【文献】
Skin Kind Cleansing Cloths,MINTEL GNPD,日本,2006年 9月,ID587271,URL,http://www.portal.mintel.com
【文献】
Make−Up Removing Wipes,MINTEL GNPD,日本,2010年 9月,ID1382583,URL,http://www.portal.mintel.com
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係るクレンジングシートは、シート基材と、上記シート基材に含浸されているクレンジング用組成物とを備える。上記クレンジング用組成物は、(A)水と、(B)非イオン性界面活性剤と、(C)ポリアミノプロピルビグアニドと、(D)多価アルコールとを含む。上記クレンジング用組成物は、(E)エタノールを含まないか、又は(E)エタノールを5質量%以下で含む。
【0023】
本発明に係るクレンジング用組成物は、(A)水と、(B)非イオン性界面活性剤と、(C)ポリアミノプロピルビグアニドと、(D)多価アルコールとを含む。本発明に係るクレンジング用組成物は、(E)エタノールを含まないか、又は(E)エタノールを含みかつ(E)エタノールの含有量が5質量%以下である。
【0024】
上記クレンジング用組成物が(E)エタノールを含む場合に、(E)エタノールの含有量は5質量%以下である。
【0025】
本発明では、上記の組成が採用されているので、エタノールの含有量が比較的少ないにもかかわらず、高いクレンジング力と、優れた防腐効果とを得ることができる。すなわち、本発明では、従来両立することが困難であった高いクレンジング力と優れた防腐効果との双方を両立することができる。
【0026】
特に、シート基材に含浸される前のクレンジング用組成物では、優れた防腐効果が発揮されるにもかかわらず、クレンジング用組成物をシート基材に含浸させたクレンジングシートでは、防腐効果が著しく低下して、防腐効果が十分に発揮されにくい傾向がある。これに対して、本発明における上記の構成の採用により、クレンジングシートであっても、高いクレンジング力と優れた防腐効果との双方を両立することができる。本発明では、クレンジング用組成物をシート基材に含浸させても、防腐効果が低下し難い。このため、エタノール等の含有量を少なくすることができる。本発明では、エタノールを用いていなかったり、エタノールの含有量が5質量%以下であったりしても、充分な防腐効果が発揮される。また、エタノールの含有量を少なくすることにより、皮膚の刺激及び眼の刺激を抑えることができる。また、エタノールの含有量を少なくすることにより、クレンジング力の低下を抑えることができる。クレンジング用組成物がシート基材に含浸されているクレンジングシートにおいて、上記の組成の採用により、高いクレンジング力と優れた防腐効果との双方を両立できることは、本発明者らによって初めて見出された。
【0027】
本発明では、高いクレンジング力と、優れた防腐効果とを得ることができるだけでなく、皮膚の刺激及び眼の刺激を抑えることもできる。さらに、本発明では、クレンジング後の皮膚のさっぱり感を高めることもできる。
【0028】
上記クレンジング用組成物は、(C)ポリアミノプロピルビグアニドとは異なりかつ(E)エタノールとは異なる(F)防腐剤を含むことが好ましい。上記クレンジング用組成物は、(G)陰イオン性界面活性剤を含むことが好ましい。
【0029】
本発明に係るクレンジングシートは、化粧料、医薬部外品、又は医薬品として用いられるクレンジングシートであることが好ましい。本発明に係るクレンジング用組成物は、シート基材に含浸されて、クレンジングシートを得るために好適に用いられる。
【0030】
以下、本発明に係るクレンジングシート及び本発明に係るクレンジング用組成物に用いることができる各成分、並びにシート基材を詳細に説明する。
【0031】
((A)水)
(A)水は、化粧料に一般に用いられる水であることが好ましい。(A)水は、特に限定されないが、精製水、水道水及びイオン交換水等が挙げられる。(A)水は、精製水であることが好ましい。
【0032】
上記クレンジング用組成物100質量%中、(A)水の含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。(A)水の含有量が上記下限以上であると、さっぱり感がより一層良好になる。(A)水の含有量が上記上限以下であると、クレンジング力がより一層良好になる。
【0033】
((B)非イオン性界面活性剤)
上記クレンジング用組成物が(B)非イオン性界面活性剤を含むことにより、クレンジング力が効果的に高くなる。
【0034】
(B)非イオン性界面活性剤は、特に限定されず、ポリオキシエチレン脂肪酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビットミツロウ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールラノリン、及びジメチルラウリルアミンオキシド等が挙げられる。(B)非イオン性界面活性剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0035】
上記ポリオキシエチレン脂肪酸としては、例えば、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、モノミリスチン酸ポリエチレングリコール、モノパルミチン酸ポリエチレングリコール、ジパルミチン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、及びジオレイン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0036】
上記ポリオキシエチレン脂肪酸における酸化エチレンの付加モル数は、特に限定されないが、好ましくは2以上、より好ましくは5以上、好ましくは100以下、より好ましくは90以下である。上記ポリオキシエチレン脂肪酸における酸化エチレンの付加モル数が上記下限以上及び上記上限以下であると、上記クレンジング用組成物の保存安定性がより一層良好になる。
【0037】
上記ポリオキシエチレン脂肪酸として、市販品を用いてもよい。モノラウリン酸ポリエチレングリコールの市販品としては、例えば、花王社製「エマノーン 1112」(酸化エチレン付加モル数:12)、及び日本サーファクタント工業社製「NIKKOL MYL−10」(酸化エチレン付加モル数:10)等が挙げられる。モノオレイン酸ポリエチレングリコールの市販品としては、日本サーファクタント工業社製「NIKKOL MYO−10V」(酸化エチレン付加モル数:10)等が挙げられる。モノステアリン酸ポリエチレングリコールの市販品としては、日本サーファクタント工業社製「NIKKOL MYS−4V」(酸化エチレン付加モル数:4)等が挙げられる。
【0038】
上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンデシルペンタデシルエーテル、ポリオキシエチレンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル等が挙げられる。
【0039】
上記ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、及びトリイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等が挙げられる。
【0040】
上記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリン、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノミリスチン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、及びトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル等が挙げられる。
【0041】
上記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルにおける酸化エチレンの付加モル数は、特に限定されないが、好ましくは2以上、より好ましくは4以上、好ましくは100以下、より好ましくは90以下である。上記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルにおける酸化エチレンの付加モル数が上記下限以上及び上記上限以下であると、上記クレンジング用組成物の保存安定性がより一層良好になる。
【0042】
上記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルとして、市販品を用いてもよい。ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリルの市販品としては、交洋ファインケミカル社製「ハイバーオイルCC−6」(酸化エチレン付加モル数:6)、コグニスジャパン社製「CETIOL HE810」(酸化エチレン付加モル数:7)、及びサソール社製「ソフチゲン767」(酸化エチレン付加モル数:6)等が挙げられる。モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルの市販品としては、青木油脂工業社製の市販品である「ブラウノン RGL−5MISE」(酸化エチレン付加モル数:5)、「RGL−8MISE」(酸化エチレン付加モル数:8)、「RGL−10MISE」(酸化エチレン付加モル数:10)、及び「RGL−20MISE」(酸化エチレン付加モル数:20)等が挙げられる。トリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルの市販品としては、青木油脂工業社製「ブラウノン RGL−20TISE」(酸化エチレン付加モル数:20)等が挙げられる。
【0043】
上記モノグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸グリセリン、ミリスチン酸グリセリン、ステアリン酸グリセリン、ベヘニン酸グリセリン、オレイン酸グリセリン、イソステアリン酸グリセリン、ヤシ油脂肪酸グリセリン、硬化牛脂油脂肪酸グリセリン、及びラノリン酸グリセリン等が挙げられる。
【0044】
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ステアリン酸ジグリセリル、オレイン酸ジグリセリル、イソステアリン酸ジグリセリル、ステアリン酸テトラグリセリル、オレイン酸テトラグリセリル、ラウリン酸ヘキサグリセリル、及びステアリン酸デカグリセリル等が挙げられる。
【0045】
上記ポリオキシエチレン脂肪酸アミドとしては、例えば、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、及びポリオキシエチレンステアリン酸アミド等が挙げられる。
【0046】
上記ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、及びモノラウリン酸ソルビタン等が挙げられる。
【0047】
上記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油における酸化エチレンの付加モル数は、特に限定されないが、好ましくは20以上、より好ましくは40以上、好ましくは100以下、より好ましくは80以下である。上記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油における酸化エチレンの付加モル数が上記下限以上及び上記上限以下であると、上記クレンジング用組成物の保存安定性がより一層良好になる。
【0048】
上記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油として、市販品を用いてもよい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の市販品としては、例えば、花王社製「エマノーン CH−40」(酸化エチレン付加モル数:40)、及び日本エマルジョン社製「EMALEX HC−80」(酸化エチレン付加モル数:80)等が挙げられる。
【0049】
防腐効果を高く維持しつつ、クレンジング力をより一層良好にする観点からは、上記非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン脂肪酸、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油であることが好ましい。この場合に、ポリオキシエチレン脂肪酸、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の内の1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0050】
(B)非イオン性界面活性剤のHLB値は好ましくは6以上、より好ましくは7以上、好ましくは14以下、より好ましくは12以下である。HLB値が上記下限以上及び上記上限以下であると、クレンジング力がより一層高くなる。
【0051】
上記クレンジング用組成物100質量%中、(B)非イオン性界面活性剤の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。(B)非イオン性界面活性剤の含有量が上記下限以上であると、クレンジング力がより一層高くなる。(B)非イオン性界面活性剤の含有量が上記上限以下であると、防腐効果の低下がより一層抑えられる。
【0052】
((C)ポリアミノプロピルビグアニド)
上記クレンジング用組成物が(C)ポリアミノプロピルビグアニドを含むことにより、防腐効果が効果的に良好になる。クレンジング用組成物がシート基材に含浸されているクレンジングシートにおいて、高いクレンジング力と優れた防腐効果との双方を両立するために、(C)ポリアミノプロピルビグアニドを用いることには大きな意味がある。
【0053】
上記ポリアミノプロピルビグアニドとして、市販品を用いてもよい。ポリアミノプロピルビグアニドの市販品としては、Arch Chemicals社製「COSMOSIL CQ」等が挙げられる。
【0054】
上記クレンジング用組成物100質量%中、(C)ポリアミノプロピルビグアニドの含有量は、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下である。(C)ポリアミノプロピルビグアニドの含有量が上記下限以上であると、防腐効果がより一層良好になる。(C)ポリアミノプロピルビグアニドの含有量が上記上限以下であると、防腐効果がより一層良好になる。
【0055】
特に(C)ポリアミノプロピルビグアニドの含有量は、0.005質量%以上、0.5質量%以下であることが好ましい。この場合には、防腐効果がかなり効果的に良好になる。
【0056】
((D)多価アルコール)
上記クレンジング用組成物が(D)多価アルコールを含むことにより、肌の保湿感が効果的に良好になる。
【0057】
(D)多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、ソルビトール、マルチトール、マンニトール、グルコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ノナンジオール、及び1,2−デカンジオール等が挙げられる。(D)多価アルコールは1種のみが用いられてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0058】
防腐力を高く維持し、かつクレンジング後のさっぱり感をも効果的に高くする観点からは、(D)多価アルコールは、プロピレングリコール又は1,3−ブチレングリコールであることが好ましい。
【0059】
上記クレンジング用組成物100質量%中、(D)多価アルコールの含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下である。(D)多価アルコールの含有量が上記下限以上であると、防腐効果がより一層高くなり、かつ保湿感がより一層良好になる。(D)多価アルコールの含有量が上記上限以下であると、クレンジング後のさっぱり感がより一層良好になる。本発明では、(D)多価アルコールの含有量が10質量%以下であっても、良好な防腐効果が得られる。
【0060】
((E)エタノール)
上記クレンジング用組成物は、(E)エタノールを含まないか、又は(E)エタノールを5質量%以下で含む。すなわち、上記クレンジング用組成物が(E)エタノールを含む場合に、(E)エタノールの含有量は最大でも5質量%である。一般に、(E)エタノールの含有量が5質量%以下であると防腐効果が低くなる傾向があるが、本発明では、特定の(A)〜(D)成分を組み合わせているので、防腐効果を十分に高くすることができる。
【0061】
防腐効果をより一層高める観点からは、(E)エタノールの含有量は高い方がよい。一方で、皮膚の刺激及び眼の刺激をより一層抑える観点からは、(E)エタノールの含有量は低い方がよい。特に、クレンジング用シート材では、皮膚の刺激及び眼の刺激は使用上大きな問題になることがある。本発明では、エタノールの含有量が5質量%以下であるため、皮膚の刺激及び眼の刺激を十分に抑えることができる。
【0062】
上記クレンジング用組成物100質量%中、(E)エタノールの含有量は、好ましくは0質量%以上(未使用を含む)、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、5質量%以下、好ましくは4.5質量%以下、より一層好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3.5質量%以下、更に一層好ましくは3質量%以下、特に好ましくは2.5質量%以下、最も好ましくは2質量%以下である。(E)エタノールの含有量が上記下限以上であると、防腐効果がより一層良好になる。(E)エタノールの含有量が上記上限以下であると、皮膚の刺激及び眼の刺激がより一層抑えられる。また、皮膚の刺激及び眼の刺激を更に一層抑える観点からは、(E)エタノールの含有量は、1.5質量%以下であってもよく、1質量%以下であってもよく、0.5質量%以下であってもよく、0.1質量%以下であってもよい。
【0063】
((F)防腐剤)
(F)防腐剤は、(C)ポリアミノプロピルビグアニドとは異なりかつ(E)エタノールとは異なる。なお、(F)防腐剤は、(D)多価アルコールとも異なる。(C)ポリアミノプロピルビグアニドとともに、(F)防腐剤を用いることにより、防腐効果がより一層効果的に発揮される。
【0064】
(F)防腐剤としては、特に限定されないが、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル;フェノキシエタノール;安息香酸ナトリウム等が挙げられる。(F)防腐剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0065】
防腐効果を効果的に高める観点からは、上記クレンジング用組成物は、(F)防腐剤として、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール又は安息香酸ナトリウムを含むことが好ましい。この場合に、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール及び安息香酸ナトリウムの内の1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0066】
防腐効果をより一層効果的に高める観点からは、上記クレンジング用組成物は、(F)防腐剤として、パラオキシ安息香酸エステルを含むことが好ましい。
【0067】
上記クレンジング用組成物100質量%中、(F)防腐剤の含有量は、好ましくは0質量%以上(未使用を含む)、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.9質量%以下である。(F)防腐剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、防腐効果がより一層良好になる。
【0068】
((G)陰イオン性界面活性剤)
上記クレンジング用組成物が(G)陰イオン性界面活性剤を含むことにより、高温安定性が効果的に良好になる。
【0069】
(G)陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル乳酸塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシルグルタミン酸塩、N−アシルメチルアラニン塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、アシルイセチオン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルカノールアミド硫酸エステル塩、モノアルキルリン酸エステル塩、及びポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩等が挙げられる。(G)陰イオン性界面活性剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0070】
使用感をより一層良好にする観点から、(G)陰イオン性界面活性剤は、N−アシルグルタミン酸塩であることが好ましく、中でも、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミンであることがより好ましい。
【0071】
上記N−アシルグルタミン酸塩として、市販品を用いてもよい。N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウムの市販品としては、例えば、味の素ヘルシーサプライ社製「Amisoft ECS−22」及び「アミソフト CS−22」等が挙げられる。N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウムの市販品としては、例えば、味の素ヘルシーサプライ社製「アミソフト HS−11P」等が挙げられる。N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミンの市販品としては、例えば、味の素ヘルシーサプライ社製「アミソフト CT−12」等が挙げられる。
【0072】
上記クレンジング用組成物100質量%中、(G)陰イオン性界面活性剤の含有量は、好ましくは0質量%以上(未使用を含む)、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下である。(G)陰イオン性界面活性剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、高温安定性がより一層良好になる。
【0073】
(他の成分)
上記クレンジング用組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、油脂、ロウ類、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、シリコーン、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、清涼剤、抗酸化剤、金属封鎖剤、ビタミン類、動植物抽出エキス、パール化剤、及び着色剤等の他の成分を含んでいてもよい。これらの他の成分は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0074】
上記油脂としては、例えば、ヒマワリ油、綿実油、大豆油、オリーブ油、ヤシ油、ヒマシ油、ホホバ油、椿油、及びミンク油等が挙げられる。
【0075】
上記ロウ類としては、例えば、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、コメヌカロウ、セラックロウ、鯨ロウ、及びラノリン等が挙げられる。
【0076】
上記炭化水素油としては、例えば、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワラン、セレシン、パラフィン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン末、ポリエチレンワックス、及びワセリン等が挙げられる。
【0077】
上記高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、ラノリン酸、及びイソステアリン酸等が挙げられる。
【0078】
上記高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコール、オクチルデカノール、及びデシルテトラデカノール等が挙げられる。
【0079】
上記脂肪酸エステルとしては、例えば、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル/カプリン酸)プロピレングリコール、イソステアリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、及びテトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール等が挙げられる。
【0080】
上記シリコーンとしては、ストレートシリコーン及び環状シリコーン等が挙げられる。上記ストレートシリコーンとしては、例えば、オクタメチルトリシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、及びメチルハイドロジェンポリシロキサン等が挙げられる。上記環状シリコーンとしては、例えば、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられる。上記シリコーンとして、変性シリコーンを用いてもよい。上記変性シリコーンとしては、例えば、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、及びエポキシ変性シリコーン等が挙げられる。
【0081】
上記陽イオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩及び脂肪酸アミドアミン等が挙げられる。上記アルキルアミン塩としては、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、及び塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等が挙げられる。上記脂肪酸アミドアミンとしては、例えば、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、及びステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド等が挙げられる。
【0082】
上記両性界面活性剤としては、例えば、アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、N−アシルアミノエチル−N−2−ヒドロキシエチルグリシン塩、アルキルポリアミノポリカルボキシグリシン塩、アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルアミノジプロピオン酸塩、N−アシルアミノエチル−N−2−ヒドロキシエチルプロピオン酸塩、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−プロピルスルホン酸塩、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−(2−ヒドロキシプロピル)スルホン酸塩、及びN−脂肪酸アミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−(2−ヒドロキシプロピル)スルホン酸塩等が挙げられる。
【0083】
(シート基材)
上記シート基材の材料は、上記クレンジング用組成物を含浸可能であれば特に限定されない。通常化粧品として用いられるシート基材を適宜使用可能である。
【0084】
上記シート基材としては、天然繊維、合成繊維又は半天然繊維からなる織布又は不織布等が挙げられる。含浸性及び使用感をより一層良好にする観点からは、上記シート基材は、不織布であることが好ましい。
【0085】
上記天然繊維としては、綿、パルプ、シルク、セルロース、麻、リンター、及びカボック等が挙げられる。上記合成繊維としては、ナイロン、ポリエステル繊維、ポリアクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、及びポリエチレンテレフタレート繊維等が挙げられる。上記半天然繊維としては、レーヨン、及びアセテート等が挙げられる。上記の繊維は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が用いられてもよい。
【0086】
上記シート基材の表面は、エンボス加工されていてもよい。また、上記シート基材には、フィルム基材が含まれる。
【0087】
上記シート基材に上記クレンジング用組成物を含浸させる方法は特に限定されず、公知の方法が採用可能である。
【0088】
上記シート基材に含浸させる上記クレンジング用組成物の量は、シート基材1質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、好ましくは7質量部以下、より好ましくは6質量部以下である。上記クレンジング用組成物の含浸量が上記下限以上であると、クレンジング力がより一層高くなる。上記クレンジング用組成物の含浸量が上記上限以下であると、シート基材に上記クレンジング用組成物がより一層良好に含浸され、含浸状態をより一層良好に維持できる。
【実施例】
【0089】
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
【0090】
実施例及び比較例では、下記の成分を用いた。
【0091】
((A)水)
精製水
【0092】
((B)非イオン性界面活性剤)
ポリオキシエチレン(カプリル/カプリン酸)グリセリル(交洋ファインケミカル社製「ハイバーオイル CC−6」、酸化エチレン付加モル数:6)
ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸グリセリル(ミヨシ油脂社製「Mファインオイル COG−7M」、酸化エチレン付加モル数:7)
【0093】
((C)ポリアミノプロピルビグアニド)
ポリアミノプロピルビグアニド(Arch UK Biocides社製「COSMOCIL CQ」)
【0094】
((D)多価アルコール)
プロピレングリコール
1,3−ブチレングリコール
【0095】
((E)エタノール)
エタノール
【0096】
((F)防腐剤)
メチルパラベン
フェノキシエタノール
安息香酸ナトリウム
【0097】
((G)陰イオン性界面活性剤)
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム(味の素ヘルシーサプライ社製「Amisoft ECS−22」)
【0098】
(実施例1〜10及び比較例1〜8)
下記の表1に示す配合成分を配合(配合単位は質量%)し、クレンジング用組成物を調製した。
【0099】
シート基材として、パルプ/レーヨン(三昭紙業社製「KP9340」)の不織布を用意した。上記シート基材に、上記クレンジング用組成物を含浸させて、クレンジングシート(シート化粧料)を得た。なお、不織布1枚あたり、上記クレンジング用組成物4.0mLを含浸させた。この結果、不織布1質量部に対して、上記クレンジング用組成物4質量部を含浸させた。
【0100】
(試験例1:クレンジング力の評価)
メイクを施した女性専門パネル20名が、得られたクレンジングシートを用いて、メイクの拭き取り除去をおこない、クレンジング力を下記の基準で評価した。
【0101】
<クレンジング力の評価基準>
○○(かなり良好):20名中16名以上が、クレンジング力が高いと回答
○(良好):20名中11〜15名が、クレンジング力が高いと回答
△(不十分):20名中6〜10名が、クレンジング力が高いと回答
×(不良):20名中5名以下が、クレンジング力が高いと回答
【0102】
(試験例2:刺激の評価)
試験例1のクレンジングの際に、眼の刺激が強いか否か、並びに皮膚の刺激が強いか否かを評価した。また、試験例1のクレンジング後、皮膚の刺激が強いか否かを評価した。
【0103】
<刺激の評価基準>
○○(かなり良好):20名中16名以上が、クレンジングの際の目の刺激及び皮膚の刺激、並びにクレンジング後の皮膚の刺激のいずれもが強くないと回答
○(良好):20名中11〜15名が、クレンジングの際の目の刺激及び皮膚の刺激、並びにクレンジング後の皮膚の刺激のいずれもが強くないと回答
△(不十分):20名中6〜10名が、クレンジングの際の目の刺激及び皮膚の刺激、並びにクレンジング後の皮膚の刺激のいずれもが強くないと回答
×(不良):20名中5名以下が、クレンジングの際の目の刺激及び皮膚の刺激、並びにクレンジング後の皮膚の刺激のいずれもが強くないと回答
【0104】
(試験例3:さっぱり感の評価)
試験例1,2の評価の後、専門パネル20名が、クレンジング後の皮膚のさっぱり感を下記の基準で評価した。
【0105】
<さっぱり感の評価基準>
○○(かなり良好):20名中16名以上が、さっぱり感に優れると回答
○(良好):20名中11〜15名が、さっぱり感に優れると回答
△(不十分):20名中6〜10名が、さっぱり感に優れると回答
×(不良):20名中5名以下が、さっぱり感に優れると回答
【0106】
(試験例4:クレンジング用組成物における「防腐力」の評価)
(供試菌)
緑膿菌として、「Pseudomonas aeruginosa NBRC 13275」を用いた。
【0107】
カンジダ菌として、「Candida albicans NBRC 1594」を用いた。
【0108】
(接種用菌液の調製)
「緑膿菌」については、寒天培地で35℃で培養後、更にブイヨン培地に移植して35℃で培養して、接種用菌液を得た。
【0109】
「カンジタ菌」については、寒天培地で25℃で培養後、更にブイヨン培地に移植して30℃で培養して、接種用菌液を得た。
【0110】
(組成物における評価方法−その1)
容積が100mLの滅菌処理を行ったバイアルに、試験菌毎にクレンジング用組成物20mLを注入して試験試料を得た。緑膿菌が10
8CFU/mLになるように調製した接種用菌液を用いて、試験試料に1/100量(0.2mL)の菌液を接種して密閉し、よく混合した。緑膿菌を接種した試料については、35℃の恒温槽内に該バイアルを保存した。
【0111】
(測定)
防腐力の評価(測定)は、緑膿菌については、1日経過時の時点で、該バイアルを取り出し、試料中の生菌数(CFU/mL)を常法により求めた。なお、緑膿菌の生菌数の測定については、35℃で培養を行い、3日後の菌数を測定した。
【0112】
<防腐力の評価基準:緑膿菌>
○:生菌数が、<10CFU/mL
×:生菌数が、>10CFU/mL
【0113】
(組成物における評価方法−その2;緑膿菌をクリアした検体)
容積が100mLの滅菌処理を行ったバイアルに、試験菌毎にクレンジング用組成物20mLを注入して試験試料を得た。カンジダ菌が10
7CFU/mLになるように調製した接種用菌液を用いて、試験試料に1/100量(0.2mL)の菌液を接種して密閉し、よく混合した。カンジダ菌を接種した試料については、25℃の恒温槽内に該バイアルを保存した。
【0114】
(測定)
防腐力の評価(測定)は、カンジダ菌については、7日経過時の時点で、該バイアルを取り出し、試料中の生菌数(CFU/mL)を常法により求めた。なお、カンジダ菌の生菌数の測定については、25℃で培養を行い、3日後の菌数を測定した。
【0115】
<防腐力の評価基準:カンジタ菌>
○:生菌数が、<10
2CFU/mL
×:生菌数が、>10
2CFU/mL
【0116】
(試験例5:クレンジングシートにおける「防腐力」の評価)
(供試菌)と、(接種用菌液の調製)は上記の試験例4と同様。
【0117】
(シートにおける評価方法−その1)
クレンジングシートを10枚重ね、アルミピロー袋内に入れた。次いで、緑膿菌が10
8CFU/mLになるように調製した接種用菌液を用いて、最上段のクレンジングシートに1/100量(0.4mL)の菌液を接種し、密閉した。緑膿菌を接種した該アルミピロー袋については、35℃の恒温槽内に該アルミピロー袋を保存した。
【0118】
(測定)
防腐力の評価(測定)は、緑膿菌については、1日経過時の時点で、該アルミピロー袋内の最上段のシート状化粧料を取り出した。2%Tween80添加の生理食塩水10mLを該シート状化粧料に添加して十分に撹拌した後、懸濁液を回収して該懸濁液中の生菌数(CFU/mL)を常法により求めた。なお、緑膿菌の生菌数の測定については、35℃で培養を行い、3日後の菌数を測定した。
【0119】
<防腐力の評価基準:緑膿菌>
○:生菌数が、<10CFU/mL
×:生菌数が、>10CFU/mL
【0120】
(シートにおける評価方法−その2;緑膿菌をクリアした検体)
クレンジングシートを10枚重ね、アルミピロー袋内に入れた。次いで、カンジダ菌が10
7CFU/mLになるように調製した接種用菌液を用いて、最上段のクレンジングシートに1/100量(0.4mL)の菌液を接種し、密閉した。カンジダ菌を接種した該アルミピロー袋については、25℃の恒温槽内に該アルミピロー袋を保存した。
【0121】
(測定)
防腐力の評価(測定)は、カンジダ菌については、7日経過時の時点で、該アルミピロー袋内の最上段のクレンジングシートを取り出した。2%Tween80添加の生理食塩水10mLを該クレンジングシートに添加して十分に撹拌した後、懸濁液を回収して該懸濁液中の生菌数(CFU/mL)を常法により求めた。なお、カンジダ菌の生菌数の測定については、25℃で培養を行い、3日後の菌数を測定した。
【0122】
<防腐力の評価基準:カンジタ菌>
○:生菌数が、<10
2CFU/mL
×:生菌数が、>10
2CFU/mL
【0123】
結果を下記の表1に示す。
【0124】
【表1】
【0125】
なお、比較例7,8では、(C)成分を用いていないので、シートでの防腐力を高めるために、(D)成分が多く配合されている。比較例7,8では、(D)成分を多く配合しているので、クレンジング後の皮膚のさっぱり感にかなり劣り、クレンジングシートの基本性能に問題があった。また、実施例1において、エタノールの含有量を4.5質量%、4質量%、3.5質量%、3質量%、2.5質量%、2質量%、1.5質量%、1質量%、0.5質量%に変更したクレンジング用組成物について、実施例1と同様に評価したところ、エタノールの含有量が少ないほど、防腐効果及びクレンジング力は、十分ではあるがやや低下する傾向がある一方で、刺激はかなり抑えられる傾向があることを確認した。