特許第6164547号(P6164547)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6164547
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】電力制御方法、基地局、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/24 20090101AFI20170710BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20170710BHJP
【FI】
   H04W52/24
   H04W24/10
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-539402(P2016-539402)
(86)(22)【出願日】2014年8月5日
(65)【公表番号】特表2016-533125(P2016-533125A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(86)【国際出願番号】CN2014083685
(87)【国際公開番号】WO2016019503
(87)【国際公開日】20160211
【審査請求日】2016年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ 亮
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 斌
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲暁▼霞
【審査官】 ▲高▼木 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−151471(JP,A)
【文献】 特開2011−250453(JP,A)
【文献】 特開2006−345363(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102752837(CN,A)
【文献】 特開2003−298509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末からチャネル品質インジケータ(CQI)値を受信するように構成された受信ユニットと、
前記受信ユニットによって受信された前記CQI値にしたがって、関連づけられた専用物理チャネル(A-DPCH)の、前記CQI値に対応する送信電力レンジを決定するように構成された決定ユニットと、
前記決定ユニットによって決定された前記A-DPCHの前記送信電力レンジ内で、前記A-DPCHの送信電力を、前記A-DPCHの前記送信電力についての前記端末の要求にしたがって調節するように構成された調節ユニットと
を備え、
前記受信ユニットは、非高速下りリンクパケットアクセス(HSDPA)電力を受信し、前記非HSDPA電力が予め設定されたしきい値を超える場合、前記端末によって報告されたチャネル品質インジケータ(CQI)を受信するように構成される、基地局。
【請求項2】
前記決定ユニットは、前記A-DPCHの、前記CQI値に対応する前記送信電力レンジを、前記CQI値にしたがって、および前記CQI値に対応する前記A-DPCHの送信電力についてのCQI値対送信電力の関係表またはシミュレーション図から、決定するように構成される、
請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記決定ユニットは、制御データがシグナリング無線ベアラ(SRB)にわたって前記端末に送信される場合、前記SRBをベアリングする前記A-DPCHの、前記CQI値に対応する前記送信電力レンジを、前記CQI値にしたがって、および前記A-DPCHによって要求されかつ前記CQI値に対応する送信電力についてのCQI値対送信電力の関係表またはシミュレーション図から、決定するように構成される、
請求項2に記載の基地局。
【請求項4】
前記受信ユニットは、前記端末がサービス提供リンクと非サービス提供リンクとの間のハンドオーバーエリアにある場合、前記端末によって報告された前記サービス提供リンクのCQI値を受信するように構成され、
前記決定ユニットは、前記サービス提供リンクの前記CQI値にしたがって前記サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジを決定し、前記サービス提供リンクの前記A-DPCHの前記送信電力レンジを前記非サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジとして設定するように構成される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項5】
前記基地局はさらに、増加ユニットと送信ユニットとを備え、
前記増加ユニットは、前記受信ユニットが、前記端末がハードハンドオーバーエリアにあることと、制御データがシグナリング無線ベアラ(SRB)にわたって前記端末に送信されることとを知らされた場合、前記A-DPCHの前記送信電力を予め設定された量だけ増加させるように構成され、
前記送信ユニットは、前記増加ユニットによって増加させられた前記A-DPCHの前記送信電力を使用することにより前記SRBにわたって前記制御データを送信するように構成される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の基地局。
【請求項6】
端末からチャネル品質インジケータ(CQI)値を基地局により受信するステップと、
前記CQI値にしたがって、関連づけられた専用物理チャネル(A-DPCH)の、前記CQI値に対応する送信電力レンジを前記基地局により決定するステップと、
前記A-DPCHの前記送信電力レンジ内で、前記A-DPCHの送信電力を、前記A-DPCHの前記送信電力についての前記端末の要求にしたがって、前記基地局により調節するステップと
を備え、
端末によって報告されたチャネル品質インジケータ(CQI)値を基地局により受信するステップは、非高速下りリンクパケットアクセス(HSDPA)電力を前記基地局により受信するステップと、前記非HSDPA電力が予め設定されたしきい値を超える場合、前記端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQIを前記基地局により受信するステップとを備える、電力制御方法。
【請求項7】
前記CQI値にしたがって、A-DPCHの、前記CQI値に対応する送信電力レンジを前記基地局により決定するステップは、前記A-DPCHの、前記CQI値に対応する前記送信電力レンジを、前記CQI値にしたがって、および前記A-DPCHによって要求されかつ前記CQI値に対応する送信電力についてのCQI値対送信電力の関係表またはシミュレーション図から、前記基地局により決定するステップを備える、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
制御データがシグナリング無線ベアラ(SRB)にわたって前記端末に送信される場合、前記A-DPCHの、前記CQI値に対応する前記送信電力レンジを、前記CQI値にしたがって、および前記A-DPCHによって要求されかつ前記CQI値に対応する送信電力についてのCQI値対送信電力の関係表またはシミュレーション図から、前記基地局により決定するステップは、前記SRBをベアリングする前記A-DPCHの、前記CQI値に対応する送信電力レンジを、前記CQI値にしたがって、および前記A-DPCHによって要求されかつ前記CQI値に対応する送信電力についてのCQI値対送信電力の関係表またはシミュレーション図から、前記基地局により決定するステップを備える、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記端末がサービス提供リンクと非サービス提供リンクとの間のハンドオーバーエリアにある場合、端末によって報告されたチャネル品質インジケータ(CQI)値を基地局により受信するステップは、前記端末によって報告された前記サービス提供リンクのCQI値を前記基地局により受信するステップを備え、
前記CQI値にしたがって、関連づけられた専用物理チャネルA-DPCHの、前記CQI値に対応する送信電力レンジを前記基地局により決定するステップは、前記基地局により、前記サービス提供リンクの前記CQI値にしたがって前記サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジを決定するステップと、前記サービス提供リンクの前記A-DPCHの前記送信電力レンジを前記非サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジとして設定するステップとを備える、
請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記方法はさらに、前記端末がハードハンドオーバーエリアにあり、制御データがシグナリング無線ベアラ(SRB)にわたって前記端末に送信される場合、前記基地局により、前記A-DPCHの前記送信電力を予め設定された量だけ増加させるステップと、前記A-DPCHの前記増加させられた送信電力を使用することにより前記SRBにわたって前記制御データを送信するステップとを備える、
請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
端末と基地局とを備える無線通信システムであって、前記基地局は、請求項1から5のいずれか一項に記載の基地局である、無線通信システム。
【請求項12】
基地局と通信する基地局コントローラを備える無線通信システムであって、前記基地局は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基地局である、無線通信システム。
【請求項13】
プログラムであって、前記プログラムによって、基地局におけるプロセッサは請求項6〜10のいずれか一項に記載のステップを実行する、プログラム。
【請求項14】
記録されたプログラムを有するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラムによって、コンピュータは請求項6〜10のいずれか一項に記載の方法を実行する、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術の分野に関し、特に、電力制御方法、基地局、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイドバンド符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access, WCDMA(登録商標))システムのパケットサービスサポートケイパビリティを改善するために、高速下りリンクパケットアクセス(high speed downlink packet access, HSDPA)技術が導入されている。セルにおけるすべてのHSDPAユーザが、時間分割および符号分割方式で、複数の高速共有制御チャネル(high speed shared control channel, HS-SCCH)および高速物理下りリンク共有チャネル(High-Speed Physical Downlink Shared Channel, HS-PDSCH)を共有する。
【0003】
各々のHSDPAユーザのために、シグナリングベアリング、上りリンクおよび下りリンクと内側および外側ループの電力制御、および下りリンク同期といった機能を改善するために、第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project, 3GPP)のプロトコルによって規定されているように、1つの関連づけられた専用物理チャネル(associated dedicated physical channel、A-DPCH)が構成される必要がある。
【0004】
A-DPCHの電力制御プロセスは、基地局が端末の内側ループ電力制御(The inner loop power control, ILPC)コマンドワードにしたがってA-DPCHの電力の増加または低下を制御することである。端末がシグナリング無線ベアラ(Signaling radio bearer, SRB)の受信品質を考慮すると、これによって、A-DPCHの送信電力のマージンが予約され、これは、実際のネットワークでA-DPCHによって占有される送信電力リソースにおける浪費を招く。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態において技術的課題を解決するために、本発明の実施形態は、端末によって報告されたCQI値にしたがってA-DPCHの送信電力レンジを決定し、そのレンジ内でA-DPCHの送信電力レンジを調節することにより、関連づけられた専用物理チャネルA-DPCHが送信電力リソースを浪費するのを防止し得る、基地局を提供する。本発明の実施形態はさらに、対応する方法およびシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によると、本発明の実施形態は、端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQI値を収集するように構成された収集ユニットと、前記収集ユニットによって収集された前記CQI値にしたがって、関連づけられた専用物理チャネルA-DPCHの、前記CQI値に対応する送信電力レンジを決定するように構成された決定ユニットと、前記決定ユニットによって決定された前記A-DPCHの前記送信電力レンジ内で、前記A-DPCHの送信電力を、前記A-DPCHの前記送信電力についての前記端末の要求にしたがって調節するように構成された調節ユニットとを含む基地局を提供する。
【0007】
第1の態様の第1の可能な実現手法において、前記決定ユニットは特に、前記CQI値にしたがって、およびCQI値対前記CQI値に対応する前記A-DPCHの送信電力の関係表またはシミュレーション図から、前記A-DPCHの、前記CQI値に対応する前記送信電力レンジを決定するように構成される。
【0008】
第1の態様の第1の可能な実現手法に関し、第2の可能な実現手法において、前記決定ユニットは特に、制御データがシグナリング無線ベアラSRBにわたって前記端末に送信される場合、前記CQI値にしたがって、およびCQI値対前記A-DPCHによって要求されかつ前記CQI値に対応する送信電力の関係表またはシミュレーション図から、前記SRBをベアリングする前記A-DPCHの、前記CQI値に対応する前記送信電力レンジを決定するように構成される。
【0009】
第1の態様または第1の態様の第1から第2の可能な実現手法のいずれか1つに関し、第3の可能な実現手法において、前記収集ユニットは特に、前記端末がサービス提供リンクと非サービス提供リンクとの間のハンドオーバーエリアにある場合、前記端末によって報告された前記サービス提供リンクのCQI値を収集するように構成され、前記決定ユニットは特に、前記サービス提供リンクの前記CQI値にしたがって前記サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジを決定し、前記サービス提供リンクの前記A-DPCHの前記送信電力レンジを前記非サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジとして設定するように構成される。
【0010】
第1の態様または第1の態様の第1から第2の可能な実現手法のいずれか1つに関し、第4の可能な実現手法において、前記基地局はさらに、増加ユニットと送信ユニットとを含み、前記増加ユニットは、前記収集ユニットが、前記端末がハードハンドオーバーエリアにあることと、制御データがシグナリング無線ベアラSRBにわたって前記端末に送信されることとを学習した場合、前記A-DPCHの前記送信電力を予め設定された量だけ増加させるように構成され、前記送信ユニットは、前記増加ユニットによって増加させられた前記A-DPCHの前記送信電力を使用することにより前記SRBにわたって前記制御データを送信するように構成される。
【0011】
第1の態様または第1の態様の第1から第4の可能な実現手法のいずれか1つに関し、第5の可能な実現手法において、前記収集ユニットは特に、非高速下りリンクパケットアクセスHSDPA電力を収集し、前記非HSDPA電力が予め設定されたしきい値を超える場合、前記端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQIを収集するように構成される。
【0012】
第2の態様によると、本発明の実施形態は、端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQI値を基地局により収集するステップと、前記CQI値にしたがって、関連づけられた専用物理チャネルA-DPCHの、前記CQI値に対応する送信電力レンジを前記基地局により決定するステップと、前記A-DPCHの前記送信電力レンジ内で、前記A-DPCHの送信電力を、前記A-DPCHの前記送信電力についての前記端末の要求にしたがって、前記基地局により調節するステップとを含む、電力制御方法を提供する。
【0013】
第2の態様の第1の可能な実現手法において、前記CQI値にしたがって、A-DPCHの、前記CQI値に対応する送信電力レンジを前記基地局により決定するステップは、前記CQI値にしたがって、およびCQI値対前記A-DPCHによって要求されかつ前記CQI値に対応する送信電力の関係表またはシミュレーション図から、前記A-DPCHの、前記CQI値に対応する前記送信電力レンジを前記基地局により決定するステップを含む。
【0014】
第2の態様の第1の可能な実現手法に関し、第2の可能な実現手法において、制御データがシグナリング無線ベアラSRBにわたって前記端末に送信される場合、前記CQI値にしたがって、およびCQI値対前記A-DPCHによって要求されかつ前記CQI値に対応する送信電力の関係表またはシミュレーション図から、前記A-DPCHの、前記CQI値に対応する前記送信電力レンジ送信電力レンジを前記基地局により決定するステップは、前記CQI値にしたがって、およびCQI値対前記A-DPCHによって要求されかつ前記CQI値に対応する送信電力の関係表またはシミュレーション図から、前記SRBをベアリングする前記A-DPCHの、前記CQI値に対応する送信電力レンジを前記基地局により決定するステップを含む。
【0015】
第2の態様または第2の態様の第1から第2の可能な実現手法のいずれか1つに関し、第3の可能な実現手法において、前記端末がサービス提供リンクと非サービス提供リンクとの間のハンドオーバーエリアにある場合、端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQI値を基地局により収集するステップは、前記端末によって報告された前記サービス提供リンクのCQI値を前記基地局により収集するステップを含み、前記CQI値にしたがって、関連づけられた専用物理チャネルA-DPCHの、前記CQI値に対応する送信電力レンジを前記基地局により決定するステップは、前記基地局により、前記サービス提供リンクの前記CQI値にしたがって前記サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジを決定するステップと、前記サービス提供リンクの前記A-DPCHの前記送信電力レンジを前記非サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジとして設定するステップとを含む。
【0016】
第2の態様または第2の態様の第1から第2の可能な実現手法のいずれか1つに関し、第4の可能な実現手法において、前記方法はさらに、前記端末がハードハンドオーバーエリアにあり、制御データがシグナリング無線ベアラSRBにわたって前記端末に送信される場合、前記基地局により、前記A-DPCHの前記送信電力を予め設定された量だけ増加させるステップと、前記A-DPCHの前記増加させられた送信電力を使用することにより前記SRBにわたって前記制御データを送信するステップとを含む。
【0017】
第2の態様または第2の態様の第1から第4の可能な実現手法のいずれか1つに関し、第5の可能な実現手法において、端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQI値を基地局により収集するステップは、非高速下りリンクパケットアクセスHSDPA電力を前記基地局により収集するステップと、前記非HSDPA電力が予め設定されたしきい値を超える場合、前記端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQIを前記基地局により収集するステップとを含む。
【0018】
第3の態様によると、本発明の実施形態は、少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、トランシーバ、通信インターフェース、およびバスシステムを含む基地局を提供し、前記プロセッサ、前記メモリ、および前記トランシーバは、前記バスシステムを介して互いに通信し、前記通信インターフェースは、前記基地局と基地局コントローラとの間の通信のために使用され、前記トランシーバは、端末と通信するように構成され、前記メモリは、関連づけられた専用物理チャネルA-DPCHでの送信電力制御を前記プロセッサに実行させる命令を記憶するように構成され、前記プロセッサは、以下のステップ、前記端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQI値を収集するステップと、前記CQI値にしたがって、関連づけられた専用物理チャネルA-DPCHの、前記CQI値に対応する送信電力レンジを決定するステップと、前記A-DPCHの前記送信電力レンジ内で、前記A-DPCHの送信電力を、前記A-DPCHの前記送信電力についての前記端末の要求にしたがって、調節するステップとを実行するように構成される。
【0019】
第3の態様の第1の可能な実現手法において、前記プロセッサは特に、前記CQI値にしたがって、およびCQI値対前記CQI値に対応する前記A-DPCHの送信電力の関係表またはシミュレーション図から、前記A-DPCHの、前記CQI値に対応する前記送信電力レンジを決定するように構成される。
【0020】
第3の態様の第1の可能な実現手法に関し、第2の可能な実現手法において、前記プロセッサは特に、制御データがシグナリング無線ベアラSRBにわたって前記端末に送信される場合、前記CQI値にしたがって、およびCQI値対前記A-DPCHによって要求されかつ前記CQI値に対応する前記送信電力の関係表またはシミュレーション図から、前記SRBをベアリングする前記A-DPCHの、前記CQI値に対応する前記送信電力レンジを決定するように構成される。
【0021】
第3の態様または第3の態様の第1から第2の可能な実現手法のいずれか1つに関し、第3の可能な実現手法において、前記プロセッサは特に、前記端末がサービス提供リンクと非サービス提供リンクとの間のハンドオーバーエリアにある場合、前記端末によって報告された前記サービス提供リンクのCQI値を収集し、前記サービス提供リンクの前記CQI値にしたがって前記サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジを決定し、前記サービス提供リンクの前記A-DPCHの前記送信電力レンジを前記非サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジとして設定するように構成される。
【0022】
第3の態様または第3の態様の第1から第2の可能な実現手法のいずれか1つに関し、第4の可能な実現手法において、前記プロセッサは特に、前記端末がハードハンドオーバーエリアにあり、制御データがシグナリング無線ベアラSRBにわたって前記端末に送信される場合、前記A-DPCHの前記送信電力を予め設定された量だけ増加させるように構成され、前記トランシーバは、前記A-DPCHの前記増加させられた送信電力を使用することにより前記SRBにわたって前記制御データを送信するように構成される。
【0023】
第3の態様または第3の態様の第1から第4の可能な実現手法のいずれか1つに関し、第5の可能な実現手法において、前記プロセッサは特に、非高速下りリンクパケットアクセスHSDPA電力を収集し、前記非HSDPA電力が予め設定されたしきい値を超える場合、前記端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQIを収集するように構成される。
【0024】
第4の態様によると、本発明の実施形態は、端末と基地局とを含む電力制御システムであって、前記基地局は、上記技術的ソリューションのいずれか1つに係る基地局である、電力制御システムを提供する。
【0025】
本発明の実施形態によって提供される基地局によると、収集ユニットは、端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQI値を収集し、決定ユニットは、前記収集ユニットによって収集された前記CQI値にしたがって、関連づけられた専用物理チャネルA-DPCHの、前記CQI値に対応する送信電力レンジを決定し、調節ユニットは、前記決定ユニットによって決定された前記A-DPCHの前記送信電力レンジ内で、前記A-DPCHの送信電力を、前記A-DPCHの前記送信電力についての前記端末の要求にしたがって調節する。A-DPCHによって占有される送信電力リソースにおける浪費が存在する従来技術と比較すると、本発明の実施形態によって提供される基地局は、A-DPCHの送信電力についての端末の要求にしたがって基地局のA-DPCHの送信電力を調節することにより、A-DPCHが送信電力リソースを浪費することを防止し得る。たとえ端末によって要求される量がA-DPCHの送信電力レンジの上限を超える場合であっても、A-DPCHの電力が上限まで調節されるのみであることにより、端末がA-DPCHの過剰な電力リソースを要求した場合にA-DPCHが送信電力リソースを浪費することを防止する。
【0026】
本発明の実施形態における技術的ソリューションをより明確に説明するために、以下は、実施形態を説明するために必要とされる添付図面を簡潔に紹介する。明らかに、以下の説明における添付図面は単に本発明のいくつかの実施形態を示すものであり、当業者は、これらの添付図面から創造的な努力なしに他の図面をさらに導き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態に係る電力制御システムの実施形態の模式図である。
図2】本発明の実施形態に係る電力制御方法の実施形態の模式図である。
図3】本発明の実施形態に係る電力制御方法の別の実施形態の模式図である。
図4】本発明の実施形態に係る基地局の実施形態の模式図である。
図5】本発明の実施形態に係る基地局の別の実施形態の模式図である。
図6】本発明の実施形態に係る基地局の別の実施形態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施形態は、端末によって報告されたCQI値にしたがってA-DPCHの送信電力レンジを決定し、そのレンジ内でA-DPCHの送信電力レンジを調節することにより、関連づけられた専用物理チャネルA-DPCHが送信電力リソースを浪費するのを防止し得る、基地局を提供する。本発明の実施形態はさらに、対応する方法およびシステムを提供する。詳細な説明が以下に提供される。
【0029】
以下は、本発明の実施形態における添付図面を参照して本発明の実施形態における技術的ソリューションを明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本発明の実施形態の全部ではなく単なる一部にすぎない。本発明の実施形態に基づいて創造的な努力なしに当業者によって得られるすべての他の実施形態が、本発明の保護範囲内に入るものとする。
【0030】
図1に示されているように、本発明の実施形態は、電力制御システムを提供し、電力制御システムは、端末および基地局を含み、端末および基地局は、エアインターフェースにわたって互いに通信する。関連づけられた専用物理チャネル(A-DPCH、付随専用物理チャネル)を制御するプロセスにおいて、端末は、チャネル品質インジケータ(CQI, Channel Quality Indicator)値を基地局に報告し、基地局は、CQI値にしたがって、関連づけられた専用物理チャネルA-DPCHの、CQI値に対応する送信電力レンジを決定し、A-DPCHの送信電力レンジ内で、A-DPCHの送信電力を、A-DPCHの送信電力についての端末の要求にしたがって調節する。
【0031】
具体的なプロセスは以下の通りであり得る。
【0032】
本発明の本実施形態では、異なるチャネル品質インジケータ(CQI, Channel Quality Indicator)値の状況下で、研究開発職員が、多数のシミュレーションおよび検証実験により、端末が同期を外れずに正常に情報を受信できることを保証する、関連づけられた専用物理チャネル(A-DPCH、付随専用物理チャネル)の最小送信電力を見出す。端末によって報告されたCQIのレンジは、0から30である。したがって、各々のCQI値は、A-DPCHの1つの最小送信電力に対応する。加えて、異なるチャネル環境における電力要求間の差を考慮して、受信が端末により正常に行われ得ることを保証するために、A-DPCHの送信電力は、各々のCQI値に対応するA-DPCHの最大送信電力を決定し、最終的に、表1に示されたようなCQI値とCQI値に対応するA-DPCHの送信電力との間の対応の表を形成するために、これに基づいて増加させられる必要がある。
【0033】
【表1】
【0034】
表1に示されているように、CQI値が3である場合、CQI=3に対応して、および、シグナリング無線ベアラ(Signaling radio bearer, SRB)が存在しない場合、A-DPCHの最小送信電力がPminnoSRB(3)であり、A-DPCHの最大送信電力がPmaxnoSRB(3)であることが、表から決定され得る。したがって、SRBが存在しない場合、A-DPCHの、CQI=3に対応する送信電力レンジは、PminnoSRB(3)からPmaxnoSRB(3)である。
【0035】
さらに、本発明の本実施形態では、制御データがA-DPCHでSRBにわたって端末に送信されるケースが考慮される。したがって、A-DPCHでのSRBが存在する場合、CQI=3に対応して、およびSRBが存在する場合、A-DPCHの最小送信電力は、PminwithSRB(3)であり、A-DPCHの最大送信電力は、PmaxwithSRB(3)である。したがって、SRBが存在する場合、A-DPCHの、CQI=3に対応する送信電力レンジは、PminwithSRB(3)からPmaxwithSRB(3)である。
【0036】
SRBが存在する場合のA-DPCHの最大送信電力および最小送信電力は、それぞれ、SRBが存在しない場合のA-DPCHの最大送信電力および最小送信電力より大きい。
【0037】
SRBが存在するかSRBが存在しないかにかかわらず、CQIに対応するA-DPCHの最小送信電力は、A-DPCHの送信電力レンジの下限を基準とし得、CQIに対応するA-DPCHの最大送信電力は、A-DPCHの送信電力レンジの上限を基準とし得る。
【0038】
さらに、A-DPCHの送信電力レンジを決定する際、A-DPCHの送信電力レンジが表1に示されたようにのみ決定されるとは限らず、A-DPCHの送信電力レンジはまた、図2に示されたシミュレーション図によって決定され、得られることもできる。
【0039】
表1に示された関係表および図2に示されたシミュレーション図は、両者とも基地局のメモリにおいて予め設定され得るか、または、基地局には記憶されないが、たとえば、基地局コントローラに記憶され得、基地局が関係表およびシミュレーション図を必要とする場合、基地局は、基地局と基地局コントローラとの間のインターフェースを使用することにより関係表またはシミュレーション図を収集する。したがって、端末によって報告されたCQI値を収集した後、基地局は、関係表またはシミュレーション図にしたがって、A-DPCHの、CQI値に対応する送信電力レンジを決定し得、したがって、A-DPCHの送信電力の上限と下限との間で、A-DPCHの送信電力をA-DPCHの送信電力についての端末の要求にしたがって調節し得る。調節プロセスは、端末が基地局にコマンドワードを送信することであり得、コマンドワードは、増加または低下命令、たとえば、1dBの増加を搬送する。しかしながら、本発明の本実施形態における電力調節は、CQIに対応する送信電力レンジ内でのみ行われ得るので、たとえ端末によって要求される量がA-DPCHの送信電力レンジの上限を超える場合であっても、A-DPCHの送信電力が上限まで調節されるのみであることにより、端末がA-DPCHの過剰な送信電力リソースを要求した場合にA-DPCHが送信電力リソースを浪費することを防止する。
【0040】
CQI値とA-DPCHの送信電力の上限および下限との間の対応の理解のために、さらに図2が参照され得る。
【0041】
図2に示されたシミュレーション図は、各々のCQI値に対応するA-DPCHの送信電力の上限および下限を示す。
【0042】
加えて、本願の本実施形態はさらに、端末がサービス提供リンクと非サービス提供リンクとの間のハンドオーバーエリアにあり、サービス提供リンクと非サービス提供リンクの両方が端末と基地局との間に存在する場合、サービス提供リンクのみがCQIを有するので、サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジが、端末によって報告されるサービス提供リンクのCQI値にしたがって決定され得る、ということを考慮する。非サービス提供リンクのチャネル品質は、サービス提供リンクのチャネル品質と同様であるので、サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジが、非サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジとして設定され得る。
【0043】
ハードハンドオーバー状態におけるA-DPCHについては、SRBにわたって送信される必要のある制御データが存在する場合、ハードハンドオーバーは異なる周波数を有する別の基地局またはセルへのハンドオーバーを要求するので、より大きな送信電力を使用することによりSRBにわたって制御データを送信することを基地局に可能にさせ、受信が端末により正常に行われ得ることを保証するために、最大送信電力の値が、CQI値とCQI値に対応するA-DPCHの送信電力との間の対応に基づいて、予め設定された量だけ増加させられる必要がある。本発明の本実施形態において、予め設定された量は、予め設定された特定の値、たとえば、2dBであり得る。
【0044】
本発明の本実施形態における制御データは、無線リソース制御(Radio Resource Control, RRC)接続の確立および再確立に関連するメッセージデータであり得る。
【0045】
加えて、実際のネットワークでは、セルの下りリンクエアインターフェース負荷が相対的に重い場合、下りリンクエアインターフェース負荷がネットワーク性能に影響を及ぼす障害となり、このケースでは、ソリューションが全体的なネットワーク性能を改善するために使用され得るが、セルの下りリンクエアインターフェース負荷が相対的に軽い場合、下りリンクエアインターフェース負荷はネットワーク性能に影響を及ぼす障害ではなく、ソリューションが使用されずにネットワーク性能への影響が減じられ得る。したがって、非高速下りリンクパケットアクセスHSDPA電力を決定することにより、本願によって提供されるソリューションを使用するかどうかが決定され得、それは特に、非高速下りリンクパケットアクセスHSDPA電力を決定するステップと、非HSDPA電力が予め設定されたしきい値を超える場合、端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQIを収集するステップである。
【0046】
本発明の本実施形態において、予め設定されたしきい値は、100dBであり得る。確かに、本発明の本実施形態における予め設定されたしきい値は、説明のための例にすぎず、特定の値が、エアインターフェース負荷の状況に応じてテストすることにより得られ得る。たとえば、エアインターフェースによって支持される負荷がエアインターフェースの合計支持容量の80%を超えるか、または別の値を超える場合、テストによって得られるHSDPA電力が、予め設定されたしきい値として設定される。
【0047】
A-DPCHによって占有される送信電力リソースにおける浪費が存在する従来技術と比較すると、本発明の本実施形態によって提供される電力制御方法によると、基地局がA-DPCHの送信電力についての端末の要求にしたがって基地局のA-DPCHの送信電力を調節することにより、A-DPCHが送信電力リソースを浪費することを防止し得る。
【0048】
さらに、本発明の本実施形態によって提供されるソリューションは、送信電力の上限および下限を提供し、さまざまなチャネル送信電力状況を考慮し、したがって、チャネル条件の変化に動的に適合することができ、それにより、呼び出しのドロップの確率を減じながら電力利得を得る。
【0049】
CQIを使用することにより端末と基地局との間のA-DPCHの送信電力を制御するプロセスが、上記において詳細に説明されている。図3を参照すると、本発明の実施形態はさらに、以下を含む電力制御方法の実施形態を提供する。
【0050】
201:基地局が、端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQI値を収集する。
【0051】
202:基地局が、CQI値にしたがって、関連づけられた専用物理チャネルA-DPCHの、CQI値に対応する送信電力レンジを決定する。
【0052】
203:基地局が、A-DPCHの送信電力レンジ内で、A-DPCHの送信電力を、A-DPCHの送信電力についての端末の要求にしたがって調節する。
【0053】
本発明の本実施形態によると、基地局は、端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQI値を収集し、基地局は、CQI値にしたがって、関連づけられた専用物理チャネルA-DPCHの、CQI値に対応する送信電力レンジを決定し、基地局は、A-DPCHの送信電力レンジ内で、A-DPCHの送信電力を、A-DPCHの送信電力についての端末の要求にしたがって調節する。A-DPCHによって占有される送信電力リソースにおける浪費が存在する従来技術と比較すると、本発明の本実施形態によって提供される基地局は、A-DPCHの送信電力についての端末の要求にしたがって基地局のA-DPCHの送信電力を調節することにより、A-DPCHが送信電力リソースを浪費することを防止し得る。たとえ端末によって要求される量がA-DPCHの送信電力レンジの上限を超える場合であっても、A-DPCHの送信電力が上限まで調節されるのみであることにより、端末がA-DPCHの過剰な電力リソースを要求した場合にA-DPCHが送信電力リソースを浪費することを防止する。
【0054】
場合により、図3に対応する任意の実施形態に基づいて、本発明の実施形態によって提供される電力制御方法の別の実施形態では、基地局が、CQI値にしたがって、A-DPCHの、CQI値に対応する送信電力レンジを決定するステップは、CQI値にしたがって、およびCQI値対A-DPCHによって要求されかつCQI値に対応する送信電力の関係表またはシミュレーション図から、A-DPCHの、CQI値に対応する送信電力レンジを基地局により決定するステップを含み得る。
【0055】
場合により、図3に対応する任意の実施形態に基づいて、本発明の実施形態によって提供される電力制御方法の別の実施形態では、制御データがシグナリング無線ベアラSRBにわたって端末に送信される場合、基地局が、CQI値にしたがって、およびCQI値対A-DPCHによって要求されかつCQI値に対応する送信電力の関係表またはシミュレーション図から、A-DPCHの、CQI値に対応する送信電力レンジを決定するステップは、CQI値にしたがって、およびCQI値対A-DPCHによって要求されかつCQI値に対応する送信電力の関係表またはシミュレーション図から、SRBをベアリングするA-DPCHの、CQI値に対応する送信電力レンジを基地局により決定するステップを含み得る。
【0056】
場合により、図3に対応する実施形態または任意の実施形態に基づいて、本発明の実施形態によって提供される電力制御方法の別の実施形態では、端末がサービス提供リンクと非サービス提供リンクとの間のハンドオーバーエリアにある場合、基地局が端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQI値を収集するステップは、端末によって報告されたサービス提供リンクのCQI値を基地局により収集するステップを含み得、基地局が、CQI値にしたがって、関連づけられた専用物理チャネルA-DPCHの、CQI値に対応する送信電力レンジを決定するステップは、基地局により、サービス提供リンクのCQI値にしたがってサービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジを決定するステップと、サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジを非サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジとして設定するステップとを含み得る。
【0057】
場合により、図3に対応する実施形態または任意の実施形態に基づいて、本発明の実施形態によって提供される電力制御方法の別の実施形態では、方法はさらに、端末がハードハンドオーバーエリアにあり、制御データがシグナリング無線ベアラSRBにわたって端末に送信される場合、基地局により、A-DPCHの送信電力を予め設定された量だけ増加させるステップと、A-DPCHの増加させられた送信電力を使用することによりSRBにわたって制御データを送信するステップとを含み得る。
【0058】
場合により、図3に対応する実施形態または任意の実施形態に基づいて、本発明の実施形態によって提供される電力制御方法の別の実施形態では、基地局が端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQI値を収集するステップは、非高速下りリンクパケットアクセスHSDPA電力を基地局により収集するステップと、非HSDPA電力が予め設定されたしきい値を超える場合、端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQIを基地局により収集するステップとを含み得る。
【0059】
本発明における図3の複数の実施形態において説明された電力制御方法の理解のために、図1および図2の説明が参照され得、詳細は再びここで説明されない。
【0060】
図4を参照すると、本発明の実施形態によって提供される基地局の実施形態は、端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQI値を収集するように構成された収集ユニット301と、収集ユニット301によって収集されたCQI値にしたがって、関連づけられた専用物理チャネルA-DPCHの、CQI値に対応する送信電力レンジを決定するように構成された決定ユニット302と、決定ユニット302によって決定されたA-DPCHの送信電力レンジ内で、A-DPCHの送信電力を、A-DPCHの送信電力についての端末の要求にしたがって調節するように構成された調節ユニット303とを含む。
【0061】
本発明の本実施形態において、収集ユニット301は、端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQI値を収集し、決定ユニット302は、収集ユニット301によって収集されたCQI値にしたがって、関連づけられた専用物理チャネルA-DPCHの、CQI値に対応する送信電力レンジを決定し、調節ユニット303は、決定ユニット302によって決定されたA-DPCHの送信電力レンジ内で、A-DPCHの送信電力を、A-DPCHの送信電力についての端末の要求にしたがって調節する。A-DPCHによって占有される送信電力リソースにおける浪費が存在する従来技術と比較すると、本発明の本実施形態によって提供される基地局は、A-DPCHの送信電力についての端末の要求にしたがってA-DPCHの送信電力を調節することにより、A-DPCHが送信電力リソースを浪費することを防止し得る。
【0062】
場合により、図4に対応する実施形態に基づいて、本発明の実施形態によって提供される基地局の別の実施形態では、決定ユニット302は特に、CQI値にしたがって、およびCQI値対CQI値に対応するA-DPCHの送信電力の関係表またはシミュレーション図から、A-DPCHの、CQI値に対応する送信電力レンジを決定するように構成される。
【0063】
場合により、図4に対応する任意の実施形態に基づいて、本発明の実施形態によって提供される基地局の別の実施形態では、決定ユニット302は特に、制御データがシグナリング無線ベアラSRBにわたって端末に送信される場合、CQI値にしたがって、およびCQI値対A-DPCHによって要求されかつCQI値に対応する送信電力の関係表またはシミュレーション図から、SRBをベアリングするA-DPCHの、CQI値に対応する送信電力レンジを決定するように構成される。
【0064】
場合により、図4に対応する実施形態または任意の実施形態に基づいて、本発明の実施形態によって提供される基地局の別の実施形態では、収集ユニット301は特に、端末がサービス提供リンクと非サービス提供リンクとの間のハンドオーバーエリアにある場合、端末によって報告されたサービス提供リンクのCQI値を収集するように構成され、決定ユニット302は特に、サービス提供リンクのCQI値にしたがってサービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジを決定し、サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジを非サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジとして設定するように構成される。
【0065】
場合により、図4に対応する実施形態または任意の実施形態に基づいて、図5を参照すると、本発明の実施形態によって提供される基地局の別の実施形態では、基地局はさらに、増加ユニット304と送信ユニット305とを含み、増加ユニット304は、収集ユニット301が、端末がハードハンドオーバーエリアにあることと、制御データがシグナリング無線ベアラSRBにわたって端末に送信されることとを学習した場合、A-DPCHの送信電力を予め設定された量だけ増加させるように構成され、送信ユニット305は、増加ユニット304によって増加させられたA-DPCHの送信電力を使用することによりSRBにわたって制御データを送信するように構成される。
【0066】
場合により、図4に対応する実施形態または任意の実施形態に基づいて、本発明の実施形態によって提供される基地局の別の実施形態では、収集ユニット301は特に、非高速下りリンクパケットアクセスHSDPA電力を収集するように構成され、非HSDPA電力が予め設定されたしきい値を超える場合、端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQIを収集するように構成される。
【0067】
図6は、本発明の実施形態に係る基地局20の模式的な構造図である。基地局20は、トランシーバ210、少なくとも1つのプロセッサ230(図6には1つしか示されていないが、実際には複数のプロセッサが存在し得る)、メモリ240、バスシステム250、および基地局コントローラとの通信のための通信インターフェース220を含み得、トランシーバ210は、端末と通信するように構成され、プロセッサ230、メモリ240、およびトランシーバ210は、バスシステム250を介して互いに通信する。
【0068】
プロセッサ230およびメモリ240は、物理的に分離され得るか、または共に一体化され得る。1つのプロセッサ230が存在し得るか、または、複数のプロセッサ230が共に一体化されるか、もしくは分離される。複数のメモリ240もまた存在し得る。
【0069】
メモリ240は、読み出し専用メモリおよびランダムアクセスメモリを含み得、プロセッサ230に命令およびデータを提供し得る。メモリ240の一部はさらに、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)を含み得る。
【0070】
メモリ240は、以下の要素、実行可能なモジュール、またはデータ構造、すなわち、さまざまな動作命令を含み、さまざまな動作を実現するために使用される動作命令、および、さまざまなシステムプログラムを含み、さまざまな基本的なサービスを実現し、ハードウェアベースのタスクを処理するために使用されるオペレーティングシステム、またはそのサブセット、またはその拡張セットを記憶する。
【0071】
本発明の本実施形態において、プロセッサ230は、メモリ240によって記憶された動作命令(動作命令はオペレーティングシステムに記憶されることもできる)を呼び出すことにより、以下の動作、端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQI値を収集するステップと、CQI値にしたがって、関連づけられた専用物理チャネルA-DPCHの、CQI値に対応する送信電力レンジを決定するステップと、A-DPCHの送信電力レンジ内で、A-DPCHの送信電力を、A-DPCHの送信電力についての端末の要求にしたがって調節するステップとを実行する。
【0072】
本発明の本実施形態において、基地局20は、A-DPCHの送信電力についての端末の要求にしたがってA-DPCHの送信電力を調節することにより、A-DPCHチャネルが送信電力リソースを浪費することを防止し得る。たとえ端末によって要求される量がA-DPCHの送信電力の上限を超える場合であっても、A-DPCHの電力が上限まで調節されるのみであることにより、端末がA-DPCHの過剰な電力リソースを要求した場合にA-DPCHが送信電力リソースを浪費することを防止する。
【0073】
プロセッサ230は、基地局20の動作を制御し、プロセッサ230はまた、CPU(中央処理装置、central processing unit)と呼ばれ得る。メモリ240は、読み出し専用メモリおよびランダムアクセスメモリを含み得、プロセッサ230に命令およびデータを提供し得る。メモリ240の一部はさらに、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)を含み得る。具体的な応用例において、基地局20のすべての構成要素は、バスシステム250によって共に結合され、バスシステム250は、データバスに加えて、電力供給バス、制御バス、ステータス信号バス、等を含み得る。しかしながら、説明の明確さのために、さまざまなバスは、図においてバスシステム250として示されている。
【0074】
本発明の上記実施形態において開示された方法は、プロセッサ230に適用され得るか、またはプロセッサ230によって実現され得る。プロセッサ230は、信号処理ケイパビリティを有する集積回路チップであり得る。実現プロセスにおいて、方法のステップは、プロセッサ230におけるハードウェアの集積論理回路を使用することにより、または、ソフトウェアの形態の命令を使用することにより、実現され得る。プロセッサ230は、汎用プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは別のプログラマブル論理デバイス、離散ゲートもしくはトランジスタ論理デバイス、または離散ハードウェア構成要素であり得、それらは、本発明の実施形態において開示された方法、ステップ、または論理ブロック図を実現または実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得るか、または、プロセッサは、任意の従来のプロセッサであり得る。本発明の実施形態において開示された方法のステップは、ハードウェア復号プロセッサにより、または復号プロセッサにおけるハードウェアとソフトウェアモジュールとの組み合わせにより実行されるものとして、直接的に具体化され得る。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ、プログラマブル読み出し専用メモリ、電気的に消去可能なプログラマブルメモリ、レジスタ、または当該技術において成熟した任意の他の記憶媒体の中に存在し得る。記憶媒体は、メモリ240の中に存在し得、プロセッサ230は、メモリ240の中の情報を読み出し、上記方法のステップを実現するためにそのハードウェアを使用する。
【0075】
場合により、プロセッサ230は特に、CQI値にしたがって、およびCQI値対A-DPCHによって要求されかつCQI値に対応する送信電力の関係表またはシミュレーション図から、A-DPCHの、CQI値に対応する送信電力レンジを決定するように構成され得る。
【0076】
場合により、プロセッサ230は特に、制御データがシグナリング無線ベアラSRBにわたって端末に送信される場合、CQI値にしたがって、およびCQI値対A-DPCHによって要求されかつCQI値に対応する送信電力の関係表またはシミュレーション図から、SRBをベアリングするA-DPCHの、CQI値に対応する送信電力レンジを決定するように構成され得る。
【0077】
場合により、プロセッサ230は特に、端末がサービス提供リンクと非サービス提供リンクとの間のハンドオーバーエリアにある場合、端末によって報告されたサービス提供リンクのCQI値を収集し、サービス提供リンクのCQI値にしたがってサービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジを決定し、サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジを非サービス提供リンクのA-DPCHの送信電力レンジとして設定するように構成され得る。
【0078】
場合により、プロセッサ230はさらに、端末がハードハンドオーバーエリアにあり、制御データがシグナリング無線ベアラSRBにわたって端末に送信される場合、A-DPCHの送信電力を予め設定された量だけ増加させるように特に構成され得、トランシーバ210は、A-DPCHの増加させられた送信電力を使用することによりSRBにわたって制御データを送信するように構成される。
【0079】
場合により、プロセッサ230は特に、非高速下りリンクパケットアクセスHSDPA電力を収集し、非HSDPA電力が予め設定されたしきい値を超える場合、端末によって報告されたチャネル品質インジケータCQIを収集するように構成され得る。
【0080】
当業者は、実施形態における方法のステップの全部または一部が、関連ハードウェアに命令するプログラムにより実現され得ることを理解し得る。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスク、または光ディスクを含み得る。
【0081】
上記は、本発明の実施形態により提供される電力制御方法、基地局、およびシステムを詳細に説明している。本明細書において、具体例は、本発明の原理および実現手法を説明するために使用され、実施形態の説明は、本発明の方法および中心となる着想を理解するのに役立つように意図されているにすぎない。一方、当業者は、本発明の着想に基づいて、具体的な実現手法および応用範囲に関し修正変更を行うことができる。したがって、本明細書の内容は、本発明の限定として解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0082】
20 基地局
201 ステップ
202 ステップ
203 ステップ
210 トランシーバ
220 通信ポート
230 プロセッサ
240 メモリ
250 バスシステム
301 収集ユニット
302 決定ユニット
303 調節ユニット
304 増加ユニット
305 送信ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6