い、複数のスイッチ入力を受けてツェナーダイオードを用いた「スイッチ部」の場合、ツェナーダイオードの降伏電流が流れる時点に金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)をターンオンさせるように制御する場合に同じ結果が得られる。
【0071】
マイクロコントローラの入力ポートを介して端子電圧を監視し続ける場合、交流電源の極性が変わる正確な時間が分かり、タイマーを用いて金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を駆動する正確な時間を算出することができる。
【0072】
マイクロコントローラを用いる場合、交流電源の極性が変わる時点よりも所定の位相時点前に金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)をオフにすることも容易に行われ、その時間に固有にマッピングされるスイッチを拡張することもさらに多くのスイッチを拡張する上で有用である。
【0073】
電圧で駆動される圧電(Piezo)スピーカを用いてスイッチの操作有無を音で知らせたり、信号の表示で発光ダイオード(LED)を駆動したり、赤外線受信回路またはRF受信回路、その他の無線通信手段と組み合わせて遠隔制御機能を行ったりするなど様々な変化が可能であり、基本回路を図5に示す。
【0074】
図4の左側の回路や図5のマイクロコントローラの駆動のために直流電源が必要であり、直流電源を形成するために金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)がオフになった時点に高いインピーダンスによりスイッチ端子の両端にかかる電圧から逆流防止用ダイオードを経て電源を抽出した後、平滑用のコンデンサで安定化させると、直流電源を生成し、十分な電力の供給のために高い電圧を低い電圧に切り換える電圧変換装置を用いる。
【0075】
発光ダイオード(LED)照明は、家庭または事務用の建物において必須的な設備であり、エネルギー節減、中央集中式電気負荷管理、快適な住まい及び事務空間のために適切に制御されなければならない。既存の照明用の壁スイッチは、照明負荷の全体を断続するため、照度の調節や色温度の調節、状況によるシナリオによる照度や色相の調節等は壁スイッチで行い難かった。別途の通信線を架設して制御する製品はあるが、これはコストを必要とするため本発明のように既存の照明用の電力線だけで適切な手段を使用してオン/オフに加えて様々な制御をすることは利益がある。
【0076】
また、IoTまたはリモコンの制御受信部の回路を壁スイッチではなく、直接的に照明灯側に配設しようとする場合、既存の経済的な壁スイッチの方式は電力の開閉方式であるためスイッチが電力を遮断した場合には受信部の駆動電力が得られ難いためコストがかかった。
【0077】
この場合には、壁スイッチにIoT受信部またはリモコン受信部を設けるが、専用のリモコンは管理し難く、テレビのリモコンを用いる場合に場所によってはテレビと壁スイッチが反対の壁に配設され、リモコンの志向性の問題により身体を回して壁スイッチに向かって照明を制御するという不都合がある。
【0078】
したがって、本発明は、経済的な壁スイッチとして、照明の単なるオン/オフに加えて、照度、色相、その他のシナリオの様々なモードの制御を別途の通信線の架設なしに照明の制御に活用し、IoTやテレビのリモコンで照明を制御する場合に受信部を照明側に配設させる製品またはサービスを可能にするため産業的な利用可能性が高い。
【要約】      (修正有)
【課題】複数のスイッチ操作で交流電力線に接続された負荷を制御する制御装置を提供する。
【解決手段】複数の各スイッチを操作する度に直並列で接続された非線形素子の電圧降下またはそれにより変化された「ターンオン位相時点」または「ターンオフ位相時点」にスイッチの操作の組み合わせの情報をマッピングして制御しようとする情報を伝送する。金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)及びマイクロコントローラを使用してこれらがDIACやツェナーダイオードなどの非線形素子に取って代わってもよい。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6