(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のURLを含む第1のデータベースと、前記URLの想定顧客が検索エンジンサイトのクエリとして使うであろう複数の検索語群を含む第2のデータベースとを記憶した記憶手段を有するコンピュータによる企業価値の評価方法であって、
前記コンピュータが、前記第2のデータベース内の複数の検索語群の各々について、当該検索語群の検索語を前記検索エンジンサイトにクエリとして送信し、前記検索エンジンサイトから各検索語をクエリとする検索の検索結果を取得し、取得した検索結果内における各URLに関わる検索語群別順位リストを生成し、生成した検索語群別順位リストを前記記憶手段内に記憶する処理を行う順位リスト生成行程と、
前記コンピュータが、前記第1のデータベース内のURLについて、前記記憶手段内の各検索語群の検索語群別順位リストを順位参照先とし、順位参照先の検索語群別順位リストにおける検索語毎の当該URLの順位を参照し、検索語毎に参照した順位に応じたクリックスルーレートに検索語毎の個別の検索ボリュームを乗算した各乗算結果を合計し、この各乗算結果の合計を該当の検索語群の検索ボリュームの合計で除算した除算結果を当該URLにおける順位参照先の検索語群別順位リストに固有のクリックシェア率とし、このクリックシェア率を当該URLの評価の指標値として提示する評価提示行程と
を有することを特徴とする評価方法。
複数のURLを含む第1のデータベースと、前記URLの想定顧客が検索エンジンサイトのクエリとして使うであろう複数の検索語群を含む第2のデータベースとを記憶した記憶手段と、
前記第2のデータベース内の複数の検索語群の各々について、当該検索語群の検索語を前記検索エンジンサイトにクエリとして送信し、前記検索エンジンサイトから各検索語をクエリとする検索の検索結果を取得し、取得した検索結果内における各URLに関わる検索語群別順位リストを生成し、生成した検索語群別順位リストを前記記憶手段内に記憶する処理を行う順位リスト生成手段と、
前記第1のデータベース内のURLについて、前記記憶手段内の各検索語群の検索語群別順位リストを順位参照先とし、順位参照先の検索語群別順位リストにおける検索語毎の当該URLの順位を参照し、検索語毎に参照した順位に応じたクリックスルーレートに検索語毎の個別の検索ボリュームを乗算した各乗算結果を合計し、この各乗算結果の合計を該当の検索語群の検索ボリュームの合計で除算した除算結果を当該URLにおける順位参照先の検索語群別順位リストに固有のクリックシェア率とし、このクリックシェア率を当該URLの評価の指標値として提示する評価提示手段と
を具備することを特徴とする評価装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態である投資判断支援サーバ10(評価装置)を含む投資判断支援システム1の全体構成を示す図である。このシステム1は、複数種類のウェブサイト広告を用いた営業活動を行っている企業Cを評価対象とし、これらの企業Cの競争力をクリックシェア率CTS
mと称する尺度を用いて定量的に評価するものである。
【0012】
図1に示すように、本システム1は、検索エンジンサイトSE
Yの運営元事業者による管理の下に稼動する検索エンジンサーバ81
Y及びキーワードアドバイスツールサーバ82
Y、証券会社の管理の下に稼働する株価情報提供サーバ83、並びに各企業Cを評価する事業者による管理の下に稼働する投資判断支援サーバ10を有する。
【0013】
検索エンジンサーバ81
Yは、検索エンジンサービスを提供する役割を果たす装置である。検索エンジンサーバ81
Yは、インターネット90に接続されているコンピュータから検索エンジンサイトSE
YのURLを宛先とするクエリ(検索語を含むリクエスト)を受信し、インターネット90内のウェブサイトWSの中からクエリに含まれる検索語との関連性が高いものを検索し、検索したウェブサイトWSのタイトル、URL(Uniform Resource Location)、スニペット(ウェブサイトの抜粋)のセットを昇順に配した検索結果Rを返信する。
【0014】
キーワードアドバイスツールサーバ82
Yは、キーワードアドバイスツールサービスを提供する役割を果たす装置である。キーワードアドバイスツールサーバ82
Yは、インターネット90に接続されているコンピュータから検索語を含むリクエストを受信し、リクエスト内の検索語の関連語群(具体的には、リクエスト内の検索語の同義語、置換可能な言葉、リクエスト内の検索語とこれに関連する別の言葉を組み合わせた複合キーワード)及び検索エンジンサイトSE
Yにおける関連語群の各検索語の検索ボリューム(1カ月当たりの当該検索語を含むクエリの総数の統計値)を含むレスポンスを返信する。
【0015】
株価情報提供サーバ83は、企業Cの株価情報を提供する役割を果たす装置である。株価情報提供サーバ83は、インターネット90に接続されたコンピュータから、企業Cの株式コードを含むリクエストを受信し、リクエスト内の株式コードが示す銘柄の株式の最新の株価Pを株価情報として返信する。
【0016】
投資判断支援サーバ10は、投資判断支援サービスを提供する役割を果たす装置である。投資判断支援サーバ10は、通信インターフェース11、CPU12、RAM13、ROM14、ハードディスク15、ディスプレイ16、マウス17、キーボード18を有する。通信インターフェース11は、インターネット90に接続された装置との間でデータを送受信する。CPU12は、RAM13をワークエリアとして利用しつつ、ROM14やハードディスク15に記憶された各種プログラムを実行する。ROM14には、IPL(Initial Program Loader)などが記憶されている。ハードディスク15には、本実施形態に特有の機能を有する評価プログラムPRとデータベースDB1、DB2、DB3が記憶されている。
【0017】
図2は、データベースDB1のデータ構造を概念的に示す図である。データベースDB1は、各々が、評価対象の各企業Cと対応する複数のレコードの集合体である。データベースDB1の各レコードは、「企業識別情報」と「ウェブサイト」の2つのフィールドを有する。「企業識別情報」のフィールドは、評価対象の企業Cの識別情報(例えば、該当の企業Cの証券コード)を示す。「ウェブサイト」のフィールドは、評価対象の企業Cが保有する複数種類のウェブサイトWS
CのURLを示す。
【0018】
図3は、データベースDB2のデータ構造を概念的に示す図である。データベースDB2は、検索語群TG
m(m=1〜M、mは検索語群を示すインデックス、Mは検索語群の総数)と対応するM個のテーブルTB
m(m=1〜M)を有する。ここで、検索語群TG
m(m=1〜M)は、企業Cの保有するウェブサイトWS
Cにおいて取り扱われる商品またはサービスの想定顧客が検索エンジンサイトSE
Yのクエリとして使うであろう検索語を同種の商品またはサービスと関連するもの毎に取り纏めたものである。
【0019】
データベースDB2における1つの検索語群TG
mと対応する1つのテーブルTB
mは、各々が、検索語群TG
mに属する複数個の検索語T
m−n(n=1〜N
m、nは検索語を示すインデックス、N
mは検索語群TG
mに属する検索語の総数)と対応する複数のレコードの集合体である。テーブルTB
mの各レコードは、「検索語」と「検索ボリューム」の2つのフィールドを有する。「検索語」のフィールドは、検索語群TG
mに属する検索語T
m−nを示す。「検索ボリューム」のフィールドは、検索エンジンサイトSE
Yにおける該当の検索語T
m−nの検索ボリュームSV
m−n(1カ月当たりの当該検索語を含むクエリの総数(検索エンジンサイトSE
Yにおける該当の検索語T
m−nを含むクエリの受付総数)の統計値)を示す。
【0020】
ここで、本実施形態では、ウェブサイトWS
Cにおける取扱商品及び取扱サービスの各々と関連するビックキーワード(たとえば、求人紹介のウェブサイトWS
Cであれば、アルバイト、バイト、パートなど)を漏れなく選定し、このビックキーワードを検索語として含むリクエストをキーワードアドバイスツールサーバ82
Yに送信し、キーワードアドバイスツールサーバ82
Yから返信されるレスポンス内の関連語群の検索語と各々の検索ボリュームをデータベースDB2に蓄積することが望ましい。
【0021】
図4は、データベースDB3のデータ構造を概念的に示す図である。データベースDB3は、各々が、検索エンジンサイトSE
Yの検索結果Rにおける上位L(Lは、2以上の整数、例えば、L=100)位の各順位i(i=1〜L)と対応する複数のレコードの集合体である。このデータベースDB3の各レコードは、「順位」と「クリックスルーレート」の2つのフィールドを有する。「順位」のフィールドは、該当の順位iを示す。「クリックスルーレート」のフィールドは、該当の順位iの予想クリックスルーレートCTR−iを示す。このデータベースDB3における予想クリックスルーレートCTR−i(i=1〜L)は、検索エンジンサイトSE
Yの運営元事業者等から統計情報として開示されている値を使うことが望ましい。
【0022】
次に、本実施形態の動作について説明する。
図5は、投資判断支援サーバ10の処理を示すフローチャートである。
図5に示す処理は、評価プログラムPRにより実現されるものである。
図5において、投資判断支援サーバ10のCPU12は、順位リスト生成処理を行う(S100)。
【0023】
順位リスト生成処理は、データベースDB2内の検索語群TG
m(m=1〜M)の検索語T
m(m=1〜M)−n(n=1〜N
m)を検索エンジンサーバ81
Yにクエリとして送信し、検索エンジンサーバ81
Yから各検索語T
m−nをクエリとする検索の検索結果R
m−nを取得し、取得した検索結果R
m−n内における各ウェブサイトWSの順位iを同じウェブサイトWSのもの毎に纏めた検索語群別順位リストLST
mを生成し、生成した各検索語群TG
mの検索語群別順位リストLST
mをハードディスク15内に記憶する処理である。
【0024】
より詳細に説明すると、順位リスト生成処理では、CPU12は、データベースDB2におけるテーブルTB
m(m=1〜M)の中のテーブルTB
1を選び、このテーブルTB
1に記憶されている検索語群TG
1をRAM13に読み出す。
図6(A)に示すように、CPU12は、RAM13内の検索語群TG
1に属する検索語T
1−n(n=1〜N
1)を含むクエリを検索エンジンサーバ81
Yに送信し、検索エンジンサーバ81
Yから検索語T
1−n毎の検索結果R
1−n(検索エンジンサイトSE
Yにおける上位L位の各順位iのウェブサイトWSのURL)を取得する。
【0025】
CPU12は、
図6(B)に示すように、検索語群TG
1に属する検索語T
1−n(n=1〜N
1)の検索結果R
1−n(n=1〜N
1)内の1つ以上の検索結果R
1−nにおいて上位L(L=100)以内に入っていたウェブサイトWSをリスト項目作成対象ウェブサイトLWSとし、検索結果R
1−n(n=1〜N
1)の各々におけるウェブサイトLWSの順位i(順位iがL(L=100)位より下位の場合は999位)を同じウェブサイトLWSのURLの順位i毎に纏めたものを検索語群TG
1の検索語群別順位リストLST
1とし、この検索語群別順位リストLST
1をハードディスク15に記憶する。
【0026】
CPU12は、検索語群TG
2、検索語群TG
3…、検索語群TG
Mについて同様の処理を繰り返し、これにより得られた検索語群別順位リストLST
2、LST
3、…LST
Mをハードディスク15に記憶する。
【0027】
図5において、CPU12は、クリックシェア算出処理を行う(S110)。クリックシェア算出処理は、ハードディスク15内の各検索語群TG
mの検索語群別順位リストLST
mを順位参照先とし、順位参照先の検索語群別順位リストLST
mにおける検索語T
m−n毎のウェブサイトWS
Cの順位iを参照し、検索語T
m−n毎の参照順位iに応じたクリックスルーレートCTR−iに検索語T
m−n毎の個別の検索ボリュームSV
m−nを乗算した各乗算結果を合計し、クリックスルーレートCTR−iと検索ボリュームSV
m−nの各乗算結果の合計を該当の検索語群TG
mの検索ボリュームSV
m−nの合計で除算した除算結果をウェブサイトWS
Cにおける順位参照先の検索語群別順位リストLST
mに固有のクリックシェア率CTS
mとする処理である。
【0028】
より具体的に説明すると、クリックシェア算出処理では、CPU12は、データベースDB1内における評価対象の企業Cが保有する複数個のウェブサイトWS
C(例えば、3個のウェブサイトWS
CA、WS
CB、WS
CCとする)のURLをRAM13に読み出す。
【0029】
CPU12は、
図7に示すように、検索語群TG
m(m=1〜M)の検索語群別順位リストLST
m(m=1〜M)の中から1つ以上の検索結果R
m−nにおける評価対象企業CのウェブサイトWS
CAの順位iがL(L=100)位より上位になっているもの(例えば、検索語群別順位リストLST
1、LST
2、LST
3とする)を選び、これらの検索語群別順位リストLST
1、LST
2、LST
3をウェブサイトWS
CAの順位参照先とする。
【0030】
また、検索語群TG
m(m=1〜M)の検索語群別順位リストLST
m(m=1〜M)の中から1つ以上の検索語T
m−nの検索結果R
m−nにおける評価対象企業CのウェブサイトWS
CBの順位iがL(L=100)位より上位になっているもの(例えば、検索語群別順位リストLST
4、LST
5、LST
6とする)を選び、これらの検索語群別順位リストLST
4、LST
5、LST
6をウェブサイトWS
CBの順位参照先とする。
【0031】
また、検索語群TG
m(m=1〜M)の検索語群別順位リストLST
m(m=1〜M)の中から1つ以上の検索語T
m−nの検索結果R
m−nにおける評価対象企業CのウェブサイトWS
CCの順位iがL(L=100)位より上位になっているもの(例えば、検索語群別順位リストLST
7、LST
8、LST
9とする)を選び、これらの検索語群別順位リストLST
7、LST
8、LST
9をウェブサイトWS
CCの順位参照先とする。
【0032】
図8に示すように、CPU12は、ウェブサイトWS
CAの順位参照先の検索語群別順位リストLST
1、LST
2、LST
3のうち一つ(
図8の例では、検索語群別順位リストLST
1)を選択し、この検索語群別順位リストLST
1の1番目の検索語T
1−1(
図8の例では、「バイト」)の検索結果R
1−1におけるウェブサイトWS
CAの順位i(
図8の例では、i=1位)がL(L=100)位より上位であるか否かを判定する。そして、順位iがL(L=100)位より上位である場合は、データベースDB3内における該当の順位iと対応するクリックスルーレートCTR−iをデータベースDB3から読み出すともに、データベースDB2の該当のテーブルTB
1内における1番目の検索語T
1−1と対応する検索ボリュームSV
1−1を読み出し、読み出したクリックスルーレートCTR−iと検索ボリュームSV
1−1を乗算し、この乗算結果を1番目の検索語T
1−1の検索結果R
1−1からウェブサイトWS
CAへの予想クリック数IN
1−1とする。
【0033】
CPU12は、検索語群別順位リストLST
1の2番目の検索語T
1−2、3番目の検索語T
1−3、…N
1番目の検索語T
1−N
1について同様の処理を繰り返し、検索語群別順位リストLST
1の2番目の検索語T
1−2の検索結果R
1−2からウェブサイトWS
CAへの予想クリック数IN
1−2、3番目の検索語T
1−3の検索結果R
1−3からウェブサイトWS
CAへの予想クリック数IN
1−3…N
1番目の検索語T
1−N
1の検索結果R
1−N
1からウェブサイトWS
CAへの予想クリック数IN
1−N
1を算出する。
【0034】
その上で、
図9に示すように、検索語群別順位リストLST
1内の検索語T
1−n(n=1〜N
1)の検索結果R
1−n(n=1〜N
1)からウェブサイトWS
CAへの予想クリック数IN
1−n(n=1〜N
1)の合計GINを検索語群TG
mに属する全検索語T
1−n(n=1〜N
1)の検索ボリュームSV
m−n(n=1〜N
1)の合計GSVで除算し、この除算結果GIN/GSVをウェブサイトWS
CAにおける検索語群別順位リストLST
1に固有のクリックシェア率CTS
1とする。
【0035】
CPU12は、ウェブサイトWS
CAの順位参照先の残り2つの検索語群別順位リストLST
2、LST
3、ウェブサイトWS
CBの順位参照先の各検索語群別順位リストLST
4、LST
5、LST
6、ウェブサイトWS
CCの順位参照先の各検索語群別順位リストLST
7、LST
8、LST
9について同様の処理を繰り返し、ウェブサイトWS
CAにおける検索語群別順位リストLST
1に固有のクリックシェア率CTS
1、ウェブサイトWS
CAにおける検索語群別順位リストLST
2に固有のクリックシェア率CTS
2、ウェブサイトWS
CAにおける検索語群別順位リストLST
3に固有のクリックシェア率CTS
3、ウェブサイトWS
CBにおける検索語群別順位リストLST
4に固有のクリックシェア率CTS
4、ウェブサイトWS
CBにおける検索語群別順位リストLST
5に固有のクリックシェア率CTS
5、ウェブサイトWS
CBにおける検索語群別順位リストLST
6に固有のクリックシェア率CTS
6、ウェブサイトWS
CCにおける検索語群別順位リストLST
7に固有のクリックシェア率CTS
7、ウェブサイトWS
CCにおける検索語群別順位リストLST
8に固有のクリックシェア率CTS
8、ウェブサイトWS
CCにおける検索語群別順位リストLST
9に固有のクリックシェア率CTS
9を求める。
【0036】
図5において、CPU12は、企業Cの最新の評価結果の提示を指示する操作が行われた場合、評価提示処理を行う(S120)。評価提示処理は、評価対象の企業が保有する複数のウェブサイトWSのURLの各々について検索語群別順位リストLST
m毎に算出したクリックシェア率CTS
mを重み付け加算した値を当該企業Cの投資判断の指標値Vとし、この指標値Vと評価対象の企業Cの株価Pとの関係を提示する処理である。
【0037】
より詳細に説明すると、
図10に示すように、評価提示処理では、CPU12は、クリックシェア算出処理において企業Cの保有するウェブサイトWS
Cと検索語群別順位リストLST
mの組み合わせ毎に生成した複数のクリックシェア率CTS
m(
図10の例では、クリックシェア率CTS
1、CTS
2、CTS
3、CTS
4、CTS
5、CTS
6、CTS
7、CTS
8、CTS
9)に、各々の算出時に参照した検索語群別順位リストLST
m内の全検索語T
m−n(n=1〜N
m)の検索ボリュームSV
m−n(n=1〜N
m)の合計に応じた大きさの係数K
m(
図10の例では、係数K
1、K
2、K
3、K
4、K
5、K
6、K
7、K
8、K
9)を各々乗算する。その上で、CPU12は、クリックシェア率CTS
mと係数K
mの各乗算結果を合計し、この合計を企業Cについての投資判断の指標値Vとする。
【0038】
次に、CPU12は、企業Cの株価Pを株価情報提供サーバ83に問い合わせ、株価情報提供サーバ83から企業Cの最新の株価Pを取得する。CPU12は、本日よりも前の所定期間T
C(例えば、T
C=6か月)の間の企業Cの株価Pを遷移を示すチャートCHRPと本日よりも前の期間T
Cの間の企業Cの指標値Vの遷移を示すチャートCHRVを、株価Pと指標値Vとの関係を示す情報としてディスプレイ16に表示させる。また、CPU12は、最新の株価Pと最新の指標値Vを以下の関係式(1)に代入して得られる値X(株価Pと指標値Vの比)が閾値Thを下回ったか否かを判定し、値Xが閾値Thを下回った場合はチャートCHRVの近傍にアラーメッセージを表示する。
X=V/P…(1)
【0039】
以上が、本実施形態の構成の詳細である。本実施形態によると、次の効果が得られる。
第1に、本実施形態では、投資判断支援サーバ10は、評価対象の企業Cが保有する複数のウェブサイトWS
Cの各々について、ハードディスク15内の各検索語群TG
mの検索語群別順位リストLST
mを順位参照先とし、順位参照先の検索語群別順位リストLST
mにおける検索語T
m−n毎の当該ウェブサイトWS
Cの順位iを参照し、検索語T
m−n毎に参照した順位iに応じたクリックスルーレートCTR−iに検索語T
m−n毎の個別の検索ボリュームSV
m−nを乗算した各乗算結果IN
m−n(予想クリック数)を合計し、各乗算結果IN
m−n(予想クリック数)の合計GINを検索語T
m−n毎の個別の検索ボリュームSV
m−nの合計GSVで除算した除算結果をウェブサイトWS
Cにおける順位参照先の検索語群別順位リストLST
mに固有のクリックシェア率CTS
mとし、企業Cが保有する複数のウェブサイトWS
Cについて個別に求めたクリックシェア率CTS
mを重み付け加算した値を企業Cの評価値Vとする。このようにして得られる企業Cの評価値Vは、その企業Cにおける該当の商品やサービスの市場シェアとの間に強い正の相関をもった値となる。よって、本実施形態によると、利用者は、評価対象の企業Cが収益の多くをウェブサイトに依存している場合において、その企業Cの現在の株価が本来の競争力に見合ったものであるかを正確に判断することができる。
【0040】
第2に、本実施形態では、投資判断支援サーバ10は、クリックシェア算出処理において企業Cの保有するウェブサイトWS
Cと検索語群別順位リストLST
mの組み合わせ毎に生成した複数のクリックシェア率CTS
mに、各々の算出時に参照した検索語群別順位リストLST
m内の全検索語T
m−n(n=1〜N
m)の検索ボリュームSV
m−n(n=1〜N
m)の合計に応じた大きさの係数K
mを乗算し、クリックシェア率CTS
mと係数K
mの各乗算結果の合計を指標値Vとする。よって、本実施形態によると、各企業Cの収益力をより客観的に評価することができる。
【0041】
第3に、本実施形態では、投資判断支援サーバ10は、株価情報提供サーバ83から評価対象の企業Cの最新の株価Pを取得し、評価対象の企業Cの指標値Vと最新の株価Pの比V/Pが閾値Thを下回った場合にディスプレイ16の画面上にアラートメッセージを表示する。よって、本実施形態によると、利用者は、株式市場における企業Cの評価が本来の競争力に比べて過大になったことをそれが株価Pに現れる前に知ることができる。
【0042】
<第2実施形態>
図11は、本発明の第2実施形態である投資判断支援システム1Aの全体構成を示す図である。このシステム1Aは、検索エンジンサイトSE
Yと別の検索エンジンサイトSE
Zの運営元事業者による管理の下に稼動する検索エンジンサーバ81
Z及びキーワードアドバイスツールサーバ82
Zを有している。
【0043】
検索エンジンサーバ81
Zは、インターネット90に接続されているコンピュータから検索エンジンサイトSE
ZのURLを宛先とするクエリ(検索語を含むリクエスト)を受信し、インターネット90内のウェブサイトWSの中からクエリに含まれる検索語との関連性が高いものを検索し、検索したウェブサイトWSのタイトル、URL、スニペットのセットを昇順に配した検索結果Rを返信する。
【0044】
キーワードアドバイスツールサーバ82
Zは、インターネット90に接続されているコンピュータから検索語を含むリクエストを受信し、リクエスト内の検索語の関連語群及び検索エンジンサイトSE
Zにおける関連語群の各検索語の検索ボリュームを含むレスポンスを返信する。
【0045】
本実施形態では、投資判断支援サーバ10は、複数の検索エンジンサイトSE
Y及び検索エンジンサイトSE
Zの検索結果における企業Cの競争力を評価する。より詳細に説明すると、
図12に示すように、投資判断支援サーバ10のCPU12は、検索エンジンサイトSE
Yにおける検索語T
m−nをクエリとする検索の検索結果R
m−nを検索エンジンサーバ81
Yから取得し、検索エンジンサイトSE
Zにおける検索語T
m−nをクエリとする検索の検索結果R
m−nを検索エンジンサーバ81
Zから取得し、これらの検索結果における各ウェブサイトWS
Cの順位iを同じウェブサイトWS
Cのもの毎に纏めたものを検索語群別順位リストLST
mとする。そして、投資判断支援サーバ10のCPU12は、検索語群別順位リストLST
m内における検索エンジンSE
Yの検索結果R
m−nに基づいて検索語群TG
mの検索語T
1−n毎の予想クリック数IN
m−nを算出し、検索語群別順位リストLST
m内における検索エンジンSE
Zの検索結果R
m−nに基づいて検索語群TG
mの検索語T
m−n毎の予想クリック数IN
m−nを算出する。そして、検索エンジンSE
Yについて算出した予想クリック数IN
m−n(n=1〜N
m)の合計と検索エンジンSE
Zについて算出した予想クリック数IN
m−n(n=1〜N
m)の合計の和GIN’を求める。また、検索エンジンSE
Yにおける該当の検索語群TG
mの検索ボリュームSV
m−n(n=1〜N
m)の合計と検索エンジンSE
Zにおける該当の検索語群TG
mの検索ボリュームSV
m−n(n=1〜N
m)の合計の和GSV’を求め、GIN’/GSV’をクリックシェア率CTS
mとする。
【0046】
本実施形態では、複数種類の検索エンジンサイトSE
Yと検索エンジンサイトSE
Zの検索結果を利用してクリックシェア率CTS
mの算出を行う。よって、企業Cに関わるより客観性の高い評価を行うことができる。
【0047】
<他の実施形態>
以上、本発明の第1及び第2実施形態について説明したが、かかる実施形態に以下の変形を加えてもよい。
(1)上記第1及び第2実施形態のクリックシェア算出処理では、CPU12は、各ウェブサイトWSのクリックシェア率CTS
mの合計に該当の検索語群TG
m(m=1〜M)の各検索語T
m−nの検索ボリュームSV
m−nの合計に応じた大きさの重み付け係数K
mを各々乗算し、クリックシェア率CTS
mと重み付け係数Kの各乗算結果を加算した値を指標値Vとした。しかし、各ウェブサイトWSのクリックシェア率CTS
mをそのまま加算したものを評価値Vとしてもよい。
【0048】
(2)上記第1及び第2実施形態は、本発明を複数種類のウェブサイトWS
Cを有する企業Cの評価に適用したものであった。しかし、本発明を一つのウェブサイトWS
Cの評価に適用してもよい。この実施形態では、評価対象のウェブサイトWS
Cについて、上述したクリックシェア算出処理を行い、この処理により得られた当該ウェブサイトWS
Cのクリックシェア率CTS
mをウェブサイトWS
Cの評価値として提示する。この実施形態によると、利用者は、売上の多くをウェブサイトWS
C上のサービスに依存している企業Cの収益に関わる確度の高い予測を立てることができる。
【0049】
(3)上記第1及び第2実施形態の評価提示処理では、CPU12は、最新の株価Pと最新の指標値Vを前掲の関係式(1)に代入して得られる値Xが閾値Thを下回った場合にアラートメッセージを表示させた。しかし、この関係式は、株価Pと指標値Vの比を示すものである必要はない。たとえば、株価Pと指標値Vの差を算出するための算出式を準備し、この算出式により求めた差が閾値Thを上回ったときにアラートメッセージを表示させてもよい。
【0050】
(4)上記第1及び第2実施形態の評価提示処理では、CPU12は、最新の株価Pと最新の指標値Vの関係を提示した。しかし、評価対象の企業Cの時価総額、株価収益率(PER)、純資産倍率などの財務指標値を株価Pの代わりに取得し、最新の財務指標値と最新の指標値Vとの関係を提示するようにしてもよい。
【0051】
(5)上記第1及び第2実施形態において、投資判断支援サーバ10の運営元事業者と検索エンジンサイトSE
Y(またはSE
Z)の運営元事業者が同じであるか、投資判断支援サーバ10の運営元事業者が検索語群TG
m(m=1〜M)の検索語T
m(m=1〜M)−n(n=1〜N
m)の検索結果における企業CのウェブサイトWSの実際のクリック数Num
m(m=1〜M)−n(n=1〜N
m)(より具体的には、検索語群TG
m(m=1〜M)に属する検索語T
m(m=1〜M)−n(n=1〜N
m)の各々をクエリとする検索結果からウェブサイトWScにアクセスした数)を示す実クリック数情報を入手できる場合は、投資判断支援サーバ10は、検索語群別順位リストLST
mを生成せずに、この実クリック数情報からクリックシェア率CTS
mを算出するようにしてもよい。この実施形態では、投資判断支援サーバ10は、企業Cが保有するウェブサイトWScの想定顧客が検索エンジンサイトSE
Y(またはSE
Z)のクエリとして使うであろう検索語群TG
mについて、当該検索語群TG
mに属する検索語T
m−nの検索エンジンサイトSE
Y(またはSE
Z)の検索結果におけるウェブサイトWScのクリック数Num
m−n(n=1〜N
m)を合計し、当該検索語群TG
mのクリック数Num
m−n(n=1〜N
m)の合計で、当該検索語群TG
mの検索ボリュームSV
m−n(n=1〜N
m)の合計を除算した除算結果をクリックシェア率CTS
mとし、このクリックシェア率CTS
mをウェブサイトWScの評価の指標値として提示するようにしてもよい。
【0052】
このほか、本発明には、以下の態様も含まれる。
(6)評価対象の企業が保有する複数のウェブサイトのURLを含む第1のデータベースと、前記ウェブサイトの想定顧客が検索エンジンサイトのクエリとして使うであろう複数の検索語群を含む第2のデータベースとを記憶した記憶手段を有するコンピュータによる企業価値の評価方法であって、前記コンピュータが、前記第2のデータベース内の複数の検索語群の各々について、当該検索語群の各検索語を前記検索エンジンサイトにクエリとして送信し、前記検索エンジンサイトから各検索語をクエリとする検索の検索結果を取得し、取得した検索結果内における各ウェブサイトの順位を同じウェブサイトのもの毎に纏めた検索語群別順位リストを生成し、生成した各検索語群の検索語群別順位リストを前記記憶手段内に記憶する処理を行う順位リスト生成行程と、前記コンピュータが、前記第1のデータベース内の複数のウェブサイトのURLの各々について、前記記憶手段内の各検索語群の検索語群別順位リストを順位参照先とし、順位参照先の検索語群別順位リストにおける検索語毎の当該ウェブサイトの順位を参照し、検索語毎に参照した順位に応じたクリックスルーレートに検索語毎の個別の検索ボリュームを乗算した各乗算結果を合計し、前記各乗算結果の合計を該当の検索語群の検索ボリュームの合計で除算した除算結果を当該ウェブサイトにおける順位参照先の検索語群別順位リストに固有のクリックシェア率とする処理を行うクリックシェア算出行程と、前記コンピュータが、前記第1のデータベース内の複数のウェブサイトのURLの各々について検索語群別順位リスト毎に算出したクリックシェア率を加算または重み付け加算した値を投資判断の指標値とし、この指標値と前記企業の株価または財務指標値との関係を提示する処理を行う評価提示行程とを有することを特徴とする評価方法。この評価方法により得られる企業の指標値は、その企業における該当の商品やサービスの市場シェアとの間に極めて強い正の相関をもった値となる。よって、本発明によると、利用者は、評価対象の企業が収益の多くをウェブサイトに依存している場合において、その企業の現在の株価が本来の競争力に見合ったものであるかを正確に判断することができる。
【0053】
(7)前記評価提示行程では、前記コンピュータは、前記複数のウェブサイトのURLの各々について、ウェブサイトと検索語群別順位リストの組み合わせ毎に生成した複数のクリックシェア率に、各々の算出時に参照した検索語群別順位リスト内の全検索語の検索ボリュームの合計に応じた大きさの係数を乗算し、クリックシェア率と重み付け係数の各乗算結果を合計した値を前記指標値とすることを特徴とする(6)に記載の評価方法。
【0054】
(8)前記評価提示行程では、前記コンピュータが、前記企業の株価を株価情報提供サーバに問い合わせ、前記株価情報提供サーバから前記企業の株価を取得し、この株価と前記指標値を所定の関係式に代入して得られる値が閾値を上回った場合または下回った場合にアラートメッセージを出力することを特徴とする(7)に記載の評価方法。
【0055】
(9)評価対象の企業が保有する複数のウェブサイトのURLを含む第1のデータベースと、前記ウェブサイトの想定顧客が検索エンジンサイトのクエリとして使うであろう複数の検索語群を含む第2のデータベースとを記憶した記憶手段と、前記第2のデータベース内の複数の検索語群の各々について、当該検索語群の各検索語を前記検索エンジンサイトにクエリとして送信し、前記検索エンジンサイトから各検索語をクエリとする検索の検索結果を取得し、取得した検索結果内における各ウェブサイトの順位を同じウェブサイトのもの毎に纏めた検索語群別順位リストを生成し、生成した各検索語群の検索語群別順位リストを前記記憶手段内に記憶する処理を行う順位リスト生成手段と、前記第1のデータベース内の複数のウェブサイトのURLの各々について、前記記憶手段内の各検索語群の検索語群別順位リストを順位参照先とし、順位参照先の検索語群別順位リストにおける検索語毎の当該ウェブサイトの順位を参照し、検索語毎に参照した順位に応じたクリックスルーレートに検索語毎の個別の検索ボリュームを乗算した各乗算結果を合計し、前記各乗算結果の合計を該当の検索語群の検索ボリュームの合計で除算した除算結果を当該ウェブサイトにおける順位参照先の検索語群別順位リストに固有のクリックシェア率とする処理を行うクリックシェア算出手段と、前記第1のデータベース内の複数のウェブサイトのURLの各々について検索語群別順位リスト毎に算出したクリックシェア率を加算または重み付け加算した値を投資判断の指標値とし、この指標値と前記企業の株価または財務指標値との関係を提示する処理を行う評価提示手段とを具備することを特徴とする評価装置。
【0056】
(10)コンピュータに、評価対象の企業が保有する複数のウェブサイトのURLを含む第1のデータベースと、前記ウェブサイトの想定顧客が検索エンジンサイトのクエリとして使うであろう複数の検索語群を含む第2のデータベースとを記憶した記憶手段と、前記第2のデータベース内の複数の検索語群の各々について、当該検索語群の各検索語を前記検索エンジンサイトにクエリとして送信し、前記検索エンジンサイトから各検索語をクエリとする検索の検索結果を取得し、取得した検索結果内における各ウェブサイトの順位を同じウェブサイトのもの毎に纏めた検索語群別順位リストを生成し、生成した各検索語群の検索語群別順位リストを前記記憶手段内に記憶する処理を行う順位リスト生成手段と、 前記第1のデータベース内の複数のウェブサイトのURLの各々について、前記記憶手段内の各検索語群の検索語群別順位リストを順位参照先とし、順位参照先の検索語群別順位リストにおける検索語毎の当該ウェブサイトの順位を参照し、検索語毎に参照した順位に応じたクリックスルーレートに検索語毎の個別の検索ボリュームを乗算した各乗算結果を合計し、前記各乗算結果の合計を該当の検索語群の検索ボリュームの合計で除算した除算結果を当該ウェブサイトにおける順位参照先の検索語群別順位リストに固有のクリックシェア率とする処理を行うクリックシェア算出手段と、前記第1のデータベース内の複数のウェブサイトのURLの各々について検索語群別順位リスト毎に算出したクリックシェア率を加算または重み付け加算した値を投資判断の指標値とし、この指標値と前記企業の株価または財務指標値との関係を提示する処理を行う評価提示手段とを実現させるプログラム。