【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の態様において、外科用器具は、スイッチ基盤、スイッチ基盤に結合された電力バス、電力バスに結合された導線、電力バスに動作可能に係合されたアクチュエータ、膜および、筐体を含む。スイッチ基盤は、上面、底面および側面を有する。膜は、スイッチ基盤の少なくとも上面および、スイッチ基盤の上面を密封する電力バスを覆って配置される。筐体は、近位開口および、近位端および遠位端の間にスイッチ基盤キャビティを画定する。筐体は、近位端または遠位端のうちの少なくとも一つに隣接して配置される複数の流体不透過性シールを形成する複数の隔壁を含む。流体不浸透シールは流体がスイッチ基盤キャビティの近位部分を貫通するのを防ぐように構成され、スイッチ基盤キャビティ内では、導線は電力バスに結合される。
【0005】
態様においては、複数の隔壁は筐体から延在する上側隔壁を含む。上側隔壁のそれぞれは、膜を係合し得、複数の流体不浸透性シールのうちの一つを形成する。上側隔壁は、膜を係合し得、該膜とスイッチ基盤キャビティの一部分との間に第二の流体不浸透シールを形成する。
【0006】
いくつかの態様では、膜はスイッチ基盤の上面および側面のそれぞれの一部分に配置される。膜は、側面のそれぞれの上を完全に覆って配置され得、膜の一部分はスイッチ基盤の底面を覆って配置され得る。
【0007】
ある態様では、膜および複数の隔壁は、流体がスイッチ基盤に接触することを防ぐ。
【0008】
特定の態様では、外科用器具は、少なくとも一つの導線を囲み複数の隔壁のうちの少なくとも一つを通過するケーブルを含む。ケーブルは、機械的にスイッチ基盤に結合され得る。ケーブルは、ケーブルと共に複数の液体不浸透シールのうちの一つを形成するスイッチ基盤の近位端に隣接して位置決めされる複数の隔壁のうちの少なくとも一つを通過し得る。複数の隔壁は、スイッチ基盤の近位端に隣接して位置決めされた、近位開口隔壁を含み得、近位開口隔壁は、ケーブルと共に、複数の流体不浸透シールのうちの一つを形成する。
【0009】
いくつかの態様では、電力バスは、それらから近位に延在する電極コネクタを含む。電極コネクタは、電極を受け取るように構成された電極開口を画定する。筐体は、遠位開口と流体不浸透シールを電極コネクタと共に形成するスイッチ基盤との間に配置される電極コネクタ隔壁を含み得る。
【0010】
いくつかの態様では、筐体は、流体不浸透シールを形成し得る遠位上側および下側隔壁を含む。遠位上側および下側隔壁は、流体不浸透性シールをスイッチ基盤と共に形成し得る。
【0011】
態様においては、筐体は、合わせ面に沿って接合される第一の筐体部分および第二の筐体部分を含む。合わせ面は実質的に、筐体の長手方向軸に平行である。第一の筐体部分は、複数の隔壁のうちの少なくとも一つである第一のハーフを含み得、および、第二の筐体は、複数の隔壁のうちの少なくとも一つである第二のハーフを含み得る。
【0012】
いくつかの態様では、筐体は、その外面を通るアクチュエータ開口を画定する。アクチュエータ開口は、スイッチ基盤キャビティと連通し得る。アクチュエータは、アクチュエータ開口内に配置され得る。
【0013】
本開示の他の態様において、外科用器具はスイッチ基盤、スイッチ基盤に結合された電力バス、膜、および、筐体を含む。スイッチ基盤は、上面、底面および側面を有する。膜は、スイッチ基盤の少なくとも上面を覆って、かつ、電力バスを覆って配置され、スイッチ基盤の上面を密封する。筐体は、近位開口、遠位開口、アクチュエータ開口および、上側および下側部分を含むスイッチ基盤キャビティを画定する。筐体は、複数の隔壁を含み、隔壁は、近位、遠位または、アクチュエータ開口のうちの少なくとも一つに近接して配置されている複数の流体不浸透性シールを形成する。流体不浸透性シールは、流体がスイッチ基盤キャビティを貫通することを防止するように構成されている。
【0014】
いくつかの態様では、複数の隔壁は、アクチュエータ開口に隣接する筐体から延在する上側隔壁を含む。上側隔壁のそれぞれは、膜を係合して複数の流体不浸透性シールのうちの一つを形成する。
【0015】
ある態様では、膜は、スイッチ基盤の上面および側面のそれぞれの一部分を覆って配置されている。
【0016】
特定の態様において、外科用器具は、導線を取り囲むケーブルを含む。ケーブルは、複数の隔壁のうちの一つを通過し、筐体の近位開口を通って延在し得る。ケーブルは、スイッチ基盤の近位端に隣接して配置された複数の隔壁のうちの一つを通過し、隔壁はケーブルと共に複数の流体不浸透シールのうちの一つを形成する。複数の隔壁は、近位開口隔壁を含み、近位開口隔壁は、近位開口に隣接して配置されて複数の流体不浸透性シールのうちの一つをケーブルと共に形成する。複数の隔壁は、遠位下側隔壁および遠位開口と遠位下側隔壁との間に配置された電極コネクタ隔壁を含み得る。遠位下側隔壁および電極コネクタ隔壁は、複数の流体不浸透性シールのうちの一つを電力バスから近位に延在する電極コネクタと共に形成する。
【0017】
本開示のなおも別の態様において、外科用器具の組み立て方法は、電力バスを上面、底面、および側面を有するスイッチ基盤に結合し、膜をスイッチ基盤の上面に接着して電力バスを覆ってスイッチ基盤アセンブリを形成し、スイッチ基盤アセンブリを、下側筐体部分によって画定されたスイッチ基盤キャビティの第一の部分内に配置し、ついで、下側筐体部分を上側筐体部分と接合することを含む。上側筐体部分は、スイッチ基盤キャビティの第二の部分を画定し、スイッチ基盤は、スイッチ基盤キャビティの第一の部分内に配置される。上側および下側の筐体部分を共に接合することは、流体がスイッチ基盤キャビティの近位部分を貫通することを防ぎ、スイッチ基盤キャビティ内では、導線が電力バスに結合される。
【0018】
態様において、下側筐体部分を上側筐体部分と接合することは、スイッチ基盤の側面のそれぞれに接着された膜の一部分をスイッチ基盤キャビティの第一および第二の部分の壁と係合し、流体不浸透シールを形成することを含む。下側筐体部分を上側筐体部分と接合することは、近位および遠位の下側隔壁を形成することを含み、これらの下側隔壁は、一緒にスイッチ基盤キャビティをそれらの下側隔壁の間に画定し得る。近位および遠位の下側隔壁のそれぞれは、スイッチ基盤と係合し、共に流体不浸透シールを形成し得る。下側筐体部分を上側筐体部分と接合することは、接着剤、音波溶接、またはレーザ溶接を適用することを含み得る。
【0019】
いくつかの態様では、方法は、アクチュエータを、第二の筐体部分によって画定されるアクチュエータ開口内に位置決めすることを含む。アクチュエータ開口は、スイッチ基盤キャビティと連通し得る。方法は、ケーブルを電力バスに電気的に結合することを含み得る。
【0020】
ある態様においては、下側筐体部分を上側筐体部分と接合することは、膜を上側筐体部分から下側筐体部分に向かって延在する上側隔壁と係合し、膜と共に流体不浸透シールを形成することを含む。膜を上側隔壁と係合することは、膜をスイッチ基盤に対して押し付けることを含み得る。
【0021】
本開示のなおも別の態様において、外科用器具を組み立てる方法は、電力バスを、上面、底面および側面を有するスイッチ基盤に結合することを含み、膜をスイッチ基盤の上面に、電力バスを覆って接着してスイッチ基盤アセンブリを形成すること、スイッチ基盤アセンブリを、下側筐体部分により画定されるスイッチ基盤キャビティの第一の部分内に位置決めすること、および、下側筐体部分を、スイッチ基盤キャビティの第二の部分を画定する上側筐体部分と接合することを含む。スイッチ基盤は、流体がスイッチ基盤キャビティの第一の部分を貫通するのを防ぐように、スイッチ基盤キャビティの第一の部分内に配置される。
【0022】
いくつかの態様では、下側筐体部分を上側筐体部分と接合することは、スイッチ基盤の側面に接着された膜の一部をスイッチ基盤キャビティの第一および第二の部分の壁と係合し、シールを形成することを含む。下側筐体部分を上側筐体部分と接合することは、近位および遠位スイッチ基盤隔壁を形成し、近位および遠位スイッチ基盤隔壁は、それらの間にスイッチ基盤キャビティを画定することを含み得る。近位および遠位のスイッチ基盤隔壁は、スイッチ基盤と係合してシールを形成し得る。下側筐体部分を上側筐体部分と接合することは、接着剤、音波溶接、またはレーザ溶接を適用することを含み得る。下側筐体部分を上側筐体と接合することは、膜を、上側筐体部分から下側筐体部分に向かって延在するスイッチ突起部と係合し、膜と共にシールを形成することを含む。膜をスイッチ突起部と係合することは、スイッチ基盤に対して膜を備えることを含む。
【0023】
ある態様においては、方法は、スイッチを、上側筐体部分によって画定されるスイッチ開口内に位置決めすることを含み得る。スイッチ開口は、スイッチ基盤キャビティと連通し得る。
【0024】
特定の態様において、方法は、電力ケーブルを電力バスに電気的に結合することを含み得る。
【0025】
現在開示している電気外科ペンシルの組み立ては、電気外科ペンシルの組み立ての間の手作業を削減することによって製造コストを低減する。電気外科ペンシルの設計は、露出されたスイッチと他の電気部品との間にシールを形成することによって、これを可能にし、これは、完全な機械組み立てを可能にする。これは、かなりの製造コストをセーブし、外科医に対して不必要なコストの節約をもたらし、患者に対して節約をもたらす。
【0026】
さらに、一貫性のある限り、本明細書に記載されたいかなる態様も、本明細書に記載された他の態様のいずれか、またはすべてと共に使用され得る。本発明は、例えば、次のような項目を提供する。
(項目1)
外科用器具であって、該外科用器具は、
上面、底面および側面を有するスイッチ基盤と、
該スイッチ基盤に結合された電力バスと、
該電力バスに結合された少なくとも一つの導線と、
少なくとも該スイッチ基盤の上面を覆って、かつ、該スイッチ基盤の該上面を密封する該電力バスを覆って配置された膜と、
近位端、遠位端、および該近位端と該遠位端との間のスイッチ基盤キャビティを画定する筐体であって、該筐体は、該近位端または該遠位端のうちの少なくとも一つに隣接して配置された複数の流体不浸透シールを形成する複数の隔壁を含み、該流体不浸透シールは、流体が該スイッチ基盤キャビティの近位部分を貫通することを防ぐように構成されており、該スイッチ基盤キャビティ内で該少なくとも一つの導線が該電力バスに結合されている、筐体と
を含む、外科用器具。
(項目2)
前記複数の隔壁は、前記筐体から延在する上側隔壁を含み、該上側隔壁のそれぞれは、前記膜を係合し、前記複数の流体不浸透シールのうちの一つを形成する、項目1に記載の外科用器具。
(項目3)
前記上側隔壁は、前記膜を係合し、該膜と前記スイッチ基盤キャビティの一部分との間に、第二の流体不浸透シールを形成する、項目1〜2のいずれかに記載の外科用器具。
(項目4)
前記膜は、前記スイッチ基盤の上面および側面のそれぞれの一部分を覆って配置される、項目1〜3のいずれかに記載の外科用器具。
(項目5)
前記膜は、側面のそれぞれを完全に覆って配置され、該膜の一部分は、前記スイッチ基盤の前記底面の一部分を覆って配置されている、項目1〜4のいずれかに記載の外科用器具。
(項目6)
前記膜および前記複数の隔壁は、流体が前記スイッチ基盤と接触することを防ぐ、項目1〜5のいずれかに記載の外科用器具。
(項目7)
少なくとも一つの導線を取り囲むケーブルをさらに含み、該ケーブルは前記複数の隔壁のうちの少なくとも一つを通過する、項目1〜6のいずれかに記載の外科用器具。
(項目8)
前記ケーブルは、前記スイッチ基盤の近位端に隣接して位置決めされた、前記複数の隔壁のうちの少なくとも一つを通過し、該複数の隔壁のうちの少なくとも一つは、該ケーブルと共に前記複数の流体不浸透シールのうちの一つを形成する、項目1〜7のいずれかに記載の外科用器具。
(項目9)
前記複数の隔壁は、前記近位開口に隣接して位置決めされた近位開口隔壁を含み、該近位開口隔壁は、前記ケーブルと共に、前記複数の流体不浸透シールのうちの一つを形成する、項目1〜8のいずれかに記載の外科用器具。
(項目10)
前記筐体は、遠位上側および下側隔壁を含み、該隔壁は遠位流体不浸透シールを形成する、項目1〜9のいずれかに記載の外科用器具。
(項目11)
前記遠位上側および下側隔壁は、前記スイッチ基盤と共に、遠位流体不浸透シールを形成する、項目1〜10のいずれかに記載の外科用器具。
(項目12)
前記筐体は、第一の筐体部分および第二の筐体部分を含み、該第一および第二の筐体部分は、該筐体の長手方向軸に平行な合わせ面に沿って接合される、項目1〜11のいずれかに記載の外科用器具。
(項目13)
前記第一の筐体部分は、前記複数の隔壁のうちの少なくとも一つの第一のハーフを含み、前記第二の筐体部分は、前記複数の隔壁のうちの少なくとも一つの第二のハーフを含む、項目1〜12のいずれかに記載の外科用器具。
(項目14)
電力バスと動作可能に係合されたアクチュエータをさらに含み、前記筐体は、その外面を通るアクチュエータ開口を画定し、該アクチュエータ開口は、前記スイッチ基盤キャビティと連通しており、かつ、該アクチュエータは該アクチュエータ開口内に配置される、項目1〜13のいずれかに記載の外科用器具。
(項目15)
外科用器具であって、該外科用器具は、
上面、底面および側面を有するスイッチ基盤と、
該スイッチ基盤に結合された電力バスと、
少なくとも該スイッチ基盤の上面を覆って、かつ、該スイッチ基盤の該上面を密封する電力バスを覆って配置された膜と、
近位開口、遠位開口、アクチュエータ開口、および上側部分および下側部分を含むスイッチ基盤キャビティを画定する筐体であって、該筐体は、該近位開口、該遠位開口、または、該アクチュエータ開口のうちの少なくとも一つに隣接して配置された、複数の流体不浸透シールを形成する複数の隔壁を含み、該流体不浸透シールは、流体がスイッチ基盤キャビティを貫通することを防ぐように構成されている、筐体と
を含む、外科用器具。
(項目16)
前記複数の隔壁は、前記アクチュエータ開口に隣接する前記筐体から延在する上側隔壁を含み、該上側隔壁のそれぞれは、前記膜を係合して、複数の流体不浸透シールのうちの一つを形成する、項目1〜15のいずれかに記載の外科用器具。
(項目17)
前記膜は、前記スイッチ基盤の前記上面および前記側面のそれぞれの一部分を覆って配置される、項目1〜16のいずれかに記載の外科用器具。
(項目18)
少なくとも一つの導線を取り囲んでいるケーブルをさらに含み、該ケーブルは前記複数の隔壁のうちの少なくとも一つを通過し、かつ、前記筐体の近位開口を通って延在し、前記ケーブルは、前記スイッチ基盤の近位端に隣接して位置決めされた、該複数の隔壁のうちの少なくとも一つを通過し、該複数の隔壁のうちの少なくとも一つは、該ケーブルと共に、前期複数の不浸透シールの一つを形成する、項目1〜17のいずれかに記載の外科用器具。
(項目19)
前記複数の隔壁は、近位開口に隣接して位置決めされた近位開口障壁を含み、該近位開口隔壁は、該ケーブルと共に前記複数の流体不浸透シールのうちの一つを形成する、項目1〜18のいずれかに記載の外科用器具。
(項目20)
前記複数の隔壁は、前記遠位下側隔壁と、前記遠位開口と前記遠位下側隔壁との間に配置された電極コネクタ隔壁を含み、該遠位下側隔壁と前記電極コネクタ隔壁のそれぞれは、前記電力バスから近位に延在する電極コネクタと共に、前記複数の流体不浸透シールのうちの一つを形成する、項目1〜19のいずれかに記載の外科用器具。
(摘要)
外科用器具は、スイッチ基盤、スイッチ基盤に結合された電力バス、電力バスに結合された導線、電力バスと動作可能に係合されたアクチュエータ、電力バスと動作可能に係合されたアクチュエータ、膜、および筐体を含む。スイッチ基盤は、上面、底面、および側面を有する。膜は、スイッチ基盤の上面を覆って、かつ、電力バスを覆って配置されてスイッチ基盤の上面を密封する。筐体は、近位端、および遠位端、および近位端と遠位端との間のスイッチ基盤キャビティを画定する。筐体は、近位端および遠位端のうちの一つに隣接して配置された複数の流体不浸透シールを形成する隔壁を含む。流体不浸透シールは、流体が該スイッチ基盤キャビティの近位部分を貫通することを防ぐように構成されており、スイッチ基盤キャビティ内では、少なくとも一つの導線が電力バスに結合されている。