(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記画像は、判定対象の前記シーラー線の全体、及び前記判定対象の前記シーラー線の一部であって、前記穴あきの断面を含む請求項1に記載のシーラー塗布要件チェック装置。
前記画像は、判定対象の前記シーラー線の全体、及び前記判定対象の前記シーラー線の一部であって、前記穴あきの断面を含む請求項3に記載のシーラー塗布要件チェックプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のシーラー塗布要件チェック装置、シーラー塗布要件チェックプログラム、及びシーラー塗布要件チェックを記憶した記憶媒体を具体化した一実施形態を
図1〜
図10を参照して説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態のシーラー塗布要件チェック装置10は、コンピュータにより構成されており、CPU100、ROM110、RAM120、記憶装置130を備え、バス150により各構成要素が接続されている。記憶装置130は、不揮発性であって、例えばハードディスク、Flash SSD(Solid State Drive)等の書き込み、書き出し可能な記憶手段により構成されている。
【0018】
ROM110は、シーラー塗布要件チェックプログラムが格納されている。ROM110は記憶媒体に相当する。また、RAM120は、前記シーラー塗布要件チェックプログラムを実行する際の作業用メモリとなる。また、記憶装置130にはCADに使用されるワークの3D(3次元)データを格納する記憶領域と、3次元データのシーラー線、シーラー(シール剤)の仕上げタイプ、及び前記ワークを構成している部品の部品情報を記憶する記憶領域を有する。
【0019】
前記ワークは、例えば、種々の部品が組み付けられて構成された車体であるが、限定するものではない。
前記シーラー線は、前記ワーク上の部品間において、シーラーを施すべきラインであり、3次元データからなる。すなわち、前記シーラー線は、前記ワークに施工されるシーラーに関する複数のシーラー線がある。
【0020】
シーラーの仕上げタイプは、シーラー塗布後に、仕上げ用へら及びハケを使用して仕上げを行うか、否かの情報等のシーラーの仕上げの種類である。
部品情報には、例えば部品毎に識別データである品番、板向き、板厚、及び板厚方向が含まれている。なお、板向きは、部品のシーラーが施される面(例えば表面、或いは裏面)を指す。
【0021】
また、シーラー塗布要件チェック装置10には、表示装置160、キーボード170、マウス180及びプリンタ190が接続されている。
本実施形態では、CPU100は、板厚作成部、判定部、測定部、画像作成部及び出力部に相当する。また、記憶装置130は、ワークの3次元データ及びシーラー線の3次元データを記憶する記憶部に相当する。ワーク毎に、前記シーラー線が関連付けられている。
【0022】
(実施形態の作用)
次に、上記のように構成されたシーラー塗布要件チェック装置10の作用を説明する。
図2は、前記シーラー塗布要件チェックプログラムに従って、CPU100が実行する穴あきチェックのフローチャートである。
【0023】
このプログラムを実行する場合、作業者は、キーボード170、マウス180の操作部を操作して、表示装置160の表示画面160aにメニュー画面を表示させる。そして、このメニュー画面において、チェックするべきワークの3次元データの識別コードを入力する。前記ワークの識別コードが入力されると、CPU100は、当該ワークの各シーラー線に付与された識別コードを読み出して、チェック対象となるシーラー線を選択する図示しない選択ボタンを表示画面160aに表示させる。
【0024】
この選択ボタンは、個別にシーラー線のチェックを行うための選択ボタン、及び、複数(全数を含む)のシーラー線のチェックを行うための選択ボタンを含む。
また、メニュー画面には、結果リストの出力が可能な結果リスト出力ボタンが表示される。
【0025】
作業者は、メニュー画面上の穴あきチェック項目の操作ボタンを操作することにより前記プログラムを起動する。
(S10)
図2に示すようにS10では、CPU100は、記憶装置130から、前記識別コードに対応するワークの3次元データ、すなわち、種々の部品が組み付けられたワーク、並びに、そのワークに関連付けられたシーラー線、シーラーの仕上げタイプ、及び部品情報を読み込む。
【0026】
(S20)
S20では、CPU100は、前記部品情報に基づいて、前記ワークを構成している部品の3次元データに部品の板厚を、板厚方向に従って作成し前記表示画面160aに表示する。例えば、
図3(a)は、部品Wb1,Wb2の板厚を付与する前の画像を示し、
図3(b)は部品Wb1,Wb2の板厚を付与した後の画像を示している。なお、
図3(a)、
図3(b)において、部品Wb1,Wb2の境界線L(すなわち、両部材の板合わせ部分)を実線で示し、シーラー線SEを一点鎖線で示している。また、
図3(a)、及び
図3(b)においては、実際にはシーラー線SEは境界線Lと同じ線上にあるが、説明の便宜上、若干ずらして平行に図示している。
【0027】
シーラーは、相対する2つの部品間をシールするために施工される。このため、シーラー線SEは、前記2つの部品のうち、一方の部品のエッジに沿うように作成されている。なお、一方の部品のエッジに沿うとは、シーラー線SEが一方の部品のエッジに一致して、又は前記一方の部品のエッジに近位の位置を通る場合も含む趣旨である。近位の位置とは、前記一方の部品のエッジの方が、他方の相対する部品よりもシーラー線SEが近いと言う意味である。
【0028】
(S30)
S30では、
図3(c)に示すように、CPU100は、シーラー線に沿って、シーラー3D形状SLを作成する。シーラー3D形状SLの大きさは、塗布ガンの仕様に応じて、操作部により設定入力可能である。
【0029】
また、本実施形態では、シーラー3D形状SLは断面長方形状としているが、この形状に限定するものではない。例えば、シーラーの仕上げタイプが、仕上げ用へら及びハケを使用して仕上げを行う場合には、
図3(d)に示すように、シーラー3D形状SLを扁平状に形成するようにしてもよい。これらの形状は、前記操作部により設定入力可能である。
【0030】
(S40〜S80)
図2に示すS40〜S80は、ループ処理であって、前記シーラー線SE上で作成したシーラー3D形状SLの始端から開始して、これらの処理を行い、シーラー3D形状SLの終端に達するとこのループ処理を終了し、S90に移行する。
【0031】
なお、複数のシーラー線がチェック対象に選択されている場合は、選択された順にシーラー線毎に、同様にしてS40〜S80の処理を繰り返す。
(S40)
S40では、CPU100は、シーラー3D形状SLの始端から穴あきの検出を開始する。穴あきの検出は、下記のようにして行う。
【0032】
CPU100は、
図5に示すようにシーラー線SE上に干渉チェック球モデルCMを形成し、前記始端から干渉チェック球モデルCMを、シーラー線SE上を連続的に移動させる。前記干渉チェック球モデルCMは、シーラーが形成された際、前記シーラーが、シーラー線SEと相対する部品に届く範囲を示すものである。
【0033】
そして、CPU100は、干渉チェック球モデルCMと、シーラー線SEと相対する部品面とが干渉しているか否かをチェックする。
なお、干渉チェック球モデルCMの初期位置は、シーラー3D形状SLの始端であるが連続的に移動して、干渉無し(穴あき)を検出した場合は、干渉無しフラグをセットして、干渉が有るまでさらに干渉チェック球モデルCMの移動を継続する。そして、干渉無し(穴あき)を検出した後、干渉が有った場合は、CPU100は、干渉チェック球モデルCMの干渉有りの位置を、一旦バッファに記憶し、S50に移行する。
【0034】
また、CPU100は、前記干渉無し(穴あき)が継続している間の移動中において、サンプリング周期毎に穴寸法を測定し、バッファに記憶する。また、前記サンプリング周期と合わせて、その時刻における干渉チェック球モデルCMの位置をバッファに記憶する。
【0035】
前記穴寸法は、干渉チェック球モデルCMの中心が位置する一方の部品のエッジの面、又は前記中心が近接する一方の部品のエッジの部位の面と、前記面と相対する他方の部品の面との間の距離である。
【0036】
(穴寸法の測定)
ここで、穴寸法の測定方法は種々あるが、その一例について説明する。
例えば、CPU100は、干渉チェック球モデルCMの中心から球モデルの移動方向の接線を算出し、その球の中心を通過するとともに前記接線と垂直な平面(すなわち、垂直平面)を算出する。
【0037】
そして、CPU100は、シーラー線SEに沿って施工されるシーラーによりシールされるべき2つの部品の面またはエッジに、その垂直な平面が公差する公差部位がある場合、その公差部位と前記球の中心側の部品の面との距離を算出する。そして、干渉無しの期間中において、算出した距離の最大値が最大径となり、最小値が最小径となる。
【0038】
より具体的に説明すると、
図6に示すように、部品M1,M2が重ね合わされており、シーラー線SEが部品M1のエッジ上において二点差線で示すようにある場合を示している。ここで、ポジションP20に干渉チェック球モデルCMが位置する場合、の球モデルの中心をO1、接線をL1、垂直平面をH1とする。また、ポジションP30に干渉チェック球モデルCMが位置する場合、球モデルの中心をO2、接線をL2、垂直平面をH2とする。
【0039】
図6に示す部品M1に垂直平面H1と交差する部位(公差部位)がある場合、CPU100は穴寸法R1を測定する。
また、
図6に示す部品M2に垂直平面H2と交差する部位(公差部位)がある場合、CPU100は穴寸法R2を測定する。
【0040】
図2の話に元に戻して、初期位置以降の干渉チェック球モデルCMの位置は、ループ処理が行われる毎に、S40では、前記した一旦バッファに記憶した位置から、終端側へ移動することになる。
【0041】
(S50)
S50では、CPU100は、干渉無しフラグをセットしていない場合は、「干渉有り」であるため、S80にジャンプする。
【0042】
また、CPU100は、干渉無しフラグをセットしている場合は、「干渉無し」であるため、S60に移行する。
例えば、
図5は、部品20のエッジにシーラー線SEが一致している場合において、シーラー線SEを、干渉チェック球モデルCMの中心にしたときの、干渉チェック球モデルCMが他方の部品30に干渉していない場合を示している。この場合は、S60に移行することになる。
【0043】
(S60)
S60では、CPU100は、前記バッファで記憶した穴寸法のうち最大値を、最大径として採用する。また最大径をとる垂直平面と直交する垂直平面がある場合、前記直交する垂直平面上で測定した穴寸法の中から最小値となる部分を探索するとともにその最小値を穴寸法の最小径とする。
【0044】
また、CPU100は、この穴あきに対して、識別番号をインクリメントして付与するとともに、NGフラグ(NO GOODフラグ)をセットする。
また、CPU100は、前記穴寸法の最大値となる場合の干渉チェック球モデルCMの位置の3D座標(3次元座標)を、前記バッファから記憶装置130に記憶する。
【0045】
なお、前記3D座標は、穴寸法の最大値をとる干渉チェック球モデルCMの位置の座標に限定するものではなく、例えば穴あきの始まる始点、穴あきの終点の座標であってもよい。また、穴あきとなる部位に関連する干渉チェック球モデルCMの座標であればよい。
【0046】
(S70)
S70では、CPU100は、NGフラグがセットされた穴あきに関して、前記ワークの3D(3次元)データ及び3次元データのシーラー線に基づいて、画像作成を行う。
【0047】
画像作成には、
図7に示すワーク全体の画像(すなわち、全体図)の作成を含む。このワーク全体の画像において、太線はシーラー線SEを示している。このようにして、本実施形態では、判定対象のシーラー線SEの全体の画像を作成するようにしている。なお、判定対象のシーラー線SEの全体の画像が作成できるのであれば、ワーク全体の画像は必ずしも必要ではない。例えば、ワークの全体画像を作成すると、帳票作成の時に、判定対象のシーラー線SEの全体が極めて小さくなる場合には、ワーク全体ではなく、そのワークの一部に前記判定対象のシーラー線SEの全体が入るように作成してもよい。
【0048】
また、
図4に示すように、画像作成には前記NGフラグがセットされた穴あきを有するシーラー線SE及びワークを拡大した画像作成、すなわち、拡大図の作成を含む。また、画像作成にはさらに
図5に示すように前記NGフラグがセットされた穴あきを有するシーラー線の当該穴あきを拡大した拡大断面図の作成を含む。
【0049】
(S80)
S80では、複数(全数を含む)のシーラー線のチェックを行うための選択ボタンが選択されていた場合、CPU100はシーラー線毎に、複数(全数を含む)のNGフラグがセットされた穴あきを、識別番号順に、3D座標を載せて結果リストを作成する。また、個別にシーラー線のチェックを行うための選択ボタンが選択されていた場合に、CPU100は、シーラー線毎に、複数(全数を含む)のNGフラグがセットされた穴あきを、識別番号順に3D座標を載せて結果リストを作成する。
【0050】
そして、CPU100は、作成した結果リストを表示装置160の表示画面160aに表示する。
図10は、1つのシーラー線毎に作成した結果リストの一例である。
【0051】
図10に示すように、結果リストは、当該シーラー線毎に、穴あきの識別番号欄C1、穴あきの3D座標欄C2、チェック項目欄C3、穴寸法欄C4を有する。
すなわち、結果リストの識別番号欄C1には識別番号が、3D座標欄C2にはその穴あきの3D座標が、チェック項目欄C3には「穴あきチェック」が、穴寸法欄C4にはその穴あきの最大径と最小径が載る。
【0052】
なお、S50から、S80に移行した場合、干渉無しフラグがセットされていないため、CPU100は各欄C1,C2,C3,C4の各升目を空欄にした結果リストを作成する。
【0053】
この後、CPU100は、シーラー3D形状の終端に達しない限りS40に戻る。
また、CPU100は、シーラー3D形状の終端に達した場合は、表示装置160の表示画面160a上に、図示しない資料作成ボタンを表示してS90に移行する。
【0054】
(S90)
図2に示すように、S90では、CPU100は、操作者が表示画面160a上に表示された資料作成ボタンが、作業者のマウス180等による操作により押下されるまで待機する。
【0055】
前記資料作成ボタンが押下されると、CPU100は、
図2に示すシーラー塗布要件チェックプログラムにおけるS100〜S120の帳票作成のための処理を実行する。
(S100〜S120)
S100〜S120は、帳票作成のためのループ処理であり、CPU100は全てのシーラー線毎に繰り返して処理する。
【0056】
(S100)
S100では、CPU100は、S80で、シーラー線毎に作成した結果リストの識別番号順に穴あきがあるか否かを判定する。
【0057】
穴あきがない場合には、次のシーラー線について同様に処理を行う。
S100で、1つでも穴あきがある場合には、CPU100はS110に移行する。
(S110)
S110では、CPU100は前記結果リストの穴あきの識別番号毎に、予め設定されている帳票フォーマットに対してS70で作成した画像(全体図、拡大図、拡大断面図)を組み込む(貼付する)。なお、帳票フォーマットは、前記プログラムに予め記述されている。
【0058】
図9は帳票フォーマットの一例である。
図9の帳票フォーマットでは、例えば、帳票の題名「構造変更提案書」欄P0、「依頼理由」欄P1、「問題」の書き込み欄P2、「変更依頼内容」書き込み欄P3、「設計回答」欄P4、及び管理ナンバー領域P5がレイアウトされている。前記「依頼理由」欄P1には、さらに、ワークの全体図が貼り付けられる領域P11、拡大図が貼り付けられる領域P12、断面図が貼り付けられる領域P13を有する。なお、全体図に対する、当該シーラー線の拡大図の拡大率は、予め設定されている。
【0059】
領域P11に貼り付けられるワークWの全体図の例を
図7に示す。また、領域P12に貼り付けられるシーラー線SEの拡大図の例を
図8に示す。
なお、
図9の帳票フォーマットの各欄、及び領域のレイアウトは一例であって、限定するものではない。
【0060】
(S120)
S120では、
図6に示すように前記帳票フォーマットにある「問題」の書き込み欄P2には、定型文「穴あきn mmのためシール切れ発生」を使用して、前記「n」に、当該穴あきの穴寸法の最大値(最大径)を入れて、コメントを作成する。また、CPU100は、ワークを構成している部品において、当該シーラー線に関係している部品の部品情報に基づいて部材の品番、すなわち記号作成を行う(
図9参照)。
【0061】
また、
図8、
図9に示すように、判定対象となったシーラー線SEにおいて、穴寸法が最大値(最大径)となる部分の断面箇所を示すための切断線であるB−B線を、CPU100は表示装置160の表示画面160aに表示する。前記切断線は、穴寸法が最大値となる部位を通るとともに、シーラー線SEに垂直な平面に含まれる線である。また、CPU100は、前記B−B線で切断された断面図を領域P13に貼り付ける。
【0062】
また、CPU100は領域P13に貼り付けられた図には、穴寸法の最大値(最大径)である数値を表示する。
また、CPU100は、「変更依頼内容」書き込み欄P3には、変更要求のコメントである定型文「穴あき A mm以下に変更願います。」を使用して、前記A中の「A」に前記判定値Aの数値を入れてコメントを作成する。判定値Aは干渉チェック球モデルCMの球の半径である。
【0063】
前記変更要求のコメントは一例であって、前記のものに限定するものではない。また、「A」は、予めシーラー塗布要件チェックプログラムで使用される変数であるが、この数値は、使用する塗布ガンの仕様に応じて、作業者がキーボード170等の操作部により設定変更が可能である。
【0064】
シーラー線が複数ある場合は、再び、S100にリターンした同様の処理を繰り返す。このループ処理が終了すると、CPU100はS130に移行する。
(S130)
S130では、CPU100はループ処理で得られた帳票を表示装置160の表示画面160aに表示出力し、このフローチャートを終了する。
【0065】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) 本実施形態のシーラー塗布要件チェック装置10の記憶装置130(記憶部)は、ワークを構成する複数の部品の3次元データと、前記部品のうち、相対する2つの部品間に設定されたシーラー線の3次元データを記憶する。また、シーラー塗布要件チェック装置10のCPU100は、板厚作成部として前記シーラー線に関係する前記2つの前記部品の板厚を作成する。CPU100は、判定部としてシーラーの干渉チェック球モデルをシーラー線上に沿って移動させて、干渉チェック球モデルが前記シーラーの干渉チェック球モデルと干渉すべき部品に対して干渉しない部位がある場合に当該部位を穴あきとして判定する。また、CPU100は、測定部として前記穴あきの大きさを測定する。さらに、CPU100は、画像作成部として、前記ワークを構成する複数の部品の3次元データに基づいて、前記穴あきを含む前記シーラー線に関する部分の画像を作成する。
【0066】
そして、CPU100は、出力部として前記穴あきを含む前記シーラー線に関する部分の画像、並びに、前記穴あきの大きさ及び変更要求のコメントを出力する。
この結果、本実施形態のシーラー塗布要件チェック装置10によれば、シーラー線の穴あきの作業者によるチェック作業を軽減し、自動的にチェック結果であるシーラーを施すのに不適当な穴あきを明示することができる。
【0067】
(2) 本実施形態のシーラー塗布要件チェック装置10のCPU100が出力する画像には、判定対象のシーラー線の全体、及び前記判定対象の前記シーラー線の一部であって、前記穴あきの断面を含むようにしている。
【0068】
この結果、判定対象のシーラー線の全体、及び前記判定対象の前記シーラー線の一部であって、穴あきの断面の画像が提示されるため、作業者は、穴あきの場所の確認を容易に行うことができる。
【0069】
(3) 本実施形態の、シーラー塗布要件チェックプログラムは、コンピュータ
を、ワークを構成する複数の部品の3次元データと、前記部品のうち、相対する2つの部品間に設定されたシーラー線の3次元データを記憶する記憶部として機能させる。また、前記プログラムは、コンピュータ
を、前記シーラー線に関係する前記2つの前記部品の板厚を作成する板厚作成部として機能させる。前記プログラムは、コンピュータ
を、前記シーラーの干渉チェック球モデルを、前記シーラー線上に沿って移動させ
て、前記干渉チェック球モデルが、前記シーラーの干渉チェック球モデルと干渉すべき部品に対して干渉しない部位がある場合に当該部位を穴あきとして判定する判定部として機能させる。また、前記プログラムは、コンピュータ
を、前記穴あきの大きさを測定する測定部として機能させる。さらに、前記プログラムは、コンピュータ
を、前記ワークを構成する複数の部品の3次元データに基づいて、前記穴あきを含む前記シーラー線に関する部分の画像を作成する画像作成部として機能させる。また、前記プログラムは、コンピュータ
を、前記穴あきを含む前記シーラー線に関する部分の画像、並びに、前記穴あきの大きさ及び変更要求のコメントを出力する出力部として機能させる。
【0070】
この結果、このプログラムを使用したコンピュータは、シーラー線に沿って配置される部品間において、穴あきの作業者によるチェック作業を軽減し、自動的にチェック結果であるシーラー塗布を行うのに不適当な穴あきの部位を明示することができる。
【0071】
(4) 本実施形態の前記プログラムは、コンピュータを出力部として機能させる際、出力する画像には、判定対象のシーラー線の全体、及び前記判定対象の前記シーラー線の一部であって、前記穴あきの断面を含むようにしている。
【0072】
この結果、判定対象のシーラー線の全体、及び前記判定対象の前記シーラー線の一部であって、前記穴あきの断面の画像が提示されるため、作業者は、不適当と判定された穴あきの場所の確認を容易に行うことができる。
【0073】
(5) 本実施形態のROM110は、記憶媒体として前記プログラムを記憶するようにしている。従って、このROM110を備えるコンピュータは、上記(1)の効果を奏することができる。
【0074】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態では、記憶部、板厚作成部、測定部、判定部、画像作成部及び出力部を単一のコンピュータにより構成した。この構成に代えて、記憶部をサーバーとして分離して構成し、残りの各部を単一のコンピュータにより構成して、該コンピュータとサーバーとをLAN等により通信可能に接続してもよい。また、各部をそれぞれコンピュータにて構成し、LAN等により通信可能にできるように構成してもよい。
【0075】
・ 前記実施形態では、出力部が出力する対象は表示装置160としたが、プリンタ190としてもよい。また、出力部が出力する対象としては、前記実施形態のコンピュータに直接接続した表示装置160等に限定されるものではなく、LAN(Local Area Network)、或いはWAN(Wide Area Network)等を介して接続した端末が備える表示装置、或いはプリンタであってもよい。
【0076】
・ 前記実施形態では、S90で資料作成ボタンを操作することにより、次のステップに移行するようにしたが、S90を省略して、S80の処理終了後、S100に移行してもよい。
【0077】
・ 前記実施形態ではS70で拡大断面図を作成するようにしたが、拡大が必要でない場合には、断面図としてもよい。この場合、S110では断面図を帳票に載せる。
・ 前記実施形態では、前記ROM110を記憶媒体としてシーラー塗布要件チェックプログラムを記憶するようにしたが、記憶装置130に前記シーラー塗布要件チェックプログラムを記憶させてもよい。また、記憶媒体としては、前記記憶装置130に限定するものではなく、USBメモリ等の半導体記憶装置、磁気ディスク、光磁気ディスク等の記憶媒体であってもよい。また、ハードディスク、Flash SSDであってもよい。