【実施例】
【0027】
調製例および実施例
以下の調製例および実施例は本発明をさらに例示し、本発明の化合物の典型的な合成を表す。調製例および実施例は例示を目的として記載され、限定ではなく、種々の修飾が当業者によりなされてもよいことは理解されるべきである。以下に提示したスキームにおいて、他に指定しない限り、全ての置換基は以前に定義されている。特定の立体化学中心は特定されていないままであり、特定の置換基は明確さの目的のために以下のスキームにおいて排除しており、スキームの教示を限定することを決して意図しているわけではない。さらに、個々の異性体、鏡像異性体またはジアステレオマーは、選択的結晶化技術またはキラルクロマトグラフィーなどの方法によって式Iの化合物の合成において任意の簡便な点で当業者により分離または分割されうる(例えば、J.Jacquesら,「Enantiomers,Racemates,and Resolutions」,John Wiley and Sons,Inc.,1981,およびE.L.Eliel and S.H. Wilen 「Stereochemistry of Organic Compounds」,Wiley−Interscience,1994を参照のこと)。試薬および開始物質は一般に当業者に利用可能である。他のものは、公知の構造的に類似の化合物の合成ならびに任意の新規の手順を含む、以下の調製例および実施例に記載されている手順と同様である有機および複素環化学の標準的な技術によって調製され得る。
【0028】
反対に示されない限り、本明細書に例示される化合物は、ACDLABSまたはSymyx Draw3.2を使用して命名され、番号付けされる。
【0029】
概して、Xが結合またはCH
2である式Iの化合物は式IIの化合物から調製され得る。より具体的には、スキームAにおいて、Xが結合またはCH
2である式IIの化合物は、カルボニルジイミダゾール(CDI)およびトリエチルアミンなどの塩基の存在下で、QがCH
2またはOである式VIIの化合物とカップリングされて、Xが結合またはCH
2であり、QがCH
2またはOである、式Iaの化合物を生じる。反応はジクロロメタンなどの溶媒中で簡便に実施される。
【0030】
あるいはスキームAにおいて、Xが結合またはCH
2であり、QがCH
2である式Iの化合物は式IIIの化合物から調製され得る。より具体的には、QがCH
2である式IIIの化合物は、ジクロロメタンなどの溶媒中でトリフルオロ酢酸などの酸と反応して、対応するカルボン酸を生じる。中間体のカルボン酸は、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で、Xが結合またはCH
2である式IIの化合物および1−プロパンホスホン酸環状無水物と反応して、Xが結合またはCH
2であり、QがCH
2である式Ibの化合物を生じる。反応はジメチルホルムアミドなどの溶媒中で簡便に実施される。
【0031】
QがCH
2またはOである式VIIの化合物またはQがCH
2である式IIIの化合物は、調製例に記載されるように、または化学分野の当業者に公知の手順により調製され得る。
【化2】
【0032】
スキームBに示されるように、Xが結合またはCH
2である式IIの化合物は、Pgがアミン保護基である式Vの化合物から調製され得る。より具体的には、Xが結合またはCH
2であり、Pgがtert−ブトキシカルボニルである式Vの化合物は、テトラヒドロフランなどの溶媒中で塩酸などの酸と反応して、Xが結合またはCH
2である式IIの化合物を生じる。
【化3】
【0033】
スキームCにおいて、XがCH
2であり;Pgがtert−ブトキシカルボニルなどのアミン保護基である式Vの化合物は式VIの化合物から調製され得る。より具体的には、保護−4−ピペリドンが、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で(CH
3)
2NCH(OCH
3)
2と、次いでエタノールなどの共溶媒中で式VIの化合物、炭酸カリウムなどの塩基と連続して反応して、XがCH
2であり、Pgがtert−ブトキシカルボニルである式Vの化合物を生じる。式VIの化合物は、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−アミン塩酸塩を、アセトニトリルなどの溶媒中で1H−ピラゾール−1−カルボキシイミダミド塩酸塩およびジイソプロピルエチルアミンなどの塩基と反応することによって調製され得る。
【化4】
【0034】
スキームDにおいて、Xが結合であり、Pgがtert−ブトキシカルボニルなどのアミン保護基である式Vの化合物は、tert−ブチル2−クロロ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレートを、1−メチルピロリジン−2−オンなどの溶媒中で、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミンなどの塩基の存在下で、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−アミンと反応することによって調製され得る。
【化5】
【0035】
調製例1
1−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)グアニジン塩酸塩の合成
【化6】
62℃にて2時間、アセトニトリル(2L)中の2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−アミン塩酸塩(197g;1.08当量;1.16mol)、1H−ピラゾール−1−カルボキシイミダミド塩酸塩(158g;1.00当量;1.08mol)およびジイソプロピルエチルアミン(400g;2.87当量;3.09mol;539.74mL)の溶液を撹拌し、その時間の間、白色固体が沈殿する。混合物を25℃に冷やし、次いで濾過し、300mLのアセトニトリルおよび300mLのメチルtert−ブチルエーテルで洗浄する。生成物を25℃にて空気中で1時間乾燥させて、白色固体として標題化合物(200g、87%)を得る。MS(m/z):176(M+1)。
【0036】
調製例2
tert−ブチル2−(インダン−2−イルアミノ)−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−6−カルボキシレートの合成
【化7】
109℃にてN
2下で4時間、ジメチルホルムアミド(1.2L)中の1,1−ジメトキシ−N,N−ジメチル−メタンアミン(224g;2.15当量;1.88mol;250.98mL)およびN−t−ブトキシカルボニル−4−ピペリドン(250g;1.44当量;1.25mol)の溶液を撹拌する。混合物を25℃に冷やし、次いでエタノール(700mL;12.02mol;553.91g)を加える。1−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)グアニジン塩酸塩(185g;1.00当量;873.90mmol)および炭酸カリウム(475g;3.44mol)を25℃にて一度に混合物に加えて白色懸濁液を形成する。混合物を80〜90℃にて24時間撹拌し、次いで25℃に冷やし、混合物を5Lの氷/水に注いで、黄色の懸濁液を得る。酢酸エチル(3×3L)で抽出し、有機層を10%塩化リチウム溶液(3L)、水(3L)および飽和塩化ナトリウム溶液(3L)で洗浄する。無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、約300mlの赤色溶液を得る。シリカゲルプラグ(10cm高さ、5cm直径)で溶液を濾過し、次いで濃縮乾固して、赤色のゲル(320g、100%)として標題化合物を得る。MS(m/z):367(M+1)。
【0037】
調製例3
N−インダン−2−イル−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−2−アミンの合成
【化8】
塩酸(900mL;水中に5M;5.17当量;4.50mol;1.08kg)を、テトラヒドロフラン(1.5L)中のtert−ブチル2−(インダン−2−イルアミノ)−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(319g;1.00当量;870.48mmol)の溶液に少しずつ加える。添加が完了すると、50℃にて1時間、溶液を撹拌する。混合物を25℃に冷やし、次いで3Lのメチルtert−ブチルエーテルおよび1Lの水を加える。20℃にて16時間、溶液を静置させる。相を分離し、水相をジクロロメタン(2L)で抽出する。有機抽出物を捨て、4M水酸化ナトリウムを使用して水相をpH10に調整する。酢酸エチル(3×3L)で抽出し、合わせた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム(2L)で洗浄する。無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮乾固して、赤色のゲルを得る。物質を50℃にて酢酸エチル(300mL)および石油エーテル(200mL)に再び溶解し、24時間にわたって沈殿させる。濾過し、乾燥させて、標題化合物(85g、37%)を得る。MS(m/z):267(M+1)。
【0038】
調製例4
tert−ブチル−2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレートの合成
【化9】
450mL(2.58mol)のN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミンを、1−メチルピロリジン−2−オン(3.6L)中のtert−ブチル2−クロロ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,40d]ピリミジン−6−カルボキシレート(220g、860.37mmol)および2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−アミン(137.7g、1.03mol)の15℃の溶液に入れる。得られた混合物を16時間80℃に加熱し、次いで30℃に冷やし、得られた混合物を25℃にて5Lの水に移す。得られた固体を濾過し、濾過ケーキを水(2×300mL)でリンスする。固体を15℃にて45分間、酢酸エチル(350mL)中に再びスラリーにする。スラリーを濾過し、15℃の酢酸エチル(2×250mL)でリンスし、乾燥させて、オフホワイトの固体として標題化合物(226g、75%)を得る。
1H NMR(d
6−DMSO)1.45(s,9H),2.87(dd,J=7.2,15.8Hz,2H),3.24(dd,J=7.2,15.8Hz,2H),4.36(d,10.4Hz,2H),4.44(d,J=12.8Hz,2H),4.60(m,1H),7.14(m,2H),7.20(m,2H),7.55(d,J=6.8Hz,1H),8.27(d,J=7.2Hz,1H)。
【0039】
調製例5
N−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミン二塩酸塩水和物の合成
【化10】
670mLの5M塩酸(3.35mol)を、17℃にてテトラヒドロフラン(2.0L)中のtert−ブチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(226g、641.25mmol)の溶液に入れ、添加の間、26℃未満の内部温度を維持する。得られた溶液を50℃で16時間加熱し、25℃に冷やし、500mLの水および500mLのtert−ブチルメチルエーテルで希釈する。得られた層を分離し、tert−ブチルメチルエーテル(3×1L)で抽出する。水相を約200mLの反応体積まで濃縮し、得られたスラリーを濾過する。tert−ブチルメチルエーテル(2×200mL)でケーキをリンスし、乾燥させて、淡褐色の固体として標題化合物(177g、80%)を得る。MS(m/z):253.2(M−2HCl−H
2O+1)。
【0040】
調製例6
エチル5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシレート塩酸塩の合成
【化11】
5N塩酸(100mL;500.00mmol)およびエタノール(200mL)を、メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシレート(4.98g;1.0当量;28.27mmol)および10%パラジウム炭素(3.01g;0.1当量;2.83mmol)を含有するフラスコに加える。反応容器を排気し、窒素(3×)で埋め戻し、次いで再び排気し、反応物を水素(3×)で埋め戻す。反応混合物を60℃で加熱し、水素雰囲気下で24時間激しく撹拌し、次いで排気し、窒素(3×)で反応容器を埋め戻し、セライト(商標)で反応混合物を濾過し、濾過ケーキをエタノール(100mL)で洗浄する。濾液を濃縮し、トルエン(200mL)を加え、濃縮乾固(2回繰り返す)して、白色固体としてエチル5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシレート塩酸塩(5.74g;88%)を得る。MS(m/z):195(M+1)。
【0041】
調製例7
5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルメタノールの合成
【化12】
ジクロロメタン(100mL)およびテトラヒドロフラン(40mL)中でエチル5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボキシレート塩酸塩(5.74g;1.0当量;24.88mmol)を懸濁し、0℃に冷却する。水素化アルミニウムリチウム(1.77g;1.8当量;44.79mmol)を10分にわたって少しずつ加える。さらに5分後、反応混合物を室温まで加温する。15分後、反応混合物を0℃に冷却し、激しく撹拌しながら、水(1.77mL)、15%水酸化ナトリウム溶液(1.77mL)、および水(5.31mL)をゆっくり連続して加える。周囲温度にて15分間撹拌を継続する。硫酸マグネシウムを加え、次いで反応混合物を濾過し、濾過ケーキを200mLのジクロロメタンでリンスする。濾液を濃縮して5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルメタノール(2.63g;69%)を得る。MS(m/z):153(M+1)。
【0042】
実施例1
5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレートの合成
【化13】
ジクロロメタン(30mL)中の1,1’−カルボニルジイミダゾール(2.87g;1.02当量;17.69mmol)を、5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルメタノール(2.64g;1.00当量;17.35mmol)の溶液に加え、次いで40℃にて1時間撹拌する。N−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミン二塩酸塩水和物(6.25g;1.05当量;18.21mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(9.08mL;3.0当量;52.04mmol)を加え、反応物を40℃にて4時間維持する。ジイソプロピルエチルアミン処理したシリカゲルカラム上に直接溶液を負荷し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル中の0〜15%メタノール)により混合物を精製して、5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(3.32g;44%)を無色の泡状物として得る。MS(m/z):431(M+1)。
【0043】
実施例2および3
異性体1および2へのラサミ体5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレートの精製
【化14】
ラセミ体5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(3.32g;1.00当量;7.71mmol)をキラル分離によって精製する。上記の試料をメタノール(63.5mL)中に溶解し、100%メタノール(0.2%イソプロピルアミン)、235nM波長を用いて、400mL/分にてChiralpak AS(20um)8×35cmカラム上への10mL注入により分離する。
【0044】
実施例2:8.0分における第1の溶出ピーク(1)の単離により、黄褐色の泡状物として5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート異性体1を得る、99%ee、(1.18g;36%)、MS(m/z):431(M+1)。
【0045】
実施例3:12.0分における第2の溶出ピーク(2)の単離により、黄褐色の泡状物として5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート異性体2を得る、99%ee、(1.03g;31%)、MS(m/z):431(M+1)。
【0046】
実施例4
5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート塩酸塩異性体1の合成
【化15】
塩化水素(1N、0.53mL;1.0当量;0.53mmol)を、メタノール(0.5mL)中の5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート異性体1(0.228g;1.0当量;0.53mmol)の溶液に加える。溶解が起こるまで混合物を回転させ、次いで残渣に濃縮する。水(1mL)を加え、溶液を−78℃のドライアイス浴中で凍結し、凍結乾燥して、5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート塩酸塩異性体1(0.238g;100%)を黄褐色の粉末として得る。MS(m/z):431(M+1)。
【0047】
実施例5
5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート塩酸塩異性体2の合成
【化16】
塩化水素(1N、0.62mL;1.05当量;0.62mmol)を、イソプロピルアルコール(0.3mL)中の5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート異性体2(0.254g;1.00当量;0.59mmol)の溶液に加える。溶解が起こるまで混合物を回転させ、溶液を−78℃のドライアイス浴中で凍結し、凍結乾燥させて5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート塩酸塩異性体2(0.28g;100%)を茶色の泡状物として得る。MS(m/z):431(M+1)。
【0048】
調製例8
1−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−3−イミダゾール−1−イル−プロパン−2−オールの合成
【化17】
1H−イミダゾール(19.72g;6.2当量;289.67mmol)、続いてtert−ブチルクロロジフェニルシラン(12.00mL;1.0当量;46.28mmol)を、アセトニトリル(50mL)中の新たに蒸留したグリシドール(5.0mL;1.62当量;75.05mmol)の溶液に加える。周囲温度にて30分間、溶液を撹拌し、次いで加熱して4時間還流する。混合物を周囲温度に冷やし、反応混合物を濃縮し、次いで残渣をジクロロメタン/2M炭酸水素ナトリウム(1:1、400mL)に注ぐ。層を分離し、水層をジクロロメタン(2×)でさらに抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得る。カラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の1−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−3−イミダゾール−1−イル−プロパン−2−オール(8.87g;50%)を得る。MS(m/z):381(M+1)。
【0049】
調製例9
6−[[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシメチル]−5,6−ジヒドロイミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−8−オンの合成
【化18】
10分にわたってトリクロロメチルクロロホルメート(8.74mL;2.0当量;72.84mmol)を、アセトニトリル(500mL)中の1−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−3−イミダゾール−1−イル−プロパン−2−オール(13.86g;1.0当量;36.42mmol)およびピリジン(23.56mL;8当量;291.36mmol)の0℃の溶液にゆっくり加える。1時間撹拌し、次いで溶液を1時間にわたって周囲温度に加温する。水(50mL)を加え、反応混合物を約75mLの体積に濃縮する。ジクロロメタン(100mL)を加え、得られた溶液を50%飽和炭酸水素ナトリウム(200mL)にゆっくり注ぐ。層を分離し、水層をジクロロメタン(3×150mL)でさらに抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10%〜100%酢酸エチル)により精製して、所望の6−[[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシメチル]−5,6−ジヒドロイミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−8−オン(9.48g;64%)を薄いピンク色のガム状物として得る:MS(m/z):407(M+1)。
【0050】
調製例10
1−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−3−[2−(ヒドロキシメチル)イミダゾール−1−イル]プロパン−2−オールの合成
【化19】
ジイソブチルアルミニウム水素化物(35mL;ヘキサン中に1M;1.5当量;35mmol)を、ジクロロメタン(200mL)中の6−[[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシメチル]−5,6−ジヒドロイミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−8−オン(9.48g;1.0当量;23.32mmol)の0℃の溶液に加える。溶液を15分間撹拌し、次いでメタノール(150mL)を加える。5分後、水素化ホウ素ナトリウム(0.176g;0.2当量;4.66mmol)を加え、溶液を0℃にて15分間維持する。飽和酒石酸カリウムナトリウム(50mL)を加え、溶液を周囲温度にて20分間撹拌する。溶液を約100mLに濃縮し、水およびジクロロメタン(各々100mL)を加え、層を分離する。さらに水層をジクロロメタン(5×)で抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、所望の1−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−3−[2−(ヒドロキシメチル)イミダゾール−1−イル]プロパン−2−オール(9.40g;98%)を得る。MS(m/z):411(M+1)。
【0051】
調製例11
tert−ブチル−(6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメトキシ)−ジフェニル−シランの合成
【化20】
ヨウ素(6.39g;1.1当量;25.18mmol)を、ジクロロメタン(60mL)中のトリフェニルホスフィン(7.21g;1.2当量;27.47mmol)の0℃の溶液に加え、10分間撹拌する。1−メチルイミダゾール(2.19mL;1.2当量;27.47mmol)を加え、いくつかの沈殿物を有する橙色の溶液を得る。
【0052】
別に、ジクロロメタン(100mL)中の1−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−3−[2−(ヒドロキシメチル)イミダゾール−1−イル]プロパン−2−オール(9.4g;1.0当量;22.89mmol)の−78℃の溶液を調製する。インサイチュで調製したヨード化試薬をこの溶液に滴下して加えると、橙色がすぐに消えてほぼ無色になる。溶液を−78℃にて30分間維持し、次いでそれを0℃に加温し、10分間維持する。溶液を−78℃に再び冷やし、テトラヒドロフラン(150mL)、続いて60%水素化ナトリウム(2.20g;2.4当量;54.95mmol)を加える。溶液を30分にわたって0℃にゆっくり加温し、次いで1時間周囲温度にゆっくり加温する。50%飽和炭酸水素ナトリウム溶液に混合物をゆっくり注ぎ、ジクロロメタン(4×100mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10〜100%酢酸エチル)により精製して、トリフェニルホスフィン酸化物が混ざった所望の生成物を得る。SCXイオン交換クロマトグラフィー(ジクロロメタン中の10%メタノール〜ジクロロメタン中の10%(メタノール中の4Nアンモニア))によりさらに精製して、所望のtert−ブチル−(6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメトキシ)−ジフェニル−シラン(5.96g;66%)を無色のガム状物として得る。MS(m/z):393(M+1)。
【0053】
調製例12
6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメタノールの合成
【化21】
テトラ−N−ブチルアンモニウムフルオリド(テトラヒドロフラン中に1M;13.98mL;3当量;13.98mmol)を、テトラヒドロフラン(100mL)中のtert−ブチル−(6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメトキシ)−ジフェニル−シラン(6.96g;1.0当量;17.73mmol)の溶液に加え、1時間撹拌する。SCXイオン交換カラム上に溶液を直接負荷し、ジクロロメタン中の15%メタノール、続いて20%(ジクロロメタン中の(メタノール中の2Nアンモニア))で溶出して、(2scxイオン交換精製を必要とした)6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメタノール(2.59g;61%)を得る。MS(m/z):155(M+1)。
【0054】
実施例6
5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレートの合成
【化22】
1,1’−カルボニルジイミダゾール(1.92g;1.1当量;11.83mmol)を、ジクロロメタン(30mL)中の6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメタノール(2.59g;1.0当量;10.75mmol)の溶液に加え、40℃で1時間加熱する。N−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミン二塩酸塩水和物(4.80g;1.3当量;13.98mmol)およびトリエチルアミン(4.50mL;3当量;32.26mmol)を加え、反応物を40℃にて1時間維持する。シリカゲルカラム上に溶液を直接負荷し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン〜酢酸エチル〜酢酸エチル中の20%メタノール)により精製して、NMRにより有意なイミダゾールの存在を有する生成物を得る。粗生成物をジクロロメタン(20mL)および水(20mL)に溶解し、層を分離し、ジクロロメタン(3×15mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(3.95g;85%)を黄褐色の泡状物として得る。MS(m/z):433(M+1)。
【0055】
実施例7および8
異性体1および2へのラセミ体5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレートの精製
【化23】
5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(3.95g)を75.5mLのメタノールに溶解する。100%メタノール(0.2%イソプロピルアミン)、235nM波長を用いて、400mL/分にてChiralpak(商標)AS(20um)50×150mmカラム上での10mL注入により分離する。
【0056】
実施例7:8.8分における第1の溶出ピーク(1)の単離により、5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート異性体1を黄褐色の泡状物として得る、99%ee、(1.56g;33%)。MS(m/z):433(M+1)。
【0057】
実施例8:12.8分における第2の溶出ピーク(2)の単離により、5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート異性体2を黄褐色の泡状物として得る、99%ee、(1.60g;34%)。MS(m/z):433(M+1)。
【0058】
実施例9
5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート塩酸塩異性体1の合成
【化24】
塩酸(1N、3.61mL;3.61mmol)を、メタノール(1mL)中の5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート異性体1(1.56g、3.61mmol)を含有するバイアルに加える。この溶液を−78℃のドライアイス浴中で凍結し、凍結乾燥させて、5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート塩酸塩異性体1(1.67g)を得る。MS(m/z):433(M+1)。
【0059】
実施例10
5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート塩酸塩異性体2の合成
【化25】
塩酸(1N、3.7mL;3.70mmol)を、メタノール(1mL)中の5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート異性体2(1.60g、3.70mmol)を含有するバイアルに加える。この溶液を−78℃のドライアイス浴中で凍結し、凍結乾燥させて、5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート塩酸塩異性体2(1.65g)を得る。MS(m/z):433(M+1)。
【0060】
調製例13
(2R)−1−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−3−イミダゾール−1−イル−プロパン−2−オールの合成
【化26】
1H−イミダゾール(14.70g;4当量;215.99mmol)、続いてtert−ブチルクロロジフェニルシラン(14.00mL;1.0当量;54.00mmol)を、アセトニトリル(40mL)中の新たに蒸留した(S)−グリシドール(3.66mL;1.0当量;54.00mmol)の0℃の溶液に加える。溶液を周囲温度にて30分間撹拌し、次いで加熱して4時間還流する。混合物を周囲温度に冷やし、反応混合物を濃縮し、次いで残渣をジクロロメタンおよび2M炭酸水素ナトリウム溶液(1:1、400mL)に注ぐ。層を分離し、ジクロロメタン(2×)で水層をさらに抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得る。カラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の(2R)−1−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−3−イミダゾール−1−イル−プロパン−2−オール(9.25g;45%)を得る。MS(m/z):381(M+1)。
【0061】
調製例14
(6R)−6−[[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシメチル]−5,6−ジヒドロイミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−8−オンの合成
【化27】
0℃で15分にわたってトリクロロメチルクロロホルメート(5.80mL;2.0当量;48.35mmol)を、アセトニトリル(450mL)中の(2R)−1−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−3−イミダゾール−1−イル−プロパン−2−オール(9.2g;1.0当量;24.17mmol)およびピリジン(15.64mL;8当量l;193.40mmol)の溶液にゆっくり加える。1時間撹拌し、次いで溶液を1時間にわたって周囲温度に加温する。水(30mL)を加え、反応混合物を濃縮する。ジクロロメタン(50mL)を加え、得られた溶液を50%飽和炭酸ナトリウム(200mL)にゆっくり注ぐ。層を分離し、水層をジクロロメタン(3×150mL)でさらに抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10%〜100%酢酸エチル)により精製して、所望の(6R)−6−[[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシメチル]−5,6−ジヒドロイミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−8−オン(5.50g;56%)を得る。MS(m/z):407(M+1)。
【0062】
調製例15
(2R)−1−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−3−[2−(ヒドロキシメチル)イミダゾール−1−イル]プロパン−2−オールの合成
【化28】
ジイソブチルアルミニウム水素化物(ヘキサン中に1M;21.65mL;1.6当量;21.65mmol)を、ジクロロメタン(130mL)中の(6R)−6−[[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシメチル]−5,6−ジヒドロイミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−8−オン(5.5g;1.0当量;13.53mmol)の0℃の溶液に加える。溶液を15分間撹拌し、次いでメタノール(100mL)を加える。5分後、水素化ホウ素ナトリウム(0.307g;0.6当量;8.12mmol)を加え、溶液を0℃にて15分間維持する。飽和酒石酸カリウムナトリウム溶液(80mL)を加え、溶液を周囲温度にて14時間撹拌する。溶液を濾過し、液体層を分離する。水層をジクロロメタン(3×)でさらに抽出する。合わせた有機抽出物を50%飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、所望の(2R)−1−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−3−[2−(ヒドロキシメチル)イミダゾール−1−イル]プロパン−2−オール(5.30g;95%)を得る。MS(m/z):411(M+1)。
【0063】
調製例16
tert−ブチル−[[(6R)−6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イル]メトキシ]−ジフェニル−シランの合成
【化29】
ヨウ素(3.44g;1.05当量;13.55mmol)を、ジクロロメタン(25mL)中のトリフェニルホスフィン(4.06g;1.2当量;15.49mmol)の0℃の溶液に加え、10分間撹拌する。1−メチルイミダゾール(1.23mL;1.2当量;15.49mmol)を加え、いくつかの沈殿物を有する橙色の溶液を得る。
【0064】
別に、ジクロロメタン(25mL)中の(2R)−1−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−3−[2−(ヒドロキシメチル)イミダゾール−1−イル]プロパン−2−オール(5.3g;1.0当量;12.91mmol)の−78℃の溶液を調製する。インサイチュで調製したヨード化試薬を、(2R)−1−[tert−ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ−3−[2−(ヒドロキシメチル)イミダゾール−1−イル]プロパン−2−オールの溶液に滴下して加え、橙色がすぐに消え、ほぼ無色になる。溶液を−78℃にて30分間維持し、次いでそれを0℃に加温し、10分間維持する。溶液を−78℃に再び冷却し、テトラヒドロフラン(100mL)、続いて60%水素化ナトリウム(1.14g;2.2当量;28.40mmol)を加える。30分にわたって溶液を0℃にゆっくり加温し、次いで1時間周囲温度に加温する。混合物を50%飽和炭酸ナトリウム溶液にゆっくり注ぎ、ジクロロメタン(4×100mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10〜100%酢酸エチル)により精製して、トリフェニルホスフィン酸化物が混じった所望の生成物を得る。さらに、SCXイオン交換クロマトグラフィー(ジクロロメタン中の10%メタノール〜ジクロロメタン中の10%(メタノール中の4Nアンモニア))により精製して、所望のtert−ブチル−[[(6R)−6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イル]メトキシ]−ジフェニル−シラン(1.86g;37%)を得る。MS(m/z):393(M+1)。
【0065】
調製例17
[(6R)−6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イル]メタノールの合成
【化30】
フッ化セシウム(1.42g;2.0当量;9.32mmol)を、テトラヒドロフラン(25mL)、水(5mL)、およびジメチルホルムアミド(5mL)中の[(6R)−6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イル]メタノール(1.83g;1.0当量;4.66mmol)の溶液に加え、36時間撹拌する。反応は起こらないので、テトラ−N−ブチルアンモニウムフルオリド(テトラヒドロフラン中1N;13.98mL;3当量;13.98mmol)を加え、1時間撹拌する。SCXイオン交換カラム上に溶液を直接負荷し、ジクロロメタン中の15%メタノール、続いてジクロロメタン中の20%(メタノール中の2Nアンモニア)で溶出して、アルキルアンモニウム塩のようなものが混じった所望の生成物を得る。カラムクロマトグラフィー(1〜10%メタノール/クロロホルム)によって粗生成物をさらに精製して、所望の[(6R)−6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イル]メタノール(0.515g;72%)を得る。MS(m/z):155(M+1)。
【0066】
実施例11
[(6R)−6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イル]メチル2−(インダン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレートの合成
【化31】
1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.477g;1.1当量;2.94mmol)を、1,2−ジクロロエタン(15mL)およびテトラヒドロフラン(5mL)中の[(6R)−6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イル]メタノール(0.412g;1.0当量;2.67mmol)の溶液に加える。溶液を50℃で30分間加熱し、次いでN−(2,3−ジヒドロ−1h−インデン−2−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミン二塩酸塩水和物(1.01g;1.1当量;2.94mmol)、続いてトリエチルアミン(1.30mL;3.5当量;9.35mmol)を加える。得られた溶液を50℃にて3時間撹拌する。混合物を50%飽和炭酸ナトリウムおよびジクロロメタン(各々50mL)に注ぐ。層を分離し、水層をジクロロメタン(2×50mL)でさらに抽出する。合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、赤色の油を得る。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(クロロホルム中の1〜8%メタノール)により精製して、所望の[(6R)−6,8−ジヒドロ−5H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イル]メチル2−(インダン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(1.12g;97%)を得る。キラルHPLC分析(0.46×15cm Chiralpak(商標)AS−Hカラム、100%メタノール溶出)によって鏡像異性体過剰率を決定する。単離した生成物は13分で溶出するのに対して、鏡像異性体は9.1分で溶出し、生成物は98.3%eeであると実証される。MS(m/z):433(M+1)。
【0067】
調製例18
6−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジンの合成
【化32】
酢酸(40mL)を、6−メトキシイミダゾピリジン(1.0g;1.0当量;6.75mmol)および10%パラジウム炭素(1.0g;1.4当量;9.40mmol)の不均一の溶液に加える。反応容器を排気し、窒素(3×)、次いで水素(3×)で埋め戻す。周囲温度にて3時間水素下で反応物を激しく撹拌する。反応混合物をセライトで濾過し、濾過ケーキをジクロロメタンおよびメタノールの1:1混合物で洗浄する。濾液を濃縮し、粗生成物混合物を20mLメタノールに溶解し、次いでscxイオン交換カラム上に負荷する。メタノール、続いてメタノール中の2Mアンモニアで溶出して、6−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン(1.00g;97%)を無色の油として得る。
1H NMR(DMSO):δ1.84−1.94(m,1H),2.00−2.09(m,1H),2.63−2.68(m,2H),3.27(s,3H),3.77−3.82(m,1H),3.92−4.03(m,2H),6.74(d,1H),6.91(d,1H)。
【0068】
調製例19
5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−オールの合成
【化33】
三臭化ホウ素(1.24mL;2.0当量;13.14mmol)を、ジクロロメタン(40mL)中の6−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリミジン(1.0g;1.0当量;6.57mmol)の溶液に滴下して加え、周囲温度にて4時間撹拌する。水(10mL)を加え、20分間撹拌し、次いで混合物を濃縮する。メタノール(20mL)を加え、scxイオン交換カラム上に溶液を負荷する。メタノール、続いてメタノール中の2Mアンモニアで溶出することによって生成物を精製して、5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−オール(0.908g;80%収率)を得、それを静置させて結晶化する。MS(m/z):139(M+1)。
【0069】
調製例20
tert−ブチル2−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルオキシ)アセテートの合成
【化34】
ジメチルホルムアミド(4mL)中の5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−オール(0.357g;1.0当量;2.07mmol)の懸濁液を40℃に加温し、完全に溶解させ、次いで0℃に冷却し、水素化ナトリウム(0.091g 1.1当量;2.27mmol)を加え、30分間撹拌する。酢酸、ブロモ−1,1−ジメチルエチルエステル(1.1当量;1.10当量;2.27mmol;342.48μL)を0℃にて滴下して加え、1時間撹拌する。反応混合物をメタノール(10mL)で希釈し、scxイオン交換カラム(メタノール〜メタノール中の2Mアンモニア)に通して、tert−ブチル2−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルオキシ)アセテート(0.3g;17%)を黄色のガム状物として得、それを次の工程に直接使用する。MS(m/z):253(M+1)。
【0070】
実施例12
1−[2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−2−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルオキシ)エタノンの調製
【化35】
トリフルオロ酢酸(3mL)を、ジクロロメタン(3mL)中のtert−ブチル2−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルオキシ)アセテート(0.30g;2.04当量;1.19mmol)を含有するフラスコに加え、周囲温度にて1時間撹拌する。混合物を濃縮し、トルエン(2×5mL)を加え、再濃縮する(2×)。メタノール(10mL)、続いて5N塩酸(1mL)を加え、次いで濃縮する。トルエン(4×5mL)を加え、再濃縮する(4×)。ジメチルホルムアミド(5mL)、トリエチルアミン(15当量;8.74mmol;1.22mL)、N−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル)−6,7−ジヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−2−アミン二塩酸塩水和物(0.20g;1.0当量;0.583mmol)および1−プロパンホスホン酸環状無水物(0.70mL;2.0当量;1.17mmol)を加え、周囲温度にて2時間撹拌する。溶液をシリカゲル上に直接負荷し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン〜酢酸エチル〜酢酸エチル中の20%メタノール)により精製して、不純生成物を得る。逆相クロマトグラフィーにより粗生成物をさらに精製して、1−[2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−2−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルオキシ)エタノン(0.083g;33%)を淡黄色の泡状物として得る。MS(m/z):431(M+1)。
【0071】
実施例13および14
異性体1および2への1−[2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−2−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルオキシ)エタノンの精製
【化36】
1−[2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−2−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルオキシ)エタノン(0.083g;1.0当量;0.193mmol)を1.0mLのメタノールに懸濁し、イソプロピルアルコールを数滴加えて、それを溶解する。カラム(2.1×25cm Chiralcel(商標)OD−H、5ミクロン、40%メタノール(0.2%イソプロピルアミン)/二酸化炭素の移動相で溶出する(流量70mL/分。225nm検出))内に0.5mLのシリーズを注入する。
【0072】
実施例13:8.0分における第1の溶出ピーク(1)の単離により、1−[2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−2−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルオキシ)エタノン異性体1を無色の泡状物として得る、99%ee、(0.030g;36%)。MS(m/z):431(M+1)。
【0073】
実施例14:11.8分における第2の溶出ピーク(2)の単離により、−[2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−イル]−2−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルオキシ)エタノン異性体2を無色の泡状物として得る、99%ee、(0.042g;51%)。MS(m/z):431(M+1)。
【0074】
調製例21
2−クロロ−1−[2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−イル]エタノンの合成
【化37】
ジクロロメタン(200mL)中のN−インダン−2−イル−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−2−アミン(11.0g、41.3mmol)およびトリエチルアミン(7.48mL、53.7mmol)に、2−クロロアセチルクロリド(3.61mL、5.13g、45.4mmol)を23℃にて5分にわたって滴下して加える。30分間撹拌し、1:1の50%飽和炭酸水素ナトリウム水溶液:ジクロロメタン(75mL)内に反応混合物を注ぐ。有機層を水層から分離し、ジクロロメタン(2×25mL)で水層をさらに抽出する。有機抽出物を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。残渣をクロロホルム(10mL)に溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(勾配溶出:ヘキサン中の25%酢酸エチル〜100%酢酸エチル)により精製して標題化合物(9.75g、69%)を得る。
1H NMR(CDCl
3,
*=少量のアミド回転異性体)δ2.77
*(t,2H),2.84(dd,2H),2.87(t,2H),3.35(dd,2H),3.76(t,2H),3.85
*(t,2H),4.12(s,2H),4.52
*(s,2H),4.57(s,2H),4.72−4.82(m,1H),5.48−5.64(m,1H),7.12−7.21(m,4H),8.03−8.10(m,1H)。
【0075】
実施例15
1−[2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−イル]−2−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルオキシ)エタノンの合成
【化38】
水素化ナトリウム(0.054g;1.85当量;1.35mmol)を、ジメチルホルムアミド(2mL)中の5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−オール(0.252g;2.0当量;1.46mmol)の溶液に加え、室温にて10分間撹拌する。この混合物を、ジメチルホルムアミド(2mL)中の2−クロロ−1−[2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−イル]エタノン(0.25g;1.0当量;0.729mmol)の0℃の溶液に加える。得られた溶液を0℃にて1時間撹拌し、次いで水を加え、SCXイオン交換カラム上に負荷する。粗生成物を溶出する(メタノール〜メタノール中の7Nアンモニア)。逆相クロマトグラフィーにより生成物をさらに精製して、1−[2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−6(5H)−イル]−2−(5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルオキシ)エタノン(0.035g;11)を白色の泡状物として得る。MS(m/z):445(M+1)。
【0076】
コリン放出によって測定されるオートタキシンの阻害
このアッセイの目的はコリン放出アッセイを使用してオートタキシン阻害を検出することである。
【0077】
試験化合物(100%DMSO中の10mMストック)を100%DMSO中で連続希釈し、半分の面積の96ウェルプレート(Corning 3992)中で100×阻害剤の10の濃度を得る。100%DMSO中のこれらの10のウェルの各々を、丸底96ウェルプレート(Fisher 12565502)中のアッセイ緩衝液中で1:33.33に希釈し、3%DMSOを含有するウェル中で3×濃度を得る。アッセイ緩衝液は50mM Tris pH8.0、5mM KCl、1mM CaCl
2、1mM MgCl
2、0.01% TRITON(商標)X−100(Sigma T9284)および0.01%脂肪酸遊離ウシ血清アルブミン(Sigma A8806)である。次いで各々の3×試験化合物の20μlアリコートを、シングリケート(singlicate)でブラック平底96ウェルプレート(Corning 3991)に加える。次いで20μlアリコート/ウェルの3×組換えヒトオートタキシン(293E細胞内でトランスフェクトし、ニッケルキレートおよびサイズ排除クロマトグラフィーにより精製したC末端Hisタグを有する完全長ヒトオートタキシン)を、酵素のない対照ウェルを除いて、全てのウェルに加える。20μlアリコート/ウェルのアッセイ緩衝液を酵素のない対照ウェルに加える。光に露出するのを回避しながら、コリンオキシダーゼ(Sigma C5896)、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(Sigma P8125)、アンプレックスウルトラレッド(Invitrogen A36006)およびオートタキシン基質リゾホスファチジルコリン(LPC)16:0(Avanti Polar Lipids 855675P)を含有する3×カクテルの20μlアリコートを各ウェルに加える。コリンオキシダーゼ、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アンプレックスウルトラレッドおよびLPC 16:0のウェルの最終濃度はそれぞれ、0.4単位/ml、4単位/ml、40μMおよび30μMである。次いでプレートをアルミニウム箔シールで密閉し、Labline Imperial IIIインキュベータ内で37℃にて1時間インキュベートする。このインキュベーションの間、LPCをオートタキシンによって切断し、リゾホスファチジル酸(LPA)16:0およびコリンを得る。放出されるコリンをコリンオキシダーゼによって酸化し、ベタインおよび過酸化水素を得る。過酸化水素はセイヨウワサビペルオキシダーゼおよびアンプレックスウルトラレッドと反応して、蛍光分子レゾルフィンを形成する。プレート上のレゾルフィンを、SoftMax Pro 4.8ソフトウェアを使用して530〜590nmの励起−発光波長にてSpectraMax Gemini EM蛍光光度計で測定する。IC
50を、内部のLillyソフトウェアOLO曲線適合ツールを用いて4パラメータ曲線適合を使用して算出する。結果を算術平均+/−標準偏差;n=xとして表す。本明細書の実施例1〜15の化合物を本質的に上記のように試験し、オートタキシンについて約100nM未満のIC
50を示した。以下の例示した化合物を本質的に上記のように試験し、オートタキシンについて以下の活性を示した:
【0078】
【表1】
【0079】
表1のデータは、表1の化合物がインビトロでコリン放出アッセイを使用してオートタキシンを阻害することを示す。
【0080】
ヒト血漿の存在下でのLPAの減少
以下のアッセイはLPAの減少を測定することを意図する。このアッセイは、オートタキシン阻害剤として同定されている化合物を試験するために使用される場合、選択的オートタキシン介在性LPA阻害剤化合物を同定するために使用できる手段である。オートタキシンによるLPA生合成は、LPA
1介在性神経因性疼痛についてのLPA源であると考えられる。Makoto Inoue,et.al,「Autotaxin,a synthetic enzyme of lysophosphatidic acid(LPA),mediates the induction of nerve−injured neuropathic pain」,Molecular Pain,2008,4:6。オートタキシン介在性LPA生合成の標的阻害はこのアッセイの結果によって支持される。
【0081】
ヘパリンナトリウム(Lampire Biologicals)中で収集した健常なヒトの女性のドナー由来の血漿の単位をプールし、アリコートし、−80℃にて保存する。アッセイの日に、血漿のアリコートを解凍し、遠心分離機で3000RPM、4℃にて10分間回転させて残渣を除去する。血漿の90μlのアリコートを96ウェル丸底ポリプロピレンプレートの各ウェルに加える。アッセイ緩衝液(50mM Tris pH8.0、5mM KCl、1mM CaCl
2、1mM MgCl
2)中の10%DMSOを含有する10×試験化合物の10μLのアリコートを、試験化合物を含有しない対照ウェルを除いて各ウェルに加える。これは、90%血漿中の1%DMSOの最終濃度でシングリケートにおいて10の1×濃度の試験化合物を生じる。試験化合物を有さないアッセイ緩衝液中の10%DMSOの10μlアリコートを0時間(n=8)および3時間の試験化合物のない対照(n=8)ウェルに加える。500mMのエチレンジアミン四酢酸(EDTA)の10μlのアリコートを、0時間の試験化合物のない対照ウェルの各々に加えて、内因性オートタキシンをキレートする。0時間の試験化合物のない対照ウェルの全内容物を新たな96ウェル丸底ポリプロピレンプレートに移し、−80℃で凍結する。血漿+/−試験化合物を含有するプレート(0時間の阻害剤のない対照ウェルを差し引く)を次いで、14,000RPMで振盪しながら、Robbins Scientific(商標)モデル400ハイブリダイゼーションインキュベータにおいて37℃にて3時間インキュベートする。この3時間のインキュベーションの間、血漿中に存在するレシチンコレステロールアクリルトランスフェラーゼは、オートタキシン基質リゾホスファチジルコリン(LPC)の高い血漿レベルを生じるホスファチジルコリンを切断する。増加した内因性LPCレベルは内因性リゾホスファチジル酸(LPA)の高い血漿濃度を生じる内因性オートタキシンによって切断される(Nakamuraら,Clinical Biochemistry 40(2007),274−277)。3時間のインキュベーションにおけるLPAのこの増加はオートタキシン阻害剤によって阻害され得る。3時間のインキュベーション後、10μlの500mM EDTAを残りのウェル(試験化合物を含有するウェルおよび3時間の試験化合物のない対照ウェル)の全てに加えて、内因性オートタキシンをキレートする。次いでこれらのウェルの全内容物を、(0時間の血漿を解凍せずに)以前に−80℃で保存されていた0時間の試験化合物のない対照血漿を含有するプレートに加える。次いでプレートをアルミニウム箔シールで再び覆い、質量分析のために抽出するまで−80℃に再び置く。抽出の日に、プレートを氷上で解凍し、各ウェルからの25μlの血漿を、2mlのTrueTaper(商標)正方形96ディープウェルプレート(Analytical Salesおよび製品番号968820)に移す。LPA内部標準(50ng/mlのD5重水素LPA16:0および50ng/mlのD5重水素LPA18:0)を含有する400μlアリコートの抽出緩衝液(50%メタノール、49.9%アセトニトリル、0.1%酢酸)を各ウェルに加え、各試料中の全LPAを質量分析によって測定する。LPAの減少のパーセントを以下の式に従って算出する:
100−(3時間の血漿+試験化合物−0時間の血漿の試験化合物のない対照)/(3時間の血漿の試験化合物のない対照−0時間の血漿の試験化合物のない対照)×100
【0082】
4パラメータ曲線適合を使用してIC
50値を算出する。結果を算術平均+/−標準偏差;n=xとして表す。本発明の化合物を使用したこのアッセイの結果は、LPAの減少が用量依存的であり、統計的に有意であることを示す。
【0083】
【表2】
【0084】
表2のデータにより、化合物がヒト血漿の存在下でLPAを減少させることが実証される。この結果により、化合物がオートタキシン介在性LPA生合成を阻害することが支持される。
本発明は以下を提供する。
[1]
式Iの化合物
【化1】
(式中、Xは結合またはCH2であり;
QはCH2またはOであり;
Lは−OCH2−および−CH2O−からなる群から選択される)
またはその医薬的に許容可能な塩。
[2]
Xが結合である、請求項1に記載の化合物または塩。
[3]
QがOである、請求項1または2に記載の化合物または塩。
[4]
QがCH2である、請求項1または2に記載の化合物または塩。
[5]
Lが−OCH2−である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物または塩。
[6]
Lが−CH2O−である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物または塩。
[7]
XがCH2である、請求項1に記載の化合物または塩。
[8]
5,6−ジヒドロ−8H−イミダゾ[2,1−c][1,4]オキサジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート:
【化2】
である、請求項1に記載の化合物または塩。
[9]
5,6,7,8−テトラヒドロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イルメチル2−(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアミノ)−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−d]ピリミジン−6−カルボキシレート:
【化3】
である、請求項1に記載の化合物または塩。
[10]
1種以上の医薬的に許容可能な担体、希釈剤、または賦形剤と組み合わせて、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩を含む、医薬組成物。
[11]
有効量の請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩を、それを必要とする患者に投与することを含む、患者における疼痛を治療する方法。
[12]
有効量の請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容可能な塩を、それを必要とする患者に投与することを含む、患者における骨関節炎に関連する疼痛を治療する方法。
[13]
療法に使用するための請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。
[14]
疼痛の治療に使用するための請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬的に許容可能な塩。