特許第6164827号(P6164827)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6164827-位置決め装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6164827
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】位置決め装置
(51)【国際特許分類】
   G01H 3/00 20060101AFI20170710BHJP
【FI】
   G01H3/00 A
【請求項の数】7
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-267546(P2012-267546)
(22)【出願日】2012年12月6日
(65)【公開番号】特開2013-125030(P2013-125030A)
(43)【公開日】2013年6月24日
【審査請求日】2015年12月4日
(31)【優先権主張番号】PV2011-826
(32)【優先日】2011年12月15日
(33)【優先権主張国】CZ
(73)【特許権者】
【識別番号】512315382
【氏名又は名称】セントルム ドプラフニーホ ヴィーズクム ヴィー.ヴィー.アイ.
(74)【代理人】
【識別番号】110002398
【氏名又は名称】特許業務法人小倉特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100081695
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 正明
(72)【発明者】
【氏名】クリヴァーネク,ヴィーテツラフ
【審査官】 田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−243535(JP,A)
【文献】 特開平09−054020(JP,A)
【文献】 特開平08−261993(JP,A)
【文献】 特開平06−174543(JP,A)
【文献】 特開昭59−061721(JP,A)
【文献】 特開2004−061200(JP,A)
【文献】 特開平07−055649(JP,A)
【文献】 米国特許第05515726(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01H 1/00−17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱に設置した平坦な横架材を備え,前記支柱は道路の測定表面と平行に前記平坦な横架材を設置できるよう高さが調整可能であり,前記平坦な横架材はホルダの垂直杆に堅固に連結され,前記ホルダは車輪のハブの中心に位置決め装置を取り付けることができるよう前記垂直杆上に摺動可能に設置され,前記垂直杆に前記ホルダを摺動可能に装着するための装着手段が係止可能であり,前記平坦な横架材の外縁には,音圧センサを載置するためのマークと,前記平坦な横架材上の前記マークから伸長し,前記車輪のタイヤの最接近部と前記測定表面との間の接触点へ前記音圧センサを向けるために,交点という共有点を有するラインとが設けられることを特徴とする,前記道路の前記測定表面を走行中にトレーラの前記車輪のタイヤが発する音圧を測定するために前記トレーラ上に前記音圧センサを位置決めするための位置決め装置。
【請求項2】
前記音圧センサを載置するための前記マークが,前記音圧センサを受容して設定位置に固定するために凹条であることを特徴とする請求項記載の位置決め装置。
【請求項3】
前記平坦な横架材と前記測定表面との間の距離は,前記支柱により6〜25cmの範囲に調整可能であることを特徴とする請求項1記載の位置決め装置。
【請求項4】
前記音圧センサを載置するためのマークは,前記車輪の軸に対して対称に配置され,互いに均等に離間することを特徴とする請求項1記載の位置決め装置。
【請求項5】
前記音圧センサを載置するための前記マーク間の間隔が15〜25cmの範囲であることを特徴とする請求項記載の位置決め装置。
【請求項6】
前記平坦な横架材の外縁に定規ないし目盛りを設けたことを特徴とする請求項1記載の位置決め装置。
【請求項7】
前記音圧センサが指向性マイクであることを特徴とする請求項1記載の位置決め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術発明は,道路の測定表面上を走行中にトレーラの車輪のタイヤが発する音圧を測定するために,トレーラ上で音圧センサを調整する位置決め装置に関する。
【0002】
技術水準
上記タイプのトレーラを1又はそれ以上の基準速度で試験路面/基準タイヤの接触面で生じた音圧レベルを測定するために使用し,測定は音圧源から近距離での測定法である「近接測定法(Close Proximity Method)」を利用して行う。この方法はISO/CD11819‐2の規格案に詳細に記載されている。各基準タイヤ及び該タイヤでの各試乗のために,各20m長の試験区分における平均騒音レベル及び車両速度を記録する。その後,変換によって基準速度に対する騒音レベルを平常値にし,各基準速度において,各測定マイクで得られた平均騒音レベルは,タイヤ/道路の接触面での騒音レベル又は音圧レベルと称する。その後,基準タイヤの各タイプでの結果を,様々な路面の音響特性と比較するために使用可能な1桁のCPXI指数に変換してもよい。
【0003】
音圧レベルは,各車輪で少なくとも2本のマイクにより感知させなければならない。特別な測定用自走式車両又は普通車に牽引された測定用トレーラを測定に使用する。車輪には基準試験タイヤが装着されており,試験車両/トレーラは,単輪又は互いに隣接させた複輪を有してもよい。マイクを走行又は制御された車輪の近くに設置してはならず,マイクと測定されない車輪との間の距離は少なくとも1.5mであり,更に,測定結果に影響を及ぼし得るあらゆる音波反射を防止するために車両の下部を吸音材料で被覆する必要があるという要件によって自走式測定用車両への使用は制限される。
【0004】
タイヤ騒音を正確に測定するため,数個の音圧センサ,通常,指向性マイクを使用し,騒音源,すなわち被測定タイヤと試験路面との間の接触点にこれらの指向性マイクを向けて,音圧の源から所定距離にマイクを置くことは極めて重要である。この作業は複雑で時間が掛かる。何故なら,多数の独立した可変条件,すなわち,試験路面上の指向性マイクの高さ,車軸に対する指向性マイクの移動,及び,指向性マイクをタイヤと路面との間の接触点に向けるための空間配置を同時に調整する必要があるからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本技術発明の目的は,音圧センサをタイヤと路面との間の接触点に容易に向かせ,その位置に固定できるように,タイヤが発する音圧を測定する前に音圧センサを位置決めするためのトレーラ用の機器を設計することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は,道路の測定表面上を走行中にトレーラの車輪のタイヤが発する音圧を測定するために,前記トレーラ上に音圧センサを位置決めするための本発明の位置決め装置により解決されるものであり,前記位置決め装置は支柱に設置した平坦な横架材を備え,前記支柱は路面と平行に前記平坦な横架材を設置できるよう高さが調整可能であり,一方,前記平坦な横架材はホルダの垂直杆に堅固に連結され,前記ホルダは車輪のハブの中心に前記位置決め装置を取り付けることができるよう前記垂直杆上に摺動可能に設置され,前記垂直杆に前記ホルダを摺動可能に装着するための装着手段は係止可能であり,前記平坦な横架材の外縁には,前記音圧センサを載置するための複数のマークと,前記平坦な横架材上の前記マークから伸長し,前記車輪のタイヤの最接近部と前記道路の前記測定表面との間の接触点へ前記音圧センサを向けるために,交点という共有点を有するラインとが設けられる。
【0007】
適には,前記音圧センサを載置するための前記マークは,前記音圧センサを受容して設定位置に保止固定するための凹条としてある。
【0008】
本発明の更なる実施態様によれば,前記横架材は4本の前記支柱の上に設置され,前記横架材と前記路面との間の距離は,前記支柱により6〜25cmの範囲に調整可能である。
【0009】
本発明の更なる実施態様によれば,前記音圧センサを載置するための前記マークは車輪の軸に対して対称に配置され,互いに均等に,好適には15〜25cm離間する。
【0010】
本発明の更なる実施態様によれば,前記横架材は外縁に定規ないし目盛りを設ける。
【0011】
最も好適な実施態様によれば,前記音圧センサは指向性マイクである。
【0012】
添付図面を参照して,技術的な解決策を更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の位置決め装置の例示的な実施態様の側面図。
図2】本発明の位置決め装置の例示的な実施態様の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は,トレーラの走行方向から見た,音圧センサを調整するための位置決め装置の例示的な実施態様の側面図を示す。複数の音圧センサ(図示せず)はトレーラ(図示せず)の杆状部材に取り付ける。道路の測定表面を走行中に車輪のタイヤ1が発する音圧レベルを測定する間,前記杆状部材はトレーラの走行方向に対して平行に設置される。前記位置決め装置は,路面4に対して平行に平坦な横架材2を設置できるよう高さを調整可能な複数の支柱3に載置した平坦な横架材2を備える。平坦な横架材2の内縁5は,車輪のタイヤ1に隣接しており,平坦な横架材2はホルダ7の垂直杆6に堅固に取り付けられ,車輪のハブの中心に位置決め装置を取り付けるためのホルダ7は,垂直杆6に対して摺動可能に設置される。ホルダ7と垂直杆6との摺動可能な連結部は,係止装置(図示せず)により係止し得る。平坦な横架材2と路面4との間の距離は,前記複数の支柱3により6〜25cmの範囲に調整し得る。
【0015】
図2は音圧センサを位置決めするための位置決め装置の例示的な実施態様の平面図を示す。平坦な横架材2の内縁5は車輪のタイヤ1に隣接しており,平坦な横架材2は,音圧センサを載置するための複数のマーク9を有する外縁8を設け,平坦な横架材2上のこれらマーク9から,タイヤ1の最接近部と道路の測定表面4とが接触する部分へ音圧センサを向けるための交点という共有点へ複数のライン10が伸長する。音圧センサを載置するためのマーク9は音圧センサを受容して設定位置に固定するため,通常は凹条である。音圧センサを載置するためのマーク9は通常,車輪及びタイヤ1の軸に対して対称に配置され,15〜25cm,好適には20cmの範囲で均等に互いに離間する。平坦な横架材2は,外縁8に定規ないし目盛り(図示せず)を備え,該定規ないし目盛りを使用して各マーク9と平坦な横架材2の中心との間の距離を読み取るか,或いは平坦な横架材2の外縁8に沿った規定の経路に音圧センサを移動させることが可能となる。音圧センサとして指向性マイクが最も一般的に使用される。
【0016】
操作中,音圧センサを調整するための位置決め装置は以下のように作動する:路面4上に音圧センサが設置されるべき高さを決定する。例えばねじ手段(thread means)を使用して支柱3を所望の高さに応じて持ち上げる。前記例示的な実施態様によると,位置決め装置があらゆる車輪寸法及びタイヤ寸法に適合できるように,位置決め装置は,路面4上の平坦な横架材の高さを6〜25cmに調整することができる。平坦な横架材2を,車輪のタイヤ1に隣接する内縁5と共に設置する。その後,垂直杆6をホルダ7内に移動させ,車輪のハブの中心に位置決め装置を取り付けることが可能となる。ホルダ7が車輪の取り付けハブの中心に取り付けられ,路面4上で平坦な横架材2が支柱3により持ち上がるよう支柱3が設置されると,ホルダ7は垂直杆6で係止され,位置決めの開始が可能となる。蝶着されたホルダ(図示せず)に音圧センサが設置される。これらのホルダの接合は解除されず,音圧センサの最上部を各マーク9内に収容し,センサはライン10の交点に向けて平坦な横架材2上のライン10に沿って向けられ,それにより平坦な横架材2の平面内の音圧センサの軸の垂直投影が各ライン10と一致する。その後,1つの平面内のみに,すなわち音圧センサの軸及び各ライン10により画定された平面内に音圧センサを手動で設置する必要がある。この手動での設置によって,音圧センサはタイヤ1の最接近部と道路の測定表面4との接触点に向けられる。個々の音圧センサを設置した後に,平坦な横架材2及び車輪のハブに取り付けたホルダ7から支柱3を取り外し,それにより,音圧センサのいずれかと不慮に衝突することなくタイヤ1周辺の領域から安全に平坦な横架材2が引き抜かれ得る。
【0017】
本発明の音圧センサを位置決めするための位置決め装置を使用すれば,音圧センサの位置決めに要する時間が大幅に削減され,結果としてこのような位置決めが大幅に正確なものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明は,測定路面を走行中に車輪のタイヤが発する音圧レベルの測定の準備をする際に使用し得る。
【符号の説明】
【0019】
1.タイヤ
2.平坦な横架材
3.支柱
4.路面
5.(平坦な横架材の)内縁
6.垂直杆
7.ホルダ
8.(平坦な横架材の)外縁
9.マーク
10.ライン
図1
図2