(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
送り孔を有するシートの搬送方向と交差する方向に沿った搬送基準となる端部に、前記シートの搬送方向に沿って前記送り孔内に同時に位置することがない間隔で、且つ前記シートの搬送方向と交差する方向に沿って、前記送り孔の内側及び前記シート端部より外側に同時に位置することがない間隔で、少なくとも一方が検出すべき前記シートの端部の許容ずれ量に対応した位置に、他方が前記一方と同一位置又は前記一方より前記シートの端部側の位置にそれぞれ配置され、前記シートの有無を検出する第1及び第2の検出手段と、
前記第1及び第2の検出手段の検出結果に基いて、前記シートの端部位置を判定する判定手段と
を備え、
前記第1及び第2の検出手段は、前記シートの送り孔の中心間距離をA、前記シートの端部から前記送り孔の中心までの距離をB、前記シートの送り孔の直径をC、前記シートの端部の許容ずれ量をDとした場合、前記第1及び第2の検出手段の前記シートの搬送方向に沿った間隔ΔX、前記シートの端部を基準として前記シートの搬送方向と交差する方向に沿った一方の検出手段の位置Y1及び他方の検出手段の位置Y2が、
(1)C<ΔX<A―C
且つ、
(2)Y1<B−C/2のとき
Y2≦Y1
(3)B−C/2≦Y1≦B+C/2のとき
C<Y2≦Y1
(4)B+C/2<Y1のとき
Y1−(B−C/2)<Y2≦Y1
なる関係を満たすことを特徴とするシート端部検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明を実施するための形態(単に「実施の形態」という)について添付の図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、実施の形態1に係るシート端部検出装置を適用した画像形成装置の全体の概要を示すものである。
【0017】
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばピンフィード用の送り孔を有する連帳紙に画像を記録する連帳プリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、現像剤を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する作像装置10と、作像装置10の転写位置に供給すべき所要の記録媒体としての連帳紙5を収容して供給する給紙装置20と、給紙装置20により給紙された連帳紙5を搬送する搬送手段の一例としての搬送装置30と、作像装置10により転写された連帳紙5上のトナー像を定着させる定着装置40等を備えている。
【0018】
画像形成装置1は、筐体1aを備え、この筐体1aは支持構造部材、外装カバー等で形成されている。また、図中の符号5を付した実線は、筐体1aの内部において連帳紙5が搬送される主な搬送経路を示す。
【0019】
作像装置10は、筐体1aの内部空間において所要位置に位置するよう配置されている。作像装置10は、
図1に示されるように、回転する像保持体の一例としての感光体ドラム11を備えており、この感光体ドラム11の周囲に、次のような各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる第1及び第2の帯電装置12a,12bと、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある静電潜像を形成する静電潜像形成手段としての第1及び第2の露光装置13a,13bと、その静電潜像を所望の色(例えば、ブラック)の現像剤のトナーで現像してトナー像にする現像手段としての現像装置14と、そのトナー像を連帳紙5に転写する転写装置15と、転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置16と、感光体ドラム11の清掃後における像保持面を除電する除電器17等である。
【0020】
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない回転駆動装置から動力が伝達されて矢印で示す方向に回転するように支持されている。
【0021】
第1及び第2の帯電装置12a,12bは、感光体ドラム11に接触しない状態で配置されるコロナ放電器等の非接触型の帯電装置で構成される。
【0022】
第1及び第2の露光装置13a,13bは、画像形成装置1に外部装置から入力される画像の情報に応じて構成される光を、帯電された後の感光体ドラム11の周面に対して照射して静電潜像を形成するものである。第1及び第2の露光装置13a,13bとしては、例えば、LEDプリントヘッドが用いられる。第1及び第2の露光装置13a,13bには、潜像形成時になると画像形成装置1に任意の手段で入力される画像の情報(信号)が送信される。
【0023】
現像装置14は、感光体ドラム11と対向する位置に設けられた開口部と現像剤の収容室が形成された筐体140の内部に、現像剤を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する複数の現像ロール141と、現像剤を攪拌しながら現像ロール141を通過させるよう搬送する図示しないスクリューオーガー等の攪拌搬送部材と、現像ロール141に保持される現像剤の量(層厚)を規制する図示しない層厚規制部材などを配置して構成されたものである。この現像装置14には、その現像ロール141と感光体ドラム11の間に現像用電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール141や図示しない攪拌搬送部材は、図示しない回転駆動装置からの動力が伝達されて所要の方向に回転する。さらに、上記現像剤としては、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。なお、
図1中、符号142は、現像装置14に少なくともトナーを含む現像剤を供給する現像剤供給装置を、符号143は現像剤を収容する現像剤収容容器をそれぞれ示している。
【0024】
転写装置15は、転写位置Tにおいて感光体ドラム11の周面に対向して配置されるとともに転写用電圧が供給されるコロトロンを備えた非接触型の転写装置である。転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
【0025】
ドラム清掃装置16は、図示しない容器状の本体の内部に配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃ブラシ161と、同じく残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板162と、清掃ブラシ161及び清掃板162で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収システムに送り出すよう搬送する図示しないスクリューオーガー等の送出部材等で構成されている。清掃板162としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
【0026】
定着手段の一例としての定着装置40は、装置筐体1aの内部に固定した状態で配置されたフラッシュ定着装置から構成されている。フラッシュ定着装置40は、連帳紙5の搬送方向と交差する方向(図面に垂直な方向)に沿って配置されたフラッシュランプ41を連帳紙5の搬送方向に沿って複数本(図示例では4本)備え、これらのフラッシュランプ41を点灯させることにより、当該フラッシュランプ41からの輻射熱によってトナー像を連帳紙5に定着させる。なお、定着装置としては、フラッシュ定着装置に限定されるものではなく、加熱手段の一例としてのロール形態又はベルト形態の定着部材、及び加圧手段の一例としてのロール形態又はベルト形態の加圧部材などを配置して構成されたものを用いても良い。この定着装置では、定着部材と加圧部材が接触する接触部が所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部となる。
【0027】
給紙装置20は、定着装置40の下方側の位置に存在するように配置される。この給紙装置20は、所望のサイズ(例えば、A4サイズやA3サイズ等)に折り畳まれた状態で連帳紙5を収容する単数(又は複数)の用紙収容体(用紙ホッパ)21と、用紙収容体21から連帳紙5を折り目を延ばした状態で送り出す送出装置22とで主に構成されている。用紙収容体21は、例えば、装置筐体1aの正面(使用者が操作時に向き合う側面)側に引き出すことができるように取り付けられている。
【0028】
給紙装置20と定着装置40との間には、給紙装置20から送り出される連帳紙5を、その搬送方向と交差する方向に沿った一方の端部を基準として転写位置Tまで搬送する複数の用紙搬送ロール31,32,33や搬送ガイド材で構成される搬送装置30が設けられている。搬送装置30において給紙装置20の上部に配置される用紙搬送ロール31は、
図2に示されるように、例えば連帳紙5の搬送方向と交差する方向に沿った一方の搬送基準となる端部を規制手段の一例としての搬送ガイド部材(エッジガイド)34に突き当てるように斜めに搬送することにより、連帳紙5の端部をエッジガイド34の内面の位置である基準位置に整合させるロール(アライナロール)として構成されている。また、搬送ガイド部材34の連帳紙5の搬送面と接触する面34aは、湾曲した曲面状に形成されている。
【0029】
また、搬送装置30において転写位置Tの直前の位置に配置される用紙搬送ロール33は、画像形成動作の開始時に、例えば連帳紙5の搬送時期を調整するロール(レジストロール)として構成されている。
【0030】
転写位置Tの用紙搬送方向に沿った下流側には、トナー像が転写された連帳紙5を搬送する用紙ロール35,36が配置されている。また、定着装置40の下流側には、連帳紙5に張力を付与した状態で搬送するとともに連帳紙5を筐体1aの外部に排出する搬送装置30の一部としての排出ロール対37を備えている。排出ロール対37は、図示しない駆動手段によって回転駆動される駆動ロール37aと、駆動ロール37aの外周面に連帳紙5を巻き付けた状態で接触するよう配置された2つの従動ロール37b,37cとを備えている。
【0031】
搬送装置30において転写位置Tの前後の位置に配置される用紙搬送ロール31〜33及び排出ロール対37は、例えば連帳紙5の搬送時期を調整するとともに、搬送方向を給紙装置20から転写位置Tへ向けた方向である正転方向と、転写位置Tから給紙装置20へ向けた方向である逆転方向とに切り替え可能に構成されている。
【0032】
なお、
図1において、転写位置Tの上流側及び下流側には、連帳紙5を感光体ドラム11の周面と接触するよう案内する搬送ガイド38,39がそれぞれ配置されている。
【0033】
給紙装置20から供給される連帳紙5としては、例えば、搬送方向と交差する方向(以下、「幅方向」という。)に沿って所要の幅を有し、幅方向に沿った両端部に送り孔を有しない所謂ピンレス紙からなる連続した用紙が用いられる。また、連帳紙5としては、必要に応じて、
図3に示されるように、搬送方向と交差する方向(以下、「幅方向」という。)に沿った両端部に、搬送方向に沿って所要の間隔Aで設けられた送り孔51を有する所謂ピンフィード紙からなる連続した用紙が用いられる場合がある。
【0034】
ここで、
図3中、符号Aは、送り孔51の中心間の距離(ピッチ)を、符号Bは連帳紙5の端部5aから送り孔51の中心までの距離を、符号Cは送り孔51の直径を、符号Dは、後述するシート端部検出装置70によって検出すべき連帳紙5の端部の許容ずれ量をそれぞれ示している。
【0035】
連帳紙5は、一般に、送り孔51の中心間の距離(ピッチ)Aが所要の値(例えば、12.7mm)に設定されている。また、連帳紙5の端部5aから送り孔51の中心までの距離Bは、送り孔51の直径にかかわらず5.2mmに設定されている。さらに、送り孔51の直径Dは、主に、4mmに設定されているが、送り孔51の直径Dとしては、それよりも大きな6mmに設定されているものも存在する。ただし、連帳紙5の各値としては、これらの値に限定されるものではない。
【0036】
なお、
図1中、符号61はコンピュータ等の外部装置から送られてくる画像データを記憶する画像記憶手段の一例としてのページバッファを、62はバッグフィルタを、63は画像形成装置1の動作を統括的に制御する制御部を、64,65は画像形成装置1に所要の電圧や電流を供給する電源回路をそれぞれ示している。
【0037】
<画像形成装置の基本的な動作>
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
【0038】
画像形成装置1は、画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、作像装置10等が始動する。
【0039】
そして、作像装置10においては、
図1に示されるように、まず感光体ドラム11が矢印で示す方向に回転し、第1及び第2の帯電装置12a,12bが感光体ドラム11の表面を所要の極性(本実施の形態ではマイナス極性)及び電位にそれぞれ帯電させる。続いて、第1及び第2の露光装置13a,13bが、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の信号に基づいて発光される光を照射し、その表面に所要の電位差で構成される静電潜像を形成する。
【0040】
続いて、現像装置14が、感光体ドラム11に形成された静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電されたトナーを供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、感光体ドラム11に形成された静電潜像は、トナーで現像されたトナー像として顕像化される。
【0041】
続いて、作像装置10の感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が転写位置Tまで搬送されると、転写装置15がトナー像を連帳紙5に対して転写させる。
【0042】
また、転写が終了した作像装置10では、ドラム清掃装置16が付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃し、最後に、除電器17が清掃後の感光体ドラム11の表面を除電する。これにより、作像装置10は次の作像動作が可能な状態にされる。
【0043】
続いて、トナー像が転写された連帳紙5は、感光体ドラム11から分離された後に定着装置40まで搬送される。定着装置40では、当該定着装置40の下方に転写後の連帳紙5を導入して通過させることにより、フラッシュランプ41からの輻射熱によって未定着のトナー像を連帳紙5に定着させる。定着が終了した後の連帳紙5は、排出ロール対37により、例えば筐体1aの外部に設置された図示しない排出収容部に排出される。
【0044】
以上の動作により、トナー像からなる画像が形成された連帳紙5が出力される。
【0045】
<シート端部検出装置の構成>
図4はこの実施の形態1に係る画像形成装置のシート端部検出装置を示す構成図である。
【0046】
画像形成装置1は、
図2に示されるように、複数のアライナロール31によって連帳紙5の幅方向に沿った一方の端部5a(基準端部)をエッジガイド34に突き当てるように斜めに搬送することにより、連帳紙5の端部5aを基準位置に整合させる。
【0047】
本実施の形態では、連帳紙5の幅方向に沿った端部5aの位置を検出するシート端部検出装置70がエッジガイド34の搬送方向に沿った下流側に近接して配置されている。シート端部検出装置70は、連帳紙5の端部5aの位置を検出して、当該連帳紙5の幅方向に沿った端部5aの位置がエッジガイド34で決定される基準位置に対して許容されるずれ量の範囲内にあるか否かを判定する。
【0048】
シート端部検出装置70は、
図2及び
図4に示されるように、連帳紙5の幅方向に沿った基準端側の端部(エッジガイド34側の端部)5aに対応した位置に連帳紙5の搬送方向に沿って所要の距離だけ離れて配置された第1及び第2の検出手段の一例としての第1及び第2の検出部72,73を有する2ビーム式の透過型フォトセンサ71を備えている。2ビーム式の透過型フォトセンサ71としては、例えば、新光電子社製の品番KI 663が用いられる。この透過型フォトセンサ71は、第1及び第2の検出部72,73を構成する第1及び第2の発光素子72a,73aと第1及び第2の受光素子71b,72bとを有している。また、第1及び第2の受光素子71b,72bの受光部側には、間隙Gが0.8mm程度に設定されたスリット74が設けられている。このスリット74は、第1及び第2の受光素子72b,73bの受光領域を制限しており、スリット74の開口幅に対応した略点に近い受光領域で連帳紙5の端部5aの位置を検出することを可能としている。第1及び第2の検出部72,73は、連帳紙5を検出しているとき“High”(紙有り)との信号を出力し、連帳紙5を検出していないとき“Low”(紙無し)との信号を出力する。
【0049】
また、本実施の形態では、フォトセンサ71の第1及び第2の検出部72,73は、フォトセンサ71の長手方向に沿って所要の距離L(例えば、7mm)だけ離間して配置されている。
【0050】
ところで、本実施の形態では、フォトセンサ71の第1検出部72及び第2検出部73の少なくともいずれか一方が紙有りを検出したとき、連帳紙5の端部5aのずれ量が許容ずれ量D以内であり、第1検出部72及び第2検出部73の双方が紙無しを検出したときに、連帳紙5の端部5aが許容ずれ量Dを超えるよう構成されている。
【0051】
更に説明すると、本実施の形態では、
図3に示されるように、フォトセンサ71を連帳紙5の幅方向に沿った端部に配置するにあたり、当該フォトセンサ71の第1検出部72と第2検出部73の連帳紙5の搬送方向(X方向)に沿った間隔ΔXを、第1検出部72と第2検出部73が単一及び隣接する送り孔51内に同時に位置することがないよう、連帳紙5の送り孔51の直径Cより広く且つ隣接する送り孔51の端部間の距離E(=A−C)より狭く設定している。即ち、第1の検出部72と第2の検出部73は、連帳紙5の搬送方向(X方向)に沿った間隔ΔXが次の関係式(1)を満たしている。
C<ΔX<A−C …(1)
【0052】
具体的には、連帳紙5として送り孔51の直径が最大である6mmの場合を考慮して、第1検出部72と第2検出部73の連帳紙5の搬送方向(X方向)に沿った間隔ΔXは、6<ΔX<6.7mmの関係を満たすよう設定される。
【0053】
また、本実施の形態では、第1の検出部72及び第2の検出部73の連帳紙5の搬送方向と交差する方向である幅方向(Y方向)に沿った座標位置Y1,Y2を、連帳紙5の端部5aがエッジガイド34に対応した基準位置に位置する場合を“0”とした場合、第1の検出部72が検出すべき連帳紙5の端部の許容ずれ量D(例えば、2mm)に対応した位置に配置されている。更に説明すると、第2の検出部73は、
図8(b)に示されるように、Y1<B−C/2を満たすとき、つまり、第1の検出部72が送り孔51より連帳紙5の端部側に位置するとき、第1の検出部72との間隔が連帳紙5の端部5aと送り孔51の端部間の距離Fより短くなる位置であって、且つ第1の検出部72と同じ位置か又は第1の検出部72よりも連帳紙5の端部5a側に位置するよう配置されている。即ち、第2の検出部73は、連帳紙5の幅方向(Y方向)に沿った位置Y2が次の関係式(2)を満たしている。
Y2≦Y1 …(2)
【0054】
具体的には、連帳紙5として送り孔51の直径が最大である6mmの場合を考慮して、第2の検出部73の幅方向の位置Y2は、Y2<2.2mmに設定される。このとき、第1の検出部72は、連帳紙5の端部5aから許容ずれ量である2mmだけ離れた位置に配置されており、第2の検出部73の幅方向の位置Y2は、関係式(2)に基いてY2≦2.0mmに設定される。
【0055】
この実施の形態では、第1検出部72の連帳紙5の幅方向(Y方向)に沿った座標位置Y1が、検出すべき連帳紙5の端部の許容ずれ量Dに対応した位置に配置されており、第2検出部73の連帳紙5の幅方向(Y方向)に沿った座標位置Y2が、第1の検出部72と同一の位置か又は第1の検出部72より連帳紙5の端部5a側に配置されている。そのため、フォトセンサ71は、第1の検出部72及び第2の検出部73が上述した位置関係を満たすよう連帳紙5の搬送方向に対して傾斜した状態で装着されている。
【0056】
また、第2の検出部73は、
図8(c)に示されるように、B−C/2≦Y1≦B+C/2のとき、つまり、第1の検出部72が連帳紙5の送り孔51の内部に対応した位置に位置するとき、送り孔51の直径Cよりも連帳紙5の端部5aから離れた位置に配置されている。その理由は、第1の検出部72が連帳紙5の送り孔51の内部に対応した位置に位置するとき、第2の検出部73が送り孔51の直径Cよりも連帳紙5の端部5aに近い位置に配置されていると、連帳紙5の端部5aが第2の検出部73より内側に移動して当該第2の検出部73が紙無しを検出した場合に、第1の検出部72が送り孔51の内部に位置することがあるため、やはり、紙無しを検出してしまい、連帳紙5の端部5aが許容ずれ量Dに達していないにもかかわらず、第1及び第2の検出部72,73の双方が紙無しを検出して誤検出が生じるからである。そのため、第1の検出部72が連帳紙5の送り孔51の内部に対応した位置に位置するとき、第2の検出部73は、連帳紙5の端部5aより内側に位置するよう設定されている。即ち、第1の検出部72と第2の検出部73は、連帳紙5の幅方向(Y方向)に沿った位置Y1,Y2が次の関係式(3)を満たしている。
C<Y2≦Y1 …(3)
【0057】
さらに、第2の検出部73は、
図8(d)に示されるように、B+C/2<Y1のとき、つまり、第1の検出部72が連帳紙5の送り孔51より奥側(連帳紙5の他端側)に位置するとき、第1の検出部72が送り孔51の内部を通過し終わるまで、紙有りを検出している必要がある。即ち、第1の検出部72及び第2の検出部73は、連帳紙5の幅方向(Y方向)に沿った位置Y1,Y2が次の関係式(4)を満たしている。
Y1−(B−C/2)<Y2≦Y1 …(4)
【0058】
なお、第2検出部73の連帳紙5の幅方向(Y方向)に沿った座標位置Y2は、第1の検出部72と同一の位置であっても良いが、第1及び第2の検出部72,73の取付位置の誤差等を考慮した場合、座標位置Y2は、第1の検出部72より連帳紙5の端部5a側に位置するよう設定するのが望ましい。
【0059】
図5はこの実施の形態に係るシート端部検出装置の制御回路を概略的に示すブロック図である。
【0060】
図において、71はフォトセンサを示しており、フォトセンサ71から出力される信号は、I/Oインターフェイス101を介して制御部100に入力されている。制御部100は、図示しないROMに記録されたプログラムに基いて図示しないRAMに記憶されたパラメータ等を参照しつつ画像形成装置1の動作を統括的に制御する。また、制御部100は、フォトセンサ71から出力される信号に基いて、連帳紙5の端部5aのずれ量が許容ずれ量D以下か否かを判定する判定手段としても機能する。
【0061】
102は画像形成装置1の搬送手段の一例としての搬送装置30を駆動する駆動手段の一例としての用紙搬送モータを示している。
【0062】
103は画像形成装置1を使用するユーザに対して連帳紙5の端部5aの位置が許容ずれ量を超えた場合にアラームを表示するアラーム表示部である。アラーム表示部103は、例えば、画像形成装置1の操作パネルに設けられた液晶パネル等からなる表示パネルから構成される。また、アラーム表示部103は、画像形成装置1に対して画像形成動作(プリント)の要求指令を行うコンピュータ等の上位装置に設けられていても良い。
【0063】
アラーム表示部103は、例えば、「用紙の搬送位置を確認してください。」等のメッセージを表示することによりユーザに対して連帳紙5の端部5aの位置が許容ずれ量を超えていることを警告する。なお、アラーム表示部103は、ユーザに対して警告を発することが可能なものであれば、所要のメッセージの表示とともにアラーム音を発するものとして構成したものであっても良い。
【0064】
<シート端部検出装置の動作>
次に、シート端部検出装置によるシート端部の検出動作について説明する。
【0065】
シート端部検出装置70は、画像形成装置1の電源が投入されると、画像形成動作の開始前、画像形成動作中、画像形成動作終了後、あるいは待機中において、画像形成装置1に対して搬送装置30に沿って掛け渡された連帳紙5の端部5aの位置をフォトセンサ71により検出し、フォトセンサ71から制御部100に対しI/Oインターフェイス101を介して検出信号を出力する。
【0066】
画像形成装置1では、通常、連帳紙5の端部5aがエッジガイド34の内側面に接触した状態で搬送装置30により搬送されており、連帳紙5の端部5aの位置は、エッジガイド34の内側面に一致している。
【0067】
しかしながら、搬送装置30の用紙搬送ロール31〜33等の回転軸に傾き等の取り付け誤差が存在したり、作像装置10において印字パターンとして感光体ドラム11の軸方向に沿った一端部側に偏って高濃度の画像が形成されたり、或いは記録媒体の種類など種々の要因によって、連帳紙5の端部位置がエッジガイド34からずれる場合が生じ得る。
【0068】
いま、
図6(a)に示されるように、直径4mmの送り孔51を有する連帳紙5の基準となる端部5aが、エッジガイド34に対応して位置に位置している場合、フォトセンサ71の第1及び第2の検出部72,73は、何れも、連帳紙5の端部と送り孔51との間に位置している。そのため、フォトセンサ71の第1及び第2の検出部72,73は、何れも“High”(紙有り)信号を出力する。制御部100は、フォトセンサ71の第1及び第2の検出部72,73からの紙有りの検出信号に基いて、連帳紙5の端部5aの位置は、許容ずれ量の範囲内にあり正常状態であると判定する。
【0069】
次に、
図6(b)に示されるように、直径6mmの送り孔51を有する連帳紙5がエッジガイド34に過剰に押し当てられて、連帳紙5の端部5aがエッジガイド34より幅方向の外側に例えば0.3mmずれて位置する座屈が生じている場合であって、かつフォトセンサ71の第1の検出部72が連帳紙5の送り孔51の位置に位置している場合、フォトセンサ71の第1及び第2の検出部72,73のうち、第1の検出部72は“Low”(紙無し)信号を出力するが、第2の検出部73は“High”(紙有り)信号を出力する。このとき、制御部100は、フォトセンサ71の第1及び第2の検出部72,73のうち、一方の第2の検出部73が紙有り信号を出力しているため、連帳紙5の端部5aの位置は、許容ずれ量の範囲内にあり正常状態であると判定する。
【0070】
また、
図7(a)に示されるように、直径6mmの送り孔51を有する連帳紙5の端部5aがエッジガイド34から離間した位置に移動しているが、当該連帳紙5の端部5aのずれ量が許容ずれ量の範囲内である場合、フォトセンサ71の第1の検出部72は“High”(紙有り)信号を出力するが、第2の検出部73は、連帳紙5の端部5aより外側に位置するため、“Low”(紙無し)信号を出力する。このとき、制御部100は、フォトセンサ71の第1及び第2の検出部72,73のうち、一方の第1の検出部72が紙有り信号を出力しているため、連帳紙5の端部5aの位置は、許容ずれ量Dの範囲内にあり正常状態であると判定する。
【0071】
さらに、
図7(b)に示されるように、直径6mmの送り孔51を有する連帳紙5の端部5aがエッジガイド34から離間した位置に移動し、当該連帳紙5の端部5aのずれ量が許容ずれ量を超えた場合、フォトセンサ71の第1及び第2の検出部72,73は何れも“Low”(紙無し)信号を出力する。このとき、制御部100は、フォトセンサ71の第1及び第2の検出部72,73が共に紙無し信号を出力しているため、連帳紙5の端部5aの位置は、許容ずれ量Dの範囲を超えており異常状態であると判定する。
【0072】
すると、制御部100は、
図5に示されるように、I/Oインターフェイス101を介して搬送装置30を駆動する用紙搬送モータ102に信号を送り、用紙搬送モータ102を停止させて搬送装置30による連帳紙5の搬送を停止させる。また、制御部100は、アラーム表示部103に信号を送って「用紙の搬送位置を確認してください。」等のメッセージを表示することによりユーザに対して連帳紙5の端部5aの位置が許容ずれ量を超えていることを警告する。
【0073】
これに対して、従来技術のように、連帳紙5の端部の許容ずれ量に対応した位置に検出手段を1つのみ配置した場合には、当該検出手段の位置に連帳紙5の送り孔51が位置すると、連帳紙5の位置が適正であるにもかかわらず、紙無しであると誤検出してしまう虞れがある。
【0074】
このように、上記実施の形態によれば、フォトセンサ71の所要の位置関係に配置された第1及び第2の検出部72,73の検出結果に基いて、連帳紙5の端部5aの位置を判定するため、送り孔51を有する連帳紙5であっても端部5aの位置を誤って検出することを防止又は抑制することができる。
【0075】
なお、前記実施の形態では、連帳紙5の搬送方向に沿って第1及び第2の検出部73を隣接する送り孔51の間に位置するように配置した場合について説明したが、第1及び第2の検出部72,73は、単一及び隣接する送り孔51内に同時に位置することがないよう配置されていれば良い。