(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6163238
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】吸着分離によって空気から酸素を分離して取得する方法およびそのための装置
(51)【国際特許分類】
B01D 53/047 20060101AFI20170703BHJP
B01J 20/18 20060101ALI20170703BHJP
B01J 20/34 20060101ALI20170703BHJP
C01B 13/02 20060101ALN20170703BHJP
【FI】
B01D53/047
B01J20/18 B
B01J20/34 F
!C01B13/02 A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-134998(P2016-134998)
(22)【出願日】2016年7月7日
(62)【分割の表示】特願2012-95453(P2012-95453)の分割
【原出願日】2012年4月19日
(65)【公開番号】特開2017-14101(P2017-14101A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2016年7月15日
(31)【優先権主張番号】特願2012-906(P2012-906)
(32)【優先日】2012年1月6日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】506233117
【氏名又は名称】吸着技術工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】泉 順
【審査官】
佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平08−294613(JP,A)
【文献】
特開平10−272332(JP,A)
【文献】
特開平11−267439(JP,A)
【文献】
特開2005−118717(JP,A)
【文献】
特開2005−081258(JP,A)
【文献】
国際公開第2004/007056(WO,A1)
【文献】
特開2000−237522(JP,A)
【文献】
特開2001−353416(JP,A)
【文献】
特開2003−286008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/02−53/12
C01B 13/02−13/08
C01B 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1.前方に水分吸着剤が充填され、それに続いて後方に窒素吸着剤が充填されている窒素吸着塔に圧縮機で大気圧以上の高圧で空気を供給して、空気中の水分を水分吸着剤に吸着させ、それに続いて空気中のCO2および窒素を窒素吸着剤に吸着させて、酸素に富む空気を生成させ、これを窒素吸着塔の後方に設けられた製品酸素タンクに貯蔵して、酸素に富む空気を取得する窒素吸着工程、
2.前記窒素吸着塔の窒素吸着剤で窒素が除去された後に窒素吸着塔の後方に残留する空気中の酸素濃度が低下する前に、窒素吸着塔から製品酸素タンクに向かう酸素の流れを止めて、窒素吸着塔の後方から補助吸着塔に向かう流路を開くことによって窒素吸着塔後方に残留する酸素を補助吸着塔に移行させ、この移行した酸素を補助吸着塔で回収する残留酸素回収工程、
3.前記1の窒素吸着工程では閉じていた、窒素吸着塔で吸着されていた窒素、水分およびCO2を系外に放出させるために設けられていた流路を開いて、高圧に保たれていた窒素吸着塔を大気圧に減圧することにより、窒素、水分およびCO2を大気中に放出させて窒素吸着剤の吸着力を再生させる減圧再生工程、および
4.前記2の残留酸素回収工程により補助吸着塔で回収された高圧の酸素を窒素吸着塔の後方からこの窒素吸着塔に供給して窒素吸着塔の圧力を上昇させる昇圧工程、
からなる一連の工程を1回または繰り返して2回以上遂行することを特徴とする、吸着分離によって空気から酸素を分離して取得する方法。
【請求項2】
窒素吸着塔及び補助吸着塔に充填される窒素吸着剤が、Liイオン交換、Naイオン交換、Caイオン交換のX型ゼオライトのうちの1種または2種以上から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前方に水分吸着剤、それに続く後方に窒素吸着剤が充填された窒素吸着塔、窒素吸着塔の後方で流路を介して該窒素吸着塔にそれぞれ連結した製品酸素タンクおよび窒素吸着剤が充填された補助吸着塔、窒素吸着塔に大気圧以上の高圧で空気を供給するための圧縮機、および窒素吸着塔から窒素、水分およびCO2を窒素吸着塔外部に放出するために窒素吸着塔の前方に設けられた流路を含む、請求項1又は2に記載の方法に用いられる、吸着分離によって空気から酸素を分離して取得するための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は
吸着分離によって空気から酸素を分離して取得する方法およびそのための装置に関し、詳しくは、窒素吸着塔の後方に窒素吸着剤が充填された補助吸着塔を設け、この補助吸着塔を利用する独特の吸着操作によって酸素の製造効率が向上した酸素の取得方法およびそのような方法に用いられるコンパクトな装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連して現在最もよく使用されている窒素吸着剤を使用した酸素製造装置である
PSA−酸素を引用して背景技術を説明する。
Linde社(現UOP社モレキューラーシブス.デイビジョン)により工業的な製造
の開始された合成ゼオライトは、酸素−窒素2成分系において大きな窒素吸着量と窒素選
択性を有することが示されている。ここで500〜1,000kPaの高圧に空気を圧縮
してCa−A型ゼオライトを窒素吸着剤として充填された吸着塔に導いて空気の中の79
%を占める窒素を吸着して塔頂から93〜95 vol%の酸素を取り出す吸着工程と、吸着
窒素で飽和した吸着塔を大気圧に導いた後、塔頂から製品酸素の一部を流して窒素吸着剤
を再生する工程(向流パージ)から構成される2搭式の酸素製造装置が標準的である。(
高圧吸着−大気圧再生) 2,000m
3N/h以下の中小容量での酸素製造が可能なこ
とから、操作、保守が容易で、コンパクトなことがユーザに歓迎されて廃水処理、金属精
錬、ごみ焼却炉、医療用等を中心に普及している。PSA−酸素の電力原単位(1m
3N
の酸素製造に必要な消費電力)の低減に着目して、300〜500 kPaの比較的低圧
に吸着圧力を低減し、その替わり50kPa程度の減圧再生を行う加圧吸着−減圧再生が
採用される場合もある。一段の電力原単位の低減のために、大気圧近傍で吸着を行い、再
生は10〜30kPaのかなりの真空で行われる大気圧吸着−減圧再生も採用されており
、これらの操作条件は、初期に開発された高圧吸着−大気圧再生よりも電力原単位低減に
優れている。吸着剤としては当初Caイオン交換A型ゼオライトが主として使用されたが
、サイクルタイムの短縮による装置コンパクト化のためには、吸着速度の大きな吸着剤が
必要なことから、Naイオン交換、Liイオン交換X型ゼオライトが採用されるようにな
っている。
しかし500m
3N/h以下の酸素製造では、電力原単位の低減は酸素製造のトータル
コストの低減はそれ程有効ではなく、設備費の低減が優先する。
例えば、中容量の酸素製造装置として15m
3N/hの酸素製造装置を例示すると、高
圧吸着−大気圧再生のPSA−酸素の設備費が700万円程度、電力原単位が1kWh/
m
3N−O
2であるので、これを大気圧吸着−真空再生に変更しても、設備費800万円
程度、電力原単位が0.45kWh/m
3N−O
2となり、電力量単価を20円/kWh
とすると1年間の電力コスト低減は、12万円/年から5.4万円/年の6.6万円/年
にとどまり、100万円の設備費増を吸収できず、大容量酸素製造で強調される電力原単
位の低減が、中小容量酸素製造では有効でないことが示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明はこのような従来技術における問題点を解決し、従来の酸素製造法よりも安価で
電力原単位も低値を維持する低トータル酸素製造コストの空気からの酸素、窒素分離方法
及びそのための装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明
者等は
吸着分離によって空気から酸素を分離して取得する装置において前記のような補助吸着塔を設けることによって、また、この装置を用いて、下記のような1〜4の一連の工程を1回または繰り返して2回以上遂行することによって上記の課題が解決されることを見出した。
したがって、本発明によれば、
1.前方に水分吸着剤が充填され、それに続いて後方に窒素吸着剤が充填されている窒素吸着塔に圧縮機で大気圧以上の高圧で空気を供給して、空気中の水分を水分吸着剤に吸着させ、それに続いて空気中のCO2および窒素を窒素吸着剤に吸着させて、酸素に富む空気を生成させ、これを窒素吸収塔の後方に設けられた製品酸素タンクに貯蔵して、酸素に富む空気を取得する窒素吸着工程、
2.前記窒素吸着塔の窒素吸着剤で窒素が除去された後に窒素吸着塔の後方に残留する空気中の酸素濃度が低下する前に、窒素吸着塔から製品酸素タンクに向かう酸素の流れを止めて、窒素吸着塔の後方から補助吸着塔に向かう流路を開くことによって窒素吸着塔後方に残留する酸素を補助吸着塔に移行させ、この移行した酸素を補助吸着塔で回収する残留酸素回収工程、
3.前記1の窒素吸着工程では閉じていた、窒素吸着塔で吸着されていた窒素、水分およびCO2を系外に放出させるために設けられていた流路を開いて、高圧に保たれていた窒素吸着塔を大気圧に減圧することにより、窒素、水分およびCO2を大気中に放出させて窒素吸着剤の吸着力を再生させる減圧再生工程、
4.前記2の残留酸素回収工程により補助吸着塔で回収された高圧の酸素を窒素吸着塔の後方からこの窒素吸着塔に供給して窒素吸着塔の圧力を上昇させる昇圧工程、および
からなる一連の工程を1回または繰り返して2回以上遂行することを特徴とする、吸着分離によって空気から酸素を分離して取得する方法、および
前方に水分吸着剤、それに続く後方に窒素吸着剤が充填された窒素吸着塔、窒素吸着塔の後方で流路を介して該窒素吸着塔にそれぞれ連結した製品酸素タンクおよび窒素吸着剤が充填された補助吸着塔、窒素吸着塔に大気圧以上の高圧で空気を供給するための圧縮機、および窒素吸着塔から窒素、水分およびCO2を窒素吸着塔外部に放出するために窒素吸着塔の前方に設けられた流路を含む、請求項1又は2に記載の方法に用いられる、吸着分離によって空気から酸素を分離して取得するための装置、
が提供される。
【発明の効果】
【0005】
先述の15m
3N/hの酸素製造装置で比較すると、従来、高圧吸着−大気圧再生のPS
A−酸素が、空気圧縮機、窒素吸着塔2塔、バルブ8個を基本構造として設備費が700
万円程度、電力原単位が1kWh/m
3N−O
2、1年間の消費電力が、電力量単価を2
0円/kWhとすると1年間の電力コストが、12万円/年であるが、本発明では、高圧
吸着−大気圧再生のPSA−酸素が、空気圧縮機、窒素吸着塔1塔、補助吸着塔バルブ4
個を基本構造として設備費が400万円程度に削減され、補助吸着塔による残留酸素の回
収と昇圧工程への供給で、酸素回収率が従来の40%から60%程度に増大するため、電
力原単位が0.8kWh/m
3N−O
2に低減され、1年間の消費電力が、電力量単価を
20円/kWhとすると1年間の電力コストが、9.6万円/年に低減され、コンパクト
で、低設備費、低変動費の空気から酸素と窒素を分離する方法および装置を提供すること
が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の方法の一実施態様を実施するフローを示す概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
窒素吸着塔に充填する窒素吸着剤としては、Liイオン交換、Naイオン交換、Caイ
オン交換のX型ゼオライトを1種または2種以上使用することが望ましく、補助吸着塔に
充填する窒素吸着剤としても、Liイオン交換、Naイオン交換、Caイオン交換のX型
ゼオライトを1種または2種以上を使用することが望ましい。
【0008】
次に図面を参照して本発明の処理装置を説明する。
図1に空気からの本発明の装置を
適用した1塔式圧力スイング法(以下PSA−酸素)フローシートの一例を示す。
図1に
おいてPSA−酸素を構成する、(吸着工程)→(残留酸素回収工程)→(減圧再生工程
)→(昇圧工程)の各工程ごとに説明する。
【0009】
(吸着工程)外部空気を流路1から圧縮機2、バルブ3を通じて空気流量1,210リッ
トルN/min、吸着圧力500kPa−absで、吸着塔容量130リットルの窒素吸
着塔4に、吸着時間30秒で供給する。窒素吸着塔4には、前方に水分吸着剤5として比
表面積700m
2/g以上のシリカゲルをウオッシュコートしたハニカムが、24リット
ル充填されており、後方には窒素吸着塔充填窒素吸着剤6として、1.2mmφのLiイ
オン交換X型ゼオライト(SiO
2/Al
2O
3比2.5)が71リットル充填されてい
る。供給された空気の水分が水分吸着剤5で除去され、CO
2および窒素が窒素吸着塔充
填窒素吸着剤6で除去されると、窒素吸着塔4の後方から酸素が、酸素濃度90vol%
程度で、未吸着の窒素、アルゴンとともにバルブ7、製品酸素タンク8、バルブ9、流路
10から流過する。
【0010】
(残留酸素回収工程)
吸着工程の進行に伴い、窒素吸着塔4の窒素吸着量が増大して流過酸素濃度が低下する。
流過酸素濃度が低下する直前に、圧縮機2を停止して、バルブ3,バルブ7を閉として、
バルブ11を開とすると、窒素吸着塔4の後方に残留する酸素は、バルブ11を通じて補
助吸着塔充填窒素吸着剤12の充填された補助吸着塔13に移行する。補助吸着塔13の
容量としては、30リットルであり、この中に補助吸着塔充填窒素吸着剤12が23リッ
トル充填されている。このため、窒素吸着塔4の圧力は500kPa−absから350
kPa程度に低下し、補助吸着塔13の圧力は300kPa程度に上昇する。補助吸着塔
13に充填される補助吸着塔充填窒素吸着剤12としては、酸素に比べて窒素を選択的に
吸着する、Liイオン交換、Naイオン交換、Caイオン交換のX型ゼオライトを1種ま
たは2種以上使用するのが好ましい。前述の吸着工程での酸素の回収率は40%程度にと
どまり、残る60%の酸素は吸着塔の死容積部および窒素吸着剤への共吸着酸素として残
留しており、酸素の回収はそれ程効率の高いものではない。
ここで補助吸着塔13に窒素吸着塔4後方から高圧気体を移すと、窒素吸着塔4に残留す
る酸素は更に20%程度回収され、全回収率が60%に達する。
なお補助吸着塔13では、補助吸着塔充填窒素吸着剤12への窒素吸着が酸素吸着よりも
選択的なため、補助吸着塔充填窒素吸着剤12には窒素が選択的に吸着され、死容積部の
酸素濃度は上昇する。
これは、後述する昇圧工程での塔後方への高濃度酸素の供給のために非常に重要である。
残留酸素回収工程は、1-5秒程度で完了する。
【0011】
(減圧再生工程)
(残留酸素回収工程)で窒素吸着塔4の圧力は、350kPa−abs程度に低下したの
で、圧縮機2を引き続き停止して、バルブ3,バルブ7,バルブ11を閉として、バルブ
14を開とすると、窒素吸着塔充填窒素吸着剤6から吸着窒素が離脱し、更に向流に流過
する窒素により水分吸着剤5から水分が離脱し、窒素吸着塔充填窒素吸着剤6、水分吸着
剤5は再生され、再び、水分、窒素、CO
2を吸着できるようになる。ここで窒素吸着塔
4の圧力は100kPa−abs(大気圧)に低下する。(減圧再生工程)は、5-10
秒程度で完了する。この間、バルブ7は閉、バルブ9を開としているため、(吸着工程)
で回収された酸素は、製品酸素タンク8に貯蔵されているため、流路10からは全工程で
連続して酸素が流過する。
【0012】
(昇圧工程)
100kPa−abs(大気圧)の窒素吸着塔の後方のバルブ11のみ開とすると(バ
ルブ3,バルブ7,バルブ14を閉とする。)、補助吸着塔13から先ず死容積部の比較
的酸素濃度の高い気体が、窒素吸着塔4後方から窒素吸着塔4に供給され、その後補助吸
着塔充填窒素吸着剤12から吸着された酸素および共吸着窒素が離脱して供給酸素濃度が
上昇するため、窒素吸着塔後方には高濃度の酸素が供給される。このため、窒素吸着塔4
の酸素濃度分布は、吸着工程開始時に塔前方の酸素濃度は低く、塔後方の酸素濃度分布が
高い、効率的な空気からの酸素と窒素分離の可能な状態となっている。窒素吸着塔4の圧
力は100kPa−absから200kPa−absに上昇する。(補助吸着塔13の圧
力は窒素吸着塔4とほぼ同一圧力の、300kPaから200kPaに低下する。)
昇圧工程は、3-5秒程度で完了する。
(昇圧工程)で、(残留酸素回収工程)で補助吸着塔13に回収された残留酸素が昇圧
に使用されているため、1)酸素回収率を向上し、2)窒素吸着塔後方の酸素濃度を高濃
度に維持して酸素/窒素分離効率を向上し、3)円滑な吸着圧力の上昇を同時に達成する
ことが可能である。
【0013】
表1に空気からの本発明の装置を適用した1塔式圧力スイング法(以下PSA−酸素)
フローシートの、PSA−酸素を構成する、(吸着工程)→(残留酸素回収工程)→(減
圧再生工程)→(昇圧工程)のバルブの開閉、圧縮機の運転・停止、各工程の標準的な所
要時間を示す、シーケンステーブルを示す。
【0014】
【表1】
【実施例1】
【0015】
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
本実施例の1塔式PSA−酸素製造装置の仕様を表2に示す。
【0016】
【表2】
本装置は、酸素製造量85−170リットルN/分(5−10m
3N/h)を目標として
製作したもので、窒素吸着塔4には、水分吸着剤ハニカム24リットル、窒素吸着剤とし
て71リットルが、充填されており、補助吸着塔13には、補助吸着塔充填窒素吸着剤1
2が23リットル充填されている。
【0017】
本装置の操作条件を表3に示す。
【0018】
【表3】
【0019】
本装置は、吸着圧力500kPa−abs、再生終了圧力100kPa−abs、補助吸
着塔13残留酸素回収終了圧力300kPa−abs、補助吸着塔13昇圧終了圧力20
0kPa−abs、1サイクル39秒、窒素吸着剤としては窒素吸着塔4、補助吸着塔1
3ともLiイオン交換X型ゼオライトを使用して操作して、空気からの酸素と窒素の分離
を行い、酸素製造量170リットルN/分(5−10m
3N/h)、酸素濃度90vol
%の性能が確認されたが、この時の原料空気供給量は、1,210リットルN/分であっ
た。比較対象としては補助吸着塔13を使用せず、残留酸素回収工程、昇圧を省略し、昇
圧については、後流の製品酸素タンク8からの製品酸素を使用した、1塔式PSA−酸素
の酸素製造の空気からの酸素と窒素の分離性能を示す。
窒素吸着塔4の窒素吸着性能が大幅に低下するため酸素製造量は、比較対象では、本発明
の40%程度にとどまり、また供給空気量/製品酸素量比は増大しており、残留酸素回収
工程を付加することで著しく性能向上が改善されることがわかる。
【0020】
従来から使用されている窒素吸着剤であるCaイオン交換A型ゼオライトと、本発明の窒
素吸着剤、1)Liイオン交換X型ゼオライト、2)Naイオン交換X型ゼオライト、3
)Caイオン交換X型ゼオライトの酸素/窒素分離性能の比較を表4に示す。
【0021】
【表4】
【0022】
Liイオン交換X型ゼオライトが最も酸素製造量が多く、Caイオン交換X型ゼオライト
、Naイオン交換X型ゼオライトがこれに続く。原料空気量/製品酸素量比は7程度で大
きな差はない。これに対しCaイオン交換A型ゼオライトでは酸素製造量がLiイオン交
換X型ゼオライトの60%程度に低下し、原料空気量/製品酸素量比も8.6と増加し、
その分原料空気圧縮機2は120%大容量のものが必要となる。
【実施例2】
【0023】
本発明の補助吸着塔13から補助吸着塔充填窒素吸着剤12をはずして未充填の状態で実
施例1の操作条件で実施した。補助吸着塔13を使用しない場合、補助吸着塔13から補
助吸着塔充填窒素吸着剤12をはずした残留酸素回収タンクとして使用した本項の実施例
2と、補助吸着塔13に補助吸着塔充填窒素吸着剤12を充填して実施した前項の実施例
1の比較を行った。
【0024】
実施例2の比較した結果を表5に示す。
【0025】
【表5】
【0026】
実施例1の補助吸着塔13に補助吸着塔充填窒素吸着剤12を充填して、残留酸素回収工程、昇圧工程に使用する方法および装置が、酸素製造量が170リットルN/分、原料空気量/製品酸素量比は7程度で最も高い性能を示すが、本実施例(実施例2)の、補助吸着塔13に補助吸着塔充填窒素吸着剤12を充填しないが(未充填)、残留酸素タンクとして、残留酸素回収工程、昇圧工程に使用する方法および装置でも、酸素製造量が150リットルN/分、原料空気量/製品酸素量比は7.2程度にとどまり、
本発明は二つの従来法よりも優れていることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、1−100m
3N/h程度の中小容量の酸素発生方法および装置に関し、酸素
富化燃焼、環境装置、化学装置に使用する低コスト、コンパクトで高効率な空気からの吸
着法による空気からの酸素と窒素の分離に関する。
【符号の説明】
【0028】
1、10 流路
2 圧縮機
3、7、9、11、14 バルブ
4 窒素吸着塔
5 水分吸着剤
6 窒素吸着塔充填窒素吸着剤
8 製品酸素タンク
12 補助吸着塔充填窒素吸着剤
13 補助吸着塔