(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0006]本開示の一態様は、内部を貫通する1つまたは複数のアプリケータ開口部を有
する移植片アプリケータと、内部を貫通する1つまたは複数の支持体開口部を有する移植片支持体とを備え、移植片アプリケータおよび移植片支持体が互いに対して配置されて移植片入れ子を形成し、移植片入れ子が角膜移植片を収容するように構成され、1つまたは複数のアプリケータ開口部の面積の合計に対する1つまたは複数のアプリケータ開口部の周長の合計の比が、1つまたは複数の支持体開口部の面積の合計に対する1つまたは複数の支持体開口部の周長の合計の比よりも大きく、比が大きいほど、支持体よりも角膜移植片に対する高い親和性をアプリケータに与える、角膜移植片アプリケータ装置である。
【0005】
[0007]一部の実施形態では、角膜組織が移植片アプリケータよりも角膜移植片に対す
る高い親和性を有するように移植片アプリケータが構成される。
[0008]一部の実施形態では、移植片アプリケータが、内部を貫通する複数のアプリケ
ータ開口部を有する。複数のアプリケータ開口部が、複数のアプリケータ開口部にわたる同一の最大直線寸法を有することができる。
【0006】
[0009]一部の実施形態では、移植片支持体が、内部を貫通する複数の支持体開口部を
有する。複数の支持体開口部が、支持体開口部にわたる同一の第2の最大直線寸法を有することができる。
【0007】
[00010]一部の実施形態では、移植片アプリケータが、内部を貫通する複数のアプリケ
ータ開口部を有し、移植片支持体が、内部を貫通する複数の支持体開口部を有する。複数のアプリケータ開口部が、複数のアプリケータ開口部にわたる同一の最大直線寸法を有することができ、複数の支持体開口部が、支持体開口部にわたる同一の第2の最大直線寸法を有する。角膜移植片が入れ子内に配置されたときに角膜移植片に重なる複数のアプリケータ開口部の数は、角膜移植片に重なる複数の支持体開口部の数よりも大きくなり得る。流体が角膜移植片入れ子内に保持され得、表面張力によって角膜移植片に重なるある数の複数のアプリケータ開口部内に流体が配置され、表面張力によって角膜移植片に重なるある数の複数の支持体開口部内に流体が配置され、角膜移植片に重なるアプリケータ開口部内に配置された流体の体積が、角膜移植片に重なる支持体開口部内に配置された流体の体積よりも大きい。角膜移植片に重なる支持体開口部の少なくとも1つが、開口部全体にわたって延びる流体を有する必要はない。
【0008】
[00011]一部の実施形態では、角膜移植片アプリケータが、角膜移植片アプリケータに
わたる第1の最大直線寸法を有し、移植片支持体が、移植片支持体にわたる第2の最大直線寸法を有し、第2の最大直線寸法が第1の最大直線寸法よりも大きい。
【0009】
[00012]一部の実施形態では、移植片支持体の外縁が、移植片アプリケータの外縁より
もさらに半径方向に延びる。
[00013]一部の実施形態では、移植片支持体が、入れ子の一部を形成する平坦な移植片
支持体表面を有する。移植片支持体の内部に、角膜移植片を収容するように構成された凹部が形成されていてもよい。
【0010】
[00014]一部の実施形態では、移植片アプリケータが、入れ子の一部を形成する平面を
有する。
[00015]一部の実施形態では、移植片アプリケータが第1の最大厚さを有し、移植片支
持体が第2の最大厚さを有し、第2の厚さが第1の厚さよりも大きい。第2の厚さは第1の厚さの約2倍であり得る。
【0011】
[00016]一部の実施形態では、1つまたは複数のアプリケータ開口部が六角形の構成を
有する。
[00017]一部の実施形態では、1つまたは複数の支持体開口部が六角形の構成を有する
。
【0012】
[00018]一部の実施形態では、角膜移植片が親水性材料から作製される。
[00019]本開示の一態様は、内部を貫通する複数のアプリケータ開口部を有する移植片
アプリケータと、内部を貫通する複数の支持体開口部を有する移植片支持体とを備え、複数のアプリケータ開口部の数が複数の支持体開口部の数よりも大きく、移植片アプリケータおよび移植片支持体が互いに対して配置されて移植片入れ子を形成し、角膜移植片が複数のアプリケータ開口部および複数の支持体開口部に隣接して配置されるように、角膜移植片入れ子が角膜移植片を収容するように構成される、角膜移植片アプリケータ装置である。
【0013】
[00020]一部の実施形態では、アプリケータ開口部の数が大きいほど、支持体よりも角
膜移植片に対する高い親和性をアプリケータに与える。
[00021]一部の実施形態では、角膜組織がアプリケータよりも角膜移植片に対する高い
親和性を有するように、アプリケータが構成される。
【0014】
[00022]一部の実施形態では、入れ子内に位置決めされたときに角膜移植片に重なる複
数のアプリケータ開口部の数が、移植片が入れ子内に位置決めされたときに角膜移植片に重なる複数の支持体開口部の数よりも大きい。
【0015】
[00023]一部の実施形態では、複数のアプリケータ開口部が六角形の構成を有する。
[00024]一部の実施形態では、複数の支持体開口部が六角形の構成を有する。
[00025]一部の実施形態では、角膜移植片が親水性材料から作製される。
【0016】
[00026]本開示の一態様は、内部を貫通する複数のアプリケータ開口部を有する角膜移
植片アプリケータであって、複数のアプリケータ開口部が六角形の構成を有する角膜移植片アプリケータと、内部を貫通する複数の支持体開口部を有する角膜移植片支持体であって、複数の支持体開口部が六角形の構成を有する角膜移植片支持体とを備え、角膜移植片支持体が角膜移植片アプリケータに対して配置されて、間に角膜移植片入れ子を形成する、角膜移植片アプリケータ装置である。
【0017】
[00027]一部の実施形態では、支持体よりも角膜移植片に対する高い親和性をアプリケ
ータに与えるように、複数のアプリケータ開口部がサイズ決めされる。
[00028]一部の実施形態では、角膜組織がアプリケータよりも角膜移植片に対する高い
親和性を有するように、アプリケータ開口部がサイズ決めされる。
【0018】
[00029]一部の実施形態では、装置が、複数のアプリケータ開口部および複数の支持体
開口部に隣接する入れ子内に配置された角膜移植片をさらに備える。
[00030]一部の実施形態では、複数の六角形のアプリケータ開口部の対向する辺の間の
直線寸法が、複数の六角形の支持体開口部の対向する辺の間の直線寸法よりも小さい。
【0019】
[00031]一部の実施形態では、角膜移植片が親水性材料から作製される。
[00032]本開示の一態様は、内部を貫通する少なくとも1つのアプリケータ開口部を有
する移植片アプリケータと、内部を貫通する少なくとも1つの支持体開口部を有する移植片支持体とを備え、移植片アプリケータおよび移植片支持体が互いに対して配置されて、角膜移植片を収容するように構成された移植片入れ子を形成し、少なくとも1つのアプリケータ開口部および少なくとも1つの支持体開口部が、角膜移植片と少なくとも1つのアプリケータ開口部内に配置された液体との間の力が角膜移植片と少なくとも1つの支持体開口部内に配置された液体との間の力よりも大きくなるように構成され、力が大きいほど、支持体よりも角膜移植片に対する高い親和性をアプリケータに与える角膜移植片アプリケータ装置である。
【0020】
[00033]一部の実施形態では、少なくとも1つのアプリケータ開口部が、角膜表面より
も角膜移植片に対する低い親和性をアプリケータに与えるように構成される。
[00034]一部の実施形態では、アプリケータ開口部の数が支持体開口部の数よりも大き
い。移植片入れ子内に位置決めされたときに角膜移植片に重なるアプリケータ開口部の数が、角膜移植片に重なる支持体開口部の数より大きくてもよい。
【0021】
[00035]一部の実施形態では、少なくとも1つのアプリケータ開口部のサイズが、少な
くとも1つの支持体開口部のサイズよりも小さい。
[00036]一部の実施形態では、移植片アプリケータが、少なくとも1つのアプリケータ
開口部が貫通する平坦な第1の表面を有する。
【0022】
[00037]一部の実施形態では、移植片支持体が、少なくとも1つの支持体開口部が貫通
する平坦な第1の表面を有する。
[00038]一部の実施形態では、少なくとも1つのアプリケータ開口部の面積の合計に対
する少なくとも1つのアプリケータ開口部の周長の合計の比が、少なくとも1つの支持体開口部の面積の合計に対する少なくとも1つの支持体開口部の周長の合計の比よりも大きく、比が大きいほど、支持体よりも角膜移植片に対する高い親和性をアプリケータに与え
る。
【0023】
[00039]一部の実施形態では、少なくとも1つのアプリケータ開口部および少なくとも
1つの支持体開口部が、六角形の構成を有する。
[00040]一部の実施形態では、移植片アプリケータが、内部を貫通する複数のアプリケ
ータ開口部を有し、移植片支持体が、内部を貫通する複数の支持体開口部を有し、複数のアプリケータ開口部が複数の支持体開口部よりも小さい。
【0024】
[00041]一部の実施形態では、移植片アプリケータが、内部を貫通する複数のアプリケ
ータ開口部を有し、移植片支持体が、内部を貫通する複数の支持体開口部を有し、角膜移植片が入れ子内に配置されたときに角膜移植片に重なる複数のアプリケータ開口部の数が、角膜移植片に重なる複数の支持体開口部の数よりも大きい。
【0025】
[00042]一部の実施形態では、角膜移植片が親水性材料から作製される。
[00043]本開示の一態様は、内部を貫通する複数のアプリケータ開口部を有する移植片
アプリケータと、内部を貫通する複数の支持体開口部を有する移植片支持体とを備え、移植片アプリケータおよび移植片支持体が互いに対して配置されて、角膜移植片を収容するように構成された移植片入れ子を形成し、複数のアプリケータ開口部の配置により、支持体よりも角膜移植片に対する高い親和性をアプリケータに与える、角膜移植片アプリケータ装置である。
【0026】
[00044]一部の実施形態では、複数のアプリケータ開口部の配置により、角膜表面より
も角膜移植片に対する低い親和性をアプリケータに与える。
[00045]一部の実施形態では、アプリケータ開口部の数が、支持体開口部の数よりも大
きい。移植片入れ子内に位置決めされたときに角膜移植片に重なるアプリケータ開口部の数は、角膜移植片に重なる支持体開口部の数より大きくてもよい。
【0027】
[00046]一部の実施形態では、複数のアプリケータ開口部のサイズが複数の支持体開口
部のサイズよりも小さい。
[00047]一部の実施形態では、移植片アプリケータが、複数のアプリケータ開口部が貫
通する平坦な第1の表面を有する。
【0028】
[00048]一部の実施形態では、移植片支持体が、複数の支持体開口部が貫通する平坦な
第1の表面を有する。
[00049]一部の実施形態では、複数のアプリケータ開口部の面積の合計に対する複数の
アプリケータ開口部の周長の合計の比が、複数の支持体開口部の面積の合計に対する複数の支持体開口部の周長の合計の比よりも大きく、比が大きいほど、支持体よりも角膜移植片に対する高い親和性をアプリケータに与える。
【0029】
[00050]一部の実施形態では、複数のアプリケータ開口部および複数の支持体開口部が
、六角形の構成を有する。
[00051]一部の実施形態では、複数のアプリケータ開口部が複数の支持体開口部よりも
小さい。
【0030】
[00052]一部の実施形態では、角膜移植片が入れ子内に配置されるときに角膜移植片に
重なる複数のアプリケータ開口部の数が、角膜移植片に重なる複数の支持体開口部の数よりも大きい。
【0031】
[00053]一部の実施形態では、角膜移植片が親水性材料から作製される。
[00054]本開示の一態様は、角膜移植片送達装置を内部で受けて安定させるように構成
されたポケットを形成する本体を備える、角膜移植片水和制御装置である。
【0032】
[00055]一部の実施形態では、本体が、第1の水和制御要素と、第1の水和制御要素に
対して配置されてポケットを形成する第2の水和制御要素とを備える。第1および第2の水和制御要素は、巻き上げられた材料の部分を含むことができる。第1および第2の水和制御要素は、材料の一体部分から巻き上げられた材料の部分を含むことができる。材料の一体部分の一部は、逆転防止装置を形成することができる。第1および第2の水和制御要素は、概して円筒形であってもよい。第1および第2の水和制御要素は互いに係合することができる。
【0033】
[00056]一部の実施形態では、装置が、本体に固定された第1の変形可能な基部をさら
に備え、第1の変形可能な基部が、変形して第1の水和制御要素および第2の水和制御要素の間の距離を調節するように構成され、第1および第2の水和制御要素がポケットの少なくとも一部を形成する。装置は、第1の水和制御要素内に配置された第1のコアと、第2の水和要素内に配置された第2のコアとをさらに備えることができ、第1の変形可能な基部が第1および第2のコアに固定されて、基部を第1および第2の水和制御要素に固定する。装置は、第1および第2のコアに次ぐ第2の変形可能な基部をさらに備えることができる。第1の変形可能な基部が、第1および第2のコアのそれぞれの第1の端部に固定され得、第2の変形可能な基部が、第1および第2のコアのそれぞれの第2の端部に固定される。第1の変形可能な基部は、変形可能な基部が変形して第1および第2の水和制御要素の間の距離を調節可能にするリビングヒンジを備えることができる。
【0034】
[00057]一部の実施形態では、ポケットが、第1および第2の水和制御要素によって形
成された、全体的に楔形を有する。
[00058]一部の実施形態では、本体がポリエステル材料から形成される。
【0035】
[00059]一部の実施形態では、装置がポケットから取り出されるときに、ポケット内に
配置された装置から流体を逃がすように、本体が構成される。
[00060]本開示の一態様は、角膜移植片が保持される移植片部分を備えた角膜移植片ア
プリケータ装置と、移植片部分を内部で受けて安定させるように構成されたポケットを備えた水和制御部材とを備えた、角膜移植片アプリケータのための包装アセンブリである。
【0036】
[00061]一部の実施形態では、角膜移植片が保持される移植片部分がほぼ平坦である。
[00062]一部の実施形態では、角膜移植片が、ほぼ無応力構成で角膜移植片アプリケー
タ装置の移植片部分に保持される。
【0037】
[00063]一部の実施形態では、水和制御部材が、第1の水和制御要素と第2の水和制御
要素とを備え、第1および第2の水和制御要素がポケットの少なくとも一部を形成する。第1および第2の水和制御要素は全体的に円筒形である。
【0038】
[00064]一部の実施形態では、水和制御部材が、角膜移植片アプリケータ装置がポケッ
ト内で遠くへ前進しすぎるのを防止するように構成された逆転防止装置をさらに備える。
[00065]一部の実施形態では、第1および第2の水和制御要素が、互いから離れて角膜
移植片アプリケータ装置を収容するように構成される。
【0039】
[00066]本開示の一態様は、角膜移植片が装置の部分内に配置される、角膜移植片アプ
リケータ装置を設けるステップと、装置の部分を水和制御部材に対して移動させながら、移植片が配置された装置の部分を水和制御部材に係合させることにより、過剰な流体を装置の部分からはぎ取るステップとを含む、角膜移植片アプリケータ装置から過剰な保管液体を除去する方法である。
【0040】
[00067]一部の実施形態では、装置の部分が、少なくとも1つの開口部がそれぞれ形成
された、角膜入れ子を形成する第1および第2の表面を有し、はぎ取りステップが、第1および第2の表面から過剰な流体を除去するステップを含む。
【0041】
[00068]一部の実施形態では、はぎ取りステップが、装置の部分を第1および第2の水
和制御要素に対して移動させながら、装置の部分を第1および第2の水和制御要素に係合させるステップを含む。
【0042】
[00069]本開示の一態様は、角膜移植片が位置決めされる第1の部分を角膜移植片アプ
リケータ装置に設けるステップと、第1の部分が水和制御部材に係合するまで、水和制御部材により形成されたポケット内に装置の第1の部分を位置決めするステップとを含む、角膜移植片アプリケータ装置を保管する方法である。
【0043】
[00070]一部の実施形態では、位置決めステップが、水和制御部材と角膜移植片との間
に流体連通を生じさせる。
[00071]一部の実施形態では、位置決めステップが、第1の部分が2つの水和制御要素
に係合するまで、2つの水和制御要素により形成されたポケット内へ第1の部分を前進させるステップを含む。位置決めステップは、第1の装置表面を第1の水和制御要素に係合させて位置決めするステップと、第2の装置表面を第2の水和制御要素に係合させて位置決めするステップとを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】[00072]例示的な凝集力を示す図である。
【
図2】[00073]例示的な付着力を示す図である。
【
図3】[00074]ループ内に懸濁された液体を示す図である。
【
図4】[00075]例示的な角膜移植片アプリケータ装置を示す図である。
【
図5】例示的な角膜移植片アプリケータ装置を示す図である。
【
図6】例示的な角膜移植片アプリケータ装置を示す図である。
【
図7】例示的な角膜移植片アプリケータ装置を示す図である。
【
図8】例示的な角膜移植片アプリケータ装置を示す図である。
【
図9】例示的な角膜移植片アプリケータ装置を示す図である。
【
図10】例示的な角膜移植片アプリケータ装置を示す図である。
【
図11A】[00076]例示的な中位本体および極小本体を示す図である。
【
図11B】例示的な中位本体および極小本体を示す図である。
【
図11C】例示的な中位本体および極小本体を示す図である。
【
図11D】例示的な中位本体および極小本体を示す図である。
【
図12】例示的な中位本体および極小本体を示す図である。
【
図13】例示的な中位本体および極小本体を示す図である。
【
図14】例示的な中位本体および極小本体を示す図である。
【
図15】例示的な中位本体および極小本体を示す図である。
【
図16】[00077]例示的な角膜移植片アプリケータ装置を示す図である。
【
図17A】例示的な角膜移植片アプリケータ装置を示す図である。
【
図17B】例示的な角膜移植片アプリケータ装置を示す図である。
【
図17C】例示的な角膜移植片アプリケータ装置を示す図である。
【
図18】例示的な角膜移植片アプリケータ装置を示す図である。
【
図19】例示的な角膜移植片アプリケータ装置を示す図である。
【
図20A】[00078]例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図20B】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図20C】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図20D】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図21A】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図21B】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図21C】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図21D】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図21E】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図21F】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図21G】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図21H】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図21I】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図22A】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図22B】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図22C】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図23A】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図23B】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図23C】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図23D】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図24A】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図24B】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図24C】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図24D】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図24E】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図25A】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図25B】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図25C】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図25D】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図26A】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図26B】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図26C】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図26D】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図27A】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図27B】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図27C】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図27D】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図27E】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図28A】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図28B】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図28C】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図28D】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図29A】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図29B】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図29C】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図29D】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図30A】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図30B】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図30C】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図30D】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図31A】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図31B】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図32A】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図32B】例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部品を示す図である。
【
図33A】[00079]水和制御部材のポケット内および包装トレイ内に位置決めされた例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部分を示す図である。
【
図33B】水和制御部材のポケット内および包装トレイ内に位置決めされた例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部分を示す図である。
【
図34】[00080]例示的な水和制御部材を示す図である。
【
図37A】[00081]水和制御部材のポケット内および包装トレイ内に位置決めされた例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部分を示す図である。
【
図37B】水和制御部材のポケット内および包装トレイ内に位置決めされた例示的な角膜移植片アプリケータ装置の部分を示す図である。
【
図38A】[00082]例示的な水和制御部材を示す図である。
【
図41A】[00083]例示的な包装装置を示す図である。
【
図42】[00084]例示的な角膜移植片位置決めループを示す図である。
【
図43】[00085]例示的な角膜移植片を示す図である。
【
図44A】[00086]例示的なループを示す図である。
【
図45】[00087]ループ構造を備えた例示的な角膜移植片位置決め部材を示す図である。
【
図46a】ループ構造を備えた例示的な角膜移植片位置決め部材を示す図である。
【
図46b】ループ構造を備えた例示的な角膜移植片位置決め部材を示す図である。
【
図47】ループ構造を備えた例示的な角膜移植片位置決め部材を示す図である。
【
図48】ループ構造を備えた例示的な角膜移植片位置決め部材を示す図である。
【
図49】ループ構造を備えた例示的な角膜移植片位置決め部材を示す図である。
【
図50】ループ構造を備えた例示的な角膜移植片位置決め部材を示す図である。
【
図51】ループ構造を備えた例示的な角膜移植片位置決め部材を示す図である。
【
図52】ループ構造を備えた例示的な角膜移植片位置決め部材を示す図である。
【
図53】ループ構造を備えた例示的な角膜移植片位置決め部材を示す図である。
【
図54】ループ構造を備えた例示的な角膜移植片位置決め部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
[00088]本開示は、角膜インレー等の角膜移植片の包装、保管、位置決め、および送達
の1つまたは複数のための装置に関する。たとえば、限定されないが、角膜アンレー、角膜インレー、角膜移植物、およびコンタクトレンズの移動および位置決めに、本明細書の装置を使用することができる。
【0046】
[00089]本開示は、少なくとも部分的に液体の表面張力に依拠して、角膜移植片の位置
決めおよび/または移動を制御する装置および使用方法を含む。装置を、角膜移植片の保管、包装、移動、または送達に使用することができる。角膜移植片が少なくとも部分的にヒドロゲル等の親水性材料から作製されているときに、これらの手法を使用することができる。
【0047】
[00090]表面張力は、液体本体の表面を外力に抵抗可能にする液体の性質である。表面
張力により、小さいピンおよびある昆虫等の水よりも高密度の物体が液体の表面に浮くことができる。表面張力は、液体の分子の凝集力によって生じる。凝集力は、2つの同様の分子間の引力である。
図1に示すように、液体の本体内の平均的な分子は、近接する分子からの凝集力がその分子にすべての方向に作用するので、その分子に作用する全体的な凝集力を持たない。しかしながら、表面上の分子のみは、それを内側に引く凝集力を受ける。非常に小さい液滴については、すべての表面分子にかかる内向きの力によって、液滴が全体的に球形になる。
【0048】
[00091]一方、付着力は異なる分子間に見られるものである。一部の材料の組合せにつ
いて、これらの力は液体の分子の凝集力よりも大きくなり得る。このような強い付着力が、液体の表面の(
図2に示す)メニスカスと呼ばれる上方「湾曲」の原因となり、ここでは、容器の縁部周りの液体が、液体と容器との付着力によって表面の残りの部分よりも高く引かれる。付着力は、水の表面を引き上げ、液体の本体を引き下げる重力と平衡にある。
【0049】
[00092]
図3に示すようにループ内に懸濁する液体の場合、ループからの付着力が液体
の上面および底面の両方に作用し、凝集力が上面および下面にわたって作用する。これらの力は、重力が凝集力および付着力に打ち勝つほど液体の体積が大きくなるまで、ループ内に液体を保持するのに十分なものである。
【0050】
[00093]固体、メッシュ、または他のこのような表面の場合、付着力および凝集力が同
様に作用する。材料の種類、流体の種類、表面形状を含む多くの要因が、付着力および凝集力の強度に影響する。
【0051】
[00094]以下の実施形態で保管および使用可能な例示的な角膜移植片は、参照により本
明細書に組み込まれている、2006年10月30日出願の米国特許出願公開第2007/0203577号、2007年4月20日出願の米国特許出願公開第2008/0262610号、および2010年9月8日出願の米国特許出願公開第2011/0218623号に記載された角膜インレーである。一部の実施形態では、「小径」(すなわち約1mm以上約3mm以下)の角膜インレーが、主に流体であり得るヒドロゲルから作製される。このこと、およびインレーのサイズが小さいことにより、インレーは流体と幾分同様に動作する。以下の開示は、角膜移植片のこのような特徴、および流体と種々の表面形状との付着力を利用する。本明細書の開示は角膜インレーに焦点を合わせているが、同様の特性を呈する任意の角膜移植片を、本明細書に記載したように使用することができる。たとえば、少なくとも一部が親水性を有する角膜アンレーを、本明細書に記載したように使用してもよい。
【0052】
[00095]本明細書の装置は、流体または流体状特性を有する物体(たとえば、親水性角
膜移植片)に対する本体の「親和性」に依拠する。本明細書で使用するように、流体または流体状物体に対する本体の「親和性」は、本体と流体または流体状物体との正味付着力の強度と、流体または流体状物体内の正味凝集力の強度との差によって影響される。ほぼ一定の流体または流体状物体(たとえば、親水性角膜インレー)がある本明細書の実施形態では、流体または流体状物体に対する2つの本体の相対的親和性が、本体と流体または流体状物体との正味付着力の相対強度によって、少なくとも部分的に決定される。たとえ
ば、流体状物体が親水性の角膜移植片である実施形態では、第1の本体が、第1の本体と移植片との正味付着力が第2の本体と移植片との正味付着力よりも大きいときに、第2の本体よりも移植片に対する高い親和性を有することができる。
【0053】
[00096]角膜移植片は、最も高い正味力(付着力および凝集力の合計)により、本体に
付着されたままとなる。
[00097]本明細書で「中位本体」と呼ぶ第1の本体は、本明細書で「極小本体」と呼ぶ
第2の本体よりも流体または流体状物体に対する親和性が高い。これに関連して本明細書で使用されるように、「本体」を、装置、部品、構造、または構造を有するものを示す他の同様の用語と同義で使用することができる。しかしながら、眼は中位本体よりも流体または流体状物体に対する親和性が高い。異なる相対的親和性を使用して、ユーザが手や他の道具でインレーに触れる必要なく、インレーを取り扱い、インレーが1つの表面から別の表面へ移動するときにインレーの移動を制御することができる。相対的親和性に影響する要因として、材料の種類、流体の種類、および表面積を含む表面形状の1つまたは複数がある。
【0054】
[00098]本明細書で使用するように、角膜インレー(たとえば、流体状物体)は、中位
本体よりも眼の角膜床に対する高い「親和性」を有し、同時に、インレーは極小本体よりも中位本体に対する高い親和性を有する。眼は、中位本体および極小本体よりもインレーに対する高い親和性を有するものと説明することができる。同様に、中位本体は、極小本体よりもインレーに対する高い親和性を有するものと説明することができる。すなわち、2つの本体間の親和性を、いずれかの本体に対して説明することができる。すなわち、たとえば、中位本体は、極小本体よりもインレーに対する高い親和性を有し、したがって、インレーは、極小本体よりも中位本体に優先的に付着する。
【0055】
[00099]一部の実施形態では、保管流体がたとえば水または生理的食塩水である。水分
子は高い極性を持つため、他の材料との引力を提供する。
[000100]各本体とインレーとの親和性の相対比較を、角膜組織>中位本体>極小本体と表すことができる。中位本体および極小本体は、限定されないが、メッシュ、膜、および/または異なる表面仕上げもしくは外形の材料を含む多くの形状をとることができる。
【0056】
[000101]極小本体と中位本体との親和性の差により、インレーが中位本体に優先的に付着されたままとなる。インレーは、より強い付着力に晒されるまで、中位本体に付着され続ける。したがって、極小本体および中位本体は、中位本体とインレーとの付着力が極小本体とインレーとの付着力よりも大きいものである限り、任意の適切な材料であってよい。中位本体は、極小本体よりもインレーに対する高い親和性を有し、材料の付着特性は、このような親和性に影響する要因となる。
【0057】
[000102]
図4〜
図11Dは、中位本体および極小本体を備えた装置の例示的な実施形態であり、ここでは、装置が、極小本体を角膜移植片および中位本体から分離させるために使用される作動機構も備える。装置を使用して、角膜移植片を保管し、角膜移植片を送達するように準備し、かつ/または角膜移植片を眼の上または眼内に送達することができる。
図4および
図5(それぞれ側面図および側断面図)は、遠位部分114に固定されたハンドル112を備えた装置100を示す。アクチュエータ116は、ハンドル112および遠位部分114に配置され、ハンドル112および遠位部分114は、アクチュエータ116が内部を貫通するように構成される。ばね126が、アクチュエータ116を、
図4および
図5に示すように静止または非作動構成に維持する。アクチュエータ116は、遠位部分114におけるより小さいサイズの遠位チャネルに配置された、小さいサイズの遠位部128を有する。
【0058】
[000103]装置100の遠位端は、中位本体122に固定された第1の部分118を有する。第2の部分120は極小本体124に固定され、また、ピン134周りの第1の部分118に着脱可能に固定される。角膜移植片(明確にするため
図4および
図5には図示せず)は、中位本体および極小本体によって形成された入れ子内で、中位本体および極小本体の間に配置される。第2の部分120は、ピン134周りの第1の部分118に対して回転するように構成される。
図6(側断面図)は、アクチュエータ116が押し下げられた後の装置を示す。アクチュエータ116が押されると、ばね126が圧縮され、遠位部128が遠位部分114のチャネルを通って前方または遠位に移動する。遠位部128の遠位端は第2の部分120に接触し、ピン134周りで回転するときに第2の部分120を下方へ押す。角膜移植片が極小本体124よりも中位本体122に対する高い親和性を有するので、第2の部分120および極小本体124が第1の部分118および中位本体122から離れて回転するときに、角膜移植片は中位本体122に付着したままとなる。第2の部分120の湾曲部分がピン134から外れると、第2の部分120が第1の部分118から、したがって装置100から外れて、角膜移植片を送達すように準備する(または、一部の実施形態では、角膜移植片が別個の送達装置を使用して送達される)。
【0059】
[000104]
図7は、装置100の遠位領域の斜視図である。第1の部分118が第2の部分120に、
図7に示す閉鎖構成に偏倚されたクリップ132で固定される。アクチュエータ116からの作動力が加わると、クリップ132は開放構成になり、第2の部分120および極小本体124を第1の部分118から離して回転させることができる。
【0060】
[000105]
図8は、装置の遠位部分の側断面図である。
図9は、アクチュエータ116が作動された後、第2の部分120が第1の部分118から離れて回転している、
図8の側断面図である。角膜移植片140は、中位本体のより高い親和性によって中位本体122に付着したままとなる。
図10は、第2の部分120が第1の部分118から完全に切り離された後の側面図である。その後、アクチュエータ116は解放されて、遠位部128を遠位部分114に後退させる。角膜移植片140を送達する準備ができ、前述したように送達することができる。一部の実施形態では、角膜移植片は間質角膜組織に対して位置決めされ、インレーが中位本体よりも角膜組織に対する高い親和性を有するので、インレーは中位本体から切り離されて角膜組織に付着する。
【0061】
[000106]
図11A〜
図11Dは、
図4〜
図10のアセンブリに組込み可能な極小本体および中位本体の例示的な実施形態である。極小本体224は、内部に凹部225が形成され、中位本体および極小本体が互いに近付くときに、インレーが保持される入れ子を形成するようになっている(
図11D参照)。凹部は全体が円形の構成(極小本体224の全体構成と同様)を有するが、他の構成も適切であり得る。凹部225は、凹部内に角膜移植片を収容するように構成される。また凹部225は、輸送または保管中にインレー140(
図11B〜
図11D)が極小本体および中位本体間で圧縮されることを防止するようにサイズ決めされる(
図11D参照)。したがって、角膜移植片は、ほぼ無応力または非変形構成で維持される。インレーが画定された曲率を有するので、輸送および/または保管中にインレーが歪められないようにすることが好ましいとされ得、凹部(したがって入れ子)はインレーの歪みの防止を助けるようにサイズ決めされ得る。加えて、一部のインレーの流体的性質のため、凹部無しでは2つの平行な表面間でインレーを横方向に拘束することが困難となり得る。極小本体に形成された凹部により、過剰な力をインレーに加えることなく、容易な閉込めが可能になる。中位本体および極小本体により形成された入れ子は、保管区画として作用しながら、インレーに対する圧縮および/または損傷を防止する。
【0062】
[000107]
図11B〜
図11Dに見られるように、凹部のサイズは、インレーのサイズよりも大きい。特に、本実施形態では、凹部の直径(「dr」)はインレーの直径(「di
」)よりも大きい。加えて、中位本体の直径(「dM」)は、極小本体に形成された凹部の直径(「dr」)よりも大きい(
図11D参照)。極小本体の直径(「dm」)は、中位本体の直径(「dM」)よりも大きい。
【0063】
[000108]凹部の深さは、インレーの材料厚さよりも大きいが、無応力構成における角膜移植片の高さよりもわずかに小さいことが好ましい。これにより、角膜移植片の少なくとも一部が、中位本体および極小本体に接触して確実に維持される。角膜移植片の少なくとも一部が中位本体に接触していない場合、角膜移植片は、中位本体および極小本体が互いから離れるときに、中位本体ではなく極小本体に付着されたままとなり得る。例示的な実施形態では、角膜移植片の材料厚さが約38.1ミクロンであり、無応力構成における移植片の全高が約152.4ミクロンであり、凹部の深さが約63.5ミクロン以上約114.3ミクロン以下である。
【0064】
[000109]
図4〜
図10の実施形態と同様に、中位本体222は第1の部分218に固定され、極小本体224は第2の部分220に固定される。システムは
図4〜
図10の実施形態と同様の方法で使用される。
【0065】
[000110]本明細書に示すシステムの一部の例示的な実施形態(たとえば、
図4〜
図11Dに示すもの)では、中位本体がステンレス鋼である。一部の実施形態では、中位本体が約0.1mmの厚さであり得る。図示するように、中位本体の複数の開口部は、全体が六角形の構成を有する。一部の例示的な実施形態では、六角形の第1の辺から、少なくとも相当数の六角形の第1の辺に平行な第2の辺までの寸法(すなわち、六角形の辺心距離の2倍)が、約0.35mmである。一部の実施形態では、この寸法が約0.02mm以上約0.12mm以下であり得る。六角形間の距離(すなわち、第1の六角形の第1の辺から第2の六角形の第1の辺までの距離。辺は互いに平行で、六角形は互いに直接隣接する)は、約0.05mmであるが、この距離は約0.01mm以上約0.25mm以下であってもよい。中位本体の直径は約3mmであり得るが、一部の実施形態では、約0.25mm以上約13mm以下である。上記の数値制限は例示的なものにすぎず、限定することを意図するものではない。
【0066】
[000111]本明細書に示すシステムの一部の例示的な実施形態(たとえば、
図4〜
図11Dに示すもの)では、極小本体がステンレス鋼で、凹部を除いて約0.2mmの厚さである。図示するように、極小本体の開口部は、それぞれ全体が六角形の構成を有する。一部の例示的な実施形態では、六角形の第1の辺から、少なくとも相当数の六角形の第1の辺に平行な第2の辺までの寸法(すなわち、六角形の辺心距離の2倍)が、約1mmである。一部の実施形態では、この寸法が約0.1mm以上約3mm以下であってもよい。六角形間の距離(すなわち、第1の六角形の第1の辺から第2の六角形の第1の辺までの距離。辺は互いに平行で、六角形は互いに直接隣接する)は約0.2mmであり得るが、この距離は約0.02mm以上約0.12mm以下であってもよい。極小本体の直径は約6.5mmであり得るが、一部の実施形態では、約3mm以上約13mm以下である。上記の数値制限は、限定することを意図するものではない。
【0067】
[000112]一部の実施形態では、極小本体の直径が、中位本体の直径の少なくとも約2倍である。一部の実施形態では、極小本体の直径は、中位本体の直径の少なくとも約1.5倍である。一部の実施形態では、極小本体の複数の六角形のサイズは、中位本体の複数の六角形のサイズの少なくとも約2倍である。一部の実施形態では、これらは少なくとも約3倍または少なくとも約4倍であってもよい。
【0068】
[000113]
図12〜
図15は、メッシュ本体および角膜インレーの相対サイズおよび寸法を示す追加の図である。本実施形態ではインレーが約2mmの直径を有する。
図12は、
極小メッシュ本体224、極小メッシュ本体に形成された凹部225、インレー140の周囲、およびインレーが凹部225に位置決めされたときにインレーに重なる極小本体224の表面積240(斜線で示す)の上面図である。この特定の実施形態では、インレーに重なる極小本体224の表面積240は約0.9mm
2である。極小本体に重なるインレーの周長は約9mmである。
図13は、極小メッシュ本体224、インレー140の周囲、およびインレーが凹部内にあるときにインレーに重なる開口部244(3つの開口部244のみに符号が付されている)の表面積242(斜線で示す)を示す。この特定の実施形態では、表面積242が約2mm
2である。
【0069】
[000114]
図14は、中位メッシュ本体222と、その上に配置されたインレー140の周囲とを示す。中位本体222の表面積250は、インレーが入れ子内に位置決めされたときにインレーに重なり、その少なくとも一部がインレーに接触する、中位本体の表面積である。この特定の実施形態では、表面積が約0.75mm
2である。インレーの周長は約26mmである。
図15は、中位本体222、インレー140の周囲、およびインレーに重なる開口部252(3つの開口部252のみに符号が付されている)の表面積254(斜線で示す)を示す。表面積254は約2.3mm
2である。
【0070】
[000115]一部の実施形態では、中位本体および極小本体はそれぞれ、本体を貫通する1つまたは複数の開口部もしくは開口を有する。中位開口面積(または複数の開口の場合、開口面積の合計)に対する中位開口周長(または複数の開口の場合、開口周長の合計)の比は、極小開口面積(または複数の開口の場合、開口面積の合計)に対する極小開口周長(または複数の開口の場合、開口周長の合計)の比よりも大きい。必ずしも特定の理論に制約されることを望まないが、比が大きいほど、極小本体よりも中位本体から角膜移植片に大きい力が加えられるため、極小本体よりも角膜移植片に対する高い親和性を中位本体に与える。中位本体および極小本体が互いに対して離れると、移植片に加わるより大きい力によって、移植片が極小本体ではなく中位本体に付着されたままとなる。
【0071】
[000116]例としてのみ、
図12〜
図15に示す実施形態では、移植片に重なる中位本体の開口の周長の合計が約2.616cm(1.03インチ)に決定され、移植片に重なる開口面積の合計が約0.007742cm
2(0.0012平方インチ)に決定された。この特定の中位本体についての面積に対する周長の比は、約338cm
−1(858インチ
−1)であった。移植片に重なる極小本体の開口の周長の合計は、約0.9271cm(0.365インチ)に決定され、移植片に重なる開口面積の合計は約0.009032cm
2(0.0014平方インチ)に決定された。この特定の中位本体についての面積に対する周長の比は約102cm
−1(260インチ
−1)であった。したがって、比は、極小本体よりも中位本体について大きくなる。
【0072】
[000117]
図16は、例示的な角膜移植片保管および位置決め装置の部分分解図である。位置決め装置310は、一般にハンドルアセンブリ312を備え、ハンドルアセンブリ312は、中位本体と、極小本体を含む支持アセンブリ314と、支持アセンブリ314をハンドルアセンブリ312に対して作動または移動させるように構成されたアクチュエータアセンブリ316とを備える。中位本体についてのインレーの親和性がより高いため、支持アセンブリ314が作動されると、インレーは中位本体に付着する。
【0073】
[000118]アクチュエータアセンブリ316は、ボタン321に連結されたプッシュロッド320と、ばね322とを備える。ハンドルアセンブリ312は、中位本体を備えた遠位部分326に連結されたハンドル324を備える。ばね322の遠位端はハンドル312内の内部チャネル内に固定され、ばね322の近位端はボタン321の遠位端に固定される。プッシュロッド320は、ばね322の内部管腔内に配置されるように構成される。
図17A〜
図17Cにより詳細に示すように、プッシュロッド320の遠位端は、合わ
せ釘318を受けるように構成された、内部を貫通する孔328を有する。
図17Aに示すように、プッシュロッド320がハンドルアセンブリ312内で遠位に前進し、ハンドルアセンブリ312の遠位端から外に延びると、合わせ釘318が孔328を通って前進する。合わせ釘318はプッシュロッド320がハンドルアセンブリ312内で近位に後退することを防止するが、
図17Cに示すように、合わせ釘318はまた、ハンドルアセンブリ312に対して支持アセンブリ314を定位置に固定するために、係合する表面を基部アセンブリ314に与える。装置はロッド330も備えており、このロッド330は、支持アセンブリ314をハンドルアセンブリ312に対して定位置に固定するのを助ける(
図17C参照)が、アクチュエータが作動されたときに支持アセンブリ314がロッド330の周りを回転できるようにする。合わせ釘318は支持アセンブリの作動にも関与する。ボタン321を作動させると、プッシュロッド320、およびそれに伴って合わせ釘318がハンドルアセンブリ312内で遠位に前進する。これにより、合わせ釘318が概ね遠位に向けられた力を支持アセンブリ314に加え、合わせ釘318が支持アセンブリ314を押し下げる。この力が加わると、支持アセンブリ314がロッド330の周りを回転し始め、極小本体メッシュ338が中位メッシュ本体334から離れる。支持アセンブリ314をさらに回転すると、支持アセンブリ314がロッド330から解放され、支持アセンブリ314がハンドルアセンブリ312から完全に切り離される。切り離されると、角膜移植片は中位本体334に付着したままとなり、角膜組織内または角膜組織上への送達等、使用する準備ができる。極小メッシュ本体が移動されると、ユーザはボタン321を解放することができ、ばね322がアクチュエータ316を、ハンドルアセンブリ312に対して静止位置または非作動位置に戻す。
【0074】
[000119]ロッド330を組み込むことにより、支持アセンブリ314がハンドルアセンブリ312に対して一方向にのみ回転し、トルクを与えることを防止する。
[000120]
図18は、
図14に示すハンドルアセンブリ312の部分分解図である(アクチュエータおよび基部アセンブリは図示せず)。アセンブリ312は、ハンドル324、遠位先端部分342、合わせ釘318、アプリケータ基部336、およびアプリケータ334を備える。ハンドル324は遠位先端部分342に固定され、遠位先端部分342の遠位端はアプリケータ基部336の孔内に配置される。アプリケータ334はアプリケータ基部336に固定される。
図19は、
図18の組立図である。
【0075】
[000121]
図20A〜
図20Dは、アプリケータ基部336、アプリケータ334、およびロッド330のアセンブリの代替図である。
図20Aは、分解斜視底面図である。
図20Bは、ロッド330がアプリケータ基部336内にどのように配置されているかを示す斜視上面図である。
図20Cは、アプリケータ基部336に固定されたアプリケータ334と、アプリケータ334をアプリケータ基部336に固定するための複数の取付点350とを示す底面図である。
図20Dは、アプリケータ基部336に固定されたアプリケータ334と、アプリケータ基部336内に配置されたロッド330とを示す正面図である。アプリケータ334およびアプリケータ基部336は、任意の適切な技術によって共に固定され得る。一実施形態では、アプリケータ334が、抵抗溶接またはレーザ溶接等により、基部336に溶接される。アプリケータ334は中位メッシュ本体を備える。
【0076】
[000122]
図21A〜
図21Iは、前述したアプリケータ基部336の特定の実施形態の様々な図である。アクチュエータが貫通する内部孔が、
図21Dの側断面図に見られる。図に示す寸法は、この特定の実施形態に対して例示的なものにすぎず、限定するものではない。
【0077】
[000123]
図22A〜
図22Cは、前述した、メッシュ寸法を含むアプリケータ334の例示的な寸法を示す。たとえば、移植片が極小本体よりも中位本体に優先的に付着することに寄与するメッシュの寸法が示される。
図22Aは上面図である。
図22Bは側面図で
ある。
図22Cは
図22Aの部分Aの詳細図である。
【0078】
[000124]
図23A〜
図23Dは、移植片支持体338に固定された支持体基部340を備えた、
図17の支持体アセンブリ314を示す。支持体基部340および移植片支持体338は、前述したアプリケータ基部およびアプリケータと同様に互いに固定される。
図23Aは分解図であり、
図23Bは組立図である。
図23Cは上面図である。
図23Dは、凹部側壁356および凹部基部表面358により画定された凹部360を示す、アプリケータ338の
図23Aの詳細
図Cである。移植片は、極小本体の取外し前に極小および中位メッシュ間に位置決めされるように凹部内に配置されるよう構成されサイズ決めされる。
【0079】
[000125]
図24A〜
図24Eは、支持基部340の正面図、側断面図、側面図、および上面図である。
[000126]
図25A〜
図25Dは支持部338を示す。
図25Bは
図25Aに示す断面A−Aを示す。
図25Cは
図25Bの詳細Bを示し、
図25Dは
図25Aの詳細Cを示す。凹部360が支持部338の上部に形成される。
図25Bおよび
図25Cに示すように、メッシュ開口364が本体362により画定される。図示した寸法は例示的なものであり、限定することを意図するものではない。極小本体のメッシュ開口は中位本体のメッシュ開口よりも大きく、これは、この特定の実施形態において移植片が中位本体に優先的に付着する要因の1つとなる。
【0080】
[000127]一般に、極小メッシュ本体の凹部は、使用前に中位および極小本体間の入れ子内に位置決めされるとき、力または相当量の力が、角膜移植片に加わることを防止するようにサイズ決めされるべきである。
【0081】
[000128]メッシュ開口および凹部は、化学エッチング、レーザ切断、マイクロ水ジェット切断等の任意の適切な技術によって作成され得る。場合によっては、化学エッチングがよりきれいな断面を提供し、本体の製造後処理をそれほど必要としない。メッシュ開口を一方側からのみ形成することができ、または一部の実施形態では、開口厚さの半分が一方側から形成され、開口の他方の半分が他方側から形成される。一部の実施形態では、凹部が一方側からエッチングされ、メッシュ開口が他方側に形成される。これらの技術の任意の組合せまたは変形を使用することができる。一部の実施形態では、凹部がプランジ放電加工(「EDM」)により形成される。
【0082】
[000129]一般に、角膜移植片に作用する正味力は、極小メッシュ本体よりも中位メッシュ本体からの方が大きい。水の極性は、角膜移植片が親水性材料から形成されるときの重要な要因となる。このような場合に、移植片が水のような特性を有し、それ自体水のように動作するためである。メッシュの寸法、メッシュの構成、メッシュ本体、および他の要因を修正して相対的親和性を変更してもよい。
【0083】
[000130]前述したように、極小メッシュ本体の直径は中位メッシュ本体の直径よりも大きい(両方が、全体的に円形構成を有するものとして示される)。極小本体の直径は、大きいため、緩衝器のように作用し、アクチュエータの作動前の保管および使用中に装置の遠位領域全体を保護する。前述した特定の例では、極小本体の厚さが中位本体の厚さの約2倍である。
【0084】
[000131]中位本体の直径は凹部よりも大きく、極小本体の直径は中位本体の直径よりも大きい。一部の実施形態では、角膜移植片を角膜内に位置決めするときに、医師が瞳孔の視覚化を可能にするのに役立ち得る。たとえば、これは、1〜3mmの直径の角膜インレー等の、瞳孔の直径よりも小さい直径を有するインレーを角膜に移植するときに望ましい
とされ得る。これらの適用について、中位メッシュ本体は、瞳孔の視覚化を妨げないようにサイズ決めされ得る。具体的には、中位メッシュ本体部分は、移植片を角膜組織に送達する間に医師が瞳孔を見ることができるようにサイズ決めされる。この制約から始まり、次に他の部品のサイズを判定することができる。
【0085】
[000132]本明細書における「直径」の使用は、メッシュ本体の外面が完全な円形であることまたは円とみなされる形であることを提示するものではない。2つのメッシュ部分は、極小メッシュ部分の幅および長さが中位メッシュ部分の幅および長さよりも大きい正方形または矩形であってもよい。
【0086】
[000133]上記実施形態において、中位本体に対する移植片の親和性は、主に極小本体に対する中位メッシュ本体のサイズおよび構成に起因するものであると説明されているが、所与の本体に対する移植片の親和性を確立し制御する多くの方法がある。一部の実施形態では、極小本体とは異なる中位本体を使用してこれを達成することができる。一部の実施形態では、中位本体および極小本体の1つまたは複数の表面に仕上げを施すことができる。優先的な付着を制御するために、仕上げが中位本体と極小本体とで異なっていてもよい。一部の実施形態では、中位本体が極小本体よりも良好な仕上げを有する。一部の実施形態では、極小本体がマット仕上げを有する。
【0087】
[000134]本明細書に記載の装置の1つまたは複数の部品は、ステンレス鋼またはチタンであり得る。たとえば、アプリケータ基部36およびアプリケータ34はいずれもステンレス鋼であってもよく、一方がチタンで他方がステンレス鋼であってもよく、または両方がチタンであってもよい。
【0088】
[000135]
図26A〜
図26Dは、前述したハンドルアセンブリの遠位先端342を示す。
図26Aは、近位端から遠位端へ見た図、
図26Bは遠位端から近位端へ見た図、
図26Cは側断面図、および
図26Dは正面図である。遠位先端はハンドルに固定され、その遠位端はアプリケータ基部336に配置される。
【0091】
[000139]角膜移植片が中位本体および極小本体間で装置に装填されると、移植片をすぐに使用することができ、または移植片を任意の適切な期間、包装内で保管することができる。角膜移植片がヒドロゲル材料から作製されているときには、保管中に移植片を十分な水和状態に維持することが重要である。
【0092】
[000140]以下の開示は、保管中に角膜移植片を十分な水和状態に維持するように構成された包装ツールおよびアセンブリを説明する。より詳細に以下で述べるように、以下の実施形態は、移植片アプリケータ装置の、移植片が配置された部分から過剰な流体を除去することもできる。過剰な流体を除去することにより、極小本体が取り外されたときに、角
膜移植片が中位本体に確実に付着するのを助ける。
【0093】
[000141]本明細書に記載の包装ツールおよびアセンブリは、一般に、1)角膜移植片が内部に保持されたアプリケータ装置を囲って損傷から保護する機能、2)流体溜めとして作用し、角膜移植片に流体を供給して、保管中に角膜移植片を水和状態に維持する機能、および3)角膜移植片アプリケータを包装材料から取り出すときに過剰な流体を除去するかまたは逃がす機能の3つの重要な機能のうちの1つまたは複数を提供する。
【0094】
[000142]
図33A(側面図)および
図33B(上面図)は、内部に角膜移植片アプリケータ装置402が配置された例示的な包装アセンブリ400を示す。アセンブリ400は、ハウジングまたはトレイ404、および蓋406を備える。ハウジング404は、アプリケータ装置402の遠位端(角膜移植片が配置される)および水和制御部材408を収容するように構成された遠位溜めまたはウェル420を備える。水和制御部材408は溜め420内に配置され、角膜移植片が配置された装置402の部分と相互作用するように溜め420内に位置決めされる。本実施形態では、水和制御部材420は、ヒドロゲル材料が充填された多孔バッグである。ヒドロゲル材料は液体溜めのように作用し、流体分子が細孔を通過できるように細孔がサイズ決めされる。バッグは、折り目414で折り畳まれ、3つのバッグ部分412を形成する。バッグ部分の2つは、角膜移植片が配置された装置402の部分を受けるように構成された通路またはポケットを形成する。特に、本実施形態では、装置402が
図16の装置である。中位メッシュおよび極小メッシュ(内部に移植片を有する)が、図示したように、バッグ部分の2つの間に形成された通路内に位置決めされる。中位メッシュおよび極小メッシュは、バッグの2つの部分に係合する。2つの部分は通路を形成し、この通路内に、比較的薄い中位/極小本体アセンブリを配置することができる。装置402の遠位端が水和制御部材420の通路内に位置決めされると、角膜移植片は、中位および極小メッシュ本体の開口部ならびにバッグの細孔によって、バッグ内のヒドロゲル材料と流体連通する。バッグ内のヒドロゲル材料(または他の親水性材料)は、包装内での保管中に角膜移植片を水和状態に維持する。使用時に、装置402が多孔バッグの2つの部分によって形成された通路から取り出されると、バッグ部分が、中位本体および極小本体に付着する過剰な保管流体を逃がす。これにより、角膜組織上に置かれる移植片を準備するときに、非常に多くの保管流体が中位および極小本体に付着したままになることを防止する。
【0095】
[000143]一般に、水和制御要素は、保管中に角膜移植片を水和状態に維持するのを助ける。これは、移植片がヒドロゲル等の親水性材料から少なくとも部分的に作製されているときに、特に関連する。水和制御要素は、一般に、中位および極小メッシュ本体の開口部を介して角膜移植片と流体連通する流体溜めのように作用する。
【0096】
[000144]
図34は、ヒドロゲル材料が充填された多孔バッグの形状の水和制御部材を示す。
図35は、ガラスビーズが充填された多孔バッグの形状の水和制御部材を示す。多孔バッグ内のガラスビーズにより、
図34のバッグ内のヒドロゲル材料と同様の、移植片に対する水和を提供する。
【0097】
[000145]多孔バッグは、中位および極小本体内の入れ子と平衡またはほぼ平衡を維持するように構成される。これにより、保管中に移植片を水和状態に維持するのに十分な流体を移植片に供給する。バッグは、ポリエステル材料または任意の他の適切な材料であり得る。一部の実施形態では、バッグがポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)である。バッグの細孔サイズは、バッグから粒子が漏れるのを防止し、かつ角膜移植片の水和を制御するようにサイズ決めされる。一部の実施形態では、バッグメッシュのサイズが、約10ミクロン以上約50ミクロン以下である。一部の実施形態では、細孔サイズが約30ミクロンである。ヒドロゲルをバッグ内で使用する場合、ヒドロゲル材料は医療グレード
のものでも非医療グレードのものでもよい。
【0098】
[000146]代替実施形態では、水和制御部材が、ポケットまたは通路を間に形成する材料のロールである、2つの水和制御要素を備える。
図36Aおよび
図36Bは、ポケットを間に形成するポリエステルメッシュ材料の2つのロールを備えた例示的な水和制御部材を示す。2つのロールは、第1および第2の水和制御要素である。2つのロールにより形成されたポケットは、角膜移植片を収容する部分角膜移植片アプリケータ装置を受けるように構成される。本実施形態では、2つのロールが、スクロール状に巻き上げられた1枚の材料から形成されて、第1および第2の水和制御要素を形成する。
【0099】
[000147]
図37Aおよび
図37Bは、水和制御部材448が
図36Aおよび
図36Bの材料(たとえば、ポリエステル材料)の2つのロールを備えた、包装アセンブリ440を示す。角膜移植片アプリケータ装置442は、
図16に示す装置である。包装440は、トレイ444および蓋446を備える。トレイ444は、装置442の遠位端が位置決めされた溜め454を備える。水和制御部材448の2つのロール状の水和制御要素は、間にポケットまたは通路を形成する。ポケットは、中位および極小本体を内部で受けて安定させるように構成される。本実施形態では、材料の2つのロールが互いに接触し、ポケットは、2つのロール部分の外面によって画定された全体が楔形の構成である。装置442の遠位端がポケット内へ前進すると、装置の遠位端がロールをわずかに押し離す。2つのロールが角膜移植片(入れ子内に配置される)の両側に配置され、極小本体および中位本体にそれぞれ接触する位置まで、装置の遠位端が前進する。したがって、ロール要素は、中位および極小本体の開口部を介して角膜移植片に流体連通する。
【0100】
[000148]また、水和制御部材は、装置の遠位端がポケット内に配置されたときに、中位および極小本体(および入れ子内に配置された移植片)を安定させる。装置がポケット内へ前進すると、水和制御部材が包装内の中位および極小本体に係合してこれらを安定させる。これにより、遠位端が包装内でぶつかって、場合によって損傷を受けることを防止する。本明細書で使用する「安定させる」は、装置の遠位端が、水和制御部材がない場合よりも安定することを意味する。遠位端は、安定させるために完全に静止させる必要はないが、遠位端が水和制御部材に対して移動しないことが一般に好ましい。
【0101】
[000149]代替実施形態では、第1および第2の水和制御要素が、巻き上げられた材料ではなく、円筒形の中実材料である。2つの要素はトレイ内に固定されていても、基部部材に固定されていてもよい。
【0102】
[000150]水和制御部材の利点の1つは、装置がポケットから取り出されるときに、中位および極小本体から過剰な流体を逃がすか、またははぎ取るように、水和制御部材が構成されることである。これは、一部には、2つの水和制御要素が、ポケットから取り出されるときに、中位および極小本体に接触するためである。水和制御要素は、遠位端がポケットから取り出されるときに、ある意味では2つのスクイージーのように作用して過剰な流体をはぎ取る。過剰な流体をはぎ取るときに、水和制御要素は必ずしも過剰な流体を吸収せず、単に流体を中位および極小本体からはぎ取るだけである。これは、水和制御要素が流体でほぼ飽和されている場合でも、水和制御要素が過剰な流体を中位および極小本体から除去することができるため、有利となり得る。一部の特定の実施形態では、約0.5マイクロリットル以上約1.5マイクロリットル以下が、逃がしステップ後の中位本体および極小本体に関連する最適な流体量であることがわかっている。この流体量は、除去プロセス中に流体を逃がすことによって部分的に制御される。また、インレー内に残る流体量は、中位メッシュ本体の厚さ(公称約0.1mm)およびメッシュの開口部パターンに応じて決まる。
【0103】
[000151]バッグが水和制御部材の一部である実施形態では、水和装置が折り畳まれたり、または任意の特定の構成内に形成されたりする必要はない。たとえば、装置の遠位端が水和制御部材にほぼ接触した状態が維持されるように、バッグを単に変形させることができる。加えて、水和制御部材を装置の遠位端の一側のみに係合しても、装置は引き続き安定し、引き続き過剰な流体を除去することができる。
【0104】
[000152]
図38A〜
図40Bは、水和制御部材の代替実施形態を示す。水和制御部材500は、第1の水和制御要素502、第2の水和制御要素504、コア506、および2つの変形可能な基部508を備える。
図38Aは分解図であり、
図38Bは組立図である。
【0105】
[000153]水和制御要素502、504は、1枚の材料503をコア506の周りに巻き上げて、スクロールと同様の2つのロール部分を形成することよって形成される。スクロールを形成するために、
図40Aに示すように、材料503の端部501がコア506のスリットを通過した後、
図40Bに示すように、コア506の周りに巻き戻される。その後、コア506が材料503上で巻き上げられ、材料がコア506の周りに巻かれる。2つのコア506が、係合するまで反対方向に巻き上げられる。水和要素502、504がほぼ同量の材料503を有するように、2つのコア506が巻き上げられる。巻上げ後の材料およびコアが、
図38Aの中心分解図に示される。ポケット505が水和制御要素502、504の表面により形成される。
【0106】
[000154]一部の実施形態では、コアはPEEKであるが、ポリエステル材料等の任意の他の適切な材料であってもよい。
[000155]水和制御要素を形成する材料は、好ましくは、水吸上げ特性を有する。このような特性により、過剰な流体を装置から除去するのを助ける。例示的な適切な材料として、ポリエステル織布材料がある。また、水和制御要素の吸上げ特性により、包装されているときにインレーが確実に水和されるのを助ける。水和制御要素に接触する包装内の自由な水(すなわち、凝縮水)が吸い上げられ、中位および/または極小本体の開口部を介して移植片に流体連通することによって、角膜移植片に利用できるようにする。これは、たとえば、包装アセンブリが蒸気滅菌サイクルを受ける場合、サイクル終了時に包装内に凝縮水がある可能性があるため、非常に有利となり得る。
【0107】
[000156]また、水和制御部材500は、コア506の端部に固定された2つの変形可能な基部508を備える。基部508はそれぞれ、コア506の端部を受けるように構成された、内部を貫通する2つの孔を有する。基部508は、アプリケータの遠位端がポケットを通って前進したときにわずかに変形可能なように、ばね様特性を有する。本実施形態では、基部508が、基部508のわずかな変形を可能にするリビングヒンジ510を備える。アプリケータがポケット505内へ前進すると、リビングヒンジによって全体がC字状の基部508がわずかに開き、移植片アプリケータ装置を収容する。このわずかに変形した構成では、水和制御要素502、504がそれぞれ中位および極小メッシュ本体を押し、ポケット内でアプリケータ装置を安定させるのを助ける。
【0108】
[000157]基部508がコア506のより大きな分離に対応可能である場合、より大きな変形をもたらすように基部508を修正することができる。たとえば、基部508は、リビングヒンジ510よりも大きく移動させることのできる、2つの材料から形成されたヒンジを備えることができる。基部508を、ニチノール等の超弾性特性を有する材料から形成することもできる。
【0109】
[000158]コア506が基部508に固定されると、水和制御部材500を包装内に配置することができ、装置の遠位端をポケット内へ前進させることができる。
[000159]水和制御要素502、504がこのように1枚の材料から形成されるときに、材料503の長さに沿ってほぼ中心にある逆転防止装置512が形成される。逆転防止装置はポケットの後部に位置し、装置の遠位端がポケット内で遠くへ前進しすぎるのを防止する。本実施形態では、水和制御要素が互いに係合する箇所よりも遠位にインレーが位置決めされるように、アプリケータがポケット内へ前進し、装置がポケットから取り出されるときに、過剰な流体をアプリケータ装置の遠位端から適切に逃がすことができるようにする。2つの水和制御要素が接する箇所に角膜移植片を配置することもでき、または逆転防止装置の近くに配置することができる。
【0110】
[000160]あるいは、水和制御部材500を単に一時水和装置として使用して、包装容器内に位置決めする必要がないようにしてもよい。たとえば、ユーザが単に、移植片を水和状態に維持するように、移植片アプリケータ装置の遠位端を水和制御部材のポケット内に配置して維持してもよい。
【0111】
[000161]一部の実施形態では、トレイが、保管中に移植片アプリケータ装置を係合および安定させてトレイ内での移動を防止するか最小限にするように構成されたスナップ機構を備える。スナップ機構を、トレイの遠位部分、トレイの近位部分、またはその両方に配置することができる。遠位部分では、スナップ機構が装置の遠位部分を掴んで固定する。近位領域にある場合、スナップ機構は装置の近位領域を固定するように構成される。トレイ内に形成され、装置の遠位部分にしっかりと係合するように構成された例示的な遠位スナップ機構が、
図33Bに要素418、419として示される。例示的な近位スナップ機構413が、装置の近位部分を安定させるように構成される。遠位部分では、スナップ機構が直面する抵抗が、近位部分に配置されて装置の近位部分を掴む場合に直面する抵抗より弱くてもよい。本実施形態では、トレイは近位スナップ機構413を備えることができるが、遠位スナップ機構を備えていない。包装が近位スナップ機構のみを備えた実施形態では、装置が包装から取り出されるときに装置が周りを枢動する位置を、スナップ機構が提供することができる。遠位スナップ機構ではなく近位スナップ機構が備えられたときのこの種の運動の例示的な利点は、中位および極小本体の切離しの危険を少なくしつつ移植片入れ子を備えた装置の遠位端をポケットから取り出すことができ、角膜入れ子をポケットから取り出すときに過剰な流体をより良好に逃がす。またこの種の相対運動は、取出しステップ中に中位または極小本体に損傷を与える可能性を低下させる。
【0112】
[000162]
図41A〜
図41Eは、ロック556を備えた例示的な包装トレイ552(蓋は図示せず)の実施形態、および角膜移植片アプリケータ554を包装トレイから取り出す方法を示す。ロック556は、トレイ552内、特に装置のハンドル部分で装置554を安定させるのを助ける。
図41Aでは、蓋がすでに取り外されている。
図41Bでは、ロック556の側部が2つの矢印方向に押し下げられ、ロックが装置554から持ち上げられる。ロックがトレイ内でロッキング要素を解放すると、
図41Cおよび
図41Dに示すように、ロック556がトレイから完全に切り離される。ロックが取り外されると、
図41Eに示すように、装置554がトレイ552から取り外される。水和制御部材は
図41A〜
図41Eには示されていないが、本明細書に記載の水和制御部材のいずれかが、トレイのウェルまたは溜めに含まれていてもよい。ロックおよびトレイを、別個の部品ではなく一体構造となるように作製してもよい。
【0113】
[000163]移植片が数年間を含む任意の期間、包装内に保管されるため、トレイの蓋およびハウジングは、浸出可能な材料を含まないことが好ましい。加えて、トレイを含む包装材料は、滅菌のために加圧滅菌可能であるべきである。トレイを、熱成形、射出成形することができ、または他の適切な方法により形成することができる。一つの特定の実施形態では、トレイはCOC6015等のTOPAS(登録商標)COC材料である。トレイを、ポリプロピレンまたは他のプラスチック材料から形成することもできる。
【0114】
[000164]前述したように、装置の1つまたは複数の部品を種々の材料から作製することができる。たとえば、1つまたは複数の部品がステンレス鋼であってもよく、1つまたは複数の部品がチタンであってもよい。チタンはステンレス鋼よりも耐食性が高いため、材料が水に晒されたときに、より良好な材料となり得る。ステンレス鋼部品を使用するときに、より耐食性を高めるように、1つまたは複数の処理をステンレス鋼に施すことができる。一部の実施形態では部品が不動態化されるが、一部の実施形態では部品が窒化ジルコニウムコーティングで被覆される。一部の実施形態では、部品が不動態化され、かつ窒化ジルコニウムで被覆される。特定の実施形態では、1つまたは複数の部品が316Lステンレス鋼である。窒化ジルコニウムコーティングを使用して、部品をより硬くして、部品をより硬質化し保護性を高めることができる。たとえば、チタンを材料として使用した場合でも、窒化ジルコニウムコーティングを施すことができる。一部の実施形態では、中位および/または極小メッシュ本体、または装置の他の部品がプラスチック材料であってもよい。これにより、装置または装置の部分を使い捨てにする場合に、装置をより安価に製造することができる。
【0115】
[000165]一部の実施形態では、組み立てられた包装(トレイ、蓋、および内部に配置されたアプリケータ装置)を滅菌する必要がある。一部の実施形態では、包装を加圧滅菌によって滅菌する。角膜移植片内の水、水和制御部材に関連する水のため、加圧滅菌によって、密閉されたトレイ内に蒸気を生じさせる。加圧滅菌後の内圧は、350kPa以上になり得る。トレイは内圧上昇に耐えることができるようにすべきであり、蓋とトレイとの密閉は内圧上昇に耐えることができるようにする必要がある。蓋とトレイとの密閉が破れると、包装の内部が滅菌環境ではなくなる。
【0116】
[000166]加えて、前述したように、極小メッシュ本体の相対サイズにより、包装および取出し中に中位メッシュ本体が保護される。これは、極小メッシュの直径が中位本体の直径よりも大きく、極小メッシュ本体が中位本体よりも厚いためである。本明細書の実施形態の一部では、極小本体が中位本体の厚さの約2倍である(凹部が形成されている部分を除く)。
【0117】
[000167]一部の実施形態では、
図16のハンドル324等のハンドルが、射出成形されたプラスチックハンドルである。医師の触感を向上させるために、刻みパターンを有することが望ましいとされ得る。しかしながら、一部の刻みパターンは、清浄にすることが難しい。加えて、保管中に、包装材料上でパターンが摩耗し得る。一部の実施形態では、ハンドルが、平滑さを高める1つまたは複数の螺旋パターンを有し、包装材料上での摩耗を少なくする。
【0118】
[000168]本明細書に記載の保管および/または位置決め装置を使用して、1998年12月23日出願の米国特許第6,102,946号、2005年4月15日出願の第11/106,983号、2004年4月30日出願の第10/837,402号、2006年10月30日出願の第11/554,544号、2006年2月24日出願の仮出願第60/776,458号、2009年4月3日出願の第12/418,325号、2007年4月20日出願の第11/738,349号、2010年9月8日出願の第12/877,799号に記載された例示的なインレー等の角膜インレーを保管および/または位置決めすることができる。
【0119】
[000169]極小本体が中位本体に対して移動すると、流体と移植片との間の付着力及び流体と中位本体との間の付着力によって、ある量の流体が角膜移植片および中位本体に付着したままとなる。これは、一般に、中位および極小本体の分離後に残される流体量と呼ばれる。一部の特定の実施形態では、約0.5マイクロリットル以上約1.5マイクロリッ
トル以下が、残される流体の最適量であることがわかっている。この量は限定することを意図するものではない。前述したように、中位本体に対する極小本体の枢動により、残る流体の量が確実に望ましい量になるのを助ける。
【0120】
[000170]以下の開示は、角膜移植片または他の親水性移植片を1つの位置から別の位置へ移動させるための装置および方法を一般に説明する。装置および方法は、表面張力の性質を利用してインレーを制御する。装置を使用して、1つの表面または材料から移植片を持ち上げて、第2の表面または材料に移植片を置くことができる。上記の一部の実施形態では、角膜移植片が極小メッシュ本体の凹部に位置決めされる。以下の開示は、角膜移植片を上記装置の極小メッシュ本体の凹部内に置く例示的な装置および方法を説明する。
【0121】
[000171]
図42に関して上記したように、ループ内に懸濁した液体の場合、付着力が上面および底面の両方に作用し、凝集力が上面および底面の両方を通して作用する。これらの力は、液体の体積が、重力が付着力に打ち勝つような体積になるまで、液体をループ内に保持するのに十分なものである。
【0122】
[000172]角膜移植片がヒドロゲルから作製されるとき、角膜移植片は主に液体であるため、液体とほぼ同様に動作する。
図42は、流体604および角膜移植片600がループ内に拘束されるループ形状の取扱いツール602を示す。移植片600がこのようにループ内に拘束されるときに、ループに接続されたハンドルを掴むことによって、移植片を1つの位置から別の位置へ移動させることができる。一部の実施形態では、移植片が最初にループとともに持ち上げられた後、ループ内から極小本体の凹部に置かれる。
【0123】
[000173]
図42の実施形態のように、流体の液滴内に角膜移植片を拘束する複数の利点がある。第1に、移植片に作用する力は半径方向であり、移植片をほぼ非変形構成に維持する。第2に、
図43に示すように、一部の角膜移植片について、半径方向表面積606が移植片の底面(たとえば、後面)の面積608よりも十分に小さいため、底面が別の表面(たとえば、角膜組織)に接触して配置されると、この別の表面に底面が優先的に付着する。一部の特定の実施形態では、角膜移植片が、約2mmの直径と約14ミクロンの縁部厚さとを有する角膜インレーである。この特定の実施形態では、この特定のインレーの寸法によって、半径方向表面積が底部表面積の約1/13であることが決まる。
【0124】
[000174]円形のループ(
図42に示すような)が滴の形成には好ましくあり得るが、必須ではない。本開示の範囲から逸脱することなく、任意の数の包み、角度、形状、ワイヤ、サイズ、または構成を使用することができる。
図44A〜
図44Dは、ループの代替構成を示す。
図44Aでは、ループがハンドルに対してある角度で偏位している。
図44Bは、ループが材料の二重ループであるループを示す。
図44Cは、正方形構成(矩形でもよい)のループを示す。
図44Dは、ループを形成する材料が近位に延びてハンドルを形成するループを示す。
【0125】
[000175]
図45は、角膜移植片を取り扱うように構成された、ループ614を制御するように設計されたハンドルの実施形態を示す。角膜移植片は、ループ614内に保持された流体の体積により制御され得る。このハンドルによって、ユーザは、ループ内の流体の体積を容易に制御することができる。
図45に示す実施形態では、2つの別個のボタン610、612がある。ボタンの一方はプランジャに接続されたばねを引き、他方のボタンはばねを解放する。両方のボタンは解放後にそれらの位置を保持するので、ユーザは角膜移植片を位置決めしようとしながらボタンを定位置に保持しなくてよい。
【0126】
[000176]
図46aおよび
図46bは、この二重アクチュエータ設計の例示的な実施形態を示すが、本開示の範囲を逸脱することなく、他のボタン構成を使用することができる。
ボタン616が押し下げられると、ばね618が引かれ、ばね620はボタン622をラッチ624に係合させる。ボタン616は、引かれたときにループ626側へ押されるようにプランジャ617に接続される。これで装置は、角膜移植片を持ち上げる準備が整う。
【0127】
[000177]ループが角膜上に(ループ内の移植片とともに)位置決めされると、ボタン622が押され、ラッチ624がばね618を解放することにより、プランジャ621をループ626から離して押し戻す。これにより、空気がループ上に移動して、角膜移植片を囲む過剰な流体を吸い込む。移植片がループから確実に解放されるようにするため、プランジャ621は、移植片をループ内で保持するのに必要なものよりも多い、流体の過剰分を吸い上げるように構成される。
【0128】
[000178]ループを任意の数のハンドル構成に取り付けて、角膜移植片の制御をより良好に可能にすることができる。たとえば、ループ内に保持された流体の量を正確に制御するように構成されたハンドルが、複数の理由で有利である。ループ内の流体の量は、角膜移植片のユーザ制御を提供する。角膜移植片を角膜等の面に配置するために、ユーザはより大きい滴を表面近くに保持して、移植片とともに流体を表面上に逃がすことができ、またはユーザは、必要な表面張力を生じさせるのに十分な流体がなくなるまで流体をループから引き離して、移植片を角膜表面上に優先的に結合させることができる。希望に応じて、領域を流体であふれさせることによって、移植片を持ち上げて、移植片を上部に浮かせ、そこで移植片をループ内で再回収することができる。手順中に過剰な流体を除去できると、角膜表面が乾燥するのにかかる時間が短くなる点で有利である。移植片が角膜上に配置されたら、角膜の表面を乾燥させて、手順期間に移植片が移動するのを防止することが望ましい。眼は特に敏感であり、この手順をできるだけ迅速に行うことが望ましい。過剰な流体が最小限であれば、表面はより迅速に乾燥し、手順時間が最小限になる。
【0129】
[000179]
図47は、ループ632に連結された追加の例示的なハンドル630を示す。内部に流体を含むループ632は、角膜移植片を内部に維持するように構成される。ループ内の流体の制御は、種々の適切な方法で達成され得る。以下の例の複数において、ループはルアー分配針の縁部に配置される。しかしながら、ループを制御された流体路内に配置する任意の構成を使用してもよい。
【0130】
[000180]
図48は、制御ネック636を形成する圧縮性の管状要素を利用するシステムの例を示す。ハンドルは、ルアー638も備える。シリンジ634を使用して、溜めに流体が予め充填される。ユーザが制御ネック636を押し下げると、ハンドル内の体積が減少し、流体が先端を通って押されてループ640に入る。制御ネック636が解放されると、流体を吸い込んで溜めに戻す真空が生じる。
【0131】
[000181]
図49は、
図48の実施形態とほぼ同様に作用する変形形態を示す。ユーザが制御ネックを手で押す代わりに、スライド644が中間位置に設定される。これにより、ユーザは内部管への圧力を解放して、流体を引き込む圧力差を生じさせ、または圧力を上昇させて流体を変位させ、流体を先端から押し出すことができる。ばねにより、解放時にスライドを中間位置に戻す。装置は、シリンジ642、ルアー646、およびループ648を備える。
【0132】
[000182]
図50は、ループ650を備えた一般的なハンドル設計に照明要素652を加えた実施形態である。照明要素は、装置の遠位端のLEDであってもよく、または装置の長さに沿って延びる光ファイバであってもよい。
【0133】
[000183]角膜移植片をループ内に保管可能であると有利となり得る。一部の角膜移植片
は、角膜上に特定の向きで配置されることが好ましく、輸送および保管の間中、水和状態に維持されなければならない。これらの実施形態では、向きを維持するために移植片をループ内に予め装填して、水和を保つパッケージ内に包装することができる。
図51は、水和を保ちながら、包装されたルアー先端658を収容するバイアル654の例を示す。流体656もバイアル654内にある。移植片は、バイアル654内の保護パッケージ660内で保護される。
【0134】
[000184]一部の実施形態では、予め装填されたループが、流体が内部を通過して移植片まで流れて移植片を水和状態に維持できるようにする小さいホルダ内に包装される。
図52は、カバー667が矢印方向に戻って摺動して、予め装填されたインレーが適切な向きに配置されたループ668を見せる実施形態を示す。移植片664の上部のメッシュ672および底部のメッシュ670は、より大きい表面積がメッシュに晒されるにもかかわらず、移植片がループに優先的に付着するように構成される。内部を貫通する開口部を有するメッシュによっても、移植片を、包装されている間に水和状態に保つことができ、移植片を水和パッケージから取り出すときに過剰な流体を排出するのを助ける。本実施形態は、ルアー665も含む。
【0135】
[000185]
図53は、移植片をループと別個に保管することのできるシステムを示す。
図52に示すものと同一のメッシュ構成であるメッシュ674間から、移植片676を容易に取り出すことができる。
【0136】
[000186]
図54は、移植片680を内部に有する予め装填されたループ682がクランプ684内に配置されたシステムを示す。このクランプ684は、輸送および保管中に移植片を定位置に保持するように構成される。使用時に、流体制御ハンドル(図示せず)がルアー678に取り付けられる。その後、移植片をループ内で定位置に保持したまま、アセンブリ全体がクランプから迅速に取り外される。
【0137】
[000187]また、本明細書に記載のループ装置のいずれかを使用して、角膜移植片を任意の種類の表面上へ位置決めすることができ、または任意の種類の表面から移動させることができる。ループによって、必要とされ得るどのような種類の位置決めまたは取扱いも容易となり得る。一部の実施形態では、ループを使用して、角膜移植片を角膜表面上に位置決めする。一部の実施形態では、ループを使用して、角膜移植片を送達装置表面上に位置決めし、送達装置を使用して、角膜移植片を角膜内または角膜上に位置決めする。たとえば、ループを使用して角膜移植片を取り扱い、角膜移植片を前述した極小本体の凹部内に位置決めすることができる。一部の実施形態では、ループを使用して、角膜移植片を保管または送達装置表面から別の表面上へ移動させる。
【0138】
[000188]本明細書の実施形態は、中位本体および極小本体の両方を説明している。しかしながら、一部の実施形態では、装置またはその使用方法が、極小本体を備える必要がない。極小本体がないと、角膜移植片は、中位および極小本体によって画定された角膜入れ子内に位置決めされない。したがって、移植片を中位本体内に包装する必要がない。たとえば、移植片を別個の包装で包装することができる。これらの実施形態では、中位本体が、前述したように、移植片に対する優先的な付着を利用して、角膜移植片をその包装から回収し、または持ち上げることができる。これにより、角膜移植片をどのように包装する必要があるかについての制限をなくすことができる。たとえば、移植片を、バイアル内で保管媒体に浮遊させて保管することができる。移植片を角膜組織上に位置決めする準備ができると、ハンドルに連結可能な中位本体が、角膜移植片を開口に隣接した位置へすくい上げること等によって、保管媒体内で移植片に隣接して位置決めされる。その優先的な付着適応により、角膜移植片は中位本体に優先的に付着する。移植片は、中位本体に付着すると、中位本体の適応に依拠して移植片が中位本体ではなく角膜組織に優先的に付着できるようにすることにより、前述したように角膜上に置かれる準備ができる。
以下に本明細書が開示する形態のいくつかを記載しておく。
[形態1]
内部を貫通する1つまたは複数のアプリケータ開口部を有する移植片アプリケータと、
内部を貫通する1つまたは複数の支持体開口部を有する移植片支持体とを備え、
前記移植片アプリケータおよび移植片支持体が互いに対して配置されて移植片入れ子を形成し、前記移植片入れ子が角膜移植片を収容するように構成され、
前記1つまたは複数のアプリケータ開口部の面積の合計に対する前記1つまたは複数のアプリケータ開口部の周長の合計の比が、前記1つまたは複数の支持体開口部の面積の合計に対する前記1つまたは複数の支持体開口部の周長の合計の比よりも大きく、比が大きいほど、支持体よりも角膜移植片に対する高い親和性をアプリケータに与える、角膜移植片アプリケータ装置。
[形態2]
前記移植片アプリケータが、角膜組織が前記移植片アプリケータよりも前記角膜移植片に対する高い親和性を有するように構成される、形態1に記載の装置。
[形態3]
前記移植片アプリケータが、内部を貫通する複数のアプリケータ開口部を有する、形態1に記載の装置。
[形態4]
前記複数のアプリケータ開口部が、前記複数のアプリケータ開口部にわたる同一の最大直線寸法を有する、形態3に記載の装置。
[形態5]
前記移植片支持体が、内部を貫通する複数の支持体開口部を有する、形態1に記載の装置。
[形態6]
前記複数の支持体開口部が、前記支持体開口部にわたる同一の第2の最大直線寸法を有する、形態5に記載の装置。
[形態7]
前記移植片アプリケータが、内部を貫通する複数のアプリケータ開口部を有し、前記移植片支持体が、内部を貫通する複数の支持体開口部を有する、形態1に記載の装置。
[形態8]
前記複数のアプリケータ開口部が、前記複数のアプリケータ開口部にわたる同一の最大直線寸法を有し、前記複数の支持体開口部が、前記支持体開口部にわたる同一の第2の最大直線寸法を有する、形態7に記載の装置。
[形態9]
前記角膜移植片が前記入れ子内に配置されたときに前記角膜移植片に重なる前記複数のアプリケータ開口部の数が、前記角膜移植片に重なる前記複数の支持体開口部の数よりも大きい、形態7に記載の装置。
[形態10]
流体が前記角膜移植片入れ子内に保持され、表面張力によって前記角膜移植片に重なるある数の前記複数のアプリケータ開口部内に前記流体が配置され、表面張力によって前記角膜移植片に重なるある数の前記複数の支持体開口部内に前記流体が配置され、前記角膜移植片に重なる前記アプリケータ開口部内に配置された流体の体積が、前記角膜移植片に重なる前記支持体開口部内に配置された流体の体積よりも大きい、形態7に記載の装置。
[形態11]
前記角膜移植片に重なる前記支持体開口部の少なくとも1つが、前記開口部全体にわたって延びる流体を有していない、形態10に記載の装置。
[形態12]
前記角膜移植片アプリケータが、前記角膜移植片アプリケータにわたる第1の最大直線寸法を有し、前記移植片支持体が、前記移植片支持体にわたる第2の最大直線寸法を有し、前記第2の最大直線寸法が前記第1の最大直線寸法よりも大きい、形態1に記載の装置。
[形態13]
前記移植片支持体の外縁が、前記移植片アプリケータの外縁よりもさらに半径方向に延びる、形態1に記載の装置。
[形態14]
前記移植片支持体が、前記入れ子の一部を形成する平坦な移植片支持体表面を有する、形態1に記載の装置。
[形態15]
前記移植片支持体の内部に、前記角膜移植片を収容するように構成された凹部が形成される、形態14に記載の装置。
[形態16]
前記移植片アプリケータが、前記入れ子の一部を形成する平面を有する、形態1に記載の装置。
[形態17]
前記移植片アプリケータが第1の最大厚さを有し、前記移植片支持体が第2の最大厚さを有し、前記第2の厚さが前記第1の厚さよりも大きい、形態1に記載の装置。
[形態18]
前記第2の厚さが前記第1の厚さの約2倍である、形態17に記載の装置。
[形態19]
前記1つまたは複数のアプリケータ開口部が六角形の構成を有する、形態1に記載の装置。
[形態20]
前記1つまたは複数の支持体開口部が六角形の構成を有する、形態1に記載の装置。
[形態21]
前記角膜移植片が親水性材料から作製される、形態1に記載の装置。
[形態22]
内部を貫通する複数のアプリケータ開口部を有する移植片アプリケータと、
内部を貫通する複数の支持体開口部を有する移植片支持体とを備え、
前記複数のアプリケータ開口部の数が前記複数の支持体開口部の数よりも大きく、
前記移植片アプリケータおよび移植片支持体が互いに対して配置されて角膜移植片入れ子を形成し、角膜移植片が前記複数のアプリケータ開口部および前記複数の支持体開口部に隣接して配置されるように、前記角膜移植片入れ子が前記角膜移植片を収容するように構成される、角膜移植片アプリケータ装置。
[形態23]
前記アプリケータ開口部の数が大きいほど、前記支持体よりも前記角膜移植片に対する高い親和性をアプリケータに与える、形態22に記載の装置。
[形態24]
角膜組織が前記アプリケータよりも前記角膜移植片に対する高い親和性を有するように、前記アプリケータが構成される、形態22に記載の装置。
[形態25]
前記入れ子内に位置決めされたときに前記角膜移植片に重なる前記複数のアプリケータ開口部の数が、前記移植片が前記入れ子内に位置決めされたときに前記角膜移植片に重なる前記複数の支持体開口部の数よりも大きい、形態22に記載の装置。
[形態26]
前記複数のアプリケータ開口部が六角形の構成を有する、形態22に記載の装置。
[形態27]
前記複数の支持体開口部が六角形の構成を有する、形態22に記載の装置。
[形態28]
前記角膜移植片が親水性材料から作製される、形態22に記載の装置。
[形態29]
六角形の構成を持つ、内部を貫通する複数のアプリケータ開口部を有する角膜移植片アプリケータと、
六角形の構成を持つ、内部を貫通する複数の支持体開口部を有する角膜移植片支持体とを備え、
前記角膜移植片支持体が前記角膜移植片アプリケータに対して配置されて、間に角膜移植片入れ子を形成する、角膜移植片アプリケータ装置。
[形態30]
前記支持体よりも前記角膜移植片に対する高い親和性を前記アプリケータに与えるように、前記複数のアプリケータ開口部がサイズ決めされる、形態29に記載の装置。
[形態31]
角膜組織が前記アプリケータよりも前記角膜移植片に対する高い親和性を有するように、前記アプリケータ開口部がサイズ決めされる、形態29に記載の装置。
[形態32]
前記複数のアプリケータ開口部および前記複数の支持体開口部に隣接する前記入れ子内に配置された角膜移植片をさらに備える、形態29に記載の装置。
[形態33]
前記複数の六角形のアプリケータ開口部の対向する辺の間の直線寸法が、前記複数の六角形の支持体開口部の対向する辺の間の直線寸法よりも小さい、形態29に記載の装置。
[形態34]
前記角膜移植片が親水性材料から作製される、形態29に記載の装置。
[形態35]
内部を貫通する少なくとも1つのアプリケータ開口部を有する移植片アプリケータと、
内部を貫通する少なくとも1つの支持体開口部を有する移植片支持体とを備え、
前記移植片アプリケータおよび移植片支持体が互いに対して配置されて、角膜移植片を収容するように構成された移植片入れ子を形成し、
前記少なくともアプリケータ開口部および少なくとも1つの支持体開口部が、前記角膜移植片と前記少なくとも1つのアプリケータ開口部内に配置された液体との間の力が前記角膜移植片と前記少なくとも1つの支持体開口部内に配置された液体との間の力よりも大きくなるように構成され、力が大きいほど、前記支持体よりも前記角膜移植片に対する高い親和性を前記アプリケータに与える、角膜移植片アプリケータ装置。
[形態36]
前記少なくとも1つのアプリケータ開口部が、角膜表面よりも前記角膜移植片に対する低い親和性を前記アプリケータに与えるように構成される、形態35に記載の装置。
[形態37]
アプリケータ開口部の数が支持体開口部の数よりも大きい、形態35に記載の装置。
[形態38]
前記移植片入れ子内に位置決めされたときに前記角膜移植片に重なるアプリケータ開口部の数が、前記角膜移植片に重なる支持体開口部の数よりも大きい、形態37に記載の装置。
[形態39]
前記少なくとも1つのアプリケータ開口部のサイズが、前記少なくとも1つの支持体開口部のサイズよりも小さい、形態35に記載の装置。
[形態40]
前記移植片アプリケータが、前記少なくとも1つのアプリケータ開口部が貫通する平坦な第1の表面を有する、形態35に記載の装置。
[形態41]
前記移植片支持体が、前記少なくとも1つの支持体開口部が貫通する平坦な第1の表面を有する、形態35に記載の装置。
[形態42]
前記少なくとも1つのアプリケータ開口部の面積の合計に対する前記少なくとも1つのアプリケータ開口部の周長の合計の比が、前記少なくとも1つの支持体開口部の面積の合計に対する前記少なくとも1つの支持体開口部の周長の合計の比よりも大きく、比が大きいほど、支持体よりも角膜移植片に対する高い親和性を前記アプリケータに与える、形態35に記載の装置。
[形態43]
前記少なくとも1つのアプリケータ開口部および前記少なくとも1つの支持体開口部が、六角形の構成を有する、形態35に記載の装置。
[形態44]
前記移植片アプリケータが、内部を貫通する複数のアプリケータ開口部を有し、前記移植片支持体が、内部を貫通する複数の支持体開口部を有し、前記複数のアプリケータ開口部が前記複数の支持体開口部よりも小さい、形態35に記載の装置。
[形態45]
前記移植片アプリケータが、内部を貫通する複数のアプリケータ開口部を有し、前記移植片支持体が、内部を貫通する複数の支持体開口部を有し、前記角膜移植片が入れ子内に配置されたときに角膜移植片に重なる前記複数のアプリケータ開口部の数が、前記角膜移植片に重なる前記複数の支持体開口部の数よりも大きい、形態35に記載の装置。
[形態46]
角膜移植片が親水性材料から作製される、形態35に記載の装置。
[形態47]
内部を貫通する複数のアプリケータ開口部を有する移植片アプリケータと、
内部を貫通する複数の支持体開口部を有する移植片支持体とを備え、
前記移植片アプリケータおよび移植片支持体が互いに対して配置されて、角膜移植片を収容するように構成された移植片入れ子を形成し、
前記複数のアプリケータ開口部の配置により、前記支持体よりも前記角膜移植片に対する高い親和性を前記アプリケータに与える、角膜移植片アプリケータ装置。
[形態48]
前記複数のアプリケータ開口部の配置により、角膜表面よりも前記角膜移植片に対する低い親和性を前記アプリケータに与える、形態47に記載の装置。
[形態49]
アプリケータ開口部の数が、支持体開口部の数よりも大きい、形態47に記載の装置。
[形態50]
前記移植片入れ子内に位置決めされたときに前記角膜移植片に重なるアプリケータ開口部の数が、前記角膜移植片に重なる支持体開口部の数よりも大きい、形態49に記載の装置。
[形態51]
前記複数のアプリケータ開口部のサイズが前記複数の支持体開口部のサイズよりも小さい、形態47に記載の装置。
[形態52]
前記移植片アプリケータが、前記複数のアプリケータ開口部が貫通する平坦な第1の表面を有する、形態47に記載の装置。
[形態53]
前記移植片支持体が、前記複数の支持体開口部が貫通する平坦な第1の表面を有する、形態47に記載の装置。
[形態54]
前記複数のアプリケータ開口部の面積の合計に対する前記複数のアプリケータ開口部の周長の合計の比が、前記複数の支持体開口部の面積の合計に対する前記複数の支持体開口部の周長の合計の比よりも大きく、比が大きいほど、支持体よりも角膜移植片に対する高い親和性を前記アプリケータに与える、形態47に記載の装置。
[形態55]
前記複数のアプリケータ開口部および前記複数の支持体開口部が、六角形の構成を有する、形態47に記載の装置。
[形態56]
前記複数のアプリケータ開口部が前記複数の支持体開口部よりも小さい、形態47に記載の装置。
[形態57]
前記角膜移植片が前記入れ子内に配置されるときに前記角膜移植片に重なる前記複数のアプリケータ開口部の数が、前記角膜移植片に重なる前記複数の支持体開口部の数よりも大きい、形態47に記載の装置。
[形態58]
前記角膜移植片が親水性材料から作製される、形態47に記載の装置。
[形態59]
角膜移植片送達装置を内部で受けて安定させるように構成されたポケットを形成する本体を備える、角膜移植片水和制御装置。
[形態60]
前記本体が、第1の水和制御要素と、前記第1の水和制御要素に対して配置されて前記ポケットを形成する第2の水和制御要素とを備える、形態59に記載の装置。
[形態61]
前記第1および第2の水和制御要素が、巻き上げられた材料の部分を含む、形態60に記載の装置。
[形態62]
前記第1および第2の水和制御要素が、材料の一体部分から巻き上げられた材料の部分を含む、形態60に記載の装置。
[形態63]
材料の前記一体部分の一部が、逆転防止装置を形成する、形態62に記載の装置。
[形態64]
前記第1および第2の水和制御要素が、概して円筒形である、形態60に記載の装置。
[形態65]
前記第1および第2の水和制御要素が互いに係合する、形態60に記載の装置。
[形態66]
前記本体に固定された第1の変形可能な基部をさらに備え、前記第1の変形可能な基部が、変形して第1の水和制御要素および第2の水和制御要素の間の距離を調節するように構成され、前記第1および第2の水和制御要素が前記ポケットの少なくとも一部を形成する、形態59に記載の装置。
[形態67]
前記第1の水和制御要素内に配置された第1のコアと、前記第2の水和要素内に配置された第2のコアとをさらに備え、前記第1の変形可能な基部が前記第1および第2のコアに固定されて、前記基部を前記第1および第2の水和制御要素に固定する、形態66に記載の装置。
[形態68]
前記第1および第2のコアに次ぐ第2の変形可能な基部をさらに備える、形態67に記載の装置。
[形態69]
前記第1の変形可能な基部が、前記第1および第2のコアのそれぞれの第1の端部に固定され、前記第2の変形可能な基部が、前記第1および第2のコアのそれぞれの第2の端部に固定される、形態68に記載の装置。
[形態70]
前記第1の変形可能な基部が、前記変形可能な基部が変形して前記第1および第2の水和制御要素の間の前記距離を調節可能にするリビングヒンジを備える、形態66に記載の装置。
[形態71]
前記ポケットが、第1および第2の水和制御要素によって形成された、全体的に楔形を有する、形態59に記載の装置。
[形態72]
前記本体がポリエステル材料から形成される、形態59に記載の装置。
[形態73]
装置が前記ポケットから取り出されるときに、前記ポケット内に配置された前記装置から流体を逃がすように、前記本体が構成される、形態59に記載の装置。
[形態74]
角膜移植片が保持される移植片部分を備えた角膜移植片アプリケータ装置と、
前記移植片部分を内部で受けて安定させるように構成されたポケットを備えた水和制御部材とを備えた、角膜移植片アプリケータのための包装アセンブリ。
[形態75]
前記角膜移植片が保持される前記移植片部分がほぼ平坦である、形態74に記載のアセンブリ。
[形態76]
前記角膜移植片が、ほぼ無応力構成で前記角膜移植片アプリケータ装置の前記移植片部分に保持される、形態74に記載のアセンブリ。
[形態78]
前記水和制御部材が、第1の水和制御要素と第2の水和制御要素とを備え、前記第1および第2の水和制御要素が前記ポケットの少なくとも一部を形成する、形態74に記載のアセンブリ。
[形態79]
前記第1および第2の水和制御要素が、概して円筒形である、形態78に記載のアセンブリ。
[形態80]
前記水和制御部材が、前記角膜移植片アプリケータ装置が前記ポケット内で遠くへ前進しすぎるのを防止するように構成された逆転防止装置をさらに備える、形態78に記載のアセンブリ。
[形態81]
前記第1および第2の水和制御要素が、互いから離れて前記角膜移植片アプリケータ装置を収容するように構成される、形態78に記載のアセンブリ。
[形態82]
角膜移植片が装置の部分内に配置される、角膜移植片アプリケータ装置を準備するステップと、
前記移植片が配置された前記装置の部分を水和制御部材に対して移動させながら、前記装置の部分を前記水和制御部材に係合させることにより、過剰な流体を前記装置の部分からはぎ取るステップとを含む、角膜移植片アプリケータ装置から過剰な保管液体を除去する方法。
[形態83]
前記装置の部分が、少なくとも1つの開口部がそれぞれ形成された、角膜入れ子を形成する第1および第2の表面を有し、前記はぎ取りステップが、前記第1および第2の表面から過剰な流体を除去するステップを含む、形態82に記載の方法。
[形態84]
前記はぎ取りステップが、前記装置の部分を前記第1および第2の水和制御要素に対して移動させながら、前記装置の部分を第1および第2の水和制御要素に係合させるステップを含む、形態82に記載の方法。
[形態85]
角膜移植片が位置決めされる第1の部分を角膜移植片アプリケータ装置に設けるステップと、
前記第1の部分が水和制御部材に係合するまで、前記水和制御部材により形成されたポケット内に前記装置の前記第1の部分を位置決めするステップとを含む、角膜移植片アプリケータ装置を保管する方法。
[形態86]
前記位置決めステップが、前記水和制御部材と前記角膜移植片との間に流体連通を生じさせる、形態85に記載の方法。
[形態87]
前記位置決めステップが、前記第1の部分が2つの水和制御要素に係合するまで、前記2つの水和制御要素により形成されたポケット内へ前記第1の部分を前進させるステップを含む、形態85に記載の方法。
[形態88]
前記位置決めステップが、第1の装置表面を第1の水和制御要素に係合させて位置決めするステップと、第2の装置表面を第2の水和制御要素に係合させて位置決めするステップとを含む、形態87に記載の方法。