特許第6164614号(P6164614)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6164614エッチング液、補給液及び銅配線の形成方法
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  • 特許6164614-エッチング液、補給液及び銅配線の形成方法 図000010
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6164614
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】エッチング液、補給液及び銅配線の形成方法
(51)【国際特許分類】
   C23F 1/18 20060101AFI20170710BHJP
   H05K 3/06 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   C23F1/18
   H05K3/06 N
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-69448(P2014-69448)
(22)【出願日】2014年3月28日
(65)【公開番号】特開2015-129342(P2015-129342A)
(43)【公開日】2015年7月16日
【審査請求日】2016年4月1日
(31)【優先権主張番号】特願2013-252804(P2013-252804)
(32)【優先日】2013年12月6日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000114488
【氏名又は名称】メック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小寺 浩史
(72)【発明者】
【氏名】高垣 愛
【審査官】 長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−104104(JP,A)
【文献】 特開2012−080128(JP,A)
【文献】 特開2008−045156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23F 1/00− 1/46
H05K 3/06
H01L 21/306
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅のエッチング液であって、
前記エッチング液は、酸と、酸化性金属イオンと、複素芳香族化合物とを含む水溶液であり、
前記複素芳香族化合物は、環を構成するヘテロ原子として窒素を1つ以上有する複素芳香5員環と、環を構成するヘテロ原子として窒素を1つ以上有する複素芳香6員環とを分子内に含み、
前記酸は塩酸であり、
前記酸化性金属イオンは第二銅イオンおよび/または第二鉄イオンであり、
前記酸の濃度が、5〜180g/Lであり、
前記酸化性金属イオンの濃度が、10〜300g/Lであり、
前記複素芳香族化合物の濃度が、0.01〜100g/Lであるエッチング液。
【請求項2】
前記酸化性金属イオンは、第二銅イオンである請求項1記載のエッチング液。
【請求項3】
前記複素芳香族化合物は、前記複素芳香5員環と前記複素芳香6員環とが縮合して縮合環を形成した複素芳香族化合物A、及び前記複素芳香5員環と前記複素芳香6員環とが単結合又は二価の連結基で連結した複素芳香族化合物Bから選ばれる1種以上である請求項1または2に記載のエッチング液。
【請求項4】
前記複素芳香族化合物Aは、複素芳香族化合物A1及び複素芳香族化合物A2から選ばれる1種以上であり、
前記複素芳香族化合物A1は、分子中に含まれる前記複素芳香5員環及び/又は前記複素芳香6員環が、アミノ基、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ハロゲン基及びチオール基から選ばれる1種以上の置換基で置換されている化合物であり、
前記複素芳香族化合物A2は、分子中に含まれる前記複素芳香5員環及び前記複素芳香6員環を構成する窒素の数の合計が3つ以下の化合物である請求項3に記載のエッチング液。
【請求項5】
5〜7員環の脂肪族複素環を有する脂肪族複素環式化合物をさらに含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のエッチング液。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のエッチング液を連続又は繰り返し使用する際に、前記エッチング液に添加する補給液であって、
前記補給液は、酸と、複素芳香族化合物とを含む水溶液であり、
前記酸は塩酸であり、
前記複素芳香族化合物は、環を構成するヘテロ原子として窒素を1つ以上有する複素芳香5員環と、環を構成するヘテロ原子として窒素を1つ以上有する複素芳香6員環とを分子内に含む、補給液。
【請求項7】
銅層のエッチングレジストで被覆されていない部分をエッチングする銅配線の形成方法であって、
請求項1〜5のいずれか1項に記載のエッチング液を用いてエッチングする、銅配線の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銅のエッチング液とその補給液、及び銅配線の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板の製造において、フォトエッチング法で銅配線パターンを形成する場合、エッチング液として塩化鉄系エッチング液、塩化銅系エッチング液、アルカリ性エッチング液などが用いられている。これらのエッチング液を使用すると、サイドエッチングとよばれるエッチングレジスト下の銅が配線パターンの側面から溶解する場合があった。即ち、エッチングレジストでカバーされることによって、本来エッチングで除去されないことが望まれる部分(即ち、銅配線部分)が、エッチング液により除去されて、当該銅配線の底部から頂部になるに従い幅が細くなる現象が生じていた。特に銅配線パターンが微細な場合、このようなサイドエッチングはできる限り少なくしなければならない。このサイドエッチングを抑制するために、複素芳香5員環化合物であるアゾール化合物が配合されたエッチング液が提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−330572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のエッチング液によれば、サイドエッチングについては抑制できるが、特許文献1に記載のエッチング液を通常の方法で使用すると、銅配線の側面にがたつきが生じるおそれがあった。銅配線の側面にがたつきが生じると、銅配線の直線性が低下して、プリント配線板の上方から銅配線幅を光学的に検査する際に、誤認識を引き起こすおそれがあった。また、極端に直線性が悪化するとプリント配線板のインピーダンス特性が低下するおそれがあった。
【0005】
このように、従来のエッチング液では、銅配線の直線性を損なうことなくサイドエッチングを抑制するのは困難であった。
【0006】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、銅配線の直線性を損なうことなくサイドエッチングを抑制できるエッチング液とその補給液、及び銅配線の形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のエッチング液は、銅のエッチング液であって、
前記エッチング液は、酸と、酸化性金属イオンと、複素芳香族化合物とを含む水溶液であり、
前記複素芳香族化合物は、環を構成するヘテロ原子として窒素を1つ以上有する複素芳香5員環と、環を構成するヘテロ原子として窒素を1つ以上有する複素芳香6員環とを分子内に含むことを特徴とする。
【0008】
本発明の補給液は、前記本発明のエッチング液を連続又は繰り返し使用する際に、前記エッチング液に添加する補給液であって、
前記補給液は、酸と、複素芳香族化合物とを含む水溶液であり、
前記複素芳香族化合物は、環を構成するヘテロ原子として窒素を1つ以上有する複素芳香5員環と、環を構成するヘテロ原子として窒素を1つ以上有する複素芳香6員環とを分子内に含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の銅配線の形成方法は、銅層のエッチングレジストで被覆されていない部分をエッチングする銅配線の形成方法であって、前記本発明のエッチング液を用いてエッチングすることを特徴とする。
【0010】
なお、前記本発明における「銅」は、銅からなるものであってもよく、銅合金からなるものであってもよい。また、本明細書において「銅」は、銅又は銅合金を指す。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、銅配線の直線性を損なうことなくサイドエッチングを抑制できるエッチング液とその補給液、及び銅配線の形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のエッチング液によりエッチングした後の銅配線の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の銅のエッチング液は、酸と、酸化性金属イオンと、複素芳香族化合物とを含む水溶液である。本発明の銅のエッチング液には、前記複素芳香族化合物として、環を構成するヘテロ原子として窒素を1つ以上有する複素芳香5員環と、環を構成するヘテロ原子として窒素を1つ以上有する複素芳香6員環とを分子内に含む複素芳香族化合物が配合される。図1は、本発明のエッチング液によりエッチングした後の銅配線の一例を示す断面図である。銅配線1上には、エッチングレジスト2が形成されている。そして、エッチングレジスト2の端部の直下における銅配線1の側面に、保護皮膜3が形成されている。一般的な塩化銅系エッチング液又は塩化鉄系エッチング液で銅配線を形成すると、エッチングの進行とともに、第一銅イオン及びその塩が生成する。配線間では液の入れ替わりが遅くなるため、特に微細配線では第一銅イオン及びその塩による影響で、垂直方向のエッチングが次第に進行しにくくなり、結果としてサイドエッチングが大きくなる。本発明のエッチング液によれば、エッチングの進行とともに生成する第一銅イオン及びその塩を前記複素芳香族化合物が捕捉することで垂直方向のエッチングを速やかに進行させると同時に、スプレーの衝撃を直接受けにくい銅配線1の側面に第一銅イオン及びその塩と前記複素芳香族化合物から構成される保護皮膜3が均一に形成されるものと考えられる。前記複素芳香族化合物により形成される保護皮膜3は均一なため、銅配線1の直線性を損なうことなくサイドエッチングを抑制できると考えられる。よって、本発明のエッチング液によれば、プリント配線板の製造工程における歩留まりを改善できる。なお、保護皮膜3はエッチング処理後に除去液による処理で簡単に除去することができる。前記除去液としては、希塩酸水溶液や希硫酸水溶液等の酸性水溶液等が好ましい。
【0014】
なお、前記特許文献1のエッチング液で銅配線を形成すると、本発明のエッチング液でエッチングしたときよりも不均一な保護皮膜が厚く形成されると考えられるため、銅配線の直線性が損なわれると推測される。
【0015】
また、前記特許文献1のエッチング液を用いる場合、エッチング速度が遅いため、処理速度の低下を招き、生産性が低下していたが、本発明のエッチング液は、一般的な塩化鉄系エッチング液又は塩化銅系エッチング液と同等のエッチング速度を維持できるため、生産性を低下させずに歩留まりを改善できる。
【0016】
本発明のエッチング液に用いられる酸は、無機酸及び有機酸から適宜選択可能である。前記無機酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。前記有機酸としては、ギ酸、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、安息香酸、グリコール酸などが挙げられる。前記酸の中では、エッチング速度の安定性及び銅の溶解安定性の観点から、塩酸が好ましい。
【0017】
前記酸の濃度は、好ましくは5〜180g/Lであり、より好ましくは7〜150g/Lである。酸の濃度が5g/L以上の場合は、エッチング速度が速くなるため、銅を速やかにエッチングすることができる。また、酸の濃度が180g/L以下の場合は、銅の溶解安定性が維持されるとともに、作業環境の悪化を抑制できる。
【0018】
本発明のエッチング液に用いられる酸化性金属イオンは、金属銅を酸化できる金属イオンであればよく、例えば第二銅イオン、第二鉄イオン等が挙げられる。サイドエッチングを抑制する観点、及びエッチング速度の安定性の観点から、酸化性金属イオンとして第二銅イオンを用いることが好ましい。
【0019】
前記酸化性金属イオンは、酸化性金属イオン源を配合することによって、エッチング液中に含有させることができる。例えば、酸化性金属イオン源として第二銅イオン源を用いる場合、その具体例としては、塩化銅、硫酸銅、臭化銅、有機酸の銅塩、水酸化銅などが挙げられる。例えば、酸化性金属イオン源として第二鉄イオン源を用いる場合、その具体例としては、塩化鉄、臭化鉄、ヨウ化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄、有機酸の鉄塩などが挙げられる。
【0020】
前記酸化性金属イオンの濃度は、好ましくは10〜300g/Lであり、より好ましくは10〜250g/Lであり、更に好ましくは15〜220g/Lであり、更により好ましくは30〜200g/Lである。酸化性金属イオンの濃度が10g/L以上の場合は、エッチング速度が速くなるため、銅を速やかにエッチングすることができる。また、酸化性金属イオンの濃度が300g/L以下の場合は、銅の溶解安定性が維持される。
【0021】
本発明のエッチング液には、銅配線の直線性を損なうことなくサイドエッチングを抑制するために、前記複素芳香族化合物が配合される。前記複素芳香族化合物は、環を構成するヘテロ原子として窒素を1つ以上有する複素芳香5員環と、環を構成するヘテロ原子として窒素を1つ以上有する複素芳香6員環とを分子内に含む。前記複素芳香5員環及び前記複素芳香6員環は、いずれもヘテロ原子として窒素を1つ以上有していればよく、窒素以外のヘテロ原子を有していてもよい。銅配線の直線性を損なうことなくサイドエッチングを効果的に抑制するためには、前記複素芳香5員環及び前記複素芳香6員環は、ヘテロ原子として窒素のみを有するもの、又は、ヘテロ原子として窒素及び硫黄のみを有するものが好ましい。なお、前記複素芳香5員環及び前記複素芳香6員環は、いずれも、アミノ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ニトロ基、ニトロソ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルデヒド基、アルコキシ基、ハロゲン基、アゾ基、シアノ基、イミノ基、ホスフィノ基、チオール基、スルホ基等の置換基で置換されていてもよい。
【0022】
前記複素芳香族化合物が前記複素芳香5員環及び前記複素芳香6員環を分子内に含むとは、例えば下記式(I)に示すアデニンのように複素芳香5員環と複素芳香6員環とが縮合して縮合環を形成した複素芳香族化合物(以下、複素芳香族化合物Aともいう)であってもよいし、複素芳香5員環と複素芳香6員環とが単結合又は二価の連結基で連結した複素芳香族化合物(以下、複素芳香族化合物Bともいう)であってもよい。
【化1】
【0023】
ただし、本発明で用いられる前記複素芳香族化合物には、下記式(II)に示すグアニンのように、複素環を構成する原子としてカルボニル基の炭素を含む環状化合物は含まれない。
【化2】
【0024】
前記複素芳香5員環と前記複素芳香6員環とが単結合で連結した複素芳香族化合物Bとしては、例えば下記式(III)に示す2-(4-ピリジル)ベンゾイミダゾール等が例示できる。
【化3】
【0025】
前記複素芳香5員環と前記複素芳香6員環とが二価の連結基で連結した複素芳香族化合物Bとしては、例えば下記式(IV)に示す2,4-ジアミノ-6-[2-(2-メチル−1−イミダゾリル)エチル]-1,3,5-トリアジン等が例示できる。二価の連結基としては、二価の炭化水素誘導基、−O−、−S−等が例示できる。なお、前記炭化水素誘導基とは、炭化水素基にて一部の炭素又は水素が他の原子又は置換基に置き換わっていてもよいものを指す。
【化4】
【0026】
前記二価の炭化水素誘導基としては、アルキレン基だけでなく、アルケニレン基、アルキニレン基等であってもよい。また、前記二価の炭化水素誘導基の炭素数は、特に限定されないが、溶解性の観点から1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。
【0027】
なお、上記複素芳香族化合物Aと上記複素芳香族化合物Bの双方の構造的特徴を備えた化合物は、「複素芳香族化合物B」とする。このような化合物の具体例としては、アザチオプリン等が挙げられる。
【0028】
前記複素芳香族化合物の具体例としては、アデニン、6-ベンジルアデニン、アデノシン、2-アミノアデノシン、2-(4-ピリジル)ベンゾイミダゾール、2,4-ジアミノ-6-[2-(2-メチル−1−イミダゾリル)エチル]-1,3,5-トリアジン、3-(1-ピロリルメチル)ピリジン、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、2,6-ビス(2-ベンゾイミダゾリル)ピリジン、イミダゾ[1,2-b]ピリダジン、プリン、6-クロロプリン、6-クロロ-7-デアザプリン、アザチオプリン、6-(ジメチルアミノ)プリン、7-ヒドロキシ-5-メチル-1,3,4-トリアザインドリジン、イミダゾ[1,5-a]ピリジン-3-カルボキシアルデヒド、6-メルカプトプリン、6-メトキシプリン、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジン、チアミン、1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン、1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン、1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン、7-メチル-1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン、6-クロロ-3-[(4-メチル-1-ピペラジニル)メチル]-1H-ピロロ[3,2-c]ピリジン、2-メチル-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、3-(ピペリジノメチル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン、3-(1-メチル-1H-ピロール-2-イル)ピリジン、1-メチル-2-(3-ピリジニル)-1H-ピロール、3-(2-ピロリル)ピリジン、2-(1-ピロリル)ピリジン、3H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン、1-(2-フェニルエチル)-1H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン、2-アザインドリジン、2-フェニル-1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン、3-(3-ピリジニル)-1H-1,2,4-トリアゾール、7-メチル-1,2,4-トリアゾロ[4,3-a]ピリジン、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン、3-ニトロ-5-(3-ピリジル)-1H-ピラゾール、1-(2-ピリジル)-1H-ピラゾール-4-アミン、2,3-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン、2,3,7-トリメチルピラゾロ[1,5-a]ピリジン、8-アミノ-2-フェニル[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン、5-(2-ピリジル)-2H-テトラゾール、2-(2-ピリジル)ベンゾチアゾール、2-(2-ピリジル)-4-チアゾール酢酸、4-(ベンジルアミノ)-2-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン、7-デアザアデニン、5,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、2,5-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン、4-アミノ-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-7-アミン、4-[(3-メチル-2-ブテニル)アミノ]-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、4H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-4-アミン、イミダゾ[1,2-a]ピリミジン、5,7-ジメチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、8-tert-ブチル-7,8-ジヒドロ-5-メチル-6H-ピロロ[3,2-e][1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン、5,7-ジアミノ-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-d]ピリミジン、8-アザプリン、5-アミノ-2-(メチルチオ)チアゾロ[5,4-d]ピリミジン、2,5,7-トリクロロチアゾロ[5,4-d]ピリミジン、6-クロロ-2-[4-(メチルスルホニル)フェニル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン、2-メチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン、1H-イミダゾ[4,5-d]ピリダジン、1,2,4-トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン、6-クロロ-1,2,4-トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン、6-メチル-1,2,4-トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン、6,7-ジメチル-1,2,4-トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジン、6-クロロテトラゾロ[1,5-b]ピリダジン、8-メチルテトラゾロ[1,5-b]ピリダジン、6-クロロ-7-メチルテトラゾロ[1,5-b]ピリダジン、6-メトキシテトラゾロ[1,5-b]ピリダジン、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジン-6-アミン、7-メチルピラゾロ[1,5-a]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン、ピラゾロ[5,1-c][1,2,4]ベンゾトリアジン-8-オール、6,7-ジメチルピラゾロ[5,1-c][1,2,4]トリアジン-2(6H)-アミン、4,6-ジヒドロ-3,4-ジメチルピラゾロ[5,1-c][1,2,4]トリアジン、3-ヒドラジノ-7-メチル-5-フェニル-5H-ピラゾロ[3,4-e]-1,2,4-トリアジン、イミダゾ[5,1-f][1,2,4]トリアジン-2,7-ジアミン、4,5-ジメチルイミダゾ[5,1-f][1,2,4]トリアジン-2,7-ジアミン、2-アザアデニン、7,8-ジヒドロ-5-メチルイミダゾ[1,2-a][1,2,4]トリアゾロ[1,5-c][1,3,5]トリアジン、7,8-ジヒドロイミダゾ[1,2-a][1,2,4]トリアゾロ[1,5-c][1,3,5]トリアジン、1,2,4-トリアゾロ[4,3-a][1,3,5]トリアジン-3,5,7-トリアミン、5-アザアデニン、7,8-ジヒドロイミダゾ[1,2-a][1,2,4]トリアゾロ[1,5-c][1,3,5]トリアジン等が例示できる。前記複素芳香族化合物は塩酸塩又は硫酸塩などの塩の形態であってもよく、水和物であってもよい。本発明のエッチング液には、前記複素芳香族化合物の1種又は2種以上を配合できる。
【0029】
本発明のエッチング液を用いて、配線間の間隔が相違する複数のパターン領域を有する銅配線パターンを形成する場合には、前記複素芳香族化合物Aとして、後述する複素芳香族化合物A1、及び後述する複素芳香族化合物A2から選ばれる1種以上(以下、これらを総称して「特定複素芳香族化合物A」ともいう)を用いることが好ましい。
【0030】
前記複素芳香族化合物A1は、分子中に含まれる複素芳香5員環及び/又は複素芳香6員環が、アミノ基、アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ハロゲン基及びチオール基から選ばれる1種以上の置換基で置換されている化合物である。前記複素芳香族化合物A2は、分子中に含まれる複素芳香5員環及び複素芳香6員環を構成する窒素の数の合計が3つ以下の化合物である。
【0031】
配線間の間隔が相違する複数のパターン領域をエッチングにより同時に形成すると、配線間の間隔が狭いパターン領域では、配線間の間隔が広いパターン領域に比べてエッチング完了までの時間が長くなる。そのため、間隔が狭いパターン領域のエッチングが完了する時点では、間隔が広いパターン領域の銅配線が過剰にエッチングされた状態となるおそれがある。そのような場合、本発明のエッチング液では、特定複素芳香族化合物Aを用いることにより、間隔が広いパターン領域における過剰なエッチングを抑制できる。なお、上記「配線間の間隔が相違する複数のパターン領域を有する銅配線パターン」は、例えば、第1パターン領域と、この第1パターン領域の配線間の間隔よりも狭い間隔を有する第2パターン領域とを少なくとも含む銅配線パターンが例示できる。特に、第1パターン領域における配線間の間隔をD1とし、第2パターン領域における配線間の間隔をD2としたときに、D1からD2を引いた値が10μm以上である銅配線パターンを形成する際に、上記の特定複素芳香族化合物Aを用いるのが効果的である。
【0032】
また、特定複素芳香族化合物Aの代わりに複素芳香族化合物Bを用いても、上記特定複素芳香族化合物Aを用いた場合と同様の効果が得られる。この場合、複素芳香族化合物Bは、置換基で置換されていても、置換されていなくても上記効果が得られる。また、複素芳香族化合物Bは、複素芳香5員環及び複素芳香6員環を構成する窒素の数の合計が3つ以下であっても、4つ以上であっても上記効果が得られる。なお、上記効果は、特定複素芳香族化合物A及び複素芳香族化合物Bのいずれか一方だけを用いても、双方を併用しても得られる。
【0033】
前記複素芳香族化合物の濃度は、サイドエッチングを抑制し、かつ銅配線の直線性を向上させる観点から0.01〜100g/Lの範囲が好ましく、0.05〜30g/Lの範囲がより好ましい。
【0034】
本発明のエッチング液は、サイドエッチング抑制効果及び直線性向上効果をさらに高めるために、5〜7員環の脂肪族複素環を有する脂肪族複素環式化合物を含んでいてもよい。前記脂肪族複素環式化合物としては、構造安定性及び酸性液に対する溶解性の観点から、環を構成するヘテロ原子として窒素のみを有するものが好ましい。前記脂肪族複素環式化合物の具体例としては、ピロリジン骨格を有するピロリジン化合物、ピペリジン骨格を有するピペリジン化合物、ピペラジン骨格を有するピペラジン化合物、ホモピペラジン骨格を有するホモピペラジン化合物、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン骨格を有するヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン化合物等が例示できる。上記列挙した化合物は、脂肪族複素環が、アミノ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ニトロ基、ニトロソ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、アルコキシ基、ハロゲン基、アゾ基、シアノ基、イミノ基、ホスフィノ基、チオール基、スルホ基等の置換基で置換されていてもよい。本発明のエッチング液には、これらの脂肪族複素環式化合物の1種又は2種以上を配合できる。
【0035】
本発明のエッチング液に前記脂肪族複素環式化合物を配合する場合、脂肪族複素環式化合物の濃度は、0.01〜100g/Lが好ましく、0.02〜80g/Lがより好ましい。この範囲内であれば、銅配線の直線性をさらに向上させ、かつサイドエッチングをさらに効果的に抑制できる。
【0036】
本発明のエッチング液は、サイドエッチング抑制効果及び直線性向上効果をさらに高めるために、5員環及び6員環のいずれか一方のみを複素芳香環として有する複素芳香族化合物(以下、「複素芳香環化合物」という)を含んでいてもよい。複素芳香環化合物としては、構造安定性及び酸性液に対する溶解性の観点から、環を構成するヘテロ原子として窒素のみを有するものが好ましい。なお、以下の説明において、「複素芳香族化合物」は、複素芳香5員環及び複素芳香6員環の双方を分子内に含む複素芳香族化合物を指すものとする。
【0037】
前記複素芳香環化合物の具体例としては、イミダゾール骨格を有するイミダゾール化合物、ピラゾール骨格を有するピラゾール化合物、トリアゾール骨格を有するトリアゾール化合物、テトラゾール骨格を有するテトラゾール化合物等のアゾール化合物;ピリジン骨格を有するピリジン化合物;ピラジン骨格を有するピラジン化合物;ピリミジン骨格を有するピリミジン化合物;ピリダジン骨格を有するピリダジン化合物;1,3,5-トリアジン骨格を有する1,3,5-トリアジン化合物等が例示できる。上記列挙した化合物は、複素芳香環が、アミノ基、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ニトロ基、ニトロソ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、アルコキシ基、ハロゲン基、アゾ基、シアノ基、イミノ基、ホスフィノ基、チオール基、スルホ基等の置換基で置換されていてもよい。本発明のエッチング液には、これらの複素芳香環化合物の1種又は2種以上を配合できる。
【0038】
本発明のエッチング液に前記複素芳香環化合物を配合する場合、複素芳香環化合物の濃度は、0.01〜30g/Lが好ましく、0.01〜20g/Lがより好ましい。この範囲内であれば、銅配線の直線性をさらに向上させ、かつサイドエッチングをさらに効果的に抑制できる。
【0039】
本発明のエッチング液には、上述した成分以外にも、本発明の効果を妨げない程度に他の成分を添加してもよい。例えば、界面活性剤、成分安定剤、消泡剤などを添加してもよい。前記他の成分を添加する場合、その濃度は0.001〜5g/L程度である。
【0040】
前記エッチング液は、前記の各成分を水に溶解させることにより、容易に調製することができる。前記水としては、イオン性物質及び不純物を除去した水が好ましく、例えばイオン交換水、純水、超純水などが好ましい。
【0041】
前記エッチング液は、各成分を使用時に所定の濃度になるように配合してもよく、濃縮液を調製しておき使用直前に希釈して使用してもよい。前記エッチング液の使用方法は、特に限定されないが、サイドエッチングを効果的に抑制するには、後述するようにスプレーを用いてエッチングすることが好ましい。また、使用時のエッチング液の温度は、特に制限はないが、生産性を高く維持した上で、サイドエッチングを効果的に抑制するには20〜60℃で使用することが好ましい。
【0042】
本発明の補給液は、本発明のエッチング液を連続又は繰り返し使用する際に、前記エッチング液に添加する補給液であって、酸と、前記複素芳香族化合物とを含む水溶液である。前記補給液中の各成分は、上述した本発明のエッチング液に配合できる成分と同様である。前記補給液を添加することにより、前記エッチング液の各成分比が適正に保たれるため、上述した本発明のエッチング液の効果を安定して維持できる。なお、本発明の補給液には、更に塩化第二銅などの第二銅イオン源が第二銅イオン濃度で14g/Lの濃度を超えない範囲で含まれていてもよい。また、本発明の補給液には、前記成分以外に、エッチング液に添加する成分が配合されていてもよい。
【0043】
前記補給液中の各成分の濃度は、エッチング液中の各成分の濃度に応じて適宜設定されるが、上述した本発明のエッチング液の効果を安定して維持するという観点から、酸の濃度が5〜360g/L、前記複素芳香族化合物の濃度が0.05〜800g/Lであることが好ましい。
【0044】
本発明の銅配線の形成方法は、銅層のエッチングレジストで被覆されていない部分をエッチングする銅配線の形成方法において、上述した本発明のエッチング液を用いてエッチングすることを特徴とする。これにより、上述したように、銅配線の直線性を損なうことなくサイドエッチングを抑制できる。また、本発明の銅配線の形成方法を採用した銅配線形成工程において、本発明のエッチング液を連続又は繰り返し使用する場合は、上述した本発明の補給液を添加しながらエッチングすることが好ましい。前記エッチング液の各成分比が適正に保たれるため、上述した本発明のエッチング液の効果を安定して維持できるからである。
【0045】
本発明の銅配線の形成方法では、前記銅層のエッチングレジストで被覆されていない部分に、前記エッチング液をスプレーにより噴霧することが好ましい。サイドエッチングを効果的に抑制できるからである。スプレーする際、ノズルは特に限定されず、扇形ノズル又は充円錐ノズル等が使用できる。
【0046】
スプレーでエッチングする場合、スプレー圧は、0.04MPa以上が好ましく、0.08MPa以上がより好ましい。スプレー圧が0.04MPa以上であれば、保護皮膜を適切な厚みで銅配線の側面に形成できる。これにより、サイドエッチングを効果的に防止できる。なお、前記スプレー圧は、エッチングレジストの破損防止の観点から0.30MPa以下が好ましい。
【実施例】
【0047】
次に、本発明の実施例について比較例と併せて説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定して解釈されるものではない。
【0048】
表1〜3に示す組成の各エッチング液を調製し、後述する条件でエッチングを行い、後述する評価方法により各項目について評価した。なお、表1〜3に示す組成の各エッチング液において、残部はイオン交換水である。また、表1〜3に示す塩酸の濃度は、塩化水素としての濃度である。
【0049】
(使用した試験基板)
厚み12μmの電解銅箔(三井金属鉱業社製、商品名3EC−III)を積層した銅張積層板を用意し、前記銅箔をパラジウム触媒含有処理液(奥野製薬社製、商品名:アドカッパーシリーズ)で処理した後、無電解銅めっき液(奥野製薬社製、商品名:アドカッパーシリーズ)を用いて無電解銅めっき膜を形成した。次いで、電解銅めっき液(奥野製薬社製、商品名:トップルチナSF)を用いて、前記無電解銅めっき膜上に厚み10μmの電解銅めっき膜を形成し、銅層の総厚みを22.5μmとした。得られた電解銅めっき膜の表面を厚み15μmのドライフィルムレジスト(旭化成イーマテリアルズ社製、商品名:SUNFORT SPG−152)で被覆した。その後、ライン/スペース(L/S)=33μm/27μmのガラスマスクを使用して露光し、現像処理により未露光部を除去することでL/S=33μm/27μmのエッチングレジストパターンを作製した。
【0050】
(エッチング条件)
エッチングは扇形ノズル(いけうち社製、商品名:ISVV9020)を使用して、スプレー圧0.12MPa、処理温度45℃の条件で行った。エッチング加工時間は、エッチング後の銅配線の底部幅(W1)が30μmに至る時点に設定した。エッチング後、水洗、乾燥を行って、以下に示す評価を行った。
【0051】
(サイドエッチング量)
エッチング処理した各試験基板の一部を切断し、これをポリエステル製冷間埋め込み樹脂に埋め込み、銅配線の断面を観察できるように研磨加工を行った。そして、光学顕微鏡を用いて200倍で前記断面を観察し、銅配線の底部幅(W1)が30μmであることを確認するとともに頂部幅(W2)を計測して、エッチングレジストパターン幅との差(33−W2)をサイドエッチング量(μm)とした(図1参照)。結果を表1〜3に示す。
【0052】
(直線性)
エッチング処理した各試験基板を50℃の3重量%水酸化ナトリウム水溶液に60秒間浸漬し、エッチングレジストを除去した。その後、塩酸(塩化水素濃度:7重量%)を用い、扇形ノズル(いけうち社製、商品名:ISVV9020)で、スプレー圧0.12MPa、処理温度30℃、処理時間10秒で保護皮膜を除去した。そして、光学顕微鏡を用いて200倍で試験基板上面を観察し、銅配線頂部の配線幅(W2)を20μm間隔で10箇所計測し、その標準偏差を直線性(μm)とした。結果を表1〜3に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
表1,2に示すように、本発明の実施例によれば、いずれの評価項目についても良好な結果が得られた。一方、表3に示すように、比較例については、一部の評価項目で実施例に比べ劣る結果が得られた。この結果から、本発明によれば、銅配線の直線性を損なうことなくサイドエッチングを抑制できることが分かった。
【0057】
次に、配線間の間隔が相違する二つのパターン領域を有する銅配線パターンを形成した例について説明する。
【0058】
表4に示す組成の各エッチング液を調製し、後述する条件でエッチングを行い、後述する評価方法により各項目について評価した。なお、表4に示す組成の各エッチング液において、残部はイオン交換水である。また、表4に示す塩酸の濃度は、塩化水素としての濃度である。
【0059】
(使用した試験基板)
エッチングレジストパターンを作製する際、L/S=33μm/27μmのパターン領域と、L/S=60μm/150μmのパターン領域とが混在したエッチングレジストパターンを作製したこと以外は、上記と同様の試験基板を用意した。
【0060】
(エッチング条件)
エッチングは扇形ノズル(いけうち社製、商品名:ISVV9020)を使用して、スプレー圧0.12MPa、処理温度45℃の条件で行った。エッチング加工時間は、L/S=33μm/27μmのエッチングレジストパターン領域における銅配線の底部幅(W1)が30μmに至る時点に設定した。エッチング後、水洗、乾燥を行って、以下に示す評価を行った。
【0061】
(サイドエッチング量)
エッチング処理した各試験基板の一部を切断し、これをポリエステル製冷間埋め込み樹脂に埋め込み、銅配線の断面を観察できるように研磨加工を行った。そして、光学顕微鏡を用いて200倍で前記断面を観察し、L/S=33μm/27μmのエッチングレジストパターン領域と、L/S=60μm/150μmのエッチングレジストパターン領域のそれぞれの銅配線の頂部幅(W2)を計測して、エッチングレジストパターン幅との差をサイドエッチング量(μm)とした。つまり、L/S=33μm/27μmのエッチングレジストパターン領域のサイドエッチング量は、33−W2(μm)となり、L/S=60μm/150μmのエッチングレジストパターン領域のサイドエッチング量は、60−W2(μm)となる。結果を表4に示す。
【0062】
(直線性)
エッチング処理した各試験基板を50℃の3重量%水酸化ナトリウム水溶液に60秒間浸漬し、エッチングレジストを除去した。その後、塩酸(塩化水素濃度:7重量%)を用い、扇形ノズル(いけうち社製、商品名:ISVV9020)で、スプレー圧0.12MPa、処理温度30℃、処理時間10秒で保護皮膜を除去した。そして、光学顕微鏡を用いて200倍で試験基板上面を観察し、L/S=33μm/27μmのエッチングレジストパターン領域に形成された銅配線頂部の配線幅(W2)を20μm間隔で10箇所計測し、その標準偏差を直線性(μm)とした。結果を表4に示す。
【0063】
【表4】
【0064】
表4に示すように、複素芳香族化合物として特定複素芳香族化合物A又は複素芳香族化合物Bを配合した実施例24〜34は、特定複素芳香族化合物A及び複素芳香族化合物Bのいずれも配合していない実施例35〜37に比べ、L/S=60μm/150μmのエッチングレジストパターン領域の銅配線のサイドエッチングを抑制できた。なお、比較例13,14については、上記表3の結果と同様に、一部の評価項目で実施例に比べ劣る結果が得られた。
【符号の説明】
【0065】
1 銅配線
2 エッチングレジスト
3 保護皮膜
図1