(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車両搭載可能コントローラ(120)、特に、車両に搭載されており、用いられる際に、車両の動作の少なくとも一部をコンピュータネットワークにおけるコンピュータネットワーク要素として制御するコントローラを動作させるための方法であって、車両搭載可能コントローラ(120)のアイドルコントローラリソースが、
− 車両搭載可能コントローラ(120)が搭載されている車両の動作モードを判断する(201)ステップと、
− 車両搭載可能コントローラ(120)をネットワーク要素として用いるべきかどうかを、特にテストが実行される時点における車両の動作モードに応じて判断するためのテストを実行する(202)ステップと、
によって、遠隔処理のためにコンピュータネットワークに提供され、
テストの結果が、テストが実行される時点において、車両搭載可能コントローラ(120)が搭載されている車両がバッテリ充電デバイス(140)に特にケーブル(145)を経由して接続されているとき、または、車両搭載可能コントローラ(120)への電源がオンに切り替えられるときに、車両搭載可能コントローラ(120)をネットワーク要素として用いる、
方法。
− 動作モードの変化(301)が検出された時、特に車両シャットダウンリクエスト(301)が検出された時に、遠隔的に処理されるデータのスナップショットの転送を要求すべきか、または、車両搭載可能コントローラ(120)をシャットダウンする前に処理を終了すべきかを判断する(302)更なるステップを含む、請求項2に記載の方法。
− 動作モードの変化(301)が検出された時、特に車両シャットダウンリクエスト(301)が検出された時に、車両搭載可能コントローラ(120)をシャットダウンする前に、遠隔的に処理されるデータのスナップショットの転送を要求する(303)ステップを含む、請求項2または3に記載の方法。
− 動作モードの変化(301)が検出された時、特に車両シャットダウンリクエスト(301)が検出された時に、車両搭載可能コントローラ(120)をシャットダウンする前に、遠隔的に処理されるデータの処理を終了するように要求する(303)ステップを含む、請求項2または3に記載の方法。
− 特に車両搭載可能コントローラ(120)によって、車両搭載可能コントローラ(120)に関する情報を送る(203)ステップを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
− 車両搭載可能コントローラ(120)に関する情報が、車両搭載可能コントローラ(120)のアイドルコントローラリソースに関する情報を含む、請求項6に記載の方法。
− 所定のデータ、特にデータベース(115)上に格納されているデータからデータを選択(204、205、206)し、選択の結果に応じて、特にデータのサイズまたはタイプと車両搭載可能コントローラ(120)に関する情報とに応じて、選択されたデータを遠隔処理のために車両搭載可能コントローラ(120)に送る(207)ステップを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
テストが実行される時点において車両搭載可能コントローラ(120)が搭載されている車両がバッテリ充電デバイス(140)に特にケーブル(145)を経由して接続されているかどうかを判断することによって、動作モードが判断される(201)、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
車両に搭載されているときに、車両の動作の少なくとも一部を制御するための車両搭載可能コントローラ(120)であって、コンピュータネットワークにおけるコンピュータネットワーク要素として、遠隔処理のために、車両搭載可能コントローラ(120)のアイドルコントローラリソースをコンピュータネットワークに提供するように動作可能であり、
− 車両搭載可能コントローラ(120)が搭載されている車両の動作モードを判断し、
− 車両搭載可能コントローラ(120)をネットワーク要素として用いるべきかどうかを、特にテストが実行される時点における車両の動作モードに応じて判断するためのテストを実行し、
テストの結果が、テストが実行される時点において、車両搭載可能コントローラ(120)が搭載されている車両がバッテリ充電デバイス(140)に特にケーブル(145)を経由して接続されているとき、または、車両搭載可能コントローラ(120)への電源がオンに切り替えられるときに、車両搭載可能コントローラ(120)をネットワーク要素として用いる、
ように動作可能である、
車両搭載可能コントローラ(120)。
車両搭載可能コントローラ(120)、特に、車両に搭載されており、用いられる際に、車両の動作の少なくとも一部をコンピュータネットワークにおけるコンピュータネットワーク要素として制御するコントローラを管理するためのデバイス(120、110)であって、
− 車両搭載可能コントローラ(120)が搭載されている車両の動作モードを判断し、
− 車両搭載可能コントローラ(120)をネットワーク要素として用いるべきかどうかを、特にテストが実行される時点における車両の動作モードに応じて判断するためのテストを実行し、
テストの結果が、テストが実行される時点において、車両搭載可能コントローラ(120)が搭載されている車両がバッテリ充電デバイス(140)に特にケーブル(145)を経由して接続されているとき、または、車両搭載可能コントローラ(120)への電源がオンに切り替えられるときに、車両搭載可能コントローラ(120)をネットワーク要素として用い、
− 遠隔処理のためにコンピュータネットワークに提供される車両搭載可能コントローラ(120)のアイドルコントローラリソースを判断し、
− 所定のデータ、特にデータベース(115)上に格納されているデータからデータを選択し、テストの結果に応じて、特にデータのサイズまたはタイプと車両搭載可能コントローラ(120)に関する情報とに応じて、選択されたデータを遠隔処理のために車両搭載可能コントローラ(120)に送る
ように動作可能である、
デバイス(120、110)。
コンピュータネットワークにおけるコンピュータネットワーク要素として車両搭載可能コントローラ(120)を動作させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータ上で実行されると、請求項1に記載の方法のステップをコンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
よって、本発明の目的は、車両搭載可能コントローラが車両を制御するために用いられていない間に、車両搭載可能コントローラのアイドル状態にあるリソースを、利用することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の主要なアイデアは、車両搭載可能コントローラ、特に、車両に搭載されており、用いられる際に、車両の動作の少なくとも一部をコンピュータネットワークにおけるコンピュータネットワーク要素として制御するコントローラを、動作させることであって、この車両搭載可能コントローラのアイドルコントローラリソースは、
− 車両搭載可能コントローラが搭載されている車両の動作モードを判断するステップと、
− 車両搭載可能コントローラをネットワーク要素として用いるべきかどうかを、特にテストが実行される時点における車両の動作モードに応じて判断するためのテストを実行するステップと、
によって、遠隔処理のためにコンピュータネットワークに提供される。
【0005】
これにより、車両搭載可能コントローラのコントローラリソースは、車両搭載可能コントローラが搭載されている車両が適切な動作モードにあるときに限り、遠隔処理のためにコンピュータネットワークと共有される、ということが保証される。
【0006】
有利には、特に車両搭載可能コントローラによって、遠隔処理のためのデータは受け取られ、特に車両搭載可能コントローラによって、遠隔処理の結果が送られる。このようにして、遠隔処理のためのデータは、コンピュータネットワークと車両搭載可能コントローラとの間で転送される。
【0007】
有利には、車両シャットダウンリクエストが検出されると、遠隔的に処理されるデータのスナップショットの転送を要求すべきか、または、車両搭載可能コントローラをシャットダウンする前に処理の終了を要求すべきかが、判断される。これにより、例えば車両のイグニションロックから受け取られた車両シャットダウンリクエストが、車両搭載可能コントローラがコンピュータネットワークのためにまだデータを遠隔的に処理している間には、結果的に車両搭載可能コントローラの直接的なシャットダウンを生じさせないことが保証される。
【0008】
有利には、車両シャットダウンリクエストが検出されると、車両搭載可能コントローラをシャットダウンする前に、遠隔的に処理されるデータのスナップショットの転送が要求される。これにより、既に処理されたデータを、それがスナップショット状態にあるままで保存することが可能になる。
【0009】
有利には、車両シャットダウンリクエストが検出されると、車両搭載可能コントローラをシャットダウンする前に、遠隔的に処理されるデータの処理を終了するように要求がなされる。これにより、データの処理が終了した後で、車両搭載可能コントローラがシャットダウンされることが可能になる。
【0010】
有利には、車両搭載可能コントローラに関する情報が、送られる。これにより、車両搭載可能コントローラに関する追加的な情報が、コンピュータネットワークに提供される。
【0011】
有利には、車両搭載可能コントローラに関する情報は、車両搭載可能コントローラのアイドルコントローラリソースに関する情報を含む。このようにして、車両搭載可能コントローラのアイドルリソースが、コンピュータネットワークにとって利用可能になる。
【0012】
有利には、データが、所定のデータ、特にデータベース上に格納されているデータから選択され、選択の結果に応じて、特にデータのサイズまたはタイプと車両搭載可能コントローラに関する情報とに応じて、選択されたデータが、遠隔処理のために車両搭載可能コントローラに送られる。このようにして、遠隔処理のための適切なデータが選択され、車両搭載可能コントローラに送られる。
【0013】
有利には、テストの結果は、車両搭載可能コントローラへの電源がオンに切り替えられるときに、または、テストが実行される時点において車両搭載可能コントローラが搭載されている車両がバッテリ充電デバイスに特にケーブルを経由して接続されているときに、車両搭載可能コントローラをネットワーク要素として用いるということである。これにより、適切な動作モードを容易に選択することが可能になる。
【0014】
有利には、動作モードは、テストが実行される時点において車両搭載可能コントローラが搭載されている車両がバッテリ充電デバイスに特にケーブルを経由して接続されているかどうかを判断することによって、判断される。これにより、動作モードを容易に判断することが可能になる。
【0015】
有利には、車両搭載可能コントローラをネットワーク要素としてアクティブ化するための第1のメッセージ、または、車両搭載可能コントローラをネットワーク要素として非アクティブ化するための第2のメッセージが送信される。このようにして、車両搭載可能コントローラをコンピュータネットワークから遠隔的にアクティブ化または非アクティブ化することが、可能になる。また、本発明は、車両に搭載されているときに、車両の動作の少なくとも一部を制御するための車両搭載可能コントローラであって、コンピュータネットワークにおけるコンピュータネットワーク要素として、遠隔処理のために、車両搭載可能コントローラのアイドルコントローラリソースをコンピュータネットワークに提供するように動作可能であり、
− 車両搭載可能コントローラが搭載されている車両の動作モードを判断し、
− 車両搭載可能コントローラをネットワーク要素として用いるべきかどうかを、特にテストが実行される時点における車両の動作モードに応じて判断するためのテストを実行する、
ように動作可能である、車両搭載可能コントローラに関する。
【0016】
更に、本発明は、車両搭載可能コントローラ、特に、車両に搭載されており、用いられる際に、車両の動作の少なくとも一部をコンピュータネットワークにおけるコンピュータネットワーク要素として制御するコントローラを管理するためのデバイスであって、
− 車両搭載可能コントローラが搭載されている車両の動作モードを判断し、
− 車両搭載可能コントローラをネットワーク要素として用いるべきかどうかを、特にテストが実行される時点における車両の動作モードに応じて判断するためのテストを実行し、
− 遠隔処理のためにコンピュータネットワークに提供される車両搭載可能コントローラのアイドルコントローラリソースを判断し、
− 所定のデータ、特にデータベースに格納されているデータからデータを選択し、テストの結果に応じて、特にデータのサイズまたはタイプと車両搭載可能コントローラに関する情報とに応じて、選択されたデータを遠隔処理のために車両搭載可能コントローラに送る、
ように動作可能である、デバイスに関する。
【0017】
本発明の更なる展開は、従属請求項と以下の説明とから収集することが可能である。
【0018】
以下では、添付の図面を参照しながら、本発明が更に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、コンピュータネットワークの一部を示している。本発明の第1の実施形態によれば、このコンピュータネットワークは、車両搭載可能コントローラを管理するための中央サーバ110を備えている。中央サーバ110は、データリンクを経由して、データベース115に接続されている。更に、中央サーバ110は、データリンクを経由して、第1のトランシーバ130に接続されている。中央サーバ110とデータベース115または第1のトランシーバ130との間のデータリンクは、直接的なデータリンク、またはコンピュータネットワークの複数のノードを経由するリンクであり得る。中央サーバ110、データベース115および第1のトランシーバ130は、IMSとして広く知られているインターネットプロトコルマルチメディアサブシステムによるコンピュータネットワークの一部であり得る。そのようなコンピュータネットワークは、当業者に広く知られているものであり、本明細書においてこれ以上の説明は行わない。
【0021】
このコンピュータネットワークは、第2のトランシーバ125を経由してこのコンピュータネットワークに接続可能である1つまたは複数の車両搭載可能コントローラ120を、少なくとも一時的に備えている。このコンピュータネットワークへの接続は、例えば、第2のトランシーバ125と第1のトランシーバ130との間でなされる。この接続は、例えば、LTEとしてよく知られているロングタームエボリューション規格またはIEEE802.11規格によるワイヤレス接続である。
【0022】
車両搭載可能コントローラ120は、この車両搭載可能コントローラ120が搭載されている車両の動作の少なくとも一部を制御するように構成されている。これは、車両に搭載されているコントローラが、使用の際に、例えば車両のエンジン、ブレーキまたは車両内部のナビゲーションシステムなど、車両の動作の少なくとも一部を制御することを意味する。
【0023】
好ましくは、車両は、バッテリによって動作され、電気エンジンによって駆動される電気車両である。この場合、車両搭載可能コントローラ120は、使用の際には、電気車両の動作の少なくとも一部を制御するように構成されている。
【0024】
更に、車両搭載可能コントローラ120は、コンピュータネットワークにおけるコンピュータネットワーク要素として動作可能であり、データの遠隔処理のために、コンピュータネットワークに車両搭載可能コントローラ120のアイドルコントローラリソースを提供する。これは、車両搭載可能コントローラ120が、コンピュータネットワークの任意の他のコンピュータネットワーク要素と同様に、データに対する演算(operations)を実行する命令を実行するように動作可能であることを意味する。その目的のために、命令は、例えば車両搭載可能コントローラ120のストレージにおいてなど、車両搭載可能コントローラ120に、予めインストールされている場合があり得る。あるいは、車両搭載可能コントローラ120は、遠隔処理のための命令とデータとを受け取るようにも、構成され得る。いずれの場合にも、車両搭載可能コントローラ120は、あるタイプまたはサイズのデータだけに対して動作するように、構成することができる。車両搭載可能コントローラ120によって遠隔的に処理可能であるデータのサイズまたはタイプは、予め決定され、例えばリストにおいてなど、車両搭載可能コントローラ120のストレージに格納しておくことができる。
【0025】
車両搭載可能コントローラ120は、この車両搭載可能コントローラにおいて利用可能な自由メモリまたはストレージのアイドル時間またはサイズを判断するように構成されている。この文脈におけるアイドル時間とは、車両搭載可能コントローラ120が、この車両搭載可能コントローラが搭載されている車両を制御するためには用いない、処理時間またはサイクル時間である。利用可能なアイドル時間または自由メモリもしくはストレージのサイズと、処理可能なデータのサイズまたはタイプとを判断するための方法は、当業者には広く知られており、ここではこれ以上の説明を行わない。
【0026】
更に、車両搭載可能コントローラ120は、車両搭載可能コントローラ120が搭載されている車両の動作モードに関する情報を判断するように構成されている。
【0027】
例えば、車両搭載可能コントローラ120は、イグニションロック122をモニタし、イグニションロックがロック位置にあるのかアンロック位置にあるのかを判断するように構成されている。その目的のため、車両搭載可能コントローラ120は、この例によれば、車両搭載可能コントローラが搭載されている車両の動作モードに関する情報を判断するテストを実行するために、車両のイグニションロック122に接続可能である。
【0028】
あるいは、または更に、車両搭載可能コントローラ120は、同じ車両の任意の他の車両搭載可能コントローラに接続され、車両の動作モードに関する情報を受け取るように構成されていることがあり得る。例えば、車両搭載可能コントローラ120は、車両内ナビゲーションシステムの一部であるときには、同じ車両のエンジンコントローラに接続され、車両の動作モードに関する情報を判断するために、エンジンが動いているかどうかに関する情報を受け取ることがあり得る。
【0029】
更に、またはあるいは、電子車両の場合には、車両搭載可能コントローラ120は、プラグ121をモニタし、電気車両が、
図1に示されているように、特にケーブル145を経由して、バッテリ充電デバイス140に接続されているかどうかを判断するように構成され得る。その目的のため、車両搭載可能コントローラ120は、ケーブル145がプラグ121に接続されているか、または、電力がケーブル145を経由して転送されているかどうかをテストするために、プラグ121に接続可能であり得る。この場合、車両搭載可能コントローラ120は、このテストの結果に応じて、その車両搭載可能コントローラが接続されている電気車両の動作モードに関する情報を判断するように構成され得る。プラグ121であるか、プラグ121への接続であるかは、オプショナルである。車両搭載可能コントローラ120は、この車両搭載可能コントローラが電気車両にインストールされるものとして製造される場合には、プラグ121に接続されるように構成され得るだけである。
【0030】
車両の動作モードに関する情報は、例えば、イグニションロック122の状態:「ON」、「ACC」、「LOCK」として、判断される。あるいは、または更に、車両の動作モードに関する情報は、充電状態:「ON」、「OFF」としても、判断され得る。充電状態は、例えば、ケーブル145が電気車両のプラグ121に接続されているときには「ON」を示し、そうでないときには「OFF」を示す。その目的のため、例えば電気信号が評価される。電気信号を、車両の動作モードを判断するための情報に変換する方法は、当業者に広く知られているため、ここでは更なる説明を行わない。
【0031】
動作モードに関する情報が同じ車両の別のコントローラから受信される場合には、例えば、車両搭載可能コントローラ120とその別のコントローラとの間で、CANとして広く知られているコントローラエリアネットワークを経由して、メッセージが交換され得る。複数の車両の間で動作モードに関する情報を交換するための方法も、広く知られている。
【0032】
第1の実施形態によれば、車両搭載可能コントローラ120は、車両搭載可能コントローラ120に関する情報と、車両搭載可能コントローラ120が搭載されている車両の動作モードに関する情報とを送るように構成されている。例えば、利用可能なアイドル時間または自由メモリもしくは利用可能なストレージのサイズと、イグニションロックまたは充電状態に関する状態とが、データリンクを経由して、中央サーバ110に送られる。
【0033】
更に、中央サーバ110は、動作モードに関する情報を受け取り、受け取られた動作モードに関する情報から、車両搭載可能コントローラ120が搭載されている車両の動作モードを判断するように構成されている。
【0034】
例えば、車両の動作モードは、イグニションロック122が「ON」または「ACC」という状態を有するときには、「ON」と判断される。例えば、車両の動作モードは、イグニションロック122が「OFF」という状態を有するときには、「OFF」と判断される。
【0035】
あるいは、または更に、動作モードは、充電状態が「ON」であるときには「ON」と判断され得、そうでないときには「OFF」と判断され得る。プラグ121とイグニションロック122との両方に関する情報を用いる場合には、車両の動作モードは、イグニションロック122の状態とは無関係に、充電状態が「ON」を示しているときは常に、「ON」であると判断され得る。
【0036】
中央サーバ110は、車両搭載可能コントローラ120に関する情報を受け取り、例えば、アイドル時間または自由メモリもしくは利用可能なストレージのサイズに応じて、データのサイズまたはタイプを判断するように構成されている。更に、中央サーバ110は、同様に、データを遠隔的に処理するための命令を送るべきかどうかを、車両搭載可能コントローラ120に関する情報に応じて、判断するように構成され得る。
【0037】
更に、中央サーバ110は、コンピュータネットワークに遠隔処理のために提供されている車両搭載可能コントローラのアイドルコントローラリソースを判断するように構成され得る。アイドルコントローラリソースは、例えば、第1のトランシーバ130を経由して車両搭載可能コントローラ120から受け取られる情報から判断される。例えば、車両搭載可能コントローラ120の利用可能なリソースに関する情報は、データベース115に格納され、現在用いられている処理時間、メモリまたはストレージが、情報として受け取られる。この場合、用いられているものと利用可能であるものとの差が、アイドルコントローラリソースを判断するために、用いられる。
【0038】
更に、中央サーバ110は、車両搭載可能コントローラ120に関する情報に応じて、車両搭載可能コントローラ120をネットワーク要素として用いるべきかどうかを判断するように構成されている。例えば、車両搭載可能コントローラ120は、アイドル時間または自由メモリもしくは利用可能なストレージのサイズを用いて処理が可能なデータが利用可能であると判断する場合には、ネットワーク要素として用いられる。
【0039】
その目的のために、中央サーバ110は、車両の動作モード、特に、そのテストが実行される時点における車両の動作モードに応じて、車両搭載可能コントローラ120をネットワーク要素として用いるべきかどうかを判断するためのテストを実行するように構成されている。例えば、テストの結果は、車両の動作モードが「ON」であるときには、車両搭載可能コントローラ120をネットワーク要素として用いる、ということである。
【0040】
これは、中央サーバ110が、車両搭載可能コントローラ120の動作モードが車両搭載可能コントローラ120をネットワーク要素として用いることに適しているかどうかを判断するように構成されていることを意味する。例えば、車両搭載可能コントローラが搭載されている車両がバッテリ充電ケーブル145を経由してバッテリ充電デバイス140にこのように接続されていることをネットワーク動作モードが示す場合には、車両搭載可能コントローラは、ネットワーク要素として用いられ得る。
【0041】
更に、中央サーバ110は、テストの結果に応じて、特にデータのサイズまたはタイプと受け取られた車両搭載可能コントローラ120に関する情報とに応じて、所定のデータから、特にデータベース115上に格納されているデータからデータを選択し、選択されたデータを遠隔処理のために車両搭載可能コントローラ120に送るように構成されている。例えば、中央サーバ110は、中央サーバ110またはデータベース115に格納されている、データベース115上で利用可能な所定のデータからアイドルコントローラリソースまたは適切な動作モードへの写像を与えるテーブルを参照することにより、データのサイズまたはタイプと車両のアイドル時間または動作モードなどの車両搭載可能コントローラに関する情報とに応じて、所定のデータからデータを選択する。例えば、車両搭載可能コントローラ120が搭載されている車両が通常の動作モードにある場合は、ほとんどアイドル時間を用いず迅速な処理が可能なデータだけが、車両搭載可能コントローラ120上で遠隔的に処理されるように、送られる。例えば、車両がケーブル145を経由してバッテリ充電デバイス140に接続されている場合には、より多くのアイドル時間とより長いプレゼンス(presence)処理時間とを要求するデータのより大きな塊が、車両搭載可能コントローラ120に送られる。同様に、車両の動作モードが「OFF」であるか、または、利用可能なリソースがデータを遠隔的に処理するのに要求されるよりも少ない場合には、データは送られない。
【0042】
あるいは、または更に、車両搭載可能コントローラ120は、車両の動作モードに応じて、特に、テストが実行される時点での車両の動作モードに応じて、車両搭載可能コントローラ120をネットワーク要素として用いるべきかどうかを判断するために、別のテストを実行するように構成され得る。例えば、テストの結果は、車両の動作モードが「ON」であるときには、車両搭載可能コントローラ120をネットワーク要素として用いるということである。この場合、車両搭載可能コントローラ120は、この別のテストの結果に応じて、遠隔処理を求めるリクエストを受け入れる、すなわち、車両の動作モードが「ON」であると結果が示しているときだけリクエストを受け入れ、そうでなければリクエストを拒絶するように構成され得る。
【0043】
その目的のため、車両搭載可能コントローラ120は、車両搭載可能コントローラ120が搭載されている車両の動作モードを、動作モードに関する情報から判断するように構成され得る。
【0044】
更に、またはあるいは、電気車両の場合には、車両搭載可能コントローラ120は、テストの結果に応じて、車両搭載可能コントローラが接続されている電気車両の動作モードを判断するように構成され得る。
【0045】
例えば、車両の動作モードは、イグニションロック122が「ON」または「ACC」の状態を有する場合に、「ON」と判断される。例えば、車両の動作モードは、イグニションロック122が「OFF」の状態を有する場合に、「OFF」と判断される。あるいは、または更に、動作モードは、ケーブル145が車両のプラグ121に接続されていると判断される場合に「ON」であると判断され、そうでない場合に「OFF」であると判断され得る。プラグ121とイグニションロック122とに関する情報を用いる場合には、車両の動作モードは、イグニションロック122の状態とは関係なく、ケーブル145が車両のプラグ121に接続されていると判断されるときは常に、「ON」であると判断され得る。
【0046】
この場合には、動作モードが、動作モードに関する情報に加えて、またはその代わりに、中央サーバ110に送られ得る。第1の場合には、中央サーバ110は、受け取られた動作モードに関する情報を確認するために動作モード情報を用いるように、構成され得る。後者の場合には、動作モードは中央サーバ110において判断されず、受け取られた動作モードだけが、車両搭載可能コントローラ120をネットワーク要素として用いるべきかどうかを判断するために、用いられ得る。
【0047】
更に、中央サーバ110は、車両搭載可能コントローラ120をネットワーク要素としてアクティブ化するために第1のメッセージ200を送信する、または、車両搭載可能コントローラ120をネットワーク要素として非アクティブ化するために第2のメッセージ211を送信するように、構成され得る。
【0048】
第1および第2のメッセージと、第1の実施形態による方法において用いられるそれ以外のメッセージとについては、
図2のシーケンス図を参照して、以下で説明される。
【0049】
第1の実施形態による方法は、例えば、車両搭載可能コントローラ120によってイグニションロック122のイグニション「ON」または「ACC」が検出され、車両搭載可能コントローラ120が第1のトランシーバ130と第2のトランシーバ125とを経由して中央サーバ110との接続の確立に成功した後で、開始する。
【0050】
中央サーバ110と車両搭載可能コントローラ120との両方が、トランシーバ経由でのメッセージの送信および受信を可能にしてこの方法のステップを実装する命令を含んでいる。これらの命令は、例えば、サーバまたはコントローラそれぞれのストレージにコンピュータプログラムまたは実行可能なコードとして格納されており、これら2つの間にデータリンクを設定するための命令を含む。このようにして、車両搭載可能コントローラ120は、例えば、車両搭載可能コントローラ120に恒久的に格納されている中央サーバ110のインターネットプロトコルアドレスを用いて、インターネットプロトコルマルチメディアサブシステムリンクを経由する中央サーバ110への接続を要求するように、構成されている。更に、中央サーバ110は、接続リクエストにおいて受け取られるかまたは中央サーバ110に格納されているかのいずれかである車両搭載可能コントローラ120のインターネットプロトコルアドレスを用いて、車両搭載可能コントローラ120からの接続リクエストを受け入れ、車両搭載可能コントローラ120への接続を確立するように、構成されている。
【0051】
開始の後で、第1のメッセージ200が、車両搭載可能コントローラ120をネットワーク要素としてアクティブ化するために、中央サーバ110から車両搭載可能コントローラ120へ、トランシーバ125および130それぞれを経由して送られる。
【0052】
その後で、ステップ201において、車両搭載可能コントローラ120が、車両搭載可能コントローラが搭載されている車両の動作モードに関する情報を判断する。例えば、車両搭載可能コントローラは、イグニションロック122またはプラグ121をモニタすることによって、動作モードを判断する。
【0053】
動作モードに関する情報とは、例えば、上述したように、イグニションロック122の状態:「ON」、「ACC」、「LOCK」または充電状態「ON」または「OFF」である。
【0054】
その後で、ステップ202において、車両搭載可能コントローラ120が、車両の動作モードを判断する。更に、車両搭載可能コントローラ120が、車両搭載可能コントローラ120をネットワーク要素として用いるべきかどうかを判断するためのテストを実行する。このテストは、車両の動作モードに応じて、特にテストが実行される時点での車両の動作モードに応じて、実行される。例えば、動作モードが「ON」である場合には、車両搭載可能コントローラ120がネットワーク要素として用いられ得る。更に、動作モードが「OFF」である場合には、車両搭載可能コントローラ120は、ネットワーク要素として用いられ得ない。
【0055】
テストの後で、車両搭載可能コントローラ120に関する情報が、車両搭載可能コントローラ120から中央サーバ110への応答203として送られる。例えば、車両搭載可能コントローラ120に関する情報は、車両搭載可能コントローラ120のアイドルコンピュータリソースに関する情報を含む。この文脈におけるアイドルコンピュータリソースとは、上述したように、アイドル処理時間、または利用可能なメモリもしくはストレージであり得る。
【0056】
応答203が受け取られると、中央サーバ110は、ステップ204において、遠隔処理のために車両搭載可能コントローラ120上でどのデータを用いるべきかを判断する。例えば、用いるべきデータは、データの利用可能なアイドルリソースのサイズと車両搭載可能コントローラ120の動作モードとに応じて、所定のデータから選択される。例えば、中央サーバ110は、利用可能なアイドルリソースのために適切なデータを選択することによって、所定のデータのテーブルにおいて、用いるべきデータを参照する。データが選択されると、中央サーバ110は、リクエスト205をデータベース115に送る。データを求めるリクエストが受け取られると、データベース115は、要求されているデータを応答206において戻す。
【0057】
応答206におけるデータを受け取ると、中央サーバ110は、受け取られたデータを、車両搭載可能コントローラ120へのメッセージ207において送る。
【0058】
メッセージ207においてデータを受け取ると、車両搭載可能コントローラ120は、ステップ208において、データを遠隔的に処理する。
【0059】
処理が完了すると、車両搭載可能コントローラ120は、処理の結果を、メッセージ209において中央サーバ110に送る。
【0060】
メッセージ209において結果を受け取ると、中央サーバ110は、その結果を、ストレージへのリクエスト210において、データベース115に送る。データベース115は、格納を求めるリクエスト210をメッセージにおいて受け取ると、その結果を格納する。
【0061】
更に、中央サーバ110は、メッセージ209においてその結果を受け取ると、車両搭載可能コントローラをネットワーク要素として非アクティブ化するための第2のメッセージ211を、車両搭載可能コントローラ120に送る。
【0062】
その後で、この方法が終了する。あるいは、例えば、上述したステップを反復することによって、処理するために追加的なデータが利用可能となる場合には、この方法が継続する。
【0063】
この方法は、以上では、動作モードを判断するために必要なステップを車両搭載可能コントローラ120が実行するものとして、説明されている。実行ステップ202とメッセージ203を送る順序を入れ替えて、動作モードを車両搭載可能コントローラ120から中央サーバ110に向けてメッセージ203において送る代わりに、動作モードに関する情報を送ることによって、この方法は、中央サーバ110にこれらのステップを実行させるように、修正され得る。
【0064】
特に、この方法への割り込み処理のための追加が、
図3を参照して、説明される。
【0065】
割り込み処理は、例えば、車両の動作モードにおいて顕著な変化があると車両搭載可能コントローラ120が判断するときは常に、開始される。例えば、イグニションロック122が回転されると、イグニションロックの状態が「ON」または「ACC」の位置から「OFF」の位置に変化し、車両のユーザが車両をシャットダウンすることを望んでいることが示される。
【0066】
オプションであるが、電気車両の場合には、割り込み処理は、例えば、充電状態が「ON」から「OFF」に変化し、ケーブル145をプラグ121から取り外すことによって電気車両がバッテリ充電デバイス140から切り離されるときには常に、開始される。
【0067】
車両搭載可能コントローラ120が動作モードを判断するのか、または中央サーバ110が動作モードを判断するのかに応じ、割り込み処理が、新たな動作モードを中央サーバ110に転送すること、または、動作モードに関する新たな情報を中央サーバ110に転送することのいずれかによって、開始される。第1の場合には、車両搭載可能コントローラ120が、既に説明されたように、動作モードの代わりに動作モードに関する新たな情報から、新たな動作モードを判断し、その動作モードを中央サーバ110に送る。後者の場合には、中央サーバ110が、既に説明されたように、車両搭載可能コントローラ120から受け取られた動作モードに関する新たな情報から、動作モードを判断する。
【0068】
上述した新たな動作モードを示す、または、動作モードに関する上述した新たな情報を含むメッセージ301が受け取られると、ステップ302が実行される。
【0069】
ステップ302では、動作モードが変化したかどうか、特に、「ON」から「OFF」モードに、すなわち、車両シャットダウンリクエストを示しているかどうかが、判断される。更に、中央サーバ110が、遠隔的に処理されるデータのスナップショットを転送することを要求すべきか、または、車両搭載可能コントローラ120をシャットダウンする前に処理を終了すべきかどうか、を判断する。
【0070】
判断の結果は、メッセージ303において、車両搭載可能コントローラ120に送られる。
【0071】
例えば、メッセージ303は、命令、例えばストリング「スナップショット」または「最終結果」、を含む。
【0072】
結果を含むメッセージ303が受け取られると、車両搭載可能コントローラ120は、車両搭載可能コントローラをシャットダウンする前に遠隔的にデータを処理するか、または、メッセージ303においてリクエストを受け取る時点までに遠隔的に処理されるデータのスナップショットを判断するか、のいずれかである。両方の場合において、車両搭載可能コントローラ120は、処理されたデータのスナップショットであるか、または、車両搭載可能コントローラ120をシャットダウンする前に処理を終了した後の処理の結果であるか、のいずれかである要求されているデータを、メッセージ304において、中央サーバ110に送る。
【0073】
例えば、車両搭載可能コントローラ120は、命令、例えばストリング「スナップショット」または「最終結果」、を含むメッセージ303を解釈し、それに従ってデータを処理するように構成されている。更に、車両搭載可能コントローラ120は、処理が終了するか、または、スナップショットの転送が成功するまで、車両搭載可能コントローラ120のシャットダウンを遅らせるように構成されている。その目的のため、車両搭載可能コントローラ120は、別個のバッテリ、コンデンサまたは車両のバッテリへの直接的な接続を備えており、電力を維持し、中央サーバ110へのデータ転送が成功したことの確認を受けとった後に、オフに切り替わる。
【0074】
メッセージ304においてスナップショットまたは結果が受け取られると、中央サーバ110は、データを、ストレージ305を求めるリクエストにおいて、データベース115に送る。これにより、割り込みがデータ損失を結果的に生じさせないことが、保証される。更に、中央サーバ110は、メッセージ304において結果またはスナップショットを受け取ると、車両搭載可能コントローラ120を非アクティブ化させるために、第2のメッセージ211を送る。これにより、割り込みが検出されてデータが保存される前に、車両搭載可能コントローラ120がシャットダウンされることが、回避される。その目的のために、車両搭載可能コントローラ120は、車両搭載可能コントローラ120をネットワーク要素として非アクティブ化しシャットダウンするまで、第2のメッセージを待機するように構成され得る。
【0075】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態において中央サーバ110によって実行される機能のいくつかが、コンピュータネットワークの全体に分散される。特に、第1の実施形態の中央サーバ110の機能が、同一のまたは異なる車両に搭載されている車両搭載可能コントローラを接続しておりデータ処理のために個別の車両搭載可能コントローラ120においてアイドル状態にあるリソースを共有するピアツーピアネットワークにおけるように、実行され得る。このシナリオでは、データベース115は、車両搭載可能コントローラ120の1つまたは複数において同様に配置されている分散型データベースであり得る。この場合、データベース115だけでなく、
図1の中央サーバ110も、様々な車両上のコンピュータネットワークの全体に分散されている。更に、第1の実施形態において以上で説明した方法のすべてのステップは、ある1つの車両搭載可能コントローラ120から中央サーバ110に送られるのではなく、複数の車両搭載可能コントローラ120の中の1つから、同じコンピュータネットワークの別の車両搭載可能コントローラ120に送られる。第2の実施形態において、個々の車両搭載可能コントローラ120を追跡することは、例えばインターネットプロトコルアドレスのリストなど、参加している車両搭載可能コントローラ120の静的なリストを経由するか、または、トラッカのようなもしくはピアツーピアネットワークの分散型ハッシュテーブルに類似の参照サービスを提供する分散システムを経由するか、のいずれかであり得る。
【0076】
第2の実施形態によれば、車両搭載可能コントローラ120は、第1の実施形態において説明された中央サーバ110またはデータベース115のタスクの少なくとも一部を実行することを可能にする命令とハードウェアとを備えている。
【0077】
本発明は、関係する車両の動作モードを判断する特定の方法に限定されない。特に、イグニションロック122またはプラグ121のモニタリングは、車両の動作モードをどのように判断するかについての単なる例にすぎない。例えば、コントローラエリアネットワークを経由して車両の他のコントローラにアクセスするまたはそれらをモニタすることによって動作モードを判断するどのような他の方法でも、同様に用いられ得る。
【0078】
更に、本発明によれば、データのタイプとサイズとは、いかなる特定のサイズまたはタイプにも限定されない。車両搭載可能コントローラ120に転送されるデータは、処理されるデータと共に命令を含む、またはデータのみを含む、プログラムコードであり得る。この場合、車両搭載可能コントローラ120は、予めインストールされておりデータを遠隔的に処理するのに用いることができるプログラムコードで構成され得る。
【0079】
説明および図面は、本発明の原理を、単に例証しているにすぎない。従って、当業者であれば、本明細書で明示的に説明または示されていなくても、本発明の原理を具体化しておりその精神および範囲に含まれる様々な構成を考案できる、ということが認識されるであろう。更に、本明細書に記載されているすべての例は、基本的に、本発明の原理と発明者らによって貢献がなされこの技術分野を発展させる概念とを読者が理解する助けとなる教育的目的のためのものにすぎないことが明確に意図されているのであって、それらの具体的に記載されている例示および条件に限定されることのないように、解釈されなければならない。更に、その具体例だけでなく、本発明の原理、態様および実施形態に関し本明細書において言及しているすべての記載は、その均等物にも及ぶことが意図されている。
【0080】
「プロセッサ」と名付けられている任意の機能ブロックを含めて、図面に示されている様々な要素の機能は、適切なソフトウェアと協働してソフトウェアを実行することができるハードウェアに加え、専用のハードウェアを用いることを通じても、提供され得る。プロセッサによって提供されるときには、これらの機能は、単一の専用プロセッサにより、単一の共有プロセッサにより、または、それらのうちのいくつかが共有されている場合があり得る複数の個別的なプロセッサにより、提供され得る。更に、「プロセッサ」または「コントローラ」という用語が明示的に用いられていても、ソフトウェアを実行可能なハードウェアを排他的に指すものと解釈されるべきではなく、限定を意味してはいないが、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを記憶するためのリードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)および不揮発性ストレージを、暗黙的に含み得る。また、従来型および/またはカスタムの、他のハードウェアも含まれることがある。
【0081】
本明細書では、いずれのブロック図も、本発明の原理を具体化する例示的な回路の概念図を表していることを、当業者は理解すべきである。同様に、いずれのシーケンス図も、様々なプロセスを表しており、その様々なプロセスは、コンピュータ可読媒体において実質的に表すことが可能であり、コンピュータまたはプロセッサにより、そのようなコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているかどうかとは関係なく、そのように実行され得ることが理解されるであろう。
【0082】
当業者であれば、上述した様々な方法のステップはプログラムされたコンピュータによって実行され得る、ということを容易に理解するであろう。本明細書では、いくつかの実施形態は、プログラムストレージデバイスにも及ぶことも意図されている。プログラムストレージデバイスとは、例えば、マシンまたはコンピュータ可読であって、マシンで実行可能またはコンピュータで実行可能な命令からなるプログラムをエンコードするデジタルデータストレージ媒体であり、この前記命令が、前記上述した方法のステップの一部または全部を実行するのである。このプログラムストレージデバイスは、例えば、デジタルメモリ、磁気ディスクおよび磁気テープなどの磁気ストレージ媒体、ハードドライブまたは光学的に可読なデジタルデータストレージ媒体であり得る。これらの実施形態は、また、上述した方法の前記ステップを実行するようにプログラムされたコンピュータにも及ぶことが意図されている。