(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6164767
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】密度の異なるナノ結晶を有する異なる複数の不揮発性メモリを有する半導体デバイスおよびそのための方法
(51)【国際特許分類】
H01L 29/788 20060101AFI20170710BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20170710BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20170710BHJP
H01L 27/11521 20170101ALI20170710BHJP
H01L 27/11526 20170101ALI20170710BHJP
H01L 27/11531 20170101ALI20170710BHJP
H01L 27/11568 20170101ALI20170710BHJP
H01L 27/11573 20170101ALI20170710BHJP
H01L 27/10 20060101ALI20170710BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20170710BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20170710BHJP
H01L 29/49 20060101ALI20170710BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
H01L29/78 371
H01L27/11521
H01L27/11526
H01L27/11531
H01L27/11568
H01L27/11573
H01L27/10 481
H01L27/088 C
H01L29/58 G
【請求項の数】20
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-13856(P2013-13856)
(22)【出願日】2013年1月29日
(65)【公開番号】特開2013-157604(P2013-157604A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2016年1月20日
(31)【優先権主張番号】13/362,697
(32)【優先日】2012年1月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504199127
【氏名又は名称】エヌエックスピー ユーエスエイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NXP USA,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】カン スン−テグ
(72)【発明者】
【氏名】ゴウリシャンカー エル.チンダロール
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン エイ.ウィンステッド
(72)【発明者】
【氏名】ジェーン エイ.イエーター
【審査官】
安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−015613(JP,A)
【文献】
特表2005−520318(JP,A)
【文献】
特表2010−541296(JP,A)
【文献】
特開2005−079186(JP,A)
【文献】
特表2008−504679(JP,A)
【文献】
特開2011−071240(JP,A)
【文献】
特表2007−506265(JP,A)
【文献】
特開2005−251990(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0264282(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0155967(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0011585(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0246077(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/115−11597
H01L 29/788−792
H01L 21/336
H01L 27/088−092
H01L 21/8234−8238
H01L 21/28−288
H01L 29/40−51
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスを形成するための方法において、
第1の領域および第2の領域を有する基板の表面の上方に第1の複数のナノ結晶を形成するステップであって、前記第1の複数のナノ結晶は前記第1の領域および前記第2の領域内に形成され、第1の密度を有する、第1の複数のナノ結晶を形成するステップと、
前記第1の複数のナノ結晶を形成するステップの後に、前記第1の領域とは異なる前記第2の領域において前記基板の前記表面の上方に第2の複数のナノ結晶を形成するステップであって、前記第1の複数のナノ結晶は前記第2の領域内の前記第2の複数のナノ結晶とともに第2の密度をもたらし、前記第2の密度は前記第1の密度よりも高い、第2の複数のナノ結晶を形成するステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記第1の領域内に第1のメモリトランジスタを形成するステップであって、前記第1のメモリトランジスタは第1の電荷蓄積層を備え、該第1の電荷蓄積層は前記第1の複数のナノ結晶の第1の部分を含む、第1のメモリトランジスタを形成するステップと、
前記第2の領域内に第2のメモリトランジスタを形成するステップであって、前記第2のメモリトランジスタは第2の電荷蓄積層を備え、該第2の電荷蓄積層は前記第1の複数のナノ結晶の第2の部分および前記第2の複数のナノ結晶の部分を含み、前記第2の電荷蓄積層のナノ結晶密度は前記第1の電荷蓄積層のナノ結晶密度よりも高い、第2のメモリトランジスタを形成するステップとをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の電荷蓄積層の前記ナノ結晶密度は前記第1の領域内のメモリトランジスタのナノ結晶密度の最大値に対応し、前記第2の電荷蓄積層の前記ナノ結晶密度は前記第2の領域内のメモリトランジスタのナノ結晶密度の最小値に対応する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の複数のナノ結晶を形成する前記ステップは、
前記第1の領域および前記第2の領域において前記基板の上に絶縁層を形成するステップと、
前記絶縁層内に材料を注入するステップであって、該注入は前記第1の領域ではなく前記第2の領域において実行される、注入するステップと、
前記絶縁層内に前記第2の複数のナノ結晶を形成するために前記材料をアニールするステップとを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記絶縁層を形成する前記ステップは、該絶縁層が前記第1の複数のナノ結晶の上に形成されるように実行される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の複数のナノ結晶を形成するステップは、前記材料を注入する前記ステップの前に前記絶縁層上に前記第1の複数のナノ結晶を形成するステップを備える、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の複数のナノ結晶の平均直径は前記第2の複数のナノ結晶の平均直径よりも大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の複数のナノ結晶を形成する前記ステップの前に、前記方法は、
前記基板の第3の領域から前記第1の複数のナノ結晶の一部を除去するステップと、
前記第3の領域内に論理トランジスタを形成するステップとをさらに含み、前記第2の複数のナノ結晶を形成する前記ステップは、前記第2の複数のナノ結晶が前記第3の領域内に形成されないように実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の複数のナノ結晶を形成する前記ステップの後に、前記基板の第3の領域から前記第1の複数のナノ結晶および前記第2の複数のナノ結晶の各々の一部を除去するステップと、
前記第3の領域内に論理トランジスタを形成するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
半導体デバイスを形成するための方法において、
第1の領域および第2の領域を有する基板の表面の上方に第1の複数のナノ結晶を形成するステップであって、該第1の複数のナノ結晶は前記第1の領域および前記第2の領域内に形成される、第1の複数のナノ結晶を形成するステップと、
前記第1の複数のナノ結晶を形成するステップの後に、前記第1の領域とは異なる前記第2の領域において前記基板の前記表面の上方に第2の複数のナノ結晶を形成するステップと、
前記第1の領域内に第1のメモリトランジスタを形成するステップであって、前記第1のメモリトランジスタは第1の電荷蓄積層を備え、該第1の電荷蓄積層は前記第1の複数のナノ結晶の第1の部分を含み、第1のナノ結晶密度を有する、第1のメモリトランジスタを形成するステップと、
前記第2の領域内に第2のメモリトランジスタを形成するステップであって、前記第2のメモリトランジスタは第2の電荷蓄積層を備え、該第2の電荷蓄積層は前記第1の複数のナノ結晶の第2の部分および前記第2の複数のナノ結晶の部分を含み、前記第2の電荷蓄積層は前記第1のナノ結晶密度よりも高い第2のナノ結晶密度を有する、第2のメモリトランジスタを形成するステップとを備える、方法。
【請求項11】
前記第2の複数のナノ結晶を形成する前記ステップは、
前記第1の領域および前記第2の領域において前記基板の上に絶縁層を形成するステップと、
前記絶縁層内に材料を注入するステップであって、該注入は前記第1の領域ではなく前記第2の領域において実行される、注入するステップと、
前記絶縁層内に前記第2の複数のナノ結晶を形成するために前記材料をアニールするステップとを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記絶縁層を形成する前記ステップは、前記絶縁層が前記第1の複数のナノ結晶の上に形成されるように実行される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の複数のナノ結晶を形成するステップは、前記材料を注入する前記ステップの前に前記絶縁層上に前記第1の複数のナノ結晶を形成するステップを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の複数のナノ結晶を形成する前記ステップの前に、前記方法は、
前記基板の第3の領域から前記第1の複数のナノ結晶の部分を除去するステップと、
前記第3の領域内に論理トランジスタを形成するステップとをさらに備え、前記第2の複数のナノ結晶を形成する前記ステップは、該第2の複数のナノ結晶が前記第3の領域内に形成されないように実行される、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の複数のナノ結晶を形成する前記ステップの後に、前記基板の第3の領域から前記第1の複数のナノ結晶および前記第2の複数のナノ結晶の各々の一部を除去するステップと、
前記第3の領域内に論理トランジスタを形成するステップとをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の領域内のすべてのデバイスの平均ナノ結晶密度は、前記第1の領域内のすべてのデバイスの平均ナノ結晶密度よりも約20%高い、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
半導体デバイスであって、
半導体基板の第1の連続する領域内に位置する第1の複数のメモリトランジスタであって、該第1の複数のメモリトランジスタは少なくとも1000個のメモリトランジスタを含み、該第1の複数のメモリトランジスタの各メモリトランジスタはナノ結晶を有する電荷蓄積層を備え、該第1の複数のメモリトランジスタは第1の平均密度のナノ結晶を有する、第1の複数のメモリトランジスタと、
前記第1の連続する領域とは別個の、前記半導体基板の第2の連続する領域内に位置する第2の複数のメモリトランジスタであって、該第2の複数のメモリトランジスタは少なくとも1000個のメモリトランジスタを含み、該第2の複数のメモリトランジスタの各メモリトランジスタはナノ結晶を有する電荷蓄積層を備え、該第2の複数のメモリデバイスは前記第1の平均密度よりも少なくとも20%高い第2の平均密度のナノ結晶を有する、第2の複数のメモリトランジスタとを備える、半導体デバイス。
【請求項18】
前記第1の複数のメモリトランジスタの任意のメモリトランジスタは、前記第2の複数のメモリトランジスタの各メモリトランジスタの平均ナノ結晶密度よりも低い平均ナノ結晶密度を有する、請求項17に記載の半導体デバイス。
【請求項19】
前記第2の複数のメモリトランジスタの各メモリトランジスタ内で、前記電荷蓄積層は、
前記半導体基板の上の、ナノ結晶の第1の部分が位置する誘電体層と、
前記誘電体層上に位置するナノ結晶の第2の部分とを備える、請求項17に記載の半導体デバイス。
【請求項20】
前記半導体基板の第3の領域内の複数の論理トランジスタをさらに含み、前記第3の領域にはナノ結晶は存在しない、請求項17に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体処理一般に関し、より詳細には、ナノ結晶を有する半導体デバイスを形成するための方法に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、Sung−Taeg KangおよびJane Yaterを発明者とし、本出願の譲受人に譲受される、2011年4月12日に出願された、「ナノ結晶を有する半導体デバイスを形成するための方法(METHOD FOR FORMING A SEMICONDUCTOR DEVICE HAVING NANOCRYSTALS)」と題する米国特許出願第13/085,230号(代理人整理番号AC50466TP)、および、Sung−Taeg KangおよびJane Yaterを発明者とし、本出願の譲受人に譲受される、2011年4月12日に出願された、「ナノ結晶を有する半導体デバイスを形成するための方法(METHOD FOR FORMING A SEMICONDUCTOR DEVICE HAVING NANOCRYSTALS)」と題する米国特許出願第13/085,238号(代理人整理番号AC50506TP)と関連する発明に係る出願である。
【背景技術】
【0002】
不揮発性データストレージは集積回路で一般的に使用されている。不揮発性データストレージに使用される或るタイプの半導体デバイス構造において、電荷を蓄積するためにナノ結晶が使用される。ナノ結晶の電荷捕獲能力は、ナノ結晶の密度、サイズ、および分布の影響を受ける。密度を増大させるためにより小さいナノ結晶を互いにより密接に形成することができる。しかしながら、間隔が近くなることによって、ナノ結晶が漏れおよび隣接するナノ結晶との物理的な接触の影響をより受けやすくなり、これによって、性能が低減され得る。また、より小さいナノ結晶はより大きいナノ結晶と比較して電荷容量が低減されている。より大きいナノ結晶は一般的により小さいナノ結晶と比較して互いにより離れて離間されており、それによって、それらが漏れの影響をより受けにくくなることが可能になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5937295号明細書
【特許文献2】米国特許第6060743号明細書
【特許文献3】米国特許第6808986号明細書
【特許文献4】米国特許第7550802号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、間隔がより広くなる結果として、動作中に過剰な電子を補足し得るナノ結晶間の酸化物の領域がより大きくなる。この結果として、記憶デバイスの循環耐性が低減され得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの態様では、半導体デバイスは、結果として、電荷蓄積層が第1の密度のナノ結晶を有するメモリ、および、電荷蓄積層が第1の密度と異なる第2の密度のナノ結晶を有する別のメモリをもたらすように作成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の一実施形態による、処理の一段階における半導体デバイスを示す断面図。
【
図2】本発明の一実施形態による、
図1の後続の処理の工程における半導体デバイスを示す断面図。
【
図3】本発明の一実施形態による、
図2の後続の処理の工程における半導体デバイスを示す断面図。
【
図4】本発明の一実施形態による、
図3の後続の処理の工程における半導体デバイスを示す断面図。
【
図5】本発明の一実施形態による、
図4の後続の処理の工程における半導体デバイスを示す断面図。
【
図6】本発明の一実施形態による、
図5の後続の処理の工程における半導体デバイスを示す断面図。
【
図7】本発明の一実施形態による、
図6の後続の処理の工程における半導体デバイスを示す断面図。
【
図8】本発明の一実施形態による、
図7の後続の処理の工程における半導体デバイスを示す断面図。
【
図9】本発明の一実施形態による、
図8の後続の処理の工程における半導体デバイスを示す断面図。
【
図10】本発明の一実施形態による、処理の一工程における半導体デバイスを示す断面図。
【
図11】本発明の一実施形態による、
図10の後続の処理の工程における半導体デバイスを示す断面図。
【
図12】本発明の一実施形態による、
図11の後続の処理の工程における半導体デバイスを示す断面図。
【
図13】本発明の一実施形態による、
図12の後続の処理の工程における半導体デバイスを示す断面図。
【
図14】本発明の一実施形態による、
図13の後続の処理の工程における半導体デバイスを示す断面図。
【
図15】本発明の一実施形態による、
図14の後続の処理の工程における半導体デバイスを示す断面図。
【
図16】別の実施形態による処理の一工程における半導体デバイスの上面図。
【
図17】
図16の後続の処理の工程における半導体デバイスを示す上面図。
【
図18】
図17の後続の処理の工程における半導体デバイスを示す上面図。
【
図19】
図18の後続の処理の工程における半導体デバイスを示す上面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は例として示されており、添付の図面によって限定されない。図面において、同様の参照符号は類似の要素を示す。図面内の要素は簡潔かつ明瞭にするために示されており、必ずしも原寸に比例して描かれてはいない。
【0008】
1つの態様では、半導体デバイスは、結果として、電荷蓄積層が第1の密度のナノ結晶を有するメモリ、および、電荷蓄積層が第1の密度と異なる第2の密度のナノ結晶を有する別のメモリをもたらすように作成される。
【0009】
図1は、半導体基板12の表面の上の第1の絶縁層14、および第1の絶縁層14の上の半導体層16が形成された後の半導体デバイス10を示す。半導体基板12は、ガリウムヒ素、シリコンゲルマニウム、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、シリコン、単結晶シリコンなど、および上記の組み合わせのような、任意の半導体材料または材料の組み合わせであることが可能である。第1の絶縁層14は、成長または堆積などによって基板12の上に形成され、半導体層16は、化学気相成長(CVD)などを使用することによって絶縁層14の上に堆積される。半導体層16は連続したまたは分離した膜とすることができる。1つの実施形態では、第1の絶縁層14は酸化物を含み、第1の誘電体層または下部誘電体層と称される場合もある。1つの実施形態では、半導体層16は、シリコン(たとえば、アモルファスシリコン)、ゲルマニウムなどのような半導体材料を含む。代替的に、半導体層16は金属を含んでもよい。
【0010】
図2は、アニール18が実行される、後続の処理工程における半導体デバイス10を示す。半導体層16がアニールされて、第1の複数のナノ結晶26(
図3に示す)が形成される。1つの実施形態では、アニールは摂氏約600〜950度の範囲内の温度において実行される。1つの実施形態では、アニールは摂氏約750度の温度にて実行される。
図3に示されているように、アニール18の結果として、ナノ結晶20〜24を含む第1の複数のナノ結晶26が第1の絶縁層14の上に形成される。1つの実施形態では、第1の複数のナノ結晶26は、約50〜150オングストロームの範囲内の平均直径を有する。
【0011】
なお、代替の実施形態では、半導体材料の堆積(半導体層16のCVDなど)の工程、その後のアニール(アニール18など)の工程は、第1の複数のナノ結晶26を形成するために所定数の反復にわたって繰り返すことができる。たとえば、1つの実施形態では、
図2のアニール18の後、第1の複数のナノ結晶26の密度および/またはサイズを増大するために、別の半導体材料の層を(CVDなどによって)複数のナノ結晶の上に堆積し、別のアニールを実行してもよい。さらに別の代替の実施形態では、他の方法が第1の複数のナノ結晶26を形成するために使用されてもよい。たとえば、1つの実施形態では、予め形成されたナノ結晶を第1の絶縁層14の上に堆積してもよい。別の実施形態では、半導体材料を第1の絶縁層14内に注入し、その後、第1の複数のナノ結晶26を形成するためにアニールすることができる。この実施形態では、ナノ結晶20〜24を絶縁材料によって取り囲むことができる。また、後続のアニールは、デバイスのソース領域およびドレイン領域がアニールされるときなどの、処理の後の方で実行されてもよい。
【0012】
図4は、第1の複数のナノ結晶26の上(ナノ結晶20〜24の上)に第2の絶縁層28が形成された後の半導体デバイス10を示す。
図4に示されているように、第1の複数のナノ結晶26の形成が完了した後、第2の絶縁層28を、堆積などによって、第1の複数のナノ結晶26の上に形成することができる。1つの実施形態では、第2の絶縁層28は酸化物を含み、上部誘電体層と称される場合がある。
【0013】
図5は、第2の絶縁層28内に注入30が実行される、後続の処理工程における半導体デバイス10を示す。1つの実施形態では、注入30に使用される注入材料は、シリコン、ゲルマニウムなどのような半導体材料を含んでもよく、または金属を含んでもよい。1つの実施形態では、注入30は、注入エネルギーの制御を通じて第2の絶縁層28内に集中させ、基板12内までは拡張しないシャローインプラント、即ち深さの浅い注入である。
【0014】
図6は、アニール32が実行される、後続の処理工程における半導体デバイス10を示す。それゆえ、注入30を実行した後、注入材料をアニールして、
図7に示されているような第2の複数のナノ結晶が形成される。たとえば、アニールの結果として、注入材料が結晶化して注入材料から成るナノ結晶が形成される。それゆえ、
図7に示されているように、ナノ結晶35〜38を含む第2の複数のナノ結晶34を形成する。ナノ結晶35〜38はナノ結晶20〜23の間に位置する絶縁材料の領域内に形成される。なお、ナノ結晶35〜38は、第2の絶縁層28内の様々に異なる深さにおいて形成することができ、これはエネルギーのような注入条件によって制御することができる。1つの実施形態では、第2の複数のナノ結晶34は、約30〜70オングストロームの範囲内の平均直径を有する。1つの実施形態では、第2の複数のナノ結晶34の平均直径は、第1の複数のナノ結晶26の平均直径よりも小さい。また、1つの実施形態では、第1の複数のナノ結晶および第2の複数のナノ結晶はともに、1平方センチメートル(cm
2)当たり約1×10
12個のナノ結晶よりも高いナノ結晶密度を提供する。
【0015】
図8は、第2の絶縁層28の上に半導体ゲート層40が形成された後の半導体デバイス10を示している。1つの実施形態では、半導体ゲート層40はポリシリコン層である。
図9は、ゲートスタックを形成するために半導体ゲート層40がパターニングされた後であり、かつ側壁スペーサ42ならびにソース/ドレイン領域44および46が形成された後の半導体デバイス10を示す。半導体ゲート層40がパターニングされてゲートスタックが形成され、ゲートスタックは第1の絶縁層14の一部分、第1の絶縁層14の一部分の上の第1の複数のナノ結晶26の一部分(たとえば、ナノ結晶21および22を含む)、第1の絶縁層14の一部分の上の第2の複数のナノ結晶34の一部分(たとえば、ナノ結晶36および37を含む)、第1の複数のナノ結晶および第2の複数のナノ結晶の上の第2の絶縁層28の一部、ならびに、第2の絶縁層28の一部分の上の半導体ゲート層40の一部分を含む。ゲートスタックが形成された後、ゲートスタックを取り囲む側壁スペーサ42を形成することができ、ゲートスタックの側壁に横方向に隣接するソース/ドレイン領域44,46が基板12内に形成されることができる。それゆえ、1つの実施形態では、
図9内の半導体デバイス10は、たとえば、不揮発性メモリセル内の不揮発性記憶デバイスとして使用されることができる、実質的に完成された半導体デバイスである。
【0016】
なお、第1の複数のナノ結晶を形成した後に、続いて第2の複数のナノ結晶(たとえば、ナノ結晶36および37)を形成することによって、第1の複数のナノ結晶のナノ結晶(たとえば、ナノ結晶21および22)の間に存在する絶縁材料の空隙の空間が低減される。このようにして、ナノ結晶間の絶縁材料内に捕捉され得る電子の量を低減しながら、より多くの量の電荷がナノ結晶(第1の複数のナノ結晶および第2の複数のナノ結晶の両方)内に蓄積されることができる。この結果として、たとえば、メモリセルの性能および書き込み寿命が改善されることができる。なお、さらに、第1の複数のナノ結晶26および第2の複数のナノ結晶34は異なる材料から作成されることができる。
【0017】
図10は、半導体基板52の表面の上の第1の絶縁層54、および第1の絶縁層54の上の第1の複数のナノ結晶53が形成された後の半導体デバイス50を示す。半導体基板52は、ガリウムヒ素、シリコンゲルマニウム、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、シリコン、単結晶シリコンなど、および上記の組み合わせのような、任意の半導体材料または材料の組み合わせとすることができる。1つの実施形態では、第1の絶縁層54は酸化物を含み、第1の誘電体層または下部誘電体層と称される場合もある。第1の複数のナノ結晶53はシリコンまたはゲルマニウムなどのような半導体材料を含むことができるか、または金属を含むことができる。1つの実施形態では、第1の複数のナノ結晶53(ナノ結晶55〜59を含む)は、第1の複数のナノ結晶26に関連して
図1〜
図3を参照して上述されたように、第1の絶縁層54の上に形成される。すなわち、たとえば、(アモルファスシリコンのような)半導体材料の層が(CVDなどによって)第1の絶縁層54の上に堆積されることができ、その後(上述のアニール18と同様の)アニールが実行されることができる。この半導体材料の堆積および後続のアニールは、第1の複数のナノ結晶53を形成するために、必要に応じて所定数の反復にわたって繰り返されることもできる。代替的に、他の方法が第1の複数のナノ結晶53を形成するために使用されてもよい。たとえば、予め形成されたナノ結晶が第1の絶縁層54の上に堆積されてもよい。
【0018】
図11は、注入エネルギーによって制御される深さにおいて第1の絶縁層54内に注入60が実行される、処理の後続の段階における半導体デバイス50を示す。1つの実施形態では、注入60に使用される注入材料は、シリコン、ゲルマニウムなどのような半導体材料を含んでもよく、または金属を含んでもよい。1つの実施形態では、注入60は基板52までは拡張しないシャローインプラントである。また、なお、注入60のための注入材料は、第1の複数のナノ結晶53を形成するために使用される材料とは異なる材料であることができる。また、なお、注入60の間、ナノ結晶55〜59のような第1の複数のナノ結晶53は、注入の間マスクとしての役割を果たし、それによって、注入材料はナノ結晶間に位置するとともにナノ結晶の直下ではない第1の絶縁層54の領域内に落ち着く。
【0019】
図12は、アニール62が実行される、処理の後続の段階における半導体デバイス50を示す。それゆえ、注入60が実行された後、注入材料がアニールされて、
図13に示されているような第2の複数のナノ結晶が形成される。たとえば、アニールの結果として、注入材料が結晶化して注入材料から成るナノ結晶が形成される。それゆえ、
図13に示されているように、ナノ結晶64〜67を含む第2の複数のナノ結晶63が第1の絶縁層54内に形成される。ナノ結晶55〜59が注入60の間にマスクとしての役割を果たし、注入材料がナノ結晶自体の下に落ち着くことを実質的に防止するため、ナノ結晶64〜67はナノ結晶55〜59間に位置する絶縁材料の領域内に形成される。なお、ナノ結晶64〜67は第1の絶縁層54内の様々な異なる深さにおいて形成されることができる。なお、また、第2の複数のナノ結晶63は第1の複数のナノ結晶53の下にある層(第1の絶縁層54)内に位置するため、第1の複数のナノ結晶53よりも下に位置する。1つの実施形態では、第2の複数のナノ結晶63は、約30〜70オングストロームの範囲内の平均直径を有する。1つの実施形態では、第2の複数のナノ結晶63の平均直径は、第1の複数のナノ結晶53の平均直径よりも小さい。また、1つの実施形態では、第1の複数のナノ結晶および第2の複数のナノ結晶はともに、1平方センチメートル(cm2)当たり約1e12個のナノ結晶よりも高いナノ結晶密度を提供する。
【0020】
なお、第1の複数のナノ結晶53は注入60の間はマスクの役割を果たすため、堆積による第1の複数のナノ結晶53の形成によって、第1の複数のナノ結晶53の形成および結果としての密度に対する制御の向上が可能となる。このようにして、第2の複数のナノ結晶63のナノ結晶は、第1の複数のナノ結晶53のナノ結晶間に位置する絶縁材料の領域内に形成される可能性がより高くなり、第1の複数のナノ結晶53のナノ結晶に過度に近接して位置しない。また、注入60の間、第1の複数のナノ結晶53のナノ結晶のサイズは注入60に使用される注入材料に応じて増大し得る。
【0021】
図14は、第1の複数のナノ結晶53の上(ナノ結晶55〜59の上)に第2の絶縁層68が形成された後で、かつ第2の絶縁層68の上に半導体ゲート層70が形成された後の半導体デバイス50を示す。
図14に示されているように、第1の絶縁層54の上への第1の複数のナノ結晶53の形成、および、第1の絶縁層54内への第2の複数のナノ結晶63の形成が完了した後、第2の絶縁層68を、堆積などによって、第1の複数のナノ結晶53の上に形成することができる。1つの実施形態では、第2の絶縁層68は酸化物を含み、上部誘電体と称される場合がある。また、1つの実施形態では、半導体ゲート層70はポリシリコン層である。
【0022】
図15は、ゲートスタックを形成するために半導体ゲート層70をパターニングした後であり、かつ側壁スペーサ72ならびにソース/ドレイン領域74,76を形成した後の半導体デバイス50を示す。半導体ゲート層70がパターニングされてゲートスタックが形成され、ゲートスタックは第1の絶縁層54の一部分、第1の絶縁層54内の第2の複数のナノ結晶63の一部分(たとえば、ナノ結晶65および66を含む)、第1の絶縁層54の一部分の上の第1の複数のナノ結晶53の一部分(たとえば、ナノ結晶56および57を含む)、第1の複数のナノ結晶53の一部分の上の第2の絶縁層68の一部、および、第2の絶縁層68の一部分の上の半導体ゲート層70の一部分を含む。ゲートスタックを形成した後、ゲートスタックを取り囲む側壁スペーサ72を形成することができ、ゲートスタックの側壁に横方向に隣接するソース/ドレイン領域74,76を基板22内に形成することができる。それゆえ、1つの実施形態では、
図15内の半導体デバイス50は、たとえば、不揮発性メモリセル内の不揮発性記憶デバイスとして使用することができる、実質的に完成された半導体デバイスである。
【0023】
なお、第1の複数のナノ結晶が形成された後に、続いて第2の複数のナノ結晶(たとえば、ナノ結晶65,66)を形成することによって、第1の複数のナノ結晶のナノ結晶(たとえば、ナノ結晶56,57)の間に存在する絶縁材料の空隙の空間が低減される。このようにして、ナノ結晶間の絶縁材料内に捕捉され得る電子の量を低減しながら、より多くの量の電荷をナノ結晶(第1の複数のナノ結晶および第2の複数のナノ結晶の両方)内に蓄積することができる。この結果として、たとえば、メモリセルの性能および書き込み寿命が改善されることができる。なお、さらに、第1の複数のナノ結晶53および第2の複数のナノ結晶63は異なる材料から形成することができる。
【0024】
図16には、領域102、領域104、および領域106を有する半導体デバイス100の上面図が示されている。領域102,104は、ナノ結晶を電荷蓄積に使用する不揮発性メモリデバイスを形成するためのものである。領域106は、ナノ結晶を使用しない論理トランジスタまたは他のトランジスタであり得るトランジスタを形成するためのものである。領域102,104,106は各々半導体基板の連続的な部分であり、互いに接していてもよいし、接していなくてもよい。領域102は、その中にナノ結晶108を例とする複数のナノ結晶を含む電荷蓄積層を有する。領域104は、その中にナノ結晶110を例とする複数のナノ結晶を含む電荷蓄積層を有する。同様に、領域106は、その中にナノ結晶112を例とする複数のナノ結晶を含む電荷蓄積層を有する。複数のナノ結晶が
図1〜
図4に示されているように形成されることができる。それらは別の工程によって形成されることもあり得る。密度がより低く、より小さいナノ結晶が結果としてもたらされる可能性がある、
図5〜
図7または
図11〜
図13に示されているような注入工程が使用され得る。ナノ結晶108、110、および112によって表される複数のナノ結晶は、直径が約10ナノメートルであることができ、ナノ結晶が平均約5ナノメートル離間している密度を有する。
【0025】
図17には、領域106からその複数のナノ結晶を除去した後の半導体デバイス100が示されている。これは、ナノ結晶を含まないトランジスタの形成のための領域106を準備する。不揮発性メモリ領域内のナノ結晶をパターニングする前に論理領域内の複数のナノ結晶を除去することは、不揮発性メモリの形成における一般的な手法である。
【0026】
図18には、領域102内に第2の複数ナノ結晶が形成された後の半導体デバイス100が示されており、ナノ結晶114が第2の複数を代表するナノ結晶である。第2の複数は、
図5〜
図7または
図11〜
図13に示されている注入工程を使用して形成されることができる。ナノ結晶114によって表される第2の複数のナノ結晶は、ナノ結晶108によって表される複数のナノ結晶よりも密度が低い可能性が高く、また、ナノ結晶108によって表される複数の半分であり得る平均サイズを有する。ナノ結晶108によって表される複数のナノ結晶およびナノ結晶114によって表される第2の複数のナノ結晶の両方を有するとき、領域102内のナノ結晶の密度は領域104のものよりも著しく高い。したがって、ナノ結晶の密度がより高い領域102の方が、耐性が相対的により重要である状況にとってはより良好である。データ保持が相対的により重要である場合、領域104の方がより良好である。領域102のナノ結晶密度は領域104のものよりも少なくとも20パーセント高いことが予想できる。
【0027】
図19には、不揮発性メモリセル116、不揮発性メモリセル118、および論理トランジスタであり得るトランジスタ120が示されている。それらのすべてが、
図18に示されている処理の段階に達した後に従来の処理によって形成されることができる。不揮発性メモリセル116は領域102内に形成され、ゲート122、ゲート122の周囲の側壁スペーサ124、基板113内に形成されるソース/ドレイン領域126、および基板113内に形成されるソース/ドレイン領域128を有する。ソース/ドレイン領域126,128の間の領域の上で、かつゲート122と基板113との間には、ナノ結晶108によって表される複数のナノ結晶に由来する、ナノ結晶130によって表される複数のナノ結晶と、ナノ結晶114によって表される第2の複数のナノ結晶に由来する、ナノ結晶132によって表される複数のナノ結晶とを含む電荷蓄積層117がある。不揮発性メモリセル118は領域104内に形成され、ゲート134、ゲート134の周囲の側壁スペーサ136、基板113内に形成されるソース/ドレイン領域138、および基板113内に形成されるソース/ドレイン領域140を有する。ソース/ドレイン領域138と140との間の領域の上で、かつゲート134と基板113との間には、ナノ結晶110によって表される複数のナノ結晶に由来する、ナノ結晶142によって表される複数のナノ結晶を含む電荷蓄積層119がある。トランジスタ120は、ゲート144、ゲート144の周囲の側壁スペーサ146、ソース/ドレイン領域148、ソース/ドレイン領域150、およびソース/ドレイン領域148と150との間で、かつ基板113とゲート144との間にあるゲート誘電体121を有する。ゲート誘電体121は、電荷蓄積層117および119と比較して相対的に薄いものであり得る。相対的に大きいナノ結晶および相対的に小さいナノ結晶の両方を有する電荷蓄積層117は、ナノ結晶の密度が相対的に低い電荷蓄積層119よりもナノ結晶の密度が高く、したがって、不揮発性メモリセル116は耐久性がより高く、不揮発性メモリセル118はデータ保持力がより高い。この理由は、ナノ結晶間、および上部誘電体を通過する高エネルギー電子によって耐久性が劣化し、上部誘電体に損傷を与えることであると考えられる。ナノ結晶の密度がより高くなると、ナノ結晶間を通過する電子の発生が低減される。そのような発生がこのように低減することによって、上部誘電体に対する損傷が低くなり、耐久性が改善される。他方、ナノ結晶を互いにより接近させ、それによってナノ結晶間の電荷漏れが生じることによって、外因性データ保持が劣化する。したがって、ナノ結晶密度の向上による耐久性の改善はデータ保持を低減する効果を有する。
【0028】
したがって、同じ半導体デバイス上で、不揮発性メモリは異なる耐久性およびデータ保持特性を有する。耐久性の方が相対的により優先度が高い機能、および、データ保持の方が相対的により優先度が高い他の機能を実行するために1つの半導体デバイスが求められることは珍しくない。そのような場合、不揮発性メモリは、一方の領域がデータ保持がより高く、もう一方の領域が耐久性がより高い、異なる複数の領域に分割されることができる。代替形態として、
図10〜
図15に示されている工程は、異なる電荷蓄積層内に異なる種類のナノ結晶があるように使用することができる。
【0029】
以上に、半導体デバイスを形成するための方法を記載した。本方法は、第1の領域および第2の領域を有する基板の表面の上に第1の複数のナノ結晶を形成するステップを含み、第1の複数のナノ結晶は第1の領域および第2の領域内に形成され、第1の密度を有する。本方法は、第1の複数のナノ結晶を形成するステップの後に、第1の領域ではなく第2の領域において基板の表面の上に第2の複数のナノ結晶を形成するステップを含み、第1の複数のナノ結晶は第2の領域内の第2の複数のナノ結晶とともに第2の密度をもたらし、第2の密度は第1の密度よりも高い。本方法は、第1の領域内に第1のメモリトランジスタを形成するステップであって、第1のメモリトランジスタは第1の電荷蓄積層を備え、第1の電荷蓄積層は第1の複数のナノ結晶の第1の部分を含む、第1のメモリトランジスタを形成するステップと、第2の領域内に第2のメモリトランジスタを形成するステップであって、第2のメモリトランジスタは第2の電荷蓄積層を備え、第2の電荷蓄積層は第1の複数のナノ結晶の第2の部分および第2の複数のナノ結晶の部分を含み、第2の電荷蓄積層のナノ結晶密度は第1の電荷蓄積層のナノ結晶密度よりも高い、第2のメモリトランジスタを形成するステップとをさらに含むことができる。本方法は、第1の電荷蓄積層のナノ結晶密度が第1の領域内のメモリトランジスタの最大ナノ結晶密度に対応し、第2の電荷蓄積層のナノ結晶密度が第2の領域内のメモリトランジスタの最小ナノ結晶密度に対応することをさらに特徴とすることができる。本方法は、第2の複数のナノ結晶を形成するステップが、第1の領域および第2の領域において基板の上に絶縁層を形成するステップと、絶縁層内に材料を注入するステップであって、注入は第1の領域ではなく第2の領域において実行される、注入するステップと、絶縁層内に第2の複数のナノ結晶を形成するために材料をアニールするステップとを含むことをさらに特徴とすることができる。本方法は、絶縁層を形成するステップが、当該絶縁層が第1の複数のナノ結晶の上に形成されるように実行されることをさらに特徴とすることができる。本方法は、第1の複数のナノ結晶を形成するステップが、材料を注入するステップの前に絶縁層上に第1の複数のナノ結晶を形成するステップを含むことをさらに特徴とすることができる。本方法は、第1の複数のナノ結晶の平均直径が第2の複数のナノ結晶の平均直径よりも大きいことをさらに特徴とすることができる。本方法は、第2の複数のナノ結晶を形成するステップの前に、基板の第3の領域から第1の複数のナノ結晶の部分を除去するステップであって、第2の複数のナノ結晶を形成するステップは、第2の複数のナノ結晶が第3の領域内に形成されないように実行される、除去するステップと、第3の領域内に論理トランジスタを形成するステップとをさらに含むことができる。本方法は、第2の複数のナノ結晶を形成するステップの後に、基板の第3の領域から第1の複数のナノ結晶および第2の複数のナノ結晶の各々の部分を除去するステップと、第3の領域内に論理トランジスタを形成するステップとをさらに含むことができる。
【0030】
同じく、半導体デバイスを形成するための方法であって、第1の領域および第2の領域を有する基板の表面の上に第1の複数のナノ結晶を形成するステップを含み、第1の複数のナノ結晶は第1の領域および第2の領域内に形成される、方法である。本方法は、第1の複数のナノ結晶を形成するステップの後に、第1の領域ではなく第2の領域において基板の表面の上に第2の複数のナノ結晶を形成するステップをさらに含むことができる。本方法は、第1の領域内に第1のメモリトランジスタを形成するステップをさらに含むことができ、第1のメモリトランジスタは第1の電荷蓄積層を備え、第1の電荷蓄積層は第1の複数のナノ結晶の第1の部分を含み、第1のナノ結晶密度を有する。本方法は、第2の領域内に第2のメモリトランジスタを形成するステップをさらに含むことができ、第2のメモリトランジスタは第2の電荷蓄積層を備え、第2の電荷蓄積層は第1の複数のナノ結晶の第2の部分および第2の複数のナノ結晶の部分を含み、第2の電荷蓄積層は第1のナノ結晶密度よりも高い第2のナノ結晶密度を有する。本方法は、第2の複数のナノ結晶を形成するステップが、第1の領域および第2の領域において基板の上に絶縁層を形成するステップと、絶縁層内に材料を注入するステップであって、注入は第1の領域ではなく第2の領域において実行される、注入するステップと、絶縁層内に第2の複数のナノ結晶を形成するために材料をアニールするステップとを含むことをさらに特徴とすることができる。本方法は、絶縁層を形成するステップが、当該絶縁層が第1の複数のナノ結晶の上に形成されるように実行されることをさらに特徴とすることができる。本方法は、第1の複数のナノ結晶を形成するステップが、材料を注入するステップの前に絶縁層上に第1の複数のナノ結晶を形成するステップを含むことをさらに特徴とすることができる。本方法は、第2の複数のナノ結晶を形成するステップの前に、基板の第3の領域から第1の複数のナノ結晶の部分を除去するステップであって、第2の複数のナノ結晶を形成するステップは、第2の複数のナノ結晶が第3の領域内に形成されないように実行される、除去するステップと、第3の領域内に論理トランジスタを形成するステップとをさらに含むことができる。本方法は、第2の複数のナノ結晶を形成するステップの後に、基板の第3の領域から第1の複数のナノ結晶および第2の複数のナノ結晶の各々の部分を除去するステップと、第3の領域内に論理トランジスタを形成するステップとをさらに含むことができる。本方法は、第2の領域内のすべてのデバイスの平均ナノ結晶密度が、第1の領域内のすべてのデバイスの平均ナノ結晶密度よりも約20%高いことをさらに特徴とすることができる。
【0031】
半導体基板の第1の連続する領域内に位置する第1の複数のメモリトランジスタを含む半導体デバイスも開示され、第1の複数のメモリトランジスタは少なくとも1000個のメモリトランジスタを含み、第1の複数のメモリトランジスタの各メモリトランジスタはナノ結晶を有する電荷蓄積層を備え、第1の複数のメモリトランジスタは第1の平均密度のナノ結晶を有する。半導体デバイスは、第1の連続する領域とは別個の、半導体基板の第2の連続する領域内に位置する第2の複数のメモリトランジスタをさらに含み、第2の複数のメモリトランジスタは少なくとも1000個のメモリトランジスタを含み、第2の複数のメモリトランジスタの各メモリトランジスタはナノ結晶を有する電荷蓄積層を備え、第2の複数のメモリデバイスは第1の平均密度よりも少なくとも20%高い第2の平均密度のナノ結晶を有する。半導体デバイスは、第1の複数のメモリトランジスタの任意のメモリトランジスタが、第2の複数のメモリトランジスタの各メモリトランジスタの平均ナノ結晶密度よりも低い平均ナノ結晶密度を有することをさらに特徴とすることができる。半導体デバイスは、第2の複数のメモリトランジスタの各メモリトランジスタ内で、電荷蓄積層が、半導体基板の上の、ナノ結晶の第1の部分が位置する誘電体層と、誘電体層上に位置するナノ結晶の第2の部分とを備えることをさらに特徴とすることができる。半導体デバイスは、半導体基板の第3の領域内の複数の論理トランジスタをさらに含むことができ、第3の領域にはナノ結晶は存在しない。
【0032】
本明細書において、具体的な実施形態を参照して本発明を説明したが、添付の特許請求の範囲に明記されているような本発明の範囲から逸脱することなく様々な改変および変更を為すことができる。たとえば、第2の複数のナノ結晶からのナノ結晶のみが不揮発性メモリセルを形成するために使用される第4の領域が形成され得、したがって、第3のカテゴリの不揮発性メモリセルが形成される。これは、注入によって、第1の形成されたナノ結晶が除去された領域内にナノ結晶を形成することによって達成され得る。したがって、本明細書および図面は限定的な意味ではなく例示とみなされるべきであり、すべてのこのような改変が本発明の範囲内に含まれることが意図されている。本明細書において具体的な実施形態に関して記載されているいかなる利益、利点、または問題に対する解決策も、任意のまたはすべての請求項の重要な、必要とされる、または基本的な特徴または要素として解釈されるようには意図されていない。
【0033】
本明細書および特許請求の範囲における「正面(front)」、「裏(back)」、「上部(top)」、「底(bottom)」、「上(over)」、「下(under)」などは、存在する場合、説明を目的として使用されており、必ずしも永久的な相対位置を記述するために使用されてはいない。このように使用される用語は、本明細書に記載されている本発明の実施形態がたとえば、本明細書において例示または他の様態で記載されている以外の方向で動作することが可能であるように、適切な状況下で置き換え可能であることが理解される。さらに、本明細書において使用される場合、「1つ(“a”or“an”)」という用語は、1つまたは2つ以上として定義される。
【0034】
さらに、特許請求の範囲における「少なくとも1つの」および「1つまたは複数の」のような前置きの語句の使用は、不定冠詞「1つの(狽#or狽≠飼)」による別の請求項要素の導入が、このように導入された請求項要素を含む任意の特定の請求項を、たとえ同じ請求項が前置きの語句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「1つの(狽#or狽≠飼)」のような不定冠詞を含む場合であっても、1つだけのこのような要素を含む発明に限定することを暗示するように解釈されるべきではない。同じことが、定冠詞の使用についても当てはまる。
【0035】
別途記載されない限り、「第1の」および「第2の」のような用語は、そのような用語が説明する要素間で適宜区別するように使用される。したがって、これらの用語は必ずしも、このような要素の時間的なまたは他の優先順位付けを示すようには意図されていない。
【符号の説明】
【0036】
10…半導体デバイス、12…半導体基板、14…絶縁層、20〜24…第1のナノ結晶、28…絶縁層、35〜38…第2のナノ結晶、40…ゲート層、42…側壁スペーサ、44,46…ソース/ドレイン領域。