特許第6163399号(P6163399)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6163399-エレベータ用挙動異常監視装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6163399
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】エレベータ用挙動異常監視装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 3/00 20060101AFI20170703BHJP
   B66B 5/00 20060101ALI20170703BHJP
【FI】
   B66B3/00 P
   B66B3/00 L
   B66B5/00 F
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-194295(P2013-194295)
(22)【出願日】2013年9月19日
(65)【公開番号】特開2015-59025(P2015-59025A)
(43)【公開日】2015年3月30日
【審査請求日】2016年1月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】薛 祺
(72)【発明者】
【氏名】國貞 拓也
【審査官】 大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−137601(JP,A)
【文献】 特開2011−011871(JP,A)
【文献】 実開昭58−120164(JP,U)
【文献】 特開2000−351547(JP,A)
【文献】 特開2004−149287(JP,A)
【文献】 特開昭59−092881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 3/00
B66B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設けられたエレベータの乗りかご内の利用者の様子を撮像するかご内カメラで撮影された当該利用者の映像を画像処理して解析することにより画像挙動異常を検出する画像挙動異常検出手段を備えたエレベータ用挙動異常監視装置において、
前記乗りかご内の積載荷重を検出するかご内荷重センサによる走行中の当該乗りかご内の当該積載荷重の変動が所定の閾値を超えたときに荷重挙動異常を検出する荷重挙動異常検出手段と、
前記閾値を前記かご内荷重センサで検出される前記乗りかご内の前記積載荷重に応じて
設定する閾値設定手段と、
前記画像挙動異常検出手段による前記画像挙動異常の検出結果と前記荷重挙動異常検出手段による前記荷重挙動異常の検出結果とを組み合わせて前記利用者の挙動異常を判定する挙動異常判定手段と
前記挙動異常判定手段により前記利用者の挙動異常が判定されたときに前記乗りかご内に備えられるかご内放送装置に対して所定の警告メッセージを報知する報知手段と、
を備え
前記挙動異常判定手段は、前記閾値設定手段にて設定された前記閾値に基づき前記利用者の挙動異常の必要性の有無を決定し、
前記挙動異常判定手段により前記利用者の挙動異常の必要性が有ると決定された場合には、前記荷重挙動異常検出手段が前記荷重挙動異常の判定を行い、
その結果、
前記荷重挙動異常検出手段により前記荷重挙動異常と判定された場合には、前記画像挙動異常検出手段が前記画像挙動異常の判定を行い、その結果、前記画像挙動異常検出手段により前記画像挙動異常と判定された場合には、前記報知手段が前記所定の警告メッセージを報知する一方、
前記荷重挙動異常検出手段により前記荷重挙動異常と判定されなかった場合には、前記画像挙動異常検出手段による前記画像挙動異常の判定を省略する
ことを特徴とするエレベータ用挙動異常監視装置。
【請求項2】
請求項1記載のエレベータ用挙動異常監視装置において、
前記かご内荷重センサで検出される前記乗りかご内の前記積載荷重が、所定の最小有効荷重よりも小さい場合、または所定の最大有効荷重よりも大きい場合には、前記閾値設定手段は、前記閾値の設定を行わない
ことを特徴とするエレベータ用挙動異常監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータの乗りかご内の利用者(乗客)の挙動異常を監視するエレベータ用挙動異常監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータの乗りかご内の乗客が異常な挙動を行っていることを検知する場合、乗りかご内に防犯カメラを設置し、乗りかご内の乗客の動きを防犯カメラで撮影したカメラ画像を制御装置によって解析した結果、挙動異常を判定する機能の監視装置が知られている。
【0003】
このようなエレベータ用挙動異常監視装置に関連する周知技術としては、乗りかご内に設置されたカメラ画像を用いて乗りかご内の乗客の状態を解析し、乗客の異常な挙動の程度に応じて乗りかご内の報知システムで報知を行い、異常な挙動を抑制することで乗客の安全性を高めるようにした「エレベータの運転制御装置」(特許文献1参照)や、乗りかご内のカメラ画像やエレベータの秤検出値を使用して乗車人数をカウントし、乗りかご内の乗客数に応じて、暴れ検出の感度(閾値)を変更することにより、暴れ動作過剰検出しないようにした「エレベータの制御装置」(特許文献2参照)が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−230732号公報
【特許文献2】特開2011−11871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1や特許文献2に係る技術では、エレベータの乗りかご内の乗客による器物破損や暴力行為等を画像処理により挙動異常として検出した結果に基づいて挙動異常であると判定された場合に犯罪行為の防止を目的とした警告アナウンスの放送や警告表示等のエレベータ制御動作が行われるものであるが、画像処理のみで乗客の挙動異常を判定するのは極めて困難であり、しばしば誤判定してエレベータの乗客に対して警告報知して不快感を与えてしまう虞がある。例えば乗りかご内の乗客が鏡の前で髪を整えるような動作、縞模様の服装の乗客の軽微な動作等は異常事態でないのにも拘らず、画像処理の動きが大きく見えるために挙動異常であると誤判定されることがあり、こうした場合には挙動異常とする警告報知が行われてしまうため、正常に利用しているエレベータの乗客に対して不快感を与えることがある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、乗りかご内での利用者(乗客)の挙動異常・挙動不審の検知精度を向上させて不要な警告アナウンスや警告表示を低減でき、誤判定で正常に利用している利用者へ警告報知して不快感を与える事態を極力回避し得るエレベータ用挙動異常監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題を解決するため、本発明は、建物に設けられたエレベータの乗りかご内の利用者の様子を撮像するかご内カメラで撮影された当該利用者の映像を画像処理して解析することにより画像挙動異常を検出する画像挙動異常検出手段を備えたエレベータ用挙動異常監視装置において、前記乗りかご内の積載荷重を検出するかご内荷重センサによる走行中の当該乗りかご内の当該積載荷重の変動が所定の閾値を超えたときに荷重挙動異常を検出する荷重挙動異常検出手段と、前記閾値を前記かご内荷重センサで検出される前記乗りかご内の前記積載荷重に応じて設定する閾値設定手段と、前記画像挙動異常検出手段による前記画像挙動異常の検出結果と前記荷重挙動異常検出手段による前記荷重挙動異常の検出結果とを組み合わせて前記利用者の挙動異常を判定する挙動異常判定手段と、前記挙動異常判定手段により前記利用者の挙動異常が判定されたときに前記乗りかご内に備えられるかご内放送装置に対して所定の警告メッセージを報知する報知手段と、を備え、前記挙動異常判定手段は、前記閾値設定手段にて設定された前記閾値に基づき前記利用者の挙動異常の必要性の有無を決定し、前記挙動異常判定手段により前記利用者の挙動異常の必要性が有ると決定された場合には、前記荷重挙動異常検出手段が前記荷重挙動異常の判定を行い、その結果、前記荷重挙動異常検出手段により前記荷重挙動異常と判定された場合には、前記画像挙動異常検出手段が前記画像挙動異常の判定を行い、その結果、前記画像挙動異常検出手段により前記画像挙動異常と判定された場合には、前記報知手段が前記所定の警告メッセージを報知する一方、前記荷重挙動異常検出手段により前記荷重挙動異常と判定されなかった場合には、前記画像挙動異常検出手段による前記画像挙動異常の判定を省略することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のエレベータ用挙動異常監視装置によれば、画像挙動異常検出手段で検出されるかご内カメラ(防犯カメラ)により撮影された映像を画像処理して解析した結果の画像挙動異常の検出結果に加え、かご内荷重センサによる走行中の乗りかご内の積載荷重の変動が所定の閾値を超えたときに荷重挙動異常検出手段で検出される荷重挙動異常の検出結果を組み合わせて挙動異常判定手段が乗りかご内の利用者(乗客)に対する挙動異常を判定するため、乗りかご内での利用者の挙動異常・挙動不審の検知精度を向上させて不要な警告アナウンスや警告表示を低減することができ、誤判定で正常に利用している利用者へ警告報知して不快感を与えるような事態を極力回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例1に係るエレベータ用挙動異常監視装置の基本構成及びその周辺関連部位となるエレベータの乗りかごにおける要部構成を示したブロック図である。
図2図1に示すエレベータ用挙動異常監視装置の挙動異常検出機能(挙動異常判定を含む)に係る動作処理を示したフローチャートである。
図3図2に示す挙動異常検出処理の動作処理に含まれる荷重挙動異常検出時に閾値設定手段で適用される走行中の乗りかご内の荷重変動幅の閾値を設定する手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明のエレベータ用挙動異常監視装置について、実施例を挙げ、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の実施例1に係るエレベータ用挙動異常監視装置200の基本構成及びその周辺関連部位となるエレベータの乗りかご100における要部構成を示したブロック図である。図1を参照すれば、建物に設けられたエレベータの乗りかご100における要部構成は、乗りかご100が図示されない昇降路を昇降走行して目的階を呼び登録して到達したときに各階床に設けられた乗場ドア(外ドアとも呼ばれる)と係合して開閉するかごドア(内ドアとも呼ばれる)101と、乗りかご100内の積載荷重を検出する荷重センサ102と、乗りかご100内の利用者(乗客)を撮影するかご内カメラ(防犯カメラ)103と、乗りかご100内で所定のメッセージを発声(アナウンス)する音発声手段(スピーカ)を含むかご内放送装置104と、を備えている。
【0012】
また、挙動異常監視装置200は、かご内カメラ103で撮影された利用者の映像を画像処理して解析することで画像挙動異常を検出する画像挙動異常検出手段201と、かご内荷重センサ102による走行中の乗りかご100内の積載荷重の変動が所定の閾値を超えたときに荷重挙動異常を検出する荷重挙動異常検出手段202と、閾値をかご内荷重センサ102で検出される乗りかご100内の積載荷重に応じて設定する閾値設定手段203と、画像挙動異常検出手段201による画像挙動異常の検出結果と荷重挙動異常検出手段201による荷重挙動異常の検出結果とを組み合わせて利用者の挙動異常を判定する挙動異常判定手段204と、挙動異常判定手段204により利用者の挙動異常が判定されたときに乗りかご100内に備えられるかご内放送装置104に対して所定の警告メッセージを報知する報知手段205と、を備えている。因みに、閾値設定手段203の閾値は、乗りかご100内の積載荷重が大きい場合には大きく設定し、小さい場合には小さく設定することが好ましい。報知手段205から警告メッセージが報知されると、かご内放送装置104では、音発声手段(スピーカ)から警告メッセージを発声して放送(アナウンス)する。
【0013】
図2は、挙動異常監視装置200の挙動異常検出機能(挙動異常判定を含む)に係る動作処理を示したフローチャートである。図2を参照すれば、挙動異常検出機能に係る動作
処理では、まず図示されないエレベータ制御装置により乗りかご100のかごドア101を戸開し、乗りかご100内に乗客が乗車(ステップS1)した後、エレベータ制御装置がかごドア101を戸閉し、かご内荷重センサ102がかご内荷重を検出(ステップS2)する処理に移行する。このとき、かご内荷重センサ102のかご内荷重の検出結果は閾値設定手段203及び荷重挙動異常検出手段202に引き渡たされるため、閾値設定手段203がかご内荷重による挙動異常検出の閾値設定(ステップS3)を行う。これにより、荷重挙動異常検出手段202がかご内荷重センサ102からのかご内荷重を閾値設定手段203に設定された閾値と比較して荷重挙動異常の検出を行うことが可能となり、更にその検出結果と閾値とが挙動異常判定手段204に引き渡たされる。
【0014】
そこで、次にエレベータ制御装置が乗りかご100を目的階の呼び登録に応じて走行(ステップS4)させた後、挙動異常判定手段204が閾値設定手段203に設定された閾値に基づいて挙動異常検出の必要の有無を挙動異常検出要であるか否かの判定(ステップS5)により行う。この判定の結果、挙動異常検出要でなければ動作処理を終了するが、挙動異常検出要であれば挙動異常判定手段204が荷重挙動異常検出手段202でかご内荷重センサ102からのかご内荷重を閾値設定手段203に設定された閾値と比較して荷重挙動異常を検出した結果として、乗りかご100内の積載荷重の変動を示す荷重変動幅>閾値であるか否かの判定(ステップS6)を行う。この判定の結果、荷重変動幅が閾値以下であればエレベータ制御装置により乗りかご100の走行を停止させてからかごドア101を戸開したか否かの判定(ステップS8)に移行するが、荷重変動幅が閾値より大きければ引き続いて挙動異常判定手段204が画像挙動異常検出手段201によりかご内カメラ103で撮影された利用者(乗客)の映像を画像処理して解析した結果として、画像挙動異常が検出されたか否かの判定(ステップS7)を行う。この判定の結果、画像挙動異常が検出されていなければエレベータ制御装置により乗りかご100の走行を停止させてからかごドア101を戸開したか否かの判定(ステップS8)に移行するが、画像挙動異常が検出されていれば挙動異常判定手段204が利用者(乗客)の挙動異常であると判定してその旨を報知手段205へ引き渡し、報知手段205から警告メッセージが報知されたかご内放送装置104により音発声手段(スピーカ)から警告メッセージとして「静かにお乗りください」を放送(ステップS9)してから動作処理を終了する。因みに、図示しないが、このような警告メッセージは、乗りかご100内の操作盤上に表示装置が備えられる場合には、表示装置の表示画面上に警告表示を行うことも可能である。
【0015】
また、エレベータ制御装置により乗りかご100の走行を停止させてからかごドア101を戸開したか否かの判定(ステップS8)の結果、戸開していれば動作処理を終了するが、戸開していなければ荷重変動幅>閾値であるか否かの判定(ステップS6)の前に戻ってからそれ以降の処理を繰り返す。ここでの手順は、例えば乗りかご100内で利用者(乗客)が乗車後に足を滑らしてバランスを崩して乗りかご100の床面を強く踏み込んだり、或いは転倒したりして乗りかご100の床面に対する負荷が増大した場合等において、荷重変動幅が閾値よりも大きくなって荷重挙動異常が検出されても、画像挙動異常が検出されていなければ挙動異常判定手段204が挙動異常として判定しないようにすることにより、不要に警告メッセージを報知して正常に利用しているエレベータの利用者(乗客)に対して不快感を与えることを回避するための処理である。
【0016】
以下は、上述した閾値設定手段203によるかご内荷重による挙動異常検出の閾値設定(ステップS3)の技術的概要について詳細に説明する。一般に乗りかご100の定格積載荷重は、顧客等の要望によりエレベータ毎に異なるため、乗りかご100内での荷重変動幅の閾値は、走行時の乗りかご100の積載荷重により定まる。そこで、本実施例1では、最初に走行前の乗りかご100の積載荷重により比例値を算出する。但し、ここでは利用者(乗客)が1人や満員時の場合を除くため、定格積載荷重に対して所定の最小適用荷重及び最大適用荷重を設け、比例値を比例値=(走行前の積載荷重−最小適用荷重)÷(最大適用荷重−最小適用荷重)なる関係で算出する。次に、この比例値を用いて所定の最小適用閾値を定めた上、走行中の乗りかご100内での荷重変動幅の閾値を閾値=(比例値×最小適用閾値)+最小適用閾値なる関係で算出する。
【0017】
図3は、上述した図2の挙動異常検出機能の動作処理に含まれる荷重挙動異常検出時に閾値設定手段203で適用される走行中の乗りかご100内の荷重変動幅の閾値を設定する手順を示したフローチャートである。図3を参照すれば、閾値設定手段203による走行中の乗りかご100内の荷重変動幅の閾値の設定は、上述した走行前の乗りかご100の積載荷重により比例値を算出する手法を走行中の乗りかご100の積載荷重に応じて比例値を算出するように適用し、この比例値を用いて走行中の乗りかご100内での荷重変動幅の閾値を設定する手順としたものである。
【0018】
具体的に云えば、まず図2のエレベータ制御装置がかごドア101を戸閉し、かご内荷重センサ102がかご内荷重を検出(ステップS2)する処理で得られた現状の積載荷重(現在の荷重)と最小適用荷重(最小有効荷重)とを比較し、現在の荷重<最小有効荷重であるか否かの判定(手順T1)を行う。この判定の結果、現在の荷重が最小有効荷重よりも小さければ挙動異常検出不要(手順T5)に移行してから動作処理を終了するが、現在の荷重が最小有効荷重以上であれば引き続いて、現状の積載荷重(現在の荷重)と最大適用荷重(最大有効荷重)とを比較し、現在の荷重>最大有効荷重であるか否かの判定(手順T3)を行う。この判定の結果、現在の荷重が最大有効荷重よりも大きければ挙動異常検出不要(手順T5)に移行してから動作処理を終了するが、現在の荷重が最小有効荷重以下であれば引き続いて、比例値を比例値=(現在荷重−最小有効荷重)÷(最大有効荷重−最小有効荷重)なる関係で算出(手順T3)した後、係る比例値を用いて走行中の乗りかご100内での荷重変動幅の閾値を、所定の最小閾値を定めた上で閾値=(比例値×最小閾値)+最小閾値なる関係で算出(手順T4)してから動作処理を終了する。
【0019】
以上に説明した実施例1に係る挙動異常監視装置200によれば、画像挙動異常検出手段201で検出されるかご内カメラ103により撮影された映像を画像処理して解析した結果の画像挙動異常の検出結果に加え、かご内荷重センサ102による走行中の乗りかご100内の積載荷重の変動が所定の閾値を超えたときに荷重挙動異常検出手段202で検出される荷重挙動異常の検出結果を組み合わせて挙動異常判定手段204が乗りかご100内の利用者(乗客)に対する挙動異常を判定するため、乗りかご100内での利用者(乗客)の挙動異常・挙動不審の検知精度を向上させて不要な警告アナウンスや警告表示を極力低減することができる。即ち、従来では誤判定され易かった乗りかご100内の利用者(乗客)が鏡の前で髪を整えるような動作や縞模様の服装の乗客の軽微な動作等は例え画像挙動異常検出手段201で画像挙動異常として検出されても、荷重挙動異常検出手段202で荷重挙動異常として検出されることがないために挙動異常判定手段204が挙動異常として判定せず、また乗りかご100内で利用者(乗客)が乗車後に足を滑らしてバランスを崩して乗りかご100の床面を強く踏み込んだり、或いは転倒したりして乗りかご100の床面に対する負荷が増大して荷重挙動異常検出手段202で荷重挙動異常が検出されても、画像挙動異常検出手段201で画像挙動異常が検出されていなければ挙動異常判定手段204が挙動異常として判定せず、報知手段205による警告報知が行われないため、誤判定で正常に利用している利用者(乗客)へ警告報知して不快感を与える事態を極力回避することができる。
【符号の説明】
【0020】
100 乗りかご
101 かごドア
102 荷重センサ
103 かご内カメラ(防犯カメラ)
104 かご内放送装置
200 挙動異常監視装置
201 画像挙動異常検出手段
202 荷重挙動異常検出手段
203 閾値設定手段
204 挙動異常判定手段
205 報知手段
図1
図2
図3