特許第6163584号(P6163584)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6163584
(24)【登録日】2017年6月23日
(45)【発行日】2017年7月12日
(54)【発明の名称】ガスボンベ運搬支持具
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/08 20060101AFI20170703BHJP
【FI】
   F17C13/08 301A
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-78790(P2016-78790)
(22)【出願日】2016年4月11日
【審査請求日】2016年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108708
【氏名又は名称】タキゲン製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078950
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 忠
(72)【発明者】
【氏名】才川 淳太
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭61−191600(JP,U)
【文献】 特開2004−249952(JP,A)
【文献】 米国特許第5890687(US,A)
【文献】 登録実用新案第3071692(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3040162(JP,U)
【文献】 特開2003−310712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 13/08
B62B 3/10
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2本の概略細長円筒状のガスボンベを運搬し、所望の設備に支持するためのガスボンベの運搬支持具であって、
互いに所定の間隔を置いて平行に上下方向に延びる一対の縦杆と、この縦杆の上端部間を接続するハンドルと、このハンドルと協働して一対の縦杆の平行を維持する横杆とを含む枠体と、
それぞれ前記ボンベを保持し、前記枠体の各縦杆に着脱自在に取り付けられる一対のボンベ保持部材と、を具備し、
前記ボンベ保持部材は、前記縦杆への装着時に当該縦杆に沿う支持杆と、当該支持杆の下部に固着され前記ボンベの底部を乗せ受ける底部支持部材と、当該底部支持部材と対向するように前記支持杆の上部に固着され前記ボンベの上下方向の中間部を包囲して保持する環状支持部材と、前記支持杆に対して前記環状支持部材と反対側へ延出するように固着され前記縦杆に対して軸線直交方向に着脱可能に当該縦杆を挟持する挟持部材とを具備することを特徴とするガスボンベ運搬支持具。
【請求項2】
前記挟持部材は、前記支持杆に対して前記環状支持部材と反対側へ延出するように固着されたばね鋼材からなる対向一対の挟持板からなることを特徴とする請求項1に記載のガスボンベ運搬支持具。
【請求項3】
前記挟持部材の一対の挟持板は、先端部の対向位置にピン受け孔を有し、このピン受け孔に挿通されるピンにより、前記縦杆に対して抜け止めされることを特徴とする請求項2に記載のガスボンベ運搬支持具。
【請求項4】
前記枠体の縦杆と前記ボンベ保持部材の支持杆との間に、支持杆の縦杆に対する軸周り位置を固定するための回り止め部が設けられることを特徴とする請求項1に記載のガスボンベ運搬支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用などに用いられるガスボンベを2本ずつ吊り下げて運搬し、また当該ガスボンベを点滴台等の所望の設備に支持して使用に供するためのガスボンベの運搬支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスボンベの運搬具として、特許文献1に記載されたものが知られている。この運搬具は、 互いに所定の間隔を置いて平行に上下方向に延びる一対の縦杆と、この縦杆の上端部間を接続するハンドルと、このハンドルと協働して一対の縦杆の平行を維持する支持杆とを含む枠体と、 それぞれボンベの底部を乗せ受ける円形又はリング状の底板部と、ボンベの底部付近の外周を包囲するように底板部の周縁から起立する環状の周壁部とを具備し、周壁部において一対の縦杆の対向方向と反対側である外側の下端部にそれぞれ固定される一対の底部支持部材と、ボンベの上下方向の中間部を包囲するようにそれぞれ底部支持部材の上方に所定の間隔を置いて配置され、各縦杆の中間部の外側に固定される一対の環状支持部材と、床上に起立配置された状態で底部支持部材を床面上に安定支持するように当該底部支持部材からそれぞれ下方へ延出して下端が床面上に接する複数の支持脚とを具備する。
酸素ボンベを点滴台に搭載するための搭載治具が、特許文献2に提案されている。この搭載治具は、点滴台の下端の脚部上に設置されてボンベの底を載せ受ける底部と、底部の一縁部から立設された垂直部材と、この垂直部材を点滴台の支柱に固定する固定部材と、垂直部材の途上に設置され、ボンベを拘束する拘束部材と、底部からその下方をとおって垂直部材の反対側まで延びるステイと、このステイの先端に設置された荷重受け部とを具備する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5865982号公報
【特許文献2】特開2014−68906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に提案されたものは、例えば酸素ボンベを病院内の所定の保管場所まで運搬し、あるいはその場に立てて保管することができる運搬具である。運搬した酸素ボンベの使用に当たっては、運搬具からボンベを取り出して、例えば、特許文献2に提案されたような適宜の搭載治具を介して点滴台等に固定する必要がある。このように、従来、ボンベの運搬具と設備への搭載治具とは、用途に応じて別々に存在している。
したがって、本発明は、酸素ボンベのようなガスボンベの運搬の用に供するだけでなく、ボンベの使用に際して、垂直の支柱を有する点滴台、寝台のような所望の設備にボンベを支持する治具として用いることができる軽量で簡易な運搬具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下、添付図面の符号を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、本発明に係るガスボンベの運搬支持具1は、互いに所定の間隔を置いて平行に上下方向に延びる一対の縦杆4と、この縦杆4の上端部間を接続するハンドル5と、このハンドル5と協働して一対の縦杆4の平行を維持する横杆6,7とを含む枠体2と、それぞれボンベBを保持し、枠体2の各縦杆4に着脱自在に取り付けられる一対のボンベ保持部材3とを具備する。ボンベ保持部材3は、縦杆4への装着時に当該縦杆4に沿う支持杆8と、当該支持杆8の下部に固着されボンベBの底部を乗せ受ける底部支持部材9と、当該底部支持部材9と対向するように支持杆8の上部に固着されボンベBの上下方向の中間部を包囲して保持する環状支持部材10と、支持杆8に対して環状支持部材10と反対側へ延出するように固着され縦杆4に対して軸線直交方向に着脱可能に当該縦杆4を挟持する挟持部材11とを具備する。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係るガスボンベの運搬支持具1は、2本のボンベBを片手で安定的に運搬することができ、運搬時以外は、ボンベBの保管用スタンドとしても使用できるのに加えて、ボンベBを使用するに際し、枠体3からボンベBもろとも、ボンベ保持部材3を取り外し、点滴台の支柱や寝台の脚のような垂直の支持部材に、挟持部材11を介して固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係るガスボンベの運搬支持具の正面図である。
図2図1の運搬支持具の平面図である。
図3図1の運搬支持具における枠体の正面図である。
図4図1の運搬支持具におけるボンベ保持部材の正面図である。
図5図1の運搬支持具におけるボンベ保持部材の平面図である。
図6図1の運搬支持具における挟持部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
ガスボンベの運搬支持具1は、枠体2と、これに着脱自在の一対のボンベ保持部材3とを具備する。
【0009】
枠体2は、互いに所定の間隔を置いて平行に上下方向に延びる一対の円柱又は円管状の縦杆4と、この縦杆4の上端部間を接続するハンドル5と、このハンドル5と協働して一対の縦杆4の平行を維持する横杆6,7とを具備する。縦杆4の下端部間を接続する横杆7は、両端部において縦杆4の対向部と反対側である外側に突出して、支持杆8との係合部7aを形成している。
【0010】
一対のボンベ保持部材3は、それぞれボンベBを保持し、枠体2の各縦杆4に着脱自在に取り付けられる。ボンベ保持部材3は、支持杆8と、底部支持部材9と、環状支持部材10と、挟持部材11とを具備する。
【0011】
支持杆8は、円柱又は円管状で、縦杆4への装着時に当該縦杆4に沿うように垂直に延びる。支持杆8の下端部の縦杆4側には、横杆の係合部7aに係合する切欠部8aが形成される。係合部7aと切欠部8aとにより、支持杆8を縦杆4に対して軸周りに固定する回り止め部が構成される。
【0012】
底部支持部材9は、支持杆8の下部に固着され、ボンベBの底部を乗せ受ける。底部支持部材9は、ボンベのBの底部を乗せ受けるリング状の底板部9aと、ボンベBの底部付近の外周を包囲するように底板部9aの周縁から起立する環状の周壁部9bとを具備する。底板部9の上面には、ゴムシートが張られる。また、周壁部9bの上縁には、断面ほぼコ字状のゴムパッキング9cが装着される。
【0013】
支持脚14が、底板部9aの下面からそれぞれ下方へ延出し、下端が床面上に接するように設けられる。支持脚14の下端には、ゴムキャップ14aが装着される。
【0014】
環状支持部材10は、底部支持部材9と上下に対向するように、支持杆8の上部に固着され、ボンベBの上下方向の中間部を包囲してこれを保持する。図示しないが、環状支持部材10は、ボンベBを締め付け可能な構成とすることができる。
【0015】
挟持部材11は、支持杆8に対して環状支持部材10と反対側へ延出するように支持杆8に固着され、縦杆4に対して、それの軸線直交方向に着脱可能に当該縦杆4を挟持する。
【0016】
図示の実施形態において挟持部材11は、基端側において支持杆8に固着されたばね鋼材からなる対向一対の挟持板12で構成される。一対の挟持板12は、先端部の対向位置にピン受け孔12aを有し、図6に示すように、このピン受け孔12aに挿通されるピン13により、縦杆4に対して抜け止めされる。挟持板12の挟持力が十分に強ければ、ピン13による抜け止めは不要である。なお、挟持部材11の具体的構造は、図示するものの他、例えば、縦杆4に嵌合する一対の支持片と、一方の支持片に螺合され先端が縦杆4に圧接されるノブボルトとからなるもの等、種々変更が可能である。
【0017】
運搬支持具1は、2本のボンベBを片手で安定的に運搬することができ、運搬時以外は、ボンベBの保管用スタンドとしても使用できるのに加えて、ボンベBを使用するに際し、枠体3からボンベBもろとも、ボンベ保持部材3を取り外し、点滴台の支柱や寝台の脚のような垂直の支持部材に、挟持部材11を介して固定することができる。ボンベの使用が終了後は、再び枠体3へ戻して運搬具として使用できる。
【符号の説明】
【0018】
1 運搬具
2 枠体
3 底部支持部材
4 環状支持部材
5 支持脚
6 縦杆
7 ハンドル
8 支持杆
9 底板部
10 周壁部
11 ゴムシート
12 ゴムパッキング
13 ゴムパッキング
14 ゴムキャップ1
B ボンベ
【要約】
【課題】ガスボンベの運搬、ボンベの使用に際しての垂直の支柱への支持に用いることができる軽量で簡易な運搬支持具を提供する。
【解決手段】運搬支持具1は、枠体2とボンベ保持部材3とを具備する。枠体2は、平行一対の縦杆4、それの上端部間を接続するハンドル5、これと協働して縦杆4の平行を維持する横杆6,7とを含む。ボンベ保持部材3は、枠体2の縦杆4に着脱自在であり、縦杆4に沿う支持杆8と、支持杆8の下部に固着されボンベBの底部を乗せ受ける底部支持部材9と、当該底部支持部材9の上方に対向して支持杆8に固着されボンベBの中間部を保持する環状支持部材10と、支持杆8に固着され縦杆4に対して軸線直交方向に着脱可能に当該縦杆4を挟持する挟持部材11とを具備する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6