【実施例】
【0047】
実施例1
EFEMP1欠失/変異構築物。
図2に示し、上に記載したE1、E2、E3、E4、E5、E6、E7、E8、E9、E10、E11、E13、E15およびE18野生型および変異体EFEMP1タンパク質をコードする発現構築物を、EFEMP1の2個の別々のcDNAフラグメントのクローニングおよび/またはライゲーションのための制限部位を作るために設計したプライマーを用いて、PCRにより製造した。PCR産物をTA−クローニングベクターpCR4.0にクローン化し、配列を確認し、哺乳動物発現ベクターpcDNA3.1+(Life Technologies)およびレンチウイルスベクターpTRIPZにサブクローニングした。シャトルベクターは、赤色蛍光タンパク質(RFP)のための同じプロモーター下、pTRIPZ(Thermo Scientific)におけるEFEMP1野生型および変異体タンパク質の発現のための配列内リボソーム進入部位を導入するために製造されている。
【0048】
実施例2
U251レンチウイルスインフェクタント。U251(親および神経球培養)レンチウイルスインフェクタントを、HEK293とプラスミドDNA構築物(レンチウイルスベクターpTRIPZ空ベクターまたはpTRIPZ−EFEMP1構築物E1、E2、E3、E4、E5、E6、E7、E8、E9、E10、E11、E13、E15およびE18を、それの生成された構築物であるpsAX2およびpCMV−VSV−Gと共に)の同時導入によりレンチウイルスで産生した。U251レンチウイルスインフェクタントは、選択抗生物質(1.25μg/mlピューロマイシン)の存在下1〜2週間培養し、ドキシサイクリン(1μg/ml)を添加して、倒立蛍光顕微鏡検査を用いる生存細胞におけるRFP発現を介した感染の成功をモニターすることによる非感染細胞の除去後に確立した。
【0049】
U251安定トランスフェクタント。U251安定トランスフェクタントを、プラスミドDNA構築物(pcDNA3.1ベクターまたはpcDNA−E1、E2、E3、E4、E5、E6、E7、E8、E9、E10、E11、E13およびE15)でトランスフェクトし、コロニーを形成させるために選択抗生物質(400μg/mlネオマイシン)下で培養して、確立した。個々のコロニーをピペットチップで採り、6ウェルプレートに移して、コロニーを拡張させた。
【0050】
実施例3
軟寒天コロニー形成アッセイ。800〜1000細胞を、5%ウシ血清または実施例10に記載するNS培養のためのマイトジェンサプリメントを添加したDMEM/F12中、1mlの0.3%軟寒天と混合し、同培地中の固化した0.5%軟寒天上に広げた(6ウェルプレートの4個の角のウェルにおいて1ウェルあたり1ml)。同培地の1mlを2週間後および3週間後に添加し、コロニー数を4倍レンズの顕微鏡下に4週間後計数した。細胞は、U251対照細胞および構築物E1、E2、E3、E4、E5、E6、E7、E8、E9、E10、E11、E13、E14、E15またはpcDNA空ベクター(Vec)で安定にトランスフェクトしたU251細胞であった。細胞を、ドキシサイクリン含有培地で培養して、導入遺伝子発現を発現させた。各ウェルのコロニーの総数を4倍レンズの顕微鏡下で計数し、Vec対照(纏めて設定)からの平均コロニー数に対して正規化した。平均(Ave)および標準偏差(SD)は、4個の独立したウェル上に形成されたコロニーに基づいた。5〜10個の代表的コロニーを測定し、コロニーの直径により等級付けした。1+(〜10μm)、2+(〜20μm)、3+(30〜40μm)、4+(40〜60μm)、5+(50〜100μm)、6+(100〜200μm)。
【0051】
実施例4
皮下(S.C.)異種移植片アッセイ。U251HFレンチウイルスインフェクタント細胞株pTRIPZ−vecおよびpTRIPZ−E1、E2、E5、E11、E13、E15およびE18の親培養を1μg/mlドキシサイクリンを含む培地で培養した。14倍希釈マトリゲル(元の濃度9〜12mg/ml)を含む50μl DMEM/F12中の2.5×10
6 U251HFレンチウイルスインフェクタント細胞を、4〜6週齢の雌ヌードマウス(系統NCrNu−M、Taconic, Hudson, NY)の左右の大腿の両側の前部に皮下注射した。注射したマウスに、注射の日から1μg/mlドキシサイクリンを含む水を与えた。腫瘍を注射25日後に摘出し、秤量し、t検定(対応、両側)により解析した。
【0052】
実施例5
マトリゲル
浸潤アッセイ。9〜12mg/mlマトリゲルを氷上または4℃で融解した。10ml氷冷無血清培地を融解マトリゲルに添加した。融解マトリゲルを氷冷SF−DMEM/F12で希釈し、transwell(12ウェル;8μm)に200μl添加し、室温で>1時間インキュベートすることにより、プレートを調節した。細胞播種前に、非結合物質を穏やかに吸引して除いた。マトリゲルコーティングは無色であり、不可視である。100mm皿で80〜90%コンフルエンシーまで増殖させた細胞を、10ml PBSで洗浄することにより剥離し、2ml 0.05%トリプシン−EDTAで30秒消化させ、トリプシンを除去し、ボトルを軽打することにより細胞を剥離し、10ml培養培地を添加し、ピペット中を上下させ、細胞を15mlチューブに移すことにより、細胞を調製した。次いで細胞を遠沈させ、10〜15ml SF培地に再懸濁し、10μlを取って、血球計数器で細胞を計数した。次いで、5×10
6細胞を遠沈し、5ml SF培地に1×10
6/mlで再懸濁した。5×10
5細胞を被覆transwellに添加し、1ml 0.05%CS培地を底ウェルに添加した。CO
2インキュベーター中で播種し、そこでプレートを24時間培養した。
【0053】
マトリゲルを透過した細胞を、次のとおりHEMA3 CMSで染色した。0.5mlの定着性染料をプレートのウェルに添加し、0.2mlをtranswellに添加した。20分後染料を除いた。次いで、0.5mlの赤色染料をプレートのウェルに添加し、0.2mlをtranswellに添加した。20分後染料を除いた。次いで、0.5mlの暗青色染料をプレートのウェルに添加し、0.2mlをtranswellに添加した。20分後染料を除いた。水に浸したQチップをマトリゲル膜の除去に使用し、これを空気乾燥した。乾燥した膜をスライドに載せ、封入剤を添加した。次いで、カバースライドを上に乗せ、20倍レンズを使用する顕微鏡を用いて、各フィルターで10枚の写真を撮った。次いで、撮影した写真に基づき細胞を計数し、1に設定した対照(Vec)と比較し、t検定(対応、両側)により解析した。
【0054】
実施例6
ゼラチン酵素電気泳動アッセイ。構築物pTRIPZ−E1、E2、E5、E13、E15またはE18細胞からの野生型EFEMP1および変異体EFEMP1タンパク質を発現するNS培養したU25Fレンチウイルスインフェクタント細胞ならびにNS培養U251HF対照、pTRIPZ−vec細胞の条件培地を、1μg/mlドキシサイクリン含有無血清DMFM/F12培地で48時間増殖し、次のとおり回収した。細胞を遠沈し、0.3ml上清を1.5mlチューブに移した。タンパク質を1.2ml冷アセトンの添加により上清から沈殿させた。沈殿を、4K RPMで5分、4℃で直ぐに回転させた。条件培地タンパク質(CM−P)を100μl 1×RIPA+1×プロテアーゼ阻止剤カクテルに再懸濁した。2μlのCM−Pを採り、BIO−RADタンパク質アッセイでタンパク質濃度を決定した。再懸濁したCM−Pを80℃で保存した。
【0055】
2〜4μgのCM−Pを1×RIPAおよび2×サンプル緩衝液(100μl 10%BB、10ml グリセロール、1g SDS、7.5ml 1M Tris.HCl pH6.8、無菌ddH
2Oを50mlまで添加)と混合し、短く回転させ、1×Tris−グリシン−SDSランニング緩衝液中の酵素電気泳動ゲルに充填した。ゲルを、室温で90Vで2時間流した。ゲルを2.5%Triton X-100で1〜2時間、RTで穏やかに振盪させながら数回線上した。次いで、ゲルを一夜、37℃でプロテアーゼ反応緩衝液(50mM Tris (pH=7.5)、10mM CaCl
2、150mM NaCl)中インキュベートした。次いで、ゲルを30分、Coomassie Blue R-250(ddH
2O中0.1%クーマシーブルー、10%酢酸、10%イソプロパノール)で、穏やかに振盪しながら染色した。次いで、ゲルを10%酢酸、30%メタノール溶液で3回、20分染色し、2枚のセロハン紙の間で一夜乾燥させた。
【0056】
実施例7
免疫ブロット法。全細胞ライセートの30〜40μgタンパク質を、1×Tris−グリシン−SDSランニング緩衝液中の8%SDS−PAGEゲルに充填した。ゲルを、室温で、90Vで2時間流し、ニトロセルラー膜に移した。5%脱脂乳で1時間ブロットを遮断し、次いで、EGFR(1:1000希釈)またはNOTCH1(1:1000希釈)に対するウサギ一次抗体を含む1%BSA中で、一夜インキュベートした。次いで、1×TBSTで1時間洗浄し、抗ウサギIgG HRP結合二次抗体(1:10,000希釈)と1時間インキュベートした。ECL検出キットを使用して、免疫ブロットのシグナルを展開させた。
【0057】
実施例8
頭蓋内(I.C.)異種移植片アッセイ。神経膠腫細胞(1×10
5/3μl DMEM/F12)を、IACUC承認手術法に従い、4〜6週齢、雌ヌードマウス(系統NCrNu−M、Taconic, Hudson, NY)の前頭葉に注射した。I.C.植え込み後、瀕死の徴候(せむし様姿勢、著しい体重減少および歩行障害)についてマウスを連日モニターし、定期的に体重測定した。脳損傷症状(運動失調、半身麻痺など)および/または20%体重減少を発症したとき、マウスを屠殺し、翌日を生存分析のための生存日として記録した。
【0058】
実施例9
U251の親培養。U251細胞を、通常の組織培養処理皿で、5%ウシ血清および1×ペニシリン−ストレプトマイシン添加DMEM/F12培地中、37℃、5%CO
2で、湿潤チャンバーで培養した。
【0059】
実施例10
U251のNS培養。U251細胞を、寒天(1%)被覆皿で、20ng/ml EGF、20ng/ml bFGF、0.3%B27および1×ペニシリン−ストレプトマイシン添加DMEM/F12培地中、37℃、5%CO
2で、湿潤チャンバーで培養した。
【0060】
次の刊行物は、その全体を引用により本明細書に包含させる。
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Thermo Scientific Open Biosystems Expression Arrest TRIPZ Lentiviral shRNAmir; Technical Manual.
【0061】
本開示は、ある態様および実施例の状況で提供されているが、本開示は具体的に記載されたポリペプチドおよび核酸配列の態様を超えて拡張されることは当業者には理解される。従って、本開示は例示的であり、ここでの態様の具体的開示に限定することを意図しない。