特許第6163312号(P6163312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6163312
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】鳥害防止具
(51)【国際特許分類】
   A01M 29/32 20110101AFI20170703BHJP
   H02G 7/00 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   A01M29/32
   H02G7/00
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-21442(P2013-21442)
(22)【出願日】2013年2月6日
(65)【公開番号】特開2014-150743(P2014-150743A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年12月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115382
【氏名又は名称】ヨツギ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨永 孝弘
【審査官】 田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−039055(JP,A)
【文献】 特開2012−222872(JP,A)
【文献】 特開昭52−034386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 29/32
H02G 7/00−7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空中に配設される主線に取り付け可能な主線取付部と、
前記主線取付部が取り付けられた際に前記主線の軸と直行する方向である第1軸にそって延びるスライド基部と、
前記スライド基部に対して、スライド可能に形成されたスライド部と、
前記スライド基部に対して前記スライド部スライドさせることが可能なスライド状態とスライドさせることが不可能な非スライド状態と変更可能なスライド規制部と、を有し、
前記スライド部又はスライド規制部は、鳥よけのための副線を保持可能に形成され、
前記スライド規制部および前記スライド部はこれらの間に前記スライド基部又は前記第1軸の軸方向に延びる延在部を位置させた状態で前記第1軸上をスライド可能であり、
前記スライド規制部は
前記スライド部に対して、前記第1軸とねじれの位置関係を有する第2軸を中心として回転自在に設けられ
前記第2軸を中心とした回転により、前記スライド基部又は前記延在部への当接力を増減させ、前記スライド部を前記スライド状態又は前記非スライド状態にする当接面を有する
鳥害防止具。
【請求項2】
前記スライド規制部は、前記非スライド状態から前記スライド状態への回転方向への回転可能な範囲が一回以内に規制されるように形成される
請求項1に記載の鳥害防止具。
【請求項3】
前記接触面は、前記第2軸の中心からの距離が前記第2軸を中心とした前記スライド規制部の角度に応じて変化する
請求項1又は2に記載の鳥害防止具。
【請求項4】
前記スライド規制部は、前記非スライド状態において、前記スライド部又は前記延在部と係合する係合部を有し、
前記係合部は、
前記スライド状態から前記非スライド状態への変化の際に必要とする力を第1の力とし、
前記非スライド状態から前記スライド状態への変化の際に必要とする力を第2の力とした場合に、
前記第1の力が前記第2の力よりも小さく形成される
請求項1〜の何れか1項に記載の鳥害防止具。
【請求項5】
前記係合部は、前記スライド状態から前記非スライド状態への変化の際に、前記スライド基部又は前記延在部と接触する部分に傾斜部を有する
請求項4に記載の鳥害防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鳥害を防止するために、空中に配設される主線(電線、通信線、物固定用ワイヤ等)の上方向の位置にさらに副線(ワイヤ等)を張るための鳥害防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、鳥害防止するために、電力線の上方向にワイヤを張る鳥害防止具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009―39055号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、副線であるワイヤを張るために手間がかかり設置に時間がかかってしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その課題の一例は、短時間で設置できる鳥害防止具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の鳥害防止具は、空中に配設される主線に取り付け可能な主線取付部と、前記主線取付部が取り付けられた際に前記主線の軸と直行する方向である第1軸にそって延びるスライド基部と、前記スライド基部に対して、スライド可能に形成されたスライド部と、前記スライド基部に対して前記スライド部スライドさせることが可能なスライド状態とスライドさせることが不可能な非スライド状態と変更可能なスライド規制部と、を有し、前記スライド部又はスライド規制部は、鳥よけのための副線を保持可能に形成され、前記スライド規制部および前記スライド部はこれらの間に前記スライド基部又は前記第1軸の軸方向に延びる延在部を位置させた状態で前記第1軸上をスライド可能であり、前記スライド規制部は、前記スライド部に対して、前記第1軸とねじれの位置関係を有する第2軸を中心として回転自在に設けられ前記第2軸を中心とした回転により、前記スライド基部又は前記延在部への当接力を増減させ、前記スライド部を前記スライド状態又は前記非スライド状態にする当接面を有する。
【0007】
好適には、前記スライド規制部は、前記非スライド状態から前記スライド状態への回転方向への回転可能な範囲が一回以内に規制されるように形成される。
【0008】
好適には、前記接触面は、前記第2軸の中心からの距離が前記第2軸を中心とした前記スライド規制部の角度に応じて変化する。
【0009】
好適には、前記スライド規制部は、前記非スライド状態において、前記スライド部又は前記延在部と係合する係合部を有し、前記係合部は、前記スライド状態から前記非スライド状態への変化の際に必要とする力を第1の力とし、前記非スライド状態から前記スライド状態への変化の際に必要とする力を第2の力とした場合に、前記第1の力が前記第2の力よりも小さく形成される。
【0010】
好適には、前記スライド状態から前記非スライド状態への変化の際に、前記スライド基部又は前記延在部と接触する部分に傾斜部を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明における鳥害防止具によって、短時間で設置できる鳥害防止具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】副線保持機構の説明図である。
図2】スライド規制部の構造の説明図である。
図3】接続部の説明図である。
図4】スライド部の説明図である。
図5】副線保持機構の動作の説明図である。
図6】第1の実施形態の効果の説明図である。
図7】本発明の第2の実施形態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、副線保持機構1の説明図である。
以下、本発明の第1の実施形態を、図1を用いて説明する。
【0014】
まず、方向を定義する。
鳥害防止具101を、主線に対して副線が位置する方向(図1中の上方向)を上方向と定義し、その逆方向を下方向を定義する。
図1中の左下方向を右方向と定義し、その逆を左方向と定義する。
さらに、図1中の左上方向を手前方向と定義し、その逆を奥方向と定義する。
【0015】
鳥害防止具101は、副線保持部103と主線取付部(図示せず)を有する。
主線取付部は、鳥害防止具101を主線D(電線、通信線、物固定用ワイヤ等)(図示せず)に取り付けるための部分である。
副線保持部は、鳥が主線に留ることを防止するために、副線W(ワイヤ等)を保持するための部分である。
この副線Wが存在することから、鳥が主線に留ることを防ぐことができる。
【0016】
副線保持部103は、主線と直角、かつ、主線の上方向に延びている。
この副線保持部103は、スライド基部107、延在部105、副線保持機構1を有している。スライド基部107、延在部105は、主線取付部からそれぞれ別個に、上方向に延びている。
【0017】
スライド基部107には、手前方向と奥方向にスライド基部107を貫通するスライド基部貫通穴107aが形成されている。
このスライド基部貫通穴107aは、上方向及び下方向にも延びる長孔状の開口形状を有している。
このスライド基部貫通穴107a内を副線保持機構1の貫通棒部75(図1図3も参照のこと)が移動する。
【0018】
延在部105には、手前方向と奥方向に延在部105を貫通する延在部貫通穴105aが形成されている。
この延在部貫通穴105aは、上方向及び下方向にも延びる長孔状の開口形状を有している。
この延在部貫通穴105a内を副線保持機構1の貫通棒部75(図1図3も参照のこと)が移動する。
【0019】
スライド基部貫通穴107a及び延在部貫通穴105aは左右方向及び上下方向において、同一の位置になるようにそれぞれ形成されている。
【0020】
図1のように、スライド基部107と延在部105とが上方向に延びている。
スライド基部107と延在部105には、上下方向及び左右方向における同一にそれぞれスライド基部貫通穴107aと延在部貫通穴105aが形成されている。
延在部105は、手前方向を向いた延在部外面105U、右方向(左方向)を向いた延在部側面105Sを有している。
また、延在部105は、奥方向を向いてスライド基部107と対面する延在部内面105Iを有している。
【0021】
副線保持機構1全体をスライド可能保持するスライド基部107が伸びる方向(上方向)が、第1軸FAである。
【0022】
図1のように、副線保持機構1は、スライド部3、スライド規制部5及び接続部7を有している。
スライド部3は、スライド基部107よりも奥方向に位置するスライド部ベース32、スライド部右側部31R、スライド部左側部31Lを有している。
【0023】
スライド部ベース32は、スライド基部107の奥方向の面と当接し、この奥方向の面上をスライドする。
スライド部ベース32は、接続部7が奥方向には移動可能であるが手前方向には移動できないように支持している。
スライド部ベース32は、接続部7との接触は単なる支持であり、回転可能である。
【0024】
スライド部右側部31Rは、スライド部ベース32から手前側方向に延びている。
スライド部右側部31Rは、スライド基部107のスライド基部側面107Sと当接して、スライド部3(副線保持機構1)が左右方向にずれないように保持する機能も有している。
また、スライド部右側部31Rは、副線Wを保持可能とするように、凹形状の窪みである右保持部33Rを有している。
なお、第1の実施形態における鳥害防止具101は右方向及び左方向の構造が対称構造を有しているので、特段の事情がない限り、一方を説明した場合には他方の説明を省略する。
右保持部33Rに副線Wを挿入して延在部105の延在部内面105Iとの間で挟み込むことによって、副線を脱落しないように保持することが可能である。
【0025】
スライド規制部5は、これが後述するように回転移動することによって、スライド部3(=副線保持機構1全体)がスライド基部107に対して、スライド可能な状態(以下、「スライド状態」という。)と、スライド不可能な状態(以下、「非スライド状態」という)とを規制する機能を有する。
スライド規制部5全体は、第2軸SA(=接続部7の回転部71の軸)を中心に回転可能に形成されている。
【0026】
スライド規制部5は、右カム部51Rを有している。
この右カム部51Rには、接続部7の回転部71の右回転部71Rの外周と当接する右貫通穴57Rを有している。
なお、右回転部71Rの形状は円柱形状であり、右貫通穴57Rは円柱状の空間を形成している。もっとも、右貫通穴57Rは、完全な円柱空間ではなく、図1のように(図2も参照のこと)円柱空間の側面の一部に開放部を有している。
【0027】
右カム部51Rは、規制部右側部53Rを有する。
この規制部右側部53Rは、右カム部51Rを中心に右方向に回動が可能な程度に可撓性を有するように形成される。
さらに、規制部右側部53Rは、右係合部55Rを有する。
この右係合部55Rは、非スライド状態において、延在部内面105Iに当接(係止)してスライド規制部5が回転して、スライド状態になることを防いでいる。
また、規制部右側部53Rは、非スライド状態には、延在部側面105Sの側面と当接する。この当接によって、スライドしない状態にある場合に、副線保持機構1全体を延在部105に対して左右方向の所定の位置に保持する役割も有している。
【0028】
接続部7は、回転部71(右回転部71R)、貫通棒部75及び拡大部73を有している。
【0029】
回転部71の右回転部71Rは、右貫通穴57Rと回転可能に形成されている。
なお、スライド規制部5が回転する回転中心(=回転部71の中心)を第2軸SAという。
【0030】
また、回転部71の中心から奥方向に延びる軸を中心として形成される貫通棒部75が伸びている。この貫通棒部75は、延在部貫通穴105a及びスライド基部貫通穴107a内を貫通している。
【0031】
貫通棒部75の奥方向位置には拡大部73が形成される。
拡大部73は、回転部71の中心から奥方向に延びる軸を中心として、貫通棒部75よりも直径が大きく形成される。
このように、拡大部73の直径が大きく形成されることから、スライド部3のスライド部ベース32側に支えられて、接続部7及びスライド規制部5が手前方向に移動することを防ぐことができる。
【0032】
以下、より詳細に副線保持機構1(=スライド部3、スライド規制部5及び接続部7)の構造を説明する。
図2は、スライド規制部5の構造の説明図である。
図2(a)は正面図であり、図2(b)は上面図であり、図2(c)は左側面図であり、図2(d)は右側面図であり、図2(e)は下面図であり、図2(f)は第1の斜視図であり、図2(g)は第2の斜視図である。
【0033】
図2(b)のように、規制部側部53(=規制部右側部53R及び規制部左側部53L)は、カム部51(=右カム部51R及び左カム部51L)よりもそれぞれ左右方向に位置している。
また、カム部51には係合部55(=右係合部55R及び左係合部55L)が形成されている。
係合部55は、スライド規制部5がスライド状態から非スライド状態になる際に、係合部55が延在部105の延在部外面105Uと当接する部分には傾斜部55aが形成されている。
逆に、スライド規制部5が非スライド状態からスライド状態になろうとする際に、係合部55が延在部105の延在部内面105Iと当接する部分には傾斜ではない直角面55bが形成されている。
なおこの直角面55bは、必ずしも直角である必要はない。
具体的には、非スライド状態からスライド状態となろうとする際に必要とする力が、スライド状態から非スライド状態になる際に必要とされる力よりも大きければよいので、傾斜部55aよりも角度が大きい傾斜面であってもよい。
このように形成されることから、スライド規制部5が非スライド状態の回転位置に維持させることが可能となる。
また、このように形成されることから、スライド規制部5がスライド状態から非スライド状態へ変化する際により容易に変化させることが可能となる。
【0034】
図2(f)のように、カム部51(=右カム部51R及び左カム部51L)間には板部61が形成される。この板部61をユーザが押す(操作する)ことによって、スライド規制部5を非スライド状態の回転位置にすることが容易に行われる。
【0035】
カム部51には、当接面59(=右当接面59R及び左当接面59L)が形成されている。
この当接面59は円柱形状を有している。
また、カム部51の内部には、貫通穴57(=右貫通穴57R及び左貫通穴57L)が形成されている。
これらの当接面59及び貫通穴57は、図2(a)のような位置関係を有している。
具体的には、当接面59の円柱の中心をS1とし、貫通穴57の円柱の中心をS2とした場合に、そのS1の位置とS2の位置が異なっている。
より具体的には、S2の位置は、S1の位置よりも、スライド規制部5が非スライド状態の回転位置にある場合に、手前方向に変位している。
このように形成されていることから、スライド規制部5の回転軸である第2軸(S2)から当接面59の距離が、スライド規制部5が回転するのに従い、長くなる(L3>L1)ように形成されていることなる。
【0036】
図3は、接続部7の説明図である。
【0037】
図3(f)のように、回転部71は、右回転部71Rと左回転部71Lとを有している。右回転部71Rと左回転部71Lとの間に、右回転部71Rと左回転部71Lと同軸で、右回転部71Rと左回転部71Lよりも直径の大きい円柱部72が形成されている。
【0038】
円柱部72には、回転部71の中心軸(右回転部71Rの中心軸と左回転部71Lの中心軸)と垂直に伸びる貫通棒部75が形成されている。
貫通棒部75は、円柱形状の円柱形状部75aと平面形状の平面形状部75bを有している。
【0039】
貫通棒部75の回転部71とは反対側には、拡大部73が形成されている。
拡大部は、手前方向に向いている被支持面73bを有している。拡大部本体73aはこの被支持面73bを形成するために存在する。
なお拡大部本体73aは、できるだけ奥方向に突出しないように形成されている。
これによって、自身が保持する副線、自身が保持する副線と並行する他の副線等が引っかかることを防止することが可能となる。
【0040】
図4は、スライド部3の説明図である。
【0041】
図4(b)及び図4(f)のように、スライド部3のスライド部ベース32には、スライド貫通穴35が形成されている。
このスライド貫通穴35には。支持部32bが形成されている。
この支持部32bが被支持面73bと当接することによって、接続部7とスライド規制部5とが手前方向に一定以上移動することを制限している。
また、スライド貫通穴35には、接続部7とは単に挿入されているだけのため、スライド部3と接続部7(+スライド規制部5)は、回転自在である。また、単にこの支持部32bが被支持面73bと当接することによる支持であることから、スライド部3と接続部7(+スライド規制部5)は、奥方向には移動可能である。
【0042】
図4(g)及び図4(a)のように、スライド部側部31(=スライド部右側部31R及びスライド部左側部31L)には、スライド部3を左右方向に位置決めする位置決め部37を有する。
この位置決め部37は、スライド基部107のスライド基部側面107Sと当接して左右方向に位置決めしている。
また、この位置決め部37は、スライド基部107の手前方向側の面と当接しており、スライド部3が奥方向に移動することを規制して位置決めしている。
また、スライド部ベース32の手前側の面は、スライド基部107の奥方向側の面と当接しており、スライド部3が手前方向に移動することを規制して位置決めしている。
【0043】
スライド部側部31には、保持部33(=右保持部33R及び左保持部33L)が形成されている。
この保持部33によって、副線Wが保持される。
【0044】
図5は、副線保持機構1の動作の説明図である。
【0045】
図2のところで説明したように、スライド規制部5の回転軸である第2軸(S2)から当接面59の距離が、スライド規制部5が回転するのに従い、長くなる(L3>L1)ように形成されている。
そのため、図5のように、スライド規制部5下方向及び奥方向に回転させる(図5(a)の第1矢印Aを参照)と、延在部105と当接面59とが徐々に近接する(図5(b)参照のこと)。
そして、ある一定回転角度以上となると、さらに延在部105をスライド基部107側に押し込む力(図5(c)の第2矢印Bを参照)となる。
この際にも、板部61が梃子の作用をすることによって、比較的容易に、スライド規制部5の回転を続けさせることが可能である。
そして、規制部側部53の係合部55が延在部105の延在部外面105Uと当接すると、傾斜部55aの働きによって、規制部側部53が左右方向の外側に変形移動する(図2(b)参照のこと)。
そして、スライド規制部5が延在部105に当接する最終段階まで回転すると、直角面55b規制部側部53が左右方向の外側への変形が元に戻る。
そして、この直角面55bの作用によって、容易には、スライド規制部5が第1矢印Aとは逆の方向への回転(非スライド状態への移行)が生じなくなる。
【0046】
なお、図5(a)においては、L3>L2>L1であったがこれ限る趣旨ではない。
たとえば、L2>L3>L1となるように形成して、スライド規制部5の最終段階では、カム構造(カム部51)によって、第1矢印A方向への力が発生するようにしてもよい。
【0047】
以上の構成から、ワンタッチで副線保持機構1を非スライド状態とすることが可能である。
また、以上の構成から、副線保持機構1を非スライド状態とした場合に、振動等が原因で自動的にスライド状態となることがない。
【0048】
なお、図5のように、スライド規制部5は、図5(d)の非スライド状態から、図5(a)の状態となる方向(図5(a)の矢印Aとは逆方向)に回転させても、カム部51が延在部外面105Uと接触してしまうため、1回転以上回転することができないように形成されている。
このことは、逆にいうと、スライド規制部5は矢印A方向への回転が最大1回転以内で、スライド状態から非スライド状態への変更可能であることを意味する。
そのため、この第1の実施形態では、ワンタッチでスライド状態から非スライド状態へ変更できるという効果を有する。
【0049】
図6は、第1の実施形態の効果の説明図である。
図6(a)は本発明の副線保持機構1であり、図6(b)は特許文献1の副線保持機構である。
【0050】
図6(b)のように、従来技術では、ねじ機構を用いていたため、ナット部分233が多く必要でありスライド機構231の厚みが大きくなってしまっていた。
それに対して、本発明では、このようなナット部分233がないため薄く作ることが可能となる。
【0051】
また、図6(b)のように、従来技術では、ねじ機構を用いていたため、ボルト235が奥方向に突出することになる。
このような突出があると主線または副線に並行する他の主線または副線がこの突出部分に引っ掛かってしまうおそれがある。
それに対して、本発明では、このようなボルト235がないため、主線または副線に並行する他の主線または副線が引っ掛かることを低減できる。
【0052】
また、図6(b)のように、従来技術では、ねじ機構を用いていたため、ボルト頭205が手前方向に突出することになる。
このような突出があると主線または副線に並行する他の主線または副線がこの突出部分に引っ掛かってしまうおそれがある。
それに対して、本発明では、このようなボルト頭205がないため、主線または副線に並行する他の主線または副線が引っ掛かることを低減できる。
【0053】
また、図6(b)のように、従来技術では、ねじ機構を用いていたため、ユーザによってその締め付け力が異なることが生ずる。また、同一のユーザであっても、毎回同じ締め付け力となるかは不確定である。
それに対して、本発明では、このようなボルト機構ではないため、何人がやっても同一の締め付け力となる。
【0054】
また、図6(b)のように、従来技術では、ねじ機構を用いていたため、振動等によって徐々に締め付け力が緩む恐れがある。
それに対して、本発明では、このようなボルト機構ではないため、締め付け力が緩む恐れがきわめて少ない。
【0055】
また、図6(b)のように、従来技術では、ねじ機構を用いていたため、ねじりに時間がかかり、作業効率が低下する恐れがあった。
それに対して、本発明では、このようなボルト機構ではないため、ワンタッチで取り付けることができる。そのため、作業効率を改善することが可能である。
【0056】
<本発明の第2の実施形態>
図7は、本発明の第2の実施形態の説明図である。
【0057】
図7のように、延在部105をなくして、スライド基部107のみのもので当てもよい。
【0058】
<実施形態の構成及び効果>
本実施形態の鳥害防止具101は、空中に配設される主線Dに取り付け可能な主線取付部と、主線取付部が取り付けられた際に主線Dの軸と直行する方向である第1軸FAにそって延びるスライド基部107と、スライド基部107に対して、スライド可能に形成されたスライド部3と、スライド基部107とスライド部3との間のスライドが可能な状態と、スライドが不可能な状態とを変更可能なスライド規制部5と、を有し、スライド部3又はスライド規制部5は、鳥よけのための副線Wを保持可能に形成され、スライド基部107とスライド部3とは、第1軸FA上をスライド可能であり、スライド規制部5は、ユーザによって第2軸SAを中心として回転させられることによって、スライドが可能な状態とスライドが不可能な状態とを変更され、第1軸FAと第2軸SAとは、ねじれの位置関係を有する。
このような構成を有することから、短時間(ワンタッチ)で鳥害防止具101を設置できる。
【0059】
スライド部3とスライド規制部5との間にスライド基部107が配置され、スライド規制部5は、第2軸SAを中心とした回転によって、スライド基部107とスライド部3とを圧接・離間可能に形成され、スライド規制部5は、非スライド状態からスライド状態への回転方向への回転可能な範囲が一回以内に規制されるように形成される。
このような構成を有することから、スライド状態から非スライド状態への回転をしすぎて、スライド規制部5が脱落してしまうということを防止できる。
また、非スライド状態からスライド状態への回転方向への回転が最大でも1回転以内であることになるので、スライド状態から非スライド状態への変更も最大1回転いないであることになる。
その結果、ユーザは短時間(ワンタッチ)で鳥害防止具101を設置できる。
【0060】
スライド規制部5は、スライド基部107又は第1軸FAの軸方向に延びる延在部105と接触可能な接触面(延在部外面)を有し、接触面(延在部外面)は、第2軸SAの
中心からの距離がスライド規制部5の第2軸SAを中心とした角度に応じて変化する。
このような構成を有することから、ワンタッチで鳥害防止具101を取り付けることが可能となる。
【0061】
スライド規制部5は、スライド基部107とスライド部3とのスライドを不可能とした状態において、スライド部3又は延在部105と係合する係合部55を有し、係合部55は、スライド基部107とスライド部3がスライド可能な状態からスライド不可能な状態への変化の際に必要とする力を第1の力とし、前記スライド基部と前記スライド部がスライド不可能な状態からスライド可能な状態への変化の際に必要とする力を第2の力とした場合に、第1の力が第2の力よりも小さく形成される。
このような構成を有することから、意図せず非スライド状態になることを防止することができる。
【0062】
係合部55は、スライド基部107とスライド部3がスライド可能な状態からスライドが不可能な状態への変化の際に、スライド基部107又は延在部105と接触する部分に傾斜部55aを有する。
このような構成を有することから、意図せず非スライド状態になることを防止することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 副線保持機構
3 スライド部
5 スライド規制部
7 接続部
31 スライド部側部
32 スライド部ベース
33 保持部
35 スライド貫通穴
37 位置決め部
51 カム部
53 規制部側部
55 係合部
55a 傾斜部
55b 直角面
57 貫通穴
59 当接面
61 板部
71 回転部
72 円柱部
73 拡大部
75 貫通棒部
101 鳥害防止具
103 副線保持部
105 延在部
107 スライド基部
D 主線
FA 第1軸
SA 第2軸
W 副線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7