特許第6164589号(P6164589)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6164589
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】評価方法、評価装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20170710BHJP
【FI】
   G06F17/30 220Z
   G06F17/30 340B
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-180947(P2014-180947)
(22)【出願日】2014年9月5日
(62)【分割の表示】特願2013-116546(P2013-116546)の分割
【原出願日】2013年6月2日
(65)【公開番号】特開2015-5304(P2015-5304A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2016年5月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】513084229
【氏名又は名称】データ・サイエンティスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140143
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 恭
(74)【代理人】
【識別番号】100117455
【弁理士】
【氏名又は名称】千ヶ崎 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】沖山 陽太郎
(72)【発明者】
【氏名】榊原 直也
【審査官】 樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−281385(JP,A)
【文献】 特開2004−348170(JP,A)
【文献】 特開2007−241947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、評価対象の企業に属する一または複数のURLの想定顧客が検索エンジンサイトのクエリとして使うであろう検索語群について、当該検索語群に属する検索語毎の前記検索エンジンサイトの検索結果における前記URLのクリック数を合計し、当該検索語群のクリック数の合計を当該検索語群の検索ボリュームの合計で除算した除算結果をクリックシェア率とし、このクリックシェア率と前記企業の株価または財務指標値との関係の計算結果に基づいて、前記企業の評価を行う行程を有する評価方法。
【請求項2】
複数のURLを含む第1のデータベースと、前記URLの想定顧客が検索エンジンサイトのクエリとして使うであろう複数の検索語群を含む第2のデータベースとを記憶した記憶手段を有するコンピュータによる企業価値の評価方法であって、
前記コンピュータが、前記第2のデータベース内の複数の検索語群の各々について、当該検索語群の検索語を前記検索エンジンサイトにクエリとして送信し、前記検索エンジンサイトから各検索語をクエリとする検索の検索結果を取得し、取得した検索結果内における各URLに関わる検索語群別順位リストを生成し、生成した検索語群別順位リストを前記記憶手段内に記憶する処理を行う順位リスト生成行程と、
前記コンピュータが、前記第1のデータベース内のURLについて、前記記憶手段内の各検索語群の検索語群別順位リストを順位参照先とし、順位参照先の検索語群別順位リストにおける検索語毎の当該URLの順位を参照し、検索語毎に参照した順位に応じたクリックスルーレートに検索語毎の個別の検索ボリュームを乗算した各乗算結果を合計し、この各乗算結果の合計を該当の検索語群の検索ボリュームの合計で除算した除算結果を当該URLにおける順位参照先の検索語群別順位リストに固有のクリックシェア率とし、このクリックシェア率を当該URLの評価の指標値として提示する評価提示行程と
を有することを特徴とする評価方法。
【請求項3】
複数のURLを含む第1のデータベースと、前記URLの想定顧客が検索エンジンサイトのクエリとして使うであろう複数の検索語群を含む第2のデータベースとを記憶した記憶手段と、
前記第2のデータベース内の複数の検索語群の各々について、当該検索語群の検索語を前記検索エンジンサイトにクエリとして送信し、前記検索エンジンサイトから各検索語をクエリとする検索の検索結果を取得し、取得した検索結果内における各URLに関わる検索語群別順位リストを生成し、生成した検索語群別順位リストを前記記憶手段内に記憶する処理を行う順位リスト生成手段と、
前記第1のデータベース内のURLについて、前記記憶手段内の各検索語群の検索語群別順位リストを順位参照先とし、順位参照先の検索語群別順位リストにおける検索語毎の当該URLの順位を参照し、検索語毎に参照した順位に応じたクリックスルーレートに検索語毎の個別の検索ボリュームを乗算した各乗算結果を合計し、この各乗算結果の合計を該当の検索語群の検索ボリュームの合計で除算した除算結果を当該URLにおける順位参照先の検索語群別順位リストに固有のクリックシェア率とし、このクリックシェア率を当該URLの評価の指標値として提示する評価提示手段と
を具備することを特徴とする評価装置。
【請求項4】
コンピュータに、
複数のURLを含む第1のデータベースと、前記URLの想定顧客が検索エンジンサイトのクエリとして使うであろう複数の検索語群を含む第2のデータベースとを記憶した記憶手段と、
前記第2のデータベース内の複数の検索語群の各々について、当該検索語群の検索語を前記検索エンジンサイトにクエリとして送信し、前記検索エンジンサイトから各検索語をクエリとする検索の検索結果を取得し、取得した検索結果内における各URLに関わる検索語群別順位リストを生成し、生成した検索語群別順位リストを前記記憶手段内に記憶する処理を行う順位リスト生成手段と、
前記第1のデータベース内のURLについて、前記記憶手段内の各検索語群の検索語群別順位リストを順位参照先とし、順位参照先の検索語群別順位リストにおける検索語毎の当該URLの順位を参照し、検索語毎に参照した順位に応じたクリックスルーレートに検索語毎の個別の検索ボリュームを乗算した各乗算結果を合計し、この各乗算結果の合計を該当の検索語群の検索ボリュームの合計で除算した除算結果を当該URLにおける順位参照先の検索語群別順位リストに固有のクリックシェア率とし、このクリックシェア率を当該URLの評価の指標値として提示する評価提示手段と
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、企業の価値を評価する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
財務諸表からは推し量ることが困難な企業の価値を評価する技術が各種提案されている。例えば、特許文献1には、各企業の財務諸表データを基に各々の「知」の潜在力を定量化して提示する技術の開示がある。この文献1に開示されたサーバは、企業毎の技術革新力、顧客・取引先との関係性、従業員の生産性、設備の活用力、知的活動によりもたらされる将来収益期待、及び市場視点を予め分類された業種毎に平均値と標準偏差で標準化した標準化データを算出する。そして、この標準化データを一括して分散共分散行列に基づく主成分分析処理を行い、企業毎の各因子に重み付けを乗じて加算した数値を知の潜在力として提示する。この技術により提示される数値は、企業が知の潜在力を全て使用したときに生み出される企業価値に関する信頼度の高い指標となる。したがって、利用者は、この数値を株式市場での時価総額と照らし合せることにより、現在の株価が割安か割高かに関する客観的な判断を下すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−348270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、企業の中には、売上の多くをウェブサイトに依存しているものがある。この種の企業では、各種検索エンジンサイトから如何に多くの閲覧者を自社サイトに導けるかが収益を左右する。このため、この種の企業における検索エンジンサイトの検索結果に占める表示順位の競争力を上手く定量化することができれば、この種の企業の収益に関わる確度の高い予測を立てることができるはずであるが、このような仕組みは未だ実用化されていない。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、検索エンジンサイトの検索結果の表示順位に関わる各企業の競争力を測る信頼性の高い指標を得るための技術的手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の好適な態様である評価方法は、コンピュータが、評価対象の企業に属する一または複数のURLの想定顧客が検索エンジンサイトのクエリとして使うであろう検索語群について、当該検索語群に属する検索語毎の前記検索エンジンサイトの検索結果における前記URLのクリック数を合計し、当該検索語群のクリック数の合計を当該検索語群の検索ボリュームの合計で除算した除算結果をクリックシェア率とし、このクリックシェア率と前記企業の株価または財務指標値との関係の計算結果に基づいて、前記企業の評価を行う行程を有する評価方法を提供する。
【0007】
この評価方法では、検索語群の検索語毎の検索エンジンサイトの検索結果におけるURLのクリック数を合計し、当該検索語群のクリック数の合計を当該検索語群の検索ボリュームの合計で除算した除算結果をクリックシェア率とし、このクリックシェア率を当該URLの評価の指標値として提示する。ここで、インターネットの利用者は、ネット上のサイトを通じて商品やサービスを購入する場合は、検索エンジンにアクセスして関連語を検索キーとする検索をかけ、検索結果として提示される各社のサイトの中から自らの嗜好にもっともマッチしたサイトを探す、という手順を踏んで商品やサービスの購入申込を行うケースが極めて多い。このような事情を鑑みると、インターネットにおいて売買されることが多い商品やサービスについていえば、検索エンジンにおける該当の商品やサービスの関連語の検索ボリュームはそれら自体の市場規模と同視して差支えない。本発明におけるクリックシェア率は、検索語と関連する商品やサービスの市場規模そのものと同視し得る値である検索ボリュームを分母とし、各URLのクリック数の合計値(推定流入量)を分子とする計算により求まる値である。よって、本発明により求まるURLのクリックシェア率は、それを保有する企業における該当の商品やサービスの市場シェアとの間に極めて強い正の相関をもった値となる。よって、この評価方法によると、利用者は、売上の多くをウェブサイト上のサービスに依存している企業の収益に関わる確度の高い予測を立てることができる。
【0008】
本発明の別の好適な態様である評価方法は、複数のURLを含む第1のデータベースと、前記URLの想定顧客が検索エンジンサイトのクエリとして使うであろう複数の検索語群を含む第2のデータベースとを記憶した記憶手段を有するコンピュータによる企業価値の評価方法であって、前記コンピュータが、前記第2のデータベース内の複数の検索語群の各々について、当該検索語群の検索語を前記検索エンジンサイトにクエリとして送信し、前記検索エンジンサイトから各検索語をクエリとする検索の検索結果を取得し、取得した検索結果内における各URLに関わる検索語群別順位リストを生成し、生成した検索語群別順位リストを前記記憶手段内に記憶する処理を行う順位リスト生成行程と、前記コンピュータが、前記第1のデータベース内のURLについて、前記記憶手段内の各検索語群の検索語群別順位リストを順位参照先とし、順位参照先の検索語群別順位リストにおける検索語毎の当該URLの順位を参照し、検索語毎に参照した順位に応じたクリックスルーレートに検索語毎の個別の検索ボリュームを乗算した各乗算結果を合計し、この各乗算結果の合計を該当の検索語群の検索ボリュームの合計で除算した除算結果を当該URLにおける順位参照先の検索語群別順位リストに固有のクリックシェア率とし、このクリックシェア率を当該URLの評価の指標値として提示する評価提示行程とを有することを特徴とする評価方法を提供する。
【0009】
この評価方法では、コンピュータは、順位参照先の検索語群別順位リストにおける検索語毎の当該URLの順位を参照し、検索語毎に参照した順位に応じたクリックスルーレートに検索語毎の個別の検索ボリュームを乗算した各乗算結果を合計し、この各乗算結果の合計を該当の検索語群の検索ボリュームの合計で除算した除算結果を当該URLにおける順位参照先の検索語群別順位リストに固有のクリックシェア率とし、このクリックシェア率を当該URLの評価の指標値として提示する。この評価方法により得られるURLのクリックシェア率は、それを保有する企業における該当の商品やサービスの市場シェアとの間に極めて強い正の相関をもった値となる。よって、この評価方法によると、利用者は、売上の多くをURL上のサービスに依存している企業の収益に関わる確度の高い予測を立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態である投資判断支援サーバを含む投資判断支援システムの全体構成を示す図である。
図2】同サーバのハードディスク内のデータベースDB1のデータ構造図である。
図3】同サーバのハードディスク内のデータベースDB2のデータ構造図である。
図4】同サーバのハードディスク内のデータベースDB3のデータ構造図である。
図5】同サーバの動作を示すフローチャートである。
図6】同サーバにおけるリスト生成処理の手順を示す図である。
図7】同サーバにおけるリスト生成処理の手順を示す図である。
図8】同サーバにおけるクリックシェア算出処理の手順を示す図である。
図9】同サーバにおけるクリックシェア算出処理の手順を示す図である。
図10】同サーバにおける評価提示処理の手順を示す図である。
図11】本発明の第2実施形態である投資判断支援サーバを含む投資判断支援システムの全体構成を示す図である。
図12】同サーバにおけるリスト生成処理の手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態である投資判断支援サーバ10(評価装置)を含む投資判断支援システム1の全体構成を示す図である。このシステム1は、複数種類のウェブサイト広告を用いた営業活動を行っている企業Cを評価対象とし、これらの企業Cの競争力をクリックシェア率CTSと称する尺度を用いて定量的に評価するものである。
【0012】
図1に示すように、本システム1は、検索エンジンサイトSEの運営元事業者による管理の下に稼動する検索エンジンサーバ81及びキーワードアドバイスツールサーバ82、証券会社の管理の下に稼働する株価情報提供サーバ83、並びに各企業Cを評価する事業者による管理の下に稼働する投資判断支援サーバ10を有する。
【0013】
検索エンジンサーバ81は、検索エンジンサービスを提供する役割を果たす装置である。検索エンジンサーバ81は、インターネット90に接続されているコンピュータから検索エンジンサイトSEのURLを宛先とするクエリ(検索語を含むリクエスト)を受信し、インターネット90内のウェブサイトWSの中からクエリに含まれる検索語との関連性が高いものを検索し、検索したウェブサイトWSのタイトル、URL(Uniform Resource Location)、スニペット(ウェブサイトの抜粋)のセットを昇順に配した検索結果Rを返信する。
【0014】
キーワードアドバイスツールサーバ82は、キーワードアドバイスツールサービスを提供する役割を果たす装置である。キーワードアドバイスツールサーバ82は、インターネット90に接続されているコンピュータから検索語を含むリクエストを受信し、リクエスト内の検索語の関連語群(具体的には、リクエスト内の検索語の同義語、置換可能な言葉、リクエスト内の検索語とこれに関連する別の言葉を組み合わせた複合キーワード)及び検索エンジンサイトSEにおける関連語群の各検索語の検索ボリューム(1カ月当たりの当該検索語を含むクエリの総数の統計値)を含むレスポンスを返信する。
【0015】
株価情報提供サーバ83は、企業Cの株価情報を提供する役割を果たす装置である。株価情報提供サーバ83は、インターネット90に接続されたコンピュータから、企業Cの株式コードを含むリクエストを受信し、リクエスト内の株式コードが示す銘柄の株式の最新の株価Pを株価情報として返信する。
【0016】
投資判断支援サーバ10は、投資判断支援サービスを提供する役割を果たす装置である。投資判断支援サーバ10は、通信インターフェース11、CPU12、RAM13、ROM14、ハードディスク15、ディスプレイ16、マウス17、キーボード18を有する。通信インターフェース11は、インターネット90に接続された装置との間でデータを送受信する。CPU12は、RAM13をワークエリアとして利用しつつ、ROM14やハードディスク15に記憶された各種プログラムを実行する。ROM14には、IPL(Initial Program Loader)などが記憶されている。ハードディスク15には、本実施形態に特有の機能を有する評価プログラムPRとデータベースDB1、DB2、DB3が記憶されている。
【0017】
図2は、データベースDB1のデータ構造を概念的に示す図である。データベースDB1は、各々が、評価対象の各企業Cと対応する複数のレコードの集合体である。データベースDB1の各レコードは、「企業識別情報」と「ウェブサイト」の2つのフィールドを有する。「企業識別情報」のフィールドは、評価対象の企業Cの識別情報(例えば、該当の企業Cの証券コード)を示す。「ウェブサイト」のフィールドは、評価対象の企業Cが保有する複数種類のウェブサイトWSのURLを示す。
【0018】
図3は、データベースDB2のデータ構造を概念的に示す図である。データベースDB2は、検索語群TG(m=1〜M、mは検索語群を示すインデックス、Mは検索語群の総数)と対応するM個のテーブルTB(m=1〜M)を有する。ここで、検索語群TG(m=1〜M)は、企業Cの保有するウェブサイトWSにおいて取り扱われる商品またはサービスの想定顧客が検索エンジンサイトSEのクエリとして使うであろう検索語を同種の商品またはサービスと関連するもの毎に取り纏めたものである。
【0019】
データベースDB2における1つの検索語群TGと対応する1つのテーブルTBは、各々が、検索語群TGに属する複数個の検索語T−n(n=1〜N、nは検索語を示すインデックス、Nは検索語群TGに属する検索語の総数)と対応する複数のレコードの集合体である。テーブルTBの各レコードは、「検索語」と「検索ボリューム」の2つのフィールドを有する。「検索語」のフィールドは、検索語群TGに属する検索語T−nを示す。「検索ボリューム」のフィールドは、検索エンジンサイトSEにおける該当の検索語T−nの検索ボリュームSV−n(1カ月当たりの当該検索語を含むクエリの総数(検索エンジンサイトSEにおける該当の検索語T−nを含むクエリの受付総数)の統計値)を示す。
【0020】
ここで、本実施形態では、ウェブサイトWSにおける取扱商品及び取扱サービスの各々と関連するビックキーワード(たとえば、求人紹介のウェブサイトWSであれば、アルバイト、バイト、パートなど)を漏れなく選定し、このビックキーワードを検索語として含むリクエストをキーワードアドバイスツールサーバ82に送信し、キーワードアドバイスツールサーバ82から返信されるレスポンス内の関連語群の検索語と各々の検索ボリュームをデータベースDB2に蓄積することが望ましい。
【0021】
図4は、データベースDB3のデータ構造を概念的に示す図である。データベースDB3は、各々が、検索エンジンサイトSEの検索結果Rにおける上位L(Lは、2以上の整数、例えば、L=100)位の各順位i(i=1〜L)と対応する複数のレコードの集合体である。このデータベースDB3の各レコードは、「順位」と「クリックスルーレート」の2つのフィールドを有する。「順位」のフィールドは、該当の順位iを示す。「クリックスルーレート」のフィールドは、該当の順位iの予想クリックスルーレートCTR−iを示す。このデータベースDB3における予想クリックスルーレートCTR−i(i=1〜L)は、検索エンジンサイトSEの運営元事業者等から統計情報として開示されている値を使うことが望ましい。
【0022】
次に、本実施形態の動作について説明する。図5は、投資判断支援サーバ10の処理を示すフローチャートである。図5に示す処理は、評価プログラムPRにより実現されるものである。図5において、投資判断支援サーバ10のCPU12は、順位リスト生成処理を行う(S100)。
【0023】
順位リスト生成処理は、データベースDB2内の検索語群TG(m=1〜M)の検索語T(m=1〜M)−n(n=1〜N)を検索エンジンサーバ81にクエリとして送信し、検索エンジンサーバ81から各検索語T−nをクエリとする検索の検索結果R−nを取得し、取得した検索結果R−n内における各ウェブサイトWSの順位iを同じウェブサイトWSのもの毎に纏めた検索語群別順位リストLSTを生成し、生成した各検索語群TGの検索語群別順位リストLSTをハードディスク15内に記憶する処理である。
【0024】
より詳細に説明すると、順位リスト生成処理では、CPU12は、データベースDB2におけるテーブルTB(m=1〜M)の中のテーブルTBを選び、このテーブルTBに記憶されている検索語群TGをRAM13に読み出す。図6(A)に示すように、CPU12は、RAM13内の検索語群TGに属する検索語T−n(n=1〜N)を含むクエリを検索エンジンサーバ81に送信し、検索エンジンサーバ81から検索語T−n毎の検索結果R−n(検索エンジンサイトSEにおける上位L位の各順位iのウェブサイトWSのURL)を取得する。
【0025】
CPU12は、図6(B)に示すように、検索語群TGに属する検索語T−n(n=1〜N)の検索結果R−n(n=1〜N)内の1つ以上の検索結果R−nにおいて上位L(L=100)以内に入っていたウェブサイトWSをリスト項目作成対象ウェブサイトLWSとし、検索結果R−n(n=1〜N)の各々におけるウェブサイトLWSの順位i(順位iがL(L=100)位より下位の場合は999位)を同じウェブサイトLWSのURLの順位i毎に纏めたものを検索語群TGの検索語群別順位リストLSTとし、この検索語群別順位リストLSTをハードディスク15に記憶する。
【0026】
CPU12は、検索語群TG、検索語群TG…、検索語群TGについて同様の処理を繰り返し、これにより得られた検索語群別順位リストLST、LST、…LSTをハードディスク15に記憶する。
【0027】
図5において、CPU12は、クリックシェア算出処理を行う(S110)。クリックシェア算出処理は、ハードディスク15内の各検索語群TGの検索語群別順位リストLSTを順位参照先とし、順位参照先の検索語群別順位リストLSTにおける検索語T−n毎のウェブサイトWSの順位iを参照し、検索語T−n毎の参照順位iに応じたクリックスルーレートCTR−iに検索語T−n毎の個別の検索ボリュームSV−nを乗算した各乗算結果を合計し、クリックスルーレートCTR−iと検索ボリュームSV−nの各乗算結果の合計を該当の検索語群TGの検索ボリュームSV−nの合計で除算した除算結果をウェブサイトWSにおける順位参照先の検索語群別順位リストLSTに固有のクリックシェア率CTSとする処理である。
【0028】
より具体的に説明すると、クリックシェア算出処理では、CPU12は、データベースDB1内における評価対象の企業Cが保有する複数個のウェブサイトWS(例えば、3個のウェブサイトWSA、WSB、WSCとする)のURLをRAM13に読み出す。
【0029】
CPU12は、図7に示すように、検索語群TG(m=1〜M)の検索語群別順位リストLST(m=1〜M)の中から1つ以上の検索結果R−nにおける評価対象企業CのウェブサイトWSAの順位iがL(L=100)位より上位になっているもの(例えば、検索語群別順位リストLST、LST、LSTとする)を選び、これらの検索語群別順位リストLST、LST、LSTをウェブサイトWSAの順位参照先とする。
【0030】
また、検索語群TG(m=1〜M)の検索語群別順位リストLST(m=1〜M)の中から1つ以上の検索語T−nの検索結果R−nにおける評価対象企業CのウェブサイトWSBの順位iがL(L=100)位より上位になっているもの(例えば、検索語群別順位リストLST、LST、LSTとする)を選び、これらの検索語群別順位リストLST、LST、LSTをウェブサイトWSBの順位参照先とする。
【0031】
また、検索語群TG(m=1〜M)の検索語群別順位リストLST(m=1〜M)の中から1つ以上の検索語T−nの検索結果R−nにおける評価対象企業CのウェブサイトWSCの順位iがL(L=100)位より上位になっているもの(例えば、検索語群別順位リストLST、LST、LSTとする)を選び、これらの検索語群別順位リストLST、LST、LSTをウェブサイトWSCの順位参照先とする。
【0032】
図8に示すように、CPU12は、ウェブサイトWSAの順位参照先の検索語群別順位リストLST、LST、LSTのうち一つ(図8の例では、検索語群別順位リストLST)を選択し、この検索語群別順位リストLSTの1番目の検索語T−1(図8の例では、「バイト」)の検索結果R−1におけるウェブサイトWSAの順位i(図8の例では、i=1位)がL(L=100)位より上位であるか否かを判定する。そして、順位iがL(L=100)位より上位である場合は、データベースDB3内における該当の順位iと対応するクリックスルーレートCTR−iをデータベースDB3から読み出すともに、データベースDB2の該当のテーブルTB内における1番目の検索語T−1と対応する検索ボリュームSV−1を読み出し、読み出したクリックスルーレートCTR−iと検索ボリュームSV−1を乗算し、この乗算結果を1番目の検索語T−1の検索結果R−1からウェブサイトWSAへの予想クリック数IN−1とする。
【0033】
CPU12は、検索語群別順位リストLSTの2番目の検索語T−2、3番目の検索語T−3、…N番目の検索語T−Nについて同様の処理を繰り返し、検索語群別順位リストLSTの2番目の検索語T−2の検索結果R−2からウェブサイトWSAへの予想クリック数IN−2、3番目の検索語T−3の検索結果R−3からウェブサイトWSAへの予想クリック数IN−3…N番目の検索語T−Nの検索結果R−NからウェブサイトWSAへの予想クリック数IN−Nを算出する。
【0034】
その上で、図9に示すように、検索語群別順位リストLST内の検索語T−n(n=1〜N)の検索結果R−n(n=1〜N)からウェブサイトWSAへの予想クリック数IN−n(n=1〜N)の合計GINを検索語群TGに属する全検索語T−n(n=1〜N)の検索ボリュームSV−n(n=1〜N)の合計GSVで除算し、この除算結果GIN/GSVをウェブサイトWSAにおける検索語群別順位リストLSTに固有のクリックシェア率CTSとする。
【0035】
CPU12は、ウェブサイトWSAの順位参照先の残り2つの検索語群別順位リストLST、LST、ウェブサイトWSBの順位参照先の各検索語群別順位リストLST、LST、LST、ウェブサイトWSCの順位参照先の各検索語群別順位リストLST、LST、LSTについて同様の処理を繰り返し、ウェブサイトWSAにおける検索語群別順位リストLSTに固有のクリックシェア率CTS、ウェブサイトWSAにおける検索語群別順位リストLSTに固有のクリックシェア率CTS、ウェブサイトWSAにおける検索語群別順位リストLSTに固有のクリックシェア率CTS、ウェブサイトWSBにおける検索語群別順位リストLSTに固有のクリックシェア率CTS、ウェブサイトWSBにおける検索語群別順位リストLSTに固有のクリックシェア率CTS、ウェブサイトWSBにおける検索語群別順位リストLSTに固有のクリックシェア率CTS、ウェブサイトWSCにおける検索語群別順位リストLSTに固有のクリックシェア率CTS、ウェブサイトWSCにおける検索語群別順位リストLSTに固有のクリックシェア率CTS、ウェブサイトWSCにおける検索語群別順位リストLSTに固有のクリックシェア率CTSを求める。
【0036】
図5において、CPU12は、企業Cの最新の評価結果の提示を指示する操作が行われた場合、評価提示処理を行う(S120)。評価提示処理は、評価対象の企業が保有する複数のウェブサイトWSのURLの各々について検索語群別順位リストLST毎に算出したクリックシェア率CTSを重み付け加算した値を当該企業Cの投資判断の指標値Vとし、この指標値Vと評価対象の企業Cの株価Pとの関係を提示する処理である。
【0037】
より詳細に説明すると、図10に示すように、評価提示処理では、CPU12は、クリックシェア算出処理において企業Cの保有するウェブサイトWSと検索語群別順位リストLSTの組み合わせ毎に生成した複数のクリックシェア率CTS図10の例では、クリックシェア率CTS、CTS、CTS、CTS、CTS、CTS、CTS、CTS、CTS)に、各々の算出時に参照した検索語群別順位リストLST内の全検索語T−n(n=1〜N)の検索ボリュームSV−n(n=1〜N)の合計に応じた大きさの係数K図10の例では、係数K、K、K、K、K、K、K、K、K)を各々乗算する。その上で、CPU12は、クリックシェア率CTSと係数Kの各乗算結果を合計し、この合計を企業Cについての投資判断の指標値Vとする。
【0038】
次に、CPU12は、企業Cの株価Pを株価情報提供サーバ83に問い合わせ、株価情報提供サーバ83から企業Cの最新の株価Pを取得する。CPU12は、本日よりも前の所定期間T(例えば、T=6か月)の間の企業Cの株価Pを遷移を示すチャートCHRPと本日よりも前の期間Tの間の企業Cの指標値Vの遷移を示すチャートCHRVを、株価Pと指標値Vとの関係を示す情報としてディスプレイ16に表示させる。また、CPU12は、最新の株価Pと最新の指標値Vを以下の関係式(1)に代入して得られる値X(株価Pと指標値Vの比)が閾値Thを下回ったか否かを判定し、値Xが閾値Thを下回った場合はチャートCHRVの近傍にアラーメッセージを表示する。
X=V/P…(1)
【0039】
以上が、本実施形態の構成の詳細である。本実施形態によると、次の効果が得られる。
第1に、本実施形態では、投資判断支援サーバ10は、評価対象の企業Cが保有する複数のウェブサイトWSの各々について、ハードディスク15内の各検索語群TGの検索語群別順位リストLSTを順位参照先とし、順位参照先の検索語群別順位リストLSTにおける検索語T−n毎の当該ウェブサイトWSの順位iを参照し、検索語T−n毎に参照した順位iに応じたクリックスルーレートCTR−iに検索語T−n毎の個別の検索ボリュームSV−nを乗算した各乗算結果IN−n(予想クリック数)を合計し、各乗算結果IN−n(予想クリック数)の合計GINを検索語T−n毎の個別の検索ボリュームSV−nの合計GSVで除算した除算結果をウェブサイトWSにおける順位参照先の検索語群別順位リストLSTに固有のクリックシェア率CTSとし、企業Cが保有する複数のウェブサイトWSについて個別に求めたクリックシェア率CTSを重み付け加算した値を企業Cの評価値Vとする。このようにして得られる企業Cの評価値Vは、その企業Cにおける該当の商品やサービスの市場シェアとの間に強い正の相関をもった値となる。よって、本実施形態によると、利用者は、評価対象の企業Cが収益の多くをウェブサイトに依存している場合において、その企業Cの現在の株価が本来の競争力に見合ったものであるかを正確に判断することができる。
【0040】
第2に、本実施形態では、投資判断支援サーバ10は、クリックシェア算出処理において企業Cの保有するウェブサイトWSと検索語群別順位リストLSTの組み合わせ毎に生成した複数のクリックシェア率CTSに、各々の算出時に参照した検索語群別順位リストLST内の全検索語T−n(n=1〜N)の検索ボリュームSV−n(n=1〜N)の合計に応じた大きさの係数Kを乗算し、クリックシェア率CTSと係数Kの各乗算結果の合計を指標値Vとする。よって、本実施形態によると、各企業Cの収益力をより客観的に評価することができる。
【0041】
第3に、本実施形態では、投資判断支援サーバ10は、株価情報提供サーバ83から評価対象の企業Cの最新の株価Pを取得し、評価対象の企業Cの指標値Vと最新の株価Pの比V/Pが閾値Thを下回った場合にディスプレイ16の画面上にアラートメッセージを表示する。よって、本実施形態によると、利用者は、株式市場における企業Cの評価が本来の競争力に比べて過大になったことをそれが株価Pに現れる前に知ることができる。
【0042】
<第2実施形態>
図11は、本発明の第2実施形態である投資判断支援システム1Aの全体構成を示す図である。このシステム1Aは、検索エンジンサイトSEと別の検索エンジンサイトSEの運営元事業者による管理の下に稼動する検索エンジンサーバ81及びキーワードアドバイスツールサーバ82を有している。
【0043】
検索エンジンサーバ81は、インターネット90に接続されているコンピュータから検索エンジンサイトSEのURLを宛先とするクエリ(検索語を含むリクエスト)を受信し、インターネット90内のウェブサイトWSの中からクエリに含まれる検索語との関連性が高いものを検索し、検索したウェブサイトWSのタイトル、URL、スニペットのセットを昇順に配した検索結果Rを返信する。
【0044】
キーワードアドバイスツールサーバ82は、インターネット90に接続されているコンピュータから検索語を含むリクエストを受信し、リクエスト内の検索語の関連語群及び検索エンジンサイトSEにおける関連語群の各検索語の検索ボリュームを含むレスポンスを返信する。
【0045】
本実施形態では、投資判断支援サーバ10は、複数の検索エンジンサイトSE及び検索エンジンサイトSEの検索結果における企業Cの競争力を評価する。より詳細に説明すると、図12に示すように、投資判断支援サーバ10のCPU12は、検索エンジンサイトSEにおける検索語T−nをクエリとする検索の検索結果R−nを検索エンジンサーバ81から取得し、検索エンジンサイトSEにおける検索語T−nをクエリとする検索の検索結果R−nを検索エンジンサーバ81から取得し、これらの検索結果における各ウェブサイトWSの順位iを同じウェブサイトWSのもの毎に纏めたものを検索語群別順位リストLSTとする。そして、投資判断支援サーバ10のCPU12は、検索語群別順位リストLST内における検索エンジンSEの検索結果R−nに基づいて検索語群TGの検索語T−n毎の予想クリック数IN−nを算出し、検索語群別順位リストLST内における検索エンジンSEの検索結果R−nに基づいて検索語群TGの検索語T−n毎の予想クリック数IN−nを算出する。そして、検索エンジンSEについて算出した予想クリック数IN−n(n=1〜N)の合計と検索エンジンSEについて算出した予想クリック数IN−n(n=1〜N)の合計の和GIN’を求める。また、検索エンジンSEにおける該当の検索語群TGの検索ボリュームSV−n(n=1〜N)の合計と検索エンジンSEにおける該当の検索語群TGの検索ボリュームSV−n(n=1〜N)の合計の和GSV’を求め、GIN’/GSV’をクリックシェア率CTSとする。
【0046】
本実施形態では、複数種類の検索エンジンサイトSEと検索エンジンサイトSEの検索結果を利用してクリックシェア率CTSの算出を行う。よって、企業Cに関わるより客観性の高い評価を行うことができる。
【0047】
<他の実施形態>
以上、本発明の第1及び第2実施形態について説明したが、かかる実施形態に以下の変形を加えてもよい。
(1)上記第1及び第2実施形態のクリックシェア算出処理では、CPU12は、各ウェブサイトWSのクリックシェア率CTSの合計に該当の検索語群TG(m=1〜M)の各検索語T−nの検索ボリュームSV−nの合計に応じた大きさの重み付け係数Kを各々乗算し、クリックシェア率CTSと重み付け係数Kの各乗算結果を加算した値を指標値Vとした。しかし、各ウェブサイトWSのクリックシェア率CTSをそのまま加算したものを評価値Vとしてもよい。
【0048】
(2)上記第1及び第2実施形態は、本発明を複数種類のウェブサイトWSを有する企業Cの評価に適用したものであった。しかし、本発明を一つのウェブサイトWSの評価に適用してもよい。この実施形態では、評価対象のウェブサイトWSについて、上述したクリックシェア算出処理を行い、この処理により得られた当該ウェブサイトWSのクリックシェア率CTSをウェブサイトWSの評価値として提示する。この実施形態によると、利用者は、売上の多くをウェブサイトWS上のサービスに依存している企業Cの収益に関わる確度の高い予測を立てることができる。
【0049】
(3)上記第1及び第2実施形態の評価提示処理では、CPU12は、最新の株価Pと最新の指標値Vを前掲の関係式(1)に代入して得られる値Xが閾値Thを下回った場合にアラートメッセージを表示させた。しかし、この関係式は、株価Pと指標値Vの比を示すものである必要はない。たとえば、株価Pと指標値Vの差を算出するための算出式を準備し、この算出式により求めた差が閾値Thを上回ったときにアラートメッセージを表示させてもよい。
【0050】
(4)上記第1及び第2実施形態の評価提示処理では、CPU12は、最新の株価Pと最新の指標値Vの関係を提示した。しかし、評価対象の企業Cの時価総額、株価収益率(PER)、純資産倍率などの財務指標値を株価Pの代わりに取得し、最新の財務指標値と最新の指標値Vとの関係を提示するようにしてもよい。
【0051】
(5)上記第1及び第2実施形態において、投資判断支援サーバ10の運営元事業者と検索エンジンサイトSE(またはSE)の運営元事業者が同じであるか、投資判断支援サーバ10の運営元事業者が検索語群TG(m=1〜M)の検索語T(m=1〜M)−n(n=1〜N)の検索結果における企業CのウェブサイトWSの実際のクリック数Num(m=1〜M)−n(n=1〜N)(より具体的には、検索語群TG(m=1〜M)に属する検索語T(m=1〜M)−n(n=1〜N)の各々をクエリとする検索結果からウェブサイトWScにアクセスした数)を示す実クリック数情報を入手できる場合は、投資判断支援サーバ10は、検索語群別順位リストLSTを生成せずに、この実クリック数情報からクリックシェア率CTSを算出するようにしてもよい。この実施形態では、投資判断支援サーバ10は、企業Cが保有するウェブサイトWScの想定顧客が検索エンジンサイトSE(またはSE)のクエリとして使うであろう検索語群TGについて、当該検索語群TGに属する検索語T−nの検索エンジンサイトSE(またはSE)の検索結果におけるウェブサイトWScのクリック数Num−n(n=1〜N)を合計し、当該検索語群TGのクリック数Num−n(n=1〜N)の合計で、当該検索語群TGの検索ボリュームSV−n(n=1〜N)の合計を除算した除算結果をクリックシェア率CTSとし、このクリックシェア率CTSをウェブサイトWScの評価の指標値として提示するようにしてもよい。
【0052】
このほか、本発明には、以下の態様も含まれる。
(6)評価対象の企業が保有する複数のウェブサイトのURLを含む第1のデータベースと、前記ウェブサイトの想定顧客が検索エンジンサイトのクエリとして使うであろう複数の検索語群を含む第2のデータベースとを記憶した記憶手段を有するコンピュータによる企業価値の評価方法であって、前記コンピュータが、前記第2のデータベース内の複数の検索語群の各々について、当該検索語群の各検索語を前記検索エンジンサイトにクエリとして送信し、前記検索エンジンサイトから各検索語をクエリとする検索の検索結果を取得し、取得した検索結果内における各ウェブサイトの順位を同じウェブサイトのもの毎に纏めた検索語群別順位リストを生成し、生成した各検索語群の検索語群別順位リストを前記記憶手段内に記憶する処理を行う順位リスト生成行程と、前記コンピュータが、前記第1のデータベース内の複数のウェブサイトのURLの各々について、前記記憶手段内の各検索語群の検索語群別順位リストを順位参照先とし、順位参照先の検索語群別順位リストにおける検索語毎の当該ウェブサイトの順位を参照し、検索語毎に参照した順位に応じたクリックスルーレートに検索語毎の個別の検索ボリュームを乗算した各乗算結果を合計し、前記各乗算結果の合計を該当の検索語群の検索ボリュームの合計で除算した除算結果を当該ウェブサイトにおける順位参照先の検索語群別順位リストに固有のクリックシェア率とする処理を行うクリックシェア算出行程と、前記コンピュータが、前記第1のデータベース内の複数のウェブサイトのURLの各々について検索語群別順位リスト毎に算出したクリックシェア率を加算または重み付け加算した値を投資判断の指標値とし、この指標値と前記企業の株価または財務指標値との関係を提示する処理を行う評価提示行程とを有することを特徴とする評価方法。この評価方法により得られる企業の指標値は、その企業における該当の商品やサービスの市場シェアとの間に極めて強い正の相関をもった値となる。よって、本発明によると、利用者は、評価対象の企業が収益の多くをウェブサイトに依存している場合において、その企業の現在の株価が本来の競争力に見合ったものであるかを正確に判断することができる。
【0053】
(7)前記評価提示行程では、前記コンピュータは、前記複数のウェブサイトのURLの各々について、ウェブサイトと検索語群別順位リストの組み合わせ毎に生成した複数のクリックシェア率に、各々の算出時に参照した検索語群別順位リスト内の全検索語の検索ボリュームの合計に応じた大きさの係数を乗算し、クリックシェア率と重み付け係数の各乗算結果を合計した値を前記指標値とすることを特徴とする(6)に記載の評価方法。
【0054】
(8)前記評価提示行程では、前記コンピュータが、前記企業の株価を株価情報提供サーバに問い合わせ、前記株価情報提供サーバから前記企業の株価を取得し、この株価と前記指標値を所定の関係式に代入して得られる値が閾値を上回った場合または下回った場合にアラートメッセージを出力することを特徴とする(7)に記載の評価方法。
【0055】
(9)評価対象の企業が保有する複数のウェブサイトのURLを含む第1のデータベースと、前記ウェブサイトの想定顧客が検索エンジンサイトのクエリとして使うであろう複数の検索語群を含む第2のデータベースとを記憶した記憶手段と、前記第2のデータベース内の複数の検索語群の各々について、当該検索語群の各検索語を前記検索エンジンサイトにクエリとして送信し、前記検索エンジンサイトから各検索語をクエリとする検索の検索結果を取得し、取得した検索結果内における各ウェブサイトの順位を同じウェブサイトのもの毎に纏めた検索語群別順位リストを生成し、生成した各検索語群の検索語群別順位リストを前記記憶手段内に記憶する処理を行う順位リスト生成手段と、前記第1のデータベース内の複数のウェブサイトのURLの各々について、前記記憶手段内の各検索語群の検索語群別順位リストを順位参照先とし、順位参照先の検索語群別順位リストにおける検索語毎の当該ウェブサイトの順位を参照し、検索語毎に参照した順位に応じたクリックスルーレートに検索語毎の個別の検索ボリュームを乗算した各乗算結果を合計し、前記各乗算結果の合計を該当の検索語群の検索ボリュームの合計で除算した除算結果を当該ウェブサイトにおける順位参照先の検索語群別順位リストに固有のクリックシェア率とする処理を行うクリックシェア算出手段と、前記第1のデータベース内の複数のウェブサイトのURLの各々について検索語群別順位リスト毎に算出したクリックシェア率を加算または重み付け加算した値を投資判断の指標値とし、この指標値と前記企業の株価または財務指標値との関係を提示する処理を行う評価提示手段とを具備することを特徴とする評価装置。
【0056】
(10)コンピュータに、評価対象の企業が保有する複数のウェブサイトのURLを含む第1のデータベースと、前記ウェブサイトの想定顧客が検索エンジンサイトのクエリとして使うであろう複数の検索語群を含む第2のデータベースとを記憶した記憶手段と、前記第2のデータベース内の複数の検索語群の各々について、当該検索語群の各検索語を前記検索エンジンサイトにクエリとして送信し、前記検索エンジンサイトから各検索語をクエリとする検索の検索結果を取得し、取得した検索結果内における各ウェブサイトの順位を同じウェブサイトのもの毎に纏めた検索語群別順位リストを生成し、生成した各検索語群の検索語群別順位リストを前記記憶手段内に記憶する処理を行う順位リスト生成手段と、 前記第1のデータベース内の複数のウェブサイトのURLの各々について、前記記憶手段内の各検索語群の検索語群別順位リストを順位参照先とし、順位参照先の検索語群別順位リストにおける検索語毎の当該ウェブサイトの順位を参照し、検索語毎に参照した順位に応じたクリックスルーレートに検索語毎の個別の検索ボリュームを乗算した各乗算結果を合計し、前記各乗算結果の合計を該当の検索語群の検索ボリュームの合計で除算した除算結果を当該ウェブサイトにおける順位参照先の検索語群別順位リストに固有のクリックシェア率とする処理を行うクリックシェア算出手段と、前記第1のデータベース内の複数のウェブサイトのURLの各々について検索語群別順位リスト毎に算出したクリックシェア率を加算または重み付け加算した値を投資判断の指標値とし、この指標値と前記企業の株価または財務指標値との関係を提示する処理を行う評価提示手段とを実現させるプログラム。
【符号の説明】
【0057】
1…投資判断支援システム、10…投資判断支援サーバ、11…通信インターフェース、12…CPU、13…RAM、14…ROM、15…ハードディスク15、16…ディスプレイ、17…マウス、18…キーボード、81…検索エンジンサーバ、82…キーワードアドバイスツールサーバ、83…株価情報提供サーバ。
図1
図2
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図6
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図8
図9
図10
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図12