特許第6163506号(P6163506)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6163506
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】フライヤ
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/12 20060101AFI20170703BHJP
【FI】
   A47J37/12 321
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-13284(P2015-13284)
(22)【出願日】2015年1月27日
(65)【公開番号】特開2015-171523(P2015-171523A)
(43)【公開日】2015年10月1日
【審査請求日】2016年6月30日
(31)【優先権主張番号】特願2014-31948(P2014-31948)
(32)【優先日】2014年2月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(72)【発明者】
【氏名】榊原 英記
(72)【発明者】
【氏名】加賀 進一
(72)【発明者】
【氏名】曽布川 武伸
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 浩
(72)【発明者】
【氏名】毛利 元彦
(72)【発明者】
【氏名】藤田 昌浩
(72)【発明者】
【氏名】溝口 岳博
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−034379(JP,A)
【文献】 特開2004−275431(JP,A)
【文献】 特開2010−123101(JP,A)
【文献】 特開2005−174789(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油槽(18)を備えるフライヤ本体(12)と、前記フライヤ本体(12)に設けられ、各種の操作対象機器の設定を操作可能な本体側操作手段(16)とからなり、前記操作対象機器である加熱手段(20)により前記油槽(18)の油を加熱して被調理品を油揚げするフライヤにおいて、
前記フライヤ本体(12)から離れた位置で前記操作対象機器の設定を操作し得るリモート操作手段(36)を、前記本体側操作手段(16)とは別に設け
前記本体側操作手段(16)およびリモート操作手段(36)は、前記操作対象機器の状態を表示する表示部(60)を備え、
一方の操作手段(16,36)で設定を変更している間は、他方の操作手段(16,36)による操作を無効にすると共に、一方の操作手段(16,36)で変更した設定内容は、他方の操作手段(16,36)の前記表示部(60)にも表示される
ことを特徴とするフライヤ。
【請求項2】
前記リモート操作手段(36)は、前記油槽(18)中の油を加熱する前記加熱手段(20)の設定温度を操作する温度操作部(50)と、前記操作対象機器であって調理時間をカウントするタイマ(T)の設定時間を操作するタイマ操作部(40)とを有する請求項1記載のフライヤ。
【請求項3】
前記本体側操作手段(16)およびリモート操作手段(36)には、同じ制御基板(24)が夫々用いられる請求項1または2記載のフライヤ。
【請求項4】
前記リモート操作手段(36)は、前記加熱手段(20)で前記油槽(18)中の油を油揚げ調理可能な温度に調整する通常状態と、該通常状態より前記加熱手段(20)への出力を抑えた省エネ状態とに切り替える省エネスイッチ(58)を有する請求項1〜の何れか一項に記載のフライヤ。
【請求項5】
前記リモート操作手段(36)は、前記加熱手段(20)を起動する操作が不能になっている請求項1〜の何れか一項に記載のフライヤ。
【請求項6】
前記リモート操作手段(36)における前記操作対象機器の状態を表示する表示部(60)は、前記加熱手段(20)の加熱状態も表示し得るようになっている請求項1〜の何れか一項に記載のフライヤ。
【請求項7】
前記リモート操作手段(36)は、前記加熱手段(20)の運転を停止させ得るようになっている請求項記載のフライヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油槽の中の加熱した油により被調理品を油揚げ調理するフライヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等の食品小売店や、レストラン等の飲食店舗では、予め設定したプログラムに基づいて被調理品を油で揚げるフライヤを使用する場合が多い。油の温度や調理時間は、被調理品の種類によって様々であるから、他の被調理品に変更する場合は、フライヤの各種操作の設定を変更する必要がある。このためフライヤは、装置本体の前面に設けた操作手段の各種スイッチを操作することで、油槽の油の温度や調理時間を任意に設定し得るようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−275431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばスーパーマーケットでは、商品売り場を大きく確保するため、同じ敷地に位置する調理場のスペースが必然的に狭くなってしまう傾向がある。この限られた調理スペースであっても、加熱調理に伴う熱や油の飛び散りによる生鮮食品への悪影響を避けるために、フライヤなどの加熱調理器具は、生鮮食品の加工場と極力離れた位置に配置される。ところでフライヤでの調理は、被調理品を油で揚げるのに分単位の時間を要するが、この作業は、他の作業と掛け持ちになることが多い。このため、調理担当者は、フライヤでの調理と生鮮食品の加工作業とを同時に受け持つことがある。このような場合に、生鮮食品の加工作業中にフライヤの設定温度を変更するには、現在の作業を中断し、離れた位置にあるフライヤまで移動して操作手段のスイッチを操作しなくてはならない。またフライヤの周辺は、油の加熱により油蒸気や油跳ねが発生するので、操作手段に触れた指先に油蒸気や油が付着することがある。このため、生鮮食品の加工作業の途中でフライヤの設定温度を変更し、その後生鮮食品の加工作業に戻るような場合、衛生面に配慮して操作部を触った指先を洗浄しなくてはならない。
【0005】
すなわち本願発明は、従来の技術に係る前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、フライヤ本体から離れた位置でフライヤの設定を操作し得るフライヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、
油槽を備えるフライヤ本体と、前記フライヤ本体に設けられ、各種の操作対象機器の設定を操作可能な本体側操作手段とからなり、前記操作対象機器である加熱手段により前記油槽の油を加熱して被調理品を油揚げするフライヤにおいて、
前記フライヤ本体から離れた位置で前記操作対象機器の設定を操作し得るリモート操作手段を、前記本体側操作手段とは別に設け
前記本体側操作手段およびリモート操作手段は、前記操作対象機器の状態を表示する表示部を備え、
一方の操作手段で設定を変更している間は、他方の操作手段による操作を無効にすると共に、一方の操作手段で変更した設定内容は、他方の操作手段の前記表示部にも表示されることを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、本体側操作手段とは別にリモート操作手段を設けたことで、フライヤ本体から離れた位置でフライヤの設定を操作でき、調理の効率を向上することができる。また、一方の操作手段で設定を変更している間、他方の操作手段による操作を無効としたので、両操作手段で同時に設定を変更できない。このため、同じようなタイミングで両操作手段を操作して設定が変更された場合に、何れの変更が有効であるか認識し難い、という問題を解消できる。更に、一方の操作手段で変更した設定内容が、他方の操作手段の表示部にも表示されるので、設定変更に気付かずに調理してしまうことは防止される。
【0007】
請求項2に係る発明は、前記リモート操作手段は、前記油槽中の油を加熱する前記加熱手段の設定温度を操作する温度操作部と、前記操作対象機器であって調理時間をカウントするタイマの設定時間を操作するタイマ操作部とを有することを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、リモート操作手段に温度操作部とタイマ操作部とを設けたので、被調理品の変更等の理由により、変更される頻度の高い油の設定温度とタイマの設定時間とをフライヤ本体から離れた位置で操作できる。
【0008】
請求項3に係る発明は、前記本体側操作手段およびリモート操作手段には、同じ制御基板が夫々用いられることを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、本体側操作手段およびリモート操作手段で同じ制御基板を用いることで、各操作手段に別々の制御基板を使用する場合に比べて開発費用等のコストを抑えることができる。
【0010】
請求項に係る発明は、前記リモート操作手段は、前記加熱手段で前記油槽中の油を油揚げ調理可能な温度に調整する通常状態と、該通常状態より前記加熱手段への出力を抑えた省エネ状態とに切り替える省エネスイッチを有することを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、リモート操作手段に省エネスイッチを設けたので、フライヤ本体から離れた位置で、加熱手段の出力を抑えた省エネ状態にしたり、省エネ状態を解除したりできる。
【0011】
請求項に係る発明は、前記リモート操作手段は、前記加熱手段を起動する操作が不能になっていることを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、リモート操作手段で加熱手段を起動する操作を不能としたので、油槽に油が入っているか確認できない可能性のあるフライヤ本体から離れた位置で加熱手段を起動できない。このため、油槽に油が入っていない状態で加熱手段を起動して生じる空焚を効果的に抑制できる。
【0012】
請求項に係る発明は、前記リモート操作手段における前記操作対象機器の状態を表示する表示部は、前記加熱手段の加熱状態も表示し得るようになっていることを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、リモート操作手段の表示部によりフライヤ本体から離れた位置で加熱手段の加熱状態を確認できる。すなわち、フライヤ本体から離れた位置で、加熱手段の加熱状態を監視して安全管理を行うことができる。また、加熱手段の加熱状態を確認するためにフライヤ本体まで移動する必要がないので、調理の効率を向上できる。
【0013】
請求項に係る発明は、前記リモート操作手段は、前記加熱手段の運転を停止させ得るようになっていることを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、空焚きを抑制するためにリモート操作手段で加熱手段を起動する操作を不能としても、リモート操作手段で加熱手段の運転を停止できる。すなわち、フライヤ本体から離れた位置で意図しない加熱手段の加熱に気付いた際に、フライヤ本体まで移動することなく、リモート操作手段を操作して加熱手段の運転を停止できる。
【発明の効果】
【0014】
本願発明に係るフライヤによれば、フライヤ本体から離れた位置でフライヤの設定を操作し得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本願発明の好適な実施例に係るガスフライヤの全体斜視図である。
図2図1のII−II線断面図である。
図3】ガスフライヤのフロントパネルを外して示す要部正面図である。
図4図1に示すガスフライヤにおける本体コントローラおよびリモートコントローラについて、共通する前面パネルの正面図である。
図5】実施例のガスフライヤの制御ブロック図である。
図6】一方のコントローラで設定時間を変更した場合において、他方のコントローラが示す状態の説明図である。
図7】一方のコントローラで設定温度を変更した場合において、他方のコントローラが示す状態の説明図であって、(a)は温度表示窓に現在の油槽温度を表示し、(b)は温度表示窓に変更された設定油槽温度を表示している。
図8】別の実施例に係るリモートコントローラにおける前面パネルの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明に係るフライヤについて、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下に説明する。
【実施例】
【0017】
一般にフライヤは、油槽中の油の加熱手段としてガスバーナを使用するものと、電気ヒータを使用するものとに大別される。本実施例では、ガスバーナで燃焼される高温の炎で油槽を外部から加熱するガスフライヤについて説明する。勿論、操作対象機器の加熱手段はガスバーナに限らず、油槽中に投入した電気ヒータで油を加熱する電気フライヤであってもよい。
【0018】
実施例のガスフライヤ10は、図1に示すスタンドアロン型のものであって、フライヤ本体12には、上方に開口して所定量の食用油を貯留する油槽18が設けられている。フライヤ本体12のフロントパネル15には、後述する各種の操作対象機器の設定を操作可能な本体コントローラ(本体側操作手段)16が配設されている。この本体コントローラ16には、油槽18中の油の温度や加熱時間等を表示するディスプレイ、ガスバーナ(後述)の点火や制御弁の開閉を行う各種ボタン等が配列されている。また、前記フライヤ本体12から離れた位置で各種操作対象機器の諸元設定をなし得るリモートコントローラ(リモート操作手段)36が、該フライヤ本体12から独立した部材として設けられている。このようにガスフライヤ10は、本体コントローラ16とは別にリモートコントローラ36を備えているため、フライヤ本体12から離れた位置で操作対象機器の設定を操作し得る。ここで、操作対象機器は、本体コントローラ16またはリモートコントローラ36で操作可能なガスフライヤ10を構成する各種機器であって、実施例では、後述するガスバーナ20の如き加熱手段、機器の運転時間を設定するタイマTその他ブザーBの如き音響手段等を対象とする。
【0019】
図2は、図1のII−II線断面図であって、ガスフライヤ10の内部構造を示している。この図2において、前記油槽18の前方(正面側)にはガス燃焼室14が設けられ、該ガス燃焼室14の下部には前記加熱手段としてのガスバーナ20が配置されている。前記ガス燃焼室14とフロントパネル15との間には、耐火性に優れた断熱板31が介装されている。なお、このガスバーナ20の燃焼孔に近接して、例えば圧電素子をソレノイド等により打撃してスパークを飛ばす点火手段19が設けられ、これにより前記ガスバーナ20の点火を行い得るようになっている。ガスフライヤ10のフロントパネル15を外した図3に示すように、外部ガス管(図示せず)に接続するガス導入管21は第1電磁弁23および第2電磁弁25を介して前記ガスバーナ20に接続している。なお、図3において、符号27はガスバーナ20の2次圧調整弁を示し、また符号29は油槽18から油を抜くための排油弁を示している。更に図1において、前記油槽18の内部には、貯留した食用油に常時浸漬される位置に、サーミスタ等の温度検知手段28が設けられている。またフライヤ本体12における前記油槽18の後側には、直立ダクト32が設けられ、該ダクト32の上面は、前記ガスバーナ20からの排気を排出する排気口33が開口している。
【0020】
次に、前記本体コントローラ16について説明する。図1に示すように、本体コントローラ16は、本体12のフロントパネル15に配設されている。前記本体コントローラ16は、その前面パネル17に各種操作部30および表示部60を備え、操作対象機器の各種諸元を任意に設定および実行する操作を行い得る。これら操作部30および表示部60は、ガスフライヤ10の構成機器を制御するマイクロコンピュータ等の制御手段Cに電気的に接続されている。制御手段Cは本体コントローラ16に内蔵され、図5に示すように、制御手段Cには、本体コントローラ16の操作部30や表示部60、前記温度検知手段28、ガスバーナ20、タイマT、ブザーB等のガスフライヤ10の構成機器が電気的に接続されている。
【0021】
図4に示すように、本体コントローラ16は、前記ガスバーナ20、タイマTおよびブザーB等の操作対象機器の設定を操作可能な操作部30と、操作対象機器の状態を表示する表示部60とを備えている。前記操作部30は、タイマ操作部40と、温度操作部50と、運転スイッチ56と、省エネスイッチ58とから構成される。前記タイマ操作部40は、調理時間をカウントする前記タイマTの設定時間(以下、設定調理時間という)を操作するものであり、カウント加算スイッチ42、スタート/ストップスイッチ48、メモリスイッチ44およびリセットスイッチ46から構成される。カウント加算スイッチ42は、前記設定調理時間を任意に足し合わせるものであり、カウント加算スイッチ42を押す度に、該スイッチ42に記載の所定時間が加算されるようになっている。実施例のカウント加算スイッチ42は、1分、3分、1秒、10秒の4つのスイッチで構成されている。前記メモリスイッチ44は、予め設定された設定調理時間を呼び出すものであり、使用頻度の高い調理時間等を記憶させることができる。実施例では、最大5つの調理時間を記憶することができ、メモリスイッチ44を押す度に記憶させた調理時間が順に呼び出されるようになっている。また、メモリスイッチ44は、前回の調理時間を記憶し、それを呼び出すようにすることもできる。前記リセットスイッチ46は、設定調理時間をリセットしてゼロにするものである。
【0022】
前記スタート/ストップスイッチ48は、タイマTによる設定調理時間のカウントを開始および停止するものである。設定調理時間を設定した後で、スタート/ストップスイッチ48を押すことでカウントが開始され、カウントの途中でスイッチを押すことでカウントが一時停止される。なお、一時停止の状態でリセットスイッチ46を押すことで、カウントが中止される。制御手段Cは、タイマTのカウントが完了すると、カウントの完了を前記ブザーBで知らせるようになっている。また、制御手段Cは、タイマ操作部40で調理時間の設定を変更している間を、タイマTの設定時間を変更しているタイマ設定モードであると判断する。すなわち、カウント加算スイッチ42およびメモリスイッチ44を操作している間が、タイマ設定モードとなる。
【0023】
前記温度操作部50は、前記油槽温度の設定を操作するものであり、温度設定スイッチ52および温度加減スイッチ54から構成される。なお、以下の説明では温度操作部50で設定した温度のことを設定油槽温度と称する。温度設定スイッチ52は、設定油槽温度を変更可能な状態とするものであり、3秒間長押しすることで、温度加減スイッチ54が操作可能で、設定油槽温度を変更可能な温度設定モードとなる。この温度設定モードとした上で、設定油槽温度を変更する温度加減スイッチ54を押すことで設定油槽温度が変更される。実施例の温度加減スイッチ54は、設定油槽温度を1℃上昇させるスイッチと、設定油槽温度を1℃下降させるスイッチの2つのスイッチで構成されている。なお、前記制御手段Cは、温度設定スイッチ52を長押ししてから設定油槽温度が決定されるまでの間を、設定油槽温度を変更している温度設定モードであると判断する。また、制御手段Cは、温度操作部50で設定油槽温度が設定され、油槽温度が設定された設定油槽温度となると、ブザーBで聴覚的に知らせるようになっている。
【0024】
前記運転スイッチ56は、前記ガスバーナ20のオン・オフを切り替えるものである。運転スイッチ56をオンすると、前記ガスバーナ20における電磁弁23,25が開放してガス供給を開始すると共に、所要のタイミングでソレノイド(図示せず)が動作して発火手段19における圧電素子を打撃する。これにより生じたスパークがガスバーナ20のガスに引火して点火がなされ、ガスバーナ20による油槽温度の調整が開始される。また、運転スイッチ56をオフすると、ガスバーナ20が消火されガスバーナ20による油槽温度の調整も停止される。
【0025】
前記省エネスイッチ58は、前記油槽温度を油揚げ調理可能な温度である、前記設定油槽温度となるようガスバーナ20で調整する通常状態と、ガスバーナ20への出力を抑え、油槽温度を油の劣化が抑えられる温度に維持する省エネ状態とに切り替えるものである。この省エネ状態では、油槽温度を油揚げ調理可能な温度(一般的に、160℃〜200℃)より低い温度(以下、省エネ設定油槽温度という)にする制御が行われる。この省エネ設定油槽温度は、室温より高く、かつ油の劣化が急激に進むとされる温度(150℃)より低く設定され、実施例では120℃となっている。省エネスイッチ58は、例えば、ガスフライヤ10での調理を一時中断し、次の被調理品の調理までに時間があるような場合に使用する。すなわち、調理を中断する際に、省エネスイッチ58を押して通常状態から省エネ状態に切り替えると、油槽温度が省エネ設定油槽温度に調整されるので、油の劣化やガスバーナ20の無駄な加熱を抑えることができる。そして、次の調理の前に省エネスイッチ58を再度押して省エネ状態を解除して通常状態とすると、ガスバーナ20により油槽温度が設定油槽温度まで加熱される。このように、省エネ状態とすることで、ガスバーナ20の運転を完全に停止して油の温度が室温付近まで下がった場合と比べ、油槽温度が設定油槽温度に達するまでに要する時間が短縮される。
【0026】
前記表示部60は、タイマ表示窓62と、温度表示窓64と、運転LED66と、省エネLED68と、加熱LED70とから構成される。前記タイマ表示窓62には、調理時間をカウントするタイマTに応じた情報が表示される。実施例のタイマ表示窓62は、0秒〜99分99秒までが表示可能に構成されている。タイマ表示窓62には、前記タイマ設定モードでは設定中の設定調理時間が表示され、設定調理時間が決定されるとその設定調理時間が表示され、タイマTの動作中は残り時間が表示される。また、タイマTのカウントが完了すると、タイマ表示窓62には、完了を知らせる表示がなされるようになっており、実施例では「End」の文字が表示される。
【0027】
前記温度表示窓64は、油槽温度に応じた情報が表示される。実施例の温度表示窓64は、0℃〜999℃まで表示可能となっている。温度表示窓64には、前記温度設定モードでは設定中の油槽温度が表示され、ガスバーナ20により油槽温度が調整されている時は、前記温度検知手段28により得られた油槽温度が表示されるようになっている。
【0028】
前記運転LED66は、運転スイッチ56がオンされた状態であるか否かを表示するものであり、運転スイッチ56がオンされ、ガスバーナ20より油槽温度が調整されている状態であると点灯し、運転スイッチ56がオフされると消灯する。また、前記省エネLED68には、ガスフライヤ10が前記省エネ状態であるか否かが表示される。すなわち、省エネLED68は、省エネスイッチ58がオンされると点灯し、省エネスイッチ58がオフされ省エネ状態が解除されると消灯する。また、前記加熱LED70は、ガスバーナ20で油槽18の油が加熱された状態にあると点灯する。すなわち、ガスバーナ20が燃焼中は点灯し、該ガスバーナ20が消火中は消灯する。
【0029】
図5に示すように、前記タイマ操作部40、温度操作部50、運転スイッチ56および省エネスイッチ58等の本体コントローラ16の操作部30の操作信号は、前記制御手段Cに入力される。そして、制御手段Cは、これら操作部30からの信号や、温度検知手段28のようなフライヤ構成機器からの入力に基づいて、表示部60であるタイマ表示窓62、温度表示窓64、運転LED66、省エネLED68および加熱LED70に所定の表示を行ったり、ガスバーナ20、タイマTおよびブザーB等に所定の動作をさせている。
【0030】
次に、リモートコントローラ36について説明する。図1に示すように、リモートコントローラ36は、本体コントローラ16とは別に設けられ、フライヤ本体12から離れた位置に取り付け可能となっている。リモートコントローラ36は、前面パネル37に各種操作部30および表示部60を備え、フライヤ本体12から離れた位置で前記操作対象機器の設定を操作し得るようになっている。操作部30および表示部60は、フライヤ構成機器の制御を担うマイクロコンピュータ等からなる制御手段C(図5参照)に接続されている。なお、制御手段Cは、リモートコントローラ36に内蔵されている。図5に示すように、リモートコントローラ36の制御手段Cは、リモートコントローラ36の操作部30や表示部60、タイマT、ブザーB等のフライヤ構成機器が電気的に接続されている。また、リモートコントローラ36の制御手段Cは、本体コントローラ16の制御手段Cに対して通信可能に接続されている。実施例では、本体コントローラ16およびリモートコントローラ36が、配線34(図1参照)で有線接続されている。
【0031】
図4に示すように、前記リモートコントローラ36の前面パネル37には、タイマ操作部40、温度操作部50および省エネスイッチ58からなる操作部30と、タイマ表示窓62、温度表示窓64、運転LED66、省エネLED68および加熱LED70からなる表示部60とが設けられている。このように、リモートコントローラ36は、本体コントローラ16と同じ操作部30および表示部60を有している。また、リモートコントローラ36における操作部30および表示部60の配置や有する機能も本体コントローラ16と基本的に同じである。このため、リモートコントローラ36における操作部30および表示部60の詳細な説明は省略する。但し、リモートコントローラ36では、前記ガスバーナ20を起動する運転スイッチ56が、制御手段Cのマイクロコンピュータのソフトウエアにより操作不能となっている。
【0032】
本体コントローラ16およびリモートコントローラ36は、操作内容や表示内容も基本的に統一されている。そして、両コントローラ16,36は、部品の配置や機能の等しい同じ制御基板24(図2に本体コントローラ16の制御基板のみ図示)が夫々内蔵されている。そして、両コントローラ16,36の制御手段Cは、何れのコントローラ16,36であるのかを、前記制御基板24に配設されたマイクロコンピュータのソフトウエアの機種設定により判別している。
【0033】
本体コントローラ16およびリモートコントローラ36は、一方の操作部30で各種スイッチを操作して設定を変更している間は、他方の操作部30の各種スイッチの操作が無効となるようになっている。これは、別々のコントローラ16,36からのマルチコマンドの入力により制御系が混乱するのを防止するための措置であり、具体的には、一方のコントローラ16,36で、タイマ操作部40や温度操作部50を操作して設定調理時間や設定油槽温度を変更した場合、前記タイマ設定モードまたは温度設定モードとなっている間は、他方のコントローラ16,36における操作部30の各種スイッチでの操作が全て無効となる。図6に示すように、操作が無効とされたコントローラ16,36では、タイマ表示窓62に「Lock」の文字が表示される。
【0034】
また、本体コントローラ16およびリモートコントローラ36では、一方のコントローラ16,36で変更した設定内容が、他方のコントローラ16,36の表示部60にも表示されるようになっている。具体的には、一方のコントローラ16,36で、設定油槽温度を変更した場合、他方のコントローラ16,36では、温度表示窓64に、現在の油槽温度(実施例では165℃、図7(a)参照)と新たに設定された設定油槽温度(実施例では180℃、図7(b)参照)とが交互に表示される。この相互表示は、相互表示がなされたコントローラ16,36において、何れかのスイッチを操作することで解除されるようになっている。なお、温度設定モードの間、操作部30の各種スイッチの操作が全て無効になり、タイマ表示窓62に「Lock」の文字が表示されるのは前述の通りである。
【0035】
次に、実施例のガスフライヤ10の作用について説明する。実施例のガスフライヤ10は、操作対象機器の設定を操作可能なリモートコントローラ36を備えるので、フライヤ本体12から離れて別の作業を行う作業者の手元のような、フライヤ本体12から離れた位置で操作対象機器の設定を操作できる。このため、フライヤ本体12から離れて別の作業を行う作業者が、設定を変更するためにフライヤ本体12まで移動する手間を省くことができ、調理作業を効率化し得る。更に、作業者が油煙の影響を受け易いフライヤ本体12に近づく機会が減るので、衛生面上の効果も期待できる。
【0036】
実施例のガスフライヤ10は、リモートコントローラ36に温度操作部50およびタイマ操作部40を設けたので、被調理品の変更等の理由により設定を替える頻度の高い設定油槽温度および設定調理時間を、フライヤ本体12から離れた位置で変更できる。このため、複数の作業を掛け持ちフライヤ本体12から離れて作業を行うような場合に、フライヤ本体12まで移動する回数を効果的に減らすことができ、作業効率を向上させ得る。またガスフライヤ10は、リモートコントローラ36に、操作対象機器の状態を表示する表示部60を設けたので、フライヤ本体12から離れた位置でガスフライヤ10の状態を確認できる。実施例のリモートコントローラ36では、前記表示部60としてタイマ表示窓62に、タイマT動作中の残り時間が表示されるので、フライヤ本体12から離れた位置にいる作業者が調理の残り時間を認識でき、調理時間の終了から遅滞なく被調理品を取り出すことができる。
【0037】
実施例のガスフライヤ10は、本体コントローラ16およびリモートコントローラ36に、同じ制御基板24を夫々用いたので、異なる制御基板24を使用する場合に比べて開発費用等のコストを抑えることができる。また、両コントローラ16,36は、操作部30の各種スイッチや表示部60の配置が同じであり、操作内容や表示内容も統一されているので使用者の使い勝手がよい。また、両コントローラ16,36は、制御手段Cのマイクロコンピュータのソフトウエアで、何れの制御手段Cであるかを機種設定で判別するので、制御基板24とソフトウエアの管理を1つにできる。
【0038】
また、ガスフライヤ10は、リモートコントローラ36の運転スイッチ56が操作不能であるため、油槽18に油が入っているか確認できない可能性のあるフライヤ本体12から離れた位置でガスバーナ20を起動できない。このため、油槽18に油が入っていない状態でガスバーナ20を起動して生じる空焚を効果的に抑制できる。更に、実施例では、リモートコントローラ36における運転スイッチ56の操作を、制御手段Cにおけるマイクロコンピュータのソフトウエアで無効としているので、運転スイッチ56を押せなくするような物理的な加工に加えて、蒸気等の影響による接点の短絡等による制御基板の誤動作を抑えることができる。
【0039】
実施例のガスフライヤ10は、リモートコントローラ36に前記通常状態と省エネ状態とを切り替える省エネスイッチ58を設けたから、フライヤ本体12から離れた位置で、ガスフライヤ10を通常状態と省エネ状態とに切り替えることができる。このため、ガスフライヤ10での調理を中断してガスフライヤ10から離れて別の作業をしている作業者が、省エネ状態を解除してガスフライヤ10での調理を再開するような場合に、他の作業を中断することなく省エネ状態を解除できる。また、ガスフライヤ10では、リモートコントローラ36に省エネLED68を設けたので、フライヤ本体12から離れた位置で省エネスイッチ58のオン・オフを確認できる。
【0040】
実施例のガスフライヤ10では、両コントローラ16,36における一方の操作部30を操作して設定を変更している間、他方の操作部30の操作が無効となるよう構成されているので、両コントローラ16,36で同時に設定変更できない。このため、両コントローラ16,36において同じようなタイミングで設定変更が行われた場合に、どちらのコントローラ16,36での変更が有効であるのか不明確となることはない。従って、設定変更が反映されない等の誤解が生じるのを抑制できる。また、実施例のガスフライヤ10では、一方のコントローラ16,36で、タイマ操作部40や温度操作部50を操作して設定調理温度や設定油槽温度を変更した場合に、タイマ表示窓62に「Lock」の文字が表示されるので、操作部30の操作が無効であって他方のコントローラ16,36の設定が変更されている状態であることを、操作部30のスイッチを実際に押すことなく視認できる。また、実施例のガスフライヤ10では、一方のコントローラ16,36で変更した設定内容が、他方のコントローラ16,36の表示部60に表示されるので、他方のコントローラ16,36で変更された設定内容を確認できる。より具体的には、実施例のガスフライヤ10では、一方のコントローラ16,36で設定油槽温度を変更した場合に、他方のコントローラ16,36の温度表示窓64に、現在の油槽温度と変更された設定油槽温度とが相互表示されるので、他方のコントローラ16,36で設定油槽温度が変更された形跡を一方のコントローラ16,36に残すことができる。そして、現在の油槽温度と変更された設定油槽温度との相互表示が、この相互表示がなされているコントローラ16,36で、何れかのスイッチを操作することで解除されるので、設定油槽温度の変更に気付かずに、意図した温度と異なる温度で被調理品を調理してしまうのを防止できる。このため、被調理品の品質低下や廃棄によるロスの発生を抑制できる。
【0041】
実施例のリモートコントローラ36には加熱確認用の加熱LED70が設けられ、この加熱LED70は、ガスバーナ20が点火されて油槽18の温度調整状態にあると点灯し、ガスバーナ20が消火されると消灯するようになっている。従って、作業者は、リモートコントローラ36の加熱LED70を目視することで、ガスバーナ20が点火中か否かをフライヤ本体12から離れた位置で確認できる。すなわち、フライヤ本体12を視認できない離れた位置からでも、随時リモートコントローラ36を確認することで、ガスバーナ20の加熱状態を監視して安全管理を行うことができる。このため、作業者はフライヤ本体12まで移動する必要がないので、作業効率が向上する。
【0042】
〔別の実施例〕
次に、図8に示す別の実施例に係るフライヤについて説明する。図1図7に示すフライヤ10では、リモートコントローラ36における運転スイッチ56が操作不能となっていた。これに対し、図8のリモートコントローラ76では、運転スイッチに代えて消火スイッチ78が設けられている。この実施例のフライヤでは、リモートコントローラ76の消火スイッチ78以外の構成は、前述のフライヤ10と同じである。前記消火スイッチ78は、ガスバーナ20で油槽温度を調整するモードから、ガスバーナ20を消火して該ガスバーナ20による油槽温度の調整を停止するモードへ切り替えるものである。すなわち、図8の実施例のリモートコントローラ76は、ガスバーナ20の運転を停止させる方向には操作し得るが、ガスバーナ20を起動する方向への操作は不能である。これは、作業者がフライヤ本体12から離れた位置にいても、ガスバーナ20の運転を停止させる安全サイドへの操作だけを可能にして、作業者の利便性を向上させたものである。なお、本体コントローラ16が、ガスバーナ20により油槽温度を調整する状態と、ガスバーナ20による油槽温度の調整を停止する状態とに切り替える運転スイッチ56を備えている点は、前述の実施例と同じである。
【0043】
次に、図8に示す実施例の本体コントローラ16およびリモートコントローラ76には、部品の配置や機能が同じ制御基板が夫々内蔵され、消火スイッチ78のガスバーナ20を起動する機能を不能とするよう制御手段Cのソフトがプログラミングされている。すなわち、消火スイッチ78は、本来備える機能は電源スイッチ56と同じであり、ソフトのプログラムにより該消火スイッチ78の機能を一部制限している。なお、本体コントローラ16の電源スイッチ56には、「電源」の表示が付され、リモートコントローラ76の消火スイッチ78には、「消火」の表示が付されている。更に、両スイッチ56,78の表示は、スイッチの機能を表現するものであれば絵や図形等であってもよい。
【0044】
図8に示すフライヤは、リモートコントローラ76によりガスバーナ20を起動する操作を不能として空焚きの可能性を排除することは先の実施例と同じであるが、該リモートコントローラ76の消火スイッチ78によりガスバーナ20の運転を停止できる。すなわち、作業者がフライヤ本体12から離れた位置でガスバーナ20の異常に気付いた場合、フライヤ本体12まで移動することなく、消火スイッチ78を押してガスバーナ20を直ちに消火できる。このとき、先の実施例のリモートコントローラ36と同様に、リモートコントローラ76は加熱LED70を有するので、フライヤ本体12の油槽18や本体コントローラ16の加熱LED70等を目視することなく、該リモートコントローラ76の加熱LED70を目視するだけでガスバーナ20の加熱状態を監視し得る。
【0045】
すなわち、リモートコントローラ76に加熱LED70と消火スイッチ78とを併設したことで、該加熱LED70でガスバーナ20の異常を察知した場合は、その場で消火スイッチ78を押してガスバーナ20を消火できる。このように、別の実施例のフライヤでは、リモートコントローラ76を目視してガスバーナ20の異常を察知し、該リモートコントローラ76を操作してガスバーナ20を消火できるので、ガスバーナ20の異常に対して迅速に対応できる。また、本体コントローラ16の運転スイッチ56に「電源」の表示が付される共に、リモートコントローラ76の消火スイッチ78に「消火」の表示が付されているので、各スイッチ56,78の役割を明確に視認できる。
【0046】
(変更例)
(1) 実施例では、操作手段としてタイマ操作部、温度操作部、運転スイッチおよび省エネスイッチからなる操作部と、タイマ表示窓、温度表示窓、運転LED、省エネLEDおよび加熱LEDからなる表示部とを備えるコントローラを例に挙げて説明したが、操作手段としては、少なくとも1つの操作対象機器の設定を操作可能なものであればよく、例えば、表示部のないものであってもよい。また、操作手段は、操作部としてリフトを昇降させるスイッチや、油槽を洗浄する際に使用する洗浄スイッチ等を備えるものでもよい。また、操作手段は、表示部にフライヤの異常を表示するものであってもよい。この場合、フライヤの異常発生を素早く認識できる。
(2) 操作対象機器は、実施例のものに限定されることはなく、コントローラで設定を操作可能な機器であればよく、例えば、被調理品を入れる網かご状のバスケットを昇降可能なリフトが設置された機器等であってもよい。
(3) 実施例では、本体コントローラとリモートコントローラとが有線接続される例を挙げて説明したが、本体コントローラおよびリモートコントローラが無線で通信可能な構成でもよい。また、本体コントローラとリモートコントローラは、異なる操作部や表示部を備えるものであってもよく、構成が異なるものであってもよい。
(4) 実施例では、リモートコントローラの運転スイッチを、制御部のソフトソフトウェアで操作不能にする例を挙げて説明したが、板金等で目隠しをして物理的に運転スイッチを押せなくする構成であってもよい。また、リモートコントローラの運転スイッチは、有効に操作可能であってもよく、リモートコントローラに運転スイッチのない構成であってもよい。
(5) 実施例では、一方のコントローラで設定油槽温度が変更されると、他方のコントローラの温度表示窓に現在の油槽温度と変更した設定油槽温度とが相互表示される例を挙げて説明したが、他方の温度表示窓にドットを点滅させて、設定油槽温度が変更された形跡を残すようにしてもよい。
(6) 実施例では、表示部としての加熱LEDを消灯および点灯させることで加熱手段の加熱状態を表示したが、点滅や色の変化により加熱状態を表示してもよい。また、電球や液晶ディスプレイ等の発光手段を用いて加熱状態の表示を行ってもよい。なお、加熱手段の状態表示としては、加熱手段の点火および消火だけでなく、加熱の程度を連続的または段階的に示すようにしてもよい。
(7) 実施例では、加熱LEDを備えるリモートコントローラを例に挙げたが、加熱LEDのないリモートコントローラでもよい。また、リモートコントローラの消火スイッチと、本体コントローラの運転スイッチとに同じ表示が付されていてもよい。
【符号の説明】
【0047】
10 ガスフライヤ(フライヤ),12 フライヤ本体,
16 本体コントローラ(本体側操作手段),18 油槽,
20 ガスバーナ(加熱手段),24 制御基板,
36 リモートコントローラ(リモート操作手段),40 タイマ操作部,
50 温度操作部,58 省エネスイッチ,60 表示部,T タイマ
図1
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図8