(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
半導体発光素子を含む第1光源と、半導体発光素子を含む第2光源と、前記第1光源からの光を制御する第1光学部材と、前記第2光源からの光を制御する第2光学部材と、を含む少なくとも一つの光学モジュールと、前記第1光源と前記第2光源と前記第1光学部材と前記第2光学部材とを支持する支持部材と、を備えた車両用灯具において、
前記第1光学部材の外周において前記第1光学部材を囲むように配置された第1外周導光部を備えており、
前記第2光学部材は、第2外周導光部を備え、
前記第1光学部材は、前記第1光源からの光が入光する入光面と、第1前面と、第1後面と、を含み、かつ、前記入光面から入光する前記第1光源からの光が前記第1前面の少なくとも一部で反射し、さらに、前記第1後面の少なくとも一部で反射した後、前記第1前面の少なくとも一部から出射して前方に照射されるように構成されており、
前記第2光学部材は、前記第2光源からの光が前記第1外周導光部まで導光されて、当該第1外周導光部から出射して前方に照射されるように構成されており、
前記第1外周導光部は、第2前面と第2後面とを含み、
前記第2外周導光部は、第3前面を含み、
前記第3前面は、前記第2光源からの光を出射する面であり、
前記第2後面は、前記第3前面から出射する光が入光する面であり、
前記第2前面は、前記第2後面からの入光した光が出射する面であり、
前記第2光源及び前記第2光学部材は、前記第1光学部材の後方に配置されており、
前記第2光学部材は、前記第2後面と前記第3前面とが面接触する形で、前記第1光学部材と前記支持部材との間で挟持されることを特徴とする車両用灯具。
半導体発光素子を含む第1光源と、半導体発光素子を含む第2光源と、半導体発光素子を含む第3光源と、前記第1光源からの光を制御する第1光学部材と、前記第2光源及び前記第3光源からの光を制御する第2光学部材と、を含む少なくとも一つの光学モジュールと、前記第1光源と前記第2光源と前記第3光源と支持する支持部材と、を備えた車両用灯具において、
前記第1光学部材の外周において前記第1光学部材を囲むように配置された第1外周導光部を備えており、
前記第2光学部材は、第2外周導光部を備え、
前記第1光学部材は、前記第1光源からの光が入光する入光面と、一の方向に隣接して配置された一対の第1前面と、前記一の方向に隣接して配置された一対の第1後面と、を含み、かつ、前記入光面から入光する前記第1光源からの光が前記一対の第1前面の少なくとも一部で反射し、さらに、前記一対の第1後面の少なくとも一部で反射した後、前記一対の第1前面の少なくとも一部から出射して前方に照射されるように構成されており、
前記第2光学部材は、前記第2光源からの光及び前記第3光源からの光が前記第1外周導光部まで導光されて、当該第1外周導光部から出射して前方に照射されるように構成されており、
前記第1外周導光部は、第2前面と第2後面とを含み、
前記第2外周導光部は、第3前面を含み、
前記第3前面は、前記第2光源からの光を出射する面であり、
前記第2後面は、前記第3前面から出射する光が入光する面であり、
前記第2前面は、前記第2後面からの入光した光が出射する面であり、
前記第2光源、前記第3光源及び前記第2光学部材は、前記第1光学部材の後方に配置されており、
前記第2光学部材は、前記第2後面と前記第3前面とが面接触する形で、前記第1光学部材と前記支持部材との間で挟持されることを特徴とする車両用灯具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1においては、ロービーム用のランプA、ハイビーム用のランプF、デイタイムランニングランプTを別個のランプとして構成して車両前部の異なる箇所に配置する構成であるため(
図13参照)、限られたスペースに複数のランプ(例えば、ヘッドランプ、デイタイムランニングランプ)を配置することが難しいという問題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、限られたスペースであっても複数のランプを配置することができる車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、半導体発光素子を含む第1光源と、半導体発光素子を含む第2光源と、前記第1光源からの光を制御する第1光学部材と、前記第2光源からの光を制御する第2光学部材と、を含む少なくとも一つの光学モジュール
と、前記第1光源と前記第2光源と前記第1光学部材と前記第2光学部材とを支持する支持部材と、を備えた車両用灯具において、前記第1光学部材の外周において前記第1光学部材を囲むように配置された
第1外周
導光部を備えており、
第2光学部材は、第2外周導光部を備え、前記第1光学部材は、前記第1光源からの光が入光する入光面と、
第1前面と、
第1後面と、を含み、かつ、前記入光面から入光する前記第1光源からの光が前記
第1前面の少なくとも一部で反射し、さらに、前記
第1後面の少なくとも一部で反射した後、前記
第1前面の少なくとも一部から出射して前方に照射されるように構成されており、前記第2光学部材は、前記第2光源からの光が前記
第1外周
導光部まで導光されて、当該
第1外周
導光部から出射して前方に照射されるように構成されており、
前記第1外周導光部は、第2前面と第2後面とを含み、前記第2外周導光部は、第3前面を含み、前記第3前面は、前記第2光源からの光を出射する面であり、前記第2後面は、前記第3前面から出射する光が入光する面であり、前記第2前面は、前記第2後面からの入光した光が出射する面であり、前記第2光源及び前記第2光学部材は、前記第1光学部材の後方に配置されて
おり、前記第2光学部材は、前記第2後面と前記第3前面とが面接触する形で、前記第1光学部材と前記支持部材との間で挟持されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の車両用灯具によれば、限られたスペースであっても複数のランプ(例えば、ヘッドランプ、デイタイムランニングランプ)を配置することができる。これは、第1光学部材の外周において当該第1光学部材を囲むように外周光学部材を配置したことに加え、第2のランプ(例えば、デイタイムランニングランプ)を実現するための構成(第2光源及び第2光学部材)を、例えば、灯具正面から見て、第1のランプ(例えば、ヘッドランプ)を実現するための構成(第1光学部材)の後方に配置したことによるものである。
【0009】
請求項
1に記載の発明によれば、第2のランプ(例えば、デイタイムランニングランプ)を実現するための構成(第2光源及び第2光学部材)が、第1光学部材と支持部材との間に配置された車両用灯具を提供することができる。
【0010】
請求項
2に記載の発明は、請求項
1に記載の発明において、前記支持部材は、ベース部を含んでおり、前記ベース部の前面は、当該前面から前方に突出した台座部を含んでおり、前記第1光学部材の後面は、前記ベース部の前面の前記台座部以外の領域の前方に配置されており、前記第1光源は、前記台座部に固定されており、前記第2光源は、前記ベース部の前面の前記台座部以外の領域に固定されていることを特徴とする。
【0011】
請求項
2に記載の発明によれば、請求項
1と同様の効果を奏することができる。
【0012】
請求項
3に記載の発明は、半導体発光素子を含む第1光源と、半導体発光素子を含む第2光源と、半導体発光素子を含む第3光源と、前記第1光源からの光を制御する第1光学部材と、前記第2光源及び前記第3光源からの光を制御する第2光学部材と、を含む少なくとも一つの光学モジュール
と、前記第1光源と前記第2光源と前記第3光源と支持する支持部材と、を備えた車両用灯具において、前記第1光学部材の外周において前記第1光学部材を囲むように配置された
第1外周
導光部を備えており、
前記第2光学部材は、第2外周導光部を備え、前記第1光学部材は、前記第1光源からの光が入光する入光面と、一の方向に隣接して配置された一対の
第1前面と、前記一の方向に隣接して配置された一対の
第1後面と、を含み、かつ、前記入光面から入光する前記第1光源からの光が前記一対の
第1前面の少なくとも一部で反射し、さらに、前記一対の
第1後面の少なくとも一部で反射した後、前記一対の
第1前面の少なくとも一部から出射して前方に照射されるように構成されており、前記第2光学部材は、前記第2光源からの光及び前記第3光源からの光が前記
第1外周
導光部まで導光されて、当該
第1外周
導光部から出射して前方に照射されるように構成されており、
前記第1外周導光部は、第2前面と第2後面とを含み、前記第2外周導光部は、第3前面を含み、前記第3前面は、前記第2光源からの光を出射する面であり、前記第2後面は、前記第3前面から出射する光が入光する面であり、前記第2前面は、前記第2後面からの入光した光が出射する面であり、前記第2光源、前記第3光源及び前記第2光学部材は、前記第1光学部材の後方に配置されて
おり、前記第2光学部材は、前記第2後面と前記第3前面とが面接触する形で、前記第1光学部材と前記支持部材との間で挟持されていることを特徴とする。
【0013】
請求項
3に記載の車両用灯具によれば、限られたスペースであっても複数のランプ(例えば、ヘッドランプ、デイタイムランニングランプ)を配置することができる。これは、第1光学部材の外周において当該第1光学部材を囲むように外周光学部材を配置したことに加え、第2のランプ(例えば、デイタイムランニングランプ)を実現するための構成(第2光源及び第2光学部材)を、例えば、灯具正面から見て、第1のランプ(例えば、ヘッドランプ)を実現するための構成(第1光学部材)の後方に配置したことによるものである。
【0015】
請求項
3に記載の発明によれば、第2のランプ(例えば、デイタイムランニングランプ)を実現するための構成(第2光源及び第2光学部材)が、第1光学部材と支持部材との間に配置された車両用灯具を提供することができる。
【0016】
請求項
4に記載の発明は、請求項
3に記載の前記支持部材は、ベース部を含んでおり、前記ベース部の前面は、当該前面から前方に突出した台座部と、当該台座部の両側に配置された第1領域、第2領域と、を含んでおり、前記第1光学部材の前記一対の後面は、前記第1領域、前記第2領域の前方に配置されており、前記第1光源は、前記台座部に固定されており、前記第2光源は、前記第1領域に固定されており、前記第3光源は、前記第2領域に固定されていることを特徴とする。
【0017】
請求項
4に記載の発明によれば、請求項
3と同様の効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、限られたスペースであっても複数のランプを配置することができる車両用灯具を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態である車両用灯具(車両用前照灯)について、図面を参照しながら説明する。
図1(a)は自動車等の車両の前部の左右に配置される車両用灯具のうち、左側に配置される車両用灯具10(外周導光部32は省略)の上面図、
図1(b)は正面図、
図1(c)は斜視図、
図1(d)は側面図である。左側に配置される車両用灯具10と右側に配置される車両用灯具とは、左右対称で実質的に同一の構成である。このため、以下、左側に配置される車両用灯具10を中心に説明し、右側に配置される車両用灯具の説明は省略する。
【0021】
図1(a)〜
図1(d)に示すように、車両用灯具10は、2つのハイビーム用光学モジュール20、2つのロービーム用光学モジュール40A、40Bの合計4つの光学モジュールを備えている。各光学モジュール20、40A、40Bは、灯具正面から見て、斜め右上がりの方向に一列に並んだ状態で配置され、かつ、車両中心寄りのユニットほど車両前方側に配置されている。各光学モジュール20、40A、40Bは、それぞれの発光領域間の距離が15mm以下となるように、ブラケット(図示せず)に固定されている。これにより、各光学モジュール20、40A、40Bの発光領域を全体で一つの発光領域として視認させることができる。
【0022】
まず、ハイビーム用光学モジュール20について説明する。
【0023】
図2はハイビーム用光学モジュール20の分解斜視図、
図3はハイビーム用光学モジュール20の斜視図である。
図4(a)はハイビーム用光学モジュール20の底面図、
図4(b)は側面図、
図4(c)は正面図、
図4(d)は
図4(c)に示したハイビーム用光学モジュール20のA−A断面図である。
図5(a)は車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に形成されるデイタイムランニングランプ用配光パターンP
DRLの例、
図5(c)は、仮想鉛直スクリーン上に形成されるハイビーム用配光パターンP
Hiの例である。
【0024】
2つのハイビーム用光学モジュール20は、ハイビーム用配光パターンP
Hi中の集光領域P1(
図5(c)参照)又はデイタイムランニングランプ用配光パターンP
DRL(
図5(a)参照)を形成するように構成された光学モジュールである。
【0025】
図2に示すように、ハイビーム用光学モジュール20は、半導体発光素子を含む中央光源22A(本発明の第1光源に相当)と、半導体発光素子を含む右光源22BR(本発明の第2光源に相当)、半導体発光素子を含む左光源22BL(本発明の第3光源に相当)と、中央光源22Aからの光を制御する第1光学部材24と、左右光源22BR、22BLからの光を制御する第2光学部材26と、これらを支持する支持部材28を含み、これらが
図3、
図4(a)〜
図4(d)に示すように組み合わされて、いわゆるダイレクトプロジェクション型(直射型とも称される)の光学モジュールを構成している。
【0026】
支持部材28は、アルミダイカスト等の金属製で、
図2に示すように、矩形板状のベース部28aを含んでいる。ベース部28aの前面は、左右方向の両側において前方に一段高く突出した右突出部28b、左突出部28c、左右方向の略中央部から前方に一段高く突出した台座部28d、台座部28dの左右両側に配置された右領域28e(本発明の第1領域に相当)、左領域28f(本発明の第2領域に相当)を含んでいる。各突出部28b、28cは、第1光学部材24の脚部34の係止穴34aに係合する爪部28b1、28c1を含んでいる。ベース部28aの後面は、水平方向に間隔をおいて配置された複数の放熱フィン28gを含んでいる。
【0027】
各突出部28b、28cの先端面は、当接ピン28b2、28c2と位置決めピン28b3、28c3とを含んでいる。当接ピン28b2、28c2は、第2光学部材26の後面に当接するピンである。位置決めピン28b3、28c3は、第1光学部材24及び第2光学部材26に形成された位置決め穴24a、26dに挿入されるピンである。
【0028】
台座部28dは、ベース部28aの下端縁からベース部28aの上端縁より所定距離h下方の位置まで延びている。台座部28dの上方には、ベース部28aの前面から前方に延びる位置決めピン28hが配置されている。位置決めピン28hは、第1光学部材24及び第2光学部材26に形成された位置決め用の切り欠き部32c、26a1に挿入されるピンである。
【0029】
台座部28dの先端面は、位置決めピン28d1、ネジ穴28d2、熱伝導部材用溝部28d3を含んでいる。位置決めピン28d1は、中央光源22A(基板22Aa)に形成された位置決め穴22Acに挿入されるピンである。
【0030】
図2に示すように、中央光源22Aは、例えば、金属製の基板22Aa、当該基板22Aaの表面に実装された半導体発光素子22Ab(例えば、1mm角の発光面を含む発光ダイオード×4)等を備えている。半導体発光素子22Abは、例えば、発光色が青系のLEDとこれを覆う黄色系の蛍光体(例えば、YAG蛍光体)とを組み合わせた構造の半導体発光素子で、基板22Aaの表面に所定間隔をおいて一列に実装されて、横長矩形の発光面(発光部)を構成している。
【0031】
半導体発光素子22Abは、上記に限られず、RGB三色のLED(又はレーザーダイオード)を組み合わせた構造の半導体発光素子であってもよいし、その他構造の半導体発光素子であってもよい。なお、半導体発光素子22Abは、1以上であればよい。
【0032】
中央光源22Aは、支持部材28(台座部28d)に支持されて、第1光学部材24と支持部材28との間に配置されている。具体的には、中央光源22Aは、支持部材28(台座部28d)の位置決めピン28d1を基板22Aaに形成された位置決め穴22Acに挿入することで、支持部材28に対して位置決めされている。そして、中央光源22Aは、基板22Aaに形成された貫通穴22Adに挿入されたネジ(図示せず)を支持部材28(台座部28d)のネジ穴28d2に螺合することで、支持部材28(台座部28d)に固定されている。なお、中央光源22Aの矩形横長の発光面(発光部)は、前方を向いている。
【0033】
中央光源22A(基板22Aaの裏面)と支持部材28(台座部28dの先端面に形成された熱伝導部材用溝部28d3)との間には、中央光源22Aと支持部材28との間の伝熱性を高める観点から、熱伝導グリス(サーマルグリス)、熱伝導シート等の熱伝導性部材(図示せず)が配置されている。これにより、中央光源22A(半導体発光素子22Ab)で発生する熱の放熱経路(すなわち、基板22Aa→熱伝導性部材→台座部28d→ベース部28a→放熱フィン28g)が構成されている。
【0034】
なお、半導体発光素子22Abの駆動電流は、基板22Aaの下端部22Aeに装着されるカプラ(図示せず)から基板22Aa上の配線パターンを介して供給されるように構成されている。
【0035】
図2に示すように、右光源22BR(左光源22BLも同様)は、ランバーシアン発光にほぼ一致する広がりの配光を持つ光源で、例えば、金属製の基板22Ba、当該基板22Baの表面に実装された半導体発光素子22Bb(例えば、1mm角の発光面を含む発光ダイオード×1)等を備えている。半導体発光素子22Bbは、例えば、発光色が青系のLEDとこれを覆う黄色系の蛍光体(例えば、YAG蛍光体)とを組み合わせた構造の半導体発光素子である。
【0036】
半導体発光素子22Bbは、上記に限られず、RGB三色のLED(又はレーザーダイオード)を組み合わせた構造の半導体発光素子であってもよいし、その他構造の半導体発光素子であってもよい。なお、半導体発光素子22Bbは、1以上であればよい。
【0037】
右光源22BRは、支持部材28(ベース部28aの前面)の右領域28eにネジ止め固定されている。同様に、左光源22BLは、支持部材28(ベース部28aの前面)の左領域28fにネジ止め固定されている。なお、右光源22BR(及び左光源22BL)の発光面(発光部)は、前方を向いている。
【0038】
図6(a)は第2光学部材26の底面図、
図6(b)は側面図、
図6(c)は正面図、
図6(d)は斜視図、
図6(e)は
図6(c)に示した第2光学部材26のC−C断面図、
図6(f)は
図6(c)に示した第2光学部材26のD−D断面図である。
【0039】
第2光学部材26は、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂製で、
図6(a)〜
図6(f)に示すように、右導光部26R、左導光部26L、連結部26a、及び、外周導光部26b等を含んでいる。第2光学部材26は、例えば、射出成形により一体成形されている。
【0040】
右導光部26Rと左導光部26Lは一定間隔をおいて左右に隣接して配置されており、右導光部26Rの上部と左導光部26Lの上部は連結部26aで連結されている。これにより、右導光部26Rと左導光部26Lとの間かつ連結部26aの下方に、支持部材28の台座部28dが挿入される切り欠き部26cが構成されている。連結部26aには、支持部材28の台座部28dの上部に配置された位置決めピン28hが挿入される切り欠き部26a1が形成されている。
【0041】
第2光学部材26は、右光源22BRからの光及び左光源22BLからの光が外周導光部26bまで導光されて、当該外周導光部26b(前面26b1)から出射するように構成されている。これを実現するため、第2光学部材26は次のように構成されている。
【0042】
図6(e)に示すように、右導光部26Rの後面の右光源22BRが対向する箇所には、右入光部26Raが配置されている。右入光部26Raは、右光源22BRの光軸AX
22BRを回転軸とする回転対称な形状とされている。
【0043】
右入光部26Raは、右光源22BRの光軸AX
22BR上に配置された第1入光面26Rbと、第1入光面26Rbの周囲から右光源22BRに向かって延びて、右光源22BRの前方において光軸AX
22BRを囲む筒状の面として構成された第2入光面26Rcと、第2入光面26Rcの外周において第2入光面26Rcを囲む筒状の第1反射面26Rdと、を含んでいる。
【0044】
第1入光面26Rbは、当該第1入光面26Rbから右導光部26R内部へ入光する右光源22BRからの光が光軸AX
22BRに対して平行な光となるようにその面形状が構成されている。
【0045】
第1反射面26Rdは、第2入光面26Rcから右導光部26R内部へ入光し、当該第1反射面26Rdで反射される右光源22BRからの光が光軸AX
22BRに対して平行な光となるようにその面形状が構成されている。
【0046】
右導光部26Rの前面の第1入光面26Rb及び第1反射面26Rdが対向する箇所には、円錐形状の凹部26Reが形成されている。これにより、右入光部26Raから右導光部26R内部へ入光した右光源22BRからの光を、光軸AX
22BRに対して直交する面に沿って放射状に広がる方向へ内面反射する円錐形状の第2反射面26Rfが構成されている。
【0047】
図6(f)に示すように、左導光部26Lの後面の左光源22BLが対向する箇所には、左入光部26Laが配置されている。左入光部26Laは、左光源22BLの光軸AX
22BLを回転軸とする回転対称な形状とされている。
【0048】
左入光部26Laは、左光源22BLの光軸AX
22BL上に配置された第1入光面26Lbと、第1入光面26Lbの周囲から左光源22BLに向かって延びて、左光源22BLの前方において光軸AX
22BLを囲む筒状の面として構成された第2入光面26Lcと、第2入光面26Lcの外周において第2入光面26Lcを囲む筒状の第1反射面26Ldと、を含んでいる。
【0049】
第1入光面26Lbは、当該第1入光面26Lbから左導光部26L内部へ入光する左光源22BLからの光が光軸AX
22BLに対して平行な光となるようにその面形状が構成されている。
【0050】
第1反射面26Ldは、第2入光面26Lcから左導光部26L内部へ入光し、当該第1反射面26Ldで反射される左光源22BLからの光が光軸AX
22BLに対して平行な光となるようにその面形状が構成されている。
【0051】
左導光部26Lの前面の第1入光面26Lb及び第1反射面26Ldが対向する箇所には、円錐形状の凹部26Leが形成されている。これにより、左入光部26Laから左導光部26L内部へ入光した左光源22BLからの光を、光軸AX
22BLに対して直交する面に沿って放射状に広がる方向へ内面反射する円錐形状の第2反射面26Lfが構成されている。
【0052】
図6(c)、
図6(d)に示すように、外周導光部26bは、右導光部26R及び左導光部26Lの外周において右導光部26R及び左導光部26L(切り欠き部26c以外)を囲むように配置されている。
【0053】
図6(e)、
図6(f)に示すように、外周導光部26bは、前面26b1と、後面26b2と、を含んでいる。
【0054】
前面26b1は、右導光部26R及び左導光部26Lの外周において右導光部26R及び左導光部26L(切り欠き部26c以外)を囲むように配置されている。同様に、後面26b2は、右導光部26R及び左導光部26Lの外周において右導光部26R及び左導光部26L(切り欠き部26c以外)を囲むように配置されている。後面26b2は、第2反射面26Rf(第2反射面26Lf)で反射されて右導光部26R(及び左導光部26L)内部を放射状に進行する右光源22BR(及び左光源22BL)からの光を、前面26b1に向けて内面反射する反射面として機能する。
【0055】
前面26b1は、光軸AX
22BR(及びAX
22BL)に対して直交する面とされている。
【0056】
上記構成の第2光学部材26においては、
図8(b)に示すように、右光源22BRからの光は、右入光部26Raから右導光部26R内部へ入光し、第2反射面26Rfで光軸AX
22BRに対して直交する面に沿って放射状に広がる方向へ内面反射され、さらに後面26b2で外周導光部26bの前面26b1に向けて内面反射されて、外周導光部26bの前面26b1から出射する。同様に、左光源22BLからの光は、左入光部26Laから左導光部26L内部へ入光し、第2反射面26Lfで光軸AX
22BLに対して直交する面に沿って放射状に広がる方向へ内面反射され、さらに後面26b2で外周導光部26bの前面26b1に向けて内面反射されて、外周導光部26bの前面26b1から出射する。
【0057】
図7(a)は第1光学部材24の底面図、
図7(b)は側面図、
図7(c)は正面図、
図7(d)は斜視図、
図7(e)は背面図である。
【0058】
第1光学部材24は、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂製で、
図7(a)〜
図7(e)に示すように、第1光学部材本体30、外周導光部32(本発明の外周光学部材に相当)、外周導光部32の左右両側から支持部材28に向かって延びる一対の脚部34等を含んでいる。第1光学部材24は、例えば、射出成形により一体成形されている。
【0059】
第1光学部材本体30は、中央光源22Aからの光が入光する入光面30a、左右方向に隣接して配置された一対の前面30b(右前面30b1及び左前面30b2)、左右方向に隣接して配置された一対の後面30c(右後面30c1及び左後面30c2)及び入光面30a側の光学設計上の基準点Fを含んでいる。一対の後面30c(右後面30c1及び左後面30c2)は、支持部材28の右領域28e、左領域28fの前方に配置されている。
【0060】
そして、第1光学部材本体30は、入光面30aから入光する中央光源22Aからの光が一対の前面30b(右前面30b1及び左前面30b2)の少なくとも一部で反射し、さらに、一対の後面30c(右後面30c1及び左後面30c2)の少なくとも一部で反射した後、一対の前面30b(右前面30b1及び左前面30b2)の少なくとも一部から出射して前方に照射されるように構成されている。
【0061】
図7(c)、
図7(d)に示すように、第1光学部材本体30の前面30bは、右後面30c1の前方に配置された右前面30b1と、左後面30c2の前方に配置された左前面30b2と、右前面30b1と左前面30b2との間の中間領域30b3を含んでいる。
【0062】
右前面30b1及び左前面30b2は、入光面30aから入光する中央光源22Aからの光の入射角が臨界角を超える領域で、入光面30aから入光する中央光源22Aからの光を後面30c(右後面30c1及び左後面30c2)に向けて全反射するとともに、後面30c(右後面30c1及び左後面30c2)からの反射光が出射する領域である。
【0063】
中間領域30b3は、入光面30aから入光する中央光源22Aからの光の入射角が臨界角未満となる領域で、当該入光面30aから入光する臨界角未満の光を後面30c(右後面30c1及び左後面30c2)に向けて反射する領域である。入光面30aから入光する臨界角未満の光を後面30cに向けて反射するため、中間領域30b3には、アルミ蒸着等による鏡面処理が施されて反射膜が形成されている(
図7(c)、
図7(d)中のハッチング領域参照)。
【0064】
図7(e)に示すように、光学部材本体30の後面30cは、支持部材28の台座部28dが対向する箇所に形成された矩形溝部30c3と、矩形溝部30c3の底面に形成された入光面30aを含むV溝部30c4と、矩形溝部30c3(V溝部30c4)の両側に配置された右後面30c1、左後面30c2と、を含んでいる。
【0065】
右後面30c1及び左後面30c2は、前面30bからの反射光を前面30b(右前面30b1、左前面30b2)に向けて反射し、前面30b(右前面30b1、左前面30b2)から出射させる領域である。前面30bからの反射光を前面30b(右前面30b1、左前面30b2)に向けて反射し、前面30b(右前面30b1、左前面30b2)から出射させるため、右後面30c1及び左後面30c2には、アルミ蒸着等による鏡面処理が施されて反射膜が形成されている(
図7(e)中のハッチング領域参照)。
【0066】
矩形溝部30c3は、支持部材28の台座部28dの先端部が挿入される溝部で、光学部材本体30の後面30cのうち支持部材28の台座部28dが対向する箇所において上下方向に延びた状態で形成されている。
【0067】
V溝部30c4は、矩形溝部30c3の底面において上下方向に延びた状態で形成されている。V溝部30c4を構成する左右の面(
図7(e)参照)は、一対の入光面30aとして用いられる。なお、V溝部30c4を構成する左右の面(一対の入光面30a)は、平面であってもよいし、曲面であってもよい。
【0068】
第1光学部材24(第1光学部材本体30)の基準点Fは、V溝部30c4内に位置していてもよいし、V溝部30c4外に位置していてもよい。本実施形態では、第1光学部材24への入光効率を高める観点から、第1光学部材24(光学部材本体30)の基準点Fは、V溝部30c4内に位置している。
【0069】
第1光学部材本体30の入光面30a、前面30b及び後面30c(右後面30c1及び左後面30c2)のうち少なくとも一つは、入光面30aから光学部材本体30内部に入光し、前面30b及び後面30c(右後面30c1及び左後面30c2)で反射された後に、前面30b(右前面30b1、左前面30b2)から出射して前方に照射される中央光源22Aからの光(半導体発光素子の光源像)が、仮想鉛直スクリーン上に、ハイビーム用配光パターンP
Hi中の集光領域P1(
図5(c)参照)を形成するように、その面形状が設計されている。各面の設計手法については、例えば、米国特許第7460985号に詳しく記載されている。
【0070】
図7(c)、
図7(d)に示すように、外周導光部32(本発明の外周光学部材に相当)は、第1光学部材24(第1光学部材本体30)の外周において第1光学部材24(第1光学部材本体30)を囲むように配置されている。
【0071】
外周導光部32は、前面32aと後面32bとを含んでいる。
図8(b)に示すように、外周導光部32の後面32bは第2光学部材26の外周導光部26bの前面26b1から出射する光が入光する面である。外周導光部32の前面32aは、後面32bから入光した光が出射する面である。第1光学部材24の外周導光部32の前面32a及び後面32bは、光軸AX
22BR(22BL)に対して直交する面とされている。
【0072】
第1光学部材24、第2光学部材26は次のようにして支持部材28に支持されている。
【0073】
まず、
図2に示すように、支持部材28の位置決めピン28b3、28c3を第2光学部材26に形成された位置決め穴26d、26dに挿入し、位置決めピン28hを連結部26aに形成された切り欠き部26a1に挿入し、中央光源22Aが固定された支持部材28の台座部28dを第2光学部材26の切り欠き部26cに挿入する。これにより、第2光学部材26が支持部材28に対して位置決めされる。
【0074】
次に、支持部材28の位置決めピン28b3、28c3を第1光学部材26に形成された位置決め穴24a、24aに挿入し、支持部材28の位置決めピン28hを外周導光部32に形成された切り欠き部32cに挿入し、中央光源22Aが固定された支持部材28の台座部28dの先端部を光学部材24の矩形溝部30c3に挿入する。これにより、第1光学部材24が第2光学部材26及び支持部材28に対して位置決めされる。
【0075】
そして、支持部材28の爪部28c1を、第1光学部材24の脚部34の係止穴34aに係合させる。これにより、第1光学部材24が支持部材28に固定される。これとともに、第2光学部材26が第1光学部材24(外周導光部32の後面32b)と支持部材28(位置決めピン28b3、28c3の基端側の大径部及び支持部材28の当接ピン28b2、28c2)との間に挟持される。この挟持された状態で、第1光学部材24の外周導光部32の後面32bと第2光学部材26の外周導光部26bの前面26b1とは面接触している。これにより、
図8(a)、
図8(b)に示すように、第2光学部材26の右入光部26Raから入光する右光源22BRからの光及び第2光学部材26の左入光部26Laから入光する左光源22BLからの光が第1光学部材24の外周導光部32まで導光されて、当該外周導光材32の前面32aから出射して前方に照射される光路が構成される。右光源22BR、左光源22BL及び第2光学部材24は、灯具正面から見て、第1光学部材24の後方、かつ、第1光学部材24と支持部材28との間に配置されている(例えば、
図4(a)〜
図4(d)参照)。中央光源22A(横長矩形の発光面)は、第1光学部材24(光学部材本体30)の基準点F(又はその近傍)に位置している。なお、第1光学部材24と支持部材28とは、上記フック構造に代えて、ネジで固定してもよい。
【0076】
次に、ロービーム用光学モジュール40Aについて説明する。
【0077】
図5(b)は、仮想鉛直スクリーン上に形成されるロービーム用配光パターンP
Loの例である。
【0078】
ロービーム用光学モジュール40Aは、ロービーム用配光パターンP
Lo中の集光領域P2(
図5(b)参照)又はデイタイムランニングランプ用配光パターンP
DRL(
図5(a)参照)を形成するように構成された光学モジュールである。
【0079】
ロービーム用光学モジュール40Aは、ハイビーム用光学モジュール20と同様、半導体発光素子を含む中央光源22A(本発明の第1光源に相当)と、半導体発光素子を含む右光源22BR(本発明の第2光源に相当)、半導体発光素子を含む左光源22BL(本発明の第3光源に相当)と、中央光源22Aからの光を制御する第1光学部材24と、左右光源22BR、22BLからの光を制御する第2光学部材26と、これらを支持する支持部材28を含み、これらが
図3、
図4(a)〜
図4(d)に示すように組み合わされて、いわゆるダイレクトプロジェクション型(直射型とも称される)の光学モジュールを構成している。
【0080】
一方、ロービーム用光学モジュール40Aは、ハイビーム用光学モジュール20と比べ、光学部材本体30の入光面30a、前面30b及び後面30c(右後面30c1及び左後面30c2)のうち少なくとも一つが、入光面30aから光学部材本体30内部に入光し、前面30b及び後面30c(右後面30c1及び左後面30c2)で反射された後に、前面30b(右前面30b1、左前面30b2)から出射して前方に照射される中央光源22Aからの光(半導体発光素子の光源像)が、仮想鉛直スクリーン上に、ロービーム用配光パターン
Lo中の集光領域P2(
図5(b)参照)を形成するように、その面形状が設計されている点で異なっている。
【0081】
次に、ロービーム用光学モジュール40Bについて説明する。
【0082】
ロービーム用光学モジュール40Bは、ロービーム用配光パターンP
Lo中の拡散領域P3(
図5(b)参照)又はデイタイムランニングランプ用配光パターンP
DRL(
図5(a)参照)を形成するように構成された光学モジュールである。
【0083】
ロービーム用光学モジュール40Bは、ハイビーム用光学モジュール20と同様、半導体発光素子を含む中央光源22A(本発明の第1光源に相当)と、半導体発光素子を含む右光源22BR(本発明の第2光源に相当)、半導体発光素子を含む左光源22BL(本発明の第3光源に相当)と、中央光源22Aからの光を制御する第1光学部材24と、左右光源22BR、22BLからの光を制御する第2光学部材26と、これらを支持する支持部材28を含み、これらが
図3、
図4(a)〜
図4(d)に示すように組み合わされて、いわゆるダイレクトプロジェクション型(直射型とも称される)の光学モジュールを構成している。
【0084】
一方、ロービーム用光学モジュール40Bは、ハイビーム用光学モジュール20と比べ、光学部材本体30の入光面30a、前面30b及び後面30c(右後面30c1及び左後面30c2)のうち少なくとも一つが、入光面30aから光学部材本体30内部に入光し、前面30b及び後面30c(右後面30c1及び左後面30c2)で反射された後に、前面30b(右前面30b1、左前面30b2)から出射して前方に照射される中央光源22Aからの光(半導体発光素子の光源像)が、仮想鉛直スクリーン上に、ロービーム用配光パターン
Lo中の拡散領域P3(
図5(b)参照)を形成するように、その面形状が設計されている点で異なっている。
【0085】
次に、各光学モジュール20、40A、40Bの動作例(ハイビーム用配光パターンP
Hi、ロービーム用配光パターンP
Lo又はデイタイムランニングランプ用配光パターンP
DRLに切り換える動作例)について説明する。
【0086】
各配光パターンP
Hi、P
Lo、P
DRLの切り換えは、各光学モジュール20、40A、40B(それぞれの中央光源22A、右光源22BR、左光源22BL)が電気的に接続されたECU等の制御回路(図示せず)によって行われる。
【0087】
制御回路は、各光学モジュール20、40A、40B(それぞれの中央光源22A、右光源22BR、左光源22BL)の点灯状態(点灯又は消灯)を個別に制御することで、ハイビーム用配光パターンP
Hi、ロービーム用配光パターンP
Lo又はデイタイムランニングランプ用配光パターンP
DRLに切り換える。
【0088】
例えば、ハイビーム用配光パターンP
Hiを形成する場合、制御回路は、
図9(c)に示すように、各光学モジュール20、40A、40Bそれぞれの右光源22BR、左光源22BLが消灯し、各光学モジュール20、40A、40Bそれぞれの中央光源22Aが点灯するように、各光学モジュール20、40A、40B(それぞれの右光源22BR、左光源22BL及び中央光源22A)を制御する。
図9(c)中、ハッチングされている領域は、各光学モジュール20、40A、40Bそれぞれの中央光源22Aが点灯されて発光している発光領域を表している。
図10(a)、
図10(b)は、各光学モジュール20、40A、40Bの発光態様を表している。
【0089】
以上のように、各光学モジュール20、40A、40B(それぞれの右光源22BR、左光源22BL及び中央光源22A)を制御することで、
図5(c)に示すように、2つのハイビーム用光学モジュール20により形成されるハイビーム用配光パターンP
Hi中の集光領域P1と、ロービーム用光学モジュール40Aにより形成される集光領域P2と、ロービーム用光学モジュール40Bにより形成される拡散領域P3とが重畳されたハイビーム用配光パターンP
Hiが形成される。
【0090】
一方、ロービーム用配光パターンP
Loを形成する場合、制御回路は、
図9(b)に示すように、各光学モジュール20、40A、40Bそれぞれの右光源22BR、左光源22BLが消灯し、光学モジュール20の中央光源22Aが消灯し、光学モジュール40A、40Bそれぞれの中央光源22Aが点灯するように、各光学モジュール20、40A、40B(それぞれの右光源22BR、左光源22BL及び中央光源22A)を制御する。
図9(b)中、ハッチングされている領域は、光学モジュール40A、40B(それぞれの中央光源22A)が点灯されて発光している発光領域を表している。
図10(a)、
図10(b)は、各光学モジュール20、40A、40Bの発光態様を表している。
【0091】
以上のように、各光学モジュール20、40A、40B(それぞれの右光源22BR、左光源22BL及び中央光源22A)を制御することで、
図5(b)に示すように、ロービーム用光学モジュール40Aにより形成される集光領域P2と、ロービーム用光学モジュール40Bにより形成される拡散領域P3とが重畳されたロービーム用配光パターンP
Loが形成される。
【0092】
一方、デイタイムランニングランプ用配光パターンP
DRLを形成する場合、制御回路は、
図9(a)に示すように、各光学モジュール20、40A、40Bそれぞれの右光源22BR、左光源22BLが点灯し、各光学モジュール20、40A、40Bそれぞれの中央光源22Aが消灯するように、各光学モジュール20、40A、40B(それぞれの右光源22BR、左光源22BL及び中央光源22A)を制御する。
図9(a)中、ハッチングされている領域は、各光学モジュール20、40A、40B(それぞれの右光源22BR、左光源22BL)が点灯されて発光している発光領域を表している。
図10(c)、
図10(d)は、各光学モジュール20、40A、40Bの発光態様を表している。
【0093】
以上のように、各光学モジュール20、40A、40B(それぞれの右光源22BR、左光源22BL及び中央光源22A)を制御することで、
図5(a)に示すように、各光学ユニット20、40A、40Bにより形成されるデイタイムランニングランプ用配光パターンP
DRLが重畳されたデイタイムランニングランプ用配光パターンP
DRLが形成される。
【0094】
以上説明したように、本実施形態の車両用灯具10を構成する各光学モジュール20、40A、40Bによれば、限られたスペースであっても複数のランプ(例えば、ヘッドランプ、デイタイムランニングランプ)を配置することができる。これは、第1光学部材24の外周において当該第1光学部材24を囲むように外周光学部材32を配置したことに加え、第2のランプ(例えば、デイタイムランニングランプ)を実現するための構成(右光源22BR、左光源22BL及び第2光学部材26)を、例えば、灯具正面から見て、第1のランプ(例えば、ヘッドランプ)を実現するための構成(第1光学部材24)の後方に配置したことによるものである。
【0096】
上記実施形態では、第1光学部材24の外周導光部32の前面32aを、光軸AX
22BR(22BL)に対して直交する面として構成した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0097】
例えば、第1光学部材24の外周導光部32の前面32aに少なくとも一つのレンズカットを形成してもよい。このようにすれば、第1光学部材24の外周導光部32の前面32aから出射する光が目的の方向へ向かうようにレンズカットの形状を調整することで、デイタイムランニングランプ以外の、例えば、ポジションランプ(車幅灯)、ターンシグナルランプ(方向指示器)等としても機能させることができる。
【0098】
また、上記実施形態では、第1光学部材24を、外周導光部32(本発明の外周光学部材に相当)を含む光学部材として一体成形した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0099】
例えば、
図11に示すように、第1光学部材24の外周導光部32は省略してもよい。この場合、第2光学部材26の外周導光部26bを前方に延長して、当該延長した部分を本発明の外周光学部材として用いることができる。
【0100】
また、上記実施形態では、各光学モジュール20、40A、40Bを、中央光源22A、右光源22BR、左光源22BL、中央光源22Aからの光を制御する第1光学部材24、左右光源22BR、22BLからの光を制御する第2光学部材26を含む光学モジュールとして構成した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0101】
例えば、
図12(a)、
図12(b)に示すように、各光学モジュール20、40A、40Bを、中央光源22A、右光源22BR(又は左光源22BL)、中央光源22Aからの光を制御する第1光学部材24、右光源22BR(又は左光源22BL)からの光を制御する第2光学部材26を含む光学モジュールとして構成してもよい。
【0102】
なお、各光学モジュール20、40A、40Bは、一対の前面30b(及び一対の後面30c)が左右方向に配置された状態だけでなく、一対の前面30b(及び一対の後面30c)が上下方向又は斜め方向に配置された状態で用いることもできる。
【0103】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。