(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記成分検知装置は、前記検知部によって検知された前記成分情報を表示する情報表示部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の加熱調理器。
前記成分検知装置は、前記電源部による電力供給を開始または停止するための電源スイッチをさらに備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の加熱調理器。
前記成分検知装置は、前記検知部による前記調理物の成分検知を開始または停止するための検知スイッチをさらに備えることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の加熱調理器。
前記通信部は、前記検知部によって検知された前記成分情報を、前記加熱調理器を含む外部機器に送信することを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の加熱調理器。
前記機器側制御部は、前記成分検知装置から受信した前記成分情報における濃度が、前記操作部を介して入力された前記濃度に達した場合、使用者に報知することを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の加熱調理器。
前記機器側制御部は、前記成分検知装置から受信した前記成分情報における濃度が、前記操作部を介して入力された前記濃度の許容範囲内となった場合、使用者に報知することを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の加熱調理器。
前記機器側制御部は、前記操作部を介して入力された前記濃度と、前記成分検知装置から受信した前記成分情報における濃度との比較結果に応じて、前記加熱部の火力を変更することを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の加熱調理器。
前記機器側制御部は、前記成分検知装置から受信した前記成分情報における濃度が、前記操作部を介して入力された前記濃度の許容範囲内となった場合に、前記加熱部の火力を減少させることを特徴とする請求項13に記載の加熱調理器。
前記機器側制御部は、前記成分検知装置から受信した前記成分情報における濃度が、前記操作部を介して入力された前記濃度に達した場合に、前記加熱部による加熱を停止させることを特徴とする請求項13に記載の加熱調理器。
前記機器側制御部は、前記操作部を介して入力された前記濃度と、前記成分検知装置から受信した前記成分情報における濃度との比較結果に応じて、前記成分検知装置における表示を変更するための表示指令を生成し、前記機器側通信部から前記成分検知装置に送信することを特徴とする請求項1〜15の何れか一項に記載の加熱調理器。
前記機器側通信部は、外部機器から前記成分検知装置における前記調理物の成分検知に関する条件、または前記調理物の成分分析結果を受信するものである請求項1〜17の何れか一項に記載の加熱調理器。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明における成分検知装置および加熱調理器の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、細かい構造および重複または類似する説明については、適宜簡略化または省略している。また、各実施の形態におけるフローチャートは制御の一例であり、加熱調理器と成分検知装置の制御を限定するものではない。以下の実施の形態では、加熱調理器の一例として誘導加熱調理器について説明する。
【0010】
実施の形態1.
(加熱調理器の構成)
まず、加熱調理器100の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における加熱調理器100の概略斜視図である。
図1に示すように、加熱調理器100は、本体110と、本体110の上面に配置されたトッププレート120とを備えている。本体110には、魚等の調理物の調理を行うためのグリル130が収容されている。グリル130の内部には、グリル130に載置された調理物を加熱するための熱源となるグリルヒータ(図示せず)が設けられている。また、グリル130に隣接して、前面操作部140が設けられている。前面操作部140には、電源スイッチ142および複数の操作ダイヤル144が配置されている。電源スイッチ142は、加熱調理器100の電源をON/OFFするために操作されるものである。操作ダイヤル144は、例えばグリル130の火力を調整するために操作されるものである。前面操作部140を介して入力される操作信号は、制御部300(
図2)に送信される。
【0011】
トッププレート120は、例えば、耐熱性のガラス板と金属の枠体とにより構成される。トッププレート120の上面には、印刷等により加熱領域を示す複数の(本実施の形態では3個の)円形の加熱口150が設けられている。各加熱口150には、鍋またはフライパン等の容器400が載置される。
【0012】
トッププレート120の手前側には、加熱口150の火力を調整するために操作される上面操作部160が設けられている。上面操作部160は、火力を調節するために操作される火力操作部162と、火力の大きさを表す火力表示部164とを有する。本実施の形態では、各加熱口150に対応して、複数の火力操作部162および火力表示部164が設けられている。
【0013】
火力操作部162は、例えば静電容量式のタッチセンサで構成される。火力操作部162を介して入力される操作指示は、制御部300へ出力される。火力表示部164は、例えば複数の発光ダイオード(LED)で構成され、制御部300の制御の下、火力の大きさに応じた数の発光ダイオードが点灯される。
【0014】
また、トッププレート120の手前側中央には、操作表示部180が設けられている。操作表示部180は、例えばタッチパネルで構成され、加熱調理器100に関する情報が表示されるとともに、加熱調理器100または成分検知装置1に対する操作が入力される。操作表示部180に表示される情報には、加熱調理器100の設定情報、調理モードの選択表示、自動調理の進行状況、および警告情報の表示等が含まれる。操作表示部180の表示内容は、制御部300によって制御される。また、操作表示部180を介して入力される操作信号は、制御部300に送信される。なお、前面操作部140、上面操作部160、または操作表示部180が本発明の「操作部」に相当する。
【0015】
また、トッププレート120の奥側には、複数の排気口170が設けられている。排気口170は、本体110の内部と連通するように配置される。本体110の内部に取り込まれた空気は、排気口170から排気される。排気口170の上部には、本体110の内部への埃その他の異物が侵入するのを防止する通気性を有するカバー(図示せず)を設けてもよい。
【0016】
また、排気口170の手前には、成分検知装置1との間で、無線通信を行うための通信ポート190が設けられている。通信ポート190は、例えばガラス繊維強化プラスチック(GFRP)樹脂等の電波透過性の高い材質で構成される。
図1では、通信ポート190は、トッププレート120の上面に載置される容器400によって無線電波が遮蔽されないように、加熱口150と排気口170との間に配置されている。しかしながら、通信ポート190の位置はこれに限定されるものではなく、例えば、各加熱口150との距離が均等となる位置に配置されてもよい。または、通信ポート190を操作表示部180の一部として設けてもよい。
【0017】
図2は、本実施の形態における加熱調理器100の主要部の構成および機能を説明する図である。なお、
図2では、1つの加熱口150に対応する構成のみを図示しており、また、例えば水や食材等の調理物450が収容された容器400と、容器400に取り付けられた成分検知装置1とを併せて図示している。成分検知装置1は、加熱調理器100とは別体に設けられ、容器400に収容された調理物450の成分を検知し、検知した成分情報を加熱調理器100へ送信するものである。成分検知装置1の詳細については後述する。
【0018】
図2に示すように、トッププレート120の下方には、各加熱口150に対応して加熱コイル200が配置される。本実施の形態では、加熱コイル200は、略環状の内側加熱コイルと、その外側に設けられた略環状の外側加熱コイルとを備えた二重環形状である。なお、加熱コイル200が本発明の「加熱部」に相当する。
【0019】
また、トッププレート120の下方には、赤外線温度センサ210が配置されている。赤外線温度センサ210は、加熱コイル200上のトッププレート120に載置された容器400の底部から放射される赤外線を検知する。なお、赤外線温度センサ210の直上部は、赤外線が遮蔽されない構造(例えば空洞または透過素材)とすることが望ましい。また、トッププレート120の裏面の加熱コイル200と対向する面には、サーミスタなどの接触式温度センサ220がトッププレート120の裏面に接触するように配置されている。接触式温度センサ220は、容器400からトッププレート120へ伝わる熱を検知する。赤外線温度センサ210および接触式温度センサ220によって検知された信号は、温度検知部230へ出力される。温度検知部230は、赤外線温度センサ210および接触式温度センサ220による検知信号をA/D変換し、温度に換算する。温度検知部230によって換算された温度情報は、制御部300へ送信される。
【0020】
また、本体110の内部には、加熱調理器100の各部を制御する制御部300と、成分検知装置1と通信ポート190を介して通信する通信部310と、加熱調理器100の各部への電力供給を行う電源部320と、加熱コイル200に高周波電流を供給する高周波インバータ330とが設けられている。
【0021】
通信部310は、成分検知装置1の通信部40との間で、双方向に情報通信を行うものである。通信部310は、成分検知装置1から成分情報を受信するとともに、制御部300にて生成される成分検知装置1に対する指令(制御信号)を成分検知装置1に送信する。成分検知装置1に対する指令は、例えば、成分検知装置1での電源供給の開始を指示する起動指令、成分検知の開始を指示する開始指令および成分検知を停止する停止指令などが含まれる。
【0022】
本実施の形態の通信部310は、無線通信モジュールを用いて構成され、成分検知装置1との間で無線通信を行う。成分検知装置1との間の無線通信は、金属帯が伝送経路に介在すると電波が遮蔽されてしまうため、電波透過性が高い通信ポート190を介して行われる。なお、通信部310において、使用周波数帯をWi−Fiモジュールと無線通信可能な周波数帯とすることにより、外部機器との通信の拡張性を向上させることができる。なお、通信部310は、成分検知装置1と有線通信を行うものであってもよい。なお通信部310が本発明の「機器側通信部」に相当する。
【0023】
電源部320は、電源スイッチ142からの電源供給の開始または停止信号に基づいて、加熱調理器100の各部への電力の供給を開始または停止するものである。
【0024】
高周波インバータ330は、制御部300からの制御信号に基づいて、電源部320から供給される直流電流を変換し、加熱コイル200と共振コンデンサ(図示せず)とを接続した回路に、高周波電流を供給するものである。また、高周波インバータ330は、制御部300からの制御信号に基づいて、グリル130の内部に収容されたグリルヒータ(図示せず)に高周波電流を供給してもよい。
【0025】
制御部300は、加熱調理器100各部の動作制御を行うとともに、成分検知装置1に指令を送信し、成分検知装置1の制御を行う。制御部300は、その機能を実現する回路デバイスなどのハードウェアを用いて構成されるか、またはマイコンやCPU等の演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとで構成される。なお、制御部300が本発明の「機器側制御部」に相当する。
【0026】
図3は、加熱調理器100の制御部300の機能ブロック図である。
図3に示すように、制御部300は、操作制御部301と、報知部302と、加熱制御部303と、成分管理制御部304と、記憶部305とを有する。上記各部は、ソフトウェアで実現される機能部として制御部300が備えるCPU(図示せず)によって、メモリまたはCD−ROMなどの記録媒体(図示せず)に記憶されるプログラムを実行することで実現される。または、上記各部は、ASIC(Application Specific IC)またはPLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現されてもよい。
【0027】
操作制御部301は、操作ダイヤル144、火力操作部162または操作表示部180からの操作信号を受信し、操作信号に応じた処理を行う。具体的には、操作制御部301は、火力操作部162を介して火力が調節する操作がなされた場合、操作内容に応じた制御信号を生成し、加熱制御部303へ送信する。また、操作制御部301は、操作表示部180を介して、成分検知装置1の成分検知制御に関する操作がなされた場合、操作内容に応じた制御信号を生成し、成分管理制御部304に送信する。
【0028】
報知部302は、加熱調理器100の動作状態および設定、ならびに成分検知装置1によって検知された成分情報などを使用者に報知するために、火力表示部164および操作表示部180の表示を制御する。例えば、報知部302は、加熱調理器100の加熱調理に関する設定情報または成分検知装置1によって検知された成分情報を操作表示部180に表示する。なお、報知部302は、操作表示部180における文字等による表示だけでなく、加熱調理器100が備えるスピーカ(図示なし)などから音声によって、各種情報を報知してもよい。
【0029】
加熱制御部303は、操作制御部301からの制御信号および、温度検知部230からの温度情報を用いて、加熱コイル200を駆動する信号を高周波インバータ330に送信する。また、加熱制御部303は、操作制御部301からの制御信号に基づき、グリル130の内部に収容されたグリルヒータ(図示せず)を駆動する信号を高周波インバータ330に送信してもよい。
【0030】
成分管理制御部304は、操作制御部301からの制御信号に基づいて、成分検知装置1への指令を生成し、通信部310を介して成分検知装置1へ送信する。また、成分検知装置1で検知された調理物の成分情報を、通信部310を介して受信し、報知部302へ送信する。
【0031】
記憶部305は、不揮発性のメモリなどからなり、加熱調理器100の表示および制御などに用いられる各種データおよびプログラムを記憶する。具体的には、記憶部305には、操作表示部180に表示する表示データおよび成分管理制御部304が受信した成分情報などが記憶される。
【0032】
(成分検知装置の構成)
次に、成分検知装置1の構成について説明する。
図4は、本実施の形態の成分検知装置1の正面斜視図であり、
図5は、本実施の形態の成分検知装置1の背面斜視図である。また、
図6は、本実施の形態の成分検知装置1の内部構成を示す図である。本実施の形態の成分検知装置1は、加熱調理器100に載置された調理物の成分情報等を加熱調理器100との間で無線通信可能に構成されたものである。
【0033】
図4および
図5に示すように、成分検知装置1は、略直方体形状の筐体10を備える。筐体10は、多様なpH条件下(例えば、酸性条件下、アルカリ性条件下)での使用に長期間耐えうる耐食性を有し、耐水性および耐熱性の高い材質で形成される。例えば、筐体10は、シリコーン樹脂、耐熱性および強度の高いプラスチック樹脂であるポリフェニレンスルファイド(PPS)またはポリブチレンテレフタレート(PBT)等のエンジニアリングプラスチック樹脂製とすることができる。または、筐体10は、ステンレスまたはアルミ等の金属製とすること、もしくは樹脂および金属を組み合わせたものとしてもよい。
【0034】
筐体10の正面の上部には、円形状の表示窓21が設けられている。表示窓21は、円形状の開口部が光透過性のフィルムまたはシート等の光透過性部材で覆われた構造となっており、開口部にはLED等の発光素子(表示ランプ)からなる表示部20が設けられている。円形状の開口部と光透過性部材との間の隙間部分は、水分等の液体成分が筐体10の内部に浸入しないように、例えば耐熱性の高い接着剤等で閉塞(密封)される。
【0035】
筐体10の正面の下部には、成分検知部51が設けられている。成分検知部51は、筐体10の正面の下部に形成された矩形状の開口部内に配置される。矩形状の開口部と成分検知部51との間の隙間部分は、水分等の液体成分が筐体10の内部に浸入しないように、例えばゴムパッキン等(図示せず)で密封される。
【0036】
筐体10の背面の中央部には、筐体10の側面側から見てL字状となるかぎ型(フック)の支持部30が設けられる。本実施の形態では、容器400の縁に支持部30が引っかけられることで、成分検知装置1が容器400に取り付けられる(
図2)。なお、支持部30の形状は、L字状に限定されるものではなく、取り付ける対象物の構造等によって任意の形状にすることができる。また、支持部30の位置は、検知部50が検知する調理物の位置、筐体10の長手方向の寸法、および成分検知装置1を取り付ける鍋またはフライパン等の容器400の構造等によって、任意に設定される。なお、成分検知装置1は、支持部30が取り付けられる位置を基準として、下方の重量が上方の重量よりも大きくなるように構成される。すなわち、成分検知装置1は、支持部30の取り付け位置より下方に比重があるように構成されている。これにより、成分検知装置1を安定して容器400に取り付けることができる。
【0037】
支持部30は、筐体10と同様に耐食性、耐水性、および耐熱性が高い材質で形成される。例えば、支持部30は、シリコーン樹脂製、耐熱性および強度の高いプラスチック樹脂であるポリフェニレンスルファイド(PPS)又はポリブチレンテレフタレート(PBT)等のエンジニアリングプラスチック樹脂製、ステンレスまたはアルミ等の金属製、もしくは樹脂および金属の組み合わせで形成される。また、支持部30は、筐体10と同一の材料で構成されてもよく、別の材料で構成されてもよい。例えば、成分検知装置1は、金属製の筐体10に樹脂製の支持部30を配置して構成したものとしてもよい。
【0038】
筐体10の背面の支持部30の上方には、成分検知装置1の電源部60の電源として用いられる電池61を挿入するための電池挿入部62が形成される。電池挿入部62の形状は、電池61の種類に応じて任意の形状とすることができる。例えば、ボタン型電池を電池61として採用する場合は、
図5に示すように円柱形の挿入部とすることができる。電池挿入部62の内縁面には、パッキン63が配置され、筐体10の内部への液体の浸入を防いでいる。パッキン63の材料は、防水性(止水性)のある材質であればよく、例えばシリコーンゴム製にできる。電池挿入部62は着脱可能に取り付けられる電池カバー64で密閉される。電池カバー64により、電池挿入部62への液体の浸入が防止され、電池挿入部62に汚れが付着することが抑制される。なお、電池61は一次電池または二次電池(充電池)の何れであってもよい。
【0039】
また、
図5に示すように、筐体10の上面には、加熱調理器100と無線通信を行うための通信ポート41が配置される。通信ポート41は、加熱調理器100と安定した通信を行うことが可能な、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)樹脂等の電波透過性の高い材質で構成される。
【0040】
以上に説明したとおり、成分検知装置1の筐体10、ならびに筐体10に配置される各構成要素は、全て防水性のある材質で構成される。そのため、成分検知装置1を調理物に投入した後で、調理物による汚れを除去するために洗浄することが可能となる。
【0041】
次に、
図6を参照して成分検知装置1の内部構成について説明する。
図6に示すように、成分検知装置1は、表示部20と、通信部40と、検知部50と、電源部60と、制御部70と、を備える。
【0042】
検知部50は、調理物の成分を検知する成分検知部51と、調理物の温度を検知する温度検知部52とを備え、調理物の成分および成分検知時の温度等を検知する。
図4に示すように、成分検知部51は、筐体10の正面下部に設けられた矩形状の開口部に装着されている。成分検知部51は、調理物の成分を検知するための様々な検知手段を備える。例えば、成分検知部51は、調理物の塩分をナトリウムイオン電極法を用いて検知するためのガラス電極および比較電極を備えてもよい。または、成分検知部51は、調理物の塩分を検知するために、液体の電気伝導度(導電率)を検知するセンサ、もしくは液体の屈折率から塩分を光学的に検知するセンサなどを備えることができる。
【0043】
また、成分検知部51は、調理物の糖分をbrix糖度(屈折率糖度)として検知するための光センサ、または糖による光の吸収を検知する光センサを備えることができる。なお、brix糖度を検知する光センサは、糖による光の屈折率を利用したものである。また、糖による光の吸収を検知できる光センサは、赤外線分光分析法や散乱光路長補正吸収方式(TFDRS)を利用したものである。これによって、調理物中の糖分の指標となるデータを成分検知部51で検知することができる。
【0044】
また、成分検知部51は、ガラス電極法を用いて、調理物の酸味を表す指標であるpH値を検知してもよい。これによって、調理物中のpH値の指標となる調理物中の電位差が検知される。なお、pH値の検知には、小型化(微小化)が可能で割れにくい半導体センサであるpHセンサを用いてもよい。
【0045】
また、成分検知部51は、調理物の旨味成分を検知するための作用電極と参照電極とを備えてもよい。ここで、「旨味成分」とは、グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸成分、イノシン酸、グアニル酸、キサンチル酸等の核酸構成物質のヌクレオチド成分、若しくはコハク酸等の有機酸成分、またはそれらの酸の塩化合物のことである。例えば、グルタミン酸は、生体内におけるアミノ酸の分解又は窒素の代謝に関与し、哺乳動物の神経系における神経伝達物質の1つとして学習又は記憶に関与する重要なアミノ酸である。また、グルタミン酸は、近年では、自閉症、アルツハイマー病等の疾患の関連性も指摘されている。グルタミン酸の電気分解の際に流れる電流は、グルタミン酸の濃度の指標となる。したがって、作用電極および参照電極に電圧を印加して電気分解を行うことにより、グルタミン酸の濃度の指標となる電流を検知することができる。
【0046】
温度検知部52は、成分検知装置1の筐体10に接触する調理物の温度を、筐体10を介在して間接的に検知するものである。すなわち、温度検知部52は、筐体10の内表面(図示せず)に接触させることにより、調理物が接触する筐体10の温度を検知するものである。温度検知部52は、例えばサーミスタ等の半導体温度センサである。
【0047】
また、調理物が接触し、かつ、温度検知部52が接触する筐体10の部分(例えば、
図4における筐体10の正面に設けられた矩形状の開口部の上方部分)を、熱伝導率の高い金属製としてもよい。これにより、温度検知部52が検知する温度と、調理物の温度との温度差を小さくでき、検知精度を向上させることができる。具体的には、温度検知部52が接触する筐体10の部分は、ステンレスまたはアルミ等の耐食性の高い金属製としてもよい。また、温度検知部52が接触する筐体10の部分に表面処理をしてもよいし、フッ素等で塗膜処理をしてもよい。表面処理又は塗膜処理によって、調理物に対する耐食性に加え、撥水性が向上するため、調理物による汚れの清掃が容易となる。
【0048】
本実施の形態では、
図2に示すように、成分検知部51が下方となるように成分検知装置1が容器400に取り付けられ、成分検知部51および温度検知部52が調理物450に浸かった状態で、成分検知が行われる。成分検知部51および温度検知部52による検知結果は、制御部70に送信される。
【0049】
通信部40は、通信ポート41を介して、加熱調理器100と双方向で情報通信を行うものである。詳しくは、通信部40は、検知部50で検知した成分情報を加熱調理器100に送信する。また、通信部40は、加熱調理器100からの起動指令、成分検知の開始/停止指令などの指令信号(制御信号)を加熱調理器100から受信し、制御部70に送信する。
【0050】
本実施の形態の通信部40は、成分検知装置1の操作性を向上させるために、無線通信モジュールを用いて構成され、加熱調理器100との間で無線通信を行う。本実施の形態においては、加熱調理器100との間の無線通信は、金属帯が伝送経路に介在すると電波が遮蔽されてしまうため、電波透過性が高い通信ポート41を介して行われる。なお、通信部40は、加熱調理器100と有線通信を行うものであってもよい。
【0051】
なお、通信部40は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等の加熱調理器100以外の外部機器と双方向で無線通信できるように構成してもよい。例えば、通信部40の使用周波数帯をWi−Fiモジュールと無線通信可能な周波数帯とすることにより、外部機器との通信の拡張性を向上させることができる。
【0052】
電源部60は、加熱調理器100から独立して、成分検知装置1に電力を供給するものであり、ボタン電池または乾電池等の電池61を電源とするものである。電源部60は、制御部70による制御の下、成分検知装置1の各部に電力を供給する。なお、電源部60の電源は、電池61に限定されるものではなく、加熱調理器100または家庭用電源等への有線接続、または非接触給電を用いてもよい。
【0053】
表示部20は、成分検知装置1の給電状態、加熱調理器100との通信状態等の成分検知装置1の動作状態(使用状況)を発光等により報知するものである。表示部20は、例えばLEDで構成され、成分検知装置1が電源ONの場合に点灯するよう制御部70によって制御される。表示部20の発光が、筐体10の正面に設けられた表示窓21を通して使用者に視認されることで、使用者の利便性を向上させることができる。
【0054】
制御部70は、成分検知装置1の各部を制御するものであり、機能を実現する回路デバイスなどのハードウェアを用いて構成されるか、またはマイコンやCPU等の演算装置と、その上で実行されるソフトウェアとで構成される。
図6に示すように、制御部70は、指令制御部71と、成分分析部72とを有する。指令制御部71および成分分析部72は、ソフトウェアで実現される機能部として制御部70が備えるCPU(図示せず)によって、メモリに記憶されるプログラムを実行することで実現される。または、上記各部は、ASIC(Application Specific IC)またはPLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現されてもよい。
【0055】
指令制御部71は、通信部40を介して加熱調理器100から受信する指令に応じて、成分検知装置1の各部を制御する。具体的には、指令制御部71は、加熱調理器100から、起動指令を受信した場合、電源部60を制御して、成分検知装置1の各部への通電を開始するとともに、表示部20を点灯する。また、指令制御部71は、加熱調理器100から、成分検知の開始指令を受信した場合、検知部50による成分検知を開始し、検知結果を加熱調理器100へ送信する。また、指令制御部71は、加熱調理器100から、成分検知の停止指令を受信した場合、検知部50による成分検知および検知結果の送信を停止する。
【0056】
成分分析部72は、成分検知部51が検知した検知値を、温度検知部52で検知した温度を用いて補正し、調理物の成分濃度などの成分値を算出する。成分検知部51で検知される検知値は、調理物の検知対象成分又はその成分の検知方法によっては、調理物の温度によって影響を受ける場合がある。例えば、汁物の成分等の液体中の塩分を、電気伝導度を検知するセンサ(導電率方式)で検知する場合、温度上昇に伴い溶液中のイオン運動が活性化し導電率が高くなる。導電率方式では、溶液の導電率を比較することで塩分値が算出されるため、同一温度での検知値の比較が検知値の精度向上の観点から要求される。
【0057】
したがって、成分分析部72においては、例えば、2つの検知値を測定した時点での温度が互いに異なっている場合、成分検知部51が検知した検知値は、温度検知部52で検知された温度情報を用いて、同一温度(例えば25℃)における導電率に換算される。その後、成分分析部72においては、同一温度溶液の導電率を比較することにより塩分値が算出される。
【0058】
また、塩分の算出のために、ナトリウムイオン電極法を用いて起電力を検知する場合も、溶液中のイオン運動の活性化により、溶液中の温度に依存して起電力が変化する。したがって、ナトリウムイオン電極法を用いた場合、成分分析部72においては、成分検知部51が検知した検知値である起電力の値は、温度検知部52が検知した温度情報で補正されて、塩分値として算出される。
【0059】
なお、他の方法での塩分の検知、またはグルタミン酸等の他の成分の検知においても、成分分析部72によって、温度検知部52が検知した温度情報で、成分検知部51が検知した検知値を補正して成分値として算出できる。成分分析部72によって算出された成分値は、成分情報として、通信部40を介して加熱調理器100に送信される。なお、加熱調理器100の制御部300に成分分析部72を備える構成とし、成分検知部51および温度検知部52が検知した実測データを、成分情報として加熱調理器100に送信してもよい。
【0060】
(加熱調理器および成分検知装置の動作)
次に、本実施の形態における加熱調理器100および成分検知装置1の動作について説明する。本実施の形態における加熱調理器100および成分検知装置1は互いに連動する。
図7は、本実施の形態における加熱調理器100および成分検知装置1の成分検知制御を示すフローチャートである。
図7において、実線は加熱調理器100および成分検知装置1における制御の流れを示し、破線は加熱調理器100と成分検知装置1との間の信号の流れを示す。本実施の形態では、加熱調理器100において予め設定された間隔で、成分検知装置1が自動的に成分検知を行う、自動検知処理が実施される。
【0061】
本処理の開始前に、加熱調理器100の何れかの加熱口150の上に、調理物が収容された容器400が載置され、容器400に成分検知装置1が取り付けられる。このとき、成分検知装置1は、通信部40における受信のみが可能な待機状態となっており、検知部50などには通電されていない。そして、加熱調理器100による加熱が開始される。そして、まず、使用者によって加熱調理器100の操作表示部180が操作され、メニュー画面が表示される(S1)。
図8は、加熱調理器100の操作表示部180に表示されるメニュー画面の一例である。メニュー画面は、加熱調理器100で実施される「煮物」、「揚げ物」、「成分管理」などの複数のメニュー項目181を含んでいる。なお、
図8は一例であり、表示方法および表示内容については、任意に変更可能である。
【0062】
図7に戻って、ステップS2では、操作制御部301によってメニュー画面から「成分管理」が選択されたか否かが判断される(S2)。ここで、「成分管理」が選択されない場合(S2:NO)、選択された項目に従って、通常の加熱調理動作が継続される(S19)。
【0063】
一方、「成分管理」が選択された場合(S2:YES)、加熱調理器100の成分管理制御部304によって、成分検知装置1を起動するための起動指令が生成され、通信部310から成分検知装置1に送信される(S3)。加熱調理器100から送信された起動指令は、成分検知装置1の通信部40によって受信される(S4)。そして、成分検知装置1の指令制御部71によって、電源部60が制御され、検知部50を含む成分検知装置1内の各部への通電が開始される(S5)。
【0064】
また、加熱調理器100では、使用者によって、成分検知の開始指示がなされたか否かが判断される(S6)。
図9は、加熱調理器100の操作表示部180に表示される成分検知の開始指示画面の一例である。開始指示画面は、メニュー画面において、「成分管理」が選択された場合に表示される。
図9に示すように、開始指示画面は、「START」ボタン182と「CANCEL」ボタン183とを含む。なお、
図9は一例であり、表示方法および表示内容については、任意に変更可能である。
【0065】
図7に戻って、成分検知の開始指示がなされていない場合(S6:NO)、すなわち「CANCEL」ボタン183が押された場合は、ステップS16へ移行する。一方、成分検知の開始指示がなされた場合(S6:YES)、すなわち「START」ボタン182が押された場合、成分管理制御部304によって、成分検知を開始する開始指令が生成され、通信部310から成分検知装置1に送信される(S7)。
【0066】
加熱調理器100から送信された開始指令は、成分検知装置1の通信部40によって受信される(S8)。そして、成分検知装置1の指令制御部71によって、成分検知部51および温度検知部52に成分検知指令が送られ、成分検知部51および温度検知部52による調理物の成分検知および温度検知が行われる(S9)。そして、成分検知装置1の成分分析部72において、成分検知部51および温度検知部52によって検知されたデータから、調理物の成分分析が行われる(S10)。このとき、分析される成分情報としては、塩分、糖分、等の成分種、成分濃度、糖度、単位当たり含有量、PH値、等があり、検出される成分とその量を表すものとし、検知される成分種は、一つまたは複数でも構わない。
【0067】
成分分析部72による成分分析が完了すると、成分分析結果が成分情報として成分検知装置1の通信部40から加熱調理器100に送信される(S11)。このとき、成分検知装置1は、加熱調理器100に加え、携帯電話、タブレットまたはPC等の外部機器にも成分情報を送信してもよい。
【0068】
成分検知装置1から送信された成分情報は、加熱調理器100の通信部310によって受信される(S12)。そして、加熱調理器100の報知部302によって、受信した成分情報が使用者に報知される(S13)。具体的には、報知部302によって、操作表示部180に成分情報が表示される。
図10は、加熱調理器100の操作表示部180に表示される成分表示画面の一例である。
図10に示すように、成分表示画面には、成分情報184と、成分検知の停止を指示するための「STOP」ボタン185とが表示される。なお、
図10は一例であり、表示方法および表示内容については、任意に変更可能である。例えば、「STOP」ボタン185は、成分情報184とは別の画面に表示されてもよい。また、成分情報は、加熱調理器100のスピーカ(図示せず)から音声出力されてもよい。
【0069】
図7に戻って、加熱調理器100において、所定時間が経過したか否かが判断される(S14)。所定時間は、予め設定された時間であり、加熱調理器100の記憶部305に記憶される。そして、所定時間が経過していない場合は(S14:NO)、成分検知を停止するか否かが判断される(S15)。ここでは、使用者によって操作表示部180に表示された成分表示画面における「STOP」ボタン185が押された場合に、成分検知を停止すると判断される。そして、成分検知を停止しない場合は(S15:NO)、ステップS14に戻る。
【0070】
「STOP」ボタン185が押されないまま、所定時間が経過した場合(S14:YES)、ステップS7に戻って、加熱調理器100の通信部310から成分検知装置1に開始指令が送信される(S7)。これにより、成分検知装置1は、「STOP」ボタン185が押されるまで、予め設定された時間間隔で自動的に成分検知を行い、加熱調理器100に成分情報を送信する。
【0071】
一方、「STOP」ボタン185が押され、成分検知を停止する場合(S15:YES)、加熱調理器100の成分管理制御部304によって成分検知を停止するための停止指令が生成され、通信部310から成分検知装置1に送信される(S16)。その後、加熱調理器100は、通常動作に戻る(S19)。加熱調理器100から送信された停止指令は、成分検知装置1の通信部40によって受信される(S17)。そして、成分検知装置1の指令制御部71によって、電源部60が制御され、成分検知装置1内の各部への通電が停止される(S18)。
【0072】
以上のように、本実施の形態によれば、成分検知装置1と加熱調理器100とが連動することにより、調理中の調理物の成分検知を自動的に行うことができる。これにより、使用者の手間が軽減し、利便性が向上することで、健康に関心が高い使用者の調理アシストが可能となる。また、成分検知装置1によって検知された成分濃度が加熱調理器100にて報知されることで、調理の仕上がりの安定性が向上し、使用者の満足感を向上させることができる。また、調理中に成分検知装置1本体に触れることなく成分検知ができることで、使用者の煩わしさも低減される。
【0073】
なお、上記では、成分検知装置1は、「STOP」ボタン185が押されるまで、予め設定された時間間隔で自動的に成分検知を行う構成としたが、所定の検知回数に達するまで、予め設定された時間間隔で自動的に成分検知を行う構成としてもよい。
【0074】
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、自動検知処理における自動検知条件を使用者が任意に設定できる点において、実施の形態1と相違する。加熱調理器100および成分検知装置1の構成については、実施の形態1と同様である。
【0075】
図11は、本実施の形態における加熱調理器100の成分検知制御を示すフローチャートである。
図11において、実線は加熱調理器100における制御の流れを示し、破線は加熱調理器100から成分検知装置1への信号の流れを示す。また、
図11において、
図7に示す実施の形態1と同じステップについては、同じ符号を付す。
【0076】
本処理では、まず、実施の形態1と同様に、使用者によって加熱調理器100の操作表示部180が操作され、メニュー画面が表示される(S1)。そして、メニュー画面から「成分管理」が選択されたか否かが判断される(S2)。ここで、「成分管理」が選択されない場合(S2:NO)、選択された項目に従って、通常の加熱調理動作が継続される(S19)。
【0077】
一方、「成分管理」が選択された場合(S2:YES)、加熱調理器100の成分管理制御部304によって、成分検知装置1を起動するための起動指令が生成され、通信部310から成分検知装置1に送信される(S3)。そして、自動検知条件を設定するための条件設定画面が、操作表示部180に表示される(S21)。
図12は、加熱調理器100の操作表示部180に表示される条件設定画面の一例である。使用者は、条件設定画面を操作し、成分情報の検知間隔、報知方法(音声、画面表示、両方)、検知回数、などを入力する。操作表示部180を介して入力された内容は、成分管理制御部304に送信される。なお、
図12は一例であり、表示方法および表示内容については、任意に変更可能である。
【0078】
図11に戻って、成分管理制御部304によって、入力された内容に従って自動検知処理の条件が設定される(S22)。自動検知処理の条件が設定された後は、
図7に示す実施の形態1と同様のステップS6〜S19が実施される。これにより、使用者によって設定された条件で、自動検知処理が行われる。
【0079】
以上のように、本実施の形態によれば、使用者は成分検知の自動検知条件を自分の好みの設定することができるため、より利便性を向上させることができる。
【0080】
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3では、使用者が設定した自動検知処理の条件を登録条件として記憶部305に記憶し、使用者によって選択可能とした点において、実施の形態1と相違する。加熱調理器100および成分検知装置1の構成については、実施の形態1と同様である。
【0081】
図13は、本実施の形態における加熱調理器100の成分検知制御を示すフローチャートである。
図13において、実線は加熱調理器100における制御の流れを示し、破線は加熱調理器100から成分検知装置1への信号の流れを示す。また、
図13において、
図7に示す実施の形態1と同じステップについては、同じ符号を付す。
【0082】
本処理では、まず、実施の形態1と同様に、使用者によって加熱調理器100の操作表示部180が操作され、メニュー画面が表示される(S1)。そして、メニュー画面から「成分管理」が選択されたか否かが判断される(S2)。ここで、「成分管理」が選択されない場合(S2:NO)、選択された項目に従って、通常の加熱調理動作が継続される(S19)。
【0083】
一方、「成分管理」が選択された場合(S2:YES)、加熱調理器100の成分管理制御部304によって、成分検知装置1を起動するための起動指令が生成され、通信部310から成分検知装置1に送信される(S3)。そして、記憶部305に登録条件があるか否かが判断される(S31)。ここで、登録条件がある場合(S31:YES)、操作表示部180に登録条件のリストを含む登録条件画面が表示される(S32)。
【0084】
図14は、加熱調理器100の操作表示部180に表示される登録条件画面の一例である。
図14に示すように、登録条件画面は、記憶部305に記憶される登録条件のリスト186と、「CANCEL」ボタン183とを含む。使用者は、操作表示部180に表示されるリストから、自動検知処理に用いる条件を選択することができる。なお、
図14は一例であり、表示方法および表示内容については、任意に変更可能である。
【0085】
図13に戻って、登録条件画面から、何れかの登録条件が選択されたか否かが判断される(S33)。ここで、何れかの登録条件が選択された場合(S33:YES)選択された登録条件が成分管理制御部304に送信され、成分管理制御部304によって、選択された登録条件に従って、自動検知処理の条件が設定される(S36)。
【0086】
一方、記憶部305に登録条件が1件も登録されていない場合(S31:NO)、または登録条件画面において「CANCEL」ボタン183が押された場合(S33:NO)、新規に登録条件を設定するための条件設定画面が操作表示部180に表示される(S34)。この場合の条件設定画面は、実施の形態2(
図12)と同様である。使用者は、条件設定画面を操作し、自動検知処理の条件を入力する。入力された内容は、操作制御部301によって登録条件として記憶部305に登録される(S35)。そして、成分管理制御部304によって、設定された条件に従って、自動検知処理の条件が設定される(S36)。自動検知処理の条件が設定された後は、
図7に示す実施の形態1と同様のステップS6〜S19が実施される。これにより、使用者によって設定された条件で、自動検知処理が行われる。
【0087】
以上のように、本実施の形態によれば、加熱調理器100の記憶部305に記憶された自動検知条件を選択できることで、使用者は成分検知の自動検知条件の設定を何度も行う手間がなくなり、設定の煩わしさが軽減できる。これにより、加熱調理器100の利便性をさらに向上させることができる。
【0088】
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について説明する。実施の形態4では、使用者の任意のタイミングで成分検知装置1による成分検知を行う点において実施の形態1と相違する。加熱調理器100および成分検知装置1の構成については、実施の形態1と同様である。
【0089】
図15は、本実施の形態における加熱調理器100および成分検知装置1の成分検知制御を示すフローチャートである。本実施の形態の加熱調理器100では、使用者の任意のタイミングで成分検知を行う任意検知処理が実施される。
図15において、実線は加熱調理器100および成分検知装置1における制御の流れを示し、破線は加熱調理器100と成分検知装置1との間の信号の流れを示す。また、
図15において、
図7に示す実施の形態1と同じステップについては、同じ符号を付す。
【0090】
本処理では、実施の形態1と同様に、まず、使用者によって加熱調理器100の操作表示部180が操作され、メニュー画面が表示される(S1)。そして、メニュー画面から「成分管理」が選択されたか否かが判断される(S2)。ここで、「成分管理」が選択されない場合(S2:NO)、選択された項目に従って、通常の加熱調理動作が継続される(S19)。
【0091】
一方、「成分管理」が選択された場合(S2:YES)、成分検知の開始指示がなされたか否かが判断される(S41)。ここでは、実施の形態1と同様に、
図9の開始指示画面に表示される「START」ボタン182が押された場合に、成分検知の開始指示がなされたと判断される。そして、成分検知の開始指示がなされていない場合(S41:NO)、すなわち「CANCEL」ボタン183が押された場合は、ステップS19へ移行する。
【0092】
一方、成分検知の開始指示がなされた場合(S41:YES)、加熱調理器100の成分管理制御部304によって、成分検知装置1を起動するための起動指令が生成され、通信部310から成分検知装置1に送信される(S42)。加熱調理器100から送信された起動指令は、成分検知装置1の通信部40によって受信される(S4)。そして、成分検知装置1の指令制御部71によって、電源部60が制御され、成分検知装置1内の各部への通電が開始される(S5)。
【0093】
また、加熱調理器100の成分管理制御部304において、成分検知を開始する開始指令が生成され、通信部310から成分検知装置1に送信される(S43)。加熱調理器100から送信された開始指令は、成分検知装置1の通信部40によって受信される(S8)。そして、成分検知装置1の指令制御部71によって、成分検知部51および温度検知部52に成分検知指令が送られ、成分検知部51および温度検知部52による調理物の成分検知および温度検知が行われる(S9)。そして、成分検知装置1の成分分析部72において、成分検知部51および温度検知部52によって検知されたデータから、調理物の成分分析が行われる(S10)。
【0094】
成分分析部72による成分分析が完了すると、成分分析結果が、成分情報として成分検知装置1の通信部40から加熱調理器100に送信される(S11)。このとき、加熱調理器100に加え、携帯電話、タブレットまたはPC等の外部機器にも成分情報を送信してもよい。そして、成分検知装置1の指令制御部71によって、電源部60が制御され、成分検知装置1内の各部への通電が停止される(S44)。
【0095】
成分検知装置1から送信された成分情報は、加熱調理器100の通信部310によって受信される(S12)。そして、加熱調理器100の報知部302によって、受信した成分情報が使用者に報知される(S13)。具体的には、報知部302によって、操作表示部180に成分情報が表示される。
【0096】
図16は本実施の形態における加熱調理器100の操作表示部180に表示される成分表示画面の一例である。
図16に示すように、成分表示画面には、成分情報184とともに、成分検知を開始するための「START」ボタン182と、成分検知を停止するための「STOP」ボタン185とが表示される。なお、
図16は一例であり、表示方法および表示内容については、任意に変更可能である。例えば、「START」ボタン182および「STOP」ボタン185は、成分情報184とは別の画面に表示されてもよい。また、成分情報は、加熱調理器100のスピーカ(図示せず)から音声出力されてもよい。
【0097】
図15に戻って、加熱調理器100において、成分検知を停止するか否かが判断される(S45)。ここでは、使用者によって成分表示画面における「STOP」ボタン185が押された場合に、成分検知を停止すると判断される。一方、使用者によって成分表示画面における「START」ボタン182が押された場合は、成分検知を再開する判断される。そして、成分検知を停止しない場合(S45:NO)、すなわち「START」ボタン182が押された場合は、ステップS42へ戻り、成分検知装置1へ起動指令(S42)および開始指令(S43)が送信され、成分検知装置1による成分検知が行われる。すなわち、本実施の形態においては、「STOP」ボタン185が押されるまで、使用者による任意のタイミング(すなわち「START」ボタン182が押されたタイミング)で成分検知装置1による成分検知が行われ、加熱調理器100に成分情報が送信される。
【0098】
そして、「STOP」ボタン185が押され、成分検知を停止する場合(S45:YES)、加熱調理器100は、通常の加熱調理動作に戻る(S19)。
【0099】
以上のように、本実施の形態によれば、使用者が知りたいタイミングで成分情報を入手することができる。また、成分検知を行わない間は、成分検知装置1への通電を止めることで、成分検知装置1および電池61の寿命を延長することができ、消費電力も削減できる。また、不要な成分検知にかかる加熱調理器100の消費電力も削減できる。
【0100】
実施の形態5.
次に、本発明の実施の形態5について説明する。実施の形態5では、成分検知装置1の表示部20の表示を、成分検知装置1の動作状態(使用状況)に応じて変更する点において、実施の形態1と相違する。加熱調理器100および成分検知装置1の構成については、実施の形態1と同様である。
【0101】
図17は、本実施の形態における成分検知装置1の成分検知制御を示すフローチャートである。
図17において、実線は成分検知装置1における制御の流れを示し、破線は加熱調理器100と成分検知装置1との間の信号の流れを示す。また、
図17では、
図7に示す実施の形態1と同様のステップについては、同じ符号を付す。本処理では、成分検知装置1の表示部20が、加熱調理器100からの指令または成分検知装置1の状態によって変更される。変更される表示内容は、発光色または発光間隔などである。
【0102】
図17に示すように、加熱調理器100からの起動指令が受信されると(S4)、電源部60が制御され、成分検知装置1内の通電が開始される(S5)。そして、成分検知装置1の指令制御部71によって、表示部20が点灯される(S51)。このとき、表示部20は、例えば緑色に連続発光されるか、または予め設定された時間間隔で点滅される。これにより、使用者は成分検知装置1が成分検知待機中であることを認識できる。なお、発光色および発光間隔は、上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。
【0103】
また、加熱調理器100からの開始指令が受信されると(S8)、指令制御部71によって、表示部20の発光色または発光間隔が変更される(S52)。例えば、表示部20の発光色が緑色から赤色に変更され、所定の発光間隔で点滅される。これにより、使用者は成分検知装置1が成分検知中であることを認識できる。なお、変更後の発光色および発光間隔は、上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。
【0104】
成分検知部51および温度検知部52による成分検知(S9)、ならびに成分分析部72による成分分析(S10)が完了すると、指令制御部71によって、表示部20の発光色または発光間隔が変更される(S53)。例えば、表示部20の発光色が赤色からオレンジ色に変更され、点滅が停止される。これにより、使用者は成分検知装置1による成分検知が完了したことを認識できる。なお、変更後の発光色および発光間隔は、上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。
【0105】
その後、成分検知装置1から加熱調理器100へ成分情報が送信され(S11)、加熱調理器100からの停止指令が受信されると(S17)、成分検知装置1における通電が停止される(S18)。これにより、表示部20が消灯される。
【0106】
以上のように、本実施の形態によれば、調理中の成分検知装置1の制御状態を加熱調理器100の操作表示部180などを確認することなく、容易に認識することができる。これにより、使用者の利便性を向上させることができ、不要な成分検知の継続、または放置状態を抑制することができる。その結果、加熱調理器100および成分検知装置1の消費電力を削減できる。
【0107】
実施の形態6.
次に、本発明の実施の形態6について説明する。実施の形態6の成分検知装置1Aは、情報表示部25を有し、成分検知装置1によって検知される成分情報を表示する点において、実施の形態1と相違する。加熱調理器100の構成および成分検知装置1Aのその他の構成については、実施の形態1と同様である。
【0108】
図18は、本実施の形態における成分検知装置1Aの正面斜視図である。
図18に示すように、本実施の形態の成分検知装置1Aは、表示部20に加え、情報表示部25を備える。情報表示部25は、筐体10の正面において、支持部30よりも上方に配置される。なお、情報表示部25は、成分検知装置1の正面に限らず、その他の面に配置されてもよい。情報表示部25は、例えば液晶ディスプレイであり、矩形状の開口部内に設けられ、光透過性のフィルム又はシート等の光透過性部材で覆われた構造となっている。矩形状の開口部と光透過性部材との間の隙間部分は、水分等の液体成分が筐体10の内部に浸入しないように、例えば耐熱性の高い接着剤等で閉塞(密封)される。
【0109】
図19は、本実施の形態における成分検知装置1Aの成分検知制御を示すフローチャートである。
図19において、実線は成分検知装置1Aにおける制御の流れを示し、破線は加熱調理器100と成分検知装置1Aとの間の信号の流れを示す。
図19では、
図17に示す実施の形態5と同様のステップについては、同じ符号を付す。本処理のステップS1〜S53は、実施の形態5と同様である。
【0110】
そして、ステップS53にて、表示部20の発光色または発光間隔が変更されると(S53)、成分検知装置1Aから加熱調理器100へ成分情報が送信される(S11)とともに、成分検知装置1の情報表示部25に成分情報が表示される(S61)。この場合の表示例は、
図10に示す例と同様の表示であってもよく、または
図10とは異なる表示であってもよい。そして、加熱調理器100からの停止指令が受信されると(S17)、成分検知装置1Aにおける通電が停止される(S18)。これにより、表示部20および情報表示部25が消灯される。
【0111】
以上のように、本実施の形態によれば、成分検知装置1による検知結果を加熱調理器100の操作表示部180を確認することなく、確認することができる。これにより、使用者の利便性をさらに向上させることができる。
【0112】
なお、表示部20を備えず、情報表示部25のみを備える構成とし、情報表示部25の背景を、加熱調理器100からの指令および成分検知装置1の状態で変更してもよい。
【0113】
実施の形態7.
次に、本発明の実施の形態7について説明する。実施の形態7では、使用者が管理したい成分および成分濃度を任意に設定し、使用者が設定した成分および成分濃度と、成分検知装置1で検知された成分情報との比較結果に応じて、加熱調理器100および成分検知装置1が自動制御される点において、実施の形態1と相違する。加熱調理器100および成分検知装置1の構成については、実施の形態1と同様である。
【0114】
図20は、本実施の形態における加熱調理器100および成分検知装置1の成分検知制御を示すフローチャートである。
図20において、実線は加熱調理器100および成分検知装置1における制御の流れを示し、破線は加熱調理器100と成分検知装置1との間の信号の流れを示す。また、
図20では、
図7に示す実施の形態1と同様のステップについては、同じ符号を付す。本実施の形態では、使用者が「成分管理」を選択した場合に、使用者が設定した成分の成分濃度と成分検知装置1で検知された成分情報との比較結果に応じて、加熱調理器100および成分検知装置1が自動的に制御される、自動成分管理処理が行われる。
【0115】
本処理のステップS1〜S5は、実施の形態1と同様である。ステップS3にて、成分検知装置1を起動するための起動指令が通信部310から成分検知装置1に送信されると(S3)、加熱調理器100にて、自動成分管理を行うかどうかが判断される(S71)。ここで、本実施の形態では、メニュー画面において「成分管理」が選択された場合、「自動成分管理」を行うか否かを使用者に選択させるための選択画面が表示される。そして、選択画面上で「自動成分管理」を行うことが選択された場合、自動成分管理を行うと判断される。
【0116】
自動成分管理を行う場合(S71:YES)、使用者によって管理対象の成分および当該成分の濃度が設定される(S72)。ここでは、操作表示部180に管理成分・濃度設定画面が表示され、使用者は、自分が管理したい成分A(以下、「管理成分A」という)と管理したい濃度S(以下、「管理濃度S」という)とを任意で設定する。操作表示部180を介して入力された管理成分Aおよび管理濃度Sは、記憶部305に記憶される。なお、このとき設定される管理成分Aと管理濃度Sは、一つだけでなく、複数個設定されてもよい。以降のフローにおいては、1つの管理成分Aに対して、1つの管理濃度Sが設定された場合について説明する。
【0117】
次に、加熱調理器100において、成分検知の開始指示がなされたか否かが判断される(S6)。ここで、成分検知の開始指示がなされていない場合(S6:NO)は、ステップS16へ移行する。一方、成分検知の開始指示がなされた場合(S6:YES)、成分管理制御部304によって、成分検知を開始する開始指令が生成され、通信部310から成分検知装置1に送信される(S7)。
【0118】
加熱調理器100から送信された開始指令は、成分検知装置1の通信部40によって受信される(S8)。そして、成分検知装置1の指令制御部71によって、成分検知部51および温度検知部52に成分検知指令が送られ、成分検知部51および温度検知部52による調理物の成分検知および温度検知が行われる(S9)。そして、成分検知装置1の成分分析部72において、成分検知部51および温度検知部52によって検知されたデータから、調理物の成分分析が行われる(S10)。成分分析部72による成分分析が完了すると、成分分析結果が成分情報として、成分検知装置1の通信部40から加熱調理器100に送信される(S11)。このとき、加熱調理器100に加え、携帯電話、タブレットまたはPC等の外部機器にも成分情報を送信してもよい。
【0119】
成分検知装置1からの成分情報は、加熱調理器100の通信部310で受信される(S12)。そして、加熱調理器100の報知部302によって、受信した成分情報が使用者に報知される(S13)。次に、成分管理制御部304によって、記憶部305に記憶された管理濃度Sと、成分検知装置1から受信した成分情報の濃度Mとが比較される(S73)。そして、成分情報の濃度Mが管理濃度Sより小さい場合(S73:M<S)、ステップS7に戻って自動検知が継続される。一方、成分情報の濃度Mが管理濃度S以上となった場合(S73:S≦M)、加熱調理器100の報知部302によって、調理物の濃度が管理濃度Sに達したことが報知される(S74)。具体的には、報知部302は、操作表示部180に調理物の濃度が管理濃度Sに達したことを通知するメッセージを表示する。または、報知部302は、加熱調理器100のスピーカ(図示せず)から音声で報知してもよい。
【0120】
そして、加熱調理器100の成分管理制御部304において、調理物の濃度が管理濃度Sに達したことを報知するための報知指令が生成され、通信部310を介して成分検知装置1へ送信される(S75)。その後は、ステップS15へ移行する。
【0121】
加熱調理器100からの報知指令は、成分検知装置1の通信部40によって受信される(S76)。そして、成分検知装置1の指令制御部71によって、表示部20が点灯されることなどにより、管理濃度Sに達したことが使用者に報知される(S77)。その後は、ステップS17へ移行する。
【0122】
以上のように、本実施の形態によれば、使用者が管理したい濃度に達したことを容易に把握することができる。これにより、調理の仕上がりの安定性が向上し、使用者の満足感を向上させることができる。また、不要な成分検知の継続、または放置状態を抑制することができ、加熱調理器100および成分検知装置1の消費電力を削減できる。
【0123】
なお、本実施の形態のステップS73において、比較判定式をM<SおよびS≦Mとしたが、これに限定されるものではなく、(S+α)≧M≧(S−α)のように、管理濃度Sに許容範囲αを持たせてもよい。また、許容範囲αは、加熱調理器100で自動設定してもよく、使用者に設定させてもよい。
【0124】
実施の形態8.
次に、本発明の実施の形態8について説明する。実施の形態8は、調理物の濃度Mが使用者によって設定された管理濃度Sに到達する前に、予告報知を行う点において実施の形態7と相違する。加熱調理器100および成分検知装置1の構成については、実施の形態1と同様である。
【0125】
図21は、本実施の形態における加熱調理器100の成分検知制御を示すフローチャートである。
図21において、実線は加熱調理器100における制御の流れを示し、破線は成分検知装置1への信号の流れを示す。
図21では、
図20に示す実施の形態7と同様のステップについては、同じ符号を付す。本処理のステップS1〜S13は、実施の形態7と同様である。
【0126】
ステップS13において、受信した成分情報が使用者に報知される(S13)と、成分管理制御部304によって、記憶部305に記憶された管理濃度Sと、成分検知装置1から受信した成分情報の濃度Mとが比較される(S73)。
【0127】
そして、成分情報の濃度Mが管理濃度Sの許容範囲内に達していない場合(S73:M<(S−α))、ステップS7に戻って、自動検知が継続される。一方、成分情報の濃度Mが管理濃度Sの許容範囲内であるが、管理濃度Sには達していない場合(S73:(S−α)≦M<S)、すなわち検知結果の濃度Mが管理濃度Sに近づいた場合、加熱調理器100の成分管理制御部304によって、操作表示部180に使用者に管理濃度が近いことが予告報知される(S81)。なお、許容範囲αは、加熱調理器100で自動設定してもよく、使用者に設定させてもよい。その後、ステップS7に戻って、自動検知が継続される。
【0128】
そして、成分情報の濃度Mが管理濃度S以上となった場合(S73:S≦M)、実施の形態7と同様に、加熱調理器100の報知部302によって、調理物の濃度が管理濃度Sに達したことが報知され(S74)、成分検知装置1に報知指令が送信される(S75)。
【0129】
以上のように、本実施の形態によれば、管理濃度Sに達する前に使用者に予告することで、より厳しい管理が必要な使用者をアシストすることができる。
【0130】
実施の形態9.
次に、本発明の実施の形態9について説明する。実施の形態9は、使用者が設定した成分の成分濃度と成分検知装置1で検知された成分情報との比較結果に応じて、成分検知装置1の表示部20の表示が変更される点において実施の形態7と相違する。加熱調理器100および成分検知装置1の構成については、実施の形態1と同様である。
【0131】
図22は、本実施の形態における加熱調理器100および成分検知装置1の成分検知制御を示すフローチャートである。
図22において、実線は加熱調理器100および成分検知装置1における制御の流れを示し、破線は加熱調理器100と成分検知装置1との間の信号の流れを示す。また、
図22では、
図20に示す実施の形態7と同様のステップについては、同じ符号を付す。本処理のステップS1〜S13は、実施の形態7と同様である。
【0132】
ステップS13において、受信した成分情報が使用者に報知される(S13)と、成分管理制御部304によって、記憶部305に記憶された管理濃度Sと、成分検知装置1から受信した成分情報の濃度Mとが比較される(S73)。
【0133】
そして、成分管理制御部304によって、比較結果に応じて成分検知装置1の表示部20の表示を変更させる表示指令が生成され、通信部310を介して成分検知装置1へ送信される。具体的には、成分情報の濃度Mが管理濃度Sの許容範囲内に達していない場合(S73:M<(S−α))、すなわち自動検知を継続する場合は、成分検知装置1の表示部20を表示A(例えば黄色)に変更する表示指令が生成され、成分検知装置1に送信される(S91)。また、成分情報の濃度Mが管理濃度Sの許容範囲内であるが、管理濃度Sには達していない場合(S73:(S−α)≦M<S)、すなわち成分情報の濃度Mが管理濃度Sに近づいた場合、成分検知装置1の表示部20を表示B(例えばオレンジ色)に変更する表示指令が生成され、成分検知装置1に送信される(S92)。そして、成分情報の濃度Mが管理濃度S以上となった場合(S73:S≦M)は、成分検知装置1の表示部20を表示C(例えば赤色点滅)に変更する表示指令が生成され、成分検知装置1に送信される(S93)。
【0134】
加熱調理器100からの表示指令は、成分検知装置1の通信部40にて受信される(S94)。そして、成分検知装置1の指令制御部71によって、受信した表示指令に応じて、表示部20の表示が変更される(S95)。
【0135】
以上のように、本実施の形態によれば、成分検知装置1の表示部20の表示を変更することで、加熱調理器100の操作表示部180を確認しなくても、加熱調理器100から離れたところから成分管理状態を確認することができる。これにより、使用者の利便性をさらに向上させることができる。
【0136】
なお、本実施の形態の成分検知装置1に、実施の形態6の情報表示部25を備える構成とし、表示部20の表示の変更に加えてまたは替えて、情報表示部25の表示を表示指令に応じて変更してもよい。
【0137】
実施の形態10.
次に、本発明の実施の形態10について説明する。実施の形態10は、使用者が設定した成分の成分濃度と成分検知装置1で検知された成分情報との比較結果に応じて、加熱調理器100の火力が自動制御される点において実施の形態7と相違する。加熱調理器100および成分検知装置1の構成については、実施の形態1と同様である。
【0138】
図23は、本実施の形態における加熱調理器100の成分検知制御を示すフローチャートである。
図23では、
図20に示す実施の形態7と同様のステップについては、同じ符号を付す。本処理のステップS1〜S13は、実施の形態7と同様である。
【0139】
ステップS13において、受信した成分情報が使用者に報知される(S13)と、成分管理制御部304によって、記憶部305に記憶された管理濃度Sと、成分検知装置1から受信した成分情報の濃度Mとが比較される(S73)。
【0140】
そして、比較結果に応じて、加熱制御部303による加熱コイル200への投入電力量が変更される。具体的には、成分情報の濃度Mが管理濃度Sの許容範囲内に達していない場合(S73:M<(S−α))、すなわち自動検知を継続する場合は、投入電力量は変更されず、ステップS7に戻る。また、成分情報の濃度Mが、使用者が設定した許容範囲内である場合(S73:(S−α)≦M<(S+β))、加熱制御部303によって、現在の投入電力量が変更量a1だけ減少され(S101)、加熱調理器100の火力が下げられる。ここで、変更量a1は、加熱調理器100で自動設定してもよく、使用者に設定させてもよい。そして、成分管理制御部304によって、現在加熱中の調理物の濃度Mが、使用者が設定した許容範囲内であること、および火力が下げられたことが操作表示部180などを介して報知される(S102)。
【0141】
また、成分情報の濃度Mが、使用者が設定した許容範囲を超えた場合(S73:(S+β)≦M)、加熱制御部303によって、現在の投入電力量が変更量a2だけ減少され(S103)、加熱調理器100の火力が下げられる。ここで、変更量a2は、変化量a1と同じ値であってもよく、または変化量a1とは異なる値であってもよい。また、変更量a2は、加熱調理器100で自動設定してもよく、使用者に設定させてもよい。そして、成分管理制御部304によって、現在加熱中の調理物の濃度Mが、使用者が設定した許容範囲を超えたこと、および火力が下げられたことが操作表示部180などを介して報知される(S104)。許容範囲の幅αおよびβは、加熱調理器100で自動設定してもよく、使用者に設定させてもよい。
【0142】
このように、本実施の形態では、成分情報の濃度Mが管理濃度Sの許容範囲内に達していない状態(M<(S−α))から許容範囲内に達した場合((S−α)≦M<(S+β))には、加熱コイル200への投入電力量が変化量a1だけ減少され、許容範囲内((S−α)≦M<(S+β))から許容範囲以上((S+β)≦M)となった場合は、加熱コイル200への投入電力量がさらに変化量a2だけ減少される。すなわち、成分情報の濃度Mが管理濃度Sの許容範囲内に達していない状態(M<(S−α))から許容範囲以上((S+β)≦M)になった場合には、投入電力量は変化量a1+a2だけ減少される。
【0143】
以上のように、本実施の形態によれば、管理濃度Sと検知結果の濃度Mとの比較結果に応じて自動で火力を減少させることで、水分が蒸発する速度を遅め、濃度が濃くなることを抑制することができる。これにより、使用者による作り直しの手間や、作り直しによる消費電力を低減することができる。
【0144】
なお、本実施の形態において、理濃度Sと検知結果の濃度Mとの比較結果に応じて自動で火力を減少させるだけでなく、加熱調理器100を自動停止してもよい。
図24は、本実施の形態の変形例における加熱調理器100の成分検知制御を示すフローチャートである。
図24に示すように、成分情報の濃度Mが管理濃度Sより小さい場合は、投入電力は変更されない。一方、成分情報の濃度Mが管理濃度S以上となった場合(S≦M)、加熱制御部303は、高周波インバータ330への電力投入を停止する(S105)。これにより、加熱調理器100が停止される。このように、管理濃度Sと検知結果の濃度Mとの比較結果に応じて、自動で火力を停止することで、使用者の作り直しの手間や、作り直しによる消費電力を低減することができるとともに、使用者の放置による不要な消費電力を低減することができる。
【0145】
また、本実施の形態では、成分情報の濃度Mと管理濃度Sとの関係を3つの状態(すなわちM<(S−α)、(S−α)≦M<(S+β)、(S+β)≦M)に分けて加熱コイル200への投入電力量を段階的に減少させたが、2つ以下の状態または4つ以上の状態に分けて投入電力量を減少させてもよい。例えば、成分情報の濃度Mと管理濃度Sとの関係がM<(S−α)から(S−α)≦M<Sへ変化した場合、加熱コイル200への投入電力量を変化量a1だけ減少させ、(S−α)≦M<SからS<M<(S+β)へ変化した場合、投入電力量を変化量a2だけ減少させる。さらに、成分情報の濃度Mと管理濃度Sとの関係がS<M<(S+β)から(S+β)≦Mに変化した場合は、加熱コイル200への投入電力量を変化量a3だけ減少させる。この場合の変更量a3は、変化量a1およびa2と同じ値であってもよく、または異なる値であってもよい。また、変更量a3は、加熱調理器100で自動設定してもよく、使用者に設定させてもよい。このように複数の段階で投入電力量を減少させることで、検出した成分濃度に応じてより適切に成分管理を行うことができる。
【0146】
実施の形態11.
次に、本発明の実施の形態11について説明する。実施の形態11における成分検知装置1Bは、電源スイッチ81および検知スイッチ82を備える点において実施の形態1と相違する。加熱調理器100の構成および成分検知装置1Bのその他の構成については、実施の形態1と同様である。
【0147】
図25は、本実施の形態における成分検知装置1Bの正面斜視図である。また、
図26は、本実施の形態における成分検知装置1Bの内部構成を示す図である。
図25に示すように、成分検知装置1Bの筐体10の側面には、成分検知装置1Bの電源をON/OFFするための電源スイッチ81と、成分検知装置1Bによる成分検知を開始または停止するための検知スイッチ82とが設けられている。
【0148】
電源スイッチ81および検知スイッチ82の位置は、
図25に示す筐体10の側面に限定されるものではなく、容器400の内側に対向する面以外の面に配置されればよい。また、電源スイッチ81および検知スイッチ82は、押しボタンスイッチであり、成分検知装置1Bの内部へ埋め込まれる構造となっている。これにより、容器400からの水蒸気や調理物の飛散による汚れを防止するとともに、水分や異物との接触を抑制することができる。なお、電源スイッチ81および検知スイッチ82の構造は、上記に限定されるものでない。
【0149】
また、
図26に示すように、本実施の形態の成分検知装置1Bは、表示部20と、通信部40と、検知部50と、電源部60と、制御部70と、に加え、制御部70に検知スイッチ82からの成分検知指令を送信するための操作部80を備える。本実施の形態では、電源スイッチ81を操作することで、電源部60と他の機能ブロック(通信部40、表示部20、制御部70、検知部50など)との通電がON/OFFされる。また、検知スイッチ82が操作されることにより、操作部80に成分検知の開始指令または停止指令を送信することができる。操作部80と、電源スイッチ81と、検知スイッチ82とは、支持部30よりも上方に配置される。
【0150】
図27は、本実施の形態における電源スイッチ81を用いた場合の加熱調理器100および成分検知装置1Bの成分検知制御を示すフローチャートである。
図27において、実線は加熱調理器100および成分検知装置1Bにおける制御の流れを示し、破線は加熱調理器100と成分検知装置1Bとの間の信号の流れを示す。また、
図27では、
図7に示す実施の形態1と同様のステップについては、同じ符号を付す。
【0151】
まず、成分検知装置1Bにおいて、電源スイッチ81がONされると(S111)、電源部60によって、成分検知装置1内の各ブロックに通電が開始される(S112)。そして、加熱調理器100から成分検知の開始を指示する開始指令を受信したか否かが判断される(S113)。ここで、開始指令を受信していない場合(S113:NO)、所定時間が経過したか否かが判断される(S114)。そして、所定時間が経過していない場合は(S114:NO)、ステップS113に戻る。一方、所定時間が経過した場合は(S114:YES)、指令制御部71によって、電源部60が制御され、成分検知装置1内の各部への通電が停止される(S18)。
【0152】
一方、加熱調理器100から開始指令を受信した場合(S113:YES)、通信部40から加熱調理器100へ、開始指令の受信応答が送られる(S115)。そして、成分検知装置1Bの指令制御部71によって、成分検知部51および温度検知部52に成分検知指令が送られ、成分検知部51および温度検知部52による調理物の成分検知および温度検知が行われる(S9)。その後、実施の形態1と同様のステップS10以降の処理が実施される。
【0153】
また、加熱調理器100では、まず、使用者によって加熱調理器100の操作表示部180が操作され、メニュー画面が表示される(S1)。そして、メニュー画面から「成分管理」が選択されたか否かが判断される(S2)。ここで、「成分管理」が選択されない場合(S2:NO)、ステップS19に移行し、選択された項目に従って、通常の加熱調理動作が継続される。
【0154】
一方、「成分管理」が選択された場合(S2:YES)、使用者によって、成分検知の開始指示がなされたか否かが判断される(S6)。そして、成分検知の開始指示がなされていない場合は(S6:NO)、ステップS19に移行し、選択された項目に従って、通常の加熱調理動作が継続される。
【0155】
一方、成分検知の開始指示がなされた場合(S6:YES)、成分管理制御部304によって成分検知を開始する開始指令が生成され、通信部310から成分検知装置1Bに送信される(S7)。そして、成分検知装置1から受信応答があったか否かが判断される(S116)。成分検知装置1から受信応答があった場合(S116:YES)、ステップS12へ移行し、成分情報の受信待ちを行う。一方、成分検知装置1から受信応答がない場合(S116:NO)、操作表示部180に「成分検知装置の電源が入っていない」旨と「再検知を依頼する」旨を表示させる(S117)。これにより、成分検知装置1Bの電源がONになっていないことを使用者に報知することができる。なお、報知の手段は、音声または発光としてもよい。その後、ステップS7へ戻り、移行の処理が繰り返される。
【0156】
続いて、
図28は、本実施の形態における検知スイッチ82を用いた場合の成分検知装置1Bの成分検知制御を示すフローチャートである。
図28において、実線は成分検知装置1Bにおける制御の流れを示し、破線は加熱調理器100への信号の流れを示す。また、
図28では、
図7に示す実施の形態1と同様のステップについては、同じ符号を付す。
【0157】
本処理では、実施の形態1と同様に、加熱調理器100からの起動指令によって成分検知装置1Bの電源がONされてもよいし、電源スイッチ81によって成分検知装置1Bの電源がONされてもよい。そして、検知スイッチ82がONされると(S118)、成分検知装置1の指令制御部71によって、成分検知部51および温度検知部52に成分検知指令が送られ、成分検知部51および温度検知部52による調理物の成分検知および温度検知が行われる(S9)。その後、実施の形態1と同様のステップS10以降の処理が実施される。
【0158】
以上のように、本実施の形態では、成分検知装置1に電源スイッチ81を備えることで必要な時にのみ通電が可能になり、待機電力によるロスやスイッチの切り忘れが削減できる。その結果、成分検知装置1の消費電力を削減し、電池61の使用可能な期間を延ばすことができる。また、成分検知装置1に検知スイッチ82を備えることで、加熱調理器100の操作表示部180を目視して操作することなく、成分検知を行うことができる。これにより、使用者の利便性をさらに向上させることができる。
【0159】
なお、本実施の形態では、電源スイッチ81と、検知スイッチ82との両方を備える構成としたが、何れか一方のみを備える構成としてもよい。または、電源スイッチ81と、検知スイッチ82との両方の機能を備えたスイッチを一つ備える構成としてもよい。また、起動指令および開始指令を、加熱調理器100または外部機器からの指令と、各スイッチとの両方から受信してもよい。
【0160】
さらに、本実施の形態の成分検知装置1Bに、実施の形態6の情報表示部25を備える構成とし、成分情報等を情報表示部25に表示することで、成分検知装置1Bを加熱調理器100から切り離して単独で使用することもできる。
【0161】
実施の形態12.
次に、本発明の実施の形態12について説明する。実施の形態12の成分検知装置1Cは、実施の形態1の成分検知装置1と異なる形状を有する点において実施の形態1と相違する。加熱調理器100の構成および成分検知装置1Cのその他の構成については、実施の形態1と同様である。
【0162】
図29は、本実施の形態における成分検知装置1Cの正面斜視図である。
図29に示すように、本実施の形態の成分検知装置1Cは、検知部50以外の機能部(通信部40、表示部20、制御部70等)が収容される筐体10Aと、検知部50が収容される筐体10Bと、を備える。筐体10Aは、直方体形状を有し、正面には情報表示部25が設けられている。また筐体10Aの上面には通信ポート41が設けられている。
【0163】
筐体10Bの正面の下部には、成分検知部51が配置されている。また、筐体10Bの上部には、支持部30が設けられる。筐体10Bは細長い棒状であり、筐体10Aの幅よりも細くなるように構成されている。筐体10Bに収容される検知部50と、筐体10Aに収容される各機能部は、電気的に接続されている。なお、筐体10Aが本発明の「第1筐体」に相当し、筐体10Bが本発明の「第2筐体」に相当する。
【0164】
以上のように、本実施の形態によれば、成分検知装置1Cの調理物に接触する容積を小さくすることで、調理物に投入する使用者の抵抗感を低減することができる。
【0165】
また、本実施の形態において、成分検知装置1Cの制御部70における成分分析部72を、加熱調理器100の制御部300に備える構成としてもよい。この場合、成分検知装置1Cは、成分検知部51および温度検知部52が検知した実測データをそのまま加熱調理器100に送信すればよい。このように、成分検知装置1Cの機能の一部を加熱調理器100に備えることで、成分検知装置1Cをさらに小型化することができる。また、成分検知装置1Cの機能が削減できることで、成分検知装置1の落下、洗浄等の負荷による不具合を低減でき、耐久性を向上させることができる。
【0166】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して説明したが、本発明の具体的な構成はこれに限られるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、上記実施の形態では、加熱調理器100の操作表示部180を操作することで、成分検知制御を行う構成としたが、これに限定されるものではなく、加熱調理器100のその他の操作部(上面操作部160または前面操作部140)によって操作してもよい。また、加熱調理器100および成分検知装置1の成分管理機能に関する設定および制御を、携帯端末またはPCなどの外部機器にて行うことも可能である。また、加熱調理器100において、必要に応じて外部機器から成分管理情報、分析結果を取得する機能を備えてもよい。このように、外部機器からの制御を可能とすることで、一人暮らしの高齢者や、在宅治療中の患者、等の特に食事制限が必要な使用者の食生活を遠隔で管理することが可能になり、健康へのアシストにつながる。
【0167】
さらに、上記実施の形態1〜12における構成は、適宜組み合わせることが可能である。例えば、実施の形態1の自動検知処理(デフォルト)、実施の形態2の自動検知処理(任意設定)、実施の形態3の登録条件処理、実施の形態4の任意検知処理、実施の形態7〜10の何れかの自動成分管理処理を、使用者が任意に選択できる構成としてもよい。
【0168】
図30は、本変形例における加熱調理器100の成分検知制御を示すフローチャートである。
図30では、
図7に示す実施の形態1と同様のステップについては、同じ符号を付す。まず、使用者によって加熱調理器100の操作表示部180が操作され、メニュー画面が表示される(S1)。そして、メニュー画面から「成分管理」が選択されたか否かが判断される(S2)。ここで、「成分管理」が選択されない場合(S2:NO)、選択された項目に従って、通常の加熱調理動作が継続される(S19)。
【0169】
一方、「成分管理」が選択された場合(S2:YES)、操作表示部180に、検知モードを選択するための選択画面が表示される。
図31は、加熱調理器100の操作表示部180に表示される検知モード選択画面の一例である。
図31に示すように、検知モードは、加熱調理器100で予め設定した時間間隔で成分検知装置1が自動的に成分検知を行う「自動検知(デフォルト)」(実施の形態1)、使用者が自動検知条件を設定する「自動検知(任意設定)」(実施の形態2)、過去に登録された自動検知条件を選択して成分検知を行う「登録条件選択」(実施の形態3)、使用者が任意のタイミングで成分検知を行う「任意検知」(実施の形態4)、管理濃度との比較によって成分濃度管理を行う「自動成分管理」(実施の形態7〜10)、などがある。検知モードについては、これらに限定されるものではない。また、
図31は一例であり、表示方法および表示内容については、任意に変更可能である。
【0170】
図30に戻って、使用者によって、何れかの検知モードが選択されると(S122)、選択された検知モードに応じた制御が開始される(S123a〜S123e)。このように、検知モードを選択できることで、使用者の好みや状況に応じて、加熱調理器と成分検知装置を連動させることができ、使用者の利便性をさらに向上させることができる。
【0171】
また、加熱調理器100の自動調理メニューにおいて、成分濃度を予め設定し、設定された成分濃度と、成分検知装置1で検知される成分情報の濃度とを比較して、火力を自動調整する構成としてもよい。この場合、調理物の濃度が予め設定された濃度となるように、加熱制御部303によって火力が自動制御される。また、自動調理メニューにおける成分濃度を、使用者によって任意に設定および変更可能としてもよい。