特許第6163275号(P6163275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6163275
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】クランプ装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 5/02 20060101AFI20170703BHJP
   B21D 37/14 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   B21D5/02 F
   B21D37/14 H
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-23791(P2017-23791)
(22)【出願日】2017年2月13日
【審査請求日】2017年2月21日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517047330
【氏名又は名称】フジ・プロダクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086863
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 英世
(72)【発明者】
【氏名】陶山 典之
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−057542(JP,A)
【文献】 特開2013−086149(JP,A)
【文献】 特開2001−001047(JP,A)
【文献】 米国特許第05511407(US,A)
【文献】 登録実用新案第3019724(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 5/01− 5/04
B21D 37/04−37/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型Xa、Xbを固定支持するための固定支持体1と、
該固定支持体1の断面両側で、夫々の支点20a、20bを中心に揺動し、金型Xa、Xbの係合部に係合することで前側及び後側のそれぞれの金型Xa、Xbをクランプ可能な前面側及び後面側の各締板体2a、2bと、
上記支点20a、20b中心の揺動を使用して、上記締板体2a、2bの一方により前側金型Xa又は後側金型Xbの一方をニュートラルな位置に置き、上記締板体2a、2bの他方により前側金型Xa又は後側金型Xbの他方の開放の準備をする、その開放準備の操作処理が前面側で可能な操作処理決定用の第1の進退体3と、
前面側の締板体2aのクランプ部反対側に設けられたクランプ量調整体4と、
後面側の締板体2bのクランプ部反対側及び上記クランプ量調整体4と係合可能で、その進退により、上記第1の進退体3で決定された側の前面側及び後面側の各締板体2a、2bの一方の開放準備処理・その後のクランプ処理を行う第2の進退体5と、
上記前面側及び後面側の各締板体2a、2bの揺動支点20a、20bよりクランプ部側に設けられた各弾性体6a、6bと、
上記第1の進退体3の操作処理決定用に取り付け可能で、且つクランプ量調整体4にも取り付け可能な係合操作片7と
を有しており、
該係合操作片7が第1の進退体3の操作処理決定用に取り付けられ、前面側の締板体2aの開放準備処理・その後のクランプ処理用に使用される場合は、その係合操作片7の操作により、第1の進退体3が後面側に押し出され、後面側の締板体2bのクランプ部反対側に係合し押し込まれて、後面側の締板体2bが上記ニュートラルな位置に設定されると同時に、前面側の締板体2aのクランプ部反対側は、揺動支点20aより下方に設けられた弾性体6aの弾発力により後面側へ移動し、併せて前面側の締板体2aに設けられているクランプ量調整体4に当接している上記第2の進退体5も後面側へ移動し、次いで上記係合操作片7を上記クランプ量調整体4に変更して取付け、クランプ量調整体4を後面側へ押し出す方向へ進めると、クランプ量調整体4は、それが設けられている前面側の締板体2aを前面側へ押し出すことになり、前面側の締板体2aは、揺動支点20aを中心とした揺動により前側金型Xaのクランプ部の開放準備処理・その後のクランプ処理用に使用され、
それとは逆に、上記係合操作片7が第1の進退体3の操作処理決定用に取り付けられ、後面側の締板体2bの開放準備処理・その後のクランプ処理用に使用される場合は、その係合操作片7の操作により、第1の進退体3が前面側に押し出され、前面側の締板体2aのクランプ部反対側に係合し押し込まれて、前面側の締板体2aが上記ニュートラルな位置に設定されると同時に、後面側の締板体2bのクランプ部反対側は、揺動支点20bより下方に設けられた弾性体6bの弾発力により前面側へ移動し、併せて後面側の締板体2bに当接している第2の進退体5もクランプ量調整体4に当接するまで前面側へ移動し、次いで上記係合操作片7を上記クランプ量調整体4に上記係合操作片7を変更して取付け、クランプ量調整体4を後面側へ押し出す方向へ進めると、前記第2の進退体5を介して、後面側の締板体2bの揺動支点20bを中心とした揺動により後側金型のクランプ部の開放準備処理・その後のクランプ処理用に使用される
ことを特徴とするクランプ装置。
【請求項2】
上記クランプ量調整体4は、前面側の締板体2aのクランプ部反対側に螺設された螺合部に螺着して構成され、上記係合操作片7の操作方向につき、前面側及び後面側の各締板体2a、2bの各揺動支点20a、20bを中心にした揺動において、両側で反対向きとなるようにしたことを特徴とする請求項1記載のクランプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼板の折り曲げ加工機械、所謂プレスブレーキ用の上金型クランプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プレスブレーキ作業において、加工の対象製品は多種少量、且つ様々な製品形状であるため、各製品の加工に適応できる金型形状への変換が頻繁に行われている。特に金型に関しては、金型の断面形状や、必要な金型長さへの対応など、金型の交換作業は、プレスブレーキの生産性に大きく影響を及ぼす要因になっている。加えて、金型は、断面形状、長さによって、軽作業の範囲を超えるほどの重さもあり、金型の取付、取外しを行う上で、操作性、安全性への改善が強く求められてきた。また、全般的に使用されている多くの金型は、金型の前後方向における中心線に対して対象ではなく、従って様々な製品形状に対応するために、所謂「表付け」、「裏付け」が頻繁に行なわれている。
【0003】
クランプ装置には、この「表付け」、「裏付け」を行うことができる機能が求められ、既存のクランプ装置も基本的には、これらの機能を有してきた(後述する特許文献1参照)。
【0004】
さらに、鋼板曲げ加工中において、クランプ装置と製品との干渉を可能な限り低減するため、干渉しているクランプ装置の構成部品の一部である前面側の締板体あるいは後面側の締板体を取外し、加工対象製品の拡大を図ることも併せて強く求められてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3019725号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら従来技術においては、クランプ装置を構成する前面側の締板体と後面側の締板体の機構が異なっていた事により、取外、再組み付けには、工具を用い少なからぬ時間を要していた。加えて、取り外した部品の散逸にも注意しなければならず、生産性を著しく低下させる要因になっていた。
【0007】
また、従来技術おいては、クランプ装置を構成する前面側の締板体と後面側の締板体の機構が異なっていたことにより、金型の装着、取外し作業も異なり、煩雑になっていた。
【0008】
本発明は、以上のような問題に鑑み創案されたものであって、前面側の締板体及び後面側の締板体を基本的に同一の機構とした上で、且つ前面側の締板体、後面側の締板体のそれぞれの取外し、再組付けに際して工具等を使用することなく簡単に行う事ができ、且つ金型の装着、取外しに際し、表付け、裏付けを基本的に同一の作業内容とすることを可能にしたクランプ装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るクランプ装置は、
金型Xa、Xbを固定支持するための固定支持体1と、
該固定支持体1の断面両側で、夫々の支点20a、20bを中心に揺動し、金型Xa、Xbの係合部に係合することで前側及び後側のそれぞれの金型Xa、Xbをクランプ可能な前面側及び後面側の各締板体2a、2bと、
上記支点20a、20b中心の揺動を使用して、上記締板体2a、2bの一方により前側金型Xa又は後側金型Xbの一方をニュートラルな位置に置き、上記締板体2a、2bの他方により前側金型Xa又は後側金型Xbの他方の開放の準備をする、その開放準備の操作処理が前面側で可能な操作処理決定用の第1の進退体3と、
前面側の締板体2aのクランプ部反対側に設けられたクランプ量調整体4と、
後面側の締板体2bのクランプ部反対側及び上記クランプ量調整体4と係合可能で、その進退により、上記第1の進退体3で決定された側の前面側及び後面側の各締板体2a、2bの一方の開放準備処理・その後のクランプ処理を行う第2の進退体5と、
上記前面側及び後面側の各締板体2a、2bの揺動支点20a、20bよりクランプ部側に設けられた各弾性体6a、6bと、
上記第1の進退体3の操作処理決定用に取り付け可能で、且つクランプ量調整体4にも取り付け可能な係合操作片7と
を有しており、
該係合操作片7が第1の進退体3の操作処理決定用に取り付けられ、前面側の締板体2aの開放準備処理・その後のクランプ処理用に使用される場合は、その係合操作片7の操作により、第1の進退体3が後面側に押し出され、後面側の締板体2bのクランプ部反対側に係合し押し込まれて、後面側の締板体2bが上記ニュートラルな位置に設定されると同時に、前面側の締板体2aのクランプ部反対側は、揺動支点20aより下方に設けられた弾性体6aの弾発力により後面側へ移動し、併せて前面側の締板体2aに設けられているクランプ量調整体4に当接している上記第2の進退体5も後面側へ移動し、次いで上記係合操作片7を上記クランプ量調整体4に変更して取付け、クランプ量調整体4を後面側へ押し出す方向へ進めると、クランプ量調整体4は、それが設けられている前面側の締板体2aを前面側へ押し出すことになり、前面側の締板体2aは、揺動支点20aを中心とした揺動により前側金型Xaのクランプ部の開放準備処理・その後のクランプ処理用に使用され、
それとは逆に、上記係合操作片7が第1の進退体3の操作処理決定用に取り付けられ、後面側の締板体2bの開放準備処理・その後のクランプ処理用に使用される場合は、その係合操作片7の操作により、第1の進退体3が前面側に押し出され、前面側の締板体2aのクランプ部反対側に係合し押し込まれて、前面側の締板体2aが上記ニュートラルな位置に設定されると同時に、後面側の締板体2bのクランプ部反対側は、揺動支点20bより下方に設けられた弾性体6bの弾発力により前面側へ移動し、併せて後面側の締板体2bに当接している第2の進退体5もクランプ量調整体4に当接するまで前面側へ移動し、次いで上記係合操作片7を上記クランプ量調整体4に上記係合操作片7を変更して取付け、クランプ量調整体4を後面側へ押し出す方向へ進めると、前記第2の進退体5を介して、後面側の締板体2bの揺動支点20bを中心とした揺動により後側金型のクランプ部の開放準備処理・その後のクランプ処理用に使用される
ことを基本的特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、係合操作片7が第1の進退体3の操作処理決定用に取り付けられ、前面側の締板体2aの開放準備処理・その後のクランプ処理用に使用される場合は、その係合操作片7の操作により、第1の進退体3が後面側に押し出され、後面側の締板体2bのクランプ部反対側に係合し押し込まれて、後面側の締板体2bが上記ニュートラルな位置に設定されると同時に、前面側の締板体2aのクランプ部反対側は、揺動支点20aより下方に設けられた弾性体6aの弾発力により後面側へ移動し、併せて前面側の締板体2aに設けられているクランプ量調整体4に当接している上記第2の進退体5も後面側へ移動し、次いで上記係合操作片7を上記クランプ量調整体4に変更して取付け、クランプ量調整体4を後面側へ押し出す方向へ進めると、クランプ量調整体4は、それが設けられている前面側の締板体2aを前面側へ押し出すことになり、前面側の締板体2aは、揺動支点20aを中心とした揺動により前側金型のクランプ部の開放準備処理・その後のクランプ処理用に使用され、それとは逆に、上記係合操作片7が第1の進退体3の操作処理決定用に取り付けられ、後面側の締板体2bの開放準備処理・その後のクランプ処理用に使用される場合は、その係合操作片7の操作により、第1の進退体3が前面側に押し出され、前面側の締板体2aのクランプ部反対側に係合し押し込まれて、前面側の締板体2aが上記ニュートラルな位置に設定されると同時に、後面側の締板体2bのクランプ部反対側は、揺動支点20bより下方に設けられた弾性体6bの弾発力により前面側へ移動し、併せて後面側の締板体2bに当接している第2の進退体5もクランプ量調整体4に当接するまで前面側へ移動し、次いで上記係合操作片7を上記クランプ量調整体4に上記係合操作片7を変更して取付け、クランプ量調整体4を後面側へ押し出す方向へ進めると、前記第2の進退体5を介して、後面側の締板体2bの揺動支点20bを中心とした揺動により後側金型のクランプ部の開放準備処理・その後のクランプ処理用に使用されることになるため、前面側の締板体2aの開放準備処理・その後のクランプ処理用に使用される場合も、また後面側の締板体2bの開放準備処理・その後のクランプ処理用に使用される場合も、全て前面側で、係合操作片7を使用して、同様な操作処理により、実行することが可能になるという優れた効果を奏することになる。
【0011】
即ち、本発明の上記のような構成により、前面側の締板体2a及び後面側の締板体2bを基本的に同一の機構とした上で、且つ前面側の締板体2a、後面側の締板体2bのそれぞれの取外し、再組付けに際して、係合操作片7以外の工具を使用することなく簡単に行う事ができ、且つ前側金型Xa及び後側金型Xbの装着、取外しに際し、表付け、裏付けを基本的に同一の作業内容とすることを可能にしている。
【0012】
上記趣旨に鑑み、上記クランプ量調整体4は、前面側の締板体2aのクランプ部反対側に螺設された螺合部に螺着して構成され、上記係合操作片7の操作方向につき、前面側及び後面側の各締板体2a、2bの各揺動支点20a、20bを中心にした揺動において、両側で反対向きとなる機構を有するようにすると良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るクランプ装置によれば、前面側の締板体2a及び後面側の締板体2bを基本的に同一の機構とした上で、且つ前面側の締板体2a、後面側の締板体2bのそれぞれの取外し、再組付けに際して、係合操作片7以外の工具を使用することなく簡単に行う事ができ、且つ前側金型Xa及び後側金型Xbの装着、取外しに際し、表付け、裏付けを基本的に同一の作業内容とすることできるという優れた効果を奏することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施例に係るプレスブレーキ用の上金型クランプ装置の正面図である。
図2】後面側の締板体2bが、後側金型Xbをクランプするニュートラルな位置にセットされ、前面側の締板体2aが、前側金型Xaの開放の準備可能にセットされた状態を示す図1A−A線断面図である。
図3】前面側の締板体2aが前側金型Xaの開放の準備可能にセットされた状態から、係合操作片7を付け替えて、前側金型Xaの横入れ又は下から入れる状態になる前の状態を示す図1B−B線断面図である。
図4】前面側の締板体2aが最大に開いた位置から次第にその開きを縮め、前側金型Xaの横入れができる状態又は下から入れることができるようになった状態を示す図1B−B線断面図である。
図5】前側金型Xaの横入れ又は下入れが終了し前面側締板体2aによる前側金型Xaのクランプが行われた状態を示す図1B−B線断面図である。
図6】前面側の締板体2aが、前側金型Xaをクランプするニュートラルな位置にセットされ、後面側の締板体2bが、後側金型Xbの開放の準備可能にセットされた状態を示す図1A−A線断面図である。
図7】後面側の締板体2bが後側金型Xbの開放の準備可能にセットされた状態から、係合操作片7を付け替えて、前側金型Xaの横入れ又は下から入れる状態になる前の状態を示す図1B−B線断面図である。
図8】後面側の締板体2bが最大に開いた位置から次第にその開きを縮め、後側金型Xbの横入れができる状態又は下から入れることができるようになった状態を示す図1B−B線断面図である。
図9】後側金型Xbの横入れ又は下入れが終了し後面側の締板体2bによる後側金型Xbのクランプが行われた状態を示す図1B−B線断面図である。
図10】ストッパ70が係合操作片7を止めた状態の時の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【実施例】
【0016】
図1は、本発明の実施例に係るプレスブレーキ用の上金型クランプ装置の正面図である。また図2及び図6は、図1のA−A線断面図、図3図5及び図7図9は、図1のB−B線断面図である。
【0017】
これらの図面に示すように、本実施例の構成は、金型Xa、Xbを固定支持するための固定支持体1と、該固定支持体1の断面両側で、夫々の支点20a、20bを中心に揺動し、金型Xa、Xbの係合部に係合することで前側及び後側のそれぞれの金型Xa、Xbをクランプ可能な前面側及び後面側の各締板体2a、2bと、上記20a、20bを支点とする揺動を使用して、上記締板体2a、2bの一方により前側金型Xa又は後側金型Xbの一方をニュートラルな位置に置き、上記締板体2a、2bの他方により前側金型Xa又は後側金型Xbの他方の開放の準備をする、その開放準備の操作処理が前面側で可能な操作処理決定用の第1の進退体3と、前面側の締板体2aのクランプ部反対側に設けられたクランプ量調整体4と、後面側の締板体2bのクランプ部反対側及び上記クランプ量調整体4と係合可能で、その進退により、上記第1の進退体3で決定された側の前面側及び後面側の各締板体2a、2bの一方の開放準備処理・その後のクランプ処理を行う開放用の第2の進退体5と、上記前面側及び後面側の各締板体2a、2bの揺動支点20a、20bよりクランプ部側に設けられた各弾性体6a、6bと、上記第1の進退体3の操作処理決定用に取り付け可能で、且つクランプ量調整体4にも取り付け可能な係合操作片7とを有している。
【0018】
このクランプ装置は、機械本体100に締付ボルト101により締付、固定されている。そして図1のうち、中心部近傍が山形に上部に突出している部分が、上記前面側の締板体2aであり、この部分により、前側の金型Xaの取付、取外しができるようになる。前面側の締板体2aの山形上部突出部形状に合わせてその上の中心部近傍が凹状の部分を有する上側部分が、機械本体100に締付、固定されている支え板102である。この凹んでいる図1左側の斜辺に沿って、上記係合操作片7の動作領域を規制するためのストッパ70(後述する図4図8及び図10参照)が設けられている。
【0019】
前面側の締板体2a及び後面側の締板体2bは、図2図9に示されるように、断面上部側が上に行くに従って固定支持体1の平面より離れるように広がったテーパ部が設けられている。また、それらの中間位置には、断面で見た場合先端が下に向けて突出したサドル21a、21bが図1水平方向にそれぞれ長く突設されており、固定支持体1の同位置に、これとかみ合うように図1水平方向にそれぞれ長く設けれた溝11a、11bが設けられている。そのため、前面側の締板体2a及び後面側の締板体2bは、このかみ合う点を揺動支点20a、20bとして、揺動可能になっている。即ち、これらの揺動支点20a、20bを中心に、前面側の締板体2aは、図2図4に示すように、また後面側の締板体2bは、図6図8に示すように、揺動可能になっている。また、これらのサドル21a、21bと溝のかみ合う点は、そのかみ合わせを離すことで、前面側の締板体2a及び後面側の締板体2bを固定支持体1から取り去ることも可能である。
【0020】
一方、前面側の締板体2a及び後面側の締板体2bの上記揺動支点20a、20bの下方に(締板体2a、2bの揺動支点20a、20bよりクランプ部側に)は、ばね構造体で構成される弾性体6a、6bが設けられており、これらの弾性体6a、6bの弾発力により、前面側の締板体2a又は後面側の締板体2bのクランプが開放された時、揺動支点20a、20bより下が開放されることになる。
【0021】
さらに、前面側の締板体2a及び後面側の締板体2bの下方内側面には、保持金具22a、22bが保持ボルト23a、23bによって突設されており、その突設前後方向に一定量移動可能になるよう装着されている。最終的にこの保持金具22a、22bが、それぞれの前側Xa又は後側金型Xbの係合部に係合することで前側及び後側のそれぞれの金型Xa、Xbをクランプ(係合)することになる。
【0022】
上記第1の進退体3は、図1に示すように、前面側の締板体2aの中心部近傍が山形に上部に突出している部分の中央より両側にあり、図2及び図6に示すように、固定支持体1の上記2つの揺動支点20a、20b近傍を貫通し、前面側の締板体2aクランプ部反対側面、及び後面側の締板体2bクランプ部反対側面に接するねじ状の構成である。 前面側の締板体2a側には内側に凹みが設けられ、そちらに面した第1の進退体3の先端は、後述する操作レバーからなる係合操作片7多角部突片(例えば六角レンチ)の形状に合わせてこれに嵌合する多角形の穴が設けられた頭部30が設けられている。
【0023】
この頭部30の凹みに上記係合操作片7多角部突片が嵌合し、該係合操作片7が操作されることで、後面側の締板体2b側に第1の進退体3が突出した時は、図2に示されるように、そのねじ状の先端が後面側の締板体2bの平面を押し、後面側の締板体2bは、後側金型Xbをクランプするニュートラルな位置にセットでき、その際、前面側の締板体2aは、前面側の上記弾性体6aの弾発力により、前面側の揺動支点20aを中心に揺動せしめられて、前側金型Xaの開放の準備が可能な状態(クランプ部の開放準備処理状態)になる。
【0024】
他方、前面側の締板体2a側に第1の進退体3が移動した時は、図6に示されるように、その第1の進退体3先端の頭部30が前面側の締板体2aの凹みを押し、前面側の締板体2aは、前側金型Xaをクランプするニュートラルな位置にセットでき、その際、後面側の締板体2bは、後面側の上記弾性体6bの弾発力により、後面側の揺動支点20bを中心に揺動せしめられて、後側金型Xbの開放の準備が可能な状態(クランプ部の開放準備処理状態)になる。
【0025】
以上の構成によって、全て前面側における係合操作片7の操作を行うことで、上記前面側の締板体2a、後面側の締板体2bの一方が前側金型Xa又は後側金型Xbの一方をクランプするニュートラルな位置に設定でき、上記前面側の締板体2a、後面側の締板体2bの他方により前側金型又は後側金型の他方の開放の準備ができ、その開放準備の操作処理が可能となる。
【0026】
また、第2の進退体5は、図1に示すように、前面側の締板体2aの中心部近傍が山形に上部に突出している部分の中央上部(上記第1の進退体3の2つに挟まれる部分の上側)にあり、図3図5及び図7図9に示すように、上記第1の進退体3より上部で固定支持体1を貫通し、前面側の締板体2aクランプ部反対側面、及び後面側の締板体2bクランプ部反対側面に接する鍔つき棒状の構成である。
【0027】
外周に調整ねじが螺設されており、またその内周中央部には、凹みが設けられ、その凹みに面した側に、後述する操作レバーからなる係合操作片7の多角部突片(例えば六角レンチ)の形状に合わせてこれに嵌合する多角形の上記凹みからなる穴40が設けられた頭部のある調整ねじからなるクランプ量調整体4が設けられている。このクランプ量調整体4を介して、前面側の締板体2aのクランプ部反対側と上記第2の進退体5の一先端部50が接しており、上記クランプ量調整体4の前進・後退させることで、図3図5、又は図7図9に示すように、上記開放準備処理後の前面側の締板体2a或いは後面側の締板体2bのクランプ部のクランプ量を調整しながら、クランプ処理が行われることになる。
【0028】
その際、本実施例の構成で、前面側の締板体2a平面側に接する上記第2の進退体5の一方の端部近傍には鍔状にリングが螺接されており、上記クランプ量調整体4の進退による上記クランプ処理を可能にしている。
【0029】
以上の本実施例構成からなるクランプ装置は、以下のようにして使用される。
【0030】
まず、後側金型Xbをクランプする(或いはクランプしない)ニュートラルな位置に後面側の締板体2bをセットし、前側金型Xaの前面側の締板体2aによるクランプ処理を行う際には、図2に示すように、上記第1の進退体3頭部30の凹みに、上記係合操作片7の多角部突片を嵌合させ、該係合操作片7を操作させることで、後面側の締板体2b側に第1の進退体3を突出させれば、同図に示されるように、そのねじ状の先端により後面側の締板体2bの平面が押され、後面側の締板体2bは、後側金型Xbをクランプするニュートラルな位置にセットされることになる。その際、前面側の締板体2aは、前面側の上記弾性体6aの弾発力により、前面側の揺動支点20aを中心に揺動せしめられて、前側金型Xaの開放の準備が可能な状態(クランプ部の開放準備処理状態)になる。即ち、前面側の締板体2aは、最大に開いた状態になる。
【0031】
次に、上記係合操作片7を抜き、図3に示すように、該係合操作片7の多角部突片を上記クランプ量調整体4の穴40に嵌合させ、該係合操作片7を回動させて、図4の位置(図1では係合操作片7の下辺が上記ストッパ70で動きを制される位置)に来た時、前面側の締板体2aは、上記揺動支点20aを中心に回動して、上記最大に開いた位置から次第にその開きを縮めた状態になる。この位置で係合操作片7の下辺を上記ストッパ70で止めると、前側金型Xaが、図1の左又は右側からの横入れができる状態になる。或いは、この状態の時に、図4に示すように、前側金型Xaを、下方から入れることが可能な状態になる。金型Xaを下側から挿入する作業の際、記述の前面側の締板体2aの溝に装着されている保持金具22aは、挿入する金型Xaによって一旦溝内部に押し込まれ金型Xaがほぼ正しい位置に装着されたことにより、図示はされていないばね弾性体により保持金具22aは、金型Xaに設けられた溝部に突出し、金型Xaを落下させることなく保持することになる。尚、図10は、上記ストッパ70が係合操作片7を止めた状態の時の使用状態を示す説明図である。
【0032】
横入れ、又は下入れによって、前側金型Xaが前面側の締板体2aによりクランプできる状態になったならば、係合操作片7を回動させて、図5に示す位置(図1では係合操作片7が一番右側になる位置)にセットされる。前側金型Xaは、前面側の締板体2aによって、完全にクランプされる。
【0033】
これまでの操作は、係合操作片7を使用して、前面側で全て行われている。
【0034】
次に以上とは逆に、後側金型Xbが、後面側の締板体2bによって、完全にクランプされるまでの操作につき説明する。
【0035】
まず、前側金型Xaをクランプする(或いはクランプしない)ニュートラルな位置に前面側の締板体2aをセットし、後側金型Xbの後面側の締板体2bによるクランプ処理を行うために、図6に示すように、上記第1の進退体3頭部30の凹みに、上記係合操作片7の多角部突片を嵌合させ、該係合操作片7を操作させることで、前面側の締板体2a側に第1の進退体3を後退させれば、同図に示されるように、第1の進退体3の先端頭部30が前面側の締板体2aの凹みを押し、その結果、前面側の締板体2aの平面が押され、前面側の締板体2aのクランプ部反対側が支え板102に当接するまで移動し、前面側の締板体2aは、前側金型Xaをクランプするニュートラルな位置にセットされることになる。その際、後面側の締板体2bは、後面側の上記弾性体6bの弾発力により、後面側の揺動支点20bを中心に揺動せしめられて、後側金型Xbの開放の準備が可能な状態(クランプ部の開放準備処理状態)になる。即ち、後面側の締板体2bは、最大に開いた状態になる。
【0036】
次に、上記係合操作片7を抜き、図7に示すように、該係合操作片7の多角部突片を上記クランプ量調整体4の穴40に嵌合させ、該係合操作片7を回動させて、図8の位置(図1では係合操作片7の下辺が上記ストッパ70で動きを制される位置)に来た時、後面側の締板体2bは、上記揺動支点20bを中心に回動して、上記最大に開いた位置から次第にその開きを縮めた状態になる。この位置で係合操作片7の下辺を上記ストッパ70で止めると、後側金型Xbが、図1の左又は右側からの横入れができる状態になる。或いは、この状態の時に、図8に示すように、後側金型Xbを、下方から入れることが可能な状態になる。
【0037】
横入れ、又は下入れによって、後側金型Xbが後面側の締板体2bによりクランプできる状態になったならば、係合操作片7を回動させて、図9に示す位置(図1では係合操作片7が一番右側になる位置)にセットされる。後側金型Xbは、後面側の締板体2bによって、完全にクランプされる。
【0038】
これまでの操作についても、係合操作片7を使用して、前面側で全て行われている。また、上記クランプ量調整体4は、上記係合操作片7の操作方向につき、前面側及び後面側の各締板体2a、2bの各揺動支点20a、20bを中心にした揺動において、両側で反対向きになるように設定されると共に、本実施例では、その操作量については、前面側及び後面側の各締板体2a、2bの揺動量と同じになるようにして、金型Xa、Xbに対するクランプ及び開放ができるようにしてあるので、係合操作片7の操作量と前面側の締板体2aと後面側の締板体2bの開放やクランプの処理量において、ハンドリング状違和感を生ずることがない。
【0039】
さらに、以上の説明は、前側金型Xa及び後側金型Xbのクランプ或いは取り外しに、関する操作につき説明したが、前面側の締板体2a、後面側の締板体2bのそれぞれの取外し、再組付けは、前面側の締板体2a或いは後面側の締板体2bの上記サドル21a、21bが固定支持体1の上記溝11a、11bにかみ合っているだけなので、これらの処理も簡単に行えることになる。
【0040】
以上説明した本実施例の構成によれば、前面側の締板体2a及び後面側の締板体2bを基本的に同一の機構とした上で、且つ前面側の締板体2a、後面側の締板体2bのそれぞれの取外し、再組付けに際して、係合操作片7以外の工具を使用することなく簡単に行う事ができ、且つ前側金型Xa及び後側金型Xbの装着、取外しに際し、表付け、裏付けを基本的に同一の作業内容とすることが可能となった。
【0041】
従って、クランプ装置を構成する前面側の締板体と後面側の締板体の機構が異なっていた従来構成で、取外、再組み付けには、工具を用い少なからぬ時間を要する問題や、取り外した部品の散逸による生産性の低下、及びクランプ装置を構成する前面側の締板体と後面側の締板体の機構が異なっていたことによる、金型の装着、取外し作業の煩雑性の問題も解消することになる。
【0042】
尚、本発明のクランプ装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のクランプ装置は、プレスブレーキ用の上金型クランプ装置に限らず、鋼板の折り曲げ機械用の折り曲げ全般に使用することが可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 固定支持体
2a、2b 締板体
3 第1の進退体
4 クランプ量調整体
5 第2の進退体
6a、6b 弾性体
7 係合操作片
11a、11b 溝
20a、20b 支点
21a、21b サドル
22a、22b 保持金具
23a、23b 保持ボルト
30 頭部
40 穴
70 ストッパ
100 機械本体
101 締付ボルト
102 支え板
Xa、Xb 金型
【要約】
【課題】 金型の装着、取外しに際し、表付け、裏付けを基本的に同一の作業内容とすることを可能にするクランプ装置を提供する。
【解決手段】 前面側の締板体2aの開放準備処理・その後のクランプ処理用に使用される場合は、その係合操作片7の操作により、第1の進退体3が後面側に押し出され、後面側の締板体2bのクランプ部反対側に係号し押し込まれて、後面側の締板体2bが上記ニュートラルな位置に設定されると共に、上記クランプ量調整体4に上記係合操作片7を変更して取付け、前面側の締板体2aのクランプ部反対側を前面側に向けて移動せしめられることで、前面側用の締板体2aが該締板体2aの揺動支点20aを中心に揺動しながら前側金型のクランプ部の開放準備処理・その後のクランプ処理用に使用される。
【選択図】 図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10