(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した各従来例においては、支柱の設置をハンドル操作によって簡単にすることができるため、設置作業に関する専門の知識や技術のない看護者等によって手軽に設置できるという利便性があるが、このように設置操作が簡単であると、設置解除操作も簡単になりやすくなるために問題が生じる。すなわち、単にハンドルを回転操作しただけで支柱、手摺が設置解除されてしまうようであると、例えば被看護者が不穏状態に陥ってしまったときの不測の行動によって支柱、手摺が設置解除操作されてしまうおそれがあり、これにより支柱等に体重を預けていた被看護者の支えが無くなって転倒を招くおそれがある。また、支柱等が被看護者に向かって倒れれば怪我をするおそれもある。
【0007】
このような問題を解決するために、従来例においては、簡単に解除操作できないように、上述したようにハンドルをねじ止めしたり、ハンドルを拘束するロック部材を設けた上で、さらにこのロック部材をロック解除操作するための押しボタンを拘束するロックピンを差し込むようにしている。
【0008】
しかしながら、上述のようにハンドルをねじ止めすると、ねじを紛失してしまうおそれがある。上述のようにハンドルから取り外されるロックピンを設けた場合にも同様に紛失のおそれがある。一方、仮にロックピンを使用しなくとも、上述のロック部材によってハンドルを拘束することは不可能ではないが、このロック部材を操作する押しボタンはハンドル正面中央の目立つ位置にあることから、上述した不測の操作を受けやすくなる。
【0009】
本発明は以上の欠点を解消すべくなされたものであって、設置・設置解除操作の手軽さをあまり損ねることなく、不測の操作をより有効に防止することができる手摺装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、上記目的は、
主支柱材1に副支柱材2を摺動させて伸縮自在に形成される支柱部3と、
前記主支柱材1に装着される取付ベース29、および、前記主支柱材1と副支柱材2を連結する連結位置と当該連結状態を解除する連結解除位置との間で移動操作自在に前記取付ベース29に連結される連結体6を備え、連結体6の連結位置への移動に伴って支柱部3を所定長伸長駆動させて両端を設置天井面4と設置床面5に圧接させ、該両端を連結位置において圧接状態に維持して支柱部3を立設させる操作部22と、
外部に露出した状態で
前記取付ベース29に脱離不能に保持され、連結体6を連結位置に拘束する係止位置と当該拘束状態を解除する係止解除位置との間を移動操作自在で、かつ、連結体6の連結解除位置から連結位置への移動により正面側から目視不能な位置に配置されるストッパ7とを有する手摺装置を提供することにより達成される。
【0011】
本発明によれば、手摺装置は、伸縮自在な支柱部3の両端を設置天井面4と設置床面5に圧接させ、この圧接状態を維持することにより、設置天井面4と設置床面5との間で突っ張り状に支柱部3を架設させる。この支柱部3には、連結位置と連結解除位置との間で移動操作自在な連結体6が装着されており、支柱部3は、連結体6の連結位置への移動操作によって伸長駆動されて設置天井面4と設置床面5に両端を圧接させ、連結体6が連結位置をとるときに縮退を規制して設置天井面4と設置床面5への圧接状態を維持する。連結体6への移動操作による支柱部3の伸縮駆動や縮退の規制は、上述した従来例のように連結体6によってリンク機構を構成したり、ラックとピニオンを利用したり、さらには、送りねじ等の適宜の操作力の伝達機構を用いたりして実現することが可能である。
【0012】
また、本発明において、連結体6を連結位置に拘束するストッパ7は、支柱部3と連結体6のいずれかに脱離不能に保持されるために紛失することがない。さらに、ストッパ7は、連結体6を拘束した状態において、連結体6の正面側から目視不能な位置で拘束解除操作可能に外部に露出することから、容易に目に付くことがなく、不測の操作を受けにくくなる。看護者等が支柱等を設置解除するときには、外部に露出しているストッパ7を操作すれば足りるために、あまり手間取ることもない。
【0013】
上記ストッパ7は、例えば、連結体6と支柱部3のいずれかに形成された被係止部8への係脱により連結体6を連結位置に拘束したり、連結解除位置への移動を許容したりして構成することができる。この場合において、ストッパ7を被係止部8への係止位置側に付勢すれば、連結位置への移動操作に伴ってストッパ7を被係止部8に弾発係止させて連結体6を連結位置に拘束することができるために、設置操作を簡単にすることができる。
【0014】
また、連結体6を支柱部3に回転自在に連結して該連結体6を含めて上述した従来例のようにリンク機構9を構成すれば、支柱部3の伸長駆動等のための構造を簡易に実現することができる。この場合において、連結体6の連結位置への初期移動操作力をカム部11により支柱部3へのクランプ力に変換して支柱部3を保持するクランプ装置12を設ければ、このクランプ装置12によって上記リンク機構9の支柱部3との連動を解除することで支柱部3の自由な長さ調整を簡単に行うことができる。
【0015】
さらに、上述のようにクランプ装置12にカム部11を設けた場合において、金属板材を折曲して形成される連結体本体13と、連結体本体13に装着され、該連結体本体13の回転移動に伴ってクランプ装置12に形成されたカム部11に摺接するカム受け部材14とを有して連結体6を構成すれば、カム機構の良好な作動状態を確保した高強度な連結体6を容易に製造することができる。
【0016】
また、上述したストッパ7は、不測の操作を防止するために連結位置をとる連結体6の正面側から目視不能であれば足り、例えば連結位置をとる連結体6の背面側に配置するなどすることが可能であるが、ストッパ7を支柱部3の外周側に突出して保持させるとともに、底面側に開放するストッパ収容部15を設けた連結体6を支柱部3に垂直回転自在に連結すれば、ストッパ収容部15内にストッパ7を収容させることにより正面側から容易に目視不能にすることができる。この場合、連結体6の側壁部16、すなわち正面側以外に開口部17を設けることにより、この開口部17を介してストッパ7の外部からの拘束解除操作を可能にすることができる。
【0017】
さらに、連結体6をレバー状、すなわち長尺にして上記開口部17を先端部に開設するとともに、開口部
17から連結体6内方に挿入される長尺工具18の先端により拘束解除操作可能な位置にストッパ7を収容させれば、ストッパ7の拘束解除操作のためには長尺工具18等の特殊な道具が必要になるために、被看護者が仮にストッパ7の存在に気付いたとしても容易に操作できなくなる。
【0018】
以上の支柱部3は、上述したようにそのまま縦方向の手摺として機能させたり、あるいは手摺として機能する横木を取り付けるための支持部材として機能させたりすることができる。
【0019】
また、上述したように連結体6の操作によって支柱部3を伸長駆動できるようにした場合、この伸長駆動を吸収して両端に所定の圧接力を付与する付勢手段を設ければ、支柱の設置天井面4や設置床面5への圧接力を良好に管理することができ、設置天井面4や設置床面5の設置に伴う損傷を良好に防止して設置状態をより確実に安定させることができる。
なお、本発明によれば、
主支柱材1に副支柱材2を摺動させて伸縮自在に形成される支柱部3と、
前記主支柱材1と副支柱材2を連結する連結位置と当該連結状態を解除する連結解除位置との間で移動操作自在に支柱部3に装着され、連結位置への移動に伴って支柱部3を所定長伸長駆動させて両端を設置天井面4と設置床面5に圧接させ、該両端を連結位置において圧接状態に維持して支柱部3を立設させる連結体6と、
前記支柱部3と連結体6のいずれかに脱離不能に保持され、連結体6を連結位置に拘束するとともに、該拘束状態において連結体6の正面側から目視不能な位置で拘束解除操作可能に外部に露出するストッパ7とを有する手摺装置を提供することも可能である。
【発明の効果】
【0020】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、設置・設置解除操作の手軽さをあまり損ねることなく、不測の操作をより有効に防止することができる手摺装置を提供することができるために、在宅看護等における看護者の負担をより軽減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1ないし
図10に本発明の実施の形態を示す。この実施の形態において、手摺装置は、
図1に示すように、伸縮自在に形成された支柱部3と、この支柱部3に取り付けられる手摺部21と、上記支柱部3の伸縮動作を操作、制御するための操作部22とを有する。この操作部22の配置高さHは、この実施の形態においては、被看護者が白内障であるときにもその歩行の邪魔にならないように、被看護者の目線よりやや上の位置に設定される。なお、説明の理解を容易にするために、
図1に示す設置状態を基準にして上下を定義する。
【0023】
上記支柱部3は、
図5に示すように、大径パイプ(主支柱材1)と、この大径パイプ1内を摺動自在な小径パイプ(副支柱材2)とを有し、テレスコープ状に小径パイプ2を大径パイプ1から引き出し、あるいは大径パイプ1内に収容することにより伸縮自在に形成される。上記大径パイプ1と小径パイプ2は、表面を樹脂被覆、あるいはメッキ処理した直管状の鋼管からなる。大径パイプ1が下側に配置されるこの実施の形態において、支柱部3の伸縮は、大径パイプ1から上方に引き出される小径パイプ2の長さを調整してなされる。
【0024】
また、室内の天井面(設置天井面4)と床面(設置床面5)への有効な設置状態を確保するために、上記支柱部3は、
図1に示すように小径パイプ2の上端側に天井側支持部23を、大径パイプ1の下端側に床側支持部24を備える。上記天井側支持部23は、支柱部3を壁面の近くに設置することができ、また、野縁間に跨がることで天井板ではなく野縁によって応力負担できるようにするために、長尺の矩形ブロック状に形成される。この天井側支持部23には、
図10(b)に示すように、小径パイプ2の先端が抜去可能に嵌入される嵌入孔23aが形成される。一方、上記床側支持部24は、ベッドの下に入り込むことにより設置状態の安定性をより高めることができるようにするために、適宜の広さを備えた板状に形成され、その周縁部近傍において大径パイプ1の下端部がネジ止めされる。
【0025】
上記手摺部21は、
図1に示すように、一端部が上記支柱部3に取り付けられて該支柱部3に対して直交する方向、すなわち水平方向に延びる手摺体25を有する。この手摺体25は、上述した大径パイプ1と同様に直管状の鋼管に樹脂被覆を施して形成されたもので、支柱部3に対してジョイント材26により締結される。上記ジョイント材26はいわゆるT型ジョイントであり、大径パイプ1が貫通する図外の支柱貫通孔と、この支柱貫通孔に直交する方向に凹溝状に形成されて手摺体25の一端部が挿入される図外の手摺挿入部とを有し、大径パイプ1と手摺体25の双方にボルト止めされる。また、上述したように支柱部3をベッド脇に立設した際に、被看護者のベッドからの立ち上がり動作を良好に補助できるようにするために、上記手摺体25は、この実施の形態においては支柱部3の下部に上下3列をなすように所定間隔で3本設けられる。
【0026】
また、以上の手摺体25を支持するために、上述した手摺部21は鉛直方向に延びる支持脚部27を備える。この支持脚部27は、上述した手摺体25と同様に直管状の鋼管に樹脂被覆を施して形成されたもので、手摺体25の支柱部3反対端部を支承する。以上の支持脚部27は、その上端が最上段の手摺体25とコーナージョイント材28により連結される。このコーナージョイント材28は、いわゆるエルボジョイントであり、手摺体25の反対端部と、支柱脚部27の上端部とが嵌入される一対の嵌入凹部を直交方向に備え、手摺体25と支柱脚部27の双方に嵌合する。また、支柱脚部27と残余の手摺体25との連結は上述同様ジョイント材26を利用してなされる。
【0027】
上記操作部22は、
図2に示すように、ハンドル部(連結体6)と、このハンドル部6を支柱部3に取り付けるための取付ベース29とを有する。上記取付ベース29は、
図2、
図4、
図7(a)、および
図8に示すように、金属板材を折曲して上述した大径パイプ1よりもひとまわり大きい略C字断面の円筒近似形状に形成された筒部29aを有し、この筒部29aの側壁面には貫通状に適数のネジ穴29bが形成される。取付ベース29の支柱部3への取り付けは、上記筒部29a内に大径パイプ1の上端部を挿入した後、上記ネジ穴29bにねじ込まれるイモネジ29cによって大径パイプ1外周面を押圧することによりなされる。また、筒部29aの長手方向中間部の側壁面には、外周側から内周側に向かって大径パイプ1の外径よりも内方まで押し込むように凸状に変形させることにより、大径パイプ1を上方に抜け止めするための抜け止め部29dが形成される。なお、発明の理解を容易にするために
図4(a)等においてはハンドルカバー31が省略されている。
【0028】
さらに、上記筒部29aの下部には、
図4、
図7(a)、および
図8に示すように、その長手方向に沿って一対の突片29e、29eが上述したC字断面の開放端縁から平行に突設される。この一対の突片29e、29eには、
図8に示すように上下方向に長い長孔29fが水平方向に連通して穿孔される。また、筒部29aの上部は下部に比べてより開放面積を大きくしたC字断面にされ、後述するクランプ装置12の収容部29gが形成される。
【0029】
上記ハンドル部6は、
図2ないし
図4に示すように、レバー状のハンドル本体30
(連結体本体13)と、このハンドル本体30を覆うハンドルカバー31とを有する。上記ハンドル本体30は、金属板材を折曲して短冊状の天井壁30aの両側縁および一端縁から側壁30bを直交方向に垂下して中空状に形成され、その内部には底面側に開放するストッパ収容部15が形成される。なお、以下の説明においては、天井壁30aの両側縁から垂下する側壁30bと、一端縁から垂下する側壁30bとを区別するために、これらをそれぞれハンドル横壁30ba、ハンドル先端壁30bbとして説明する。
【0030】
また、上記ハンドル横壁30baは、ハンドル先端壁30bbの反対方向、すなわち終端方向に天井壁30aを越えて延設され、その終端部には貫通孔30cが連通して穿孔される。さらに、ハンドル横壁30baの上記貫通孔30cよりもややハンドル先端壁30bb寄りの位置には連結孔30dが穿孔される。一方、ハンドル先端壁30bbには、天井壁30a寄りの位置に開口30eが開設される。
【0031】
上記ハンドルカバー31は、ハンドル部6の操作感触を良好にする以外に、被看護者が誤ってハンドル部6に衝突しても大怪我にならないようにもするためのもので、合成樹脂材により形成され、
図3および
図4に示すように、ハンドル本体30の上述した天井壁30aに対応する天井壁対応部31a、ハンドル横壁30baに対応するハンドル横壁対応部31ba、ハンドル先端壁30bbに対応するハンドル先端壁対応部31bbを備えて中空状にされ、ハンドル本体30の外側を覆うことができるように形成される。このハンドルカバー31は、ハンドル本体30同様、ハンドル本体30の底面側に対応する部位が開放して形成され、ハンドル横壁30baの先端縁には、
図7(a)に示すように、上記ハンドル横壁30baの先端に係止する係止爪31cが形成される。なお、
図3等において31dは、上述した貫通孔30cや連結孔30dに挿入されるボルト等の締結具の頭部やナットを覆うための締結具覆い部である。また、ハンドル先端壁対応部31bbには、上述した開口30eに対応する部位に透孔31eが開設される。
【0032】
以上のハンドルカバー31のハンドル本体30への取り付けは、ハンドル本体30にハンドルカバー31を被せて上述した係止爪31cをハンドル横壁30baの先端に係止させてなされる。これにより、ハンドル本体30の側壁30bをハンドルカバー31のハンドル横壁対応部31ba、ハンドル先端壁対応部31bbで覆ったハンドル部
6の側壁部16には、ハンドルカバー31の透孔31eとハンドル本体30の開口30eとが重合して開口部
17(被係止部8)が形成される。また、このようにして形成されるハンドル部6の上述した取付ベース29との連結は、
図3に示すように、リンク10を介してなされる。
【0033】
リンク10は、両端部に挿入孔10aを有し、その一方にハンドル本体30の連結孔30dに挿入されたボルト32Aを通すことによりハンドル部6と回転自在に連結され、また、その他方に取付ベース29の長孔29fに挿入されたボルト32Bを通すことにより取付ベース29にクランクスライダ状に連結され、ハンドル部6を取付ベース29、すなわち大径パイプ1に自由度を持って回転自在に連結する。このリンク10は、ハンドル本体30のストッパ収容部15の幅寸法よりもやや狭く、かつ、一対の突片29e、29eの幅方向寸法よりもやや幅広に配置された一対のリンク片10b、10bの中央部を連結片10cで連結して形成され、上述した挿入孔10aは各リンク片10bの両端部に開設される。なお、
図3において32Aa、32Baはナットである。
【0034】
また、上述した小径パイプ2の大径パイプ1からの引き出し等を操作、制御するために、上記ハンドル部6には、
図4に示すように、小径パイプ2をクランプ可能なクランプ装置12が装着される。このクランプ装置12は、
図3および
図4に示すように、上述した小径パイプ2の外径よりもやや大きい断面の中空部を備えたクランプ部33と、このクランプ部33に装着されるハンドル受け34とを有する。
【0035】
上記クランプ部33は、小径パイプ2よりも内径がやや大きい断面C字の筒近似形状に形成されて径方向に拡縮変形自在なクランプ本体33aと、上記C字断面の開放端縁から外周側に向かって所定間隔を隔てて延設された一対の挟持片33b、33bとを有し、金属板材を折曲して形成される。上記C字断面の開放間隔は、この開放部33cを閉塞するように円筒状に弾性変形させたときのクランプ本体33aの内径が小径パイプ2の外径よりもやや小さくなる程度にされる。また、上記挟持片33bの一対には、連通状に貫通する貫通孔33dが穿孔され、さらに、各挟持片33bのクランプ本体33a長手方向における両端には、リブ状の回転規制片33eが突設される。
【0036】
上記ハンドル受け34は、上述した挟持片33bの各々における開放部33c反対面に装着されてハンドル部6の装着面を提供するもので、合成樹脂材によりブロック状に形成される。各ハンドル受け34には、上述した挟持片33bの貫通孔30dに連通する貫通孔34aが穿孔され、また、上述した回転規制片33eに当接する受け面34bが形成されてこれらの当接によりクランプ本体33aの貫通孔33d周りでの回転が規制される。
【0037】
さらに、各ハンドル受け34の挟持片33bとの当接面に対する反対面には、
図6に示すよう解除位置受け面35と、連結位置受け面36と、これら解除位置受け面35と連結位置受け面36との境界部に配置されるカム面(カム部11)とが形成される。上記解除位置受け面35は、各ハンドル受け34をクランプ本体33aに装着して背向させたときに、その一対の間隔が、上述したハンドル本体30におけるハンドル横壁30ba、30ba間の間隔と同じになる高さに形成される。また、上記連結位置受け面36は、解除位置受け面35に比べて上記当接面からの高さが高く形成されており、上記カム面11は、当接面からの高さを漸次変更して、すなわち傾斜面により構成されて解除位置受け面35と連結位置受け面36をスムーズに接続する。これら解除位置受け面35、カム面11、連結位置受け面36は、後述するように貫通孔34a周りにハンドル部6、すなわちハンドル横壁30baを回転させたときに、ハンドル横壁30baに順次接触することができる位置に配置される。
【0038】
以上のクランプ装置12とハンドル部6との連結は、
図3に示すように、挟持片33bとハンドル受け34のそれぞれの貫通孔33d、34aと、ハンドル本体30の貫通孔30cとにボルト32Cを一連に貫通させてなされ、これによりハンドル部6にクランプ装置12が回転自在に連結される。連結状態において、
図4(b)に示すようにハンドル横壁30baが連結位置受け面36に接しているときには、一対のハンドル横壁30ba、30baによって一対の挟持片33b、33bが近接方向に押し込まれるために、クランプ本体33aが縮径変形する。この状態からハンドル部6をクランプ装置12に対して回転させ、ハンドル横壁30baがカム面11の形成領域に至ると、
図6(b)および(d)に示すように、回転に伴って挟持片33bの近接方向への押し込みが次第に解除され、これに伴ってクランプ本体33aが漸次弾性復帰し、さらに回転してハンドル横壁30baが解除位置受け面35に至れば、
図6(a)および(c)に示すように、挟持片33bの押圧が開放されてクランプ本体33aは縮径変形が解消される。なお、
図3等において32Caはナットである。
【0039】
以上のクランプ装置12のクランプ本体33a内に小径パイプ2を挿入すれば、ハンドル部6の回転操作によって小径パイプ2をクランプしたり、クランプ解除したりすることができ、これによりハンドル部6を小径パイプ2の長手方向所定位置に固定したり、小径パイプ2の長手方向に相対移動可能にしたりすることができる。上述したようにクランプ本体33aが筒近似形状に形成されて小径パイプ2、すなわち支柱部3の長手方向に沿ってある程度の長さを備えることにより、小径パイプ2のクランプ状態が安定する。
【0040】
また、ハンドル部6は、クランプ装置12以外にも、上述したように取付ベース29、すなわち大径パイプ1に対してもリンク10を介して回転自在に連結されるために、小径パイプ2をクランプ部33でクランプさせたときには、小径パイプ2と大径パイプ1の相対移動が原則として禁止され、支柱部3が所定の長さに維持されやすくなるし、クランプを解除すれば、支柱部3の長さを変更しやすくなる。一方、ハンドル部6は、上述したように取付ベース29、すなわち大径パイプ1にクランクスライダ状に連結されるリンク10を介して大径パイプ1に連結されているために、上述したようにクランプ部33で小径パイプ2をクランプすれば、ハンドル部6、リンク10、支柱部3がリンク機能を果たすことによってクランクスライダ機構
(リンク機構9)が構成される。
【0041】
したがってクランプ本体33aに小径パイプ2を挿入すると、ハンドル部6は、
図5(a)に示すように支柱部3に対してほぼ直交する位置(連結解除位置)から、上述したクランクスライダ機構におけるスライド移動を伴うリンク10の時計回りの回転によって
図5(b)に示すように下方に向かって少し回転する位置(初動位置)まで回転することができる。このとき、リンク10を取付ベース29に接続するボルト32Bの軸は、回転するハンドル部6によってリンク10が押し込まれることにより、
図5に示すように長孔29fの上端部近傍の位置から下方に移動する。上記連結解除位置においては、ハンドル横壁30baは解除位置受け面35に接しており、クランプ装置12はクランプ解除状態にあるために小径パイプ2をクランプ装置12に対して相対移動させることが可能であり、したがって小径パイプ2を手で把持して大径パイプ1に対して進退動させることにより、支柱部3を自由に伸縮させることができる。
【0042】
一方、上記初動位置においては、ハンドル横壁30baは解除位置受け面35を外れてカム面11に対してある程度乗り上げており、これに伴ってクランプ本体33aも縮径変形していることでクランプ装置12がクランプ状態に移行している。ここからハンドル部6をさらに下方に回転操作すると、今度は小径パイプ2を大径パイプ1から引き出す方向への動作、すなわち、上述した支柱部3の伸長駆動を伴ってリンク10が回転する。ハンドル部6が最下方である支柱部3に沿う位置(連結位置)まで回転したときには、
図4に示すように、ハンドル横壁30baは連結位置受け面36に到達し、リンク10は支柱部3にほぼ沿う姿勢になり、上述した長孔29f内では、その中央近傍にボルト32Bの軸が位置する。また、このときハンドル本体30と取付ベース29とは、上述したストッパ収容部15内に上述した突片29eを収容する位置をとる。なお、以上のように支柱部3が伸長駆動される際には、クランプ装置12の下部が取付ベース29の収容部29g内に位置しており、クランプ装置12が取付ベース29の筒部29aに支えられることにより、ハンドル部6の回転に伴って大径パイプ1や小径パイプ2に過度の応力が生じてしまうことが防止される。
【0043】
また、再度、ハンドル部6を上記連結位置から連結解除位置まで戻すと、以上とは逆に支柱部3が縮退駆動されるとともに、長孔29f内をボルトの軸が上昇し、また、クランプ装置12がクランプ解除状態になって支柱部3を手で把持して伸縮できるようになる。したがって手摺装置は、ハンドル部6を連結解除位置にしておいて予め手動により支柱部3の両端、すなわち天井側支持部23と床側支持部24を天井4と床5に接触するように合わせておき、次いで、ハンドル部6を連結位置まで回転操作すれば、支柱部3の伸長によって天井側支持部23と床側支持部24を天井4と床5に圧接させ、これにより支柱部3を天井4と床5の間に突っ張り状にしっかりと立設させることができる。また、この後、ハンドル部6を連結解除位置まで戻せば、天井側支持部23等の天井4等への圧接を解除して支柱部3を天井4と床5の間から容易に取り外すことができる。また、ハンドル部6を連結解除位置まで戻す際には、クランプ装置12もクランプ解除状態に移行するために、自重を利用して小径パイプ2を大径パイプ1内に収容することも可能であり、そのまま支柱部3を短縮させることもできる。
【0044】
また、手摺装置は、上述した小径パイプ2の大径パイプ1内での摺動をスムーズにするために、小径パイプ2の軸心を大径パイプ1の軸心に位置合わせするガイド体37を備える。このガイド体37は、具体的には
図8に示すように、小径パイプ2の外径にほぼ近似する内径を備えた筒状に形成されるとともに、外周面が段付き形状にされ、その上部には上述した抜け止め部29dの内方に嵌合可能な外径を備えた小径部37aが、一方、その下部には、上述した取付ベース29の筒部29aの内径とほぼ近似する外径を備えた大径部37bが形成される。
【0045】
さらに、手摺装置は、上述のように自重を利用した小径パイプ2の大径パイプ1への収容時における下方への降下速度を減速等させるために、小径パイプ2と大径パイプ1の間に介在される摩擦体38を備える。この摩擦体38は、具体的には
図8に示すように、ゴムによりキャップ状に形成されており、小径パイプ2の下端に装着される。この摩擦体38は、
図5に示すように、小径パイプ2内に圧入可能な円柱部38aの下端に小径パイプ2の外周面にほぼ一致するフランジ状に形成された張り出し部38bを備え、上記円柱部38aを小径パイプ2の下端部に圧入して固定される。また、上記張り出し部38bには、大径パイプ1の内径よりも外側に突出する突起38cの適数が周方向に均等に突出して形成される。この突起38cの突出高さは、大径パイプ1内に張り出し部38bを挿入させた際に、その摩擦抵抗によって小径パイプ2の荷重による降下速度を適宜軽減できるように適宜設定される。
【0046】
以上のガイド体37、摩擦体38の手摺装置への組付けは、以下のようにすることができる。先ず、ガイド体37に関しては、
図4に示すように、取付ベース29内に下方からガイド体37を挿入した後、さらに大径パイプ1を挿入してガイド体37の大径部37bを抜け止め部29dに係止させ、この状態でイモネジ29cにより取付ベース29に大径パイプ1を取り付ける。これによりガイド体37は取付ベース29の抜け止め部29dと大径パイプ1の上端とに挟持され、以後、ガイド体37に挿入することで小径パイプ2を大径パイプ1と軸心を合わせるように保持することができる。また、摩擦体38に関しては、下端に摩擦体38を装着した小径パイプ2を上述したクランプ本体33a内に下方から挿通させた後、小径パイプ2の下端部を取付ベース29、ガイド体37を貫通させ、上述したように取付ベース29に取り付けられた大径パイプ1に挿入する。これにより小径パイプ2の大径パイプ1に対する移動時に摩擦体38の突起38cが摩擦抵抗として機能する。
【0047】
また、以上のようにガイド体37や摩擦体38の組み付けが完了すると、後は、クランプ部33を取付ベース29の近傍に位置させ、ハンドル受け34を介してハンドル部6をクランプ部33にボルト止めするとともに、リンク10を取付ベース29とハンドル部6にボルト止めすると、手摺装置が完成する。この際、ハンドル部6を上述した連結解除位置に合わせることにより、クランプ部33が小径パイプ2の長手方向に移動自在になるために、上述したクランプ部33の位置合わせやボルト止め作業を簡単に行うことができる。
【0048】
また、上述した支柱部3には、上述した天井側支持部23と床側支持部24の天井、床への圧接力を良好に管理にするために、その伸縮を吸収して上記圧接力を生じさせる弾性伸縮部39が形成される。この弾性伸縮部39は、上述した圧接力となる適宜の弾力を備えた圧縮バネ40を支柱部3に組み込むことにより構成されるもので、具体的には、小径パイプ2の伸縮方向に進退自在に装着されるソケット41に圧縮バネ40を組み込むことにより形成される。
【0049】
上記ソケット41は、
図10(a)に示すように、天井部41aの周縁から周壁41bを垂下して形成され、天井部41aの下方に上述した圧縮バネ40を収容するバネ収容部41dを備える。上記天井部41aの上面には、ボルト32Dの頭部32Daを収容するボルト収容凹部41cが凹設され、ソケット41は、上記ボルト収容凹部41cに頭部32Daを収容してソケット41を貫通するボルト32Dの先端部を小径パイプ2の上端側にナット32Dbで拘束して小径パイプ2に取りつけられる。
【0050】
また、このようにボルト32Dの先端部をナット32Dbを利用して小径パイプ2の上端側に拘束するとともに、圧縮バネ40をソケット41内に安定して保持するために、
図10(a)に示すように、小径パイプ2の上端にはホルダ42が固定される。ホルダ42は、底壁42aの周縁から表裏方向にほぼ直交して縦壁42bを延設して形成され、底壁42aの上面側に上述した圧縮バネ40を収容するバネ格納部42cを、下面側に小径パイプ2の上端部が挿入されるパイプ挿入部42dを備える。このホルダ42の縦壁42bの外径寸法は、ソケット41のバネ収容部41dの内径寸法よりもやや小さくなるように設定される。また、上記底壁42aの中央には、ボルト穴42eが穿孔される。
【0051】
以上の弾性伸縮部39は、底壁42a上面側に圧縮バネ40を挿入したホルダ42にソケット41を被せた後、ソケット41のボルト収容凹部41cに頭部32Daを収容したボルト32Dの先端をホルダ42のボルト穴42eに通してナット32Dbを螺着することにより形成される。このナット32Dbを螺着する際、ホルダ42の縦壁42b上面とソケット41の天井壁41a下面との間に適宜の隙間が確保されることにより、この隙間を利用することでソケット41とホルダ42が近接、離隔方向に移動できるようにされる。なお、上記隙間は、ホルダ42の底壁42a表面側における縦壁42bの高さと同じ程度にされる。また、以上の弾性伸縮部39は、ホルダ42のパイプ挿入部42dに小径パイプ2の上端部を挿入した上で、縦壁42bを貫通させた押しネジ42fで小径パイプ2の外面を押圧することにより小径パイプ2に固定される。
【0052】
したがって上述したようにハンドル部6を回転操作して支柱部3を伸長駆動させ、天井側支持部23等を天井4等に圧接させる際には、圧縮バネ40が圧縮されることで天井側支持部23等の天井4等への過剰な圧接が回避されるとともに、このように圧縮された圧縮バネ40によって良好な圧接力が確保されることから、支柱部3を天井4と床5の間に良好に突っ張り状に立設させることができる。
【0053】
また、手摺装置は、支柱部3の設置状態を解消させてしまうハンドル部6の連結位置からの妄りな移動操作を防止するために、ストッパ7を備える。このストッパ7は、
図3に示すように、その一端部に係止部43を、他端部に板材をS字状に折曲して形成された弾性変形脚44を備えて合成樹脂材により一体形成される。また、ストッパ7の中間部には、
図4(a)に示すように、上述した取付ベース29の長孔29fと合致する長穴部45と、この長穴部45の一端部に長穴部45と連続して開設され、長穴部45の幅方向を拡幅するようにして長穴部45の長手方向に所定長の範囲に渡って形成されるガイド穴部46とが形成される。
【0054】
以上のストッパ7は、幅寸法が上述した取付ベース29に形成される一対の突片29e、29e間の間隔よりもやや狭い程度にされ、
図4(b)および
図8に示すように突片29e、29e間に挿入される。このストッパ7の保持は、
図4(a)に示すように、リンク10の挿入孔10aと取付ベース29の長孔29fとに挿入されるボルト32Bを上記長穴部45に貫通させることによりなされる。また、上記突片29e、29eには、上記ガイド穴部46の周縁に摺接してストッパ7の進退動方向をガイドするガイドネジ32Eと、上記弾性変形脚44の先端側に係止部43反対方向から当接する抑えネジ32Fがねじ込まれる。さらに、上述した取付ベース29による保持状態において、ストッパ7の係止部43は突片29eよりも下方に突出し、この係止部43の位置は、連結位置をとるハンドル部6の開口部
17の位置に一致する。
【0055】
したがってストッパ7は、上記ガイドネジ32Eによって支柱部3の長手方向にほぼ平行に進退移動可能で、また、抑えネジ32Fによって上述した係止部43が突片29eから突出する方向に付勢される。この付勢により、ハンドル部6が連結位置を取るときには係止部43が開口部
17に進入する位置(係止位置)をとり、これによりハンドル部6の連結位置からの移動が規制される。このときストッパ7は突片29eとともにハンドル部6のストッパ収容部15内に収容される。上述した開口部
17からの係止部43の脱離は、
図9に示すように、ハンドルカバー31の外側から上述した透孔31eを介して開口部
17内に向かって鍵等47を挿入し、係止部43を開口部
17から押し出す方向に押せばよく、これにより弾性変形脚44が撓んで係止部43が開口部
17から外れる位置(係止解除位置)に移動し、ハンドル部6の連結位置からの移動規制が解除される。
【0056】
また、このようにして係止部43を係止解除した後、ハンドル部6を連結解除位置等に移動させた状態で係止部43の押し込み操作が解除されていれば、係止部43は係止位置に復帰する。この係止部43は、
図7等に示すように、支柱部3に対峙して開口部
17の周縁に係止する係止面43aに加え、支柱部3の反対側に位置して先端に行くに従って支柱部3に漸次近接する傾斜面43bを備えるために、この後さらにハンドル部6を連結位置に向かって移動させると、ハンドル先端壁30bbの下端に傾斜面43bが押され、これにより生じる分力によって弾性変形脚44が撓んで係止部43が係止解除位置に移動する。この後、ハンドル部6が連結位置に移動すると、係止部43は開口部
17を臨む位置になるために、弾性変形脚44の付勢力によって係止位置に移動する。
【0057】
係止位置をとる係止部43は、開口部
17を介してハンドル部6から外部に露出するが、その大きさが小さく、また、ハンドルカバー31があるために、例えば
図2(a)に示すように透孔31eの斜め下側から積極的にのぞき込むようにしなければ目視することができないために、あまり目に付かないことから不測の誤操作を受けにくくなる。
【0058】
図11ないし
図13に本発明の変形例を示す。なお、以下の変形例において上述した実施の形態と同一の要素は同一の符号を付して説明を省略する。この変形例において、中空のハンドル本体30には、
図11(b)および
図12に示すように、その長手方向中央寄りの位置に中間壁48が形成され、この中間壁48よりも基端側がストッパ収容部15とされる。また、上記中間壁48には、上述した開口部17とほぼ重合する位置に係止開口48aが形成される。一方、上述したストッパ収容部15の位置変更に伴い、ストッパ7、および上述した突片29e、29eに代替する後述のストッパ格納部49は、ハンドル部6が連結位置をとるときに、中間壁48の基端側に位置し、ストッパ7の係止部43は係止位置において上記係止開口48a内に進入する。
【0059】
したがってこの変形例においては、ハンドル部6のより深い位置に係止部43が位置するために、ストッパ7の目視を極めて困難にすることができる。また、ストッパ7の係止解除位置への移動操作には、
図13に示すように、ドライバなどの長尺工具18等の使用が必要になるために、このように長尺で細いものを手摺装置の近傍に置いておかないことにより、ストッパ7の妄りな解除操作を防止することができる。
【0060】
さらに、この変形例において、クランプ装置12は、ハンドル受け34を省略してクランプ部33のみにより構成される。このクランプ装置12は、ダイキャストにより形成され、
図11(b)、
図14(a)および(b)に示すように、挟持片33b、33bには貫通孔33d周りに解除位置受け面35、カム面11、連結位置受け面36が時計回りの配置順で形成される。
【0061】
一方、ハンドル部6は、
図11(b)に示すように、ハンドル本体30に合成樹脂材を射出成形して形成されたカム受け部材14を装着して構成される。このカム受け部材14は、ハンドル横壁30baの基端部の内壁面側に装着されるもので、装着状態でハンドル横壁30baに重なる取付板部14aと、ハンドル横壁30baの先端縁に被さるリブ14bとを備える。上記取付板部14aには、
図14(c)および(d)に示すように、ハンドル本体30の貫通孔30cに連通する連通孔14cが形成され、この連通孔14c周りに解除位置受け面対応面14d、連結位置受け面対応面14eが周方向に交互に形成される。
【0062】
したがってハンドル部6を回転操作すると、射出成形によって高い寸法精度で形成された解除位置受け面対応面14dが、ダイキャストによって同じく高い寸法精度で形成された解除位置受け面35等に順次接触し、クランプ装置12をよりスムーズにクランプ、クランプ解除させることができる。また、ハンドル部6とクランプ装置12とは合成樹脂材同士で接触するために、耐摩耗性も良好になる。
【0063】
加えて、この変形例においては、取付ベース29もダイキャストにより形成され、突片29e、29eに代えて、底壁側に開放するボックス状のストッパ格納部49が形成され、このストッパ格納部49の内壁にストッパ7を摺接させることにより、ストッパ7におけるガイド穴部46が省略される。また、ストッパ7の弾性変形脚44を抑えネジ32Fに係止させることにより、ストッパ収容部49からのストッパ7の脱落が防止される。
【0064】
なお、以上においては支柱部3が単一である場合を示したが、複数にして支柱部3、3間に手摺体25を架設することも可能である。また、手摺装置は室内に設置する以外に、軒先等の屋外に設置することも可能であり、この場合、例えば屋根の下面と靴脱ぎ石の表面を天井面4、床面5の代替として機能させることが可能である。