特許第6164815号(P6164815)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6164815
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】時計
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/06 20060101AFI20170710BHJP
   G06F 3/00 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   G06F3/06 304E
   G06F3/00 W
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-212941(P2012-212941)
(22)【出願日】2012年9月26日
(65)【公開番号】特開2014-67279(P2014-67279A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2015年7月8日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002325
【氏名又は名称】セイコーインスツル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142837
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 則彰
(74)【代理人】
【識別番号】100123685
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 信行
(74)【代理人】
【識別番号】100166305
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】佐久本 和実
【審査官】 桜井 茂行
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−028051(JP,A)
【文献】 特開2011−237928(JP,A)
【文献】 特開2005−242620(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0204218(US,A1)
【文献】 特表2009−534662(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0247976(US,A1)
【文献】 特開平11−153679(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/06−3/08
G06F 3/00
G06F 11/00
G06F 11/16−11/20
G06F 1/22− 1/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能のうち特定の機能により動作する時計において、
前記機能の設定用の端子が接続され前記特定の機能を設定する第1の情報を記憶する第1記憶部と、
前記機能の設定用の端子が接続され前記第1の情報を記憶する第2記憶部と、
前記第1記憶部と前記第2記憶部とに記憶されている情報を比較し比較結果を出力する比較部と、
前記比較結果が前記第1記憶部の前記第1の情報と前記第2記憶部の前記第1の情報とが一致していないものである場合、前記特定の機能を設定する第1の情報を前記第1記憶部及び第2の記憶部の少なくとも一方に再度記憶させる処理部と、
前記再度記憶された第1の情報に基づいて前記特定の機能を選択する機能選択回路と、を備えることを特徴とする時計。
【請求項2】
前記設定状態を示す情報が複数有る場合、前記第1記憶部と前記第2記憶部との組み合わせを、前記設定状態を示す情報毎に複数備える
ことを特徴とする請求項1に記載の時計。
【請求項3】
前記第1記憶部または前記第2記憶部は、
自電子機器に対する設定状態を示す複数の情報の一部である前記第1の情報を記憶する ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の時計。
【請求項4】
前記記憶制御部は、
前記比較部により前記第1記憶部と前記第2記憶部とに記憶されている情報が一致していると判定された場合であっても、予め定められている周期で前記設定状態を示す前記第1の情報を前記第1記憶部と前記第2記憶部に記憶する
ことを特徴とする請求項1に記載の時計。
【請求項5】
前記記憶制御部は、
前記第1記憶部または前記第2記憶部に、前記設定状態を示す第1情報を同一タイミングで記憶し、
前記第1記憶部及び前記第2記憶部は、
前記記憶制御部により同一タイミングで記憶した前記設定状態を示す第1情報を保持する
ことを特徴とする請求項1または請求項4に記載の時計。
【請求項6】
前記第1記憶部と前記第2記憶部とが別系統の電源ラインに接続されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の時計。
【請求項7】
前記第1記憶部と前記第2記憶部とが別系統のグランドラインに接続されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3、請求項6のいずれか1項に記載の時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器に対して、多くの市場ニーズがある。例えば、このような市場ニーズに合わせて、製品毎に、専用IC(集積回路)を開発する場合、ICの開発期間が長期となり、市場ニーズへの対応が遅れる場合があった。また、電子機器に対して機能の追加や仕様の変更があった場合、専用ICを開発しなおす必要がある場合があった。
【0003】
このため、特許文献1では、ICの入力制御及びリセット信号生成回路に接続されている外部端子に接続されている電圧値により、1つのICに複数の機能の中から、製品に合わせた機能を選択することが提案されている。機能の選択は、例えば、外部端子が2つの場合、予め基板上で、第1の外部端子を電源に接続し、第2の外部端子を接地しておく。そして、このような電子機器では、例えば、出荷時、または電子機器に電池がセットされた後、外部端子の電圧値を読み込み、読み込んだ電圧値に基づいて、電子機器の機能を選択していた。
また、これらの電子機器では、消費電力を低減するため、例えば、外部端子の電圧値(設定値)をフリップフロップ回路等に保持させ、保持されている電圧値に基づいて電子機器の機能を設定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−46967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されている電子機器では、静電気の影響により、出荷時または電池の交換後に保持させた外部端子の設定値が書き換わってしまう場合があるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑み成されたものであって、電子機器に対する設定値が書き換わったことを検出できる電子機器、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る電子機器は、自電子機器に対する設定状態を示す第1の情報を記憶する第1記憶部と、前記第1の情報を記憶する第2記憶部と、前記第1記憶部と前記第2記憶部とに記憶されている情報を比較し、前記比較した結果、前記第1記憶部と前記第2記憶部とに記憶されている情報が一致していない場合、前記第1記憶部または前記第2記憶部とに記憶されている情報が書き換わっていると判定する比較部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
また、本発明の一態様に係る電子機器において、前記比較部により前記第1記憶部と前記第2記憶部とに記憶されている情報が一致しないと判定された場合、前記設定状態を示す前記第1の情報を前記第1記憶部と前記第2記憶部に記憶する記憶制御部を備えるようにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様に係る電子機器において、前記設定状態を示す情報が複数有る場合、前記第1記憶部と前記第2記憶部との組み合わせを、前記設定状態を示す情報毎に複数備えるようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様に係る電子機器において、前記第1記憶部または前記第2記憶部は、自電子機器に対する設定状態を示す複数の情報の一部である前記第1情報を記憶するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明の一態様に係る電子機器において、前記記憶制御部は、前記比較部により前記第1記憶部と前記第2記憶部とに記憶されている情報が一致していると判定された場合であっても、予め定められている周期で前記設定状態を示す前記第1の情報を前記第1記憶部と前記第2記憶部に記憶するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様に係る電子機器において、前記記憶制御部は、前記第1記憶部または前記第2記憶部に、前記設定状態を示す第1の情報を同一タイミングで記憶し、前記第1記憶部及び前記第2記憶部は、前記記憶制御部により同一タイミングで記憶した前記設定状態を示す第1情報を保持するようにしてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様に係る電子機器において、前記第1記憶部と前記第2記憶部とが別系統の電源ラインに接続されているようにしてもよい。
【0014】
また、本発明の一態様に係る電子機器において、前記第1記憶部と前記第2記憶部とが別系統のグランドラインに接続されているようにしてもよい。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るプログラムは、自電子機器のコンピュータに、自電子機器に対する設定状態を示す第1の情報を第1記憶部と第2記憶部に記憶するステップと、前記第1記憶部と前記第2記憶部とに記憶されている情報を比較するステップと、前記比較した結果、前記第1記憶部と前記第2記憶部とに記憶されている情報が一致していない場合、前記第1記憶部と前記第2記憶部とに記憶されている情報が書き換わっていると判定するステップと、を実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電子機器に対する設定値が書き換わったことを検出できる電子機器、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態における電子機器の概略構成を示す図である。
図2】第1実施形態における処理部の構成例を説明する図である。
図3図2における各信号のタイミングチャートを示す図である。
図4】第2実施形態に係る処理部の構成例を説明する図である。
図5図4における各信号のタイミングチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。また、以下の例では、電子機器1の例として、電子時計を例に説明する。
【0019】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態における電子機器1の概略構成を示す図である。図1に示すように電子機器1は、処理部10、操作部20、表示素子30、及び電源回路40を含んで構成されている。処理部10は、操作部20、表示素子30に接続されている。
処理部10は、外部端子101、外部端子102、発振回路103、分周回路104、制御回路105、読込信号作成回路(記憶制御部)106、仕様入力検出回路107、一時記憶回路108、一致検出回路(比較部)109、一致検出回路(比較部)110、機能仕様選択回路111、操作入力検出回路112、及び表示駆動回路113を含んで構成されている。一時記憶回路108は、第1記憶回路(第1記憶部)181、第2記憶回路(第2記憶部)182、第1記憶回路(第1記憶部)183、第2記憶回路(第2記憶部)184を備えている。
【0020】
操作部20は、電子時計の動作モードを切り替えるスイッチである。動作モードとは、例えば、時計動作モード、ストップウォッチ動作モード、アラーム動作モード等である。
表示素子30は、例えば、液晶表示装置(LCD)によって構成される。表示素子30には、一例としてストップウォッチ動作モード時に計時値が表示され、アラーム動作時にアラーム設定時間が表示され、時計動作モード時に時刻が表示される。
電源回路40は、処理部10に電力を供給する。電源回路40は、例えば、ボタン型電池である。
【0021】
外部端子101及び外部端子102は、各々、処理部10の外部端子であり、電子機器1の用途に応じて電源電圧に接続され、または接地される。例えば、処理部10が不図示の基板上に取り付けられている場合、外部端子101及び外部端子102は、各々、配線パターンにより電源パターンに接続され、またはグランドパターンに接続される。
【0022】
発振回路103は、クロック信号を発生させ、発生させたクロック信号を分周回路104に出力する。また、発振回路103が生成した基準クロック信号は、時計動作、アラーム動作、ストップウォッチ計時動作等にも使用される。
分周回路104は、発振回路103から入力されたクロック信号を分周して、制御回路105の動作用の基準クロック信号を生成し、生成した基準クロック信号を制御回路105に出力する。
【0023】
制御回路105は、表示駆動回路113を駆動して、表示素子30に各種の表示をさせる。制御回路105は、使用者により操作部20が操作された場合、操作入力検出回路112の出力に応じて、各動作モードの制御、及び電子機器1を構成する各回路要素の制御等を行う。制御回路105は、電源回路40から電力が供給されたことを検出し、検出した結果に基づいて、読込信号作成回路106に読込信号を出力する指示を出力する。
【0024】
読込信号作成回路106は、制御回路105から入力された読込信号を出力する指示に応じて読込信号を生成し、生成した読込信号を制御端子aから仕様入力検出回路107に出力し、制御端子bから一時記憶回路108に出力する。また、読込信号作成回路106は、一致検出回路109または110から入力された検出結果を示す信号が、一致を示さない場合、読込信号を生成し、生成した読込信号を制御端子aから仕様入力検出回路107に出力し、制御端子bから一時記憶回路108に出力する。
【0025】
仕様入力検出回路107は、読込信号作成回路106から入力された読込信号に応じて、外部端子101に設定されている第1の情報(設定値)を読み込む。以下、外部端子101に設定されている第1の情報を、外部端子101の設定値という。仕様入力検出回路107は、読み込んだ外部端子101の設定値を第1記憶回路181及び第2記憶回路182へ出力する。なお、第1の情報(設定値)とは、電子機器1に対する設定状態を示す情報であり、例えば、ハイレベルの電圧値、またはローレベルの電圧値である。電子機器1の電源電圧が5V(ボルト)の場合、ローレベルの電圧値は、例えば、0Vから2Vの範囲の電圧値であり、ハイレベルの電圧値は、例えば、3Vから5Vの範囲の電圧値である。
仕様入力検出回路107は、読込信号作成回路106から入力された読込信号に応じて、外部端子102に設定されている電子機器1に対する設定状態を示す第1の情報(設定値)を読み込む。以下、外部端子102に設定されている第1の情報を、外部端子102の設定値という。仕様入力検出回路107は、読み込んだ外部端子102の設定値を第1記憶回路183及び第2記憶回路184へ出力する。
【0026】
第1記憶回路181及び第2記憶回路182は、読込信号作成回路106から入力された読込信号に応じて、仕様入力検出回路107から入力された外部端子101の設定値を保持する。
第1記憶回路183及び第2記憶回路184は、読込信号作成回路106から入力された読込信号に応じて、仕様入力検出回路107から入力された外部端子102の設定値を保持する。
第1記憶回路181、第2記憶回路182、第1記憶回路183及び第2記憶回路184は、一例としてD型ラッチ回路である。
【0027】
一致検出回路109は、第1記憶回路181及び第2記憶回路182に保持されている設定値を読み込み、読み込んだ設定値が一致しているか否か判定する。一致検出回路109は、読み込んだ設定値が一致していないと判定した場合、読込信号を出力する指示を読込信号作成回路106に出力する。一致検出回路109は、読み込んだ設定値が一致していると判定した場合、一致していることを示す信号を機能仕様選択回路111に出力する。
一致検出回路110は、第1記憶回路183及び第2記憶回路184に保持されている設定値を読み込み、読み込んだ設定値が一致しているか否か判定する。一致検出回路110は、読み込んだ設定値が一致していないと判定した場合、読込信号を出力する指示を読込信号作成回路106に出力する。一致検出回路110は、読み込んだ設定値が一致していると判定した場合、一致していることを示す信号を機能仕様選択回路111に出力する。
【0028】
機能仕様選択回路111は、一致検出回路109から一致していることを示す信号が入力された場合、且つ一致検出回路110から一致していることを示す信号が入力された場合、第1記憶回路181及び第1記憶回路183に保持されている設定値を読み込む。機能仕様選択回路111は、読み込んだ設定値の組み合わせに基づいて、電子機器1で使用する機能を示す情報を制御回路105に出力する。例えば、第1記憶回路181に保持されている設定値がハイレベルであり、第1記憶回路183に保持されている設定値がローレベルである場合、機能仕様選択回路111は、読み込んだ設定値の組み合わせを示す情報を制御回路105に出力するようにしてもよい。
また、機能仕様選択回路111内に予め第1記憶回路181に保持されている設定値と第1記憶回路183に保持されている設定値との組み合わせと、電子機器1で使用する機能とが関連づけて記憶させておいてもよい。このように電子機器1で使用する機能が関連づけて記憶されている場合、機能仕様選択回路111は、読み込んだ設定値の組み合わせに基づく電子機器1で使用する機能を示す情報を制御回路105に出力するようにしてもよい。
【0029】
操作入力検出回路112は、使用者が操作部20を操作したことを検出し、検出した結果を示す情報を制御回路105に出力する。
表示駆動回路113は、制御回路105の制御に応じて、表示素子30に各種の表示を行うように駆動する。
【0030】
図2は、本実施形態における処理部10の構成例を説明する図である。
図2に示すように、仕様入力検出回路107は、AND回路201、NチャネルFET(電界効果トランジスタ)202、抵抗203、AND回路204、NチャネルFET205、及び抵抗206を含んで構成されている。第1記憶回路181は、D型ラッチ回路221を含んで構成されている。第2記憶回路182は、D型ラッチ回路222を含んで構成されている。第1記憶回路183は、D型ラッチ回路223を含んで構成されている。第2記憶回路184は、D型ラッチ回路224を含んで構成されている。なお、図2では、図1に示した処理部10の発振回路103、分周回路104、操作入力検出回路112、及び表示駆動回路113を省略して図示している。
【0031】
外部端子101は、AND回路201の入力端子の一端と、抵抗203の一端に接続されている。
抵抗203の他端は、NチャネルFET202のドレインに接続されている。
AND回路201の入力端子の他端は、NチャネルFET202のゲートと、読込信号作成回路106の制御端子aに接続されている。AND回路201の出力端子は、D型ラッチ回路221のD入力端子とD型ラッチ回路222のD入力端子とに接続されている。
NチャネルFET202のソースは、接地されている。NチャネルFET202は、一例として、NチャネルMOSFET(金属酸化物電界効果トランジスタ)であってもよい。
D型ラッチ回路221のクロック端子(CL)は、読込信号作成回路106の制御端子bに接続されている。D型ラッチ回路221のQ出力端子は、一致検出回路109の一方端に接続されている。D型ラッチ回路221のQの反転出力端子は、オープン(未接続状態)である。
D型ラッチ回路222のクロック端子(CL)は、読込信号作成回路106の制御端子bに接続されている。D型ラッチ回路222のQ出力端子は、一致検出回路109の他方端に接続されている。D型ラッチ回路222のQの反転出力端子は、オープンである。
【0032】
外部端子102は、AND回路204の入力端子の一端と、抵抗206の一端に接続されている。
抵抗206の他端は、NチャネルFET205のドレインに接続されている。
AND回路204の入力端子の他端は、NチャネルFET205のゲートと、読込信号作成回路106の制御端子aとに接続されている。AND回路204の出力端子は、D型ラッチ回路223のD入力端子とD型ラッチ回路224のD入力端子とに接続されている。
NチャネルFET205のソースは、接地されている。NチャネルFET205は、一例として、NチャネルMOSFET(金属酸化物電界効果トランジスタ)であってもよい。
D型ラッチ回路223のクロック端子(CL)は、読込信号作成回路106の制御端子bに接続されている。D型ラッチ回路223のQ出力端子は、一致検出回路110の一方端に接続されている。D型ラッチ回路223のQの反転出力端子は、オープンである。
D型ラッチ回路224のクロック端子(CL)は、読込信号作成回路106の制御端子bに接続されている。D型ラッチ回路224のQ出力端子は、一致検出回路110の他方端に接続されている。D型ラッチ回路224のQの反転出力端子は、オープンである。
【0033】
図3は、図2における各信号のタイミングチャートを示す図である。図3において、横軸は時間を表し、縦軸は信号レベルを表している。また、図3に示す信号は、図2において、外部端子101がハイレベル、外部端子102がオープンの例である。また、図3の各信号は、静電気等の影響を受けていない場合の例である。
図3において、信号OP_READ1は、読込信号作成回路106の制御端子aが出力する読込信号であり、信号OP_READ2は、読込信号作成回路106の制御端子bが出力する読込信号である。信号OPD1は、D型ラッチ回路221のD入力端子及びD型ラッチ回路222のD入力端子に入力される信号である。信号OP11_Qは、D型ラッチ回路221のQ出力端子から出力される信号であり、信号OP12_Qは、D型ラッチ回路222のQ出力端子から出力される信号である。
信号OPD2は、D型ラッチ回路223のD入力及びD型ラッチ回路224のD入力端子に入力される信号である。信号OP21_Qは、D型ラッチ回路223のQ出力端子から出力される信号であり、信号OP22_Qは、D型ラッチ回路224のQ出力端子から出力される信号である。
【0034】
時刻t1において、信号OP_READ1はローレベルからハイレベルに切り替わる。この結果、NチャネルFET202がオン状態になる。この結果、AND回路201の入力端子の一方端がハイレベルになり、他方端がローレベルからハイレベルに切り替わる。この結果、AND回路201の2つの入力端子に入力される信号がともにハイレベルになるため、AND回路201の出力端子に接続されているD型ラッチ回路221及びD型ラッチ回路222におけるD入力端子の入力信号OPD1は、ローレベルからハイレベルに切り替わる。
【0035】
また、時刻t1において、NチャネルFET205がオン状態になる。この結果、AND回路204の一方端がローレベルになり、他方端がローレベルからハイレベルに切り替わる。この結果、AND回路204の2つの入力端子に入力される信号の電圧値が異なるため、AND回路204の出力端子に接続されているD型ラッチ回路223及びD型ラッチ回路224におけるD入力端子の入力信号OPD2は、ローレベルのままで変化しない。
【0036】
次に、時刻t2において、信号OP_READ2はローレベルからハイレベルに切り替わる。この結果、D型ラッチ回路221及びD型ラッチ回路222の各クロック入力端子には、ハイレベルの信号が入力される。この結果、D型ラッチ回路221及びD型ラッチ回路222は、クロック入力端子に入力される信号がローレベルからハイレベルに切り替わったとき、D入力端子に入力されている信号を読み込む。
次に、時刻t3において、信号OP_READ2はハイレベルからローレベルに切り替わる。この結果、D型ラッチ回路221及びD型ラッチ回路222の各クロック入力端子に入力される信号は、ハイレベルからローレベルに切り替わる。この結果、D型ラッチ回路221及びD型ラッチ回路222は、クロック入力端子に入力される信号がハイレベルからローレベルに切り替わったときの信号レベルを保持する。なお、D型ラッチ回路221及びD型ラッチ回路222が保持する信号レベルは、ハイレベルかローレベルである。この結果、D型ラッチ回路221及びD型ラッチ回路222は、ハイレベルを保持し続ける。この結果、D型ラッチ回路221及びD型ラッチ回路222のQ出力信号OP11_Q及びOP12_Qは、ハイレベルの信号を一致検出回路109に出力する。
【0037】
時刻t2において、D型ラッチ回路223及びD型ラッチ回路224の各クロック入力端子には、ハイレベルの信号が入力される。この結果、D型ラッチ回路223及びD型ラッチ回路224は、クロック入力端子に入力される信号がローレベルからハイレベルに切り替わったとき、D入力端子に入力されている信号を読み込む。
次に、時刻t3において、信号OP_READ2はハイレベルからローレベルに切り替わる。この結果、D型ラッチ回路223及びD型ラッチ回路224の各クロック入力端子に入力される信号は、ハイレベルからローレベルに切り替わる。この結果、D型ラッチ回路223及びD型ラッチ回路224は、クロック入力端子に入力されている信号がハイレベルからローレベルに切り替わったときの信号レベルを保持する。なお、D型ラッチ回路223及びD型ラッチ回路224が保持する信号レベルは、ハイレベルかローレベルである。この結果、D型ラッチ回路223及びD型ラッチ回路224は、ローレベルを保持し続ける。この結果、D型ラッチ回路223及びD型ラッチ回路224のQ出力信号OP21_Q及びOP22_Qは、ローレベルを一致検出回路110に出力する。
【0038】
上述したように、D型ラッチ回路221及びD型ラッチ回路222は、信号OP_READ2の立ち下がりの時刻t3において、同じタイミングで外部端子101の設定値を保持する。同様に、D型ラッチ回路223及びD型ラッチ回路224は、信号OP_READ2の立ち下がりの時刻t3において、同じタイミングで外部端子102の設定値を保持する。このように、同じタイミングで外部端子101の設定値を保持するため、D型ラッチ回路221及びD型ラッチ回路222に保持される値は同じ値が保持される。同様に、同じタイミングで外部端子102の設定値を保持するため、D型ラッチ回路223及びD型ラッチ回路224に保持される値は同じ値が保持される。このように、例えば電源供給後に同じ値の設定値をD型ラッチ回路221及びD型ラッチ回路222に保持し、または同じ値の設定値をD型ラッチ回路223及びD型ラッチ回路224に保持しているため、一致検出回路109または110は、取得した2つの設定値を比較することで、設定値が書き換わっていることを検出できる。
【0039】
例えば、電源回路40がボタン型電池であった場合、ボタン型電池が電子機器1にセットされたとき、読込信号作成回路106からの読込信号に応じて、D型ラッチ回路221〜224は、外部端子101及び102の設定値を保持し続ける。換言すると、一時記憶回路108は、外部端子101及び102の設定値を記憶する。
【0040】
次に、D型ラッチ回路221〜224に保持されている設定値が、静電気等の影響で書き換わった場合について、図2を用いて説明する。
一例として、D型ラッチ回路221に保持されている設定値が、ハイレベルからローレベルに書き換わった状態について説明する。
一致検出回路109は、D型ラッチ回路221及びD型ラッチ回路222に保持されている設定値を読み込み、読み込んだ設定値が一致しているか否か判定する。この場合、読み込んだ設定値が一致していないため、一致検出回路109は、読込信号を出力する指示を読込信号作成回路106に出力する。
【0041】
一致検出回路110は、D型ラッチ回路223及びD型ラッチ回路224に保持されている設定値を読み込み、読み込んだ設定値が一致しているか否か判定する。一致検出回路110は、この場合、読み込んだ設定値が一致しているため、一致検出回路110は、一致していることを示す信号を機能仕様選択回路111に出力する。
読込信号作成回路106は、一致検出回路109から入力された読込信号を出力する指示に応じて読込信号を生成し、生成した読込信号を制御端子aから仕様入力検出回路107に出力し、制御端子bからD型ラッチ回路221及びD型ラッチ回路222に出力する。なお、読込信号作成回路106は、生成した読込信号を制御端子bからD型ラッチ回路223及びD型ラッチ回路224にも出力するようにしてもよい。
【0042】
このように本実施形態では、一致検出回路109がD型ラッチ回路221及びD型ラッチ回路222に保持されている設定値が一致するか否かの判定を行い、または一致検出回路110がD型ラッチ回路223及びD型ラッチ回路224に保持されている設定値が一致するか否かの判定を行うことで、D型ラッチ回路221〜D型ラッチ回路224に保持されている設定値が書き換わっていることを検出できる。そして本実施形態では、D型ラッチ回路221〜D型ラッチ回路224に保持されている設定値が静電気等の影響で書き換わっている場合、外部端子101の設定値をD型ラッチ回路221及びD型ラッチ回路222に再保持させ、外部端子102の設定値をD型ラッチ回路223及びD型ラッチ回路224に再保持させる。この結果、本実施形態の電子機器1は、外部端子101及び102の設定値に基づく機能を選択することができる。
【0043】
以上のように、本実施形態における電子機器1は、自電子機器に対する設定状態を示す第1の情報を記憶する第1記憶部と、第1の情報を記憶する第2記憶部と、第1記憶部と前記第2記憶部とに記憶されている情報を比較し、比較した結果、第1記憶部と第2記憶部とに記憶されている情報が一致していない場合、第1記憶部と第2記憶部とに記憶されている情報が書き換わっていると判定する比較部(一致検出回路109または110)と、を備える。
このような構成により、本実施形態における電子機器1は、比較部(一致検出回路109)が、第1記憶部(第1記憶回路181)と第2記憶部(第2記憶回路182)とに記憶されている設定値を比較する。または、本実施形態における電子機器1は、比較部(一致検出回路110)が、第1記憶部(第1記憶回路183)と第2記憶部(第2記憶回路184)とに記憶されている設定値を比較する。本実施形態における電子機器1は、比較した結果、第1記憶部と第2記憶部とに記憶されている設定値が一致しない場合、第1記憶部と第2記憶部とに記憶されている設定値が書き換わってしまったと判定する。これにより、本実施形態の電子機器1は、電子機器に対する設定値が書き換わったことを検出できる。この結果、本実施形態では、静電気や内部の電池が消耗して電圧が不安定になった場合であっても、電子機器に対する設定値が書き換わったことを検出できる電子機器を提供できる。
【0044】
さらに、処理部10は、第1記憶回路181(または183)と第2記憶回路182(または184)に記憶されている設定値が異なっている場合、外部端子101及び外部端子102の設定値を再度読み込む。そして、処理部10は、読み込んだ設定値をD型ラッチ回路221〜D型ラッチ回路224に保持しなおさせる。この結果、本実施形態における電子機器1は、予め設定されている機能を示す情報が書き換わってしまった場合であっても、修正することができる。
【0045】
仮に、図1において、一時記憶回路108が第1記憶回路181と183のみの場合、電子機器は、外部端子101及び102から読み込んだ設定値が、静電気等で書き換わっているか否かを判定できない。第1記憶回路181と183のみを有している電子機器の場合、制御回路105は、外部端子101及び102の設定値を頻繁に、例えば1秒間隔で読み込む。このように、頻繁に外部端子101及び102の設定値を読み込む場合、電子機器1は、読み込む毎に電力を消費することになる。
しかしながら、本実施形態の電子機器1では、一時記憶回路108が第1記憶回路181と第2記憶回路182を二重にし、または第1記憶回路183と第2記憶回路184を二重にしてある。そして、本実施形態の電子機器1は、一致検出回路109(または110)により保持されている値が一致しているか否かを検出し、一致していないときに外部端子101及び102の設定値を再読込するようにしたので、再読み込みの回数を低減できる。この結果、本実施形態の電子機器1は、外部端子の設定値を読み込むために消費される電力を低減できる。
【0046】
また、例えば図2において、静電気等により第1記憶回路181及び第2記憶回路182に各々保持されている設定値が、両方とも書き換わることもある。保持されている設定値が両方とも書き換わった場合、第1記憶回路181及び第2記憶回路182から読み出した設定値は、同じ値である。なお、設定値は、ハイレベルとローレベルの2値であるとする。このような場合、一致検出回路109は、読み込んだ設定値が同じ値のため、第1記憶回路181及び第2記憶回路182に各々保持されている設定値が書き換わっていても検出できない。このため、本実施形態では、制御回路105は、予め定められている周期で、読込信号作成回路106に対して読込信号を生成する指示を出力するようにしてもよい。なお、予め定められている周期とは、例えば、1分間に1回、1時間に1回のうちのいずれかであってもよい。本実施形態では、予め定められている周期で外部端子101の設定値を第1記憶回路181及び第2記憶回路182に保持し直す、または外部端子102の設定値を第1記憶回路183及び第2記憶回路184に保持し直すようにしてもよい。
この結果、本実施形態によれば、静電気等の影響により第1記憶回路181及び第2記憶回路182に各々保持されている設定値が、両方とも書き換わってしまった場合であっても、第1記憶回路181及び第2記憶回路182に正しい設定値を保持し直すことができる。同様に、本実施形態によれば、静電気等の影響により第1記憶回路183及び第2記憶回路184に各々保持されている設定値が、両方とも書き換わってしまった場合であっても、第1記憶回路183及び第2記憶回路184に正しい設定値を保持し直すことができる。この場合であっても、例えば1秒周期で外部端子101及び102の設定値を第1記憶回路181(または183)及び第2記憶回路182(または184)に保持し直す場合と比較して、保持しなおすときに消費される電力を大幅に低減することができる。
【0047】
[第2実施形態]
第1実施形態では、外部端子101及び102に設定値が設定されている例を説明した。第2実施形態では、外部端子101及び102の代わりに電子機器で使用する機能を示す第1の情報が不揮発性メモリに予め記憶されている例を説明する。
【0048】
図4は、本実施形態に係る処理部10aの構成例を説明する図である。なお、図4において、図1または図2と同様の機能を有する機能部は、同じ符号を用いて説明を省略する。また、図4において、図2と同様に、処理部10aは、発振回路103、分周回路104、操作入力検出回路112、及び表示駆動回路113を省略して図示している。
【0049】
図4に示すように、電子機器1aの処理部10aは、第1不揮発性メモリ301、及び第2不揮発性メモリ302に接続されている。
第1記憶回路181aは、D型ラッチ回路221aを含んで構成されている。第2記憶回路182aは、D型ラッチ回路222aを含んで構成されている。第1記憶回路183aは、D型ラッチ回路223aを含んで構成されている。第2記憶回路184aは、D型ラッチ回路224aを含んで構成されている。
【0050】
D型ラッチ回路221aのD入力端子は、第1不揮発性メモリ301の出力端子に接続され、クロック端子(CL)は、読込信号作成回路106の制御端子bに接続されている。D型ラッチ回路221aのQ出力端子は、一致検出回路109の一方端に接続され、Qの反転出力端子は、オープンである。
D型ラッチ回路222aのD入力端子は、第1不揮発性メモリ301の出力端子に接続され、クロック端子(CL)は、読込信号作成回路106の制御端子bに接続されている。D型ラッチ回路222aのQ出力端子は、一致検出回路109の他方端に接続され、Qの反転出力端子は、オープンである。
【0051】
D型ラッチ回路223aのD入力端子は、第2不揮発性メモリ302の出力端子に接続され、クロック端子(CL)は、読込信号作成回路106の制御端子bに接続されている。D型ラッチ回路223aのQ出力端子は、一致検出回路110の一方端に接続され、Qの反転出力端子は、オープンである。
D型ラッチ回路224aのD入力端子は、第2不揮発性メモリ302の出力端子に接続され、クロック端子(CL)は、読込信号作成回路106の制御端子bに接続されている。D型ラッチ回路224aのQ出力端子は、一致検出回路110の他方端に接続され、Qの反転出力端子は、オープンである。
【0052】
図5は、図4における各信号のタイミングチャートを示す図である。図5において、横軸は時間を表し、縦軸は信号レベルを表している。また、図5に示す信号は、図4において、第1不揮発性メモリ301の出力電圧値がハイレベル、第2不揮発性メモリ302の出力がオープンの例である。また、図5の各信号は、静電気等の影響を受けていない場合の例である。
図5において、信号OP_READ2は、読込信号作成回路106の制御端子bが出力する読込信号である。信号OPD1は、D型ラッチ回路221aのD入力端子及びD型ラッチ回路222aのD入力端子に入力される信号である。信号OP11_Qは、D型ラッチ回路221aのQ出力端子から出力される信号であり、信号OP12_Qは、D型ラッチ回路222aのQ端子から出力される信号である。
信号OPD2は、D型ラッチ回路223aのD入力端子及びD型ラッチ回路224aのD入力端子に入力される信号である。信号OP21_Qは、D型ラッチ回路223aのQ出力端子から出力される信号であり、信号OP22_Qは、D型ラッチ回路224aのQ出力端子から出力される信号である。
【0053】
時刻t11において、信号OP_READ2はローレベルからハイレベルに切り替わる。この結果、D型ラッチ回路221a及びD型ラッチ回路222aの各クロック入力端子には、ハイレベルの信号が入力される。この結果、D型ラッチ回路221a及びD型ラッチ回路222aは、クロック入力端子に入力された信号がローレベルからハイレベルに切り替わったときの信号を読み込む。
次に、時刻t12において、信号OP_READ2はハイレベルからローレベルに切り替わる。この結果、D型ラッチ回路221a及びD型ラッチ回路222aの各クロック入力端子に入力される信号は、ハイレベルからローレベルに切り替わる。この結果、D型ラッチ回路221a及びD型ラッチ回路222aは、クロック入力端子に入力される信号がハイレベルからローレベルに切り替わったときの信号レベルを保持する。なお、D型ラッチ回路221a及びD型ラッチ回路222aが保持する信号レベルは、ハイレベルかローレベルである。この結果、D型ラッチ回路221a及びD型ラッチ回路222aは、ハイレベルを保持し続ける。この結果、D型ラッチ回路221a及びD型ラッチ回路222aのQ出力信号OP11_Q及びOP12_Qは、ハイレベルを一致検出回路109に出力する。
【0054】
時刻t11において、D型ラッチ回路223a及びD型ラッチ回路224aの各クロック入力端子には、ハイレベルの信号が入力される。この結果、D型ラッチ回路223a及びD型ラッチ回路224aは、クロック入力端子に入力される信号がローレベルからハイレベルに切り替わったときの信号を読み込む。
次に、時刻t12において、信号OP_READ2はハイレベルからローレベルに切り替わる。この結果、D型ラッチ回路223a及びD型ラッチ回路224aの各クロック入力端子に入力される信号は、ハイレベルからローレベルに切り替わる。この結果、D型ラッチ回路223a及びD型ラッチ回路224aは、クロック入力端子に入力される信号がハイレベルからローレベルに切り替わったときの信号レベルを保持する。なお、D型ラッチ回路223a及びD型ラッチ回路224aが保持する信号レベルは、ハイレベルかローレベルである。この結果、D型ラッチ回路223a及びD型ラッチ回路224aは、ローレベルを保持し続ける。この結果、D型ラッチ回路223a及びD型ラッチ回路224aのQ出力信号OP21_Q及びOP22_Qは、ローレベルを一致検出回路110に出力する。
【0055】
例えば、電源回路40がボタン型電池であった場合、ボタン型電池が電子機器1aにセットされたとき、読込信号作成回路106からの読込信号に応じて、D型ラッチ回路221aと222aは、第1不揮発性メモリ301の出力設定値を保持し続け、D型ラッチ回路223aと224aは、第2不揮発性メモリ302の出力設定値を保持し続ける。換言すると、一時記憶回路108aは、第1不揮発性メモリ301及び第2不揮発性メモリ302の各設定値を記憶する。
【0056】
このように、本実施形態の電子機器1aでは、処理部10aは、第1実施形態と同様に、第1記憶回路181aと第2記憶回路182aに記憶されている設定値を比較し、第1記憶回路183aと第2記憶回路184aに記憶されている設定値を比較する。
そして、処理部10aは、第1実施形態と同様に、第1記憶回路181aと第2記憶回路182aに記憶されている設定値が異なっている場合、第1記憶回路181aに記憶されている設定値、または第2記憶回路182aに記憶されている設定値が書き換わっていると判定する。あるいは、処理部10aは、第1記憶回路183aと第2記憶回路184aに記憶されている設定値が異なっている場合、第1記憶回路183aに記憶されている設定値、または第2記憶回路184aに記憶されている設定値が書き換わっていると判定する。この結果、本実施形態の電子機器1aは、静電気や内部の電池が消耗して電圧が不安定になった場合であっても、電子機器に対する設定値が書き換わったことを検出できる電子機器を提供できる。
さらに、処理部10aは、第1記憶回路181a(または183a)と第2記憶回路182a(または184a)に記憶されている設定値が書き換わっている場合、第1不揮発性メモリ301及び第2不揮発性メモリ302の設定値をD型ラッチ回路221a〜D型ラッチ回路224aに再保持させる。この結果、本実施形態における電子機器1aは、第1記憶回路181a(または183a)と第2記憶回路182a(または184a)に記憶されている設定値が書き換わってしまった場合であっても、第1記憶回路181a(または183a)と第2記憶回路182a(または184a)に記憶されている各設定値を修正することができる。
【0057】
なお、本実施形態では、第1不揮発性メモリ301と第2不揮発性メモリ302とに、各々、電子機器1aで使用する機能を示す第1の情報が不揮発性メモリに予め記憶されている例を説明したが、これに限られない。例えば、第1不揮発性メモリ301は、第1不揮発性メモリ301と第2不揮発性メモリ302とに記憶されている第1番目と第2番目を有する第1の情報を記憶し、かつ複数の端子を有していてもよい。そして、第1不揮発性メモリ301は、第1の出力端子がD型ラッチ回路221a及び222aの各D入力端子に接続され、第2の出力端子がD型ラッチ回路223a及び224aの各D入力端子に接続されるように構成されていてもよい。第1不揮発性メモリ301は、第1番目の第1の情報を第1の出力端子からD型ラッチ回路221a及び222aに出力し、第2番目の第1の情報を第1の出力端子からD型ラッチ回路223a及び224aに出力するようにしてもよい。
【0058】
なお、本実施形態では、第1記憶回路(181a、183a)と第2記憶回路(182a、184a)に保持されている値が書き換わっている場合、第1不揮発性メモリ301及び第2不揮発性メモリ302の設定値を再読込する例を説明したが、これに限られない。第1実施形態と同様に、電子機器1aは、記憶されている値が不一致時の再読み込みに加えて、予め定められている周期で再読み込みを行うようにしてもよい。これにより、本実施形態の電子機器1aは、読み込みに必要な消費電力を低減する効果が得られる。
【0059】
なお、図1図2、及び図4において、機能仕様選択回路111は、第1記憶回路181(含む181a)と第1記憶回路183(含む183a)に記憶されている設定値を、読み込む例を示したが、これに限られない。機能仕様選択回路111は、第2記憶回路182(含む182a)と第2記憶回路184(含む184a)に記憶されている設定値を読み込むようにしてもよい。あるいは、機能仕様選択回路111は、第1記憶回路181(含む181a)と第2記憶回路184(含む184a)に記憶されている設定値を読み込むようにしてもよい。または、機能仕様選択回路111は、第2記憶回路182(含む182a)と第1記憶回路183(含む183a)に記憶されている設定値を読み込むようにしてもよい。
【0060】
なお、第1実施形態、及び第2実施形態では、第1記憶回路(181、181a、183、183a)または第2記憶回路(182、182a、184、184a)に記憶されている設定値が書き換わっていることを検出した場合、外部端子または不揮発性メモリの設定値を第1記憶回路または第2記憶回路に再保持させる例を説明したが、これに限られない。制御回路105は、処理部10(含む10a)または電子機器1(含む1a)全体をリセットして、再起動するようにしてもよい。リセットを行う場合、処理部10(含む10a)は、再起動後、外部端子101及び外部端子102、または第1不揮発性メモリ301及び第2不揮発性メモリ302の設定値を、第1記憶回路(181、181a、183、183a)及び第2記憶回路(182、182a、184、184a)に記憶しなおすようにしてもよい。
【0061】
なお、第1実施形態では、外部端子が2つの例を説明したが、これに限られない。外部端子は、1つ以上であればよい。また、処理部10は、外部端子毎に第1記憶回路と第2記憶回路との組を設けるようにしてもよい。例えば、外部端子が4つの場合、各外部端子に対応する第1記憶回路と第2記憶回路との組を4組設けるようにしてもよい。あるいは、処理部10は、外部端子が複数有る場合、複数の外部端子の内、少なくとも1つ以上の外部端子に対応する第1記憶回路と第2記憶回路との組を設けるようにしてもよい。
同様に、第1不揮発性メモリ301及び第2不揮発性メモリ302毎に第1記憶回路と第2記憶回路との組を設けるようにしてもよい。
【0062】
また、第1実施形態、及び第2実施形態における第1記憶回路(181、183、181a、183a)と第2記憶回路(182、184、182a、184a)とは、異なる電源ラインに接続され、異なるグランドラインに接続されているようにしてもよい。これにより、一方の電源ラインに静電気が飛びつき、第1記憶回路または第2記憶回路に保持されていた設定値が書き換わった場合であっても、他方の電源ラインに接続されている第1記憶回路または第2記憶回路に保持されていた設定値に対する静電気の影響を低減できる。この結果、本実施形態では、第1記憶回路または第2記憶回路に保持されている一方の設定値が書き換わった場合であっても、他方の記憶回路に記憶されている設定値が書き換わらないため、保持されている設定値が書き換わったことを検出できる。
また、処理部10を不図示の基板上に配置する場合、第1記憶回路と第2記憶回路とは、静電気や電源の変化の影響を受けにくい位置に互いに離して配置するようにしてもよい。
【0063】
なお、第1実施形態、及び第2実施形態では、一時記憶回路108の一例としてD型ラッチ回路を用いる例を説明したが、これに限られない。一時記憶回路108は、クロック端子に入力される信号の立ち上がり時の入力電圧値または立ち下がり時の入力電圧値を保持できればよい。一時記憶回路108は、例えば、D型フリップフロップ回路、RS型ラッチ回路、RS型フリップフロップ回路、JK型ラッチ回路、JK型フリップフロップ回路、ラッチ回路等を用いるようにしてもよい。
【0064】
なお、第1実施形態、及び第2実施形態では、1つの設定値を2つの記憶部(第1記憶回路181(含む181a)と第2記憶回路182(含む182a)、または第1記憶回路183(含む183a)と第2記憶回路184(含む184a))に記憶する例を説明したが、これに限られない。記憶回路は2つ以上であればよく、3つ以上であってもよい。例えば、図1において、処理部10は、外部端子101の設定値を、第1記憶回路181、第2記憶回路182、及び不図示の第3記憶回路に記憶させるようにしてもよい。そして、一致検出回路109は、第1記憶回路181、第2記憶回路182、及び第3記憶回路に記憶されている設定値を比較し、比較した結果、記憶されている設定値が一致しない場合、読込信号を出力する指示を読込信号作成回路106に出力するようにしてもよい。
さらに、機能を選択するための外部端子が複数有る場合、外部端子の設定値を記憶する記憶回路の数は、外部端子毎に等しくなくてもよい。例えば、図1において、外部端子101の設定値を記憶する記憶部が3つ、外部端子102の設定値を記憶する記憶回路が2つであってもよい。
【0065】
なお、第1実施形態、及び第2実施形態では、第1記憶回路(181、183、181a、183a)及び第2記憶回路(182、184、182a、184a)に、設定値としてハイレベルかローレベルを記憶する例を説明したが、これに限られない。記憶する設定値は、例えば、ハイレベル、ローレベル、及びハイレベルとローレベルとの間の中間値を含む3値であってもよい。
【0066】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより情報の読み込み、情報が一致しているか否かの検出、情報の再読み込み等の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0067】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1、1a…電子機器、10、10a…処理部、20…操作部、30…表示素子、40…電源回路、101…外部端子、102…外部端子、103…発振回路、104…分周回路、105…制御回路、106…読込信号作成回路、107…仕様入力検出回路、108…一時記憶回路、109…一致検出回路、110…一致検出回路、111…機能仕様選択回路、112…操作入力検出回路、113…表示駆動回路、181、181a、183、183a…第1記憶回路、182、182a、184、184a…第2記憶回路、221〜224、221a〜224a…D型ラッチ回路
図1
図2
図3
図4
図5