(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0012】
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
【0013】
図1は、本実施形態の遊技機1の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機1は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、この外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠4と、この中枠4に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠6と、を備えている。
【0014】
中枠4は、外枠2と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤8が保持されている。また、前枠6には、ガラス製または樹脂製の透過板10が保持されている。そして、これら中枠4および前枠6を外枠2に対して閉じると、遊技盤8と透過板10とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機1の正面側から、透過板10を介して遊技盤8が視認可能となる。
【0015】
図2は、遊技機1の正面図である。この図に示すように、前枠6の下部には、遊技機1の正面側に突出する操作ハンドル12が設けられている。この操作ハンドル12は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル12を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル12の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤8に設けられたレール14a、14b間を上昇して遊技領域16に導かれることとなる。
【0016】
遊技領域16は、遊技盤8と透過板10との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤8には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域16に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
【0017】
遊技領域16は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域16aおよび第2遊技領域16bを備えている。第1遊技領域16aは、遊技機1に正対した遊技者から見て遊技領域16の左側に位置し、第2遊技領域16bは、遊技機1に正対した遊技者から見て遊技領域16の右側に位置している。レール14a、14bが遊技領域16の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域16aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域16bに進入することとなる。
【0018】
また、遊技領域16には、遊技球が入球可能な一般入賞口18、第1始動口20(始動領域)、第2始動口22(始動領域)が設けられており、これら一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0019】
なお、詳しくは後述するが、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技(第1特別遊技および第2特別遊技)の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
【0020】
また、第2始動口22には、可動片22bが開閉可能に設けられており、この可動片22bの状態に応じて、第2始動口22への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、第2始動口22が閉状態にあるときには、第2始動口22への遊技球の入球が不可能もしくは困難となっている。これに対して、遊技領域16に設けられたゲート24を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片22bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片22bが開状態になると、当該可動片22bが遊技球を第2始動口22に導く受け皿として機能し、第2始動口22への遊技球の入球が容易となる。
【0021】
ここで、第1始動口20は、第1遊技領域16aに位置しており、第1遊技領域16aを流下する遊技球のみが入球可能であって、第2遊技領域16bを流下する遊技球は入球不可能となっている。一方で、第2始動口22は、第2遊技領域16bに位置しており、第2遊技領域16bを流下する遊技球のみが入球可能であって、第1遊技領域16aを流下する遊技球は入球不可能となっている。
【0022】
なお、第1始動口20や第2始動口22の配置は一例にすぎず、具体的な盤面構成は特に限定されるものではない。したがって、第1始動口20には、第2遊技領域16bを流下する遊技球が入球してもよく、また、第2始動口22には、第1遊技領域16aを流下する遊技球が入球してもよい。ただし、本実施形態の遊技性を考慮すると、第1始動口20は、第1遊技領域16aに進入した遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第1遊技領域16aに進入した遊技球の方が、第2遊技領域16bに進入した遊技球よりも入球しやすい位置に設けることが望ましい。同様に、第2始動口22は、第2遊技領域16bに進入した遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第2遊技領域16bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域16aに進入した遊技球よりも入球しやすい位置に設けることが望ましい。
【0023】
さらに、遊技盤8(遊技領域16)の略中央には、第1アタッカー装置25が設けられており、第2遊技領域16bの下部には、第2アタッカー装置27が設けられている。詳しくは後述するが、第1アタッカー装置25は、遊技球が入球可能な第1大入賞口26と、この第1大入賞口26への遊技球の入球を不可能とする第1の状態、または、第1大入賞口26への遊技球の入球を可能とする第2の状態に変移する開閉羽26bと、を備えている。また、第2アタッカー装置27は、遊技球が入球可能な第2大入賞口28と、この第2大入賞口28への遊技球の入球を不可能とする第1の状態、または、第2大入賞口28への遊技球の入球を可能とする第2の状態に変移する開閉扉28bと、を備えている。これら両アタッカー装置25、27は、通常、第1大入賞口26および第2大入賞口28への遊技球の入球を不可能とする第1の状態に維持されており、前述の特別遊技(第1特別遊技および第2特別遊技)が実行された場合にのみ、内部への遊技球の入球を可能とする第2の状態となる。そして、これら第1大入賞口26および第2大入賞口28に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0024】
なお、遊技領域16の最下部には、一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22、第1大入賞口26、第2大入賞口28のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域16から遊技盤8の背面側に排出する排出口30が設けられている。
【0025】
そして、遊技盤8には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、ランプで文字や数字等を表示する演出表示部50aを備えた演出表示装置50と、可動装置からなる演出役物装置52とが設けられている。これら演出表示装置50や演出役物装置52は、遊技者にさまざまな期待感を付与するための演出を実行するものである。
【0026】
また、遊技盤8には、点灯態様や発光色をさまざまに制御して演出を行うためのランプからなる演出照明装置54が設けられている。さらに、遊技機1の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板10よりも下方位置には、遊技者の押下操作を受け付けるボタンからなる演出操作装置56が設けられている。そして、外枠2の最下部位置には、遊技機1の正面側に向けられたスピーカからなる音声出力装置58が設けられている。
【0027】
なお、図中符号70は、遊技機1から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿70が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿72に導かれることとなる。また、この下皿72の底面には、当該下皿72から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ72aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ72aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿72の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
【0028】
また、遊技盤8には、遊技領域16の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、普通図柄表示器88が設けられている。これら各表示器80、82、88は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
【0029】
図3は、第1アタッカー装置25の内部構造を説明する図である。第1アタッカー装置25は、その内部に、第1回転体32、第2回転体34、可動爪36からなる3つの可動役物装置を備えている。第1回転体32は、図中、黒丸で示す遊技球の直径と同等、もしくは、それ以上の厚さを有する円形、平板の部材で構成されている。この第1回転体32の外周には、遊技球を保持する複数(本実施形態では9個)の保持溝32aが、周方向に均等な間隔を維持して設けられている。なお、第1回転体32は、遊技中、15秒を1周期として、常に一定の態様で回転制御されている。
【0030】
第2回転体34は、第1回転体32の鉛直下方に設けられており、遊技球の直径と同等、もしくは、それ以上の厚さを有する円形、平板の部材で構成されている。この第2回転体34の外周には、遊技球を保持する複数(本実施形態では4個)の保持溝34aと、1つの特定保持溝34bとが、周方向に均等な間隔を維持して設けられている。特定保持溝34bは、保持溝34aに比べて、第2回転体34の径方向の深さが深く形成されている。なお、第2回転体34は、遊技中、常に一定の態様で回転制御されている。
【0031】
可動爪36は、第1回転体32の右方であって、第1アタッカー装置25の第1大入賞口26を区画するケーシングによって形成された排出通路38と、第1回転体32が配される空間との連通部分に設けられている。可動爪36は、図中実線で示すように、第1回転体32が配される空間と、排出通路38との連通を遮断する遮断状態と、図中破線で示すように、第1回転体32が配される空間と、排出通路38とを連通する連通状態とに変移する。なお、可動爪36は、遊技中、例えば2秒ごと等、一定のタイミングで遮断状態および連通状態に切り換わるように制御されている。
【0032】
また、第1アタッカー装置25の最下部であって、第2回転体34の近傍には、第1大入賞口26に入球した遊技球を、遊技盤8の背面側に排出するための孔からなる1つの特定領域40と、2つの非特定領域42とが設けられている。
【0033】
第1アタッカー装置25が開放されて第1大入賞口26に入球した遊技球は、通路44(
図2参照)を介して滞留部46に導かれる。滞留部46は、第1回転体32が設けられた空間と繋がっており、滞留部46に導かれた遊技球は、その自重により、第1回転体32側に向かって転動する。第1回転体32は、主に図中実線矢印で示す方向(時計回り方向)に回転しており、この第1回転体32の回転によって、いずれかの保持溝32aが滞留部46に対向する位置に到達すると、滞留部46から保持溝32aに遊技球が流下する。保持溝32a内に進入した遊技球は、第1アタッカー装置25のケーシングと保持溝32aとの間に保持された状態で、第1回転体32の回転に伴って移動する。
【0034】
そして、保持溝32aに保持された遊技球が、可動爪36に対向する位置に到達したときに、可動爪36が、図中破線で示す連通状態になっている場合には、遊技球は、その自重によって排出通路38側に転動する。このようにして排出通路38に導かれた遊技球は、当該排出通路38内において鉛直下方に向かって流下し、最終的に非特定領域42に進入して、第1大入賞口26から排出される。
【0035】
一方、保持溝32aに保持された遊技球が、可動爪36に対向する位置に到達したときに、可動爪36が、図中実線で示す遮断状態になっている場合には、遊技球は保持溝32aに保持されたまま、第1回転体32の回転に伴って、さらに鉛直下方に移動する。そして、第1回転体32が収容された空間と、第2回転体34が収容された空間とは、連通路48を介して連通しており、保持溝32aに保持された遊技球が連通路48まで到達すると、この連通路48から第2回転体34に向かって鉛直下方に流下する。
【0036】
第2回転体34は、主に図中破線矢印で示す方向(反時計回り方向)に回転しており、この第2回転体34の回転によって、保持溝34aおよび特定保持溝34bが、順次、連通路48に対向する。したがって、連通路48から鉛直下方に流下した遊技球は、当該遊技球が流下するときのタイミングと、第2回転体34の回転位置とに応じて、保持溝34aおよび特定保持溝34bのいずれかに進入、保持されることとなる。このようにして、保持溝34aまたは特定保持溝34bに進入した遊技球は、これら保持溝34aまたは特定保持溝34bに保持されたまま、第2回転体34の回転に伴って移動する。
【0037】
ここで、保持溝34aおよび特定保持溝34bの回転軌跡上には、特定領域40が設けられている。換言すれば、保持溝34aおよび特定保持溝34bは、第2回転体34の回転に伴って、順次、特定領域40に対向する。このとき、上記したように、保持溝34aは、特定保持溝34bよりも、第2回転体34の径方向の深さが浅く形成されている。その結果、遊技球を保持した特定保持溝34bが特定領域40に対向すると、特定保持溝34bに保持された遊技球は特定領域40に進入することとなるが、遊技球を保持した保持溝34aが特定領域40に対向しても、保持溝34aに保持された遊技球は特定領域40に進入することができない。つまり、保持溝34aに保持された遊技球は、特定領域40の上縁に当たって特定領域40に進入することができず、第2回転体34の回転に伴って特定領域40をそのまま通過してしまう。そして、保持溝34aに保持された遊技球は、特定領域40を通過したところで、自重によって保持溝34aから脱落し、そのまま下方に設けられた非特定領域42に進入して第1大入賞口26から排出されることとなる。
【0038】
詳しくは後述するが、本実施形態では、第1アタッカー装置25が開閉制御される第1特別遊技と、第2アタッカー装置27が開閉制御される第2特別遊技とが実行され得る。第2特別遊技では多量の賞球を獲得することができる可能性が高く設定されているが、この第2特別遊技を実行するためには、少なくとも、第1特別遊技中に第1大入賞口26に入球した遊技球を特定領域40に進入させなければならないように設計されている。したがって、第1特別遊技中に第1大入賞口26に遊技球が入球すると、遊技者は、当該遊技球が特定領域40に導かれるように、換言すれば、第2回転体34の特定保持溝34bに遊技球が進入することを切望しながら、遊技球の転動の行方を見守ることとなる。なお、第1大入賞口26に入球した遊技球が特定領域40に進入する確率は、第1回転体32および第2回転体34の回転速度や、保持溝32a、34a、特定保持溝34bの数、さらには、可動爪36の可動タイミング等で適宜設計可能であるが、本実施形態では、第1回転体32および第2回転体34を、次のように回転制御することとしている。
【0039】
図4は、第1回転体32の制御タイミングを説明する図である。第1回転体32は、第1回転モータ32cによって回転駆動される。この第1回転モータ32cは、15秒を1周期として制御されており、遊技中、常に一定の態様で第1回転体32を回転させる。具体的には、まず、第1回転モータ制御カウンタに15秒に対応するカウンタ値をセットするのと同時に、通電を停止して第1回転モータ32cを0.1秒間停止させる。その後、第1回転モータ32cを逆転(
図3の実線矢印方向とは反対方向に回転)させ、逆転開始から1.0秒が経過したところで、再度、通電を停止して第1回転モータ32cを0.1秒間停止させる。そして、0.1秒が経過したところで、今度は第1回転モータ32cを正転(
図3の実線矢印方向に回転)させるように通電を再開する。このようにして第1回転モータ32cが正転した後、第1回転モータ制御カウンタの更新によって15秒が経過したところで、再び、第1回転モータ32cの通電を停止させるとともに、第1回転モータ制御カウンタに15秒に対応するカウンタ値を再度セットし、以後、上記の制御を繰り返す。
【0040】
以上の制御により、第1回転体32は、1周期の動作として、0.1秒の停止、1.0秒の逆転、0.1秒の停止、13.8秒の正転を繰り返すこととなり、常に一定の態様で回転することとなる。なお、上記のように、第1回転体32の回転動作中に、逆転動作を行うのは、仮に、第1回転体32とケーシング等との間に遊技球が噛み込んだ場合に、この噛み込みを解消するためのものである。
【0041】
図5は、第2回転体34の制御タイミングを説明する図である。第2回転体34は、第2回転モータ34cによって回転駆動される。この第2回転モータ34cは、3.5秒を1周期として制御されており、遊技中、常に一定の態様で第2回転体34を回転させる。具体的には、第2回転体34の近傍には、第2回転体基準点検出スイッチ34sが設けられており、第2回転体34に設けられた不図示の検出片が予め設定された基準点に到達すると、第2回転体基準点検出スイッチ34sから検出信号が出力される。
【0042】
そして、検出信号が出力されてから0.5秒が経過すると、通電を停止して第2回転モータ34cを0.1秒間停止させる。その後、第2回転モータ34cを逆転(
図3の破線矢印方向とは反対方向に回転)させ、逆転開始から0.2秒が経過したところで、再度、通電を停止して第2回転モータ34cを0.1秒間停止させる。そして、0.1秒が経過したところで、今度は第2回転モータ34cを正転(
図3の破線矢印方向に回転)させるように通電を再開する。このようにして第2回転モータ34cが正転した後、再度、第2回転体基準点検出スイッチ34sから検出信号が出力されると、当該検出信号が出力されてから0.5秒が経過したところで、第1回転モータ32cの通電を停止させ、以後、上記の制御を繰り返す。このとき、第2回転体基準点検出スイッチ34sから検出信号が出力される間隔は3.5秒に設定されており、したがって、第2回転体34は、1周期の動作として、0.5秒の正転、0.1秒の停止、0.2秒の逆転、0.1秒の停止、2.6秒の正転を繰り返すこととなり、常に一定の態様で回転することとなる。
【0043】
なお、基準点は、特定保持溝34bがちょうど特定領域40に対向したところで逆転動作が行われるように設定されている。これは、特定保持溝34bに遊技球が保持されているにも関わらず、特定領域40に遊技球が進入せずに非特定領域42に向けて脱落してしまうといった不具合を生じさせることなく、特定保持溝34bに保持された遊技球を、確実に特定領域40に進入させるためである。
【0044】
(制御手段の内部構成)
図6は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
【0045】
主制御基板100は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板100は、メインCPU100a、メインROM100b、メインRAM100cを備えている。メインCPU100aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM100bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM100cは、メインCPU100aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0046】
上記主制御基板100には、一般入賞口18に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ18a、第1始動口20に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口22に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ22a、ゲート24を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ24a、第1大入賞口26に遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出スイッチ26a、第2大入賞口28に遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出スイッチ28a、第2回転体34が基準点に到達したことを検出する第2回転体基準点検出スイッチ34s、特定領域40に遊技球が進入したことを検出する特定領域検出スイッチ40a、第1大入賞口26に入球した遊技球が当該第1大入賞口26から排出されたことを検出する排出検出スイッチ42aが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板100に検出信号が入力されるようになっている。なお、一般入賞口検出スイッチ18a、第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口検出スイッチ22a、ゲート検出スイッチ24a、第2大入賞口検出スイッチ28a、特定領域検出スイッチ40aは、それぞれ、一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22、ゲート24、第2大入賞口28、特定領域40内に設けられている。また、第1大入賞口検出スイッチ26aは、通路44の入口端(鉛直上方の端部)に設けられている。
【0047】
さらに、遊技盤8の背面側には、特定領域40に進入した遊技球と、非特定領域42に進入した遊技球とが合流する通路が設けられており、この通路上に排出検出スイッチ42aが設けられている。したがって、排出検出スイッチ42aは、第1大入賞口26に入球した遊技球が、特定領域40および非特定領域42のいずれに進入したかに拘わらず、第1大入賞口26から遊技球が排出されたことを検出することとなる。
【0048】
また、主制御基板100には、第2始動口22の可動片22bを作動する始動口開閉ソレノイド22c、第1大入賞口26を開閉する開閉羽26bを作動する開閉羽作動ソレノイド26c、第2大入賞口28を開閉する開閉扉28bを作動する第2大入賞口開閉ソレノイド28c、第1回転体32を回転させる第1回転モータ32c、第2回転体34を回転させる第2回転モータ34c、可動爪36を作動させる可動爪作動ソレノイド36cが接続されており、主制御基板100によって、第2始動口22、第1大入賞口26および第2大入賞口28の開閉制御、ならびに第1回転体32、第2回転体34および可動爪36の駆動制御がなされるようになっている。
【0049】
さらに、主制御基板100には、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、普通図柄表示器88が接続されており、主制御基板100によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
【0050】
また、本実施形態の遊技機1は、主に第1始動口20または第2始動口22への遊技球の入球によって開始される特別図柄遊技と、ゲート24を遊技球が通過することによって開始される普通図柄遊技とに大別される。そして、主制御基板100のメインROM100bには、特別図柄遊技および普通図柄遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0051】
また、主制御基板100には、払出制御基板120および副制御基板200が接続されている。
【0052】
払出制御基板120は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板120も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板100に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板120には遊技情報出力端子板110が接続されており、主制御基板100から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板120および遊技情報出力端子板110を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
【0053】
また、払出制御基板120には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ121が接続されている。払出制御基板120は、主制御基板100から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ121を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ122によって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
【0054】
また、払出制御基板120には、下皿72の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ123が接続されている。この皿満タン検出スイッチ123は、賞球として払い出される遊技球を下皿72に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板120に入力されるようになっている。
【0055】
そして、下皿72に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿72に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ123から払出制御基板120に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板120は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿72が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
【0056】
また、払出制御基板120には、発射制御基板130が双方向に通信可能に接続されている。この発射制御基板130は、払出制御基板120から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。この発射制御基板130には、操作ハンドル12に設けられ、当該操作ハンドル12に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ12aと、操作ハンドル12の操作角度を検出する操作ボリューム12bと、が接続されている。そして、タッチセンサ12aおよび操作ボリューム12bから信号が入力されると、発射制御基板130において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド131を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
【0057】
副制御基板200は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板200は、サブCPU200a、サブROM200b、サブRAM200cを備えており、主制御基板100に対して、当該主制御基板100から副制御基板200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行するためのコマンドを、画像制御基板210または電飾制御基板220に送信する。このとき、サブRAM200cは、サブCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0058】
画像制御基板210は、CPU、ROM、RAMを備えており、上記演出表示部50aの表示制御を行うものである。
【0059】
電飾制御基板220は、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、音声出力装置58から音声を出力させる音声出力制御を行う。また、電飾制御基板220は、副制御基板200から送信されるコマンドに基づいて、演出役物装置52を可動したり演出照明装置54を点灯制御したりする。さらには、演出操作装置56が押下操作されたことを検出する演出操作装置検出スイッチ56aから操作検出信号が入力された際に、所定のコマンドを副制御基板200に送信する。
【0060】
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されている。この電源基板は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板100に出力する。
【0061】
次に、本実施形態の遊技機1における遊技について、メインROM100bに記憶されている各種テーブルを参照しながら説明する。
【0062】
前述したように、本実施形態の遊技機1は、特別図柄遊技と普通図柄遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、非時短遊技状態(非特定遊技状態)または時短遊技状態(特定遊技状態)のいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
【0063】
各遊技状態の詳細については後述するが、非時短遊技状態というのは、可動片22bが開状態になりにくく、第2始動口22に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片22bが開状態になりやすく、第2始動口22に遊技球が入球しやすい遊技状態である。なお、遊技機1の初期状態は、非時短遊技状態に設定され、この遊技状態を本実施形態では通常遊技状態と称する場合がある。
【0064】
遊技者が操作ハンドル12を操作して遊技領域16に遊技球を発射させるとともに、遊技領域16を流下する遊技球が第1始動口20または第2始動口22に入球すると、遊技者に付与される遊技利益、より詳細には、第1特別遊技の実行可否および実行態様が対応付けられた図柄を決定するための抽選(以下、「図柄抽選」という)が行われる。この図柄抽選において図柄が決定されると、決定された図柄に対応付けられた態様で第1大入賞口26が開放されて第1特別遊技が実行される。以下では、図柄抽選方法について説明する。
【0065】
なお、詳しくは後述するが、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、図柄抽選に係る種々の乱数値(当たり図柄乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM100cの処理領域に記憶される。以下では、第1始動口20に遊技球が入球して処理領域に記憶された種々の乱数を総称して特1乱数とよび、第2始動口22に遊技球が入球して処理領域に記憶された種々の乱数を総称して特2乱数とよぶ。
【0066】
図7は、図柄乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、0〜999の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得されて処理領域に記憶される。そして、処理領域に記憶された当たり図柄乱数が、第1始動口20に遊技球が入球して取得された特1乱数であった場合には、
図7(a)に示す図柄乱数判定テーブル1が選択され、第2始動口22に遊技球が入球して取得された特2乱数であった場合には、
図7(b)に示す図柄乱数判定テーブル2が選択される。
【0067】
図7(a)に示す図柄乱数判定テーブル1によれば、図示のとおり、当たり図柄乱数が0〜899であれば特別図柄Aが決定され、900〜915であれば特別図柄Bが決定され、916〜941であれば特別図柄Cが決定され、942〜967であれば特別図柄Dが決定され、968〜993であれば特別図柄Eが決定され、994〜999であれば特別図柄Fが決定される。また、
図7(b)に示す図柄乱数判定テーブル2によれば、図示のとおり、当たり図柄乱数が0〜999のいずれの値であっても特別図柄Gが決定される。なお、ここでは、図柄乱数判定テーブル1、2において、図示のように特別図柄が決定されることとしたが、両テーブルにおいて決定される特別図柄の種別や決定比率は適宜設計可能である。
【0068】
上記のようにして図柄が決定されると、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82において図柄の変動表示が行われた後、決定された図柄が所定時間停止表示される。したがって、図柄が決定された場合には、次に、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82において図柄を変動表示させる時間である変動時間が決定される。
【0069】
図8は、通常遊技状態用の変動パターン抽選テーブル1を説明する図であり、
図9は、時短遊技状態用の変動パターン抽選テーブル2を説明する図である。第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、上記の当たり図柄乱数とともに、0〜349の範囲内から1つの変動パターン乱数が取得されて処理領域に記憶される。そして、処理領域に変動パターン乱数が記憶されたときの遊技状態が通常遊技状態であれば、
図8に示す変動パターン抽選テーブル1が選択され、処理領域に変動パターン乱数が記憶されたときの遊技状態が時短遊技状態であれば、
図9に示す変動パターン抽選テーブル2が選択される。
【0070】
図8に示す変動パターン抽選テーブル1によれば、図示のとおり、変動パターン1〜35の35通りの変動パターンの中からいずれかの変動パターンが決定される。このとき、各変動パターンには変動時間が対応付けられており、変動パターン1に対応付けられた変動時間は0.6秒と最も短く、変動パターン35に対応付けられた変動時間は4.0秒と最も長い。また、変動パターン1〜35に対応付けられた変動時間は、もっとも短い変動時間(0.6秒)から、もっとも長い変動時間(4.0秒)まで、順次、一定の時間差(0.1秒)で変動時間が長くなっていくように設定されている。つまり、ここでは、変動パターン1〜35まで、0.1秒間隔で変動時間が設定されている。そして、変動パターン抽選テーブル1において、これら35通りの変動パターンがいずれも同一の確率で決定されるように、乱数範囲が設定されている。
【0071】
また、
図9に示す変動パターン抽選テーブル2によれば、図示のとおり、変動パターン0〜34の35通りの変動パターンの中からいずれかの変動パターンが決定される。この変動パターン抽選テーブル2においては、変動パターン0に対応付けられた変動時間が0.5秒と最も短く、変動パターン34に対応付けられた変動時間が3.9秒と最も長い。また、変動パターン0〜34に対応付けられた変動時間は、もっとも短い変動時間(0.5秒)から、もっとも長い変動時間(3.9秒)まで、順次、一定の時間差(0.1秒)で変動時間が長くなっていくように設定されている。つまり、ここでは、変動パターン0〜34まで、0.1秒間隔で変動時間が設定されている。そして、変動パターン抽選テーブル2において、これら35通りの変動パターンがいずれも同一の確率で決定されるように、乱数範囲が設定されている。
【0072】
ここで、本実施形態では、第2回転体34の回転によって、特定領域40に遊技球が進入するか否かが大きく左右される。上述のとおり、第2回転体34は、3.5秒を1周期の動作として一定の態様で回転制御されている(
図5参照)ため、特定領域40にもっとも遊技球を進入させやすいタイミングを遊技者に把握されるおそれがある。具体的には、本実施形態では、まず、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると図柄が決定され、所定の変動時間が経過すると、第1大入賞口26が開放される。この間に第1大入賞口26に入球した遊技球は、第1回転体32および第2回転体34を介して特定領域40に導かれることとなる。
【0073】
このとき、仮に変動時間が一定、すなわち、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球してから第1大入賞口26が開放されるまでの時間が一定だとする。すると、第2回転体34の特定保持溝34bの位置、第2回転体34の回転速度、遊技球が第1大入賞口26に入球してから第2回転体34に到達するまでに要する時間、図柄の変動時間を逆算すれば、どのタイミングで第1始動口20または第2始動口22に遊技球を入球させた場合に、特定領域40に遊技球を進入させやすいかを導出することができてしまう。この場合には、遊技者の情報量によって遊技利益に大きな差異が生じてしまい、遊技の公平性が損なわれるという問題が生じる。そこで、本実施形態では、第2回転体34の1周期に要する時間(3.5秒)を、各変動時間の一定の時間差(0.1秒)で除した数である35種類を設けるとともに、これら35種類の変動時間が均等な確率で決定されるようにしている。これにより、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球したときのタイミングを問わず、第1大入賞口26が開放された時点における第2回転体34の回転位相がランダムとなり、所謂「狙い打ち」によって不公平が生じるといった事態を回避することができる。
【0074】
図10は、特別遊技を制御するための特別電動役物作動テーブルを説明する図である。特別電動役物作動テーブルは、特別遊技の実行中に開閉羽作動ソレノイド26cおよび第2大入賞口開閉ソレノイド28cを通電制御するために参照されるものであり、本実施形態においては、特別電動役物作動テーブルとして、作動テーブル1〜3が設けられている。
【0075】
そして、特別図柄Aが決定されると、
図10(a)に示すように、作動テーブル1を参照して特別遊技が実行される。この作動テーブル1によれば、第1特別遊技として、第1大入賞口26が1.1秒開放すること、または、第1大入賞口26に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技(1R)が1回実行される。そして、この1回目のラウンド遊技中に特定領域40に遊技球が進入した場合には、第1特別遊技に引き続いて第2特別遊技が実行される。この場合、作動テーブル1によれば、第2特別遊技として、第2大入賞口28が0.1秒開放すること、または、第2大入賞口28に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技(2〜7R)が6回実行される。なお、第1特別遊技中に特定領域40に遊技球が進入しなかった場合には、第2特別遊技が実行されることなく、特別遊技が終了となる。
【0076】
また、特別図柄B、C、D、E、Fのいずれかが決定されると、
図10(b)に示すように、作動テーブル2を参照して特別遊技が実行される。この作動テーブル2によれば、第1特別遊技として、第1大入賞口26が1.1秒開放すること、または、第1大入賞口26に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技(1R)が1回実行される。そして、この1回目のラウンド遊技中に特定領域40に遊技球が進入した場合には、第1特別遊技に引き続いて第2特別遊技が実行される。この場合、作動テーブル2によれば、第2特別遊技として、第2大入賞口28が29.0秒開放すること、または、第2大入賞口28に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技(2〜7R)が6回実行される。なお、第1特別遊技中に特定領域40に遊技球が進入しなかった場合には、第2特別遊技が実行されることなく、特別遊技が終了となる。
【0077】
また、特別図柄Gが決定されると、
図10(c)に示すように、作動テーブル3を参照して特別遊技が実行される。この作動テーブル3によれば、第1特別遊技として、第1大入賞口26が1.4秒開放すること、または、第1大入賞口26に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技(1R)が1回実行される。そして、この1回目のラウンド遊技中に特定領域40に遊技球が進入した場合には、第1特別遊技に引き続いて第2特別遊技が実行される。この場合、作動テーブル3によれば、第2特別遊技として、第2大入賞口28が29.0秒開放すること、または、第2大入賞口28に8個の遊技球が入球する(カウントC=8)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技(2〜7R)が6回実行される。なお、第1特別遊技中に特定領域40に遊技球が進入しなかった場合には、第2特別遊技が実行されることなく、特別遊技が終了となる。
【0078】
これら作動テーブル1〜3によれば、いずれも、まず、第1大入賞口26が開放されて第1特別遊技(1回目のラウンド遊技)が実行される。このとき、決定された特別図柄が特別図柄A〜Fであった場合には、第1大入賞口26の開放時間が1.1秒であるのに対して、決定された特別図柄が特別図柄Gであった場合には、第1大入賞口26の開放時間が1.4秒と長く設定されている。遊技球は、0.6秒間隔で発射されるように設計されているため、第1大入賞口26の1回の開放時間が1.1秒である場合よりも、1.4秒である場合の方が、当然のこととして第1大入賞口26に遊技球が入球しやすく、また、2個以上の遊技球が入球する可能性も高い。そして、第1特別遊技において、第1大入賞口26に入球する遊技球の数が多くなれば、特定領域40に遊技球が進入する可能性も当然にして高まる。このことからも明らかなように、作動テーブル1、2を参照して第1特別遊技が実行されるよりも、作動テーブル3を参照して第1特別遊技が実行された場合の方が、特定領域40への遊技球の進入確率が高まることとなる。
【0079】
ここで、作動テーブル3を参照して第1特別遊技が実行されるのは、特別図柄Gが決定された場合であるが、特別図柄Gは、第2始動口22に遊技球が入球した場合にのみ決定され、第1始動口20に遊技球が入球した場合に決定されることはない。また、詳しくは後述するが、第2始動口22は、通常遊技状態では、ほぼ閉状態に維持されており開状態に制御されることが殆どなく、したがって、第2始動口22に遊技球が入球して特別図柄Gが決定されるのは、実質的には時短遊技状態に限られる。これにより、時短遊技状態は、通常遊技状態に比べて、1回の第1特別遊技中に、特定領域40に遊技球を進入させることができる確率が高い遊技状態と言える。
【0080】
また、作動テーブル1によれば、2〜7回目のラウンド遊技において、第2大入賞口28が0.1秒しか開放されない。したがって、特別図柄Aが決定されて第1特別遊技が実行された場合には、この第1特別遊技中に遊技球が特定領域40に進入したとしても、遊技者は第2大入賞口28に遊技球を入球させることができず、殆ど賞球を獲得することができない。一方で、作動テーブル2、3によれば、2〜7回目のラウンド遊技において、第2大入賞口28が最大で29.0秒開放されることから、確実に8個の遊技球を第2大入賞口28に入球させることが可能となり、多量の賞球を獲得することができる。
【0081】
図11は、上記のようにして第2特別遊技が実行された場合に、当該第2特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。特別遊技の終了後の遊技状態は、図柄抽選によって決定された特別図柄の種別と、図柄が決定されたときの遊技状態とによって決定される。
【0082】
図示のとおり、非時短遊技状態において特別図柄A、B、Gが決定された場合には、第2特別遊技の終了後の遊技状態として非時短遊技状態に設定され、非時短遊技状態において特別図柄C、D、E、Fが決定された場合には、第2特別遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態に設定される。なお、特別図柄C、D、E、Fが決定され、第2特別遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態に設定された場合には、同時に、時短遊技状態の継続回数である時短回数が設定される。具体的には、特別図柄Cが決定された場合には時短回数が2回、特別図柄Dが決定された場合には時短回数が3回、特別図柄Eが決定された場合には時短回数が4回、特別図柄Fが決定された場合には時短回数が10回に設定される。これは、図柄抽選によって決定された特別図柄が、2、3、4、10回確定するまで継続することを意味している。ただし、上記した時短回数は1の時短遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に第2特別遊技が実行された場合には、再度、時短回数の設定が行われることとなる。したがって、第2特別遊技の終了後に時短遊技状態に設定された場合に、当該時短遊技状態において第2特別遊技が実行されることなく、所定回数、特別図柄が停止表示されると、時短遊技状態から通常遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。
【0083】
一方、時短遊技状態においては、特別図柄A〜Gのいずれが決定されたとしても、第2特別遊技の終了後の遊技状態として時短遊技状態に設定され、時短回数が10回に設定される。つまり、ひとたび時短遊技状態に設定されれば、以後、必ず、第1特別遊技の実行の機会が10回付与されることとなる。そして、この10回の第1特別遊技のいずれかで特定領域40に遊技球を進入させることができれば、第2特別遊技が実行され、しかも、この第2特別遊技の終了後に、再度、10回の第1特別遊技の実行機会を獲得することができる。
【0084】
なお、ここでは、いずれの特別図柄が決定されたとしても、必ず、第1特別遊技が実行されることとした。換言すれば、図柄抽選によって決定され得る全ての特別図柄に、第1特別遊技の実行と、第2特別遊技の終了後に設定する遊技状態と、が対応付けられている。しかしながら、例えば、第1特別遊技の不実行が対応付けられた特別図柄を設けることとし、第1特別遊技の不実行が対応付けられた特別図柄が決定された場合には、第1特別遊技を実行することなく、再び、次の第1始動口20または第2始動口22への遊技球の入球を待機するようにしてもよい。いずれにしても、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球したことを条件として、第1特別遊技の実行可否が対応付けられた複数種類の特別図柄の中からいずれかの特別図柄を決定することとし、しかも、第1特別遊技の実行が対応付けられた特別図柄には、さらに当該第1特別遊技の実行態様(第1大入賞口26の開閉時間等)と、第2特別遊技が実行された場合に当該第2特別遊技の終了後の遊技状態とが対応付けられていればよい。
【0085】
図12は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。遊技領域16を流下する遊技球がゲート24を通過すると、第2始動口22の可動片22bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の決定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。遊技球がゲート24を通過すると、0〜65535の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この当たり決定乱数がメインRAM100cの処理領域に記憶される。
【0086】
非時短遊技状態(通常遊技状態)において普図抽選を開始する場合には、
図12(a)に示す当たり決定乱数判定テーブル1が参照される。この当たり決定乱数判定テーブル1によれば、当たり決定乱数が0であった場合に「当選」と判定し、当たり決定乱数が1〜65535であった場合には「ハズレ」と判定する。したがって、この場合の当選確率は1/65536となる。
【0087】
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、
図12(b)に示す当たり決定乱数判定テーブル2が参照される。この当たり決定乱数判定テーブル2によれば、当たり決定乱数が0〜65534であった場合に「当選」と判定し、当たり決定乱数が65535であった場合には「ハズレ」と判定する。したがって、この場合の当選確率は65535/65536となる。なお、普図抽選によって「当選」の判定結果が得られた場合には当たり図柄が決定され、「ハズレ」の判定結果が得られた場合にはハズレ図柄が決定される。
【0088】
図13(a)は、普通図柄変動パターン決定テーブルを説明する図であり、
図13(b)は、第2始動口開放制御テーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動パターンが決定される。ここでは、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が10秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器88が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器88が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器88が消灯する。
【0089】
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器88が点灯した場合には、第2始動口22の可動片22bが、
図13(b)に示すように通電制御される。すなわち、非時短遊技状態(通常遊技状態)において当たり図柄が決定された場合には、始動口開閉ソレノイド22cが0.1秒×1回=0.1秒通電され、第2始動口22の可動片22bが合計で0.1秒開放される。また、時短遊技状態において当たり図柄が決定された場合には、始動口開閉ソレノイド22cが2.9秒×2回=5.8秒通電され、第2始動口22の可動片22bが合計で5.8秒開放される。
【0090】
このように、非時短遊技状態および時短遊技状態には、それぞれ、第2始動口22を開閉するための開閉条件が、遊技進行条件として対応付けられており、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動口22に遊技球が入球しやすくなる。つまり、時短遊技状態においては、ゲート24を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口22が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら、図柄抽選を行うことが可能となる。
【0091】
なお、第2始動口22は、ゲート24に遊技球が通過して当たり図柄が決定された場合に、開放条件が成立したとして開閉制御されるが、第2始動口22の開閉制御は、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第2始動口22の開放時間の3つの要素によって規定される。そして、本実施形態では、この3つの要素全てにおいて、非時短遊技状態よりも時短遊技状態の方が有利に設定することで、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも、第2始動口22に遊技球が入球しやすくなるように設定した。しかしながら、上記3つの要素全てにおいて、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも有利に設定する必要はなく、少なくとも1つの要素を有利にすることで、総合的に時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも第2始動口22に遊技球が容易に入球するようにすればよい。したがって、例えば、本実施形態において、普図抽選で「当選」となる確率を、非時短遊技状態と時短遊技状態とで等しくすることも可能である。いずれにしても、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件にしたがって可動片22bが開閉制御され、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件よりも開状態になりやすい第2の条件にしたがって可動片22bが開閉制御されればよい。
【0092】
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
【0093】
(主制御基板のメイン処理)
図14を用いて、主制御基板100のメイン処理を説明する。
【0094】
電源基板より電源が供給されると、メインCPU100aにシステムリセットが発生し、メインCPU100aは、以下のメイン処理を行う。
【0095】
(ステップS1)
メインCPU100aは、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM100bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM100cに記憶されるフラグ等を初期化したり、副制御基板200に送信する各種のコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。
【0096】
(ステップS2)
次に、メインCPU100aは、変動パターン乱数を更新する。
【0097】
(ステップS3)
次に、メインCPU100aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。このステップS3の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS2とステップS3との処理を繰り返し行う。
【0098】
(主制御基板のタイマ割込処理)
図15を用いて、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
【0099】
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスが発生されることで、以下のタイマ割込処理が実行される。
【0100】
(ステップS100)
まず、メインCPU100aは、各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板100のタイマ割込処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
【0101】
(ステップS200)
次に、メインCPU100aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
【0102】
(ステップS300)
次に、メインCPU100aは、第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口検出スイッチ22a、ゲート検出スイッチ24a、第1大入賞口検出スイッチ26a、特定領域検出スイッチ40aに入力があったか否か判定する入力制御処理を行う。
【0103】
(ステップS400)
次に、メインCPU100aは、特別図柄、特別電動役物の制御を行うための特図特電処理を行う。
【0104】
(ステップS500)
次に、メインCPU100aは、普通図柄、普通電動役物の制御を行うための普図普電処理を行う。
【0105】
(ステップS600)
次に、メインCPU100aは、第1回転体32、第2回転体34、可動爪36を可動制御するための役物制御処理を行う。
【0106】
(ステップS700)
次に、メインCPU100aは、一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22、第1大入賞口26、第2大入賞口28に遊技球が入球したか否かを確認する。具体的には、一般入賞口検出スイッチ18a、第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口検出スイッチ22a、第1大入賞口検出スイッチ26a、大入賞口検出スイッチ28aから検出信号が入力された場合には、それぞれの検出信号に対応する賞球カウンタを更新するとともに、検出信号に対応する払出個数指定コマンドを払出制御基板120に送信する。なお、払出制御基板120において賞球の払い出しが行われると、その賞球ごとに主制御基板100にコマンドが送信され、当該コマンドを受信すると、賞球カウンタが0になるまで賞球カウンタを減算する。
【0107】
(ステップS800)
次に、メインCPU100aは、外部情報データ、始動口開閉ソレノイドデータ、開閉羽作動ソレノイドデータ、第2大入賞口開閉ソレノイドデータ、各表示器80、82、88の表示データを作成する処理を行う。
【0108】
(ステップS900)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS800で作成した各データの信号を出力させるポート出力処理、および、上記各ステップでメインRAM100cの演出用伝送データ格納領域にセットされたコマンドを送信するコマンド送信処理を行う。
【0109】
以下に、上記したタイマ割込処理のうち、ステップS300の入力制御処理、ステップS400の特図特電処理、ステップS500の普図普電処理、ステップS600の役物制御処理について、詳細に説明する。
【0110】
図16は、上記ステップS300の入力制御処理を説明するフローチャートである。
【0111】
(ステップS330)
まず、メインCPU100aは、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が第1始動口20に入球したか否かを判定して、図柄抽選を行うための所定のデータをセットする。詳しくは、
図17を用いて後述する。
【0112】
(ステップS340)
次に、メインCPU100aは、第2始動口検出スイッチ22aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が第2始動口22に入球したか否かを判定して、図柄抽選を行うための所定のデータをセットする。詳しくは、
図18を用いて後述する。
【0113】
(ステップS350)
次に、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ24aから信号が入力されたか、すなわち、遊技球がゲート24を通過したか否かを判定して、普通図柄の抽選を行うための所定のデータをセットする。詳しくは、
図19を用いて後述する。
【0114】
(ステップS360)
次に、メインCPU100aは、第1大入賞口検出スイッチ26aから信号が入力されたか、すなわち、遊技球が第1大入賞口26に入球したか否かを判定して、所定の処理を実行する。詳しくは、
図20を用いて後述する。
【0115】
(ステップS370)
次に、メインCPU100aは、特定領域検出スイッチ40aから信号が入力されたか、すなわち、遊技球が特定領域40に進入したか否かを判定して、所定の処理を実行する。詳しくは、
図21を用いて後述する。
【0116】
図17は、上記ステップS330の第1始動口検出スイッチ入力処理を説明するフローチャートである。
【0117】
(ステップS330−1)
まず、メインCPU100aは、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたか否かを判定する。その結果、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたと判定した場合にはステップS330−2に処理を移し、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されていないと判定した場合には、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0118】
(ステップS330−2)
上記ステップS330−1において、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたと判定した場合には、メインCPU100aは、メインRAM100cに設けられた所定の特図処理領域に乱数情報(当たり図柄乱数、変動パターン乱数)が記憶されているかを判定する。その結果、乱数情報が記憶されていると判定した場合には当該第1始動口検出スイッチ入力処理を終了し、乱数情報は記憶されていないと判定した場合にはステップS330−3に処理を移す。
【0119】
(ステップS330−3)
上記ステップS330−2において、特図処理領域に乱数情報は記憶されていないと判定した場合には、メインCPU100aは、上記ステップS200で更新された当たり図柄乱数を取得するとともに、当該取得した当たり図柄乱数を、上記したメインRAM100cの特図処理領域に記憶する。
【0120】
(ステップS330−4)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS2で更新された変動パターン乱数を取得するとともに、上記したメインRAM100cの特図処理領域に記憶して、当該第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0121】
図18は、上記ステップS340の第2始動口検出スイッチ入力処理を説明するフローチャートである。
【0122】
(ステップS340−1)
まず、メインCPU100aは、第2始動口検出スイッチ22aから検出信号が入力されたか否かを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチ22aから検出信号が入力されたと判定した場合にはステップS340−2に処理を移し、第2始動口検出スイッチ22aから検出信号が入力されていないと判定した場合には、第2始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0123】
(ステップS340−2)
上記ステップS340−1において、第2始動口検出スイッチ22aから検出信号が入力されたと判定した場合には、メインCPU100aは、メインRAM100cに設けられた所定の特図処理領域に乱数情報(当たり図柄乱数、変動パターン乱数)が記憶されているかを判定する。その結果、乱数情報が記憶されていると判定した場合には当該第2始動口検出スイッチ入力処理を終了し、乱数情報は記憶されていないと判定した場合にはステップS340−3に処理を移す。
【0124】
(ステップS340−3)
上記ステップS340−2において、特図処理領域に乱数情報は記憶されていないと判定した場合には、メインCPU100aは、上記ステップS200で更新された当たり図柄乱数を取得するとともに、当該取得した当たり図柄乱数を、上記したメインRAM100cの特図処理領域に記憶する。
【0125】
(ステップS340−4)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS2で更新された変動パターン乱数を取得するとともに、上記したメインRAM100cの特図処理領域に記憶して、当該第2始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0126】
図19は、上記ステップS350のゲート検出スイッチ入力処理を説明するフローチャートである。
【0127】
(ステップS350−1)
まず、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたか否かを判定する。その結果、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたと判定した場合にはステップS350−2に処理を移し、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されていないと判定した場合には、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。
【0128】
(ステップS350−2)
上記ステップS350−1において、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたと判定した場合には、メインCPU100aは、メインRAM100cに設けられた普図処理領域に乱数情報(当たり決定乱数)が記憶されているかを判定する。その結果、乱数情報が記憶されていると判定した場合には当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了し、乱数情報は記憶されていないと判定した場合にはステップS350−3に処理を移す。
【0129】
(ステップS350−3)
上記ステップS350−2において、普図処理領域に乱数情報は記憶されていないと判定した場合には、メインCPU100aは、現在の当たり決定乱数を取得して普図処理領域に記憶して、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、当たり決定乱数は、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、いずれも一定の規則にしたがって更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
【0130】
図20は、上記ステップS360の第1大入賞口検出スイッチ入力処理を説明するフローチャートである。
【0131】
(ステップS360−1)
まず、メインCPU100aは、第1大入賞口検出スイッチ26aから検出信号が入力されたか否かを判定する。その結果、第1大入賞口検出スイッチ26aから検出信号が入力されたと判定した場合にはステップS360−2に処理を移し、第1大入賞口検出スイッチ26aから検出信号が入力されていないと判定した場合には、当該第1大入賞口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0132】
(ステップS360−2)
上記ステップS360−1において、第1大入賞口検出スイッチ26aから検出信号が入力されたと判定した場合には、メインCPU100aは、有効期間フラグがオンしているかを判定する。なお、詳しくは後述するが、この有効期間フラグは、第1特別遊技の実行中にオンされるものであり、第1特別遊技が実行されていることを示すものである。そして、有効期間フラグがオンしていると判定した場合にはステップS360−3に処理を移し、有効期間フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS360−4に処理を移す。
【0133】
(ステップS360−3)
上記ステップS360−2において、有効期間フラグがオンしていると判定した場合には、メインCPU100aは、第1大入賞口26に遊技球が入球したことを示す第1大入賞口入球フラグをオンして、当該第1大入賞口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0134】
(ステップS360−4)
一方、上記ステップS360−2において、有効期間フラグはオンしていないと判定した場合には、メインCPU100aは、所定のエラー処理を実行して当該第1大入賞口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0135】
図21は、上記ステップS370の特定領域検出スイッチ入力処理を説明するフローチャートである。
【0136】
(ステップS370−1)
まず、メインCPU100aは、特定領域検出スイッチ40aから検出信号が入力されたか否かを判定する。その結果、特定領域検出スイッチ40aから検出信号が入力されたと判定した場合にはステップS370−2に処理を移し、特定領域検出スイッチ40aから検出信号が入力されていないと判定した場合には、当該特定領域検出スイッチ入力処理を終了する。
【0137】
(ステップS370−2)
上記ステップS370−1において、特定領域検出スイッチ40aから検出信号が入力されたと判定した場合には、メインCPU100aは、有効期間フラグがオンしているかを判定する。その結果、有効期間フラグがオンしていると判定した場合にはステップS370−3に処理を移し、有効期間フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS370−6に処理を移す。
【0138】
(ステップS370−3)
上記ステップS370−2において、有効期間フラグがオンしていると判定した場合には、メインCPU100aは、特定領域進入フラグがオンしているかを判定する。なお、この特定領域進入フラグは、第1特別遊技中に遊技球が特定領域40に進入したことを示すものである。つまり、ここでは、現在実行されている第1特別遊技中に、既に特定領域40に遊技球が進入しているか否かを判定することとなる。その結果、特定領域進入フラグがオンしていると判定した場合には当該特定領域検出スイッチ入力処理を終了し、特定領域進入フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS370−4に処理を移す。
【0139】
(ステップS370−4)
上記ステップS370−3において、特定領域進入フラグはオンしていないと判定した場合には、メインCPU100aは、特定領域進入コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この特定領域進入コマンドは、第1特別遊技中に初めて特定領域40に遊技球が進入したときに副制御基板200に送信されるものである。
【0140】
(ステップS370−5)
次に、メインCPU100aは、特定領域進入フラグをオンして当該特定領域検出スイッチ入力処理を終了する。
【0141】
(ステップS370−6)
一方、上記ステップS370−2において、有効期間フラグはオンしていないと判定した場合には、メインCPU100aは、所定のエラー処理を実行して当該特定領域検出スイッチ入力処理を終了する。
【0142】
次に、
図22〜
図29を用いて、主制御基板100において実行される上記の特別図柄遊技に係る処理について説明する。
【0143】
図22は、上記ステップS400の特図特電処理を説明するフローチャートである。
【0144】
(ステップS410)
まず、メインCPU100aは、特図特電データの値をロードする。この特図特電データとしては、特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、停止後処理の実行を示すデータ「02」と、第1特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、第2特別遊技制御処理の実行を示すデータ「04」と、が設けられている。
【0145】
そして、メインCPU100aは、上記ステップS410でロードした特図特電データの値に基づいて、特別図柄変動開始処理(ステップS420)、特別図柄変動停止処理(ステップS430)、停止後処理(ステップS440)、第1特別遊技制御処理(ステップS450)、第2特別遊技制御処理(ステップS460)を実行する。これら各処理について、以下に、図面を参照して説明する。
【0146】
図23は、上記ステップS420の特別図柄変動開始処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動開始処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=00であると判定した場合に実行される。
【0147】
(ステップS420−1)
メインCPU100aは、メインRAM100cの特図処理領域に乱数情報(当たり図柄乱数、変動パターン乱数)が記憶されているかを判定する。その結果、特図処理領域に乱数情報が記憶されていると判定した場合にはステップS420−2に処理を移し、特図処理領域に乱数情報は記憶されていないと判定した場合にはステップS420−8に処理を移す。
【0148】
(ステップS420−2)
上記ステップS420−1において、特図処理領域に乱数情報が記憶されていると判定した場合には、メインCPU100aは、当該乱数情報が特1乱数であるか特2乱数であるかを判定する。そして、特1乱数である場合には、
図7(a)に示す図柄乱数判定テーブル1と、処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別を決定し、特2乱数である場合には、
図7(b)に示す図柄乱数判定テーブル2と、処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別を決定する。
【0149】
(ステップS420−3)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS420−2で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が副制御基板200に伝送されることとなる。
【0150】
(ステップS420−4)
次に、メインCPU100aは、現在の遊技状態に応じて、
図8、
図9に示す変動パターン抽選テーブル1、2を選択するとともに、当該選択した変動パターン抽選テーブル1、2と、処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンの種別(変動時間)を決定する。
【0151】
(ステップS420−5)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS420−4で決定された変動パターンの種別を示す変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これにより、決定された変動パターンの種別に係る情報が副制御基板200に伝送されることとなる。
【0152】
(ステップS420−6)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82において、特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、特1乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示器80が点滅表示を開始するとともに、特2乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示器82が点滅表示を開始する。なお、ここで制御される点滅表示とは、各表示器80、82において「−」が所定の間隔で点滅することをいうものである。また、ここでは、メインCPU100aが、上記ステップS420−4で決定した変動時間を、変動時間タイマにセットする。
【0153】
(ステップS420−7)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、特図特電データに「01」をセットし、当該特別図柄変動開始処理を終了する。
【0154】
(ステップS420−8)
また、上記ステップS420−1において、特図処理領域に乱数情報は記憶されていないと判定した場合には、メインCPU100aは、デモ判定処理を実行する。このデモ判定処理において、メインCPU100aは、特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、所定時間に亘って特別図柄の変動表示が行われない場合には、待機中の処理を実行するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0155】
図24は、上記ステップS430の特別図柄変動停止処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動停止処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=01であると判定した場合に実行される。
【0156】
(ステップS430−1)
メインCPU100aは、変動時間(ステップS420−6でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、変動時間が経過したと判定した場合にはステップS430−2に処理を移し、変動時間は経過していないと判定した場合には当該特別図柄変動停止処理を終了する。
【0157】
(ステップS430−2)
上記ステップS430−1において、変動時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、上記ステップS420−2で決定、記憶された特別図柄を、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82に停止表示するための停止表示データをセットする。
【0158】
(ステップS430−3)
次に、メインCPU100aは、図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0159】
(ステップS430−4)
次に、メインCPU100aは、上記のようにして特別図柄の停止表示を開始したら、停止表示時間カウンタに図柄を停止表示する時間をセットする。
【0160】
(ステップS430−5)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において停止後処理が実行されるように、特図特電データに「02」をセットし、当該特別図柄変動停止処理を終了する。
【0161】
図25は、上記ステップS440の停止後処理を説明するフローチャートである。この停止後処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=02であると判定した場合に実行される。
【0162】
(ステップS440−1)
メインCPU100aは、停止表示時間(ステップS430−4でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、停止表示時間は経過していないと判定した場合には当該停止後処理を終了し、停止表示時間を経過したと判定した場合にはステップS440−2に処理を移す。
【0163】
(ステップS440−2)
上記ステップS440−1において、停止表示時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、現在設定されている遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。
【0164】
(ステップS440−3)
次に、メインCPU100aは、特別図柄が所定の停止表示時間に亘って停止表示されたことを示す図柄停止コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0165】
(ステップS440−4)
次に、メインCPU100aは、遊技状態のリセット処理を行う。ここでは、遊技機1の遊技状態を、初期状態である通常遊技状態(非時短遊技状態)に戻すために必要な処理を実行する。
【0166】
(ステップS440−5)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において第1特別遊技が実行されるように、特図特電データに「03」をセットし、当該停止後処理を終了する。これにより、特別図柄が停止表示した後に第1特別遊技が開始されることとなる。
【0167】
図26は、上記ステップS450の第1特別遊技制御処理を説明するフローチャートである。この第1特別遊技制御処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=03であると判定した場合に実行される。
【0168】
(ステップS450−1)
メインCPU100aは、まず、ウェイト中フラグがオンしているかを判定する。このウェイト中フラグというのは、第1特別遊技において、開閉羽26bの開放が終了したときにオンされるものである。第1特別遊技では、第1大入賞口26内に遊技球が入球した場合に、当該遊技球が特定領域40または非特定領域42に進入するまで所定の時間を要することから、この間、主制御基板100は待機している必要がある。また、第1特別遊技中に、第1大入賞口26内に遊技球が入球しなかった場合にも、第1特別遊技の終了後に所定の待機時間を経てから、通常の遊技状態に復帰させることとしている。つまり、ウェイト中フラグは、第1特別遊技において開閉羽26bが閉じられた後の待機中であることを示すものとなる。そして、ウェイト中フラグがオンしていると判定した場合にはステップS451に処理を移し、ウェイト中フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS450−2に処理を移す。
【0169】
(ステップS450−2)
上記ステップS450−1において、ウェイト中フラグはオンしていないと判定した場合には、メインCPU100aは、第1大入賞口26が開放制御中であるかを判定する。その結果、第1大入賞口26を開放制御中であると判定した場合にはステップS450−5に処理を移し、第1大入賞口26はまだ開放制御されていないと判定した場合にはステップS450−3に処理を移す。
【0170】
(ステップS450−3)
上記ステップS450−2において、第1大入賞口26は開放制御中ではないと判定した場合には、メインCPU100aは、有効期間フラグをオンする。これにより、以後、第1特別遊技中に第1大入賞口26に入球した遊技球が、有効なものとみなされる。また、ここでは、第1大入賞口26の開放が開始されたことを示す開放開始コマンドが演出用伝送データ格納領域にセットされる。
【0171】
(ステップS450−4)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82に停止表示されている特別図柄の種別を確認し、当該特別図柄に対応する作動テーブル(
図10参照)をセットする。
【0172】
(ステップS450−5)
当該ステップS450−5において、メインCPU100aは、上記ステップS450−4でセットした作動テーブルを参照し、第1大入賞口26を開閉制御するための処理を実行する。これにより、停止表示された特別図柄の種別に対応する態様(時間)で第1大入賞口26が開放されることとなる。
【0173】
(ステップS450−6)
次に、メインCPU100aは、第1大入賞口入球フラグがオンしている(
図20のステップS360−3参照)か否かを判定する。その結果、第1大入賞口入球フラグがオンしていると判定した場合にはステップS450−7に処理を移し、第1大入賞口入球フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS450−10に処理を移す。
【0174】
(ステップS450−7)
上記ステップS450−6において、第1大入賞口入球フラグがオンしていると判定した場合には、メインCPU100aは、入賞フラグ設定処理を行う。入賞フラグは、第1特別遊技中に第1大入賞口26に遊技球が入球したことを示すものであり、当該ステップS450−7においては、まず、入賞フラグがオンしているか否かを判定する。そして、入賞フラグがオンしている場合、すなわち、第1特別遊技中に、既に第1大入賞口26に遊技球が入球して入賞フラグがオンされている場合には、そのまま次のステップS450−8に処理を移す。つまり、第1大入賞口26に遊技球が複数個入球した場合には、最初の遊技球の入球に基づいてのみ入賞フラグがオンされ、2個目以降の遊技球の入球に基づいては、何らの処理を施すことなく次のステップS450−8に処理が移されることとなる。一方、入賞フラグがオンしていない場合、すなわち、第1特別遊技中に、第1大入賞口26に最初に遊技球が入球した場合には、入賞フラグをオンするとともに、第1大入賞口26に遊技球が入球したことを示す第1大入賞口入球コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これにより、第1特別遊技中に最初に第1大入賞口26に遊技球が入球した時点で、副制御基板200に第1大入賞口入球コマンドが送信されることとなる。
【0175】
(ステップS450−8)
次に、メインCPU100aは、第1特別遊技中に第1大入賞口26に入球した遊技球数をカウントする入球数カウンタに記憶されている現在のカウンタ値(C)に、「1」を加算した値を新たなカウンタ値(C)として記憶する。
【0176】
(ステップS450−9)
次に、メインCPU100aは、第1大入賞口入球フラグをオフする。
【0177】
(ステップS450−10)
当該ステップS450−10において、メインCPU100aは、第1大入賞口26の開放時間が経過したかを判定する。その結果、第1大入賞口26の開放時間が経過したと判定した場合にはステップS450−11に処理を移し、第1大入賞口26の開放時間は経過していないと判定した場合には当該第1特別遊技制御処理を終了する。
【0178】
(ステップS450−11)
上記ステップS450−10において、第1大入賞口26の開放時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、ウェイト中フラグをオンする。
【0179】
(ステップS451)
当該ステップS451において、メインCPU100aは、第1大入賞口26が閉鎖した後の処理として閉鎖後処理を実行する。この閉鎖後処理について、
図27および
図28を用いて説明する。
【0180】
図27は、上記ステップS451の閉鎖後処理を説明する第1のフローチャートであり、
図28は、上記ステップS451の閉鎖後処理を説明する第2のフローチャートである。
【0181】
(ステップS451−1)
メインCPU100aは、まず、入賞フラグがオンしているか(ステップS450−7でオン)、すなわち、第1特別遊技中に第1大入賞口26に1個以上の遊技球が入球したかを判定する。その結果、入賞フラグがオンしていると判定した場合にはステップS451−2に処理を移し、入賞フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS451−20(
図28)に処理を移す。
【0182】
(ステップS451−2)
上記ステップS451−1において、入賞フラグがオンしていると判定した場合には、メインCPU100aは、排出検出スイッチ42aから検出信号が入力されたか否かを判定する。つまり、ここでは、第1特別遊技中に第1大入賞口26に入球した遊技球の排出が完了しているか否かを判定する。その結果、排出検出スイッチ42aから検出信号が入力されたと判定した場合にはステップS451−6に処理を移し、排出検出スイッチ42aから検出信号が入力されていないと判定した場合にはステップS451−3に処理を移す。
【0183】
なお、本実施形態では、第1特別遊技における第1大入賞口26の開放時間は1.1秒もしくは1.4秒に設定されている。一方で、第1大入賞口26に入球した遊技球が第1回転体32等を経由して特定領域40または非特定領域42に到達するまでに要する時間は、最短でも6秒程度に設計されている。したがって、第1大入賞口26が閉鎖された時点で、遊技球が特定領域40や非特定領域42に到達することはなく、この閉鎖後処理が最初に行われたときには、必ず、ステップS451−2でNoと判定されることとなる。
【0184】
(ステップS451−3)
上記ステップS451−2において、排出検出スイッチ42aから検出信号が入力されていないと判定した場合には、メインCPU100aは、ウェイト時間計時処理を行う。ここでは、第1大入賞口26が閉鎖された後、一定時間待機状態に移行すべく、ウェイト時間がタイマカウンタにセットされる。具体的には、当該閉鎖後処理において、最初にウェイト時間計時処理を行う場合には、ウェイト時間をタイマカウンタにセットするとともに、既にタイマカウンタにウェイト時間がセットされている場合には、タイマカウンタにセットされているカウンタ値を減算する処理を行うこととなる。なお、ここでセットされるウェイト時間は、例えば、10秒等、第1大入賞口26に入球した遊技球が特定領域40または非特定領域42に到達するのに要する最長時間に、さらに一定の余裕をもたせた時間(例えば12秒等)である。
【0185】
(ステップS451−4)
当該ステップS451−4において、メインCPU100aは、上記ステップS451−3でセットされたウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS451−5に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には当該閉鎖後処理(第1特別遊技制御処理)を終了する。
【0186】
(ステップS451−5)
上記ステップS451−4において、ウェイト時間が経過したと判定した場合、すなわち、ウェイト時間が経過した時点で、第1大入賞口26に入球した遊技球の全ての排出が完了していない場合には、メインCPU100aは、所定のエラー処理を実行し、当該閉鎖後処理(第1特別遊技制御処理)を終了する。
【0187】
(ステップS451−6)
また、上記ステップS451−2において、排出検出スイッチ42aから検出信号が入力されたと判定した場合には、メインCPU100aは、入球数カウンタに記憶されている現在のカウンタ値(C)(上記ステップS450−8で更新)から、「1」を減算した値を新たなカウンタ値(C)として記憶する。
【0188】
(ステップS451−7)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS451−6で更新した入球数カウンタのカウンタ値(C)が「0」であるか、すなわち、第1特別遊技中に第1大入賞口26に入球した全ての遊技球が排出されたかを判定する。その結果、入球数カウンタのカウンタ値(C)が「0」であると判定した場合にはステップS451−8に処理を移し、入球数カウンタのカウンタ値(C)は「0」ではないと判定した場合には上記ステップS451−4に処理を移す。
【0189】
(ステップS451−8)
上記ステップS451−7において、入球数カウンタのカウンタ値(C)が「0」であると判定した場合には、メインCPU100aは、第1特別遊技中に第1大入賞口26に入球した全ての遊技球が排出されたことを示す排出完了コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0190】
(ステップS451−9)
当該ステップS451−9において、メインCPU100aは、ウェイト中フラグ、有効期間フラグ、入賞フラグをオフする。
【0191】
(ステップS451−10)
次に、メインCPU100aは、時短回数減算処理を行う。ここでは、まず、時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがメインRAM100cにオンされているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンしている場合には、メインRAM100cに記憶されている時短回数から「1」減算した値を新たな時短回数として記憶する。このとき、時短回数を減算した結果、時短回数が「0」になった場合には、時短遊技フラグをオフして、遊技状態を非時短遊技状態(通常遊技状態)に変更する。なお、時短遊技フラグがオフされている場合、すなわち、遊技状態が非時短遊技状態に設定されていた場合には、そのまま次のステップS451−11に処理を移す。
【0192】
(ステップS451−11)
次に、メインCPU100aは、時短回数が何回であるか、つまり、時短遊技状態である場合において、第1特別遊技を実行可能な残り回数を示す時短回数コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これにより、副制御基板200に、時短回数(時短遊技状態における特別図柄の残りの変動回数)が伝達されることとなる。なお、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には、そのまま次の処理に移行してもよいし、時短回数が0回であることを示す時短回数コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットしてもよい。
【0193】
(ステップS451−12)
次に、メインCPU100aは、特定領域進入フラグがオンしているか、すなわち、第1特別遊技中に第1大入賞口26に入球した遊技球が特定領域40に進入したか否かを判定する。その結果、特定領域進入フラグがオンしていると判定した場合にはステップS451−16に処理を移し、特定領域進入フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS451−13に処理を移す。
【0194】
(ステップS451−13)
上記ステップS451−12において、特定領域進入フラグはオンしていないと判定した場合には、メインCPU100aは、メインRAM100cの処理領域に記憶されている乱数情報(当たり図柄乱数、変動パターン乱数)をクリアする。
【0195】
(ステップS451−14)
次に、メインCPU100aは、客待ちコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0196】
(ステップS451−15)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動開始処理が再開されるように、特図特電データに「00」をセットし、当該閉鎖後処理(第1特別遊技制御処理)を終了する。
【0197】
(ステップS451−16)
一方、上記ステップS451−12において、特定領域進入フラグがオンしていると判定した場合には、メインCPU100aは、遊技状態リセット処理を行う。ここでは、遊技状態を非時短遊技状態(通常遊技状態)に設定するための処理が行われる。
【0198】
(ステップS451−17)
次に、メインCPU100aは、特定領域進入フラグをオフする。
【0199】
(ステップS451−18)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において第2特別遊技制御処理が実行されるように、特図特電データに「04」をセットし、当該閉鎖後処理(第1特別遊技制御処理)を終了する。
【0200】
(ステップS451−20)
また、上記ステップS451−1において、入賞フラグはオンしていないと判定した場合、すなわち、第1特別遊技中に第1大入賞口26に遊技球が入球しなかった場合には、メインCPU100aは、
図28に示すように、入球なしコマンドが送信済みであるかを判定する。この入球なしコマンドは、第1特別遊技中に第1大入賞口26に遊技球が入球しなかったことを副制御基板200に伝達するためのコマンドである。そして、入球なしコマンドは送信済みであると判定した場合にはステップS451−23に処理を移し、入球なしコマンドは送信済みではないと判定した場合にはステップS451−21に処理を移す。
【0201】
(ステップS451−21)
上記ステップS451−20において、入球なしコマンドは送信済みではないと判定した場合には、メインCPU100aは、入球なしコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これにより、第1特別遊技中に第1大入賞口26に遊技球が入球しなかったことが、副制御基板200に伝達されることとなる。
【0202】
(ステップS451−22)
次に、メインCPU100aは、ウェイト時間をタイマカウンタにセットする。ここでセットされるウェイト時間は、例えば1〜3秒程度であり、第1大入賞口26に遊技球が入球した場合に上記ステップS451−3でセットされるウェイト時間よりも短く設定されている。
【0203】
(ステップS451−23)
当該ステップS451−23において、メインCPU100aは、上記ステップS451−22でセットされたウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合には上記ステップS451−9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には当該閉鎖後処理(第1特別遊技制御処理)を終了する。
【0204】
図29は、上記ステップS460の第2特別遊技制御処理を説明するフローチャートである。この第2特別遊技制御処理は、上記ステップS410において、特図特電データ=04であると判定した場合に実行される。
【0205】
(ステップS460−1)
まず、メインCPU100aは、第2特別遊技開始コマンドが送信済みであるか否かを判定する。この第2特別遊技開始コマンドは、第2特別遊技の開始時に副制御基板200に送信され、第2特別遊技が開始されることを伝達するものである。その結果、第2特別遊技開始コマンドが送信済みであると判定した場合にはステップS460−4に処理を移し、第2特別遊技開始コマンドは送信済みではないと判定した場合にはステップS460−2に処理を移す。
【0206】
(ステップS460−2)
上記ステップS460−1において、第2特別遊技開始コマンドは送信済みではないと判定した場合には、メインCPU100aは、第2特別遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これにより、第2特別遊技が開始されることが副制御基板200に伝達されることとなる。
【0207】
(ステップS460−3)
次に、メインCPU100aは、オープニング時間をタイマカウンタにセットする。このオープニング時間は、例えば、3〜5秒程度であり、このオープニング時間が経過するまで待機状態となる。
【0208】
(ステップS460−4)
当該ステップS460−4において、メインCPU100aは、上記ステップS460−3でセットしたオープニング時間が経過したか否かを判定する。その結果、オープニング時間が経過したと判定した場合には、ステップS460−5に処理を移し、オープニング時間は経過していないと判定した場合には、当該第2特別遊技制御処理を終了する。
【0209】
(ステップS460−5)
上記ステップS460−4において、オープニング時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、エンディング中、すなわち、第2特別遊技における全てのラウンド遊技が終了した後の待機状態中であるかを判定する。その結果、エンディング中であると判定した場合にはステップS460−10に処理を移し、エンディング中ではないと判定した場合にはステップS460−6に処理を移す。
【0210】
(ステップS460−6)
上記ステップS460−5において、エンディング中ではないと判定した場合には、メインCPU100aは、第2大入賞口開閉制御処理を行う。ここでは、停止表示されている特別図柄の種別に基づいて、
図10に示す作動テーブル1〜3のいずれかを選択し、当該選択したテーブルに基づいて第2大入賞口開閉ソレノイド28cの通電制御がなされる。
【0211】
(ステップS460−7)
次に、メインCPU100aは、全てのラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、全ラウンド遊技が終了したと判定した場合にはステップS460−8に処理を移し、全ラウンド遊技は終了していないと判定した場合には当該第2特別遊技制御処理を終了する。
【0212】
(ステップS460−8)
上記ステップS460−7において全てのラウンド遊技が終了したと判定した場合には、メインCPU100aは、エンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これにより、第2特別遊技において全てのラウンド遊技が終了したことが副制御基板200に伝達されることとなる。
【0213】
(ステップS460−9)
次に、メインCPU100aは、エンディング時間をタイマカウンタにセットする。このエンディング時間は、例えば、3〜5秒程度であり、このエンディング時間が経過するまで待機状態となる。
【0214】
(ステップS460−10)
一方、上記ステップS460−5において、エンディング中であると判定した場合には、メインCPU100aは、上記ステップS460−9でセットされたエンディング時間が経過したかを判定する。その結果、エンディング時間が経過したと判定した場合にはステップS460−11に処理を移し、エンディング時間は経過していないと判定した場合には当該第2特別遊技制御処理を終了する。
【0215】
(ステップS460−11)
上記ステップS460−10において、エンディング時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、第2特別遊技の終了後の遊技状態を設定する遊技状態設定処理を行う。ここでは、
図11に示す遊技状態設定テーブルを参照し、停止表示されている特別図柄の種別、特別図柄の停止表示時の遊技状態(ステップS440−2で遊技状態バッファに記憶)に基づいて、時短遊技状態または非時短遊技状態に設定するとともに、時短遊技状態に設定した場合には、同時に、時短回数をメインRAM100cにセットする。
【0216】
(ステップS460−12)
次に、メインCPU100aは、メインRAM100cの処理領域に記憶されている乱数情報(当たり図柄乱数、変動パターン乱数)をクリアする。
【0217】
(ステップS460−13)
次に、メインCPU100aは、客待ちコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0218】
(ステップS460−14)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動開始処理が再開されるように、特図特電データに「00」をセットし、当該第2特別遊技制御処理を終了する。
【0219】
次に、
図30〜
図34を用いて、主制御基板100において実行される上記の普通図柄遊技に係る処理について説明する。
【0220】
図30は、上記ステップS500の普図普電処理を説明するフローチャートである。
【0221】
(ステップS510)
まず、メインCPU100aは、普図普電データの値をロードする。この普図普電データは、普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、普通電動役物制御処理の実行を示すデータ「13」と、が設けられている。
【0222】
次に、メインCPU100aは、普通図柄変動開始処理(ステップS520)、普通図柄変動停止処理(ステップS530)、普通図柄停止後処理(ステップS540)、普通電動役物制御処理(ステップS550)を実行する。これら各処理について、以下に、図面を参照して説明する。
【0223】
図31は、上記ステップS520の普通図柄変動開始処理を説明するフローチャートである。
【0224】
(ステップS520−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=10と判定した場合にはステップS520−2に処理を移し、普図普電データ=10ではないと判定した場合には当該普通図柄変動開始処理を終了する。
【0225】
(ステップS520−2)
上記ステップS520−1において、普図普電データ=10と判定した場合には、メインCPU100aは、普図処理領域に当たり決定乱数が記憶されているかを判定する。その結果、当たり決定乱数が記憶されていると判定した場合にはステップS520−3に処理を移し、当たり決定乱数は記憶されていないと判定した場合には当該普通図柄変動開始処理を終了する。
【0226】
(ステップS520−3)
上記ステップS520−2において、当たり決定乱数が記憶されていると判定した場合には、メインCPU100aは、処理領域に記憶されている当たり決定乱数の当選判定処理を行う。具体的には、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、
図12(a)に示す当たり決定乱数判定テーブル1を参照して「当選」または「ハズレ」を判定する。また、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、
図12(b)に示す当たり決定乱数判定テーブル2を参照して「当選」または「ハズレ」を判定する。
【0227】
(ステップS520−4)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS520−3の当選判定処理の結果が当選であるか否かを判定する。その結果、当選の判定結果が得られた場合にはステップS520−5に処理を移し、当選ではなくハズレの判定結果が得られた場合にはステップS520−6に処理を移す。
【0228】
(ステップS520−5)
上記ステップS520−4において、判定結果が当選であると判定した場合には、メインCPU100aは、当たり図柄データをメインRAM100cの所定の領域に記憶する。
【0229】
(ステップS520−6)
一方、上記ステップS520−4において、判定結果がハズレであると判定した場合には、メインCPU100aは、ハズレ図柄データをメインRAM100cの所定の領域に記憶する。
【0230】
(ステップS520−7)
次に、メインCPU100aは、現在の遊技状態が、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、現在の遊技状態に応じて普図変動時間をセットする。具体的には、
図13(a)の普通図柄変動パターン決定テーブルに示すように、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに10秒をセットし、時短遊技状態である場合には普図変動時間カウンタに1秒をセットする。
【0231】
(ステップS520−8)
次に、メインCPU100aは、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示器88が点滅表示を開始する。
【0232】
(ステップS520−9)
次に、メインCPU100aは、現在の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。
【0233】
(ステップS520−10)
次に、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図普電データに「11」をセットし、当該普通図柄変動開始処理を終了する。
【0234】
図32は、上記ステップS530の普通図柄変動停止処理を説明するフローチャートである。
【0235】
(ステップS530−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=11と判定した場合にはステップS530−2に処理を移し、普図普電データ=11ではないと判定した場合には当該普通図柄変動停止処理を終了する。
【0236】
(ステップS530−2)
上記ステップS530−1において、普図普電データ=11と判定した場合には、メインCPU100aは、普図変動時間(ステップS520−7でセット)が経過したかを判定する。その結果、普図変動時間が経過したと判定した場合にはステップS530−3に処理を移し、普図変動時間は経過していないと判定した場合には当該普通図柄変動停止処理を終了する。
【0237】
(ステップS530−3)
上記ステップS530−2において、普図変動時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、普通図柄表示器88に普通図柄を停止表示するための停止表示データをセットする。これにより、普通図柄表示器88において、普通図柄が停止表示されることとなる。
【0238】
(ステップS530−4)
次に、メインCPU100aは、上記のようにして普通図柄の停止表示を開始したら、停止表示時間カウンタに図柄を停止表示する時間(変動停止時間)をセットする。
【0239】
(ステップS530−5)
次に、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図普電データに「12」をセットし、当該普通図柄変動停止処理を終了する。
【0240】
図33は、上記ステップS540の普通図柄停止後処理を説明するフローチャートである。
【0241】
(ステップS540−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=12と判定した場合にはステップS540−2に処理を移し、普図普電データ=12ではないと判定した場合には当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0242】
(ステップS540−2)
上記ステップS540−1において、普図普電データ=12と判定した場合には、メインCPU100aは、停止表示時間(ステップS530−4でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、停止表示時間は経過していないと判定した場合には当該普通図柄停止後処理を終了し、停止表示時間を経過したと判定した場合にはステップS540−3に処理を移す。
【0243】
(ステップS540−3)
上記ステップS540−2において、停止表示時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、停止表示されている図柄が当たり図柄であるかを判定する。その結果、停止表示されている図柄は当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS540−5に処理を移し、停止表示されている図柄は当たり図柄であると判定した場合にはステップS540−4に処理を移す。
【0244】
(ステップS540−4)
上記ステップS540−3において、停止表示されている図柄は当たり図柄であると判定した場合には、メインCPU100aは、普図普電処理において普通電動役物制御処理が実行されるように、普図普電データに「13」をセットし、当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0245】
(ステップS540−5)
一方、上記ステップS540−3において、停止表示されている図柄は当たり図柄ではない(ハズレ図柄である)と判定した場合には、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図普電データに「10」をセットし、当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0246】
図34は、上記ステップS550の普通電動役物制御処理を説明するフローチャートである。
【0247】
(ステップS550−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通電動役物制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=13と判定した場合にはステップS550−2に処理を移し、普図普電データ=13ではないと判定した場合には当該普通電動役物制御処理を終了する。
【0248】
(ステップS550−2)
上記ステップS550−1において、普図普電データ=13と判定した場合には、メインCPU100aは、普通電動役物が制御中であるか、すなわち、すでに始動口開閉ソレノイド22cが通電制御中であるかを判定する。その結果、普通電動役物が制御中であると判定した場合には、ステップS550−5に処理を移し、普通電動役物は制御中ではないと判定した場合にはステップS550−3に処理を移す。
【0249】
(ステップS550−3)
上記ステップS550−2において、普通電動役物は制御中ではないと判定した場合には、メインCPU100aは、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれであったかを判定する。
【0250】
(ステップS550−4)
次に、メインCPU100aは、始動口開閉ソレノイド22cの通電制御を開始すべく、上記ステップS550−3において確認した遊技状態に応じて開放テーブルをセットする。ここでは、確認した遊技状態が時短遊技状態であれば、始動口開閉ソレノイド22cの通電制御データとして、開放回数=2回、1回の開放時間=2.9秒となる通電制御データがセットされ、確認した遊技状態が非時短遊技状態であれば、始動口開閉ソレノイド22cの通電制御データとして、開放回数=1回、1回の開放時間=0.1秒となる通電制御データがセットされる。
【0251】
(ステップS550−5)
また、上記ステップS550−2において、普通電動役物が制御中であると判定した場合には、メインCPU100aは、上記ステップS550−4でセットされた通電時間を経過したかを判定する。その結果、通電時間を経過したと判定した場合にはステップS550−6に処理を移し、通電時間は経過していないと判定した場合には当該普通電動役物制御処理を終了する。
【0252】
(ステップS550−6)
上記ステップS550−5において、通電時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、始動口開閉ソレノイド22cの通電を停止する処理を行う。
【0253】
(ステップS550−7)
次に、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図普電データに「10」をセットし、当該普通電動役物制御処理を終了する。
【0254】
図35は、上記ステップS600の役物制御処理を説明するフローチャートである。
【0255】
(ステップS601)
メインCPU100aは、可動爪作動ソレノイド36cを、所定時間(例えば2秒)ごとに通電、未通電状態に切り換えるように制御する。これにより、可動爪36は、
図3の実線で示す遮断状態と、
図3の破線で示す連通状態とに2秒間隔で変移することとなる。
【0256】
(ステップS602)
次に、メインCPU100aは、第2回転体34を、
図5に示すとおりに回転制御する。具体的には、第2回転体基準点検出スイッチ34sから入力される検出信号を確認し、検出信号が入力された場合には、タイマカウンタに0.5秒をセットする。そして、0.5秒が経過すると、第2回転モータ34cの通電を0.1秒停止し、その後0.2秒間、第2回転体34を逆転させるように第2回転モータ34cを通電する。また、その後、0.1秒間、第2回転モータ34cの通電を停止した後、第2回転体34を正転させるように第2回転モータ34cを通電する。
【0257】
(ステップS610)
次に、メインCPU100aは、第1回転体32を、
図4に示すとおりに回転制御する。この第1回転モータ制御処理について、
図36を用いて説明する。
【0258】
図36は、第1回転モータ制御処理を説明するフローチャートである。
【0259】
(ステップS610−1)
メインCPU100aは、第1回転モータ制御カウンタのカウンタ値をインクリメントする。なお、この第1回転モータ制御カウンタは、第1回転モータ32cの制御タイミングを計るためのものである。
【0260】
(ステップS610−2)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS610−1で更新した第1回転モータ制御カウンタのカウンタ値に基づいて、第1回転モータ32cを通電制御する。具体的には、メインROM100bには、
図4に示す第1回転モータ32cの通電制御データが0秒〜15秒の時間ごとに対応付けられたデータテーブルが記憶されている。メインCPU100aは、このデータテーブルを参照し、第1回転モータ制御カウンタのカウンタ値に基づいて、第1回転モータ32cを通電制御することとなる。
【0261】
(ステップS610−3)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS610−1で更新したカウンタ値が、15秒に相当するカウンタ値であるかを判定する。その結果、15秒に相当するカウンタ値に到達したと判定した場合にはステップS610−4に処理を移し、15秒に相当するカウンタ値に到達していないと判定した場合には当該第1回転モータ制御処理を終了する。
【0262】
(ステップS610−4)
上記ステップS610−3において、15秒に相当するカウンタ値に到達したと判定した場合には、メインCPU100aは、第1回転体32の逆転動作が開始することを示す逆転開始コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これにより、第1回転体32の逆転動作の開始タイミングであることが副制御基板200に伝達されることとなる。
【0263】
(ステップS610−5)
次に、メインCPU100aは、第1回転モータ制御カウンタをリセットし、当該第1回転モータ制御処理を終了する。これにより、第1回転モータ32cは、15秒を1周期として、
図4に示すとおりに通電制御されることとなる。
【0264】
主制御基板100における以上の制御処理により遊技が進行することとなるが、副制御基板200では、遊技の進行状況に応じてさまざまな演出を実行制御する。以下では、第1特別遊技処理中および第2特別遊技処理中に実行される変動演出について説明する。
【0265】
図37は、変動演出を構成する演出図柄を説明する図である。本実施形態では、第1特別遊技中に特定領域40に遊技球が進入すると、2つの演出表示部50a(
図2参照)において、演出図柄の変動表示(変動演出)が開始される。演出表示部50aに表示される演出図柄は、
図37(a)に示すように、「6」、「5」、「4」、「3」、「2」、「1」、「0」、「V」の8種類であり、これら8種類の演出図柄が、演出表示部50aにおいて、図示のような配列で上下方向にスクロール表示される。このスクロール表示、すなわち、演出図柄の変動表示は、特定領域40への遊技球の進入を契機として開始され、その後、第2特別遊技処理において第2大入賞口28が開放されるラウンド遊技(2回目のラウンド遊技)の開始前に、いずれかの演出図柄が演出表示部50aに停止表示されて終了となる。
【0266】
本実施形態では、演出表示部50aに最終的に停止表示される演出図柄が、第1特別遊技の実行契機となった特別図柄の種別に応じて、
図37(b)に示すとおりに設定されている。すなわち、特別図柄Aが決定されて第1特別遊技が実行された場合には、2つの演出表示部50aに、最終的に「6、6」、「5、5」、「4、4」、「3、3」、「2、2」、「1、1」、「0、0」のいずれかが停止表示される。一方、特別図柄B、C、D、E、F、Gが決定されて第1特別遊技が実行された場合には、2つの演出表示部50aに、最終的に「V、V」が停止表示される。上記したように、特別図柄Aが決定された場合には、第1特別遊技中に特定領域40に遊技球が進入して第2特別遊技が実行されたとしても、2〜7回目の各ラウンド遊技において、第2大入賞口28が最長で0.1秒しか開放されないため、第2大入賞口28に殆ど遊技球を入球させることができない。これに対して、特別図柄B、C、D、E、F、Gが決定された場合には、第1特別遊技中に特定領域40に遊技球が進入して第2特別遊技が実行されると、2〜7回目の各ラウンド遊技において、第2大入賞口28が最長で29.0秒開放されるため、遊技球を正常に発射させれば、毎ラウンド、第2大入賞口28に8個の遊技球を入球させることができる。(
図10参照)
【0267】
第2大入賞口28に遊技球が入球すると、1個の遊技球について所定数の賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。したがって、特別図柄Aが決定された場合には、第2特別遊技が実行されたとしても、殆ど賞球を獲得することができず、特別図柄B、C、D、E、F、Gが決定された場合には、第2特別遊技が実行されれば、多量の賞球を獲得することができる。このことからも明らかなように、変動演出において、演出表示部50aに最終的に停止表示される演出図柄「V、V」は、以後に開始される6回のラウンド遊技によって、多量の賞球を獲得することができることを報知することとなる。一方、変動演出において、演出表示部50aに最終的に停止表示される「V、V」以外の演出図柄の組み合わせは、以後に開始される6回のラウンド遊技によって、殆ど賞球を獲得することができないことを報知することとなる。つまり、変動演出は、第1特別遊技の実行契機となった特定図柄に対応付けられた第2特別遊技の実行態様を報知するものと言える。
【0268】
図38は、主制御基板100および副制御基板200における第1特別遊技中の制御内容を説明する図である。
図38(a)は、第1特別遊技中に、第1大入賞口26に遊技球が入球しなかった場合を示し、
図38(b)は、第1特別遊技中に、第1大入賞口26に遊技球が入球したものの、当該遊技球が特定領域40に進入しなかった場合を示している。
図38(a)、(b)に示すように、第1特別遊技の開始に伴って、第1大入賞口26が開放される際には、主制御基板100から副制御基板200に開放開始コマンドが送信される。副制御基板200では、開放開始コマンドを受信すると、示唆演出が実行制御される。なお、示唆演出は、演出表示部50aに様々な表示がなされるものであり、その表示態様は、第1特別遊技の実行契機となった特別図柄の種別に応じて決定される。つまり、示唆演出は、第1特別遊技中に特定領域40に遊技球が進入したことで実行される第2特別遊技の実行態様や、第2特別遊技の終了後に設定される遊技状態、さらには時短回数等を示唆するものである。
【0269】
こうした示唆演出は、第1大入賞口26の開放と同時に開始されるが、
図38(a)に示すように、遊技球が入球することなく第1大入賞口26が閉鎖された場合には、主制御基板100から送信される入球なしコマンドの受信により、副制御基板200において示唆演出を終了させる処理が行われる。なお、この場合には、主制御基板100において所定のウェイト時間に亘って待機状態となり、その後、客待ち状態となって通常の遊技が再開されることとなる。
【0270】
また、
図38(b)に示すように、第1大入賞口26に遊技球が入球した場合には、第1大入賞口26の閉鎖後も、そのまま示唆演出が継続して実行される。このとき、第1大入賞口26に入球した遊技球が特定領域40に進入しなかった場合には、主制御基板100から送信される排出完了コマンドの受信により、副制御基板200において示唆演出を終了させる処理が行われる。
【0271】
図39は、主制御基板100および副制御基板200における第1特別遊技中および第2特別遊技中の制御内容を説明する図である。
図39(a)は、第1特別遊技中に、第1大入賞口26に遊技球が1つ入球した場合を示し、
図39(b)は、第1特別遊技中に、第1大入賞口26に遊技球が2つ入球した場合を示している。
図39(a)に示すように、副制御基板200では、上記したように、第1大入賞口26の開放と同時に示唆演出が開始される。そして、第1特別遊技中に第1大入賞口26に遊技球が入球し、かつ、当該遊技球が特定領域40に進入した場合には、主制御基板100から送信される特定領域進入コマンドの受信により、副制御基板200において示唆演出を終了させるとともに、示唆演出に代わって、変動演出を開始するための処理が行われる。つまり、特定領域40に遊技球が進入すると、それと同時に演出表示部50aにおいて演出図柄の変動表示が開始される。
【0272】
なお、変動演出中、演出表示部50aにおいては、演出図柄が上下方向にスクロール表示された後、最終的にいずれかの演出図柄が停止表示される。このとき、特定領域40に遊技球が進入して変動演出が開始された時点では、演出図柄が高速でスクロール表示されることとなる。そして、第1大入賞口26に入球した全ての遊技球の排出が完了すると、主制御基板100から副制御基板200に、排出完了コマンドおよび第2特別遊技開始コマンドが送信される。主制御基板100では、遊技球の排出が完了すると、第2特別遊技処理が開始される。第2特別遊技処理においては、まず、オープニング時間が設定され、この間、主制御基板100では待機状態となり、設定されたオープニング時間が経過すると、第2大入賞口28が開放されて2回目のラウンド遊技が開始される。このとき設定されるオープニング時間は常に一定であるため、第1大入賞口26に入球した全ての遊技球の排出が完了してから、2回目のラウンド遊技が開始されるまでの時間は常に一定となる。
【0273】
そして、副制御基板200では、第2特別遊技開始コマンドを受信すると、第1特別遊技の実行契機となった特別図柄の種別に基づいて、変動演出の態様、換言すれば、演出図柄の停止表示パターンを決定する処理が行われる。この演出図柄の停止表示パターンは、演出表示部50aに最終的に停止表示させる演出図柄に加えて、例えば、減速のパターンや表示色等を異にする複数のパターンが設けられている。ただし、上記したように、第1大入賞口26に入球した全ての遊技球が排出されてから第2大入賞口28が開放されるまでの時間、すなわち、オープニング時間は、常に一定となっている。したがって、各停止表示パターンは、いずれもオープニング時間と等しい時間で行われるように予め設定されている。
【0274】
副制御基板200では、第2特別遊技開始コマンドを受信すると、第1特別遊技の実行契機となった特別図柄の種別に基づいて、これら複数の停止表示パターンの中からいずれか1の停止表示パターンを決定する。そして、決定した停止表示パターンのとおりに、演出表示部50aの表示制御を行うこととなる。
【0275】
このように、演出表示部50aにおいて実行される演出図柄の変動表示、すなわち、変動演出は、特定領域40に遊技球が進入してから、第1大入賞口26に入球した全ての遊技球が排出されるまでの間の高速変動(第1変動演出)と、第1大入賞口26に入球した全ての遊技球が排出されてから第2大入賞口28が開放されるまでの間であるオープニング中(待機時間中)の段階的減速および停止(第2変動演出)と、で構成されることとなる。なお、第2変動演出は、第1変動演出に連続して実行されるものであるが、遊技者に違和感を与えないように切り替えが行われる。また、第1変動演出は、単に演出図柄をスクロール表示しているに過ぎないため、実質的には、第2変動演出によって、第2特別遊技の実行態様が遊技者に報知されることとなる。
【0276】
また、
図39(b)に示すように、第1特別遊技中に、第1大入賞口26に遊技球が2つ入球し、このうち最初に第1大入賞口26に入球した遊技球が特定領域40に進入したとする。この場合も、上記と同様に、特定領域40への遊技球の進入を契機として変動演出(演出図柄の高速変動(第1変動演出))が開始される。ただし、この場合には、2つ目の遊技球が第1大入賞口26から排出されるまで、主制御基板100は待機状態(ウェイト中)となるため、
図39(a)に示す場合に比べて、第1特別遊技が終了するまでの時間が長時間となる。この間、演出表示部50aでは、演出図柄が変動表示を行っていることから、遊技者には、特定領域40に遊技球が進入したことで抽選が開始されたかのような印象が与えられる。これにより、遊技が間延びすることなく、また、遊技機1の状態が不明確となって遊技者が不必要に遊技球を発射させてしまい、遊技球を無駄に費消するといった不利益を生じさせることもない。
【0277】
なお、
図39(a)、(b)に示すように、第1大入賞口26に1つのみ遊技球が入球した場合であっても、複数の遊技球が第1大入賞口26に入球した場合であっても、当該第1大入賞口26に入球した全ての遊技球が排出された後の処理内容や、処理に要する時間は一定である。一方で、特定領域40に遊技球が進入してから、第2特別遊技処理が開始されるまでの時間(ウェイト時間)は、第1大入賞口26に入球した遊技球数や、遊技球の転動態様等に応じて異なるが、この時間の変化は、演出図柄の高速変動(第1変動演出)によって吸収されることとなる。
【0278】
また、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合において、第2始動口22に遊技球が入球すると、必ず、特別図柄Gが決定される(
図37(b)参照)。つまり、時短遊技状態において第2始動口22に遊技球を入球させて第1特別遊技が実行され、かつ、当該第1特別遊技中に特定領域40に遊技球を進入させた場合には、必ず、多量の賞球を獲得可能な第2特別遊技が実行されるため、変動演出では、演出表示部50aに必ず「V、V」が停止表示されることとなる。したがって、この場合には、変動演出によって遊技者に緊張感や期待感を付与することができないため、演出表示部50aにおいて演出図柄のスクロール表示を行うことなく、特定領域40に遊技球が進入した直後に、演出表示部50aに「V、V」を停止表示させるとよい。
【0279】
なお、本実施形態では、決定された特別図柄の種別と、特別図柄が決定されたときの遊技状態に応じて、第2特別遊技の終了後に設定される遊技状態、および時短回数が異なるように設定されている。この第2特別遊技の終了後に設定される遊技状態や時短回数の報知は、第2大入賞口28が開放されて2回目のラウンド遊技が開始されてから行われることとなる(
図39中の時短回数抽選演出)。ただし、例えば、変動演出において演出表示部50aに停止表示される演出図柄の組み合わせによって、時短回数も同時に報知することとしてもよい。
【0280】
次に、上記の変動演出を実行するための副制御基板200における制御処理について簡単に説明する。
【0281】
(副制御基板200のメイン処理)
図40は、副制御基板200のメイン処理を説明するフローチャートである。
【0282】
(ステップS1000)
サブCPU200aは、電源投入に応じて、サブROM200bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM200cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
【0283】
(ステップS1001)
次に、サブCPU200aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1001の処理を繰り返し行う。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0284】
(副制御基板200のタイマ割込処理)
図41は、副制御基板200のタイマ割込処理を説明するフローチャートである。副制御基板200には、所定の周期(4ms)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU200aはタイマ割込処理プログラムを読み込んで当該タイマ割込処理を開始する。
【0285】
(ステップS1100)
まず、サブCPU200aは、副制御基板200で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該副制御基板200のタイマ割込処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
【0286】
(ステップS1200)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板200においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
【0287】
(ステップS1300)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cの送信バッファにセットされているコマンドを画像制御基板210や電飾制御基板220へ送信し、タイマ割込処理を終了する。
【0288】
図42は、上記コマンド解析処理のうち、図柄決定コマンドを受信した際に実行される図柄決定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、図柄決定コマンドは、主制御基板100において、特別図柄変動開始処理のステップS420−3(
図23参照)でセットされた後、ステップS900の出力制御処理(
図15参照)によって副制御基板200に送信される。
【0289】
(ステップS1210−1)
図柄決定コマンドを受信すると、サブCPU200aは、受信したコマンドに基づいて図柄情報をサブRAM200cに記憶する。これにより、第1特別遊技において第1大入賞口26に入球した遊技球が特定領域40に進入した際に、遊技者にどのような遊技利益が付与されるのかを副制御基板200で把握することが可能となる。
【0290】
図43は、上記コマンド解析処理のうち、開放開始コマンドを受信した際に実行される開放開始コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、開放開始コマンドは、主制御基板100において、第1特別遊技制御処理のステップS450−3(
図26参照)でセットされた後、ステップS900の出力制御処理(
図15参照)によって副制御基板200に送信される。
【0291】
(ステップS1220−1)
開放開始コマンドを受信すると、サブCPU200aは、サブRAM200cに記憶されている図柄情報(上記ステップS1210−1で記憶)を確認する。
【0292】
(ステップS1220−2)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS1220−1で確認した図柄情報に基づいて、示唆演出の実行態様を決定する。
【0293】
(ステップS1220−3)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS1220−2で決定した示唆演出を実行するための示唆演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた示唆演出実行コマンドは、上記ステップS1300のコマンド出力処理において画像制御基板210に送信される。そして、画像制御基板210では、受信した示唆演出実行コマンドに基づいて、示唆演出を実行するための制御処理が行われることとなる。
【0294】
図44は、上記コマンド解析処理のうち、特定領域進入コマンドを受信した際に実行される特定領域進入コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、特定領域進入コマンドは、主制御基板100において、特定領域検出スイッチ入力処理のステップS370−4(
図21参照)でセットされた後、ステップS900の出力制御処理(
図15参照)によって副制御基板200に送信される。
【0295】
(ステップS1230−1)
特定領域進入コマンドを受信すると、サブCPU200aは、上記の第1変動演出、すなわち、演出図柄の高速変動を実行するための第1変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた第1変動演出実行コマンドは、上記ステップS1300のコマンド出力処理において画像制御基板210に送信される。そして、画像制御基板210では、受信した第1変動演出実行コマンドに基づいて、演出図柄を高速変動(高速スクロール)するための制御処理が行われることとなる。
【0296】
図45は、上記コマンド解析処理のうち、第2特別遊技開始コマンドを受信した際に実行される第2特別遊技開始コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、第2特別遊技開始コマンドは、主制御基板100において、第2特別遊技制御処理のステップS460−2(
図29参照)でセットされた後、ステップS900の出力制御処理(
図15参照)によって副制御基板200に送信される。
【0297】
(ステップS1240−1)
第2特別遊技開始コマンドを受信すると、サブCPU200aは、サブRAM200cに記憶されている図柄情報(上記ステップS1210−1で記憶)を確認する。
【0298】
(ステップS1240−2)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS1240−1で確認した図柄情報に基づいて、第2変動演出のパターン、すなわち、演出図柄の停止表示パターンを決定する。
【0299】
(ステップS1240−3)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS1240−2で決定した停止表示パターンの変動演出(第2変動演出)を実行するための第2変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた第2変動演出実行コマンドは、上記ステップS1300のコマンド出力処理において画像制御基板210に送信される。そして、画像制御基板210では、受信した第2変動演出実行コマンドに基づいて、第2変動演出を実行するための制御処理が行われることとなる。
【0300】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0301】
例えば、上記実施形態においては、第1特別遊技を、特定領域40が設けられた第1アタッカー装置25によって実行することとし、第2特別遊技を、第1アタッカー装置25とは別に設けた第2アタッカー装置27によって実行することとした。しかしながら、第2特別遊技も、第1特別遊技に続いて第1アタッカー装置25で行うこととしてもよい。
【0302】
また、上記実施形態では、第1始動口20および第2始動口22の2つの始動口を設ける場合について説明したが、始動口は1つのみ設けることとしてもよく、その数は特に限定されるものではない。
【0303】
また、上記実施形態では、全ての特別図柄に第1特別遊技の実行が対応付けられている場合について説明したが、第1特別遊技の不実行が対応付けられた特別図柄が所定の確率で決定されることとしてもよい。いずれにしても、始動口に遊技球が入球したことを条件として、大入賞口が第2の状態に維持される第1特別遊技の実行と、第1特別遊技中に大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入した場合に、当該大入賞口がさらに第2の状態に制御されるか、もしくは、当該大入賞口とは別に設けられた大入賞口が開放制御される1回もしくは複数回のラウンド遊技で構成される第2特別遊技の実行態様と、が少なくとも対応付けられた複数種類の特定図柄を含む複数の図柄の中から、いずれかの図柄を決定すればよい。
【0304】
また、上記実施形態では、第2特別遊技の終了後に、非時短遊技状態または時短遊技状態に設定される場合について説明したが、第2特別遊技の終了後に、必ず、時短遊技状態に設定されることとしてもよいし、常に、1の遊技状態で遊技が進行することとしてもよい。
【0305】
また、上記実施形態における変動演出の内容や制御方法は一例に過ぎず、適宜設計可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施形態では、
図39(a)、(b)に示すように、第1変動演出から第2変動演出に演出を切り替えることとしたが、例えば、排出完了から所定の時間を計時するとともに、予め設定された時間が経過したところで、演出図柄のスクロール速度を徐々に減速して、最終的に停止表示させることとしてもよい。
【0306】
なお、上記実施形態において、
図23のステップS420−2の処理を実行するメインCPU100aが、本発明の図柄決定手段に相当する。
また、上記実施形態において、
図22のステップS450の処理を実行するメインCPU100aが、本発明の第1特別遊技実行手段に相当する。
また、上記実施形態において、
図22のステップS460の処理を実行するメインCPU100aが、本発明の第2特別遊技実行手段に相当する。
また、上記実施形態において、
図44および
図45の処理を実行するサブCPU200aが、本発明の変動演出実行手段に相当する。