特許第6165027号(P6165027)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱重工業株式会社の特許一覧

特許6165027容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法
<>
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000002
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000003
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000004
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000005
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000006
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000007
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000008
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000009
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000010
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000011
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000012
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000013
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000014
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000015
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000016
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000017
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000018
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000019
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000020
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000021
  • 特許6165027-容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法 図000022
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6165027
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法
(51)【国際特許分類】
   G21C 19/32 20060101AFI20170710BHJP
   G21F 9/36 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   G21C19/32 R
   G21F9/36 531C
【請求項の数】11
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-227242(P2013-227242)
(22)【出願日】2013年10月31日
(65)【公開番号】特開2015-87315(P2015-87315A)
(43)【公開日】2015年5月7日
【審査請求日】2016年9月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100118762
【弁理士】
【氏名又は名称】高村 順
(72)【発明者】
【氏名】川原 慶幸
【審査官】 南川 泰裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−088205(JP,A)
【文献】 実開昭61−062675(JP,U)
【文献】 特開平08−290823(JP,A)
【文献】 特開2003−287593(JP,A)
【文献】 特開昭55−040973(JP,A)
【文献】 特開平06−064717(JP,A)
【文献】 特開2003−156594(JP,A)
【文献】 特開2007−248068(JP,A)
【文献】 特開2008−049814(JP,A)
【文献】 特開2003−182814(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 19/00−19/50
G21F 5/00−5/14
B65G 1/00−9/00
B62B 1/00−5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に設置され、放射性物質格納容器を搭載可能な架台と、
前記架台と前記床面との間に挿入され、前記架台を空気により浮上させる浮上装置と、
前記架台に係合し、前記浮上装置により浮上させた前記架台を移動させる搬送台車と、
前記床面に設けられ、前記搬送台車の位置を規制する位置決め部と、を備え、
前記搬送台車は、前記位置決め部に係合する係合部を有し、
前記位置決め部は、前記床面から突出する一対の位置決めピンであり、
前記係合部は、前記搬送台車の進行方向における前方側に形成され、前記位置決めピンをそれぞれ受け入れる一対のピン収容部であり、
前記ピン収容部は、前方側から後方側に向かって先細りとなるテーパ形状となるテーパ溝部と、前記テーパ溝部の後方に配置され、前方側から後方側向かって同じ溝幅となるテーパ収容溝部と、を有することを特徴とする容器搬送システム。
【請求項2】
前記位置決めピンと前記搬送台車とを連結する連結具と、前記連結具を巻き上げて、前記搬送台車を前記位置決めピンに引き寄せる巻上げ部とを有する牽引装置を、さらに備えることを特徴とする請求項に記載の容器搬送システム。
【請求項3】
前記床面に設けられ、前記搬送台車を前記位置決め部へ向けて案内する台車案内部材を、さらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の容器搬送システム。
【請求項4】
前記台車案内部材は、前記搬送台車の進行方向の側方に転接するガイドローラであることを特徴とする請求項に記載の容器搬送システム。
【請求項5】
床面に設置され、放射性物質格納容器を搭載可能な架台と、
前記架台と前記床面との間に挿入され、前記架台を空気により浮上させる浮上装置と、
前記架台に係合し、前記浮上装置により浮上させた前記架台を移動させる搬送台車と、
前記搬送台車に設けられ、前記搬送台車の位置を規制する位置決め部と、
前記床面に設けられ、前記位置決め部に係合する係合部と、を備え、
前記位置決め部は、前記床面に直交する方向に突出する一対の位置決めピンであり、
前記係合部は、前記搬送台車の進行方向における前方側に形成され、前記位置決めピンをそれぞれ受け入れる一対のピン収容部であり、
前記ピン収容部は、前方側から後方側に向かって先細りとなるテーパ形状となるテーパ溝部と、前記テーパ溝部の後方に配置され、前方側から後方側向かって同じ溝幅となるテーパ収容溝部と、を有することを特徴とする容器搬送システム。
【請求項6】
前記架台と前記搬送台車とを締結する締結部材を、さらに備えることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の容器搬送システム。
【請求項7】
前記締結部材は、前記架台と前記搬送台車とを締結する締結ねじであることを特徴とする請求項に記載の容器搬送システム。
【請求項8】
前記締結部材は、連結部材と、前記連結部材と前記搬送台車とを締結する台車側締結ねじと、前記連結部材と前記架台とを連結する架台側締結ねじと、を含むことを特徴とする請求項に記載の容器搬送システム。
【請求項9】
前記架台には、前記架台を前記床面に固定するための固定孔が貫通形成されており、
前記締結部材は、連結部材と、前記連結部材に設けられ前記固定孔に挿入される突起部と、前記連結部材と前記搬送台車とを締結する台車側締結ねじと、を含むことを特徴とする請求項に記載の容器搬送システム。
【請求項10】
床面に設置され、放射性物質格納容器を搭載可能な架台と、
前記架台と前記床面との間に挿入され、前記架台を空気により浮上させる浮上装置と、
前記架台に係合し、前記浮上装置により浮上させた前記架台を移動させる搬送台車と、
前記床面から突出して設けられ、前記搬送台車の位置を規制する一対の位置決めピンと、を備える容器搬送システムにおける搬送台車の位置決め方法であって、
前記搬送台車は、進行方向における前方側に形成され、一対の前記位置決めピンをそれぞれ受け入れて係合する一対のピン収容部を有し、
前記ピン収容部は、前方側から後方側に向かって先細りとなるテーパ形状となるテーパ溝部と、前記テーパ溝部の後方に配置され、前方側から後方側向かって同じ溝幅となるテーパ収容溝部と、を有し、
前記搬送台車を進行方向の前方側に前進させ、一対の前記ピン収容部の前記テーパ溝部に沿って、一対の前記位置決めピンを移動させ、前記ピン収容溝部に一対の前記位置決めピンを受け入れて、一対の前記ピン収容部と一対の前記位置決めピンとを係合させることで、一対の前記位置決めピンに対し、前記搬送台車の位置を規制することを特徴とする搬送台車の位置決め方法。
【請求項11】
床面に設置され、放射性物質格納容器を搭載可能な架台と、
前記架台と前記床面との間に挿入され、前記架台を空気により浮上させる浮上装置と、
前記架台に係合し、前記浮上装置により浮上させた前記架台を移動させる搬送台車と、
前記床面に直交する方向に突出して前記搬送台車に設けられ、前記搬送台車の位置を規制する一対の位置決めピンと、を備える容器搬送システムにおける搬送台車の位置決め方法であって、
前記床面は、進行方向における前方側に形成され、一対の前記位置決めピンをそれぞれ受け入れて係合する一対のピン収容部を有し、
前記ピン収容部は、前方側から後方側に向かって先細りとなるテーパ形状となるテーパ溝部と、前記テーパ溝部の後方に配置され、前方側から後方側向かって同じ溝幅となるテーパ収容溝部と、を有し、
前記搬送台車を進行方向の前方側に前進させ、一対の前記ピン収容部の前記テーパ溝部に沿って、一対の前記位置決めピンを移動させ、前記ピン収容溝部に一対の前記位置決めピンを受け入れて、一対の前記ピン収容部と一対の前記位置決めピンとを係合させることで、一対の前記ピン収容部に対し、前記搬送台車の位置を規制することを特徴とする搬送台車の位置決め方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射性物質格納容器を搬送するための容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、キャスクが固定される貯蔵架台と、貯蔵架台を載荷する複数のエアバックが配置されたキャスク搬送台と、キャスク搬送台を水平移動させる後部駆動装置及び前部駆動装置と、貯蔵架台に設けられた位置決めガイドピン駆動機構と、を備えるキャスク搬送システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このキャスク搬送システムにおいて、貯蔵架台に設けられる位置決めガイドピン駆動機構は、位置決めガイドピンを有し、貯蔵施設の床に埋設される埋込金物に形成される位置決めガイドピン挿入孔に、位置決めガイドピンを差し込むことで、貯蔵架台を位置決めしている。
【0003】
また、床面に設置され、キャスクを搭載可能な架台と、床面に対し架台を持ち上げ可能なジャッキと、ジャッキにより持ち上げられた架台と床面との間に形成される隙間に挿入され、架台を空気により浮上させるエアパレットと、架台に係合し、エアパレットにより浮上させた架台を移動させる搬送台車と、を備える容器搬送システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。この容器搬送システムでは、架台に係合した搬送台車により、エアパレットにより浮上させた架台を移動させることで、所定の位置まで架台を搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−248068号公報
【特許文献2】特開2013−088205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のキャスク搬送システムでは、貯蔵架台の位置決めを行う場合、位置決めガイドピン駆動機構が貯蔵架台に設けられていることから、貯蔵架台の位置決め時に生じる衝撃が、貯蔵架台に伝わり易く、搬送するキャスクの安定性を損なう可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、架台の位置決め時における放射性物質格納容器の安定性の向上を図りつつ、架台の位置決めを好適に行うことができる容器搬送システム及び搬送台車の位置決め方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の容器搬送システムは、床面に設置され、放射性物質格納容器を搭載可能な架台と、前記架台と前記床面との間に挿入され、前記架台を空気により浮上させる浮上装置と、前記架台に係合し、前記浮上装置により浮上させた前記架台を移動させる搬送台車と、前記床面に設けられ、前記搬送台車の位置を規制する位置決め部と、を備え、前記搬送台車は、前記位置決め部に係合する係合部を有することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、床面に設けられた位置決め部に対し、搬送台車の係合部を係合させることで、搬送台車の位置決めを行うことができ、これにより、搬送台車に係合する架台の位置決めも行うことができる。このため、搬送台車の位置決め時に衝撃が発生しても、搬送台車を介して架台へ衝撃が伝わることから、架台への衝撃が伝わり難く、架台に搭載された放射性物質格納容器の安定性の向上を図ることができる。なお、位置決め部は、床面から突出する位置決め部材であってもよく、この場合、係合部は、位置決め部材を受け入れることで搬送台車の位置を規制する収容部となっている。一方で、位置決め部は、床面に形成される位置決め溝であってもよく、この場合、係合部は、位置決め溝に収容される位置決め部材となっている。
【0009】
この場合、前記位置決め部は、前記床面から突出する一対の位置決めピンであり、前記係合部は、前記搬送台車の進行方向における前方側に形成され、前記位置決めピンをそれぞれ受け入れる一対のピン収容部であることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、搬送台車を前進させ、一対のピン収容部に一対の位置決めピンを受け入れて、一対のピン収容部と一対の位置決めピンとを係合させることで、一対の位置決めピンに対し、搬送台車の位置を規制することができる。このため、搬送台車を前進させるだけで、搬送台車の位置決めを行うことができるため、搬送台車の位置決めを容易に行うことができる。
【0011】
この場合、前記ピン収容部は、前方側から後方側に向かって先細りとなるテーパ形状となっていることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、ピン収容部をテーパ形状にすることで、位置決めピンの受け入れを容易にすることができる。また、搬送台車を前進させて、位置決めピンをピン収容部の後方側に相対的に移動させることで、ピン収容部に対して位置決めピンを精度良く位置規制することができる。
【0013】
この場合、前記位置決めピンと前記搬送台車とを連結する連結具と、前記連結具を巻き上げて、前記搬送台車を前記位置決めピンに引き寄せる巻上げ部とを有する牽引装置を、さらに備えることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、牽引装置によって搬送台車を位置決めピンに引き寄せることで、位置決めピンへ向かって搬送台車を精度良く移動させることができる。
【0015】
この場合、前記床面に設けられ、前記搬送台車を前記位置決め部へ向けて案内する台車案内部材を、さらに備えることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、床面に設けられる台車案内部材により、搬送台車を案内することで、位置決めピンへ向かって搬送台車を精度良く移動させることができる。なお、台車案内部材は、床面に対し、着脱自在に設けることが好ましい。
【0017】
この場合、前記台車案内部材は、前記搬送台車の進行方向の側方に転接するガイドローラであることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、搬送台車の側方にガイドローラを転接させながら、搬送台車を案内することができるため、搬送台車を位置決めピンに向かってスムーズに移動させることができる。
【0019】
この場合、前記架台と前記搬送台車とを締結する締結部材を、さらに備えることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、架台と搬送台車とを締結部材により固定することができるため、架台と搬送台車とを容易に位置決めすることができる。
【0021】
この場合、前記締結部材は、前記架台と前記搬送台車とを締結する締結ねじであることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、締結ねじを用いて、架台と搬送台車とを締結することで、架台と搬送台車とを容易に固定することができる。
【0023】
この場合、前記締結部材は、連結部材と、前記連結部材と前記搬送台車とを締結する台車側締結ねじと、前記連結部材と前記架台とを連結する架台側締結ねじと、を含むことが好ましい。
【0024】
この構成によれば、台車側締結ねじを用いて、連結部材と搬送台車とを締結し、また、架台側締結ねじを用いて、連結部材と架台とを連結することで、架台と搬送台車とを容易に固定することができる。
【0025】
この場合、前記架台には、前記架台を前記床面に固定するための固定孔が貫通形成されており、前記締結部材は、連結部材と、前記連結部材に設けられ前記固定孔に挿入される突起部と、前記連結部材と前記搬送台車とを締結する台車側締結ねじと、を含むことが好ましい。
【0026】
この構成によれば、架台の固定孔に連結部材の突起部を挿入し、台車側締結ねじを用いて、連結部材と搬送台車とを締結することで、架台と搬送台車とを容易に固定することができる。
【0027】
本発明の搬送台車の位置決め方法は、床面に設置され、放射性物質格納容器を搭載可能な架台と、前記架台と前記床面との間に挿入され、前記架台を空気により浮上させる浮上装置と、前記架台に係合し、前記浮上装置により浮上させた前記架台を移動させる搬送台車と、前記床面から突出して設けられ、前記搬送台車の位置を規制する一対の位置決めピンと、を備える容器搬送システムにおける搬送台車の位置決め方法であって、前記搬送台車は、進行方向における前方側に形成され、一対の前記位置決めピンをそれぞれ受け入れて係合する一対のピン収容部を有し、前記搬送台車を進行方向の前方側に前進させ、一対の前記ピン収容部に一対の前記位置決めピンを受け入れて、一対の前記ピン収容部と一対の前記位置決めピンとを係合させることで、一対の前記位置決めピンに対し、前記搬送台車の位置を規制することを特徴とする。
【0028】
この構成によれば、搬送台車を前進させるだけで、搬送台車の位置決めを行うことができるため、搬送台車の位置決めを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、実施例1に係る容器搬送システムの概略構成図である。
図2図2は、実施例1に係る架台を模式的に表した平面図である。
図3図3は、実施例1に係る架台を模式的に表した側面図である。
図4図4は、実施例1に係る搬送台車を模式的に表した平面図である。
図5図5は、実施例1に係る搬送台車を模式的に表した断面図である。
図6図6は、実施例1に係る容器搬送システムの係合する搬送台車と架台とを示す部分平面図である。
図7図7は、実施例1に係る容器搬送システムの係合する搬送台車と架台とを示す部分断面図である。
図8図8は、実施例1に係る車輪ユニットを模式的に表した断面図である。
図9図9は、実施例1に係るエアパレットを模式的に表した平面図である。
図10図10は、実施例1に係るエアパレットを模式的に表した側面図である。
図11図11は、実施例1に係る容器搬送システムの架台の浮上動作の一例に関する説明図である。
図12図12は、実施例1に係る容器搬送システムの架台の浮上動作の一例に関する説明図である。
図13図13は、実施例1に係る容器搬送システムの架台の位置決め動作の一例に関する説明図である。
図14図14は、実施例2に係る容器搬送システムの係合する搬送台車と架台とを示す部分平面図である。
図15図15は、実施例3に係る容器搬送システムの架台の位置決め動作の一例に関する説明図である。
図16図16は、実施例4に係る容器搬送システムの架台の位置決め動作の一例に関する説明図である。
図17図17は、実施例4に係る容器搬送システムのガイドローラを模式的に表した斜視図である。
図18図18は、実施例5に係る容器搬送システムの係合する搬送台車と架台とを示す部分平面図である。
図19図19は、実施例5に係る容器搬送システムの係合する搬送台車と架台とを示す部分断面図である。
図20図20は、実施例6に係る容器搬送システムの係合する搬送台車と架台とを示す部分平面図である。
図21図21は、実施例6に係る容器搬送システムの係合する搬送台車と架台とを示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例について説明する。なお、以下の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【実施例1】
【0031】
実施例1に係る容器搬送システムは、放射性物質格納容器を搬送するためのものである。ここで、放射性物質格納容器は、例えば、内部に使用済核燃料を収容可能な円筒形状のキャスクである。以下、図1を参照して、容器搬送システムについて説明する。
【0032】
図1は、実施例1に係る容器搬送システムの概略構成図である。容器搬送システム1は、キャスク5を搭載可能な架台10と、架台10を搬送可能な搬送台車11と、空気により架台10を浮上させるエアパレット(浮上装置)12とを備えている。また、容器搬送システム1は、搬送台車11及びエアパレット12を制御する制御盤21と、搬送台車11及びエアパレット12へ向けて空気を供給するエアーコンプレッサ22と、制御盤21へ電力を供給する電源装置23とを備えている。
【0033】
図2及び図3を参照して、架台10について説明する。図2は、実施例1に係る架台を模式的に表した平面図であり、図3は、実施例1に係る架台を模式的に表した側面図である。架台10は、キャスク5の軸方向を鉛直方向とした状態(縦置き)でキャスク5を搭載すると共に、床面25に設置される。架台10は、キャスク5の非搬送時において、床面25に設置された状態で固定(固縛)される。一方、架台10は、キャスク5の搬送時において、床面25から離れた状態で移動する。
【0034】
架台10は、架台本体31と、架台本体31の下面に設けられた複数の脚32と、架台本体31の上面に設けられた複数の固定具33とを有している。架台本体31は、長さの長い奥行き方向(図2の上下方向)と、奥行き方向に直交する長さの短い幅方向(図2の左右方向)とで、平面視方形状に形成されている。架台本体31には、幅方向の両側面に架台側係合部31aが一対形成されている。一対の架台側係合部31aは、架台本体31の両外側面における鉛直方向の上部(図3参照)において、水平方向の外側に突出する突起である。また、各架台側係合部31aは、架台本体31の外側面において奥行き方向に亘って形成されている。一対の架台側係合部31aには、搬送台車11が係合する。詳細は後述するが、架台10は、搬送台車11に設けられたジャッキ44によって搬送台車11自体が持ち上げられ、架台側係合部31aに搬送台車11が係合して持ち上げられる。
【0035】
複数の脚32は、架台本体31を、架台本体31と床面25との間で支持する。複数の脚32は、幅方向において、両外側及び中央にそれぞれ設けられ、奥行き方向において、複数並べられている。このとき、架台10には、架台10を床面25に固定するための複数の固定孔31bが形成されており、各固定孔31bは、架台本体31から各脚32に亘って鉛直方向に貫通形成されている。なお、複数の脚32は、架台本体31と床面25との間に隙間を形成するが、形成される隙間の高さは、エアパレット12が挿入可能な高さよりも低いものとなっている。
【0036】
架台本体31から脚32に亘って貫通形成された固定孔31bには、固定ボルト(アンカボルト)34が挿入される。固定ボルト34は、床面25に形成された締結孔35に締結されることで、架台10を固定している。
【0037】
複数の固定具33は、架台本体31上に搭載されるキャスク5を固定する。複数の固定具33は、架台本体31に縦置きされるキャスク5の周囲に設けられる。実施例1において、固定具33は、4つ設けられており、平面視円形のキャスク5の周囲に90°ずつ位相を異ならせて配置されている。
【0038】
次に、図4及び図5を参照して、搬送台車11について説明する。図4は、実施例1に係る搬送台車を模式的に表した平面図であり、図5は、実施例1に係る搬送台車を模式的に表した断面図である。搬送台車11は、架台10に係合して持ち上げると共に、架台10を移動させる。
【0039】
搬送台車11は、台車フレーム41と、台車フレーム41に設けられた複数の車輪ユニット43と、台車フレーム41に設けられた複数のジャッキ44とを有している。
【0040】
台車フレーム41は、平面視凹状に形成されている。つまり、台車フレーム41は、長さの長い奥行き方向(図4の上下方向)に延びる対向する一対の長辺部41aと、奥行き方向に直交する長さの短い幅方向(図4の左右方向)に延びる短辺部41bと、を有しており、短辺部41bは、一対の長辺部41aの一方の端部(図4の上側の端部)にそれぞれ接続されている。そして、一対の長辺部41a及び短辺部41bにより構成された台車フレーム41の内側には、架台10が収容される。また、台車フレーム41は、内部空間を有する角筒状に形成されており、台車フレーム41の内部空間には、複数の車輪ユニット43及び複数のジャッキ44が収容されている。
【0041】
また、台車フレーム41の一対の長辺部41aには、台車側係合部41cが一対設けられている。一対の台車側係合部41cは、一対の長辺部41aの両内側面における鉛直方向の下部(図5参照)において、水平方向の内側に突出する突起である。また、各台車側係合部41cは、長辺部41aの内側面において奥行き方向に亘って形成されている。一対の台車側係合部41cには、架台10の一対の架台側係合部31aが係合する。つまり、架台10と搬送台車11の係合時において、架台10の両外側面には、一対の長辺部41aの両内側面が対向する。このとき、架台側係合部31aは、鉛直方向の上側に位置し、台車側係合部41cは、鉛直方向の下側に位置することから、架台側係合部31a及び台車側係合部41cは、鉛直方向において重なり合っている(図7参照)。そして、鉛直方向に重なり合う架台側係合部31aと台車側係合部41cとは、締結部材としての締結ねじ50により締結固定される。
【0042】
次に、図6及び図7を参照し、締結ねじ50周りの構造について説明する。図6は、実施例1に係る容器搬送システムの係合する搬送台車と架台とを示す部分平面図であり、図7は、実施例1に係る容器搬送システムの係合する搬送台車と架台とを示す部分断面図である。図7に示すように、架台10の架台側係合部31aには、締結ねじ50が挿通される挿通孔71が貫通形成されている。図6に示すように、挿通孔71は、例えば、奥行き方向において、架台10の固定孔31b同士の間に設けられている。また、挿通孔71は、架台側係合部31aが延在する奥行き方向に沿って、複数形成されている。一方で、搬送台車11の台車側係合部41cには、締結ねじ50が締結される締結孔72が形成されている。締結孔72は、複数の挿通孔71の位置と重なる位置にそれぞれ形成されている。そして、締結ねじ50は、架台10の挿通孔71から挿入され、締結孔72に締結されることで、架台10と搬送台車11とが締結固定され、これにより、架台10と搬送台車11とが位置決めされる。
【0043】
再び、図4を参照し、台車フレーム41の一対の長辺部41aには、ピン収容部(係合部)48が一対設けられている。一対のピン収容部48は、搬送台車11の奥行き方向を進行方向とすると、進行方向において、一対の長辺部41aの前方側の端部(他方の端部:図4の下側の端部)にそれぞれ設けられている。
【0044】
図6に示すように、各ピン収容部48は、後方側に向かって没入して形成される位置決め溝75を有しており、位置決め溝75は、床面25から鉛直方向に突出する位置決めピン(位置決め部)49を、水平方向から受け入れ可能な溝となるように形成されている。具体的に、位置決め溝75は、前方側のテーパ溝部75aと、テーパ溝部75aに連通する後方側のピン収容溝部75bとを含んで構成されている。テーパ溝部75aは、前方側から後方側に向かって先細りの溝幅となる平面視テーパ形状となっている。このため、テーパ溝部75aは、前方側の溝幅が後方側の溝幅に比して広くなっており、テーパ溝部75aの前方側の溝幅は、円柱形状の位置決めピン49の直径よりも大きくなっている。ピン収容溝部75bは、前方側から後方側に向かって同じ溝幅となる平面視方形状となっている。ピン収容溝部75bは、テーパ溝部75aの後方側の溝幅と同じ溝幅となっており、円柱形状の位置決めピン49の直径とほぼ同じ溝幅となっている。
【0045】
ここで、図13を参照して、一対の位置決めピン49について説明する。上記したように、床面25には、架台10を固定するための締結孔35が複数形成されると共に、一対の位置決めピン49が突出して配置されている。このとき、複数の締結孔35及び一対の位置決めピン49の位置は、搬送台車11に搬送される架台10の固定孔31b及び搬送台車11の一対のピン収容部48(のピン収容溝部75b)の位置と、同じ位置関係となっている。このため、一対の位置決めピン49により搬送台車11が位置決めされると、搬送台車11に架台10が位置決めされていることから、一対の位置決めピン49と、架台10とが位置決めされることとなる。これにより、架台10の固定孔31bと床面25の締結孔35とが、鉛直方向において重ね合わされる。
【0046】
複数の車輪ユニット43は、例えば、台車フレーム41の四隅に4つ設けられている。つまり、4つの車輪ユニット43は、一対の長辺部41aの両端部にそれぞれ設けられている。このため、複数の車輪ユニット43は、台車フレーム41に収容された架台10の周囲に配置されることから、床面上において架台10を自在に移動させることができる。具体的に、搬送台車11は、架台10を幅方向に移動させた後、奥行き方向に移動させることができ、搬送台車11を直角に移動させることができる。また、架台10の略中心を軸にその場旋回させることができ、架台10の幅または奥行き方向に対して斜め移動させることができる。つまり、この容器搬送システム1は、搬送台車11をその場で旋回させることが可能な容器搬送システム1となっている。
【0047】
図8を参照して、車輪ユニット43について説明する。図8は、実施例1に係る車輪ユニットを模式的に表した断面図である。各車輪ユニット43は、車輪51と、車輪51を駆動可能な駆動モータ52と、車輪51を旋回可能な旋回モータ53(図1参照)と、車輪51を鉛直方向に移動可能なエアーシリンダ54とを有している。
【0048】
車輪51は、床面25に接地して回転可能に構成されている。この車輪51の内部には、駆動モータ52が設けられており、駆動モータ52は、車輪51を所定の回転方向へ回転させることで、車輪51を駆動輪として機能させている。図1に示すように、旋回モータ53は、車輪51が幅方向または奥行き方向へ向けて回転するように、車輪51を水平面内において切替可能に旋回させている。エアーシリンダ54は、鉛直方向の下方側へ向けて車輪51を移動させることで、車輪51を上方位置L1と下方位置L2との間で移動させている。つまり、エアーシリンダ54は、収縮動作することで、車輪51を上方位置L1に移動させる一方で、伸張動作することで、車輪51を下方位置L2に移動させる。
【0049】
複数のジャッキ44は、例えば、台車フレーム41に6つ固定されており、作動油の油圧によって、持上げ位置L3と解除位置L4との間で鉛直方向に持ち上げ可能に作動する(図11及び図12参照)。6つのジャッキ44は、一対の長辺部41aに3つずつ設けられている。各長辺部41aに設けられた3つのジャッキ44は、各長辺部41aの両端部に設けられた2つの車輪ユニット43の間に並べて配置されている。各ジャッキ44は、台車フレーム41を鉛直方向に持ち上げ可能となっている。各ジャッキ44は、鉛直方向の下方側へ向けて伸張動作することで、持上げ位置L3に移動する一方で、鉛直方向の上方側へ向けて収縮動作することで、解除位置L4に移動する。このため、各ジャッキ44は、台車フレーム41を持ち上げることで、台車フレーム41に係合する架台10を持ち上げることが可能となっている。つまり、ジャッキ44が台車フレーム41を持ち上げると、台車フレーム41の台車側係合部41cが、架台10の架台側係合部31aに当接(係合)する。ジャッキ44が台車フレーム41をさらに持ち上げると、台車側係合部41cと架台側係合部31aとが当接した状態で持ち上げられることで、架台10が持ち上げられる。架台10が持ち上げられると、架台本体31の下面と床面との間が離れ、これにより、架台本体31の下面と床面との間には、エアパレット12が挿入可能な隙間が形成される。
【0050】
再び、図1を参照し、搬送台車11について説明する。搬送台車11は、作業者が搬送台車11を操作するための操作盤45と、ジャッキ44へ向けて作動油を供給する油圧ユニット46と、エアーシリンダ54へ向けて供給する空気を配分する空配盤47とを有している。
【0051】
操作盤45は、短辺部41b周りに設けられており、その一方側には、制御盤21を介して電源装置23が接続され、その他方側には、複数の駆動モータ52、複数の旋回モータ53及び油圧ユニット46が接続されている。搬送台車11が所定の動作を行うように、作業者によって所定の操作がなされると、操作盤45は、作業者によって入力された操作を、制御盤21へ出力すると共に、制御盤21は、入力された操作に応じた制御を行うように、操作盤45を介して複数の駆動モータ52、複数の旋回モータ53及び油圧ユニット46を制御する。
【0052】
油圧ユニット46は、短辺部41b周りに設けられており、操作盤45に隣接して設けられている。油圧ユニット46には、操作盤45及び制御盤21を介して電源装置23が接続されている。油圧ユニット46は、電源装置23から供給される電力により作動油の油圧を調整可能となっている。油圧ユニット46には、複数のジャッキ44が接続されている。油圧ユニット46は、ジャッキ44内の油圧を上昇させることで、ジャッキ44による持ち上げ動作(伸張動作)を行わせる。一方で、油圧ユニット46は、ジャッキ44内の油圧を下降させることで、ジャッキ44による持ち上げ動作の解除(収縮動作)を行う。このため、搬送台車11が所定の動作を行うように、作業者によって操作盤45に所定の操作がなされると、操作盤45は、作業者によって入力された操作を、制御盤21へ出力すると共に、制御盤21は、入力された操作に応じた制御を行うように、操作盤45を介して油圧ユニット46を制御する。
【0053】
空配盤47は、短辺部41b周りに設けられており、その一方側にはエアーコンプレッサ22が接続され、その他方側には複数のエアーシリンダ54及びエアパレット12の空配盤65(詳細は後述)が接続されている。また、空配盤47には、操作盤45及び制御盤21を介して電源装置23が接続されている。空配盤47は、エアーコンプレッサ22から供給された空気を複数のエアーシリンダ54及びエアパレット12の空配盤65に配分している。また、空配盤47は、エアーシリンダ54内の空気圧を上昇させることで、エアーシリンダ54を伸張動作させ、車輪51を下方位置L2に移動させる。一方、空配盤47は、エアーシリンダ54内の空気圧を下降させることで、エアーシリンダ54を収縮動作させ、車輪51を上方位置L1に移動させる。このため、搬送台車11が所定の動作を行うように、作業者によって操作盤45に所定の操作がなされると、操作盤45は、作業者によって入力された操作を、制御盤21へ出力すると共に、制御盤21は、入力された操作に応じた制御を行うように、操作盤45を介して空配盤47を制御する。
【0054】
次に、図9及び図10を参照して、エアパレット12について説明する。図9は、実施例1に係るエアパレットを模式的に表した平面図であり、図10は、実施例1に係るエアパレットを模式的に表した側面図である。エアパレット12は、搬送台車11により持ち上げられた架台10と床面25との間に挿入され、架台10を空気により浮上させることで、架台10と床面25との摩擦を低減する。
【0055】
エアパレット12は、パレットベース61と、パレットベース61の下面に設けられた複数のエアベアリング62と、パレットベース61の上面に設けられた一対のスペーサ63とを有している。また、エアパレット12は、パレットベース61に取り付けられた複数の車輪64と、エアベアリング62へ向けて供給する空気を配分する空配盤65(図1参照)とを有している。
【0056】
パレットベース61は、長さの長い奥行き方向(図9の上下方向)と、奥行き方向に直交する長さの短い幅方向(図9の左右方向)とで、平面視方形となる板状に形成されている。複数のエアベアリング62は、空気が供給されることで床面25との間に空気層を形成し、床面25との摩擦を低減するものである。実施例1においてエアベアリング62は、例えば、幅方向に2列で奥行き方向に3行となるように、パレットベース61の下面に6つ取り付けられている。各エアベアリング62は、空気が供給されることで膨らみ、床面25との間に空気層を形成することで、エアパレット12を浮上させる。これにより、エアパレット12は、各エアベアリング62を作動させると、鉛直方向における高さが増長する。一方、各エアベアリング62は、空気が供給されずに開放されるとしぼんで縮む。
【0057】
一対のスペーサ63は、幅方向に隣接して奥行き方向に延在するように、パレットベース61の上面に取り付けられている。複数の車輪64は、例えば、2つ設けられ、パレットベース61の奥行き方向の一方の端部に取り付けられている。2つの車輪64は、幅方向に並べてパレットベース61に取り付けられている。2つの車輪64は、エアベアリング62に空気が供給されずにしぼんでいる場合、床面25に回転可能に接地する。一方で、2つの車輪64は、エアベアリング62に空気が供給されて膨らんでいる場合、床面25から離れる。
【0058】
図1に示すように、空配盤65は、パレットベース61の奥行き方向の一方側に設けられており、その一方側には搬送台車11の空配盤47が接続され、その他方側には複数のエアベアリング62が接続されている。空配盤65は、空配盤47から供給された空気を複数のエアベアリング62に配分している。空配盤65は、各エアベアリング62に空気を供給することで、各エアベアリング62を作動させる。一方、空配盤65は、各エアベアリング62への空気の供給を停止することで、各エアベアリング62の作動を停止させる。
【0059】
制御盤21は、搬送台車11の操作盤45に接続され、操作盤45を介して、搬送台車11の油圧ユニット46、空配盤47、複数の駆動モータ52及び旋回モータ53を制御している。また、制御盤21は、操作盤45及び空配盤47を介して、エアパレット12の空配盤65を制御している。
【0060】
エアーコンプレッサ22は、制御盤21を介して電源装置23に接続されている。エアーコンプレッサ22は、電源装置23から供給される電力により、空気を圧縮している。また、エアーコンプレッサ22は、制御盤21により動作が制御される。
【0061】
電源装置23は、制御盤21に制御され、制御盤21を介して、搬送台車11に電力を供給している。つまり、電源装置23は、搬送台車11の操作盤45、油圧ユニット46、駆動モータ52及び旋回モータ53等に電力を供給している。
【0062】
続いて、図11から図13を参照して、上記した容器搬送システム1を用いて、キャスク5を搬送する容器搬送方法について説明する。図11は、実施例1に係る容器搬送システムの架台の浮上動作の一例に関する説明図である。図12は、実施例1に係る容器搬送システムの架台の浮上動作の一例に関する説明図である。図13は、実施例1に係る容器搬送システムの架台の位置決め動作の一例に関する説明図である。なお、この容器搬送方法には、搬送台車11に対して架台10を位置決めする架台10の位置決め方法(後述する架台位置決め工程)と、一対の位置決めピン49に対して搬送台車11を位置決めする搬送台車11の位置決め方法(後述する台車位置決め工程)とを含んでいる。また、図11及び図12において、キャスク5は、図示を省略している。
【0063】
図11に示すように、キャスク5が搭載された架台10は、床面25の所定の位置に設置されている(ステップS101)。このとき、搬送台車11は、複数の車輪51が上方位置L1に位置した状態となっており、また、複数のジャッキ44が解除位置L4に位置した状態となっている。この搬送台車11は、台車側係合部41cが架台側係合部31aに鉛直方向において重なり合うように、架台10を台車フレーム41の内側に収容する(ステップS102)。
【0064】
この後、作業者は、操作盤45に対し、搬送台車11の複数のジャッキ44を伸張動作させるための所定の入力操作を行う。すると、操作盤45は、制御盤21へ向けて所定の入力操作を出力する。制御盤21は、操作盤45から入力された所定の入力操作に基づいて、搬送台車11の油圧ユニット46を制御し、油圧ユニット46によりジャッキ44内の油圧を上昇させることで、各ジャッキ44に持ち上げ動作を行わせる。
【0065】
複数のジャッキ44が持ち上げ動作を行うと、ジャッキ44は、解除位置L4から持上げ位置L3に移動する。このため、台車側係合部41cは、架台側係合部31aに当接(係合)した後、架台側係合部31aを持ち上げるため、架台10は、複数のジャッキ44により持ち上げられる(ステップS103)。持ち上げられた架台10は、架台本体31の下面と床面25との間が離れることで、架台本体31の下面と床面25との間に、エアパレット12が挿入可能な隙間が形成される。
【0066】
架台10の持ち上げ後、作業者により締結ねじ50を架台側係合部31aの挿通孔71に挿入して、締結ねじ50を台車側係合部41cの締結孔72に締結することで、係合する架台側係合部31aと台車側係合部41cとを固定する(ステップS104:架台位置決め工程)。これにより、搬送台車11に対して架台10が締結固定されることで、架台10と搬送台車11とが位置決めされる。
【0067】
図12に示すように、架台10を持ち上げることにより形成された隙間には、非作動状態のエアパレット12が車輪64により移動させられて挿入される(ステップS105)。このとき、エアパレット12は、その一対のスペーサ63の間及び両側に、架台10の脚32が位置するように挿入される。挿入された非作動状態のエアパレット12は、架台10に当接しておらず、エアパレット12と架台10との間に僅かに隙間が形成されている。
【0068】
この後、作業者は、操作盤45に対し、搬送台車11の複数の車輪51を下方位置L2へ移動させるための所定の入力操作を行う。すると、操作盤45は、制御盤21へ向けて所定の入力操作を出力する。制御盤21は、操作盤45から入力された所定の入力操作に基づいて、搬送台車11の空配盤47を制御し、エアーシリンダ54内の空気圧を上昇させることで、各エアーシリンダ54を伸張動作させ、各車輪51を下方位置L2に移動させる。これにより、搬送台車11の複数の車輪51は、床面25に接地する(ステップS106)。
【0069】
続いて、作業者は、操作盤45に対し、エアパレット12の複数のエアベアリング62を作動させると共に、搬送台車11の複数のジャッキ44による持ち上げを解除するための所定の入力操作を行う。制御盤21は、操作盤45から入力された所定の入力操作に基づいて、エアパレット12の空配盤65を制御し、各エアベアリング62に空気を供給することで、各エアベアリング62を作動させる。各エアベアリング62が作動すると、エアパレット12が浮上することで、各スペーサ63の上面が架台本体31の下面に当接する。これにより、架台10は、エアパレット12により浮上した状態(ステップS107)となる。このとき、架台10と搬送台車11とは締結ねじ50により固定されていることから、架台10が浮上すると、搬送台車11に加わる荷重も低減する。
【0070】
また、制御盤21は、操作盤45から入力された所定の入力操作に基づいて、搬送台車11の油圧ユニット46を制御し、油圧ユニット46によりジャッキ44内の油圧を下降させることで、各ジャッキ44による持ち上げ動作を解除する(ステップS107)。複数のジャッキ44の持ち上げ動作を解除すると、ジャッキ44は、解除位置L4に移動する。これにより、架台10は、搬送台車11により移動可能な状態となる。
【0071】
図13に示すように、架台10が移動可能な状態となると、作業者は、操作盤45を介して、搬送台車11の複数の車輪51を駆動モータ52により駆動させることで、キャスク5が搭載された架台10を搬送する。このとき、搬送台車11は、その一対のピン収容部48が、床面25から突出する一対の位置決めピン49と対向するように移動させられる(ステップS108)。
【0072】
そして、ステップS108に示す状態から、搬送台車11を前進させることで、一対のピン収容部48の位置決め溝75に、一対の位置決めピン49を収容する。このとき、各位置決めピン49は、先ず、位置決め溝75のテーパ溝部75aに収容された後、ピン収容溝部75bに収容される。このため、位置決めピン49は、位置決めピン49の直径よりも広い溝幅となるテーパ溝部75aに受け入れられることから、位置決めピン49を位置決め溝75に容易に収容することができる。そして、搬送台車11が前進することで、位置決めピン49は、テーパ溝部75aの後方に相対的に移動することで、テーパ溝部75aの溝幅によって、幅方向における位置が相対的に規制されて案内されながら、ピン収容溝部75bに収容される。ピン収容溝部75bに収容された位置決めピン49は、位置決めピン49の直径とほぼ同じ溝幅となるピン収容溝部75bに受け入れられることから、搬送台車11の幅方向への位置が規制され、また、位置決めピン49をピン収容溝部75bに突き当てることで、搬送台車11の奥行き方向への位置が規制される。これにより、搬送台車11は、一対の位置決めピン49へ向かって前進することで、一対の位置決めピン49により位置決めされる(ステップS109:台車位置決め工程)。
【0073】
なお、搬送台車11の位置決め後、ジャッキ44を解除位置L4から持上げ位置L3に移動させることで、搬送台車11により架台10を持ち上げる。そして、搬送台車11の複数の車輪51を下方位置L2から上方位置L1に移動させて、搬送台車11の複数の車輪51を収容すると共に、エアパレット12を非作動状態とした後、エアパレット12を取り外す。この後、締結ねじ50を取り外すことで、架台側係合部31aと台車側係合部41cとの締結固定を解除する。続いて、ジャッキ44を持上げ位置L3から解除位置L4に移動させることで、架台10を床面25に接地させる。架台10の床面25への接地後、搬送台車11を取り外し、架台10の固定孔31bに固定ボルト34を挿通し、固定孔31bに重なり合う床面25の締結孔35に固定ボルト34を締結する。これにより、架台10を床面25に固縛する。
【0074】
以上のように、実施例1の構成によれば、床面25から突出する一対の位置決めピン49に対し、搬送台車11の一対のピン収容部48を突き当てることで、搬送台車11の位置決めを行うことができ、これにより、搬送台車11に固定される架台10の位置決めも行うことができる。このため、搬送台車11の位置決め時に、一対の位置決めピン49に接触することによる衝撃が発生しても、搬送台車11を介して架台10へ衝撃が伝わることから、架台10への衝撃が伝わり難く、架台10に搭載されたキャスク5の安定性の向上を図ることができる。
【0075】
また、実施例1の構成によれば、搬送台車11を前進させて、搬送台車11の位置決めを行うことができるため、搬送台車11の位置決めを容易に行うことができる。
【0076】
また、実施例1の構成によれば、ピン収容部48の位置決め溝75の前方側を、テーパ溝部75aにすることで、位置決めピン49の受け入れを容易にすることができる。また、搬送台車11を前進させて、位置決めピン49をテーパ溝部75aの後方側に相対的に移動させた後、ピン収容溝部75bに突き当てることで、ピン収容部48に対して位置決めピン49を精度良く位置規制することができる。
【0077】
また、実施例1の構成によれば、架台10と搬送台車11とを締結ねじ50により締結固定することができるため、架台10と搬送台車11とを容易に位置決めすることができる。このとき、架台10と搬送台車11とを締結ねじ50により固定することから、エアパレット12によって架台10を浮上させることで、搬送台車11に加わる荷重を低減することができ、搬送台車11の車輪51(車輪ユニット43)への荷重を抑制することができる。
【0078】
また、実施例1の構成によれば、ジャッキ44により搬送台車11を持ち上げ、搬送台車11と架台10とを係合させた状態で、締結ねじ50により搬送台車11と架台10とを締結することができる。このため、搬送台車11と架台10とを緩みなく締結し固定することができる。
【0079】
なお、実施例1では、床面25から突出する位置決めピン49を、搬送台車11のピン収容部48に受け入れることで、搬送台車11の位置決めを行ったが、この構成に限定されない。例えば、床面25にピン収容部48を設ける一方で、搬送台車11に位置決めピン49を設け、搬送台車11の位置決めピン49を、床面25のピン収容部48に受け入れることで、搬送台車11の位置決めを行ってもよい。
【0080】
また、実施例1では、位置決め部として位置決めピン49を一対設け、係合部としてピン収容部48を一対設けたが、位置決め部と係合部との形状及び設置数は、特に限定されず、搬送台車11を幅方向及び奥行き方向に位置規制することが可能であれば、いずれの形状及び設置数であってもよい。
【実施例2】
【0081】
次に、図14を参照して、実施例2に係る容器搬送システム100について説明する。図14は、実施例2に係る容器搬送システムの係合する搬送台車と架台とを示す部分平面図である。なお、実施例2では、実施例1と重複した記載を避けるべく、実施例1と異なる部分について説明し、同様の構成については、同じ符号を付して説明する。実施例2の容器搬送システム100において、搬送台車11に設けられるピン収容部48は、その位置決め溝101が、実施例1と異なる形状となっている。
【0082】
図14に示すように、実施例2の位置決め溝101は、前方側から後方側に向かって先細りの溝幅となる平面視テーパ形状となっている。このため、位置決め溝101は、前方側の溝幅が後方側の溝幅に比して広くなっている。そして、位置決め溝101の前方側の溝幅は、円柱形状の位置決めピン49の直径よりも大きくなっており、位置決め溝101の後方側の溝幅は、円柱形状の位置決めピン49の直径よりも小さくなっている。
【0083】
このため、搬送台車11の一対のピン収容部48と一対の位置決めピン49とを対向させた状態から、搬送台車11を前進させることで、一対のピン収容部48の位置決め溝101に、一対の位置決めピン49を収容する。このとき、各位置決めピン49は、テーパ形状の位置決め溝101に収容される。このため、位置決めピン49は、位置決めピン49の直径よりも広い溝幅となる位置決め溝101に受け入れられることから、位置決めピン49を位置決め溝101に容易に収容することができる。そして、搬送台車11が前進することで、位置決めピン49は、位置決めピン49の直径よりも狭い溝幅となる位置決め溝101の後方に相対的に移動することで、位置決めピン49の幅方向の位置が規制されると共に、位置決め溝101に突き当たって、位置決めピン49の奥行き方向の位置が規制される。これにより、搬送台車11は、一対の位置決めピン49へ向かって前進することで、一対の位置決めピン49により位置決めされる。
【0084】
以上のように、実施例2の構成においても、床面25から突出する一対の位置決めピン49に対し、搬送台車11の一対のピン収容部48を突き当てることで、搬送台車11の位置決めを行うことができ、これにより、搬送台車11に固定される架台10の位置決めも行うことができる。このため、搬送台車11の位置決め時に、一対の位置決めピン49に接触することによる衝撃が発生しても、搬送台車11を介して架台10へ衝撃が伝わることから、架台10への衝撃が伝わり難く、架台10に搭載されたキャスク5の安定性の向上を図ることができる。
【実施例3】
【0085】
次に、図15を参照して、実施例3に係る容器搬送システム110について説明する。図15は、実施例3に係る容器搬送システムの架台の位置決め動作の一例に関する説明図である。なお、実施例3でも、実施例1及び2と重複した記載を避けるべく、実施例1及び2と異なる部分について説明し、同様の構成については、同じ符号を付して説明する。実施例3の容器搬送システム110は、ウインチ(牽引装置)111をさらに備え、ウインチ111は、搬送台車11に設けられている。
【0086】
図15に示すように、ウインチ111は、搬送台車11の台車フレーム41の一対の長辺部41a上にそれぞれ設けられている。各ウインチ111は、搬送台車11と各位置決めピン49とを連結するワイヤ(連結具)115と、ワイヤ115を巻き上げる巻上ドラム(巻上げ部)116とを有している。このウインチ111は、接続される制御盤21によって制御されており、一対の位置決めピン49に向かって搬送台車11を前進させるときに使用される。
【0087】
従って、搬送台車11の一対のピン収容部48と一対の位置決めピン49とを対向させた状態において、搬送台車11に設けられる一対のウインチ111からワイヤ115をそれぞれ引き出し、引き出したワイヤ115を一対の位置決めピン49にそれぞれ連結する。そして、ウインチ111の巻上ドラム116によりワイヤ115を巻き上げて、搬送台車11を前進させることで、一対のピン収容部48の位置決め溝75に、一対の位置決めピン49を収容する。
【0088】
以上のように、実施例3の構成によれば、ウインチ111によって搬送台車11を一対の位置決めピン49に引き寄せることができるため、一対の位置決めピン49へ向かって搬送台車11を精度良く移動させることができる。
【0089】
なお、実施例3では、ウインチ111を、搬送台車11に設けたが、位置決めピン49周りの床面25に設けてもよい。この場合、ウインチ111のワイヤ115は、搬送台車11に連結され、巻上ドラム116によりワイヤ115を巻き上げて、搬送台車11を一対の位置決めピン49に引き寄せる。
【実施例4】
【0090】
次に、図16及び図17を参照して、実施例4に係る容器搬送システム120について説明する。図16は、実施例4に係る容器搬送システムの架台の位置決め動作の一例に関する説明図であり、図17は、実施例4に係る容器搬送システムのガイドローラを模式的に表した斜視図である。なお、実施例4でも、実施例1から3と重複した記載を避けるべく、実施例1から3と異なる部分について説明し、同様の構成については、同じ符号を付して説明する。実施例4の容器搬送システム120は、搬送台車11を案内するガイドローラ(台車案内部材)121をさらに備え、ガイドローラ121は、床面25に設けられている。
【0091】
図16に示すように、ガイドローラ121は、搬送台車11の幅方向の両側方に転接するように一対設けられている。このガイドローラ121は、例えば、3つのローラ125を含んで構成されており、搬送台車11の奥行き方向に並べて設けられている。また、ガイドローラ121は、3つのローラ125の回転軸126の上方側に、これらを連結する連結部材127が設けられており、連結部材127は、3つのローラ125を一体に連結することで、各ローラ125同士の位置関係を保持している。一対のガイドローラ121の3つのローラ125のうち、奥行き方向の後方の一対のローラ125は、搬送台車11の幅よりも広い間隔で配置されており、搬送台車11の受け入れを容易にしている。一方で、一対のガイドローラ121の3つのローラ125のうち、奥行き方向の前方の一対のローラ125、及び奥行き方向の中央の一対のローラ125は、搬送台車11の幅とほぼ同じ幅となっており、搬送台車11の幅方向における移動を規制している。
【0092】
また、図17に示すように、ガイドローラ121は、床面25に対し着脱自在に設けられている。ガイドローラ121の3つのローラ125は、その回転軸126の下方側が、床面25に形成される取付孔128に挿入可能となっている。このため、各ローラ125の回転軸126の下方側を、取付孔128に抜き差しすることで、ガイドローラ121を床面25へ着脱することができる。
【0093】
従って、搬送台車11の一対のピン収容部48と一対の位置決めピン49とを対向させた状態において、搬送台車11を前進させると、搬送台車11は、一対のガイドローラ121に案内されながら、一対のピン収容部48の位置決め溝75に、一対の位置決めピン49を収容する。
【0094】
以上のように、実施例4の構成によれば、搬送台車11を一対のガイドローラ121で案内することができるため、一対の位置決めピン49へ向かって搬送台車11を精度良く移動させることができる。
【実施例5】
【0095】
次に、図18及び図19を参照して、実施例5に係る容器搬送システム130について説明する。図18は、実施例5に係る容器搬送システムの係合する搬送台車と架台とを示す部分平面図であり、図19は、実施例5に係る容器搬送システムの係合する搬送台車と架台とを示す部分断面図である。なお、実施例5でも、実施例1から4と重複した記載を避けるべく、実施例1から4と異なる部分について説明し、同様の構成については、同じ符号を付して説明する。実施例5の容器搬送システム130は、架台10と搬送台車11とを、連結プレート131、架台側締結ねじ132及び台車側締結ねじ133を用いて締結固定している。
【0096】
図19に示すように、架台10の架台側係合部31aの上面には、架台側締結ねじ132が挿通される架台側締結孔134が形成されている。図18に示すように、架台側締結孔134は、例えば、奥行き方向において、架台10の固定孔31b同士の間に設けられている。また、架台側締結孔134は、架台側係合部31aが延在する奥行き方向に沿って、複数形成されている。搬送台車11には、台車側締結ねじ133が締結される台車側締結孔135が形成されている。台車側締結孔135は、台車フレーム41の長辺部41aの内側(内面)に形成されている。なお、架台10は、架台側締結孔134と台車側締結孔135とが、搬送台車11の幅方向に隣接するように、搬送台車11の内側に収容される。連結プレート131は、屈曲部131aが形成されるL字状のプレートであり、屈曲部131aを挟んで、一方側が架台10の上面に連結され、他方側が搬送台車11の内面に連結される。
【0097】
従って、架台10と搬送台車11とを締結固定する場合、連結プレート131の一方を、架台10の上面に当接させて、架台側締結孔134に重ね合わせる。また、連結プレート131の他方を、搬送台車11の内面に当接させて、台車側締結孔135に重ね合わせる。そして、連結プレート131の一方を挟んで、架台側締結孔134に架台側締結ねじ132を締結することで、連結プレート131の一方を架台10に締結固定する。また、連結プレート131の他方を挟んで、台車側締結孔135に台車側締結ねじ133を締結することで、連結プレート131の他方を搬送台車11に締結固定する。これにより、架台10と搬送台車11とが締結固定され、架台10と搬送台車11とが位置決めされる。
【0098】
以上のように、実施例5の構成によれば、架台10と搬送台車11とを、連結プレート131、架台側締結ねじ132及び台車側締結ねじ133により締結固定することができるため、架台10と搬送台車11とを容易に位置決めすることができる。この場合も、架台10と搬送台車11とを、連結プレート131、架台側締結ねじ132及び台車側締結ねじ133により固定することから、エアパレット12によって架台10を浮上させることで、搬送台車11に加わる荷重を低減することができ、搬送台車11の車輪51(車輪ユニット43)への荷重を抑制することができる。
【実施例6】
【0099】
次に、図20及び図21を参照して、実施例6に係る容器搬送システム140について説明する。図20は、実施例6に係る容器搬送システムの係合する搬送台車と架台とを示す部分平面図であり、図21は、実施例6に係る容器搬送システムの係合する搬送台車と架台とを示す部分断面図である。なお、実施例6でも、実施例1から5と重複した記載を避けるべく、実施例1から5と異なる部分について説明し、同様の構成については、同じ符号を付して説明する。実施例6の容器搬送システム140は、架台10と搬送台車11とを、連結プレート141及び台車側締結ねじ142を用いて締結固定している。
【0100】
図21に示すように、架台10には、固定ボルト34を挿通するための固定孔31bが貫通形成されている。また、搬送台車11には、台車側締結ねじ142が締結される台車側締結孔143が形成されている。台車側締結孔143は、台車フレーム41の長辺部41aの内側(内面)に形成されている。なお、架台10は、固定孔31bと台車側締結孔143が、搬送台車11の幅方向に隣接するように、搬送台車11の内側に収容される。連結プレート141は、屈曲部141aが形成されるL字状のプレートである。屈曲部141aを挟んで、連結プレート141の一方側には、架台10の固定孔31bに挿入される突起部141bが形成されている。そして、連結プレート141は、屈曲部141aを挟んで、一方側が架台10の固定孔31bに係合され、他方側が搬送台車11の内面に連結される。
【0101】
従って、架台10と搬送台車11とを締結固定する場合、連結プレート141の一方に形成される突起部141bを、架台10の固定孔31bに挿入して、連結プレート141の一方を架台10に係合させる。また、連結プレート141の他方を、搬送台車11の内面に当接させて、台車側締結孔143に重ね合わせる。そして、連結プレート141の他方を挟んで、台車側締結孔143に台車側締結ねじ142を締結することで、連結プレート141の他方を搬送台車11に締結固定する。これにより、架台10と搬送台車11とが締結固定され、架台10と搬送台車11とが位置決めされる。
【0102】
以上のように、実施例6の構成によれば、架台10と搬送台車11とを、連結プレート141及び台車側締結ねじ142により締結固定することができるため、架台10と搬送台車11とを容易に位置決めすることができる。
【符号の説明】
【0103】
1 容器搬送システム
5 キャスク
10 架台
11 搬送台車
12 エアパレット
21 制御盤
22 エアーコンプレッサ
23 電源装置
25 床面
31 架台本体
31a 架台側係合部
31b 固定孔
32 脚
33 固定具
34 固定ボルト
35 締結孔
41 台車フレーム
41a 長辺部
41b 短辺部
41c 台車側係合部
43 車輪ユニット
44 ジャッキ
45 操作盤
48 ピン収容部
49 位置決めピン
50 締結ねじ
51 搬送台車の車輪
61 パレットベース
62 エアベアリング
71 架台の挿通孔
72 搬送台車の締結孔
75 位置決め溝
75a テーパ溝部
75b ピン収容溝部
100 容器搬送システム(実施例2)
101 位置決め溝
110 容器搬送システム(実施例3)
111 ウインチ
115 ワイヤ
116 巻上ドラム
120 容器搬送システム(実施例4)
121 ガイドローラ
125 ローラ
126 回転軸
127 連結部材
128 取付孔
130 容器搬送システム(実施例5)
131 連結プレート
131a 屈曲部
132 架台側締結ねじ
133 台車側締結ねじ
134 架台側締結孔
135 台車側締結孔
140 容器搬送システム(実施例6)
141 連結プレート
141a 屈曲部
141b 突起部
142 台車側締結ねじ
143 台車側締結孔
L1 上方位置
L2 下方位置
L3 持上げ位置
L4 解除位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21