特許第6165140号(P6165140)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マテオ・レペットの特許一覧

<>
  • 特許6165140-光電デバイス 図000002
  • 特許6165140-光電デバイス 図000003
  • 特許6165140-光電デバイス 図000004
  • 特許6165140-光電デバイス 図000005
  • 特許6165140-光電デバイス 図000006
  • 特許6165140-光電デバイス 図000007
  • 特許6165140-光電デバイス 図000008
  • 特許6165140-光電デバイス 図000009
  • 特許6165140-光電デバイス 図000010
  • 特許6165140-光電デバイス 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6165140
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】光電デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/055 20140101AFI20170710BHJP
   H01L 31/054 20140101ALI20170710BHJP
   H01L 31/052 20140101ALI20170710BHJP
   H01L 31/0352 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
   H01L31/04 622
   H01L31/04 620
   H01L31/04 600
   H01L31/04 340
【請求項の数】18
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-519647(P2014-519647)
(86)(22)【出願日】2012年4月18日
(65)【公表番号】特表2014-523137(P2014-523137A)
(43)【公表日】2014年9月8日
(86)【国際出願番号】IB2012051934
(87)【国際公開番号】WO2013008105
(87)【国際公開日】20130117
【審査請求日】2015年3月16日
(31)【優先権主張番号】RM2011A000361
(32)【優先日】2011年7月11日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】513299498
【氏名又は名称】マテオ・レペット
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】マテオ・レペット
【審査官】 河村 麻梨子
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−176690(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/156312(WO,A1)
【文献】 特表2010−537417(JP,A)
【文献】 特開平06−232439(JP,A)
【文献】 特開2011−091450(JP,A)
【文献】 特開2008−004661(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0095341(US,A1)
【文献】 特開2004−214491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02−31/078、31/18−31/20、
51/42−51/48
H02S 10/00−10/40、30/00−50/15、99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
− リング状形状を有する太陽光集光器(2)であって、
− リングの外側部分に沿って配置された外側コンベア(3)と、
− 台形断面を有する外側発光型プレート(22)であって、前記外側コンベア(3)から到来する発光型放射入射を受光するように構成された外周受光面(221)を有する、外側発光型プレートと、
− 前記リングの内側部分に沿って配置され、台形断面を有する内側発光型プレート(21)と、
− 前記台形断面のより大きい底辺が向くように2つの前記外側及び内側発光型プレート(21、22)間に挟み込まれて垂直シリコン構造を有するようにナノ構造化された半導体層(23)であって、当該半導体層(23)が、前記外側及び内側発光型プレート(21、22)によって移送された放射を受光し、光電効果を生成するように構成された、半導体層と、
を備える、太陽光集光器と、
− 前記外周受光面(221)において入射発光性放射を集めて集光するように構成された搬送手段(3、5)と、
を備え、
前記搬送手段(3、5)が、1以上のフレネル型のレンズ(5)すなわち反射面を備え、
前記レンズが、前記コンベア(3)を覆い、かつ前記コンベアから離間し、当該レンズへの発光型放射入射を前記コンベアに集光させるように構成されていることを特徴とする光電デバイス(1)。
【請求項2】
前記外側発光型プレート(22)が、入射放射のうち紫外線領域の波長を有する一部を吸収するように構成され、光電効果を生成するような周波数で第1放射を前記半導体層(23)へ放射することを特徴とする請求項1に記載の光電デバイス(1)。
【請求項3】
前記内側発光型プレート(21)が、入射放射のうち赤外線領域の波長を有する一部を吸収するように構成され、光電効果を生成するような周波数で第2放射を前記半導体層(23)へ放射することを特徴とする請求項1または2に記載の光電デバイス(1)。
【請求項4】
前記半導体層(23)が、馬蹄形状の構造を有し、ほぼ上向きのU字状を有するPドープシリコンからなる外側部分と、Nドープシリコンからなる内側部分と、を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光電デバイス(1)。
【請求項5】
前記搬送手段(3、5)が、前記リングの外周に沿って配置され、三角形断面を有するコンベア(3)を備え、
前記コンベアが、前記外周受光面(221)に沿う前記外側発光型プレート(22)の付属物である第1面(31)と、入射放射を集めて搬送するように構成された第2面(32)と、を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光電デバイス(1)。
【請求項6】
前記コンベア(3)が、直角二等辺断面を有し、ミラーが付けられた第3斜面(33)を備え、
前記第3斜面が、前記第1及び第2面(31、32)と向かい合うことを特徴とする請求項5に記載の光電デバイス(1)。
【請求項7】
円を形成するようにそれらの間に配置された4つのフレネルレンズ(5)を備え、
前記円において、前記フレネルレンズそれぞれが、その四分円それぞれをなし、
前記フレネルレンズ(5)それぞれが、前記コンベア(3)に各別に属する前記第2面(32)の部分において入射放射を集光するのに適していることを特徴とする請求項6に記載の光電デバイス(1)。
【請求項8】
当該光電デバイス(1)が内側に挿入されかつ支持される容器(4)を備え、
前記容器が、上方に関して円形に配置された4つの前記フレネルレンズ(5)によって閉塞されていることを特徴とする請求項7に記載の光電デバイス(1)。
【請求項9】
前記外側発光型プレート(22)が、それぞれが斜面に沿って各別に配置された一対の外側反射ストリップ(222、223)を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の光電デバイス(1)。
【請求項10】
前記内側発光型プレート(21)が、それぞれが斜面に沿って各別に配置された一対の内側反射ストリップ(211、212)と、その台形断面のより小さい底辺に沿って配置された反射ストリップ(213)と、を備えることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の光電デバイス(1)。
【請求項11】
前記外側及び内側発光型プレート(22、21)が、燐光発光効果を生成するのに適した顔料を内側に備えることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の光電デバイス(1)。
【請求項12】
前記顔料が、「黄緑」タイプからなることを特徴とする請求項11に記載の光電デバイス(1)。
【請求項13】
それぞれが前記リングの各側に配置された4つの半球状のカバー(7)を備えることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の光電デバイス(1)。
【請求項14】
前記太陽光集光器(2)に関連付けられた冷却システムをさらに備えることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の光電デバイス(1)。
【請求項15】
前記冷却システムが、冷却剤が備えられた1以上の冷却チャネル(10)を備えることを特徴とする請求項14に記載の光電デバイス(1)。
【請求項16】
前記太陽光集光器(2)に関連付けられた冷却システムをさらに備え、
前記冷却システムが、冷却剤が備えられた1以上の冷却チャネル(10)を備え、
前記冷却チャネル(10)が、半球状の前記カバー(7)の内側に設けられていることを特徴とする請求項13に記載の光電デバイス(1)。
【請求項17】
格納タイプの格子構造における交点に配置された請求項1から16のいずれか1項に記載の複数の光電デバイス(1)を備えることを特徴とする光電パネル(100)。
【請求項18】
太陽追従移動システム(200)をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の光電パネル(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換するための発光型太陽光集光器を用いた光電デバイスに関する。より一般的には、本発明は、その表面に配置された複数の上記光電デバイスを備える光電パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
既知のように、発光型太陽光パネルは、それらの小型性、高効率性及び多価値性の特徴により、光電市場において傑出しようとしている。
【0003】
上記技術のパネルの背景を説明する出発点を構成する見解は、まず第1に、この技術を広めるための解決法として、光電産業が光電デバイス(特に、第1世代の光電デバイス)のコストの抑制の追及することに関する。
【0004】
一般的に、この目的は、3つの行動方針、すなわち原材料コストの削減、高生産的なかつ多産性の製造及び光電デバイスの効率の増大、を導入することによって、追求される。
【0005】
最初の2つの行動方針に関して、一方では、数パーセントポイントの減少は、エレクトロニクス用のシリコン(本質的に20%を超える効率に達する)の使用を制限するために、冶金用のシリコンを用いてその精製技術を簡素化することによって、デバイスの総費用に対してシリコン原料が負う現在の14%〜19%について追及されており、他方では、産業が、製造ラインの著しい自動化を目的とすることによって現在の150μm未満にシリコンウエハの厚さ(したがって量)を低減することに努め、この製造ラインは、セル製造ステップ中の破損の可能性を低減し、微細構造化や裏面反射のようなその頂面及び底面の特有の処理を可能とする。
【0006】
しかしながら、ほとんどのエネルギーを第3の「行動方針」に注力すべきである。
【0007】
最後の技術は、シリコンの外部量子効率(EQE)を太陽光スペクトルに適合させるために、外部量子効率スペクトルを変更することによって、すなわち「量子ドット」のサイズを変化させることであって、セルの光電変換技術を改良することを目的としており、この量子ドットが、ナノメートルオーダーのサイズの導電材料粒子であり、これらが吸収するまたは放出する波長が調整可能であること、によって、及び、2以上の赤外線フォトンがセルの後ろ側に位置する「アップコンバータ」と称する特定の構成部材に達し、それにより、電子がより高いエネルギーレベルに突入する場合に、「アップコンバージョン」と称する、または、各入射光エネルギー電子について、エネルギーがより低い1以上のフォトンを発生する場合に、「ダウンシフティング」と称する、他の2つの処理、によって、セルの光電変換技術を改良することを目的としている。
【0008】
第2世代(製造プロセスを簡素化してより経済的にするために導入された薄膜フィルム)と、第3世代の光電(PV)技術であって有機化学ベースの材料が注目されかつその主な例が色素増感太陽電池セル(またはグレッツェル型セル)及び完全な有機セル(OPV)である第3世代の光電技術と、は、同様に、この概略に適合する。
【0009】
第2世代以降の光電分野においてさえも、ナノメートルオーダーのサイズに達すると、特有の特性または物理化学効果を量子の用語で完全に説明可能となるので、次の1つは、ナノテクノロジーの主導的役割を証言する。
【0010】
これら効果の間において、蛍光型太陽光集光器を製造することに利用可能である、サイズの変更によるナノ粒子の吸収及び発光スペクトルの変化について述べる。
【0011】
これら集光器は、光学的に透明な材料で形成されており、この内側には、発光型物質(ナノ粒子、蛍光性分子)が分散されている。
【0012】
したがって、低周波数へのスペクトル変換(ダウンシフト)の効果を利用し、プレートの動作作用と組み合わせて、太陽光スペクトルをセルの効率を最大化させるスペクトルに一致させる。
【0013】
プレートの広い頂面によって吸収される太陽光放射は、適切なスペクトル領域に変換されて縁部で集光されており、この縁部には、小面積の太陽光セルが配置されている。これは、従来の集光システムで適用されるように、光電材料の使用を低減する。
【0014】
LSC(発光型太陽光集光器)において、プレートの受光面とその縁部の面積との間の比率は、集光器の利得係数を示す。例えば、一辺10cmで厚さ5mmであり、4つのセルが縁部に配置された正方形プレートは、5の利得係数を有し、1つの縁部に1つのセルがあり、3つの反射ミラーが残りの縁部にある同一のプレートは、20の利得係数を有する。利得係数が大きくなるほど、費用対効果の比率においてLSCの入射がよりよくなる。
【0015】
2008年に、イスプラにあるJRCのESTI研究所は、高効率のLSCモジュールを試験し、通常状態の下で7.1%の値を記録しており、これは、現在この種のデバイスにおける最高値である。
【0016】
上記モジュールは、5×5×0.5cm集光器であり、市場で入手可能なplexitt 55混合物を重合化することによって得られるポリメチルメタクリレートで形成されている。使用する蛍光色素は、ペリレン及びクラリンの混合物から得られる。集光器の動作部分は、プレート縁部に配置された4つの5×0.5cmのガリウム砒化物(GaAs)PVセルを有しており、PE399 Kristalflex(登録商標)フィルムは、屈折率変更のない光学セル接続を保証する。
【0017】
文献に示すように、かつESTI研究所において、LSC集光器は、直接の及び散乱の太陽光放射双方を受光する。特に、これらは、標準の平坦パネルタイプのモジュールに対して良好な反応性(コサイン)を示す。
【0018】
このため、従来の集光器にあるような太陽追従器は、必要ではない。
【0019】
光を完全には電気エネルギーに変換できないことが知られている。一部のフォトンは、光電効果を開始させるのに十分なエネルギーを有しておらず、その代わりに、他のフォトンは、浪費される過剰なエネルギーを有する。
【0020】
シリコンの場合において、フォトンのエネルギーが単にシリコンに対して必要であるギャップエネルギー(1.12eV)未満であるので、11.1μmより大きい波長を有するフォトンすべては、光電効果を生成しない。その代りに、1.11μm未満の波長を有するフォトンは、上記効果を作り上げるが、1.12eVを変換するのみである。フォトンがより大きいエネルギーを有している場合、フォトンは、変換されず、熱になる。
【0021】
シリコンの場合において、エネルギーの30.2%は、フォトンからの1.12eVを超えて引くことができないので、損失になり、その20.2%は、フォトンが光電効果を始めるのに十分なエネルギーを有していないので、損失となる。したがって、文献において知られているように、利用可能な最大エネルギーは、約49.6%である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、材料として一般的なシリコンを常に用いて、以下で詳述するように、使用されていない太陽光放射の残りの約50%を可能な限り利用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の態様において、このような結果は、発光型太陽光集光器を用いることによって可能とされ、これらは、適切に選択すると、波長がより大きいまたはより短いフォトンを捕捉することができ、そして、シリコンに適した波長のフォトンを解放する。
【0024】
これらは、より低価格で、いわばアップコンバータとダウンシフタとを示す。
【0025】
請求項1に実質的に規定するような光電デバイスによって、及び、請求項21の範囲内に実質的に規定するような光電パネルによって、このような目的を達成する。
【0026】
本発明のさらなる特徴は、対応する従属請求項で規定される。
【0027】
本発明は、従来技術の上記問題点を克服することによって、多くの明らかな利点を引き起こす。
【0028】
従来技術の現在の状態において広く知られているように、蓄電池は、光電システムの構成部材であり、この蓄電池は、負荷が要求する電力を的確に満たし、かつ、夜間に負荷に対して直接給電するための、能力を保証しており、すなわち、その役割は、光電力が負荷供給を超えている場合に、光電システムにより供給される電力をまとめることである。
【0029】
正確にサイズ付けすることは、負荷が要求する電力を最もよく満たすことができるバッテリ団(battery fleet)の構造を規定することの目的である。
【0030】
現在、市場は、2つのグループ、鉛酸蓄電池またはニッケルーカドミウム蓄電池の間で選択することを可能とする。
【0031】
光電システムにエネルギーを蓄積することが必要でありかつほとんど義務であるので、これらのサイズを小型化することによって改善される。
【0032】
ここで、「これらのサイズを小型化すること」は、蓄電池が満たさなければならない負荷を考慮することを意味しているのではなく、むしろ、夜間のようにパネルが通常バッテリが給電するときにも動作させることであることを意味する。
【0033】
本発明の好ましい態様において、日光がない場合でも、光電効果をいずれにせよ保証し、夜間期間全体の間に強度を減少し、−これら期間にわたって−蓄電池の使用を必要としない。
【0034】
結果を最適化するため、電力効率性及び構成双方の観点から、一体化が設計手順の当初から正しいと想定される必要がある。
【0035】
いくつかの要件、エネルギー節約、環境保護、画像要件、並びに、教育上の及び例証的な性質の要件が光電集積化をもたらす。
【0036】
光電集積化は、3つのカテゴリ、レトロフィット(retrofitting)の介入、新規の建物の及びストリートファニチャ(街路に設置される公共物)の介入に区分される。
【0037】
本発明は、第3世代の太陽光発電に特有であるより大きい一体型容量を断念するが、建築学的な一体化の分野において、すなわち、必然的な妨害−必要な電力が同一である−が一般的なサイズについてより妥当であり、したがって、構造体に「融合」させる可能性がより大きいために、PVシステムを既に存在する建物に及びストリートファニチャに一体化する場合において、レトロフィットの介入を示す。
【0038】
本発明に関連する主な利点の中には、
− 全体をより小型化すること、
− レトロフィット及びストリートファニチャに関して、従来のパネルに対して構造上の一体化が改良されること、
− バッテリ団を小サイズ化する可能性、
− 太陽光放射の利用の改良、
− 従来のパネルに対して電力が増大すること、
− 夜間動作、
がある。
【0039】
夜間動作に関して、LSCは、発光型拡散センターとして機能し、ここでは、入射太陽光スペクトルの一部は、吸収され、より高い周波数で蛍光発光によって集光されて再度放射される。
【0040】
LSCは、上記作用を引き起こす特定の無機顔料を含む。
【0041】
夜間動作は、同一のLSCにおいて蛍光発光放射を組み合わせると得られ、燐光発光放射も同様である、すなわち、徐々にかつ暗い状況の下で事前に吸収した光を解放する。もちろん、そのために、これら特徴を顔料に混合する際には、正しいバランスが必要である。
【0042】
本発明にかかる光電デバイスの主題は、本明細書において限定する目的ではない例として付与される本発明の好ましい形態に関連して以下で詳述するように、以下のものを含む。
− 内側でデバイスを支持する容器であって、この容器は、好ましくは、妨害の理由で、適度な幅及び著しく平坦化された曲率を有する、容器。
− 外側の半分に関して、紫外線を集めるように構成された台形状のLSCを備え、内側の半分に関して、赤外線を集めるように構成された台形状のLSCを備える、リング状構造体。リングの中心には、その周方向の展開にわたって、ナノ構造を有するシリコンの層があり、その底部部分には、接点が収容されている。頂部及び底部キャップには、好ましくはリング面の約30%を被覆するミラーが配置されており、−集光器によって既に集光された−フォトンをシリコン層に搬送し、そのため、光電効果を得る。
− 光電パネルは、移動可能構造体を備え、この構造体には、上述した光電デバイスが取り付けられている。この構造体は、好ましくは、内側に同一材料の細長い薄板(spline)がヒンジ接続された硬質フレームを備え、この硬質フレームは、構造体に対して太陽追従能力を付与するために、それら自体の軸回りで180°傾くこと及び回転することが可能である。運動は、妨害が増大する影響を及ぼさないように、計算した寸法内にある。
【0043】
運動調整機構は、中央ストリップの内端部に配置されなければならず、そして、他のストリップに接続されている。
【0044】
細長い薄板及び集光器の数は、可変であるが、標準は、8つの集光器に関して4つの細長い薄板である。
【0045】
使用可能な発光型太陽光集光器の数を選択する可能性に関連するモジュール性に加えて、その運動を保証することが可能な機械的連結部またはブラケットにパネル全体(したがって、上述したフレームすべて)を固定する可能性に関連するモジュール性があり、一例として、パネルを「格納式」にする連結部に固定し、そしてパネルをバルコニーの保護「レール」にではなくバルコニーの下に配置することが挙げられ、例えば歴史的に関連するものなど建物構造体の審美性を調整することを回避する。
【0046】
本発明は、非常に興味深く独特の態様を導入することによって市場に置くことを提案しており、この態様は、独立式及びグリッド接続システム双方に関して通用するように設定する。
【0047】
これに関して、まず第一に、旧来のパネルに対してその妨害を低減することによって、パネルを配置することにおいて行動がより自由である個別申込の所有者または都市の住人に付与することが促進され、少なくとも構造体への影響を最小化するために最も特有の解決法をはぐくみ、その後、上述のように、標準サイズが顧客により必要とされるまたは要求される特有の解決法すべてを伴うので、そのモジュール性により、同様に促進される(例えば2つのストリップ−4つの集光器、または5つのストリップ−10の集光器など)。
【0048】
さらに、これは、夜間にも電気エネルギーを生成できる最初のパネルであり、この態様は、個別の申込についてのバッテリ団サイズに関して、及び、主母線接続(mains-connected)(都市型)申込についてのエネルギーの信頼に関して利点をもたらし、太陽光の集光と太陽光放射を集めるために最適な傾きに近づくようにパネルを移動させることができる単純な太陽追従システムとを融合することのおかげで、高水準の利用可能な電力を考慮することがない。
【0049】
その実用性は、いわゆるストリートファニチャ、すなわち遮音壁、プラットフォーム屋根、信号システム、海上信号システム、バス待合所、駐車場メータなどにおいて2つの折畳様式で示されており、このような構造物は、エネルギーの一部で給電される一方、エネルギーのうち残りの部分(または遮音壁の場合においてエネルギーのすべて)部分は、ネットワークに戻され、グリッド接続されたデバイスのようなものとして機能する。
【0050】
上記を考慮すると、本発明は、従来の電源に対して、技術的に前進し、機械的に革新的であり、環境にやさしく、かつエネルギー的に競争力のある光電デバイス及びパネルを提案する。
【0051】
本発明のさらなる利点並びに機能及び動作ステップは、限定的ではない例として付与された、その好ましい実施形態の以下の詳細な説明において明らかになる。添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】本発明にかかる光電デバイスを示す断面斜視図である。
図2図1の断面の細部を示す正面図である。
図3】本発明にかかる光電デバイスを示す斜視図である。
図4図3の光電デバイスを示す平面図である。
図5図1の断面の細部を示す正面図である。
図6】本発明にかかる光電パネルを示す斜視図である。
図7】変形実施形態にかかる光電パネルを示す図である。
図8A図7のパネルの使用手順を示す図である。
図8B図7のパネルの使用手順を示す図である。
図8C図7のパネルの使用手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1を参照すると、本発明にかかる光電デバイス1が示されており、この光電デバイスは、リング状の形状を有する太陽光集光器2を備える。この図において、集光器2は、断面で示されており、したがって、その一方の半分のみを示す。
【0054】
特に、集光器2は、リングの外側部分に沿って配置され、断面台形である外側発光型プレート(22)と、順にリングの内側部分に沿って配置された内側発光型プレート(21)と、を備え、内側発光型プレートは、同様に、台形断面を有する。
【0055】
デバイス1は、半導体材料からなる好ましくはナノ構造タイプの層23をさらに備え、この層は、2つの内側及び外側発光型プレートの間に挟み込まれており、そのため、各台形断面のより大きい底辺は、その両側においてそれを向く。
【0056】
デバイス1は、搬送手段をさらに備え、この搬送手段は、以下で詳細に説明するように、上述したリング状集光器2の内側の発光放射を集めて集光するように構成されている。
【0057】
搬送手段は、図示の好ましい実施形態において、リングの外周に沿って配置されたコンベア3を備える。
【0058】
光電デバイス1は、好ましくは、容器4内に挿入されており、この容器内において、結合システム(図示略)によって支持されている。特に、容器4は、図において参照符号5で示す4つのフレネル型レンズ(そのうちの2つのみが図に示される)によって上方に関して閉塞されており、これらレンズは、円を形成するように配列されており、この円において、各レンズは、四分円を取る。
【0059】
フレネル型レンズは、当業者に公知であり、したがって、それらの動作の基礎をなす原理を以下では説明しない。
【0060】
フレネルレンズ5は、後述するように、コンベア3と協働し、それにより、太陽光放射をそこに集光し、そしてそこへ入射させる。
【0061】
次に図2を参照すると、リング状集光器2の断面が正面図で示されている。図2には、上方に関してフレネルレンズ5によって閉塞されている容器4の壁部と、太陽光集光器2の断面と、コンベア3と、が示されている。理解されていることは、図2の集光器2の断面に関して記載されていることがすべての集光器断面に対して全く同様に適用されることである。
【0062】
入射放射は、フレネルレンズ5に到着し、このフレネルレンズは、上記放射をコンベア3の一部に搬送して集光させるように構成されている。
【0063】
特に、図示のように、コンベア3は、三角形断面を有し、発光型プレート22の延長部の形態をとっており、この延長部は、その側面31において発光型プレートの一体部分であり、フレネルレンズ5を通過する入射太陽放射を集光するように構成された面32を有する。好ましくは、コンベア3は、直角二等辺三角形状断面を有し、第3斜面33を備え、この第3斜面には、ミラーが付けられており(mirror-fitted)、第3斜面は、上記第1及び第2面31及び32を向く。
【0064】
外側発光型プレート22は、受光面221を有し、この受光面は、ただ太陽光放射を受光するように構成され、その外周に沿って、かつその台形断面のより小さい底辺において正確に設けられている。
【0065】
三角形状のコンベア3は、受光面221において集光器に接続されることを意図している。その構成を容易にするために、その面31は、受光面221を向く。
【0066】
したがって、フレネルレンズ5を通過する入射放射は、日光の散乱を防止するための反射防止フィルムが備えられたコンベア3の面32の一部に導かれ、そこで集光する。
【0067】
その構成及びミラーが付けられた斜面33を用いて、フレネルレンズへの放射入射すべては、そこから三角形状のコンベア3に搬送され、外側発光型プレート22に移送される。
【0068】
外側発光型プレート22は、そこに分配された発光物質のおかげで入射放射のうち紫外線領域の周波数を有する部分を吸収するように構成されており、光電効果を生成するような周波数で半導体層23に第1放射を放射する。
【0069】
さもなければ、内側発光型プレート21は、そこに分配された発光物質のおかげで入射放射のうち赤外線領域の周波数を有する部分を吸収するように構成されており、光電効果を生成するような周波数で半導体層23に第2放射を放射する。
【0070】
より具体的には、放射のうち赤外線領域の周波数を有するその部分は、処理されることなく外側発光型プレート22を通過し、半導体層23を通過することによって、内側発光型プレート21内に到来し、この内側発光型プレートは、その放射の部分を吸収し、ただ光電効果を引き起こすために正しい周波数で半導体層に向けて再びその放射を放射する。
【0071】
好ましくは、半導体層23は、馬蹄形状構造を有しており、ほぼ上を向いたU字形状を有するPドープシリコンからなる外側部分と、Nドープシリコンからなる内側部分と、を備え、両者は、ナノ構造を有する。下方に関して、所望の電気タイプの接続部は、光電効果により形成された電気エネルギーを輸送するために得られており、そのため、ユーザの負荷(図示略)に電力供給する。
【0072】
好ましくは、発光型コンベア3、21及び22は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)で形成されており、PE 399 Kristalflexからなる層と組み合わせたplexitの混合物の重合によって得られる。
【0073】
外側発光型プレート22は、上述したように、紫外線領域の太陽光放射を集光するように選択された物質を備える。上述した効果を得るための物質及びそれらの量の選択は、当業者の範囲内にあるとみなされ、したがって、以下では説明しない。
【0074】
内側発光型プレート21は、その代わりに、赤外線領域の放射を受光するような物質の選択を備える。これらは、限定されない例として、lumogen F Red 305(登録商標)(0.01重量%)とFluorescence Yellow CRS040(0.003重量%)との混合物を備える。
【0075】
有利には、内側及び外側発光型プレート21及び22は、発光物質に加えて、例として、「黄緑顔料(Yellow green pigment)」タイプの顔料のような燐光性発光効果の生成に適した顔料を内側に備える。
【0076】
このような顔料が存在することにより、デバイス1の夜間動作が可能となり、単にこのような燐光発光する顔料の作用によって、日中に蓄積した太陽光放射をシリコン層へ解放するので、電力を生成し続けることが可能となる。同様にこの場合において、このような燐光発光特性を有する発光型コンベアを製造するために必要な知識及び技術的考案は、当業者の範囲内にあるとみなされ、したがって、これら態様を以下でさらには説明しない。
【0077】
コンベア3、21及び22によってシリコン層へ放射された放射の移送を最大化するため、集光器2には、有利には、反射ストリップが設けられており、そのため、太陽光放射の一部は、集光器の内側に到達すると、外側へ散乱せず、これにより、本発明の光電デバイスの主題である効率を著しく増大させる。
【0078】
特に、外側発光型プレート22は、一対の反射ストリップ222及び223を備え、それぞれは、斜面に各別に設けられている。内側発光型プレート21は、同様に、それぞれが斜面に沿って各別に設けられた一対の反射ストリップ211及び212を備え、その台形断面のより大きい底辺に沿って位置する外面に沿って配置された反射ストリップ213をさらに備える。
【0079】
デバイス1の効率をさらに改善し、光電効果を引き起こすために入射放射をすべて実際に使用することを保証するために、集光器2は、参照符号7で示す4つの半球状カバーを備え、これらカバーのうちの3つは、リングの各側面に沿って配置され、1つは、リングの頂面に沿って配置されている。
【0080】
カバーは、同様に、有利には、容器4の内側において集光器2を支持するための構造部材として使用される。
【0081】
常に図2を参照すると、光電デバイスは、集光器2に関連付けられた冷却システムをさらに備える。好ましくは、冷却液が設けられたチャネルは、半球状カバー7の内側に設けられている。例として、この図において、チャネルを参照符号10で示す。
【0082】
ここで図3及び図4を参照すると、光電デバイス1は、斜視図及び平面図それぞれで示されており、上方に関してフレネルレンズ5によって閉塞された容器4の内側に挿入されかつ支持された(フレネルレンズの横断面を通して視認可能である)集光器2を備える。
【0083】
図5を参照して、限定されない例として、本明細書で示す実施形態に関する好ましい幾何形状を提供する。特に、以下で伝える文字は、図に示す文字を示しており、各文字は、各量(長さまたは角度)を特徴付けている。
【0084】
a:3cm
b:2cm
c:1.1cm
d:0.1cm
e:0.3cm
f:3.0cm
g:2.0cm
h:0.5cm
i:1.0cm
l:5.5cm
角度α:24°
角度β:55°
リングの内径:5.5cm
リングの外径:9.5cm
リング高さ:3.0cm
【0085】
最後に、最後の図6を参照すると、光電パネル100を示しており、この光電パネルは、格子構造の交点に配置された複数の光電デバイス1を備える。光電パネル100は、太陽追従移動システムを備え、このシステムは、図において参照符号200で示されており、パネルを移動させるのに適しており、そのため、どの瞬間においても可能性のある最大太陽光放射を集める。
【0086】
図7には、変形実施形態にかかる光電パネル300を示す。
【0087】
特に、常に図7を参照すると、パネル300は、支持構造体310を備えており、この支持構造体は、本明細書で設定する実施形態において、限定しない例として、例えばバルコニーまたは建物の突出部に固定するのに適した一対の直立部を有する。
【0088】
上述した光電デバイス1は、順に負荷支持構造体330に固定されており、この構造体は、支持構造体310にヒンジ接続されており、したがって、「格納式」タイプの機構によって支持構造体に対して回転自在である。
【0089】
負荷支持構造体330の回転は、図において参照符号320で示す電気モータによって実現されており、この電気モータは、2つの直立部310によって画成される平面に対して必要なようにこのような構造体330を正確に傾けることを可能とする。
【0090】
好ましくは、電気モータ320は、パネル自体により処理される太陽光エネルギーの一部により給電されている。
【0091】
パネル300は、風や雨のような大気の作用の場合に堅実性を提供するためにより構造的な剛性を実現するように、図において参照符号350で示す連節された安全ロッドを備え、これら安全ロッドは、負荷支持構造体330を支持構造体310に接続する。
【0092】
ここで連続的な図8Aから図8Cを参照すると、光電パネル300は、建物の突出部に連結して示されており、この突出部は、図において概略的に示されており、参照符号400で示されている。
【0093】
図に示すように、負荷支持構造体は、(例えばリモコンによって駆動される)モータ320によって運転されており、その太陽光放射の吸収を最適化するように方向付けられている。
【0094】
図8Cにおいて、パネル300は、格納構造で示されており、したがって、使用しないときには視認されない。
【0095】
このような移動システムを実施するために必要とされる必要な知識及び技術的考案は、当業者に広く公知であるとみなされ、したがって、その詳細な説明を省略する。
【0096】
本明細書に本発明をその好ましい実施形態を参照しながら説明した。理解することは、他の実施形態が存在してもよく、すべては、同一の発明の概念内に属し、すべては、以下の保護する特許請求の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0097】
1,100 光電デバイス,デバイス、2 太陽光集光器,リング状集光器,集光器、3 外側コンベア,発光型コンベア,コンベア,搬送手段、4 容器、5 フレネルレンズ,レンズ,搬送手段、7 半球状カバー(カバー)、10 冷却チャネル、21 内側発光型プレート,発光型プレート、22 外側発光型プレート,発光型プレート、23 半導体層,層、31 第1面,側面,面、32 第2面,受光面,面、33 第3斜面,斜面、200 太陽追従移動システム、211,212 内側発光ストリップ,反射ストリップ、213 反射ストリップ、221 外周受光面,受光面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C