(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6165273
(24)【登録日】2017年6月30日
(45)【発行日】2017年7月19日
(54)【発明の名称】外部補償誘導回路及びその誘導方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/3225 20160101AFI20170710BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20170710BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20170710BHJP
【FI】
G09G3/3225
G09G3/20 611H
G09G3/20 642A
G09G3/20 641P
G09G3/20 642P
H05B33/14 A
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-561898(P2015-561898)
(86)(22)【出願日】2013年4月26日
(65)【公表番号】特表2016-514284(P2016-514284A)
(43)【公表日】2016年5月19日
(86)【国際出願番号】CN2013074820
(87)【国際公開番号】WO2014139198
(87)【国際公開日】20140918
【審査請求日】2016年3月1日
(31)【優先権主張番号】201310082006.3
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 仲▲遠▼
(72)【発明者】
【氏名】宋 丹娜
【審査官】
西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−322133(JP,A)
【文献】
特開2009−246741(JP,A)
【文献】
特開2006−323155(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0170623(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/30
G09G 3/20
H01L 51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全差動型オペアンプ、第1のコンデンサ、第2のコンデンサ及び誘導電流を増幅するための出力回路を備える外部補償誘導回路であって、
前記全差動型オペアンプは、負入力端子がディスプレイスクリーンに接続され、正入力端子が基準電圧に接続され、負出力端子が前記出力回路の第1の制御端子に接続され、正出力端子が前記出力回路の第2の制御端子に接続され、
前記第1のコンデンサは、両端が前記全差動型オペアンプの負入力端子及び前記出力回路の入力端子にそれぞれ接続され、
前記第2のコンデンサは、一端が前記出力回路の出力端子に接続され、他端が接地され、
前記出力回路は、第1の出力回路及び第2の出力回路を備え、前記第2の出力回路の出力電流は、前記第1の出力回路の出力電流のM倍であり、1<M<100であり、
前記第1の出力回路は、第1のN型MOSトランジスタ及び第1のP型MOSトランジスタを備え、前記第1のN型MOSトランジスタのゲート電極は、前記出力回路の第1の制御端子であり、前記第1のP型MOSトランジスタのゲート電極は、前記出力回路の第2の制御端子であり、前記第1のN型MOSトランジスタのソース電極と前記第1のP型MOSトランジスタのドレイン電極とは接続されて前記出力回路の入力端子になり、前記第1のN型MOSトランジスタのドレイン電極は接地され、前記第1のP型MOSトランジスタのソース電極は、電源に接続され、
前記第2の出力回路は、第2のN型MOSトランジスタ及び第2のP型MOSトランジスタを備え、前記第2のN型MOSトランジスタのソース電極と前記第2のP型MOSトランジスタのドレイン電極とは接続されて前記出力回路の出力端子になり、前記第2のN型MOSトランジスタのドレイン電極は接地され、前記第2のP型MOSトランジスタのソース電極は電源に接続され、前記第2のN型MOSトランジスタのゲート電極は前記第1のN型MOSトランジスタのゲート電極に接続され、前記第2のP型MOSトランジスタのゲート電極が前記第1のP型MOSトランジスタのゲート電極に接続されることを特徴とする外部補償誘導回路。
【請求項2】
前記全差動型オペアンプの負入力端子とディスプレイスクリーンとの間に第1のスイッチが設置され、前記第1のコンデンサの両端の間に第2のスイッチが設置され、前記第2のコンデンサと前記出力回路の出力端子との間に第3のスイッチが設置されることを特徴とする請求項1に記載の外部補償誘導回路。
【請求項3】
前記第2の出力回路における前記第2のN型MOSトランジスタの幅長比は、前記第1の出力回路における前記第1のN型MOSトランジスタの幅長比のM倍であり、前記第2の出力回路における前記第2のP型MOSトランジスタの幅長比は、前記第1の出力回路における前記第1のP型MOSトランジスタの幅長比のM倍であり、1<M<100であることを特徴とする請求項1に記載の外部補償誘導回路。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の外部補償誘導回路を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の外部補償誘導回路に用いられる誘導方法であって、
全差動型オペアンプをユニティーゲイン状態にオフセットさせ、第1のコンデンサが放電するステップ(S1)と、
ディスプレイスクリーンの電流によって第1のコンデンサを充電し、又は放電し、出力回路が充放電電流をM倍に増幅し、1<M<100であるステップ(S2)と、
第2のコンデンサ内に電圧を蓄積する(S3)ステップとを備えることを特徴とする誘導方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示技術分野に関し、特に、外部補償誘導回路及びその誘導方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(OLED、Organic Light−Emitting Diode)は、電流型発光素子として、高性能の表示装置にますます多く適用されている。従来のパッシブマトリックス型有機発光ダイオード(Passive Matrix OLED)は、表示サイズの大きくなることに従って、1つの画素に対する駆動時間をさらに短くする必要があるため、過渡電流を大きくする必要があり、消費電力も多くなってしまう。それとともに、大電流の適用によって、ナノ材料の酸化インジウムスズ(ITO、Indium Tin Oxides)の線路電圧降下が大きすぎるようになり、OLEDは、作動電圧も高すぎるようになり、効率が低下してしまう。アクティブマトリックス型有機発光ダイオード(AMOLED、Active Matrix OLED)は、スイッチ管より、行ごとにOLED電流が走査入力されるため、これらの問題をよく解決できる。
【0003】
AMOLEDのバックパネルを設計する場合、主に、画素ユニット回路の間の輝度の不均一を解決する必要がある。
【0004】
まず、AMOLEDは、薄膜トランジスタ(TFT、Thin−Film Transistor)によって画素ユニット回路を形成して、対応する電流をOLED素子に供給する。従来技術では、主に、低温ポリシリコン薄膜トランジスタ(LTPS TFT、Low Temperature Poly−Silicon TFT)、又は酸化物薄膜トランジスタ(Oxide TFT)が採用される。LTPS TFT及びOxide TFTは、普通のアモルファスシリコン薄膜トランジスタ(amorphous−Si TFT)と比べて、さらに高い移動度及びさらに安定する特性を有し、さらに適合にAMOLED表示に適用される。しかし、結晶化工程の制約によって、大面積のガラス基板上に形成されたLTPS TFTは、例えば、閾値電圧及び移動度等の電気的なパラメータが不均一である状況が多い。この不均一性によって、OLED表示素子に電流差及び輝度差、即ち、ムラ(Mura)現象が現れるようになり、人の目に感じられる。Oxide TFTは、工程の均一性がよいが、a−Si TFTと類似するように、長時間の加圧及び高温の場合に、その閾値電圧のばらつきが生じる。表示画面が異なるため、パネルの各部分のTFTの閾値のばらつき量が異なり、表示の輝度差が生じてしまい、この輝度差はこの前の表示画像に関わるため、残像現象が現れる場合が多い。
【0005】
第二に、大きいサイズの表示の適用において、バックパネルの電源線に一定の抵抗が存じ、全ての画素の駆動電流がいずれもARVDD電源によって提供されるため、バックパネルでは、ARVDD電源の給電位置から近い領域の電源電圧が給電位置から離れる領域の電源電圧より高い。このような現象は、電源の電圧下降(IR Drop)と呼ばれる。ARVDD電源の電圧が電流に関わるため、IR Dropによって、異なる領域の電流も異なるようになり、表示する場合、Mura現象が生じてしまう。P型(P−Type)TFTによって画素ユニットを構成するLTPS工程に対して、この問題はさらに敏感である。なぜならば、その蓄積コンデンサがARVDDとTFTゲート電極との間に接続され、ARVDDの電圧の変更が、直接に駆動TFTトランジスタのゲート電圧Vgsを影響するからである。
【0006】
第三に、OLED素子は、蒸着される場合、膜厚が不均一であれば、電気的な性能も不均一になる。N−Type TFTによって画素ユニットを構造するa−Si又はOxide TFT工程は、蓄積コンデンサが駆動TFTのゲート電極とOLEDのアノードとの間に接続され、データ電圧がゲート電極に伝送される場合、画素毎のOLEDのアノードの電圧が異なると、実際にTFTに印加されるゲート電圧Vgsが異なって、駆動電流の異なりが表示輝度の異なりを生じる。
【0007】
AMOLEDは、駆動タイプによって、デジタル型、電流型及び電圧型という3つのタイプに分ける。デジタル型駆動方法は、TFTをスイッチとして駆動時間を制御することによってグレースケールを実現し、不均一性を補償する必要がない。しかし、その作動頻度が表示サイズの増大に従って倍に上昇し、消費電力も大きくなり、且つ一定の範囲内で設計の物理的な限界に達するため、大きいサイズの表示適用に適合しない。電流型駆動法は、大きさが異なる電流を直接に駆動トランジスタに提供することによって、グレースケールを実現するものであり、TFTの不均一性及びIR Dropをよく補償できる。しかし、ローグレースケール信号を書き入れるとき、小電流でデータラインにおける大きい寄生容量を充電させることは、書き入れ時間が長すぎる問題をもたらす。この問題は、大きいサイズの表示において特に重大で、克服し難い。電圧型駆動方法は、従来のアクティブマトリックス液晶ディスプレイ(AMLCD、Active Matrix Liquid Crystal Display)の駆動方法に類して、駆動ICによってグレースケールを示す電圧信号を提供する。この電圧信号は、画素回路の内部で駆動トランジスタの電流信号に変更されることによって、OLEDに輝度のグレースケールを実現させるように駆動する。このような方法は、駆動速度が速くて、簡単に実現できるメリットを有し、大きいサイズのパネルの駆動に適合し、業界に広く応用されている。しかし、TFTの不均一性、IR Drop及びOLEDの不均一性を補償するように、余計なTFT及び容量素子を設計する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
V
thnの不均一性、ばらつき及びOLEDの不均一性を補償することに臨む画素構造が様々ある。それにおいて、外部補償では、主な設計難点は電流誘導回路である。読み取り速度を向上するように、パネル(PANEL)において、列毎の画素(Pixel)は、それぞれ1つの誘導回路単元に対応する。誘導回路の主な機能は、出力又は入力した電流を電圧信号に転換して後続のADCモジュールに伝送してさらに処理する。従来の誘導回路は電流積分器からなるが、従来の誘導回路は、画素電流が小さいとき、快速に応答することができない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明が解決しようとする技術的課題は、誘導回路の出力電圧の応答速度を向上し、外部補償の速度を向上することができる外部補償誘導回路及びその誘導方法、表示装置を提供する。
【0010】
上記技術的問題を解決するために、本発明の一方面は、外部補償誘導回路を提供する。前記外部補償誘導回路は、全差動型オペアンプ、第1のコンデンサ、第2のコンデンサ及び誘導電流を増幅するための出力回路を備える。
【0011】
前記全差動型オペアンプは、負入力端子がディスプレイスクリーンに接続され、正入力端子が基準電圧に接続され、負出力端子が前記出力回路の第1の制御端子に接続され、正出力端子が前記出力回路の第2の制御端子に接続される。
【0012】
前記第1のコンデンサは、両端が前記全差動型オペアンプの負入力端子及び前記出力回路の入力端子にそれぞれ接続される。
【0013】
前記第2のコンデンサは、一端が前記出力回路の出力端子に接続され、他端が接地される。
【0014】
前記全差動型オペアンプの負入力端子とディスプレイスクリーンとの間に第1のスイッチが設置され、前記第1のコンデンサの両端の間に第2のスイッチが設置され、第2のコンデンサと前記出力回路の出力端子との間に第3のスイッチが設置されてもよい。
【0015】
前記出力回路は、第1の出力回路及び第2の出力回路を備え、前記第2の出力回路の出力電流は、前記第1の出力回路の出力電流のM倍であり、1<M<100であってもよい。
【0016】
前記第1の出力回路は、第1のN型MOSトランジスタ及び第1のP型MOSトランジスタを備え、前記第1のN型MOSトランジスタのゲート電極は、前記出力回路の第1の制御端子であり、前記第1のP型MOSトランジスタのゲート電極は、前記出力回路の第2の制御端子であり、前記第1のN型MOSトランジスタのソース電極と前記第1のP型MOSトランジスタのドレイン電極とは接続されて前記出力回路の入力端子になり、前記第1のN型MOSトランジスタのドレイン電極は接地され、前記第1のP型MOSトランジスタのソース電極は電源に接続され、
前記第2の出力回路は、第2のN型MOSトランジスタ及び第2のP型MOSトランジスタを備え、前記第2のN型MOSトランジスタのソース電極と前記第2のP型MOSトランジスタのドレイン電極とは接続されて前記出力回路の出力端子になり、前記第2のN型MOSトランジスタのドレイン電極は接地され、前記第2のP型MOSトランジスタのソース電極は電源に接続されてもよい。
【0017】
前記第2の出力回路における第2のN型MOSトランジスタの幅長比は、前記第1の出力回路における第1のN型MOSトランジスタの幅長比のM倍であり、前記第2の出力回路における第2のP型MOSトランジスタの幅長比は、前記第1の出力回路における第1のP型MOSトランジスタの幅長比のM倍であってもよい。ここで、1<M<100である。
ここで、前記MOSトランジスタの幅長比は、MOSトランジスタの導電チャネルの幅長比である。
【0018】
本発明の他の方面は、前記外部補償誘導回路を備える表示装置を提供する。
【0019】
本発明のさらに他の方面は、外部補償誘導回路の誘導方法を提供する。該方法は、
全差動型オペアンプをユニティーゲイン状態にオフセットさせ、第1のコンデンサが放電するステップ(S1)と、
ディスプレイスクリーンの電流によって第1のコンデンサを充電させ、又は放電させ、出力回路が充放電電流をM倍に増幅し、1<M<100であるステップ(S2)と、
第2のコンデンサ内に電圧を蓄積するステップ(S3)と、を備える。
【0020】
本発明の例示的な実施例に係る外部補償誘導回路及びその誘導方法、表示装置は、画素ユニット回路の外部補償誘導回路では、デュアル出力段によって誘導電流を増幅することによって、出力電圧を快速に応答させることができるようになり、外部補償の速度が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の例示的な実施例に係る外部補償誘導回路の回路図である。
【
図2】本発明の例示的な実施例に係る外部補償誘導回路の誘導方法を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の例示的な実施例に係る外部補償誘導回路の出力電圧のシーケンス比較を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面及び実施例を組み合わせて、本発明の実施例をさらに詳しく説明する。下記の実施例は、本発明の原理を例示的に説明するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0023】
図1に示すように、本発明の実施例に係る外部補償誘導回路は、全差動型オペアンプ1、第1のコンデンサ2、第2のコンデンサ3及び誘導電流を増幅するための出力回路12を備える。
【0024】
全差動型オペアンプ1は、負入力端子IN−がディスプレイスクリーン11に接続され、正入力端子IN+が基準電圧VREFに接続され、負出力端子IN−が出力回路12の第1の制御端子に接続され、正出力端子が出力回路12の第2の制御端子に接続される。
【0025】
第1のコンデンサ2は、両端が全差動型オペアンプ1の負入力端子IN−及び前記出力回路12の入力端子にそれぞれ接続され、
第2のコンデンサ3は、一端が出力回路12の出力端子に接続され、他端が接地GNDされる。
【0026】
全差動型オペアンプ1の負入力端子IN−とディスプレイスクリーン11との間に、第1のスイッチ8を設置できる。第1のコンデンサ2の両端の間に第2のスイッチ9を設置できる。第2のコンデンサ3と前記出力回路12の出力端子との間に第3のスイッチ10を設置できる。
【0027】
出力回路12は、第1の出力回路及び第2の出力回路を備え、第2の出力回路の出力電流は、第1の出力回路の出力電流のM倍であり、1<M<100である。
【0028】
第1の出力回路は、第1のN型MOSトランジスタ4及び第1のP型MOSトランジスタ5を備える。第1のN型MOSトランジスタ4のゲート電極は、出力回路12の第1の制御端子であり、第1のP型MOSトランジスタ5のゲート電極は、出力回路12の第2の制御端子であり、第1のN型MOSトランジスタ4のソース電極は、第1のP型MOSトランジスタ5のドレイン電極に接続されて出力回路12の入力端子になれ、第1のN型MOSトランジスタ4のドレイン電極は接地され、第1のP型MOSトランジスタ5のソース電極は電源に接続され、
第2の出力回路は、第2のN型MOSトランジスタ6及び第2のP型MOSトランジスタ7を備え、第2のN型MOSトランジスタ6のソース電極は、第2のP型MOSトランジスタ7のドレイン電極に接続されて出力回路12の出力端子になり、第2のN型MOSトランジスタ6のドレイン電極は接地され、第2のP型MOSトランジスタ7のソース電極は電源に接続される。
【0029】
第2の出力回路における第2のN型MOSトランジスタ6の幅長比は、第1の出力回路における第1のN型MOSトランジスタ4の幅長比のM倍であり、第2の出力回路における第2のP型MOSトランジスタ7の幅長比は、第1の出力回路における第1のP型MOSトランジスタ5の幅長比のM倍であり、ここで、1<M<100である。
【0030】
画素ユニット回路の外部補償誘導回路では、デュアル出力段によって誘導電流を元のM倍に増幅し、1<M<100である。これによって、出力電圧を快速に応答させることができるようになり、外部補償の速度が向上される。
【0031】
本発明の例示的な実施例に係る表示装置は、上記の外部補償誘導回路を備えてもよい。
【0032】
図2に示すように、本発明の例示的な実施例に係る外部補償誘導回路が実行する誘導方法は、作業過程が以下のようである。
ステップS1では、
図1に示す外部補償誘導回路は、第1のスイッチ8がオフされ、第2のスイッチ9及び第3のスイッチ10がオンされ、全差動型オペアンプがユニティーゲイン状態にオフセットされ、第1のコンデンサが放電し、
ステップS2では、
図1に示す外部補償誘導回路は、第1のスイッチ8がオンされ、第2のスイッチ9がオフされ、第3のスイッチ10がオンされ、ディスプレイスクリーンの電流が第1のコンデンサ2を充電させ、又は放電させ、第2の出力回路が第1の出力回路の充放電電流をM倍に増幅し、ここで、1<M<100であり、
ステップS3では、
図1に示す外部補償誘導回路は、第3のスイッチ10がオフされ、第2のコンデンサ3内に電圧が蓄積する。
【0033】
さらに具体的に、この方法は、以下の3つの段階を備える。
【0034】
第1の段階は初期リセットの段階である。この段階では、第1のスイッチ8がオフされ、第2のスイッチ9及び第3のスイッチ10がオンされ、このとき、増幅器がユニティーゲイン状態にオフセットされ、全差動型オペアンプ1の負入力端子IN−が出力電圧と同じVREFである。第1のコンデンサ2は、両端が全差動型オペアンプ1の負入力端子IN−及びVREF電圧にそれぞれ接続され、第1のコンデンサ2を放電させる。
【0035】
第2の段階は積分段階である。このとき、第1のスイッチ8がオンされ、第2のスイッチ9がオフされ、第3のスイッチ10がオンされ、ディスプレイスクリーン11の内部からの画素電流が第1のコンデンサ2を充電させ、又は放電させる。このとき、第1のコンデンサ2の電荷の変化量がI
INtであり、I
INが画素電流であり、tが充放電の時間である。出力回路12の第1の出力回路では、流出電流がI1であり、流入電流がI2であると、I1+I
IN=I2である。第2の出力回路は、第1の出力回路をミラーイメージ増幅するものであり、電流がM倍に増幅される。このとき、第3のスイッチ10がオンされると、第2のコンデンサ3に対する放電電流がM*I
INになり、Mが第2段と第1段との出力トランジスタの幅長比の比例である。これによって、第2のコンデンサ3の充放電電流がM倍に増幅されるため、従来の回路構造と比べて、出力の応答速度がさらに速い。
【0036】
第3の段階は保持段階である。このとき、第3のスイッチ10がオフされ、VOUT出力電圧は、第2のコンデンサ3に蓄積され、後続のADC転換によりさらに処理される。
【0037】
本発明の例示的な実施例に係る外部補償誘導回路の出力電圧のシーケンス比較図は
図3に示すようであり、VREFが基準電圧であり、V
1及びV
2がそれぞれ入力及び出力電圧である。これで明らかなように、本発明実施例の技術案は、従来技術に対して、電圧の誘導速度が明らかに向上され、具体的に、速度が元のM倍に向上され、1<M<100である。
【0038】
以上の実施例は、本発明の原理を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者は、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、様々な修正及び変更ができる。従って、いずれの均等的な技術案も本発明の保護範囲に入り、本発明の特許保護範囲は請求項に基づく。
【符号の説明】
【0039】
1 全差動型オペアンプ
2 第1のコンデンサ
3 第2のコンデンサ
4 トランジスタ
5 トランジスタ
6 トランジスタ
7 トランジスタ
8 第1のスイッチ
9 第2のスイッチ
10 第3のスイッチ
11 ディスプレイスクリーン
12 出力回路