特許第6163271号(P6163271)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6163271
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】意匠性発光装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 7/14 20060101AFI20170703BHJP
   G09F 13/04 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   G09F7/14
   G09F13/04 R
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-558444(P2016-558444)
(86)(22)【出願日】2014年11月12日
(86)【国際出願番号】JP2014005676
(87)【国際公開番号】WO2016075723
(87)【国際公開日】20160519
【審査請求日】2017年4月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592193683
【氏名又は名称】株式会社ダイカン
(74)【代理人】
【識別番号】100135781
【弁理士】
【氏名又は名称】西原 広徳
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 明男
【審査官】 谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0111937(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/084453(WO,A1)
【文献】 特許第5514374(JP,B1)
【文献】 特開2007−232971(JP,A)
【文献】 特開2007−72053(JP,A)
【文献】 実開昭56−30377(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 7/00−7/22
G09F 13/00−13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光表面が文字、図形、または模様を表す形状若しくはこれらの逆形状に形成されて光を透過または拡散する光意匠部と、
前記光意匠部に前記発光表面の裏側から光を照射する光源と、
前記光意匠部の形状に沿った開口を有して前記光意匠部と前記光源を支持する筐体と
前記光意匠部の縁部若しくは縁部近傍に一端が接着されて他の部位で前記筐体固定される透明または半透明の支持板とを備え
前記支持板は、前記光源の光が当該支持板内部を通過して前記光意匠部側の一端から照射される光によって前記光意匠部に前記支持板が影となって映らない程度、または前記支持板の一端が前記光意匠部よりも明るくなる程度の光を透過する透過率に構成されている
意匠性発光装置。
【請求項2】
発光表面が文字、図形、または模様を表す形状若しくはこれらの逆形状に形成されて光を透過または拡散する光意匠部と、
前記光意匠部に前記発光表面の裏側から光を照射する光源と、
前記光意匠部の形状に沿った開口を有して前記光意匠部と前記光源を支持する筐体と、
前記光意匠部の縁部若しくは縁部近傍に一端が接着されて他の部位で前記筐体に固定される透明または半透明の支持板とを備え、
前記光意匠部は、外周となる前記縁部若しくは前記縁部近傍に、前記発光面側が突出するように裏側部分が後退した支持用後退縁部を有し、
前記突出する部分の裏面および前記支持用後退縁部に前記支持板の一端が接着されている
意匠性発光装置。
【請求項3】
前記支持板は、前記光意匠部の厚みの1/4よりも薄く形成されている
請求項1または2記載の意匠性発光装置。
【請求項4】
前記支持板は、前記光意匠部に接着された一端とは他端側近傍で前記筐体に固定されている
請求項1、2または3記載の意匠性発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば店名やロゴの照明サインや照明広告等に利用されるような意匠性発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店名やロゴを明るく表示する照明サインや照明広告と呼ばれるような意匠性発光装置が提供されている。このような意匠性発光装置は、光源の光を前面パネルで拡散して拡散光を放出し、店名やロゴ等の意匠を明るく表示するものである。この意匠性発光装置は、視認性が高く美しいことから、ブランドの店舗の正面や入口でブランド名を表示するなど、様々な場所で利用されている。
【0003】
このような意匠性発光装置は、従来のネオンサインから始まって、近年のLEDを用いたLEDサインまで変化してきており、様々な意匠性が求められている。
【0004】
ここで、表示面積を最大とする箱型文字看板が提案されている(特許文献1参照)。この箱型文字看板は、筐体の側板部の側縁部を折り曲げ、アクリル等で構成される表示部の外周端を筐体の側板部に当接させ、表示部の表面を筐体の側縁部に当接させて固定する。これにより、表示部の表面に当接するフランジ状の部材を不要にできるとされている。
【0005】
しかし、この形状では、必ず表示部の外側に金属の筐体の側縁部が存在し、正面から見て全面が表示部となるような意匠性は得られなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−72053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上述の問題点に鑑み、意匠性が表示部と筐体の固定構造に影響されず美しい発光表面が得られる意匠性発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、発光表面が文字、図形、または模様を表す形状若しくはこれらの逆形状に形成されて光を透過または拡散する光意匠部と、前記光意匠部に前記発光表面の裏側から光を照射する光源と、前記光意匠部の形状に沿った開口を有して前記光意匠部と前記光源を支持する筐体とを備え、前記光意匠部の縁部若しくは縁部近傍に一端が接着されて他の部位で前記筐体の固定される透明または半透明の支持板とを備えた意匠性発光装置であることを特徴とする。
前記支持板は、前記光源の光が当該支持板内部を通過して前記光意匠部側の一端から照射される光によって前記光意匠部に前記支持板が影となって映らない程度、または前記支持板の一端が前記光意匠部よりも明るくなる程度の光を透過する透過率に構成されていることが好ましい。
また、前記光意匠部は、外周となる前記縁部若しくは前記縁部近傍に、前記発光面側が突出するように裏側部分が後退した支持用後退縁部を有し、前記突出する部分の裏面および前記支持用後退縁部に前記支持板の一端が接着されていることが好ましい。
また、前記支持板は、前記光意匠部の厚みの1/4よりも薄く形成されていることが好ましい。
また、前記支持板は、前記光意匠部に接着された一端とは他端側近傍で前記筐体に固定されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
この発明により、意匠性が表示部と筐体の固定構造に影響されず美しい発光表面が得られる意匠性発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】正面左下から見た意匠性発光装置の分解斜視図。
図2】意匠性発光装置を横断して一部拡大した部分拡大断面図。
図3】光意匠部および支持部のバリエーションを部分拡大断面図により説明する説明図。
図4】支持部と筐体の固定部分のバリエーションを部分拡大図により説明する説明図。
図5】支持部の配置のバリエーションを正面図により説明する説明図。
図6】本発明に至る前の意匠性発光装置の構成を示す部分拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明者は、まず、図6に示した意匠性発光装置101のように、筐体6の縁を隠せる光意匠部104を備えて全面を発光表面とした。そして、光意匠部104に支持部105の影が写らないように、支持部105を透明のアクリル素材として光意匠部104に接着し、さらに筐体106と支持部105を固定するネジ106dも透明素材によって形成した。しかし、透明にしても表面からみるとうっすらと影が出来てしまう問題が生じた。
【0012】
次に、影がなくなるように、支持部105を薄くすることを考えた。しかし、試してみると、支持部105が薄いことによって接着部分も少なくなり、内部の光源の熱や屋外設置における太陽光の熱等により光意匠部104のアクリルが伸縮すると、接着部分が容易に取れてしまうという問題があった。そのため、支持部105を薄くして製品化することは難しいことがわかり、他の方法で影を無くすことを検討した。
【0013】
その後、光意匠部104の側部を削って後退部を作成すれば、この後退部に支持部105を指し込む形状として光意匠部104と支持部105の接着面積を増やせることを考えた。しかし、実際に試してみると、内部の光源の熱や屋外設置における太陽光の熱等により、光意匠部104のアクリルが伸縮し、それによって支持部105が破損するという問題があった。このため、やはり支持部105を薄くして製品化することは困難であるとの結論に至った。
【0014】
このように、支持部105を薄くすると、接着の問題や破損の問題が生じるために、ネジ止めの数を極力少なくすることや、影が写っても目立たない位置でネジ止めをするという工夫を行っていた。
【0015】
そのような中で鋭意工夫をした結果、支持板105を薄くし、かつ弾力性のある素材とすることで、影が目立たず破損もしない意匠性発光装置の作成に成功した。
以下、この発明の一実施形態を図面と共に説明する。
【実施例1】
【0016】
この発明の意匠性発光装置は、様々な文字、図形、模様について適用できるが、実施例1では、一例としてセリフフォントの一種であるローマン体の文字「D」を例にとって説明する。
【0017】
図1は、正面左下から見た意匠性発光装置1の分解斜視図を示し、図2は、意匠性発光装置1を横断して一部拡大した断面図である。なお、図1では、光源を含む電気関係の部材を図示省略している。
【0018】
図1に示すように、意匠性発光装置1は、光意匠部4と、筐体6とで主に構成されている。
光意匠部4は、文字、図形、又は模様の形状に切り取られて表面を発光表面3とする板形状であり、この実施例1では発光表面3が「D」形状に形成されている。
【0019】
この光意匠部4は、乳白色(白色半透明)のアクリル板により形成されている。なお、光意匠部4は、アクリル板に限らず、ガラス板やプラスチック板等、光を拡散および透過する適宜の素材の板状部材により形成することができる。また、光意匠部4は、透明とすることもできるが、半透明とすることが好ましい。
【0020】
なお、この実施例では光意匠部4を1枚のアクリル板により構成しているが、表面側を透明の透光板(透光パネル)とし、裏面側を半透明の拡散板(拡散パネル)とする構成であってもよい。
【0021】
光意匠部4は、正面側の縁部の角が円弧状に面取りされて面取り部4aが設けられている。なお、この例では円弧状の面取りとしているが、角を直線状に面取りしたテーパー面取りとしてもよい。
【0022】
光意匠部4の外周となる縁部は、裏側(図2の下方)に正面より少し後退した後退縁部4dを有している。この後退部4dは、光意匠部4の厚みのうち1/4以上とすることができ、1/4〜3/4とすることが好ましく、1/3〜2/3とすることがより好ましい。また、後退部4dは、高さ方向の長さ(図2の上下方向の長さ)が幅方向の長さ(図2の左右方向の長さ)よりも長いことが好ましく、1.5倍以上長いことがより好ましく、2倍以上長いことがさらに好ましい。この後退縁部4dは、光意匠部4の縁形状に沿って、支持板5の外周全体に渡って一定の高さおよび幅で形成されている。この後退縁部4dの外側には、筐体6の側面部6bが当接する。
【0023】
また、光意匠部4は、後退縁部4dの裏側(図2の下方)部分がさらに後退した支持用後退縁部4eを有している。この支持用後退縁部4eは、後退部4dの厚みのうち1/4以上とすることができ、1/4〜3/4とすることが好ましく、1/3〜2/3とすることがより好ましく、この実施例では1/2で構成されている。また、支持用後退縁部4eは、高さ方向の長さ(図2の上下方向の長さ)が幅方向の長さ(図2の左右方向の長さ)よりも長いことが好ましく、1.5倍以上長いことがより好ましく、2倍以上長いことがさらに好ましい。この支持用後退縁部4eは、光意匠部4の縁形状に沿って、支持板5と同じ長さかそれ以上の長さに渡って一定の高さおよび幅で形成されている。この支持用後退縁部4eの外側には、支持板5が接着により固定される。
【0024】
この光意匠部4が、文字や図形や模様を構成する意匠部として機能する。また、光意匠部4の正面(表面)が、背面側から正面側へ透過する光によって発光して視認される発光面として機能する。
【0025】
支持板5は板状に形成されている。この支持板5の厚みは、光意匠部4の厚みよりも薄いことが好ましく、光意匠部の厚みの半分よりも薄いことがより好ましく、光意匠部の厚みの1/3よりも薄いことがさらに好ましく、光意匠部の厚みの1/4よりも薄いことが好適である。この実施例では、光意匠部の厚み8.0mmに対して支持板5の厚みを1.0mmとしている。
【0026】
この支持板5の高さ方向の長さ(図2の上下方向長さ)は、筐体6の側面部6bの高さと比べると短く、側面部6bの高さの半分よりは長く構成されており、この実施例では15mmに構成されている。支持板5の幅方向の長さ(図2の奥行方向の長さ)は、支持板5の数に応じて適宜の長さとすることができ、支持板5の高さ方向の長さよりも長いことが好ましく、この実施例では30mmに構成されている。
【0027】
支持板5の素材は、ポリカーボネート、塩ビ(ポリ塩化ビニル)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、プラスチック、またはアクリル等の樹脂により形成するとよく、光意匠部4と比べて弾力性が同じか高いものが好ましい。この実施例では、支持板5をポリカーボネートによって形成している。また、支持板5は、光意匠部の光の透過率と同程度かそれ以上の透過率の半透明または透明に構成されることが好ましく、この実施例では乳白色の半透明、すなわち光意匠部と同系色で同程度の光の透過率を有する半透明に構成されている。
【0028】
筐体6は、図1に示すように、背面部6aが光意匠部4と同じ形状であり、この背面部6aの側端辺から正面に向かって直角に起立する深さ一定の側面部6bが設けられている。従って、筐体6は、光意匠部4と同じ形状の開口6cを正面に有し、側面部6bと背面部6aによって正面以外が覆われる容器状に形成されている。
【0029】
この筐体6は、ステンレスまたは合金等の金属部材によって構成されている。筐体6の内面は、光沢のある白色塗装(白色印刷を含む)が施されている。この白色塗装が光を反射する反射面として機能する。なお、白色塗装の代わりに白色フィルムを設けてもよい。
【0030】
筐体6の背面部6aには、図2に示すように、基板7がネジ11によって固定されている。この基7には、複数の光源9が設けられている。図示する光源9は、回路チップ8に接続されて発光するLEDであるが、これに限らずネオン管、発光部を有するフレキシブル基板、または発光部の光を導光する導光板等、適宜の光源を利用することができる。
また、光源9は、配線10により接続されており、図示省略する電源から電源供給を受けて発光する。
【0031】
以上の意匠性発光装置1により、支持板5およびねじ6dが光源9からの光をさえぎって光意匠部4に影が生じることを防止でき、意匠性が光意匠部4と筐体6の固定構造に影響されず美しい発光表面3が得られる。
詳述すると、支持板5は半透明であるため、光源9からの光を程よく導光して光意匠部4を照射する。従って、支持板5が光を遮断して影になることがなく、光意匠部4から外部へ照射される光が略均等となって影がなく美しく発光する文字、図形、模様を表すことができる。
【0032】
また、光源9からの光は、筐体6内の白色塗装が反射面として機能することもあり、広がった面光として光意匠部4および支持板5に入射し、さらに光意匠部4および支持板5内で拡散されて、光意匠部4から略均一な面光として外部へ照射される。
【0033】
また、光意匠部4の表面側縁の角に面取り部4aを設けているため、光意匠部4内で拡散する光が面取り部4aの外にまで届き、光意匠部4の端まで明るく光らせることができる。
【0034】
また、支持板5が弾力性を有する素材であり、光意匠部4を直接筐体6に固定するのではなく支持板5を介して固定する構造であるため、熱による膨張等を支持板5が吸収して破損を防止することができる。しかも、支持板5の一端側に光意匠部4が固定され、端側近傍がねじ6dによって筐体6に固定される構造であるため、支持板5の弾力性を十分に活かすことができ、光意匠部4が高熱によって大きく伸縮した場合でも破損を防止することができる。
【0035】
また、支持用後退縁部4eを設けたことにより、支持板5を光意匠部4にしっかりと固定することができ、支持板5が光意匠部4から取れてしまうことを防止できる。
【0036】
このようにして表面の全面を光意匠部4としながらも影が映らない意匠性発光装置1は、これまでに無い見た目を与えることができ、高級感のある意匠性発光装置1として提供することができる。
【0037】
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0038】
図3は、意匠性発光装置1の光意匠部4および支持部5のバリエーションを部分拡大断面図により説明する説明図であり、図4は支持部5と筐体6の固定部分のバリエーションを部分拡大図により説明する説明図である。図示以外の構成は図1および図2で説明した実施例と同一であるため、同一の構成要素に同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0039】
図3(A)は、光意匠部4の表面側縁角を面取りせずに角部4bとした実施例2である。
【0040】
図3(B)は、光意匠部4の表面側で外周方向へ突出していた分を割愛して光意匠部4を薄く一回り小さくし、光意匠部4が筐体6内に収まるようにした実施例3である。この場合は、光意匠部4の縁に筐体6の上端が視認され、発光する文字、図形、模様をシルバーの縁が縁取りしている美観が得られる。
【0041】
図3(C)は、光意匠部4の後退縁部4dを無くして支持用後退縁部4eを長くした実施例4である。この場合、筐体6の側面部6bの上端と支持部5の上端がそろって光意匠部4の外側へ突出する部分の裏面に当接する。
【0042】
図3(D)は、上記実施例4の面取り部4aを面取りせずに角部4bとした実施例5である。
【0043】
図3(E)は、上記実施例3の支持用後退縁部4eを無くして光意匠部4の裏面に支持部5を接着した実施例6である。
【0044】
図3(F)は、上記実施例1の面取り部4a(図2参照)を円弧状ではなく直線状に面取りしたテーパー面取り部4fとし、支持部5を筐体6の側面部6bにネジ止めではなく接着剤によって接着した実施例7である。接着剤を塗布している範囲は、光意匠部4から離れた位置を主とする接着範囲15である。
【0045】
図4(A),(B)は、支持部5の裏側端(光意匠部4から最も離れた端部)を内側に折り曲げて誘導部5bとし、この誘導部5bよりも少し光意匠部4側を内側へ凸となるように折り曲げて固定部5aとしている実施例8である。このようにすることで、接着剤やネジ6dで取り付ける作業を省略でき、図4(A)に示す状態から筐体6に支持部5を挿入するだけのワンタッチ操作で図4(B)に示すように固定できる。
【0046】
図4(C),(D)は、実施例4の支持用後退縁部4eを表面側より裏面側が外側へ突出するように傾斜させた実施例9である。図4(C)に示す状態から光意匠部4および支持部5を筐体6内部へ押し込み、支持部5及び筐体6をネジ6dによって固定する。このようにすることで、支持部5が筐体6を押圧する力が加わるため、光意匠部4を筐体6から外れにくくすることができる。なお、この実施例9ではネジ6dによって支持部5と筐体6を固定しているが、ネジ6を無くしても良い。この場合でも押圧力によって支持部5が筐体6から離れてしまうことを防止できる。
【0047】
図4(E),(F)は、実施例8の固定部5aの代わりに固定孔5cを設けた実施例10である。図4(E)に示す状態から光意匠部4および支持部5を筐体6内部へ押し込み、支持部5の下端に設けられた誘導部5bが側面部6bの内側に設けられた取り付け突起6eを乗り越え、図4(F)に示すように固定孔5cに取り付け突起6eがはまり込み固定された状態となる。
【0048】
図4(G),(H)は、実施例8の取り付け突起6eの代わりに取り付け凸部6fを有する取り付け部材6gを筐体6の側面部6bの内側に接着した実施例11である。図4(G)に示す状態から光意匠部4および支持部5を筐体6内部へ押し込み、支持部5の下端に設けられた誘導部5dが側面部6bの内側に設けられた取り付け突起6fを乗り越え、図4(H)に示すように固定部5aに取り付け突起6fがはまり込み固定された状態となる。
【0049】
図5(A)は、光意匠部4の縁部に沿って全周に渡って支持部5を設けた実施例12である。
【0050】
図5(B)は、光意匠部4の縁部に沿って支持部5を6か所に設けた実施例13である。
【0051】
図5(C)は、光意匠部4の縁部に沿って支持部5を22か所に設けた実施例14である。
【0052】
図5(D)は、光意匠部4の縁部に沿って支持部5を4か所に設けた実施例15である。
【0053】
図5(E)は、光意匠部4の縁部に沿って支持部5を4か所に設けた実施例16である。
【0054】
これらの実施例2〜実施例16のように様々な形態としても、いずれの実施例も実施例1にて説明した効果を奏することができる。
【0055】
支持用後退縁部4eを表面側より裏面側が外側へ突出するように傾斜させた実施例9である。このようにすることで、支持部5が筐体6を押圧する力が加わるため、光意匠部4を筐体6から外れにくくすることができる。なお、この実施例9ではネジ6dによって支持部5と筐体6を固定しているが、ネジ6を無くしても良い。この場合でも押圧力によって支持部5が筐体6から離れてしまうことを防止できる。
【0056】
なお、これらの実施例1〜実施例15ではゴシック体や星形図形としたが、実施例1に示したようなセリフフォントとしても良い。また逆に、実施例1にてゴシック体は星形図形を形成してもよい。
【0057】
また、支持部5は半透明としたが、透明とすることもできる。この場合、支持部5が光を導光する機能が高まり、光意匠部4のうち支持部5が存在する部分が明るく見えるようになる。
【0058】
また、意匠性発光装置1は、筐体6の背面部6aが底部となって壁面等の設置面に固定されるが、これに限らず表裏反転して光意匠部4を設置面に対向させて設置面から少し離間して固定してもよい。この場合、表したい文字、図形、模様を左右逆にした形状に形成するとよい。これにより、正面側(視認面側)から見て表したい文字、図形、模様の周囲が光る意匠性を得ることができ、支持板5の影が現れないために周囲の光が不自然になることを防止できる。
【0059】
また、このように表裏反転した場合、光意匠部4に拡散板ではなく透明板を用いても良い。透明板を用いた場合は、直接的な強い光を意匠性発光装置1の光意匠部4から設置面に照射することができる。
【0060】
また、支持板5を接着する支持用後退縁部4eは、光意匠部4の縁全周に渡って設ける、あるいは光意匠部4の縁のうち支持板5の接着部分のみを凹として形成する、あるいは光意匠部4の縁全体を支持用後退縁部4eとするなど、適宜の形状とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
この発明は、箱文字とよばれる立体文字形状等に形成された照明装置に利用することができ、他にも店名やロゴの照明サインや照明広告等に用いることができる。
【符号の説明】
【0062】
1…意匠性発光装置
3…発光表面
4…光意匠部
5…支持板
6…筐体
6c…開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6