(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、従来技術の欠点を克服すると共に電池が充電されている際にそれぞれの異なるセルの駆動を許容する電池及び電池を充電する方法を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的のために、本発明の第1の主題は、電池を充電する方法であり、電池が、複数の再充電可能なセルと、セルを充電するための、且つ、充電器に接続可能な、端子と、それぞれのセルと関連付けられたバイパス回路と、その関連付けられたバイパス回路との間におけるそれぞれのセルの接続及び接続切断を許容するスイッチング要素と、スイッチング要素を制御する制御手段と、を有する、方法において、
iが2以上である電池のi番目の充電を実行するために、
充電器に対する充電端子の接続が検出され、
充電器に対する充電端子の接続の検出により、第1フェーズにおいて、セルとそれぞれ関連付けられた個々の第1先取りバイパス時間にわたってその関連付けられたバイパス回路に対するセルの接続をトリガし、
− 次に、それぞれのセルごとに、第1時間が経過したら、第2の関連付けられたフェーズにおいて、セルの電圧が、セルのために規定されると共に非ゼロである予め設定された電圧に到達する時点まで、関連付けられたバイパス回路がセルから接続切断され、
i番目の充電についてセルとそれぞれ関連付けられた第1先取りバイパス時間は、すべてのセルが予め設定された電圧に到達する時点まで、このセルに対する関連付けられたバイパス回路の、少なくとも1回の以前の充電における、合計接続時間の関数として、算出されたものであり、
セルと関連付けられた少なくとも1つの期間は、
− i番目の充電用の第1先取りバイパス時間及び/又は
− この少なくとも1回の以前の充電におけるこのセルに対する関連付けられたバイパス回路の前記合計接続時間、
の判定を許容し、
この少なくとも1回の以前の充電において電池のメモリ内に記憶されたものである、
ことを特徴とする方法である。
【0016】
第1フェーズは、少なくとも1つのセルについてゼロの時間長を有してもよいことに留意されたい。又、1つ又は複数の記憶される期間は、例えば、第1先取りバイパス時間又はこのセルに対するバイパス回路の合計接続期間を有してもよい。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、セルの少なくとも1つについて、第2フェーズの末尾において、セルの電圧が、少なくともセルの電圧のすべてが予め設定された電圧に到達する時点まで、関連付けられ充電維持第3フェーズにおいて、閾値充電電圧を超過しないように、関連付けられたバイパス回路がセルに対して接続される。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、第3フェーズにおいてセルに対して関連付けられたバイパス回路の第3接続期間(M
ji)が計測され、
i番目の充電用のセルと関連付けられた第1既定先取りバイパス時間は、少なくとも1回の以前の充電の第1フェーズにおけるセルに対する関連付けられたバイパス回路の第1接続時間と、前記少なくとも1回の以前の充電の第3フェーズにおけるセルに対して関連付けられたバイパス回路の第3接続時間と、を少なくとも考慮している。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、それぞれのセルは、セル電圧計測要素と関連付けられ、且つ、第3バイパスフェーズの第3バイパス時間のカウンタと関連付けられており、計測要素は、セルの計測電圧を予め設定された電圧と比較する能力を有し、且つ、セル電圧が予め設定された電圧に到達した際に第3バイパス時間のカウンタによる係数をトリガする能力を有する。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、カウンタは、第3バイパス時間の末尾において、すべてのセルが予め設定された電圧に到達した瞬間を計数するように、制御されている。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、i番目の充電についてセルとそれぞれ関連付けられた第1先取りバイパス時間は、すべてのセルが予め設定された電圧に到達する時点までのこのセルに対する関連付けられたバイパス回路の、i−1番目の充電における、合計接続時間の関数として算出される。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、セルと関連付けられた前記少なくとも1つの期間は、
− i番目の充電用の第1先取りバイパス時間及び/又は、
− i−1番目の充電におけるこのセルに対する関連付けられたバイパス回路の前記合計接続時間、
の判定を許容し、
i−1番目の充電において電池のメモリ(21)内に記憶されたものである。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、前記少なくとも1回の以前の充電において、記憶されるセルと関連付けられた期間は、少なくとも、i番目の充電についてセルとそれぞれ関連付けられた第1先取りバイパス時間である。i番目の充電用の第1先取りバイパス時間は、例えば、i−1番目の充電において電池のメモリ内に記憶されたものである。従って、この期間は、i−1番目の充電において算出されたものである。
【0024】
i−1番目の充電の合計バイパス接続時間又はこの合計時間(例えば、それぞれのセル(j)ごとの第2フェーズの持続時間と関連付けられた電池の合計充電時間)の判定を許容する期間などのその他のパラメータは、この充電において記憶されていてもよい。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、前記少なくとも1回の以前の充電において、記憶されるセルと関連付けられた期間は、少なくとも、この少なくとも1回の以前の充電におけるこのセルに対する関連付けられたバイパス回路の前記合計接続時間である。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、i番目の充電についてセルjとそれぞれ関連付けられた第1先取りバイパス時間TP
jiは、以下のように算出され、
TP
ji=TP
ji−1+M
ji−1−min
j(TP
ji−1+M
ji−1)
ここで、min
j(TP
ji−1+M
ji−1)は、セルj上におけるTP
ji−1+M
ji−1の最小値を表している。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、i番目の充電についてセルjとそれぞれ関連付けられた第1先取りバイパス時間TP
jiは、以下のように算出され、
TP
ji=a.(TP
ji−1+M
ji−1)−b.min
j(TP
ji−1+M
ji−1)
ここで、min
j(TP
ji−1+M
ji−1)は、セルj上におけるTP
ji−1+M
ji−1の最小値を表し、且つ、a、bは、規定された非ゼロの係数である。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、係数a及びbは、充電器に対する電池の接続が検出された際の電池の充電レベルの関数として判定される。
【0029】
一実施形態においては、a及びbは、充電器に対するその接続が検出された際の電池の充電レベルに関係している。これらの係数は、具体的には、(1−NCR)に比例することが可能であり、ここで、NCRは、電池内に残っている充電レベルである。又、係数a及びbは、等しくてもよい。
【0030】
一実施形態によれば、電池のそれぞれのセルの1回目の充電について、
充電器に対する充電端子の接続が検出され、
充電器に対する充電端子の接続の検出により、第2の関連付けられたフェーズにおいて、セルの個々の電圧が予め設定された電圧に到達する時点までセルを充電するためにその関連付けられたバイパス回路からのそれぞれのセルの接続切断をトリガし、
次いで、セルの少なくとも1つについて、第2の関連付けられたフェーズの末尾において、セルの電圧が、セルの電圧のすべてが予め設定された電圧に到達する時点まで、第3の関連付けられた充電維持フェーズにおいて、閾値充電電圧を超過しないように、関連付けられたバイパス回路がセルに接続され、
セルとそれぞれ関連付けられると共に少なくとも2回目の充電について有効である第1の先取りバイパス時間は、1回目の充電の第3フェーズにおけるセルに対する関連付けられたバイパス回路の第3接続時間に対応している。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、前記予め設定された電圧は、セル用に規定されると共に非ゼロである閾値充電電圧以下の電圧である。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、セルは、薄膜組立体によって形成されている。
【0033】
本発明の一実施形態によれば、セルは、20℃超の公称動作温度を有する。
【0034】
本発明の更なる主題は、複数の再充電可能なセルと、セルを充電するための、且つ、充電器に接続可能な、端子と、それぞれのセルと関連付けられたバイパス回路と、それぞれのセルがその関連付けられたバイパス回路との間において接続及び接続切断されることを許容するスイッチング要素と、スイッチング要素を制御するための制御手段と、それぞれのセルの電圧を計測する手段と、を有する電池において、
制御手段は、i≧2であるi番目の充電についてセルとそれぞれ関連付けられた第1先取りバイパス時間を、すべてのセルが予め設定された電圧に到達する時点までのこのセルに対する関連付けられたバイパス回路の、少なくとも1回の以前の充電における、合計接続時間の関数として、演算する手段を有し、
電池は、セルと関連付けられた少なくとも1つの期間を記憶するための少なくとも1つのメモリを有し、且つ、
− i番目の充電用の第1先取りバイパス時間及び/又は、
− この少なくとも1回の以前の充電におけるこのセルに対するバイパス回路の前記合計接続時間、
の判定を許容し、
電池は、充電器に対する充電端子の接続を検出する検出器を有し、
制御手段は、電池のi番目の充電について、充電端子が充電器に接続されたことを検出器が検出したという事実に応答して、その関連付けられたバイパス回路に対する複数のセルの接続をトリガし、且つ、電池のi番目の充電についてセルとそれぞれ関連付けられた第1先取りバイパス時間においてその関連付けられたバイパス回路に対するそれぞれのセルの接続を維持するように、設計されており、
制御手段は、第1先取りバイパス時間の末尾において、セルの電圧が、セル(j)について規定されると共に非ゼロである予め設定された電圧に到達する時点まで、電池のi番目の充電について第2の関連付けられたフェーズにおいてそれぞれのセルから関連付けられたバイパス回路を接続切断するように設計されている、
ことを特徴とする電池である。
【0035】
本発明は、非限定的な例としてのみ添付図面を参照して付与される以下の説明を参照することにより、更に十分に理解することができよう。
【発明を実施するための形態】
【0037】
添付図面においては、電池10は、全体的にセルjによって表されるN個のセル1、...、j、...Nを有し、ここで、Nは、2以上である。
【0038】
以下においては、例えば、セルj、k、l、m、p、q、rについて、以下のようになっている。
1≧j≧N
1≧k≧N
1≧l≧N
1≧m≧N
1≧p≧N
1≧q≧N
1≧r≧N
【0039】
以下、添付図面に示されている実施形態を参照し、本発明について説明するが、この場合に、例えば、セルjは、例えば、リチウム−金属−ポリマーの形態の薄膜の組立体によって形成されている。例えば、これらの薄膜の合計厚さは、300マイクロメートル未満であり、且つ、例えば、約150マイクロメートルであってもよい。セルは、リチウム−金属−ポリマー技術の場合には、例えば、90℃などの20℃超の公称動作温度を有する。
【0040】
以下の説明においては、セルjは、直列状態にある。セルは、例えば、直列状態にあり、且つ、それぞれ、再充電及び放電可能である。セルは、例えば、同一であってもよい。
【0041】
電池10は、その独自のセルjを制御する制御ユニット20を有する。
【0042】
電池10は、セルjを充電するための端子11、12を有する。充電端子11、12は、互いに別個になっている。例えば、セルjを充電するための少なくとも1つの第1充電端子11と、セルjを充電するための第2充電端子12と、が設けられる。すべてのセルjは、例えば、充電端子11、12の間に接続される。セルjは、例えば、充電端子11、12の間に、直列状態で接続される。充電端子11、12は、例えば、外部充電器100などの充電器100に接続することができる。充電器100は、それぞれ充電端子11、12に対する接続のための接続端子101、102と、端子101及び102が電池10の端子11及び12に接続された際に充電電流を送ってセルjを充電するべく端子101及び102の間に接続された充電部材103と、を有する。セルがフル充電されているという事実は、その個々のセル端子の間の電圧が、絶対値において、例えば、絶対値において最大電圧であると共に非ゼロである予め設定された閾値充電電圧に等しいという事実に対応している。セルがフル充電されていない又は部分的にフル放電された状態にあるという事実は、その個々のセル端子の間の電圧が、絶対値において、予め設定された閾値充電電圧を下回るか又はゼロであるという事実に対応している。閾値充電電圧は、セルjについて規定され、且つ、非ゼロである。それぞれのセルの個々の端子は、恐らくは、充電端子11に接続された第1セル1の個々の端子及び充電端子12に接続された最後のセルNの個々の端子を除いて、電池の充電端子11、12とは異なっている。
【0043】
電池は、例えば、セルjをその公称動作温度に加熱するべく、特に、例えば、リチウム−金属−ポリマーの形態の薄膜組立体によって形成されたセルの場合には、例えば、端子11、12によって電流が供給される1つ又は複数のホットプレートの形態の、1つ又は複数の要素を有してもよい。
【0044】
電池10は、それぞれのセルjと関連付けられたバイパス回路CPC
jも有する。更には、電池10は、それぞれのセルjがその関連付けられたバイパス回路CPC
jとの間において接続及び接続切断されることを許容するスイッチング要素SW
jも有する。バイパス回路CPC
jがその関連付けられたセルjに接続される際には、このバイパス回路CPC
jは、一例として、セル1及びその関連付けられたバイパス回路CPC
1について
図1に示されているように、このセルJと並列に接続される。
【0045】
一般に、そのセルjと関連付けられたそれぞれのバイパス回路CPC
jは、その関連付けられたセルjと電気的に並列の状態にある。換言すれば、それぞれのバイパス回路CPC
jは、関連付けられたスイッチング要素SW
jの接続位置において、関連付けられたセルjの個々の端子に接続されている。従って、関連付けられたスイッチング要素SW
jによるバイパス回路CPCjの接続切断位置においては、充電器100によって充電端子11、12上に送られる充電電流は、その充電又は再充電のためにセルjに送られる。その関連付けられたセルjに対するバイパス回路CPC
jの接続位置においては、充電器100によって充電端子11、12上に送られる充電電流は、部分的に又は完全に、セルjを迂回し、即ち、端子11、12に到達する充電電流の少なくとも一部分がバイパス回路CPC
j内に転送される。バイパス回路CPC
jは、例えば、それぞれのセルjごとに、1つ又は複数の電気抵抗R
jを有する。
【0046】
スイッチング要素SW
jは、例えば、接続位置において閉路されると共に接続切断位置において開路状態にあるスイッチINT
jを有する。スイッチング要素SW
jは、例えば、関連付けられたバイパス回路CPC
jとの間において直列状態に配置され、この場合に、このスイッチング要素SW
j及びこのバイパス回路CPC
jを直列状態において有するこの回路は、関連付けられたセルjと並列状態において接続されている。
【0047】
電池10は、その接続位置から接続切断位置への変化の個々の制御のために、スイッチング要素SW
jを制御するための手段200も有する。それぞれのスイッチング要素SW
jは、例えば、制御手段20の一部分を形成するユニット20に接続された制御入力E
jを有する。制御手段20、200は、例えば、具体的には、スイッチング要素SW
jを制御するべく、例えば、コンピュータ又は少なくとも1つのマイクロプロセッサが設けられた電気基板から形成されている。
【0048】
従って、制御手段200は、個々のスイッチング要素SW
jを制御して後述するセルの異なるフェーズを実装する。
【0049】
本発明によれば、1回目の充電の後の後続する電池10のそれぞれの充電について、即ち、iが2以上であるi番目の充電について、それぞれ、セルjについて先取りバイパス時間TP
jiを有する第1先取りバイパスフェーズが設けられ、このバイパス時間TP
jiは、少なくとも1回の以前の充電におけるこのセルjに対する関連付けられたバイパス回路CPC
jの合計接続時間の関数として算出されたものであり、バイパス回路CPC
jのこの合計接続時間は、電池10のすべてのセルjがこの少なくとも1回の以前の充電において予め設定された電圧VLIMに到達するために必要とされる時間である。i番目の充電用のこの第1先取りバイパス時間TP
jiは、この少なくとも1回の以前の充電において電池10のメモリ21内にステップMEMにおいて記憶されたものである。
【0050】
一実施形態によれば、判定された電圧VLIMは、閾値充電電圧に等しい。
【0051】
一実施形態によれば、判定された電圧VLIMは、閾値充電電圧以下の電圧であり、例えば、閾値充電電圧の90%以上であると共に閾値充電電圧の100%以下である固定値に等しい。
【0052】
このi番目の充電について、第1先取りバイパス時間は、それぞれのセルjごとに、第2の関連付けられたフェーズC
jによって後続され、この第2フェーズにおいては、セルjの電圧V
jiが予め設定されたVLIMに到達する時点まで、関連付けられたバイパス回路CPC
jがセルjから接続切断される。従って、セルjは、端子11、12に接続された充電器100により、この第2フェーズC
jにおいて充電される。既定の電圧VLIMは、セルjについて規定され、且つ、非ゼロである。
【0053】
以下、例示を目的とした例として付与された
図5及び
図6を参照し、i番目の充電において発生する異なるフェーズについて更に詳細に説明する。
【0054】
まず、例示を目的とした例として付与された
図3を参照し、以下、電池10の1回目の充電において発生するステップについて説明する。
【0055】
「関連付けられた」という用語は、セルjと関連付けられた部分を意味しており、且つ、同一の添え字j又はこの関連付けられたセルと同一のその他の添え字を有する。
【0056】
1回目の充電i=1
1回目の充電においては、例えば、時点t
1において、充電端子11、12の充電器100に対する接続が検出される。充電端子11、12の充電器100に対する接続の検出により、セルjの個々の電圧V
j1が予め設定された電圧VLIMに到達する時点までセルjを充電するために、その関連付けられたバイパス回路CPC
jからの、第2の関連付けられたフェーズC
j1における、それぞれのセルjの接続切断をトリガする。
【0057】
例えば、それぞれのセルjごとに、セルjの電圧を計測するべく計測要素MES
jが設けられる。要素MES
jによって計測されたセルjの電圧V
jiは、制御手段200に送られる。
【0058】
次いで、セルjの少なくとも1つについて、第2の関連付けられたフェーズC
j1の末尾において、即ち、このセルjが予め設定された電圧VLIMに到達した際に、すべてのセルj、k、l(並びに、その他のもの)の電圧V
j1、V
k1、V
l1が閾値充電電圧を超過しない時点まで、関連付けられたバイパス回路CPC
jをセルjに接続することにより、関連付けられた充電維持第3フェーズM
j1において予め設定された電圧VLIMにおいてセルjの電圧V
j1を維持する。
【0059】
従って、
図3において観察することができるように、セルjについて、1回目の充電(i=1)の際に、且つ、充電器に対する電池の接続が検出されたら即座に、セルjをその関連付けられたバイパス回路CPC
jから接続切断するための第2フェーズC
j1が実装され、これは、第3充電維持時間M
j1だけ継続する充電維持第3フェーズM
j1によって後続される。
【0060】
従って、1回目の充電(i=1)の際に、且つ、充電器に対する電池の接続が検出されたら即座に、セルkについて、その関連付けられたバイパス回路CPC
kからセルkを接続切断するための第2フェーズC
k1が実装され、これは、充電維持時間M
k1だけ継続する第3充電維持フェーズM
k1によって後続される。
【0061】
1回目の充電(i=1)の際に、且つ、充電器に対する電池の接続が検出されたら即座に、セルlについて、セルlの個々の電圧V
l1が予め設定された電圧VLIMに到達する時点までセルlを充電するべく、その関連付けられたバイパス回路CPC
lからセルlを接続切断するための第2フェーズC
l1が実装される。これは、ゼロの時間長だけ継続する充電維持第3フェーズM
l1によって後続され、その理由は、セルlは、例えば、充電に最長の時間を所要し、且つ、従って、その電圧V
l1が予め設定された電圧VLIMに到達するために最長の時間を所要するセルであるからである。これは、結局、セルlは、関連付けられた充電維持フェーズM
l1を有しておらず、或いは、ゼロに等しい第3電界時時間M
l1だけ継続する関連付けられた充電維持フェーズM
l1を有するということになる。
図3において観察することができるように、すべてのセルのうちで最長であるセルlの第2フェーズC
l1の終了により、その他のセルj、kの充電維持第3フェーズM
j1、M
k1の終了がもたらされる。
【0062】
この1回目の充電i=1におけるステップMEMにおいて、1回目の充電の第3フェーズM
j1におけるセルjに対する関連付けられたバイパス回路CPC
jの第3接続時間M
j1が、即ち、TP
j2=Mj1が、セルjとそれぞれ関連付けられた第1先取りバイパス時間TP
j2として、電池10のメモリ21内に記憶される。
【0063】
同様に、例えば、セルkなどのその他のセルの場合には、この1回目の充電i=1において、1回目の充電の第3フェーズM
k1におけるセルkに対する関連するバイパス回路CPC
kの第3接続時間M
k1が、即ち、TP
k2=Mk1が、セルkとそれぞれ関連付けられた第1先取りバイパス時間TP
k2として、電池10のメモリ21内に記憶される。
【0064】
セルlの場合には、記憶される時間TP
l2はゼロである。
【0065】
2回目の充電i=2
2回目の充電i=2においては、例えば、時点t
2において、充電器100に対する充電端子11、12の接続が、
図4に例示を目的として示されているように、検出される。
【0066】
充電器100に対する充電端子11、12の接続は、検出されたら、セルj、k、及びmと関連付けられた第1先取りバイパス時間TP
j2=M
j1、TP
k2=M
k1、TP
m2=M
m1にわたるそれぞれその関連付けられたバイパス回路CPC
j、CPC
k、CPC
mに対するセルj、k、mの接続をトリガする。2回目の充電についてセルj、k、mとそれぞれ関連付けられたこれらの第1先取りバイパス時間TP
j2、TP
k2、TP
m2は、これらのセルj、k、mに対する関連付けられたバイパス回路CPC
j、CPC
k、CPC
mの合計接続時間の関数として算出されたものであり、前記合計接続時間は、1回目の以前の充電(i=1)において判定されたものであり、且つ、すべてのセルj、k、mが予め設定された電圧VLIMに到達するために必要とされる時間であった。2回目の充電用のこの第1先取りバイパス時間TP
j2、TP
k2、TP
m2は、ステップMEMにおいて、この1回目の以前の充電において電池10のメモリ21内に記憶されたものである。この同一の内容は、第1の先取りバイパス時間TP
l2=0であると共に第2フェーズC
l2が2回目の充電i=2の初期開始時間t
2の直後に実行される少なくとも1つのセルlを除いて、すべてのセルに対して適用される。
【0067】
この後に、それぞれのセルj、k、m、lについて、即ち、すべてのセルについて、第2の関連付けられたフェーズC
j2、C
k2、C
m2、C
l2が実行され、この第2フェーズにおいては、セルj、k、m、lの電圧V
j2、V
k2、V
m2、V
l2が、予め設定された電圧VLIMに到達する時点まで、関連付けられたバイパス回路CPC
j、CPC
k、CPC
m、CPC
lがセルj、k、m、lから接続切断される。この第2フェーズC
j2、C
k2、C
m2、C
l2において、対応するセルj、k、l、mは、充電器100によって端子11、12上に送られる充電電流により、最大で予め設定された電圧VLIMまで再充電される。
【0068】
従って、第2の関連付けられたフェーズC
j2、C
k2、C
m2、C
l2のすべては、正確に同時に終了することが可能である。これは、理想的なケースである。このケースにおいては、セルのために、第2フェーズの後に第3充電維持フェーズを実行することが不要となろう。但し、実際には、第2フェーズC
j2、C
k2、C
m2、C
l2は、同時には終了しない場合があり、即ち、第2フェーズC
m2が、その他のセルと比べて、セルmについて最後に終了する場合がある。このケースにおいては、その第2の関連付けられたフェーズC
m2が最後に終了する1つ又は複数のセルm以外のセルのすべてについて、それぞれ、セルj、k、lについて、第3充電維持フェーズM
j2、M
k2、M
l2が設けられる。これは、結局、セルmの第2フェーズC
m2が、M
m2=0である、即ち、ゼロの持続時間を有する第3充電維持時間M
m2だけ継続する、第3の関連付けられたフェーズによって後続されることをもたらす。
【0069】
制御手段20は、電池10を制御する制御ユニット200の一部分である。電池を制御するこの制御ユニット200は、セルjの電圧V
jiを計測する要素MES
jに加えて、クロックHと、それぞれのセル
jとそれぞれ関連付けられたカウンタCT
jと、を有する。
【0070】
一実施形態によれば、それぞれのセルjは、セルjの電圧V
jiを計測するために計測要素MES
jと関連付けられ、且つ、第3バイパスフェーズM
jiの第3バイパス時間M
jiを計数するためにカウンタCT
jと関連付けられており、計測要素MES
jは、セルjの計測電圧V
jiを予め設定された電圧VLIMと比較する能力を有し、且つ、セルjの電圧V
jiが予め設定された電圧VLIMに到達した時間を第3バイパス時間M
jiとして計数するように、カウンタCT
jをトリガする能力を有する。それぞれのカウンタは、計測要素から受け取った信号によってトリガされた瞬間からの、即ち、セルjの電圧V
jiが予め設定された電圧VLIMに到達した時点からの、経過時間を計数する。最後のセルmが第2フェーズC
m2においてこの予め設定された電圧VLIMに到達することにより、その他のセルj、k、lのカウンタCT
j、CT
k、CT
lの停止がトリガされ、この結果、前記カウンタは、このようにして計数された第3充電維持期間M
j2、M
k2、M
l2を付与し、これらは、次いで、ステップMEMにおいてメモリ21内に記憶される。
【0071】
同様に、それぞれ、セルk、l、m、p、q、rとの関連において、その個々の電圧V
ki、V
li、V
mi、V
pi、V
qi、V
riを計測するための計測部材MES
k、MES
l、MES
m、MES
p、MES
q、MES
rが、個々の関連付けられたセルk、l、m、p、q、rが予め設定された電圧VLIMに到達した以降に経過した時間の個々のカウンタCT
k、CT
l、CT
m、CT
p、CT
q、CT
rが、そして、関連付けられたバイパス回路CPC
k、CPC
l、CPC
m、CPC
p、CPC
q、CPC
r、関連付けられたスイッチング要素SW
k、SW
l、SW
m、SW
p、SW
q、SW
r、関連付けられたスイッチINT
k、INT
l、INT
m、INT
p、INT
q、INT
r、及び関連付けられた制御入力E
k、E
l、E
m、E
p、E
q、E
rが、設けられる。
【0072】
充電i−1(i≧2)
図5において、i−1番目の充電においては、セルjについて、充電端子11、12の充電器100に対する接続が、時点t
i−1において検出されている。充電器100に対する充電端子のこの接続は、検出されたら、セルjと関連付けられた第1先取りバイパス時間TP
ji−1におけるその関連付けられたバイパス回路CPC
jに対するセルjの接続をトリガする。次に、セルjと関連付けられた第2フェーズC
ji−1において、セルjの電圧V
ji−1が、セルjの充電のために予め設定された電圧VLIMに到達する時点まで、関連付けられたバイパス回路CPC
jがセルjから接続切断される。第2フェーズC
ji−1の末尾において、セルjの電圧V
ji−1が、少なくともすべてのセルの電圧が予め設定された電圧VLIMに到達する時点まで、関連付けられた充電維持第3フェーズM
ji−1において閾値充電電圧を超過しないように、バイパス回路CPC
jが、関連付けられたセルjに接続される。
【0073】
同様に、それぞれ、セルk、m、及びlについて、第1先取りバイパス時間TP
ki−1、TP
mi−1、TP
li−1が、その後に、セルk、m、lを最大で予め設定されたVLIMまで充電するための第2の関連付けられたフェーズC
ki−1、C
mi−1、C
li−1が、そして、その後に、個々のセルk、m、lに対する関連付けられたバイパス回路CPC
k、CPC
m、CPC
lの第3接続時間M
ki−1、M
mi−1、M
li−1を有する第3充電維持フェーズが、設けられる。
【0074】
充電i−1においては、以前に、予め設定されたVLIMに到達するのが最後であったことから、セルqは、第1時間TP
qi−1を有し、且つ、従って、充電器100に対する充電端子11、12の接続は、セルqについて、初期時点t
i−1において、セルqの電圧V
qi−1が予め設定された電圧VLIMに到達する時点までこのセルqを充電するべく、関連付けられたバイパス回路CPC
qがセルqから接続切断された際に、関連付けられた第2フェーズC
qi−1をトリガするものと仮定される。次いで、この第2フェーズC
qi−1の末尾において、関連付けられたバイパス回路CPC
qをセルqに接続することにより、セルqの電圧V
qi−1を第3の関連付けられた充電維持フェーズM
qi−1において予め設定された電圧VLIMにおいて維持する。セルqは、セルj、k、m、及びlとは異なってもよく、或いは、これらのセルj、k、m、lのうちの1つであってもよいことが明らかである。
【0075】
同様に、セルpは、第1先取りバイパス時間TP
pi−1を有するが、セルpの電圧V
pi−1が予め設定された電圧VLIMに到達する時点まで関連付けられたバイパス回路CPC
pがセルpから接続切断される第2の関連付けられたフェーズC
pi−1においてこのセルpを充電する際に、最後に予め設定された電圧VLIMに到達するのは、このセルpであると仮定される。この結果、このセルpについては、充電維持第3フェーズM
pi−1が存在しておらず、或いは、
図5に示されているように、ゼロに等しい第3充電維持時間M
pi−1だけ継続する充電維持第3フェーズが存在している。この結果、その他のセルj、k、l、m、qの第3充電維持フェーズM
ji−1、M
ki−1、M
li−1、M
mi−1、M
qi−1が停止する。次いで、充電器100を充電端子11、12から接続切断することができる。非ゼロの充電維持第3時間M
pi−1だけ継続する充電維持第3フェーズM
pi−1を想定可能であることが明らかであり、これは、相応して、その他のセルの充電維持第3フェーズを延長させることになろう。
【0076】
一実施形態においては、例えば、第3充電維持フェーズがこの限度を超えた場合に自動的に停止するように、それぞれの充電維持第3フェーズの限度持続時間が設けられている。
【0077】
一実施形態においては、セルj、k、l、m、p、q、rの電圧V
ji−1、V
ki−1、V
li−1、V
mi−1、V
pi−1、V
qi−1、V
ri−1が、予め設定された電圧VLIMに到達したという事実は、計測電圧をこの予め設定された電圧VLIMと比較する関連付けられた電圧計測部材MES
j、MES
k、MES
l、MES
m、MES
p、MES
q、MES
rによって検出されている。
【0078】
一実施形態によれば、充電維持第3フェーズM
ji−1、M
ki−1、M
li−1、M
mi−1、M
pi−1、M
qi−1、M
ri−1におけるセルj、k、l、m、p、q、rと関連付けられたバイパス回路CPC
j、CPC
k、CPC
l、CPC
m、CPC
p、CPC
q、CPC
rの第3接続期間M
ji−1、M
ki−1、M
li−1、M
mi−1、M
pi−1、M
qi−1、M
ri−1は、例えば、カウンタCT
j、CT
k、CT
l、CT
m、CT
p、CT
q、CT
r及びクロックHによって計測されている。
【0079】
充電i(i≧2)
充電iの際に、例えば、時点t
iにおいて、充電器100に対する充電端子11、12の接続が、
図6に示された例示を目的とした例に示されているように、検出される。
【0080】
充電器100に対する充電端子11、12の接続は、検出されたら、セルj、k、l、m、p、rと関連付けられた個々の第1先取りバイパス時間TP
ji、TP
ki、TP
li、TP
mi、TP
pi、TP
riにわたるその関連付けられたバイパス回路CPC
j、CPC
k、CPC
l、CPC
m、CPC
p、CPC
rに対するセルj、k、l、m、p、rの接続をトリガする。充電iについてセルj、k、l、m、p、rとそれぞれ関連付けられたこれらの第1先取りバイパス時間TP
ji、TP
ki、TP
li、TP
mi、TP
pi、TP
riは、これらのセルj、k、l、m、p、rに対する関連付けられたバイパス回路CPC
j、CPC
k、CPC
l、CPC
m、CPC
p、CPC
rの合計接続時間の関数として算出されたものであり、前記合計接続時間は、例えば、充電i−1などの少なくとも1回の以前の充電において判定されたものであり、且つ、例えば、以前の充電i−1などのこの少なくとも1回の以前の充電においてすべてのセルj、k、l、m、p、rが予め設定されたVLIMに到達するために必要とされる時間であった。充電i用のこの第1先取りバイパス時間TP
ji、TP
ki、TP
li、TP
mi、TP
pi、TP
riは、例えば、以前の充電i−1などのこの少なくとも1回の以前の充電において、ステップMEMにおいて電池10のメモリ21内に記憶されたものである。同一の内容は、第1先取りバイパス時間TP
qi=0であると共にセルqを最大で予め設定された電圧VLIMに充電するべく充電iの初期開始時間t
iの直後に第2フェーズC
qiが実行される少なくとも1つのセルqを除いて、すべてのセルに適用される。別の実施形態においては、充電i用の第1バイパス時間の計算を許容する、例えば、充電i−1などのこの少なくとも1回の以前の充電における関連付けられたセルj、k、l、m、p、rに対するバイパス回路CPC
j、CPC
k、CPC
l、CPC
m、CPC
p、CPC
rの合計接続時間は、電池のメモリ21内に記憶されたものである。別の実施形態におては、充電i用の第1バイパス時間の計算を許容するi番目の充電用の第1先取りバイパス時間TP
ji、TP
ki、TP
li、TP
mi、TP
pi、TP
ri及び/又は、例えば、充電i−1などのこの少なくとも1回の以前の充電における関連付けられたセルj、k、l、m、p、rに対するバイパス回路CPC
j、CPC
k、CPC
l、CPC
m、CPC
p、CPC
rの前記合計接続時間は、例えば、充電i−1などのこの少なくとも1回の以前の充電において電池のメモリ21内に記憶されたものである。
【0081】
次に、それぞれのセルj、k、l、m、p、q、rごとに、即ち、すべてのセルについて、第2の関連付けられたフェーズC
ji、C
ki、C
li、C
mi、C
pi、C
qi、C
riが実行され、この第2フェーズにおいては、セルj、k、l、m、p、q、rの電圧V
ji、V
ki、V
li、V
mi、V
pi、V
qi、V
riが予め設定された電圧VLIMに到達する時点まで、関連付けられたバイパス回路CPC
j、CPC
k、CPC
l、CPC
m、CPC
p、CPC
q、CPC
rがセルj、k、l、m、p、q、rから接続切断される。この第2フェーズC
ji、C
ki、C
li、C
mi、C
pi、C
qi、C
riにおいて、対応するセルj、k、l、m、p、q、rは、充電器100によって端子11、12上に送られる充電電流により、最大で予め設定されたVLIMまで再充電される。
【0082】
従って、すべての関連付けられた第2フェーズC
ji、C
ki、C
li、C
mi、C
pi、C
qi、C
riは、理想的なケースにおいては、正確に同時に終了することが可能である。このケースにおいては、第2フェーズの後に、セルについて充電維持第3フェーズを実行することが不要である。但し、実際には、第2フェーズC
ji、C
ki、C
mi、C
liは、すべてが同時に終了しない場合があり、即ち、第2フェーズC
riが、その他のセルj、k、l、m、p、qとの関係において、セルrについて最後に終了する場合がある。このケースにおいては、その第2の関連付けられたフェーズC
riが最後に終了する1つ又は複数のセルr以外のすべてのセルについて、それぞれ、セルj、k、l、m、p、qについて、充電維持第3時間M
ji、M
ki、M
li、M
mi、M
pi、M
qiだけ継続する充電維持第3フェーズが設けられる。これは、結局、M
ri=0である、即ち、ゼロである充電維持第3時間M
riだけ継続する第3の関連付けられたフェーズによって後続されるセルrの第2フェーズC
riが得られることになる。例示用の実施形態においては、例えば、少なくとも1つのセルrが、そのバイパス回路CPC
rの接続において、予め設定された電圧VLIMに最後に到達するという事実に起因し、又はこの少なくとも1つのセルrの第3の関連付けられた充電維持フェーズM
riがゼロの持続時間を有するという事実に起因し、トリガされた第2フェーズC
riの終了により、その他のセルj、k、l、m、p、qの充電維持第3フェーズの第3持続時間M
ji、M
ki、M
li、M
mi、M
pi、M
qiの終了がトリガされる。次いで、充電器100を充電端子11、12から接続切断することができる。非ゼロの充電維持第3持続時間M
riを有する充電維持第3フェーズM
riが設けることができることが明らかであり、これは、相応して、その他のセルの第3フェーズを延長させることになろう。セルrは、セルj、k、m、l、pとは異なってもよく、或いは、これらのセルj、k、m、l、pのうちの1つのであってもよいことが明らかである。
【0083】
一実施形態においては、セルj、k、l、m、p、q、rの電圧V
ji、V
ki、V
li、V
mi、V
pi、V
qi、V
riが、予め設定された電圧VLIMに到達したという事実が、計測された電圧V
ji、V
ki、V
li、V
mi、V
pi、V
qi、V
riをこの予め設定された電圧VLIMと比較することにより、関連付けられた電圧計測部材MES
j、MES
k、MES
l、MES
m、MES
p、MES
q、MES
rによって検出されている。
【0084】
一実施形態によれば、充電維持第3フェーズM
ji、M
ki、M
li、M
mi、M
pi、M
qi、M
riにおけるセルj、k、l、m、p、q、rと関連付けられたバイパス回路CPC
j、CPC
k、CPC
l、CPC
m、CPC
p、CPC
q、CPC
rの接続の第3持続時間M
ji、M
ki、M
li、M
mi、M
pi、M
qi、M
riは、例えば、カウンタCT
j、CT
k、CT
l、CT
m、CT
p、CT
q、CT
r及びクロックHを使用することによって計測されている。
【0085】
一実施形態によれば、i番目の充電用のセルj、k、l、m、p、rと関連付けられた第1既定先取りバイパス時間TP
ji、TP
ki、TP
li、TP
mi、TP
pi、TP
riは、例えば、充電i−1などの少なくとも1回の以前の充電の第1フェーズにおけるセルj、k、l、m、p、rと関連付けられたバイパス回路CPC
j、CPC
k、CPC
l、CPC
m、CPC
p、CPC
rの第2接続時間TP
ji−1、TP
ki−1、TP
li−1、TP
mi−1、TP
pi−1、TP
ri−1と、例えば、充電i−1などのこの少なくとも1回の以前の充電の充電維持第3フェーズにおけるセルj、k、l、m、p、rと関連付けられたバイパス回路CPC
jの第3接続時間M
ji、M
ki、M
li、M
mi、M
pi、M
riと、を考慮している。
【0086】
一実施形態によれば、i番目の充電用のセルj、k、l、m、p、rとそれぞれ関連付けられた第1先取りバイパス時間TP
ji、TP
ki、TP
li、TP
mi、TP
pi、TP
riは、(i−1)番目の充電において判定されると共にすべてのセルが予め設定された電圧VLIMに到達するために必要とされたこのセルj、k、l、m、p、rに対する関連付けられたバイパス回路CPC
j、CPC
k、CPC
l、CPC
m、CPC
p、CPC
rの少なくとも合計接続時間の関数として算出され、i番目の充電用の第1先取りバイパス時間TP
ji、TP
ki、TP
li、TP
mi、TP
pi、TP
riは、このi−1番目の充電において電池のメモリ内に記憶されたものである。
【0087】
一実施形態においては、i番目の充電用のセルjとそれぞれ関連付けられた第1先取りバイパス時間TP
jiは、以下のように算出され、
TP
ji=TP
ji−1+M
ji−1−min
j(TP
ji−1+M
ji−1)
ここで、min
j(TP
ji−1+M
ji−1)は、セルj上におけるTP
ji−1+M
ji−1の最小値を表している。
【0088】
同様に、その他のセルk、l、m、p、q、rの場合にも、それぞれ、以下のとおりである。
TP
ki=TP
ki−1+M
ki−1−min
j(TP
ji−1+M
ji−1)
TP
li=TP
li−1+M
li−1−min
j(TP
ji−1+M
ji−1)
TP
mi=TP
mi−1+M
mi−1−min
j(TP
ji−1+M
ji−1)
TP
pi=TP
pi−1+M
pi−1−min
j(TP
ji−1+M
ji−1)
TP
qi=TP
qi−1+M
qi−1−min
j(TP
ji−1+M
ji−1)=0
TP
ri=TP
ri−1+M
ri−1−min
j(TP
ji−1+M
ji−1)
【0089】
制御手段200は、i≧2であるi番目の充電用のセルjとそれぞれ関連付けられた第1先取りバイパス時間TP
jiを、少なくとも1回の以前の充電において判定されると共にすべてのセルが既定の電圧VLIMに到達するために必要されるこのセルjに対する関連付けられたバイパス回路CPC
jの合計接続時間の関数として、演算する手段20を有する。
【0090】
電池は、少なくとも、i番目の充電用の第1先取りバイパス時間TP
ji及び/又はこの少なくとも1回の以前の充電におけるセルjに対するバイパス回路CPC
jの前記合計接続時間を記憶するためのメモリ21を有する。
【0091】
電池は、充電器100に対する充電端子11、12の接続を検出するための検出器を有する。この目的のために、例えば、充電ソケットの存在が、端子11、12上において検出され、この場合に、この充電ソケットは、電池の端子11、12を充電器100の端子101、102に接続するように意図されていると共に/又は、充電を実行するために閉鎖されなければならないパネルの閉鎖が検出されると共に/又は、充電を実行するために作動しなければならない機械的部材の作動が検出されると共に/又は、電池の通信バスを介した充電器に由来する状態フレームの受取りが検出される。
【0092】
制御手段200は、電池のi番目の充電について、充電端子が充電器に対して接続されたことを検出器が検出したという事実に応答して、その関連付けられたバイパス回路CPC
jに対する複数のセルの接続をトリガし、且つ、電池のi番目の充電についてセルjとそれぞれ関連付けられた第1先取りバイパス時間TP
jiにおいてその関連付けられたバイパス回路CPCjに対するそれぞれのセルjの接続を維持するように、設計されている。
【0093】
制御手段200は、第1先取りバイパス時間TP
jiの末尾において、セルjの電圧V
jiが予め設定されたVLIMに到達する時点まで、電池のi番目の充電用の第2の関連付けられたフェーズC
jiにおいてそれぞれのセルjと関連付けられたバイパス回路CPC
jを接続切断するように、設計されている。
【0094】
図5及び
図6は、例示を目的とした数値例として、括弧の間に、i−1番目の充電用のこれらの第1及び第3の期間とその合計の数値TP+Mと、セルj、k、l、m、p、q、rのi充電における第1先取りバイパス時間について算出された対応する数値と、を示している。
【0095】
本発明は、予め設定された電圧VLIMに既に到達したセルに対して電気エネルギーを供給しなければならないことを回避し、これにより、その特性の劣化を防止し、且つ、具体的には、そのエージングの加速を防止している。従って、本発明によれば、セルの第2充電フェーズC
jiを近接した時点において終了させることが可能であり、或いは、すべてのセルjについて、この第2フェーズC
jiの終了時間を実際的に同一にすることが可能である。又、セルjの充電維持第3フェーズの持続時間M
jiも低減され、これによっても、セル特性の劣化が防止されることになる。
【0096】
更には、本発明の方法は、自己適応型である。この方法は、セルの動作の変動に対して、具体的には、セルがその予め設定された電圧VLIMに到達する時点までのセルの充電時間の変動に対して、適合する。従って、数回の充電動作の後に、場合によっては、実際的に2回の充電動作のみの後にさえも、2回目の充電フェーズが実際に同一の時間においてすべてが終了することが可能であり、且つ、従って、非常に短い充電維持第3フェーズを得ることが可能である。
【0097】
又、それぞれの充電が実際にすべてのセルの第1先取りバイパスフェーズによって始まるようにすることにより、セルが最大でその予め設定された電圧VLIMに充電された際にこの迂回を実行することが可能であり、この結果、過大な需要の印加が防止される。
【0098】
セルの充電維持第3フェーズの低減により、充電維持フェーズにおいて一般に発生する充電/放電マイクロサイクルが回避され、且つ、従って、電池10の充電時間を増大させることなしに、セルの経年劣化が制限される。
【0099】
更には、バイパス回路CPCjに送られる電流が、充電の開始の際に発生する第1バイパスフェーズにおいては、相対的に小さいことから、このバイパス回路の接続に起因してジュール効果によって放散される熱が相対的に小さくなる。この結果、バイパス回路によって生成される更なる制御されていない加熱の電池加熱要素に対する追加が回避されることから電池セルの動作の混乱が防止される。従って、電池の充電に使用されるエネルギーが相対的に小さくなる。
【0100】
一実施形態においては、更なる充電及び放電マイクロサイクルを回避するべく、例えば、電池が充電されたと判断されたら、充電器100を電池10の充電端子11、12から接続切断し、これにより、電池10を適合された温度において保持するように意図された加熱要素のみが充電器に接続された状態に留まるようにすることができる。これにより、エネルギー消費量も小さくなる。
【0101】
以上においては、予め設定されたVLIMは、バイパス回路が再度接続される電圧である。この場合に、予め設定された電圧VLIMは、例えば、基本セルjが充電されると考えられる電圧(閾値充電電圧)にも対応しているが、これは、閾値充電電圧と異なってもよいであろう。この予め設定された電圧VLIMは、例えば、セルj用の最大規定充電電圧である。予め設定された電圧VLIMは、例えば、すべてのセルjについて同一であってもよく、或いは、セルごとに異なってもよい。閾値充電電圧は、例えば、すべてのセルjについて同一であってもよく、或いは、セルごとに異なってもよい。
【0102】
一実施形態においては、予め設定された電圧VLIMをパラメータ化することができる。
【0103】
一実施形態においては、閾値充電電圧をパラメータ化することができる。例えば、予め設定された電圧VLIMは、メモリ21内に予め記録される。
【0104】
例えば、閾値充電電圧は、メモリ21内に予め記録される。
【0105】
充電維持第3フェーズM
jiが提供されている一実施形態においては、この第3フェーズは、次の充電i+1用の期間TP
ji+1の補正を許容する。
【0106】
その他の実施形態においては、第1先取りバイパス時間TP
jiは、例えば、これらの第1及び第3フェーズの平均時間値を考慮することにより、いくつかの以前の充電動作のいくつかの第1フェーズTP
j及びいくつかの第3フェーズM
jを考慮してもよい。
【0107】
方法は、1回目の充電動作において、上述の単一の計測ステップも含んでもよく、その他の充電動作は、この計測ステップ(例えば、第1のもの)において計測されたデータに基づいて実行される。異なるセルに関係した理論値を使用することにより、異なる期間を判定することもできよう。但し、これらの実施形態は、好適な実施形態ではなく、その理由は、これらの実施形態は、その寿命の全体を通じてセルが経験する変化を考慮していないからである。
【0108】
図7において、1回目の充電において、セルは、そのすべてが同一の時点において予め設定された電圧VLIMに到達しておらず、且つ、従って、同一の時点において始まらない充電維持第3フェーズを有していることを観察することが可能であり、その理由は、この図に示されているセルの電圧曲線が重なっていないからである。
【0109】
図8においては、i番目の充電について、電圧曲線は、ほとんど、且つ、
図7におけるよりも格段に、重なっており、且つ、セルは、その予め設定された電圧VLIMにほとんど同時に到達し、且つ、従って、ほとんど同時に始まる充電維持第3フェーズを有していることを観察することができる。これは、システムの効能を立証している。
【0110】
別の実施形態においては、i番目の充電についてセルjとそれぞれ関連付けられた第1先取りバイパス時間TP
jiは、以下:
TP
ji= a.(TP
ji−1+M
ji−1)−b.min
j(TP
ji−1+M
ji−1)
のように算出され、ここで、min
j(TP
ji−1+M
ji−1)は、セルj上における最小のTP
ji−1+M
ji−1を表しており、且つ、a及びbは、規定された非ゼロの係数である。これらの係数は、例えば、充電器に対するその接続時点における電池の充電レベルに関係している。