(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
有底円筒形状のモータハウジングと、前記モータハウジングの内壁に配置されたモータマグネットと、前記モータマグネットの内側にて前記モータハウジング内に回転自在に配置されたアーマチュアと、ブラシを有し前記アーマチュアに電流を供給する給電装置と、を有する電動モータと、
前記電動モータのアーマチュアの回転を減速して出力する出力部材を有する減速装置と、を備える減速装置付電動モータにおいて、
略円柱棒形状に形成され、前記モータハウジングの底部の略中央に一方の端部の一箇所でのみ直接軸止されるとともに他方の端部は前記モータハウジングの開口から外側に向けて突出し、前記一方の端部により前記モータハウジングに固定配置された主軸部材を備え、
前記アーマチュアは前記主軸部材と同軸にて前記主軸部材を囲んで前記モータハウジング内に配置され、
前記減速装置は、前記アーマチュアと前記主軸部材の前記他方の端部との間にて前記主軸部材を囲んで配置されるとともに、円環形状に形成された前記出力部材が前記主軸部材を囲んで同軸にて配置され、
前記アーマチュアは、アーマチュア軸と、前記アーマチュア軸の外周面に外側から嵌められて固定されているアーマチュアコアと、前記アーマチュアコアの両端面に配置されたインシュレータと、コイルと、コンミテータと、を備え、
前記アーマチュアコアには、等ピッチに配置された複数のティースが形成され、
前記コイルは、前記ティースにおいて前記インシュレータの外側から集中巻きにて巻き回すことにより形成され、
前記減速装置は、固定内歯歯車と、揺動歯車と、を備えることを特徴とする減速装置付電動モータ。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)次に、この発明の第1の実施形態の減速装置付電動モータ1につい
て
図1から
図8に基づいて説明する。
【0019】
図1および
図2に示されるように減速装置付電動モータ1は、電動モータ100と、減速装置10と、主軸部材200と、ケース部材300と、を備える。
【0020】
図2および
図3に示されるように電動モータ100は、有底円筒形状のモータハウジング110と、モータハウジング110の内壁に配置された複数のモータマグネット120と、モータマグネット120の内側にてモータハウジング110内に回転自在に配置されたアーマチュア130と、ブラシ(145,146)を有しアーマチュア130に電流を供給する給電装置140と、を備える。
【0021】
また、
図2および
図4に示すように、減速装置付電動モータ1に備えられた主軸部材200は、略円柱棒形状に形成され、モータハウジング110の底部111に一方の端部201が軸止されるとともに他方の端部202はモータハウジング110の開口から外側に向けて突出している。すなわち、主軸部材200は、一方の端部201によりモータハウジング110に固定配置されている。
【0022】
電動モータ100のアーマチュア130は、
図2および
図5に示されるように、中空かつ棒状に形成された円筒形状のアーマチュア軸131と、複数の鋼板を積層して形成されアーマチュア軸131の外周面に外嵌固定されているアーマチュアコア132と、アーマチュアコア132の両端面に配置されたインシュレータ(133,133)と、コイル134と、リングマグネット138と、コンミテータ135と、を備えている。
【0023】
ここで、アーマチュアコア132には等ピッチに放射状に配置された複数のティース132aが形成されており、コイル134はこのティース132aにおいてインシュレータ(133,133)の外側からマグネットワイヤWを集中巻きにて巻き回すことにより形成されている。また、リングマグネット138は周方向に交互に異なる磁極が形成されており、アーマチュアコア132の一方の端面132bに当接した状態にてアーマチュア軸131の外周面に外嵌固定されている。
【0024】
また、コンミテータ135は、ブラシ(145,146)が摺接する複数の板状のコンミコンミテータ片136により形成される。ここで、各コンミテータ片136は、アーマチュア130の軸心LAに対し直交する方向に放射状に等ピッチに配置され、アーマチュアコア132の一方の端面132bに取り付けられている。そして、コンミテータ片136の径方向外側の外周部には棒状のフッキング部137が一体形成されている。ここで、フッキング部137は、アーマチュアコア132を貫きアーマチュアコア132に対してコンミテータ片136の反対側に突出している。そして、フッキング部137の端部はアーマチュアコア132に向けて折り返されており、この端部にコイル134を形成するマグネットワイヤWが係止されている。
【0025】
そして、アーマチュア130のモータ1への配置は、
図2および
図3に示されるように、アーマチュア130は主軸部材200と同軸にて、すなわち、アーマチュア130の軸心LAが主軸部材200の軸心LSとが同軸となる状態にて、アーマチュア130が主軸部材200を囲んだ状態にてアーマチュア130はモータハウジング110内に配置される。この配置において、アーマチュア130のアーマチュア軸131は、主軸部材200の外側に回転自在に嵌合される。
【0026】
次に、
図2および
図6に基づいて電動モータ100の給電装置140について説明する。
【0027】
給電装置140は、樹脂材からなる板状かつ円盤形状の本体部材141と、外部コネクタ(図示せず)が接続されるコネクタ142と、制御基板143と、電流制御素子であるPCT素子144と、バネ部材(147,148)と、バネ部材(147,148)にそれぞれ取り付けられたブラシ(145,146)と、を備える。ここで、制御基板143の上面にはセンサ素子としてのホールIC(143a,143b)が取り付けられている。
【0028】
そして、
図2に示すように、給電装置140は本体部材141がアーマチュア130に対向する状態にてモータ100に配置され、本体部材141によりモータハウジング110の開口は覆蓋される。ここで、ホールIC(143a,143b)は、アーマチュア130に設けられたリングマグネット138に対向配置され、ホールIC(143a,143b)によりアーマチュア130の回転が検出される。
【0029】
また、制御基板143、PTC素子144およびバネ部材(147,148)は、ともに本体部材141においてアーマチュア130と対向する対向面141aに一体的に配置されている。ここで、バネ部材(147,148)はそれぞれ板状の導電性の弾性部材により形成されている。また、バネ部材(147,148)は、板状の弾性部材が折り曲げされて形成されており、一端の固定部(147b,148b)により本体部材141に寄り付けられ、軸方向に変位自在である他端の変位部(147a,148a)にブラシ(145,146)が取り付けられている。そして、このブラシ(145,146)がアーマチュア130のコンミテータ片136に摺接する。
【0030】
また、コネクタ142、制御基板143、PCT素子144およびバネ部材(147,148)は、それぞれ互いにバスバーBにより電気的に接続されている。そして、このバスバーBにより外部コネクタ(図示せず)からコネクタ142に供給される電力は、から、制御基板143を経由してバネ部材(147,148)を介してブラシ(145,146)に供給される。そして、ブラシ(145,146)によりアーマチュア130のコイル134に電力が供給される。
【0031】
上記のように、電動モータ100のアーマチュア130は、マグネットワイヤWが接続されるコンミテータ135のフッキング部137が、アーマチュアコア132を挟んでコンミテータ片136と反対側に突出する構成となっていることにより、電動モータ100は、給電装置140が軸方向においてアーマチュア130に近接することが可能な構造となっている。そのため、電動モータ100は軸方向にコンパクト、すなわち、扁平な構造となっている。
【0032】
さらに、給電装置140において、ブラシ(145、146)をアーマチュア130に向けて付勢するバネ部材(147,148)は、折り曲げられて形成されているとともに直接、給電装置140の本体部材141に軸方向にコンパクトに設けられ、このバネ部材(147,148)にブラシ(145,146)が電気的かつ機械的に直接に取り付けられている。そのため、アーマチュア130に給電装置140を軸方向に近接して配置することができ、電動モータ100は軸方向にさらにコンパクト、すなわち、さらに扁平な構造となっている。
【0033】
次に、
図2、並びに
図7および
図8に基づき減速装置付電動モータ1に備わる減速装置10について説明する。
【0034】
図7および
図8に示すように、減速装置10は、円盤形状の連結部材11と、外歯と有する3つの第1遊星歯車(12a,12b,12c)と、外歯を有する3つの第2遊星歯車(13a,13b,13c)と、第1および第2遊星歯車(12a〜12c,13a〜13
c)間を連結する3つの連結軸(14a,14b,14c)と、円環状に形成され外歯を有する固定歯車15と、円環状に形成された出力部材16と、を備える。ここで、出力部材16は、円環状に形成され外歯を有する出力歯車16bと、円環状に形成されるとともに出力歯車16bに一体的に取り付けられた連係部材16aと、を備える。
【0035】
そして、第1遊星歯車(12a〜12c)は、連結部材11において減速装置10の軸心LGを中心とする同心円上に等ピッチに120°間隔に配置されるとともに、連結軸(14a〜14c)により連結部材11に回転自在に軸支される。また、第2遊星歯車(13a〜13c)は連結軸(14a〜14c)により、第1遊星歯車(12a〜12c)と同行回転する。そして、第1遊星歯車(12a〜12c)は軸心LGに同心状に配置された固定歯車15と噛合され、出力部材16は軸心LGに同心状に配置され第2遊星歯車(13a〜13c)に噛合される。
【0036】
そして、
図2に示すように、減速装置10は、電動モータ100のアーマチュア130と、主軸部材200の他方の端部202との間において、主軸部材200を囲んで配置される。このとき、減速装置10の軸心LGと主軸部材200の軸心LSとは同軸であり、円環形状に形成された固定歯車15および出力部材16は、主軸部材200を囲んで同軸に配置される。また、固定歯車15は給電装置140の本体部材141に取り付けられ、固定歯車15は給電装置140を介してモータハウジング110に対し固定配置され、出力部材16は主軸部材200に対し回転自在に勘合される。すなわち、出力部材16はモータハウジング110に対し回転自在に配置されている。
【0037】
ここで、減速装置10の連結部材11は電動モータ100のアーマチュア軸131に一体的に取り付けられており、連結部材11はアーマチュア100と同行回転する。そして、このように構成された減速装置10により電動モータ100のアーマチュア100の回転は減速され、減速された出力が減速装置10の出力部材16から出力される。
【0038】
そして、略有底筒形状のケース部材300が減速装置10を覆うようにしてモータブラケット110に取り付けられる。ここで、ケース部材300の底部300aには、減速装置10の出力部材16が挿通配置される中空部が形成されており、中空部の内壁には出力部材16の外壁に当接し、ケース部材300と出力部材16との間に形成される隙間をシールするシール部材302が取り付けられている。このように、減速装置10はケース部材300により覆われるとともに、シール部材302によりシールされることにより、減外部からの埃や水が保護される。
【0039】
次に、減速装置付電動モータ1のパワーウィンドウシステムへの取り付けについて、
図9および
図10に基づいて説明する。
【0040】
減速装置付電動モータ1は、パワーウィンドウシステムに備わるモータブラケット400に取り付けられる。この取り付けは、モータブラケット400の取り付け部401に、電動モータ1のケース部材300に設けられた取り付け部301を当接させるとともに、取り付け部同士(401,301)を、ネジSおよびナットNにより締結することにより行われる。
【0041】
そして、電動モータ1のモータブラケット400への取り付けにおいて、電動モータ1の主軸部材200の他方の端部202は、モータブラケット400の保持部402により軸止される。また、ワイヤ線600が掛けまわされたドラムホイール500が、出力部材16の連係部材16aに取り付けられ、ドラムホイール500は出力部材16と同行回転する。ここで、ドラムホイール500に掛けまわされたワイヤ線600は、パワーウィンドウシステムを動作する操作手段であり、減速装置付電動モータ1が作動することにより、
ワイヤ線600を介してパワーウィンドウシステムが作動される。
【0042】
(第2の実施形態)次に、この発明の第2の実施形態の減速装置付電動モータ700について
図11および
図12に基づいて説明する。なお、第2の実施形態の減速装置付電動モータ700は、第1の実施形態の減速装置付電動モータ1と比して、主に減速装置の構造が異なる。従って、以下、減速装置について説明し、その他の部分については同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0043】
図11に示されるように減速装置付電動モータ700は、電動モータ100と、減速装置800と、主軸部材200と、ケース部材300と、を備える。
【0044】
そして、
図12に示すように、減速装置800は、円盤形状の連結部材811と、外歯と有する3つの第1遊星歯車(812a,812b,812c)と、外歯を有する3つの第2遊星歯車(813a,813b,813c)と、第1および第2遊星歯車(812a〜812c,813a〜813c)間を連結する3つの連結軸(814a,814b,814c)と、円環状に形成され内歯を有する固定歯車815と、円環状に形成された出力部材816と、を備える。ここで、出力部材816は、円環形状に形成された連係部材816aと、連係部材816aに外壁に一体的に形成された円盤形状の接続部材816cと、円環形状に形成され内歯と有するとともに接続部材816cに一体的に取り付けられた出力歯車816bと、を備える。
【0045】
そして、第1遊星歯車(812a〜812c)は、連結部材811において減速装置800の軸心LGを中心とする同心円上に等ピッチに120°間隔に配置されるとともに、連結軸(814a〜814c)により連結部材811に回転自在に軸支される。また、第2遊星歯車(813a〜813c)は連結軸(814a〜814c)により、第1遊星歯車(812a〜812c)と同行回転する。そして、第1遊星歯車(812a〜812c)は軸心LGに同心状に配置された固定歯車815と噛合され、出力部材816は軸心LGに同心状に配置され第2遊星歯車(813a〜813c)に噛合される。
【0046】
そして、
図11に示すように、減速装置800は、電動モータ100のアーマチュア130と、主軸部材200の他方の端部202との間において、主軸部材200を囲んで配置される。このとき、減速装置800の軸心LGと主軸部材200の軸心LSとは同軸であり、円環形状に形成された固定歯車815および出力部材816は、主軸部材200を囲んで同軸に配置される。また、固定歯車815は給電装置140の本体部材141に取り付けられ、固定歯車815は給電装置140を介してモータハウジング110に対し固定配置され、出力部材816は主軸部材200に対し回転自在に勘合される。すなわち、出力部材816はモータハウジング110に対し回転自在に配置されている。
【0047】
ここで、減速装置800の連結部材811は電動モータ100のアーマチュア軸131に一体的に取り付けられており、連結部材811はアーマチュア100と同行回転する。そして、このように構成された減速装置800により電動モータ100のアーマチュア100の回転は減速され、減速された出力が減速装置800の出力部材816から出力される。
【0048】
(第3の実施形態)次に、この発明の第3の実施形態の減速装置付電動モータ900について
図13および
図14に基づいて説明する。なお、第3の実施形態の減速装置付電動モータ900は、第1の実施形態の減速装置付電動モータ1と比して、主に減速装置の構造が異なる。従って、以下、減速装置について説明し、その他の部分については同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0049】
図13に示されるように減速装置付電動モータ900は、電動モータ100と、減速装置910と、主軸部材200と、ケース部材300と、を備える。
【0050】
そして、
図14に示すように、減速装置910は、略同一形状にて円盤形状に形成された第1および第2連結部材(911a,911b)よりなる連結部材911と、外歯と有する3つの第1遊星歯車(912a,912b,912c)と、外歯を有する3つの第2遊星歯車(913a,913b,913c)と、第1および第2遊星歯車(912a〜912c,913a〜913c)を支持する3つの支軸(914a,914b,914c)と、円環状に形成され内歯を有する固定歯車915と、円環状に形成された出力部材916と、を備える。
【0051】
ここで、出力部材916は、円環形状に形成された連係部材916aと、連係部材916aに外壁に一体的に形成された円盤形状の接続部材916cと、円環形状に形成され内歯と有するとともに接続部材916cに一体的に取り付けられた出力歯車916bと、を備える。
【0052】
また、第1および第2連結部材(911a,911b)は所定の間隔を隔てて互いに平行に配置され、同心円上に等ピッチに120°間隔に配置された支軸(914a〜914c)により互いに固定される。
【0053】
ここで、互いに対応する第1および第2遊星歯車(912aと913a,912bと913b,912cと913c)とは、同心状に向かい合わせの状態にて、互いに接合固定されている。第2遊星歯車(913a〜913c)は第1遊星歯車(912a〜912c)と同行回転する。
【0054】
そして、互いに対応する第1および第2遊星歯車(912aと913a,912bと913b,912cと913c)は、第1および第2連結部材(911a,911b)の間に配置されるとともに、支軸(914a〜914c)により回転自在に支持される。そのため、第1遊星歯車(912a〜912c)に接合固定された第2遊星歯車(913a〜913c)は、第1遊星歯車(912a〜912c)と同行回転する。そして、上記ように配置された第1および第2遊星歯車(912aと913a,912bと913b,912cと913c)は、連結部材911に回転自在に軸支される。
【0055】
また、第1遊星歯車(912a〜912c)は軸心LGに同心状に配置された固定歯車915と噛合され、出力部材916は軸心LGに同心状に配置され第2遊星歯車(913a〜913c)に噛合される。
【0056】
そして、
図13に示すように、減速装置910は、電動モータ100のアーマチュア130と、主軸部材200の他方の端部202との間において、主軸部材200を囲んで配置される。このとき、減速装置910の軸心LGと主軸部材200の軸心LSとは同軸であり、円環形状に形成された固定歯車915および出力部材916は、主軸部材200を囲んで同軸に配置される。また、固定歯車915は給電装置140の本体部材141に取り付けられ、固定歯車915は給電装置140を介してモータハウジング110に対し固定配置され、出力部材916は主軸部材200に対し回転自在に勘合される。すなわち、出力部材916はモータハウジング110に対し回転自在に配置されている。
【0057】
ここで、減速装置910の連結部材911は電動モータ100のアーマチュア軸131に一体的に取り付けられており、連結部材911はアーマチュア100と同行回転する。そして、このように構成された減速装置910により電動モータ100のアーマチュア100の回転は減速され、減速された出力が減速装置910の出力部材916から出力される。
【0058】
(第4の実施形態)次に、この発明の第4の実施形態の減速装置付電動モータ1000について
図15および
図16に基づいて説明する。なお、第4の実施形態の減速装置付電動モータ1000は、第1の実施形態の減速装置付電動モータ1と比して、主に減速装置の構造が異なる。従って、以下、減速装置について説明し、その他の部分については同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0059】
図15に示されるように減速装置付電動モータ1000は、電動モータ100と、減速装置1010と、主軸部材200と、ケース部材300と、を備える。
【0060】
そして、
図15および
図16に示されるように、減速装置1010は、固定内歯歯車1011と、揺動歯車1012と、出力部材1016と、を備える。固定内歯歯車1011は、給電装置440の本体部材441に一体的に設けられている。また、出力部材1016には、出力歯車1016bが設けられている。
【0061】
揺動歯車1012は、アーマチュア軸131に対し偏心配置されている偏心部材131a回転自在に軸支されている。揺動歯車1012には、外歯歯車1012aおよび内歯歯車1012bが設けられている。そして、外歯歯車1012aは、固定内歯歯車1011に転動して噛合するよう配置されるとともに、内歯歯車1012bは、出力歯車1016bに転動して噛合するよう配置されている。
【0062】
出力部材1016には、連係部材1016aが設けられており、この連係部材1016aに第1の実施形態と同様にドラムホイール500が取り付けられる。
【0063】
図15に示すように、減速装置1010は、電動モータ100のアーマチュア130と、主軸部材200の他方の端部202との間において、主軸部材200を囲んで配置される。このとき、減速装置1010の軸心LGと主軸部材200の軸心LSとは同軸であり、円環形状に形成された固定内歯歯車1011および出力部材1016は、主軸部材200を囲んで同軸に配置される。また、固定内歯歯車1011は給電装置440の本体部材441に取り付けられ、固定内歯歯車1011は給電装置440を介してモータハウジング110に対し固定配置され、出力部材1016は主軸部材200に対し回転自在に勘合される。すなわち、出力部材1016はモータハウジング110に対し回転自在に配置されている。
【0064】
ここで、減速装置1010の揺動部材1012は電動モータ100のアーマチュア軸131に回転自在に取り付けられており、揺動部材1012はアーマチュア100の回転に伴い揺動運動する。そして、このように構成された減速装置1010により電動モータ100のアーマチュア100の回転は減速され、減速された出力が減速装置1010の出力部材1016から出力される。
【0065】
(第5の実施形態)次に、この発明の第5の実施形態の減速装置付電動モータ1100について
図17および
図18に基づいて説明する。なお、第5の実施形態の減速装置付電動モータ1100は、第1の実施形態の減速装置付電動モータ1と比して、主に減速装置の構造が異なる。従って、以下、減速装置について説明し、その他の部分については同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0066】
図17に示されるように減速装置付電動モータ1100は、電動モータ100と、減速装置1110と、主軸部材200と、を備える。
【0067】
そして、
図17および
図18に示されるように、減速装置1110は、固定内歯歯車11
11と、外歯歯車1112と、連結部材(1113,1114)と、第1遊星歯車(1115a〜1115c)と、第2遊星歯車(1116a〜1116c)と、連結軸(1117a〜1117c)と、出力部材1118と、を備える。ここで、出力部材1118には、円環形状の出力歯車1118bが設けられている。
【0068】
固定内歯歯車1111は、円環形状に形成され、給電装置540の本体部材541に固定配置されておる。また、外歯歯車1112は、円盤形状に形成され、アーマチュア軸131に取り付けられている。それぞれ円環形状に形成された連結部材(1113,1114)には、連結軸(1117a〜1117c)が取り付けられており、連結軸(1117a〜1117c)により連結部材(1113,1114)は互いに平行配置されている。そして、連結軸1117aに第1および第2遊星歯車(1115a,1116a)が設けられている。同様に、連結軸1117bに第1および第2遊星歯車(1115b,1116b)が、さらに、連結軸1117cに第1および第2遊星歯車(1115c,1116c)が設けられている。ここで、第1および第2遊星歯車(1115a,1116a)、第1および第2遊星歯車(1115b,1116b)、第1および第2遊星歯車(1115c,1116c)は、互いに同行回転するよう設定されている。
【0069】
そして、第1遊星歯車(1115a〜1115c)は、固定内歯歯車1111と外歯歯車1112との間に配置され、固定内歯歯車1111及び外歯歯車1112に噛合するよう設定されている。あまた、第2遊星歯車(1116a〜1116c)は、出力歯車1118bに噛合するよう設定されている。
【0070】
そして、減速装置1110は、電動モータ100のアーマチュア130と、主軸部材200の他方の端部202との間において、主軸部材200を囲んで配置される。このとき、減速装置1110の軸心LGと主軸部材200の軸心LSとは同軸であり、円環形状に形成された固定歯車1111および出力部材1118は、主軸部材200を囲んで同軸に配置される。また、固定歯車1111は給電装置540の本体部材541に取り付けられ、固定歯車1111は給電装置540を介してモータハウジング110に対し固定配置され、出力部材1118は主軸部材200に対し回転自在に勘合される。すなわち、出力部材1118はモータハウジング110に対し回転自在に配置されている。
【0071】
ここで、減速装置1110の外歯歯車1112は電動モータ100のアーマチュア軸131に一体的に取り付けられており、外歯歯車1112はアーマチュア100と同行回転する。そして、このように構成された減速装置1110により電動モータ100のアーマチュア100の回転は減速され、減速された出力が減速装置1110の出力部材1118から出力される。なお、出力部材11118には、連係部材1116aが設けられており、この連係部材1116aに第1の実施形態と同様にドラムホイール500が取り付けられる。
【0072】
(第6の実施形態)次に、この発明の第6の実施形態の減速装置付電動モータ1200について
図19から
図22に基づいて説明する。なお、第6の実施形態の減速装置付電動モータ1200は、第1の実施形態の減速装置付電動モータ1と比して、主に減速装置の構造が異なる。従って、以下、減速装置について説明し、その他の部分については同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0073】
図19に示されるように減速装置付電動モータ1200は、電動モータ100と、減速装置1210と、主軸部材200と、ケース部材310と、を備える。
【0074】
そして、
図21および
図22に示されるように、減速装置1210は、固定内歯歯車1211と、連結部材1212と、第1遊星歯車(1213a,1213b)と、第2遊星
歯車(1214a,1214b)と、連結軸(1215a,1215b)と、出力部材(ドラムホイール)1216と、を備える。ドラムホイール1216の内壁には、円環形状の出力歯車1216aが一体的に形成されている。
【0075】
固定内歯歯車1211は、ケース部材310に一体的に形成されている。そして、ケース部材310は、給電装置640の本体部材641に固定配置されておる。また、連結部材1212は、ディスク形状に形成され、アーマチュア軸131に取り付けられている。そして、連結軸(1215a,1215b)が、連結部材1212に取り付けられている。そして、連結軸1215aに第1および第2遊星歯車(1213a,1214a)が設けられている。同様に、連結軸1117bに第1および第2遊星歯車(1213b,1214b)が設けられている。ここで、第1および第2遊星歯車(1213a,1214a)、第1および第2遊星歯車(1213b,11214b)は、互いに同行回転するよう設定されている。
【0076】
そして、第1遊星歯車(1213a,1213b)は、固定内歯歯車1211に噛合するよう設定され、第2遊星歯車(1214a,1214b)は、出力歯車1216aに噛合するよう設定されている。
【0077】
そして、減速装置1210は、電動モータ100のアーマチュア130と、主軸部材200の他方の端部202との間において、主軸部材200を囲んで配置される。このとき、減速装置1210の軸心LGと主軸部材200の軸心LSとは同軸であり、円環形状に形成された固定歯車1211および出力部材(ドラムホイール)1216は、主軸部材200を囲んで同軸に配置される。また、固定歯車1211は、ケース部材310を介して給電装置640の本体部材641に取り付けられる。従って、固定歯車1211はケース部材310及び給電装置640を介してモータハウジング110に対し固定配置され、出力部材(ドラムホイール)1216は主軸部材200に対し回転自在に勘合される。すなわち、ドラムホイール1216はモータハウジング110に対し回転自在に配置されている。
【0078】
次に、減速装置付電動モータ1200のパワーウィンドウシステムへの取り付けについて、
図19に基づいて説明する。
【0079】
減速装置付電動モータ1200は、パワーウィンドウシステムに備わるモータブラケット1400に取り付けられる。この取り付けは、モータブラケット1400の取り付け部1401に、電動モータ1200のケース部材310に設けられた取り付け部311を当接させるとともに、取り付け部同士(1401,311)を、締結部材により締結することにより行われる。
【0080】
そして、電動モータ1200のモータブラケット1400への取り付けにおいて、電動モータ1200の主軸部材200の他方の端部202は、モータブラケット1400の保持部1402により軸止される。また、ワイヤ線が掛けまわされたドラムホイール1216が、減速装置1210に自体に設けられている。そのため、ドラムホイール1216自体が減速装置1210の作動に伴い回転する。ここで、ドラムホイール1216に掛けまわされるワイヤ線は、パワーウィンドウシステムを動作する操作手段であり、減速装置付電動モータ1200が作動することにより、ワイヤ線を介してパワーウィンドウシステムが作動される。
【0081】
(第7の実施形態)次に、この発明の第7の実施形態の減速装置付電動モータ1300について
図23に基づいて説明する。なお、第7の実施形態の減速装置付電動モータ1300は、第6の実施形態の減速装置付電動モータ1200と比して、主に減速装置の構造
が異なる。従って、以下、減速装置について説明し、その他の部分については同一の符号を付すとともに、その説明を省略する。
【0082】
図23に示されるように減速装置付電動モータ1300は、電動モータ100と、減速装置1310と、主軸部材200と、ケース部材320と、を備える。
【0083】
そして、
図23に示されるように減速装置1310は、固定内歯歯車1311と、揺動歯車1312と、出力部材(ドラムホイール)1313と、を備える。固定内歯歯車1311は、給電装置740の本体部材741に一体的に設けられている。また、出力部材1313には、出力歯車1313aが設けられている。
【0084】
揺動歯車1312は、アーマチュア軸131に対し偏心配置されている偏心部材131a回転自在に軸支されている。揺動歯車1312には、外歯歯車1312aおよび内歯歯車1312bが設けられている。そして、外歯歯車1312aは、固定内歯歯車1311に転動して噛合するよう配置されるとともに、内歯歯車1312bは、出力歯車1313aに転動して噛合するよう配置されている。
【0085】
図23に示すように、減速装置1310は、電動モータ100のアーマチュア130と、主軸部材200の他方の端部202との間において、主軸部材200を囲んで配置される。このとき、減速装置1310の軸心LGと主軸部材200の軸心LSとは同軸であり、円環形状に形成された固定内歯歯車1311および出力部材1313は、主軸部材200を囲んで同軸に配置される。また、固定内歯歯車1311は給電装置740の本体部材741に取り付けられ、固定内歯歯車1311は給電装置740を介してモータハウジング110に対し固定配置され、出力部材1313は主軸部材200に対し回転自在に勘合される。すなわち、出力部材(ドラムホイール)1313はモータハウジング110に対し回転自在に配置されている。
【0086】
次に、減速装置付電動モータ1300のパワーウィンドウシステムへの取り付けについて、
図23に基づいて説明する。
【0087】
減速装置付電動モータ1300は、パワーウィンドウシステムに備わるモータブラケット1500に取り付けられる。この取り付けは、モータブラケット1500の取り付け部1501に、電動モータ1300のケース部材320に設けられた取り付け部321を当接させるとともに、取り付け部同士(1501,321)を、締結部材により締結することにより行われる。
【0088】
そして、電動モータ1300のモータブラケット1500への取り付けにおいて、電動モータ1300の主軸部材200の他方の端部202は、モータブラケット1500の保持部1502により軸止される。また、ワイヤ線が掛けまわされるドラムホイール1313が、減速装置1310に自体に設けられている。そのため、ドラムホイール1316自体が減速装置1310の作動に伴い回転する。ここで、ドラムホイール1316に掛けまわされるワイヤ線は、パワーウィンドウシステムを動作する操作手段であり、減速装置付電動モータ1300が作動することにより、ワイヤ線を介してパワーウィンドウシステムが作動される。