(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記光学フィルムの積層体により投影される光パターンが、前記入力開口の平面から65度以下の角度にある軸に沿って中心を置かれている、請求項1に記載の照明器具構成要素。
前記光学フィルムの積層体は、前記出力開口から所定の距離にある平面内に実質的に均一な光のウォッシュを投影するように構成されており、前記平面は、前記入力開口の平面に実質的に直交する、請求項1に記載の照明器具構成要素。
前記光学フィルムの積層体が、前記第1レンチキュラフィルムのレンチキュラ要素に対して角度をなして配向された、レンチキュラ要素を含む第2レンチキュラフィルムを少なくとも含む、請求項4に記載の照明器具構成要素。
前記ハウジングが、前記ハウジング内に配置された再帰反射器をさらに含み、前記再帰反射器が、前記入力開口に入射する光を前記出力開口の方向へ向け直すように構成されている、請求項1に記載の照明器具構成要素。
前記再帰反射器が、前記入力開口の平面に対して第1角度で前記入力開口に入射するコリメート光を反射し、かつ該光を前記入力開口の平面に対して第2角度で反射するように構成されており、前記第2角度が前記第1角度よりも大きい、請求項9に記載の照明器具構成要素。
前記第1反射部が、第1平面内で第2反射部分に対して内向きに角度をなしており、前記照明器具構成要素が、第3反射部分をさらに含み、前記第3反射部分が、前記第1平面に対して角度をなして配向された第2平面内で第2反射部分に対して内向きに角度をなしている、請求項12に記載の照明器具構成要素。
前記ハウジングが、前記入力開口の平面に対して実質的に平行な平面内で、前記ハウジングから外向きに延在するベゼルをさらに含む、請求項1に記載の照明器具構成要素。
アンカ構成要素をさらに含み、前記アンカ構成要素が、天井または壁に形成される開口に対して固定されるように構成されており、かつ前記ハウジングが、前記天井または壁の、前記アンカ構成要素から反対の側で前記アンカ構成要素に固定されるように構成されている、請求項1に記載の照明器具構成要素。
前記ハウジングおよびアンカ構成要素を開口に対して固定するように、天井または壁の開口に隣接して配置されるアンカ構成要素に対して前記ハウジングを固定するステップをさらに含み、前記アンカ構成要素の少なくとも一部分が、前記ハウジングの少なくとも一部から、天井または壁の反対の側に配置される、請求項22に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
様々な図面中の同様の参照番号および名称は同様の要素を示す。
【0017】
以下の詳細な説明は、発明的態様について説明する目的で、いくつかの実施態様を対象とする。しかしながら、本明細書の教示は、多数の異なる方法で適用され得る。本教示は、薄型のLEDベースの光エンジンとともに使用するための光ウォッシュシステム、特に、所望のパターンにあるLED光源の出力を方向付けるための導光路を含むLEDベースの光エンジンに適用可能であるが、本教示はまた、大幅にコリメートされたパターンにおいて放出される光に対して動作するように構成されている任意の光ウォッシュシステムにも適用可能であり得る。記載される実施態様は、限定ではないが、商業用、産業用、および住居用の照明のような多種多様な用途に使用される照明に含まれてもよく、または前記照明と関連付けられてもよい。実施態様は、限定ではないが、家庭、オフィス、製造施設、小売場所、病院および診療所、コンベンションセンター、文化施設、図書館、学校、庁舎、倉庫、軍事施設、研究施設、体育館、競技場内の照明、または他のタイプの環境または用途における照明を含んでもよい。様々な実施態様において、照明は、天井の照明であってもよく、スポットライト、または、照明デバイスの発光面の面積よりも大きい(たとえば、数倍大きいまたは何倍も大きい)面積を有する他の光ウォッシュパターンを投影してもよい。したがって、本教示は、単に図に示す実施態様に限定されるものではなく、代わりに、当業者に直ちに明らかになるであろう広い適用性を有する。
【0018】
いくつかの実施形態において、照明デバイスまたは装置は、光エンジン構成要素と、照明デバイスを照明器具に電気的および/または機械的に結合するための接続部分とを含むことができる。本明細書において使用される場合、「照明器具」という用語は、照明デバイス、たとえば、埋め込み型照明ハウジング、ダウンライト器具、カン器具(can fixture)、ポットライト器具、コーブ照明器具、トーチランプ器具、ペンダントライト器具、壁取り付け型照明器具(sconce fixture)、トラックライト、および/またはベイライト器具(bay light fixture)の任意の部分に電気的および/または機械的に結合されるように構成されている任意の器具または構造を指す。
【0019】
従来のウォールウォッシュシステムは、蛍光灯のような実質的な線状光源から放出される光に対して動作する。その光は実質的にすべての方向において均一に放出され得るため、当初は所望の照明領域から離れた方向において光源から放出された光を方向転換するために、かさばる反射器が使用され得る。放物面反射器のような、これらの大型の反射器は必ず、光源の、照明領域から反対の側に配置され、天井に向かって上向きに延在する。出力光をより小さい角度範囲内に対してコリメートする光エンジンを利用することによって、所望の光ウォッシュパターンを生成するためにコンパクトな光方向転換器(light redirector)および成形光学機器を使用することができる。
【0020】
本開示で説明する主題の特定の実施態様は、1つまたは複数の以下の潜在的な利点を実現するために実施することができる。一定角度にある光を元の入力方向に方向転換する薄型導光路を利用することによって、光エンジンおよび関連構成要素を、天井タイルまたは同様の構造部材に実質的に平行に配置することができる。導光路のこの向きは、光エンジンの薄さと組み合わさって、従来の放物面ウォールウォッシュシステムと比較して必要な頭上空間を大幅に低減し、この薄さによって、照明システムが、天井タイルの上の頭上空間が浅い実施態様においてさえも、周囲の天井タイルと同一平面上にされることが可能になる。いくつかの実施態様において、導光路の出力面は、照明すべき表面に対して概ね90度の角度に向けられ得る。
【0021】
図1Aは、コリメート光を一定斜角で放出するように構成されている光エンジンの一例の斜視図を示す。光エンジン100は、反射器110の入力開口112に隣接して配置されている光源102を含む。反射器110は、反射器の高さにわたって実質的に一定の断面を有し、エタンデュ(etendue)を保存するように設計された形状を有する反射側壁114と、反射器110の上部および下部に沿った上部平面反射器116aおよび下部平面反射器116bとを含む。内部反射面の形状に対応する外面を有するように示されているが、反射器110は、内部反射面が所望の形状を有する限り、任意の外形を有してもよい。
【0022】
特定の実施形態において、反射側壁は、放物線の一部分によって表すことができる形状を有してもよく、ただし、対向する反射側壁114は、そのような実施態様において単一の放物線の区画を形成しなくてもよい。そうではなく、側壁114は、互いに対して回転されている単一の放物線の区画を含んでもよく、それによって、これらの放物線区画の延長は、滑らかな頂点ではない角度で交差することになる。
【0023】
側壁形状が、入力開口112のサイズに関連する特定の境界条件を満たすとき、側壁は光をコリメートすることができ、入力開口112を通る光入力の広範囲の角度をより狭い範囲の角度に変換する。必要な境界条件が満たされるとき、側壁112の形状に起因するエタンデュの損失はなくなり、光コリメートの効率が増大するが、材料および製造上の制約が何らかのエタンデュの損失をもたらすことがある。
【0024】
特に、反射器110の入力開口112と、反射器120の対向端にある出力開口118との間に延在する長手方向軸に直交する断面は、長手方向軸に沿って入力開口112から出力開口118へと移動するにつれて横幅が増大する矩形形状を有することになる。同様に、反射器110の上部および下部にある平面116aおよび116b(
図1B参照)の間に延在する横軸に直交する断面は、放物線のような断面を有することになり、この断面は、この放物線のような形状の頂点付近に、反射器110の入力開口112に対応する切頂端部を有する。
【0025】
反射器110の出力開口118は、先細り導光路120の入力面122に隣接して位置決めされる。反射器110から導光路120への光伝達を促進するために、出力開口118は、入力面122の寸法に対応する寸法を有する。先細り導光路120は、三角形側壁124と、上側平面126と、上側平面126の下にあり、上側平面に対して一定角度に向けられている出力平面128と、を含む。
【0026】
入力面122と先細り導光路120の対向端との間に延在する長手方向軸に直交する先細り導光路120の断面は、入力開口112から離れて先細り導光路118の対向端に向かうにつれて長手方向軸に沿った横断方向の高さが低減していく矩形形状を有することになる。同様に、三角形側壁124の間に延在する横軸に直交する断面は、先細り導光路120の横幅にわたって実質的に一定のままである三角形断面を有することになる。
【0027】
図1Bは、
図1Aの光エンジンの上面図である。光源102から様々な角度で放出される光104は湾曲している反射側壁によって方向転換され、全体的に反射器110の出力開口118に向かって反射されることが見て取れる。したがって、湾曲している側壁114は概して、上述したように、上部平面116aおよび下部平面116bに平行な経線(meridian)内に光104をコリメートする。この経線内への光のコリメートの量は、少なくとも、湾曲している反射側壁114の正確な形状および反射器110の長手方向長さ、ならびに、光源102内の発光素子の数およびサイズのような他の要因によって制御される。
【0028】
図1Cは、
図1Bの1C−1C線に沿ってとられた
図1Aの光エンジンの側立断面図である。反射器110を出射し入力面122を通して導光路120に入射する光104(
図1B参照)は、導光路120内を伝搬した後に、出力面128を通して導光路120を出射する。出力面128に隣接して配置されている光学フィルムの積層体のような光成形光学機器(図示せず)が、出力面128から放出される出力光104をさらに制御することができる。出力光104は、図示されている実施態様においては導光路120の出力面128に対して浅い斜角θに向けられている中心光線107の辺りに中心を置かれる。
【0029】
導光路120内での光104の伝搬は、内部全反射、または、非出力面(上側平面126および側壁114)の一部もしくは全体を反射層130によって被覆することのいずれかによって制御されてもよい。しかしながら、導光路120の設計は概して、光が反射器110内で以前にコリメートされた経線に直交する第2の経線内で光をコリメートする。
図1Cは、出力光104を、概して(紙面内にある)第1の経線内でコリメートされているものとして概略的に示しているが、出力光104は、(紙面に直交する)第2の経線内でもコリメートされることになる。直交経線内でのコリメートの度合いは、必ずしも両方の平面について等しいとは限らない。たとえば、光は、紙面の平面に平行な経線において第1の角度σ
1内で、および、角度σ
1の経線に直交する経線において第2の角度σ
2(
図1D参照)内で放出されるようにコリメートされてもよい。たとえば、第1の角度σ
1および第2の角度σ
2は、ビームの半値全幅を表すことができる。反射器110および先細り導光路120の設計は、光が導光路から放出される斜角θだけでなく、光が放出されたときの両方の経線における拡散の量も制御することを可能にする。
【0030】
加えて、光源102から生成される熱の熱管理が、対流熱伝達または伝導性熱伝達のうちの少なくとも一方によって達成されてもよい。一実施態様において、光源102は、対流を介した熱の受動的な放散を可能にする複数の放熱フィン(
図1A〜
図1Dには示さず、
図4参照)と熱連通していてもよい。他の実施態様において、送風機または同様の構成要素を使用することなどを通して、能動冷却がもたらされてもよい。
【0031】
光エンジン100のような光エンジンの他の実施態様は、他のまたは代替の構成要素を含むことができる。たとえば、反射器100は、所望の形状の内部反射チャンバをもたらすためにともに組み立てられる2つ以上の構成要素を含んでもよいが、光エンジン100が照明器具の他の構成要素または他の構造的構成要素に固定されることを可能にするためにチャンバの外部に配置される追加の材料を含む。
【0032】
図1Dは、光エンジンの出力面から放出される例示的な光出力を示す、
図1Aの光エンジンの下からの斜視図である。出力光104は、導光路120の出力面128に対して浅い斜角θに向けられている光線107の辺りに中心を置かれる。光出力は、概して両方の経線内でコリメートされるが、概して導光路120の出力面128から一定距離にある平面108内に遠距離場光パターンを投影するように、第1の経線内でσ
1の角度にわたって、および、第1の経線に直交する第2の経線内でσ
2の角度にわたって拡散する。
【0033】
図2は、
図1A〜
図1Dの光エンジンとともに使用することができる光ウォッシュシステムの一例の断面を示す。いくつかの実施形態において、本明細書に説明する光ウォッシュシステムは、壁の一部分を照明するように構成されているウォールウォッシュシステム(wall wash systems)としての役割を果たしてもよいが、他の実施態様において、光ウォッシュシステムは、天井もしくは床、または出力面に対して任意の角度に向けられている表面もしくは領域の一部分を照明する役割を果たしてもよい。簡便にするために、そのような照明システムを本明細書においては「光ウォッシュシステム」と称する場合があり、照明すべき表面が導光路の出力面に対して一定角度に向けられている(たとえば、照明すべき表面が光エンジンの出力面と非平行である)実施態様は、「傾斜ウォッシュシステム(oblique wash system)」または「傾斜光ウォッシュシステム(oblique light wash system)」と称され得る。
【0034】
光ウォッシュシステム200は、少なくとも部分的に天井201内の開口を通して延在するように構成されているハウジング204を含み、入力開口210および出力開口220を含む。入力開口210は、入力開口210の上に配置されている光エンジン100から放出される光202を受け入れるような寸法にされており、それによって、光エンジン100の先細り導光路120の出力面128は、入力開口210に隣接して位置する。出力開口220は、入力開口210に対して、導光路120を出射する斜角において入力開口210を通る入力光のすべてまたは相当部分が、ハウジング202の出力開口220を通過することになるような位置に位置する。
【0035】
光学フィルムの積層体230が出力開口220内に、またはそれと整列して配置されており、これは、出力開口220を通過する光202に対して、光成形光学機器230から所定の距離に、かつ光成形光学機器に対して一定角度において位置する平面208内に所望の光パターンを投影する光線207を中心とする光出力206を生成するように動作する。したがって、光学フィルムの積層体230は、本明細書においてより詳細に説明するように、出力開口220から所定の距離にある平面208内に所望の光パターンを投影するために、ハウジング204の出力開口220を通過する光202を変化させるための手段を提供する。光学フィルムの積層体230は、光202を成形および/または方向転換することによって光202を変化させることができる。光ウォッシュシステムが、天井202に隣接する壁上に光を投影するように構成されている実施態様において、平面208は、導光路120の出力面128に直交してもよく、ただし、他の実施態様において、所望の光パターンが投影される平面208は、導光路120の出力面128に平行に、または任意の他の角度に向けられてもよい。
【0036】
図示されている実施態様において、光学フィルムの積層体230は、両方とも入力光の光軸に概ね直交する基平面を有するレンチキュラフィルム232およびディフューザ234を含むものとして示されているが、様々な実施態様において、光学フィルムの積層体は、光拡散および/もしくは光方向付け光学機器、単一のレンチキュラフィルムもしくはその積層体、レンズもしくは小型レンズのアレイを含む単一のフィルムもしくはその積層体、ディフューザ、光転向フィルム(light-turning film)、または上記の1つもしくは複数の任意の組合せのような、単一または複数の光学フィルムを含むことができる。導光路120から来る元々のビームの角度範囲が十分である応用形態において、光学フィルムの積層体230は、ビームの角拡散に影響を及ぼすことなく構造表面上の特定の箇所に対して光を方向付けるための1つまたは複数の転向フィルムのみを含んでもよい。
【0037】
光学フィルムの積層体は、さらに少なくとも1つの経線内で光を拡散させるように構成されてもよく、基板の一側面上に一連の湾曲面を含んでもよい。特定の実施態様において、これらの湾曲面は、レンチキュラフィルムの向きに応じて、側方方向、または任意の他の適切な方向において実質的に一定の断面を有してもよい。これらの表面を通過する光は、湾曲面の一定の断面の方向に直交する経線内で拡散されることになる。しかしながら、他の実施態様において、多種多様なレンズ構造が使用されてもよい。たとえば、レンズは、三角形、プリズム、半円筒、正弦波、放物線、および/または双曲線のような断面を有してもよい。これらのレンズ構造は、1つまたは複数の経線内の光ビームを変調することができ、これらのレンズ構造の拡散効果は、これらのレンズ構造の曲率が増大するのに伴って増大し得る。レンズ構造は、少なくとも1つの方向に延長されてもよい。光学フィルムの積層体の中の所定の光学フィルム上のレンズの各々は、同じ光学形状を共有してもよく、または、そのフィルム、および積層体内の他のフィルム上の他のレンズとは異なる光学形状および/もしくはサイズを有してもよい。レンチキュラ状のフィルムは、様々な実施態様において、屈折力があってもよく、またはなくてもよい。
【0038】
いくつかの実施態様において、所望の光パターンは、光ウォッシュシステムが設置されている天井に隣接する壁に対する光ウォッシュのような、出力面128に対して直角にある平面208内で実質的に一定である光ウォッシュである。そのような実施態様において、出力面128と、平面208内の、光ウォッシュの下部付近の点との間の経路は、出力面128と、平面208内の、光ウォッシュの上部付近の点との間の経路よりも長くなる。光が拡散する結果として、光源からの距離に依存する強度は低減することになるため、中心光線207を中心として対称な強度を有する出力光206は、光ウォッシュの上部付近で、下部付近よりも明るい光ウォッシュを壁に投影することになる。
【0039】
非対称光出力206の中心光線207に対して非直角に向けられている平面208内に対称な光ウォッシュを生成するように構成されている非対称光出力206は、一実施態様において、レンチキュラ湾曲構造がフィルムの平面に対して一定角度に向けられている平面内で非対称である非対称レンチキュラフィルムを使用することによって達成することができる。そのような構造がそれを通過する光を拡散させるとき、光の拡散は湾曲構造の非対称平面内で非対称になり得、そのような非対称レンチキュラフィルムが使用されて、中心光線207の上の光出力206の強度と比較して、中心光線207の下の光出力206の強度が増大され得、それによって、平面208内に投影される光ウォッシュにわたって実質的に一定の強度がもたらされる。
【0040】
他の実施態様において、光学フィルムの積層体230は、レンチキュラフィルム232およびディフューザ234に加えて代替的なまたは追加の構造を含むことができる。たとえば、いくつかの実施態様において、光学フィルムの積層体230は、レンチキュラ素子が、レンチキュラフィルム232内のレンチキュラ素子に対して直角または別の角度に向けられている第2のレンチキュラフィルム(
図2には示さず)を含むことができる。複数のレンチキュラフィルムを使用することによって、レンチキュラフィルム232が光を拡散させる第1の経線に直交する経線のような、第2の経線内での光拡散が可能になり得る。第2のレンチキュラフィルムまたは他の構造がなければ、光パターンは紙面に直交する経線内で拡散されなくなり、光パターンは、導光路120に入射する前の光の事前コリメートに応じて、実質的に導光路と同じ幅であり得る。単一の光学フィルムを用いて紙面内の経線と紙面に直交する経線の両方の中で光を拡散させるために、2つの次元において湾曲している、小型レンズのアレイまたは他の構造を含むフィルムが使用されてもよい。小型レンズアレイを使用することによって、小型レンズの形状および対称性に応じて、円形または楕円形であり得る壁に光パターンを投影することができる。代替的に、互いに対して直角に向けられている、細長いレンチキュールを有する2つのレンチキュラフィルムを含む積層体が、2つの直交する経線内の光拡散を達成することもできる。また、
図2内のレンチキュラフィルム232は導光路120に向けられている湾曲面を有して示されているが、他の実施態様において、レンチキュラフィルム232はまた、平坦な表面が導光路120に面するように向けられてもよいことに留意されたい。レンチキュラフィルム232の積層体を有する実施態様において、積層体内の様々なフィルムが、所望の拡散効果に応じて、導光路に向けられている湾曲しているまたは平坦な表面を有してもよい。
【0041】
図2の実施態様において、光エンジン100から放出される光202はハウジング200の入力開口210を通過し、ハウジングのいかなる他の部分とも必然的に相互作用することなく直に出力開口220および光学フィルムの積層体230を通過する。しかしながら、光202は導光路120の出力面128に対する角度θにおいて光学フィルムの積層体230に達し、それによって、特定の光ウォッシュパターンについて入力開口210の平面に対する光出力206の角度θ
OUTが制限され得るため、光ウォッシュシステムのそのような構成は、システムと壁との間の後退距離の観点から制約される場合がある。最小後退距離に対するこの制約によって、そのような光ウォッシュシステムが所望され得るよりも壁からさらに後ろに設置されることが必要とされ得る。光ウォッシュシステム200および本明細書に説明する他の光ウォッシュシステムのいくつかの実施態様において、本明細書において中心光線207として概略的に示されている光出力206の中心軸の角度θ
OUTは概ね65度以下であるが、他の実施態様においては、特に所望の光パターンが実質的に均一なウォッシュではない場合、より大きい角度θ
OUTが使用されてもよい。
【0042】
図2に見て取れるように、光学フィルムの積層体230は、光202の角度θに対する光出力206の角度θ
OUTと、光202の拡散σ
1と比較しての紙面に平行な経線内の光出力206の結果としての拡散σ
OUTの両方へと積層体を通過する光に対して作用することができる。したがって、光学フィルムの積層体230は、光出力206のθ
OUTを変化させることによって光を全体として方向転換すること、および、光202の拡散σに対する光出力206のσ
OUTの増大によって示されるように少なくとも1つの経線内で光出力を拡散させることの両方を行うように動作することができる。上述したように、両方の経線内で拡散される光パターンをもたらすために、紙面を出て延在する経線内のさらなる拡散も発生し得る。
【0043】
図3は、
図2の光ウォッシュシステムよりも短い後退距離を可能にするための再帰反射器を含む光ウォッシュシステムの一例を示す。光ウォッシュシステム300は、ハウジング304を含み、ハウジング304の少なくとも一部分は、天井301または他の支持部材内の開口を通して延在するように構成されている。ハウジング304は、入力開口310および出力開口320、ならびに、出力開口320内にまたはそれに隣接して配置されている光学フィルムの積層体のような光成形光学機器を含む。しかしながら、
図2の光ウォッシュシステム200とは対照的に、光ウォッシュシステム300はまた、ハウジング内に配置されており、導光路120の出力面128から放出される光302を出力開口320および光学フィルムの積層体330に向けて方向転換するように構成されている再帰反射器340をも含む。
図2に関連して上述したように、この光学フィルムの積層体330は、入力角度に対する光出力306の出力角度θ
OUTだけでなく、紙面に平行な経線内の入力光の拡散σ
1に対するこの経線内の拡散σ
OUT、および、紙面に直交する経線内の拡散または角度遷移(両方とも図示せず)も変調することができる。
【0044】
再帰反射器340を使用して光302を方向転換することによって、光302は、導光路120の出力面128の平面に対する角度αにおいて出力開口320および光学フィルムの積層体330に向けて方向付けることができる。光302の初期出力角度θは、光エンジンの幾何形状の関数である。光学フィルムの積層体330は、光出力306の出力角度θ
OUTをある程度増大させることができるが、この増大は、いくつかの実施態様においては、所定の後退距離にある壁または他の表面に所望の光パターンを投影するには不十分である場合がある。すなわち、光出力306は、所定の後退距離について壁に当たる位置が高すぎる場合がある。
【0045】
再帰反射器340が
図3に示すように導光路120の出力面128に対して鈍角に向けられるとき、角度αは、光302が導光路120の出力面128から放出される角度θよりも大きくなり得る。この増大した角度αは、とりわけ、隣接する壁のような平面308までの光ウォッシュシステム300の、同じ光パターンを壁に投影するための
図2の光ウォッシュシステム200の最小後退距離よりも小さい後退距離を使用することを促進することができる。このより短い照射距離は、照明システムの設計に対する他の制約を緩和し、光ウォッシュシステム300と照明すべき平面308との間に位置する、またはその間を通過する物体からの干渉を最小限に抑えることができる。
【0046】
図4は、
図1A〜
図1Dのものと同様の光エンジンを含む光ウォッシュシステムの一例の分解斜視図を示す。光ウォッシュシステム400は、ハウジング部分402と、多くの面で
図1A〜
図1Dの光エンジン100と同様である光エンジン150と、を含む。
【0047】
光ウォッシュシステム400のハウジング402は、入力開口410と、光学フィルムの積層体430を配置することができる出力開口420と、を含む。ハウジング402は、横断方向において実質的に断面が一定である区画440をも含む。この区画440は、天井または他の支持部材内の開口を通して挿入されるような寸法にすることができる。この区画440はまた、天井タイルおよび照明構造の任意の他の中間構成要素の厚さに概ね等しい高さを有してもよく、それによって、出力開口420がそれを通して延在する先細り出力面422の最上部が、天井の下面近くに位置し、それによって、ハウジング402の、天井の下面の下に延在する部分のサイズが最小限に抑えられる。
【0048】
ハウジング402の上側部分442は、開口を通して延在するように構成されている区画440よりも長い、長手方向に延在する部分を含む。この追加の長さ、特に各端部にある突出部分444は、光ウォッシュシステム400を支持するために、天井の、天井内の開口に隣接する部分の上にあることができる。上側部分442から横断方向上向きに延在する側壁446は、光エンジン150の受け入れ領域448を画定し、光エンジンは、受け入れ領域内に配置され、さらに、必要に応じてネジ、ボルト、接着剤、または他の適切な固定手段によって適所に固定することができる。
【0049】
ハウジング402が側方幅ではなく長手方向長さのみにおいて延在することによって、光ウォッシュシステム400の、天井または他の構造部材内の開口(
図3参照)内での設置を容易にすることができる。特に、ハウジング402は、上向きに傾けられ、開口を通してスライドされ得、それによって、両方の突出部分444を含む上側部分442の全体が、天井内の開口を通して挿入される。その後、ハウジング402は、天井の上の領域内で引き戻され得、それによって、それによって、両方の突出部分444が、天井の、天井内の開口の反対の側に接触する。ハウジング402は天井内の開口の縁部を越えて側方には延在しないため、このスライド設置方法は、天井の上の相当の頭上空間を必要とすることなく、最小サイズの開口内に光ウォッシュシステム400を設置するのに利用することができる。
【0050】
この図示されている光エンジン150は、
図1A〜
図1Dの光エンジン100とはわずかに異なることが、
図4に見て取れる。たとえば、反射器構造160は、実質的に矩形の形状を有するが、湾曲している側壁162を含む反射器構造160の内部区画の形状は、光エンジン100の反射器110とほぼ同様である。内部反射チャンバの長手方向遠位および側方外側に位置する、反射器構造160の追加の材料164を、たとえば、光源152から外方に熱を伝導するために、また光エンジン150を光ウォッシュシステム400の隣接する構成要素に固定するための箇所として使用することができる。
【0051】
図4の光エンジン150は、光源152から外方に熱を伝導するのに使用することができる放熱フィン154の形態の熱管理構成要素をも示す。特に、放熱フィン154は、特に1つまたは複数のLEDが光源152として利用される実施態様において相当量の熱を生成する可能性がある光源152から外方に受動的に熱を発散させるために、伝導性および対流冷却を利用することができる。図示されている実施態様において、ハウジング402の上側部分442は、放熱フィン154にわたる空気流および対応する対流熱伝達をさらに促進するために、放熱フィン154のアレイの下にくることになる切り欠き部分449を含む。さらに、ハウジング402は、冷気の返し通気を可能にするために、LEDおよび放熱フィン154から外方の第2の切り欠き部分(図示せず)を含んでもよい。たとえば、第2の切り欠き部分は、ハウジング402の、第1の切り欠き449から反対の側にあってもよい。このように、放熱フィン154が空気を熱し、この熱気がハウジングの上に上昇すると、空気は上から光エンジン150にわたって移動し、冷えて、その後、第2の切り欠き部分を通してハウジングの下の周囲環境に戻り得る。このように、放熱フィン154をより良好に冷却するために空気の流れが形成し得る。
【0052】
さらなる実施態様において、光ウォッシュシステムは複数の光エンジンを含むことができ、そのうちのいくつかは、出力光を異なる方向に方向付けるように構成されてもよい。さらなる実施態様または他の実施態様において、光ウォッシュシステムは、光ウォッシュシステムを形成するために互いに固定されるように構成されている複数の構成要素を含むことができる。
【0053】
図5は、異なる方向に光を出力するように構成されている複数の光エンジンを含む光ウォッシュシステムの一例の分解斜視図を示す。光ウォッシュシステム500は、複数の光エンジン150を支持する上側フレーム508と、複数の入力開口(図示せず)、ならびに、内部に配置される対応する光学フィルムの積層体530a、530b、および530cを有する、斜めに向けられた出力開口520a、520b、および520cを含む下側ハウジング部分502とを含む。光学フィルムの積層体530a、530b、および530cのいずれかを通過する光の角度を増大させるか、または他の様態でその光を変化させるために、再帰反射器(図示せず)も、下側ハウジング部分内に配置されてもよい。
【0054】
下側ハウジング部分502は、前記ハウジング部分を通して延在する、複数の実質的に垂直に延在する開口534をも含み、開口は、薄型光エンジンが、垂直に延在する開口524を通して光出力を実質的に下向きに方向付けることを可能にし、それによって、異なる方向に延在する複数の光出力が、光ウォッシュシステム500によってもたらされ得る。特に、実質的に垂直に延在する開口534の上になる光エンジン150は、他の光エンジン150および本明細書に説明する他の光エンジンの斜めに向けられた光出力とは対照的に、導光路の出力面に実質的に垂直な方向において光を放出するように構成されてもよい。代替的に、光学フィルムの積層体は、垂直に延在する開口534を通して光出力を変化させるために、垂直に延在する開口534内に配置されてもよい。したがって、単一の照明器具が、下向きに方向付けられた照明と斜めに向けられた光ウォッシュの両方をもたらすことができる。
【0055】
上側フレーム508は、1つの次元において、フレームが設置されるべき天井501または他の構造内の開口506よりも長くてもよいが、垂直方向においては概ね同じ寸法以下である。たとえば、図示されている実施態様において、上側フレーム508の長手方向側面512は、光エンジン150の長い寸法に平行な長手方向において、開口502の長手方向縁部504と比較してより長くてもよい。しかしながら、上側フレーム408の側方側面514は、フレームが設置されるべき開口506の側方縁部505と同様である幅を有してもよい。設置は、
図4のハウジングに関連して説明したように、上側フレーム508を、長手方向において開口内に、その後、開口506の反対側において側方縁部505の長手方向外側に位置する天井部分507aおよび天井部分507bに沿って滑り込ませることによって進行することができる。
【0056】
フレーム508の重量および長手方向長さがフレーム508を適所に保持することになるため、たとえフレーム508が天井501に固定して結合されるか、または他の様態で天井501に固定されるとしても、このように設置されたフレーム508は、追加の構成要素のためのアンカ構造またはアンカ構成要素としての役割を果たすことができる。締結具または接着剤を使用することなどによって、天井501に直接固定することによってより確実な保持をもたらすことができる。代替的に、組み立てられた光ウォッシュシステムを天井に対して適所に摩擦によって保持するために、フレーム508の一部分が、天井501の、下側ハウジング部分502の一部分から反対の側に配置されるように、下側ハウジング部分502のような下側構成要素を、フレーム508に固定することができる。そのような実施態様において、フレーム508および下側ハウジング部分502は、それらの間に、開口506に隣接する天井501の部分507aおよび部分507bを保持することができる。
【0057】
特に、下側ハウジング部分502は、天井501、または、光ウォッシュシステム500が固定される他の構造部材の一部分に平行に延在するような寸法にされている、外向きに延在するベゼル503を含む。下側ハウジング部分502がフレーム508に固定されると、天井501の、開口506の長手方向端の部分507aおよび部分507bは、ベゼル503と、フレーム508の長手方向端部との間に配置されることになる。加えて、下側ハウジング部分502は、天井501または他の支持部材内の開口506を通過する必要はないため、ベゼル503は、開口506を完全に隠すように、すべての次元において開口506よりも大きくすることができる。
【0058】
他の実施態様において、天井タイルまたは他の構造的構成要素内の開口内に設置されるのではなく、光ウォッシュシステム500自体が、たとえば、天井タイルのアレイを含む吊り天井内の天井タイルの位置を占めてもよい。そのような実施態様において、ベゼル503は、光ウォッシュシステム500が天井タイルの位置を占めることができるような寸法にされてもよい。そのような実施態様において、組み立てられた光ウォッシュシステム500自体が吊り天井のフレーム内にあってもよく、または、フレーム508および下側ハウジング部分502が、天井フレームの一部分をそれらの間に固定するために接合されてもよい。そのような実施態様において、フレーム508は、下側ハウジング部分502と一体化されて、天井タイルまたは同様の構造的構成要素に置き換わるために使用することができる単一の一体構造を形成してもよい。
【0059】
他の実施態様において、光学フィルムの積層体のような光成形光学機器を有するハウジング部分は、図示されているように下側ハウジング部分502と一体化されていなくてもよく、代わりに、光ウォッシュシステム500の他の構成要素に対して固定もしくは他の様態で保持することができる別個の構成要素であってもよく、または、上側フレーム508と一体化されてもよい。
【0060】
垂直に延在する開口534ならびに斜めに向けられた開口520a、開口520b、および開口520c内に配置されている光学フィルムの積層体、ならびにこれらの積層体によって生成される対応する光パターンの間の差に加えて、様々な斜めに向けられた開口520a、開口520b、および開口520c内に配置されている光学フィルムの積層体530a、積層体530b、および積層体530cは異なっていてもよく、存在する場合、様々な垂直に延在する開口534内に配置されている光学フィルムの積層体も、同様に異なっていてもよい。光学フィルムの積層体530a、積層体530b、および積層体530cは、互いと協働して所望の光パターンを投影してもよい。たとえば、一実施態様において、斜めに向けられた開口520a内の光学フィルムの積層体530aと、斜めに向けられた開口520c内の光学フィルムの積層体530cとが、より広い面積にわたる光パターンを集合的に投影するためにより小さい面積にわたる、または、(斜めに向けられた開口520bから外方に)外向きに角度を付けられている光パターンを集合的に投影するために、内向きに(中央の斜めに向けられた開口520bに向けて)角度を付けられている中心軸に沿って光を方向付けるように構成されてもよい。他の実施態様において、光学フィルムの積層体530a、積層体530b、および積層体530cは、限定ではないが、円形もしくは矩形スポットライトのような成形スポットライト、グラデーション(gradient)、または他の光パターンを含む、任意の他の所望の光パターンを投影するように、独立して選択することができる。他の実施態様において、斜めに向けられた開口520a、開口520b、および開口520cのうちの1つまたは複数は、内部に配置されている光学フィルムの積層体を含まなくてもよい。
【0061】
図6は、照明器具を組み立てるための方法の一例を示すブロック図である。方法600はブロック605において開始し、ハウジングが提供され、ハウジングは、入力開口と、入力開口に対して一定角度に向けられている出力開口と、を有する。いくつかの実施態様において、上述したように、入力開口は、入力開口を通して放出される光が、出力開口に向けて直に方向付けられるように、出力開口と位置合わせされる。他の実施態様において、ハウジング内に再帰反射器が配置されてもよく、それによって、ハウジングの入力開口を通る入力光を、ハウジングの出力開口に向けて方向転換することができる。
【0062】
方法600はブロック610に進み、光学フィルムの積層体が出力開口内に設けられ、それによって、出力開口を通過する光が光学フィルムの積層体を通過し、前記積層体によって操作される。いくつかの実施態様において、光学フィルムの積層体は、光を1つの経線内で拡散させるように構成されている少なくとも1つのレンチキュラフィルムを含んでもよい。レンチキュラフィルムは、出力光の中心光線に直交しない平面内に所望の光ウォッシュを投影するために、中心光線の一方の側において、他方の側と比較して出力光の強度を増大させるために非対称であってもよい。いくつかの実施態様において、直交する経線内で光を拡散させるために少なくとも第2のレンチキュラフィルムが使用されてもよく、ディフューザまたは光転向フィルムのような他の光成形または光方向付け光学機器も使用することができる。
【0063】
方法600はブロック615に進み、ハウジングが、斜角において光を放出するように構成されている導光路に隣接して、導光路から放出される光が入力開口を通してハウジングに入射し、光学フィルムの積層体を通過しながら出力開口を通してハウジングを出射するように位置決めされる。光学フィルムの積層体は、出力開口を通してハウジングを出射する光に対して、出力開口から所定の距離にある平面内に所望の遠距離場光パターンを投影するように動作する。いくつかの実施態様において、この光パターンは、実質的に均一な光のウォッシュとすることができるが、ハウジング構成要素および開口の向きを選択すること、ならびに、光学フィルムの積層体を選択および位置決めすることを通して、多種多様な他のパターンを投影することができる。
【0064】
いくつかの実施態様において、所望の形状を有する再帰反射器を使用することによって、さらなる光成形をもたらすことができる。
図7Aおよび
図7Bは、
図3の光ウォッシュシステムのような光ウォッシュシステムとともに使用するための再帰反射器の代替の実施形態を示す。再帰反射器700は、第2の反射部分704に対して一定角度に向けられている第1の反射部分702を含む。図示されている実施態様において、第1の反射部分702および第2の反射部分704は、互いに対して内向きに角度を付けられている概して平坦な部分であり、たとえば、反射性材料のシートを湾曲またはクリンピング(crimping)することによって形成されてもよい。
【0065】
再帰反射器750は、再帰反射器700の第1の反射部分702および第2の反射部分704と同様である、第1の反射部分752および第2の反射部分754を含む。再帰反射器750はまた、追加の反射部分756と、第1の反射部分752および第2の反射部分754が互いに対して内向きに角度を付けられている平面に概して直交する平面内で追加の反射部分756に対して内向きに角度を付けられている側部758aおよび側部758bとをも含む。追加の反射部分756もまた、第1の反射部分752と第2の反射部分754の両方に対して内向きに角度を付けられてもよい。
【0066】
再帰反射器700および再帰反射器750の反射部分は互いに対して内向きに角度を付けられているため、再帰反射器700および再帰反射器750から反射される光は、近接場(たとえば、ウォールウォッシュシステムの出力開口付近)においてより近密に局在化され得る。この近接場局在化によって、たとえば、ハウジングの出力開口および光学フィルムの積層体を通じたより大量の光の反射が促進され得る。反射器の基部付近で入射する光は、概して導光路の出力面からより長い距離を進行することになる。再帰反射器750の基部付近の部分758aおよび758bに内向きに角度を付けることによって、再帰反射器750は、導光路と再帰反射器750との間のより長い経路に起因して、再帰反射器の基部付近で入射するこの光に生じることになる増大した拡散を補償することができる。不連続であるように図示されているが、いくつかの実施態様において、再帰反射器750は、連続したファセット(continuous faceted)または湾曲反射面とすることができる。
【0067】
加えて、再帰反射器700および再帰反射器750は互いに対して角度を付けられている複数の概して平坦な部分を含むように示されているが、再帰反射器の他の実施態様は、内向きに角度を付けられている平坦な部分の代わりに、またはそれに加えて、内向きに湾曲している部分を含むことができる。加えて、再帰反射器の他の実施態様は、内向きに角度を付けられているまたは湾曲している部分に加えて、またはその代わりに、外向きに角度を付けられているまたは湾曲している部分を含んでもよい。再帰反射器700および再帰反射器750のような湾曲しているまたは角度を付けられている再帰反射器は、本明細書に具体的に説明されていない光ウォッシュシステムを含む、
図3の光ウォッシュシステム300または他の光ウォッシュシステムのような光ウォッシュシステムに使用することができる。
【0068】
本開示で説明した実施態様への様々な修正は当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施態様に適用され得る。たとえば、天井または他の支持部材の一部分を固定することによって、審美的目的のために、または、ハウジングによって形成される光ウォッシュシステムに補助的な安定性を与えるために、
図2および
図3に示されているもののような独立したハウジングにベゼルを適用することができる。上述したように、そのようなベゼルは、圧入されてもよく、または、適切な締結具によって固定されてもよい。
【0069】
したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示した実施態様に限定されるものではなく、本開示と、本明細書で開示する原理および新規の特徴とに一致する、最も広い範囲を与えられるべきである。「例示的」という単語は、本明細書ではもっぱら「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために使用される。本明細書に「例示的」と記載されたいかなる実施態様も、必ずしも他の実施態様よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。さらに、「上側」および「下側」という用語が、図の説明を簡単にするために使用されることがあり、適切な向きにされたページ上の図の向きに対応する相対位置を示すが、実装されているような照明器具または光エンジンの適切な向きを反映しないことがあることを、当業者は容易に諒解されよう。
【0070】
また、別個の実施態様に関して本明細書で説明されたいくつかの特徴は、単一の実施態様において組合せで実施され得る。また、逆に、単一の実施態様に関して説明した様々な特徴は、複数の実施態様において別個に、あるいは任意の好適な部分組合せで実施され得る。その上、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上記で説明され、初めにそのように請求されることさえあるが、請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはその組合せから削除され得、請求される組合せは、部分組合せ、または部分組合せの変形形態を対象とし得る。
【0071】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示される特定の順序でまたは順番に実行されることを、あるいはすべての図示の動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきでない。さらに、図面は、流れ図の形態でもう1つの例示的なプロセスを概略的に示し得る。ただし、示されていない他の動作が、概略的に示される例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示の動作のうちのいずれかの前に、後に、同時に、またはいずれかの間に、実行され得る。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。その上、上述した実施態様内の様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施態様においてそのような分離を必要としていると理解されるべきではない。加えて、他の実施態様が以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、特許請求の範囲に記載の動作(action)は、異なる順序で実行され、依然として望ましい結果を達成することができる。